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ブロックチェーン不動産取引プラットフォーム「Propy」、マーキュリアから資金調達し日本進出を本格化

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シリコンバレーに本拠を置き、ブロックチェーン不動産取引プラットフォーム「Propy」を運営する Propy は16日、直近のラウンドで日本のマーキュリアインベストメント(東証:7190)から資金調達したことを明らかにした。このラウンド単体での調達金額は明らかになっていないが、同社の累積調達金額は1,670万米ドル以上。このラウンドには、ブロックチェーン分野への積極的な関与で知られる著名投資家の T…

左から:Denitza Tyufekchieva 氏と Natalia Karayaneva 氏
Image credit: Propy

シリコンバレーに本拠を置き、ブロックチェーン不動産取引プラットフォーム「Propy」を運営する Propy は16日、直近のラウンドで日本のマーキュリアインベストメント(東証:7190)から資金調達したことを明らかにした。このラウンド単体での調達金額は明らかになっていないが、同社の累積調達金額は1,670万米ドル以上このラウンドには、ブロックチェーン分野への積極的な関与で知られる著名投資家の Tim Draper 氏と、全米不動産協会(National Association of Realtors)の投資部門 Second Century Ventures も参加している。

Propy は2016年、Natalia Karayaneva 氏と Denitza Tyufekchieva 氏により設立されたスタートアップ。ブロックチェーンを使うことで、住宅購入のプロセスをシンプルにし、詐欺的な取引を排除しようというものだ。物件情報、DocuSign で署名さえた購入契約、送金など、住宅取引に関わる一連のプロセスがオンライン化されるため、「1件の取引につき10時間のペーパーワークが不要になる(同社)という。現在ではプラットフォームを世界各国の不動産取引に関わる法制度に準拠させ、国境を超え不動産取引を活性化させる仕組みを構築しつつある。

Propy の Karayaneva 氏は2019年9月、国土交通省と日米不動産協力機構(JARECO)が開催した国際不動産カンファレンス(IREC)に招かれ講演。この際、不動産取引向けのエスクローサービスを提供するエスクロー・エージェント・ジャパン(EAJ)と、日本市場展開にあたり協業を始めることを明らかにしていた

今回出資した、マーキュリアインベストメントは日本政策投資銀行(持分24%)が中心となり2005年に設立され、現在は伊藤忠商事(東証:8001、約14%)や三井住友信託銀行(約3%)らを LP とするファンドを運用。伊藤忠商事が筆頭株主であるセンチュリー21・ジャパン(東証:8898)、三井住友信託銀行傘下の三井住友トラスト不動産らを通じて、住宅を売買するオーナーなどへのアプローチを図るとみられ、規制緩和により不動産売買時の重要事項説明の電子化などで活気付く業界トレンドに歩調を合わせる。

Image credit: Mercuria Investment

Karayaneva 氏によれば、Propy にとって日本市場はアメリカ市場に続く最初の海外市場進出となる。彼女は日本を選んだ理由について、世界的にイノベーティブな企業を輩出している国でありながら、法制度が何十年にも渡って変化していないことに可能性を見出したとし、日本や世界の不動産取引を行う人にとってメリットを提供できるだろうと述べた。また、今後は、B2B 仲介事業者や不動産取引を支援するフィンテック企業、不動産購入者に柔軟な金融サービスを提供する各社との関係づくりが重要になるとも語った。

我々の大きな目標は、不動産取引のプロセスを簡単で楽しいものにすることだ。一生で数回しか購入しない住居という高価なものを購入する体験には、多くの紙が使われ、アメリカでは多くの詐欺被害が報告され、非常にストレスの多いものとなっている。我々はこれを楽しめるものにしたい。(Karayaneva 氏)

Propy は全米不動産協会のアクセラレータプログラム「REACH」から輩出。2017年には ICO で1,550万ドルを調達した。TechCrunch や CrunchFund の共同創業者 Michael Arrington 氏は昨年、所有不動産を Propy で売却したことを明らかにしている

<参考文献>

家賃問題を解決する「Kwaba」にみる、アフリカの“意外な商習慣”とは

重要なポイント:中低所得者層をターゲットに賃料の分割払いサービスを開始したKwabaは、今年2度目となる資金調達を実施している。同社がサービスを提供するナイジェリアでは、賃貸物件の支払いを長期間分一括前払いする慣例があり、新型コロナウィルスの影響で賃料の支払いが困難になった人により多く利用してもらえるよう、獲得した資金でサービスを拡大する狙いだ。 Kwabaは今年1月の設立。ナイジェリア拠点のAR…

Image Credit : Kwaba

重要なポイント:中低所得者層をターゲットに賃料の分割払いサービスを開始したKwabaは、今年2度目となる資金調達を実施している。同社がサービスを提供するナイジェリアでは、賃貸物件の支払いを長期間分一括前払いする慣例があり、新型コロナウィルスの影響で賃料の支払いが困難になった人により多く利用してもらえるよう、獲得した資金でサービスを拡大する狙いだ。

Kwabaは今年1月の設立。ナイジェリア拠点のARMが実施する、金融業界の問題を解決するスタートアップを対象としたアクセラレータープログラムLABS by ARMに選出され、2万ドルの資金調達を含む事業支援を受けた。今月にはアフリカ・サブサハラ地域のスタートアップを対象とするVCファンドIngressive Capitalから2回目となる資金調達を実施した。金額は非公開。

詳細な情報:ナイジェリアのラゴスで賃貸物件を借りる際には、エージェントを通して手続きを実施し、半年や1年、場合によっては2年分もの家賃を一括で前払いする慣例がある。加えて物件の持ち主やエージェントによっては更に同期間分の光熱費や頭金、手数料など更なる費用を前払いで求めてくるケースもあり、中低所得者層が家を借りるハードルが非常に高い。

  • 今年の8月にサービスを開始したKwabaでは、不要な支払いは排除した上で、一括で払う必要のある高額な費用を分割支払いできるソリューションを提供する。Kwabaプラットフォーム上にある物件には費用内訳が明記され、賃貸期間と支払いサイクルを毎日、毎週、毎月、四半期、毎年、といった単位で指定して借りる。
  • 同国には既にオンラインでの仲介サービスを始めとするPropTech(不動産テック)サービス自体は復数存在しているが、貸し手・借り手のマッチングや物件の使用に際しての費用から収益を上げているためサービスのほとんどが富裕層向けで、中低所得者層をターゲットにしたサービス及び高額な前払い一括支払いの負担軽減にフォーカスしているサービスはないに等しい。
  • Kwabaのサービスは同社が顧客に代わりに一括で家賃の前払いをし、その費用を低金利で顧客から回収するスキームのため、高額な一括払いの慣例をなくす類のものではない。

背景:ナイジェリアでは現在既に1,700〜2,200万戸の住宅不足に直面しており、政府は約1億800万人がホームレス状態で暮らしていると推定している。現在推定では60%の借り主が賃料の支払いが困難な状態に陥っているといわれており、この問題解決に向けて不動産開発は進んでいるものの、富裕層向け不動産の開発ばかりが進んで高級物件が供給過剰になる一方、多くの貧困層を取り巻く環境は改善されていない。

同国の人口は現在増加の一途をたどり、2047年までに人口が現在の約2倍、3億9千万人になると予想されているため、このままでは住宅不足問題はより一層深刻化する可能性が高いとみられている。長期間の家賃を前払い一括で支払うこの慣例は、ベナン共和国、ケニアなどナイジェリア以外の国でも行われている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志

夢の別荘は近場でーーPacasoが採用した少人数・共同所有モデル(2/2)

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(前回からのつづき)米国には約3,000万戸の別荘が存在しているそうです。しかし利用期間は年間で4〜6週間。言い換えれば11カ月ほどが使われずにいます。しかもこうした物件に飽きて、不動産を売買したいとなると未だに煩雑なプロセスが伴います。ここに共同所有の考えを用いたのがPacasoです。 まず同社は顧客需要が高そうな物件を代表して購入します。その物件を欲しい購入希望者は物件シェアの1/8(12.5…

Image Credit:Outsite co

(前回からのつづき)米国には約3,000万戸の別荘が存在しているそうです。しかし利用期間は年間で4〜6週間。言い換えれば11カ月ほどが使われずにいます。しかもこうした物件に飽きて、不動産を売買したいとなると未だに煩雑なプロセスが伴います。ここに共同所有の考えを用いたのがPacasoです。

まず同社は顧客需要が高そうな物件を代表して購入します。その物件を欲しい購入希望者は物件シェアの1/8(12.5%)〜50%を保有する必要があります。残ったシェアはPacasoが保有し続け、他の購入者を探すまで持ち続けます。最低シェアが1/8であることから、物件は最大8名の間で共有される計算となります。

Pacasoは共同所有を実現させるため、代表して購入した物件の売却開始と同時にLLC(有限責任会社)を設立します。つまり、1つの物件を1つの会社で運営できる体制を整えるのです。シェア率に関わらず、常に会社の経営はPacasoが担うため、メンテナンス、資金調達(物件購入のローン)、法務などの面倒な作業を顧客が考える必要はありません。収益源として、1オーナー当たり10〜15%の利ざや(手数料)を求めます。加えて購入価格の1%に当たる年間運営費用を徴収することで、定期収入も獲得しています。

一見、タイムシェアモデルと似ていると感じるかもしれませんが、冒頭で紹介したように都市部から2時間ほどの移動圏内にある物件に特化し、リゾート地ではなく、アットホームな住宅体験の提供に絞っているのが特徴です。

また、よくあるタイムシェアの物件は1年以内に購入期間を利用しなければならず、かつ物件価値は徐々に下がっていく傾向にあります。1部屋に対し50人が以上が利用予約するケースもあるため期間変更も難しくなります。この点、Pacasoは最大で8名の所有者がいるのみなので利用期間の予約が取りやすく、住宅価値も上昇する可能性が残っています。

競合には大手バケーションレンタル企業「Vacasa」がいます。別荘を民泊化するため、オーナー不在でも鍵の受け渡しや物件管理などのフルサービスを提供しています。同社の収入は10億ドルほどだそうで、十分なベンチマークと言える事業規模です。別荘購入を民主化させるPacasoがどの程度市場を切り開けるのかに期待が集まります。

夢の別荘は近場でーーポストコロナの不動産購入「Pacaso」(1/2)

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2020年は顧客行動が大きく変わりました。例えばキャンプ用品市場。ソーシャルディスタンスを意識し始めた4〜5月以降、米国ではキャンプ、RV車、ドライブ旅行に関する主要製品が2桁、3桁の伸びを示したそうです。こちらの記事では、4月後半の2週間、レクリエーション・テント(30%増)、ハンモック(103%増)、キャンプセット(119%増)、キャンプファイヤー用品(42%増)などのキャンプ用品の売上が増加…

Image Credit:Pacaso

2020年は顧客行動が大きく変わりました。例えばキャンプ用品市場。ソーシャルディスタンスを意識し始めた4〜5月以降、米国ではキャンプ、RV車、ドライブ旅行に関する主要製品が2桁、3桁の伸びを示したそうです。こちらの記事では、4月後半の2週間、レクリエーション・テント(30%増)、ハンモック(103%増)、キャンプセット(119%増)、キャンプファイヤー用品(42%増)などのキャンプ用品の売上が増加したことを伝えています。

空の移動が嫌厭されリゾート地や国外旅行が控えられました。そのため、他人との接触をなるべくしない大型バンやキャンプカーをレンタルして都心から2〜3時間、遠くても4〜5時間程度の郊外で過ごす需要が高まったのだと思います。同様のトレンドが別荘市場にも発生しています。

今回紹介する「Pacaso」は、まさに手軽に別荘で時間を過ごしたい需要を抑えた不動産売買プラットフォームを展開するスタートアップです。ただし別荘の場所はリゾート地ではなく、大都市から2〜3時間にある比較的容易にアクセスできる場所です。キャンプ市場と同じく近郊需要です。

同社共同創業者は不動産情報検索サイト大手「Zillow」のグループ企業で代表を努めた経験を持つSpencer Rascoff氏で、業界を知り尽くした経験豊富な企業です。また9月30日には、シアトルのVC「Maveron」がリードする1700万ドルのシードラウンドを発表し、Crosscut、Global Founders Capital、元スターバックスCEOのHoward Schultz氏らがラウンドに参加しています。シード調達に加え、合計2億5,000万ドルのデッド調達を行いました。(次につづく)

越境不動産仲介や不動産人材紹介のBEYOND BORDERS、REAPRAらから1.7億円を調達

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日本、マレーシア、カンボジアに拠点を置き、越境不動産の購入や投資のための検索ポータル「SEKAI PROPERTY」と不動産業界特化型キャリア支援サービス「リアルエステート WORKS」を運営する BEYOND BORDERS は28日、直近のラウンドで1.7億円を調達したことを明らかにした。 このラウンドに参加したのは、REAPRA VENTURES(以降、REAPRA と略す)、名前非開示の個…

「SEKAI PROPERTY」
Image credit: Beyond Borders

日本、マレーシア、カンボジアに拠点を置き、越境不動産の購入や投資のための検索ポータル「SEKAI PROPERTY」と不動産業界特化型キャリア支援サービス「リアルエステート WORKS」を運営する BEYOND BORDERS は28日、直近のラウンドで1.7億円を調達したことを明らかにした。

このラウンドに参加したのは、REAPRA VENTURES(以降、REAPRA と略す)、名前非開示の個人投資家、BEYOND BORDERS の創業メンバーなど。また、調達金額には金融機関からのデットファイナンスを含んでいる。REAPRA は BEYOND BORDERS の創業時にも出資しており、今回の出資参加は二回目となる。

同社は2015年7月、遠藤忠義氏(現 CEO)により設立。遠藤氏は、マンション開発大手ゴールドクレストを経て、医療・介護人材大手のエス・エム・エス(東証:2175)の創業期に入社し、海外法人の立ち上げなどに関わった人物だ。エス・エム・エス時代の諸藤周平氏(エス・エム・エス、および REAPRA 創業者)との関係から、REAPRA からの複数回にわたる出資につながったとみられる。

<参考文献>

BEYOND BORDERS 遠藤忠義氏(CEO)
Image credit: Beyond Borders

SEKAI PROPERTY は、物件情報65,000件を掲載した不動産検索のポータルを入口として、日本人の海外不動産購入仲介や不動産管理、外国人の日本国内不動産購入の仲介などを行う。日本人には、マレーシア(クアラルンプール市内、日本人に人気の高いモントキアラなど)やカンボジア(プノンペン市内、外国人在住者や日系飲食店が多い独立記念塔周辺など)のコンドミニアムなど不動産を現地デベロッパと組んで紹介。また、外国人には、同様に日本のデベロッパと組んで、人気地域の優良不動産を紹介している。

BEYOND BORDERS は SEKAI PROPERTY へのデベロッパからの情報掲載料、不動産仲介手数料、不動産管理手数料などでマネタイズしている。現在、この不動産ポータルには約2万人が登録しているが、越境不動産購入は現状、ローンなどを使わず現金取引が主流となっているため、日本の富裕層や海外では香港やシンガポールの富裕層がユーザの中心だということだ。新型コロナウイルスの影響で海外投資家の日本不動産購入は減っているものの、日本からマレーシアやカンボジアの不動産購入は堅調を維持しているそう。

その背景には、コロナ禍でマレーシアでは国内の不動産需要が低迷し、デベロッパは多少価格をディスカウントしても、海外需要家に早く売ってしまいたい、というトレンドから割安感が出ていること。カンボジアではハードカレンシーである米ドルが基軸通貨として市場流通している上、日本人が現地銀行に口座を開設しやすく、購入不動産を賃貸した場合の賃料回収が問題なく行えるとの安心感から需要が増えているという。無論、これらの国々は成長期にあるため、不動産需要や価格推移も右肩上がりであることは言うまでもない。

カンボジアの不動産を見る、海外事業部リーダーの高稲祐貴氏
Image credit: Beyond Borders

BEYOND BORDERS では SEKAI PROPERTY を通じて不動産売買された累計取引額が2020年度末までに50億円を超える見込みであることも明らかにした。取引額には、海外投資家による日本不動産の購入も含まれるが、マレーシアやカンボジアの不動産の1物件あたり平均購入額は1,700万円程度ということなので、これまでに数百件以上の取引を仲介したことが窺える。最近では、賃料収入や売買時の利ザヤを狙う投資目的以外に、セカンドハウスとして、これらの不動産を購入する人も増えているそうだ。

一方、リアルエステート WORKS は、デベロッパ、住宅メーカー、マンション管理会社に人材を紹介するプラットフォームだ。累計会員登録者数は約3,000名(2020年9月)。日本での人材紹介事業の成長を受け、BEYOND BORDERS では将来、同事業のシンガポールや香港での展開も視野に入れたいとしている。

不動産スタートアップのすむたす、査定価格を知ってから不動産会社に売却相談できる「ウレタ」を正式ローンチ

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不動産テックスタートアップのすむたすは24日、新サービス「ウレタ」を正式ローンチした。このサービスでは、マンション売却時に「高く売却する」仲介価格と、「すぐ確実に売却する」買取価格を AI が同時に算出。希望する買取価格や売却スピードを元に、 仲介会社に相談して少し時間がかかっても高く売却するか、オンライン上で最短2日で素早く売却するかを選ぶことができる。 すむたす代表取締役の角高広氏は、この日オ…

「ウレタ」
Image credit: Sumutasu

不動産テックスタートアップのすむたすは24日、新サービス「ウレタ」を正式ローンチした。このサービスでは、マンション売却時に「高く売却する」仲介価格と、「すぐ確実に売却する」買取価格を AI が同時に算出。希望する買取価格や売却スピードを元に、 仲介会社に相談して少し時間がかかっても高く売却するか、オンライン上で最短2日で素早く売却するかを選ぶことができる。

すむたす代表取締役の角高広氏は、この日オンラインで開催した記者会見で、不動産流通領域(中古不動産の流通)の DX を直接か仲介か、売却か購入かの4つの条件で分類。不動産仲介会社を介さない直接の不動産売却には「すむたす買取」、直接の不動産購入には「すむたす直販」を提供してきたが、今回、不動産仲介会社への売却を望む不動産オーナー向けに新サービスを立ち上げた。

すむたすが提供する不動産流通領域(中古不動産の流通)の DX サービス
Image credit: Sumutasu

不動産 DX の一つのテーマとして、不動産を買う側と売る側の情報の非対称性問題の解消がよく挙げられる。一般的に業界に精通している不動産事業者に比べ、個人の不動産オーナーは価格をはじめとする市場情報を得られにくい状況にある。ウレタでは AI を活用することで。物件情報の入力のみで実買取価格を提示する。

価格を多少犠牲にしてもすぐ確実に売却したい場合は、すむたすの iBuyer サービスである「すむたす買取」にお客は誘導される。少し時間がかかっても高く売却したい場合は、不動産仲介会社による査定へと誘導される。なお、この段階で、お客に入力が求められるのは物件情報のみで、不動産仲介会社には個人情報が提供されないため、査定依頼の時点で営業電話や営業メールを受けることもない。

記者会見で話す、すむたす代表取締役の角高広氏
Image credit: Sumutasu

角氏はすむたす設立前、Speee で不動産仲介会社複数に一括査定依頼できるサービス「イエウール」の立ち上げに関わった。このときの経験から、一般的な一括査定サイトでは、価格査定のプロセスが属人的である(紹介を受けた不動産仲介会社の営業担当者が査定)、お客は査定時に個人情報の入力を求められるため、不動産会社から多数の営業電話が寄せられる、などに課題を感じていた。

ウレタではこれらの課題を解決し、また、大手・中堅企業ではなく、物件エリアに詳しい地元の不動産会社に参画してもらうことで、既存の一括査定依頼サービスとの差別化を図る。数ヶ月前からウレタのβ運用を開始し、これまでに東京23区や首都圏周辺地域の不動産会社50社以上が参画。同社では、2022年3月末までに参画企業300社、売却成約件数600件を目指すとしている。

PropTech特化VCのデジタルベースキャピタル、台湾に地元PropTechスタートアップのコミュニティ「PropTech Taiwan」を設立

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから 東京を拠点とする PropTech 特化 VC のデジタルベースキャピタルは11日、台湾に PropTech スタートアップのコミュニティ「PropTech Taiwan」を設立したと発表した。デジタルベースキャピタルは以前から日本で「PropTech JAPAN」を運営しており、実質的にこの活動を台湾へと拡大すること…

PropTech Taiwan の設立時メンバー。左から:デジタルベースキャピタル アナリスト Kensuke Ko(黃健輔)氏、HousePro(唯優房産整合行銷)CEO Jimmy Chen(陳政綱)氏、台湾大学博士研究員 Tracy Sedinkinas(張芸翠)氏、 LIOVE CEO Benson Tsai(蔡櫂隆)氏

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

東京を拠点とする PropTech 特化 VC のデジタルベースキャピタルは11日、台湾に PropTech スタートアップのコミュニティ「PropTech Taiwan」を設立したと発表した。デジタルベースキャピタルは以前から日本で「PropTech JAPAN」を運営しており、実質的にこの活動を台湾へと拡大することになる。PropTech Taiwan の代表には、デジタルベースキャピタルのアナリストで、台湾在住の黄健輔氏が就任する。

台湾では PropTech スタートアップが多く誕生しはじめたにも関わらず、ハブとなるコミュニティが存在していないことから、黄氏が中心となり PropTech Taiwan を設立することが決定された。設立を記念して、PropTech Taiwan では、Ark Intelligence、BigFun、LIOVE、HousePro(唯優房産整合行銷)といった、台湾の PropTech スタートアップの経営者をパネルスピーカーに招いて、オンラインミートアップを9月25日に開催する予定

via PR TIMES

AI不動産管理SaaS「管理ロイド」運営、不動産管理大手5社から2.4億円を調達

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AI 不動産管理プラットフォーム「管理ロイド」を開発・運営する THIRD は27日、直近のラウンドで2.4億円を調達したと発表した。ラウンドステージは不明。このラウンドに参加したのは、双日商業開発、東急不動産ホールディングス(東証:3289)、森トラスト、東京建物(東証:8804)、 阪急阪神不動産の CVC ファンド。 管理ロイドは、不動産管理に必要な業務をペーパレス化・一部自動化できるプラッ…

Image credit: Third

AI 不動産管理プラットフォーム「管理ロイド」を開発・運営する THIRD は27日、直近のラウンドで2.4億円を調達したと発表した。ラウンドステージは不明。このラウンドに参加したのは、双日商業開発、東急不動産ホールディングス(東証:3289)、森トラスト、東京建物(東証:8804)、 阪急阪神不動産の CVC ファンド。

管理ロイドは、不動産管理に必要な業務をペーパレス化・一部自動化できるプラットフォームだ。もともとは、THIRD は建築・機械・電気工事のコスト削減コンサルを手がける不動産コンサル会社だが、業界特有の多重請負、記録プロセスの重複などに着目し SaaS 化を図った。従来、電気・空調・給排水などの工事を行う事業者は、その工事進捗や完了状態を現場で写真撮影し、その写真を元に手書き記入、定められたフォーマットに転記している。作業が煩雑である上、手で行う作業であるため転記ミスも生じる。

Image credit: Masaru Ikeda

管理ロイドでは、スマホアプリを使うことで、記録から情報管理までを完全ペーパーレス化。最新の点検表をダウンロードして、それに自動転記を行うことも可能だ。メーターなどの値を AI で自動的に読み取る機能も実装していて、それを正常値か異常値かを AI 解析しユーザに伝える機能も備える。不動産管理に関わる一連の業務を、一気通貫で一つのプラットフォーム上で完結できることも強みだという。

THIRD は昨年 Open Network Lab の Resi-Tech プログラム第1期に採択され、昨年8月に実施されたデモデイでは Best Team Award と Audience Award の座に輝いた。このプログラムでは不動産管理大手を含む16社と PoC を実施または検討しており、これらの企業の多くが今回ラウンドの投資家になったと見られる。

2019年11月の製品版リリースから、不動産管理大手30社を中心に全国で2,800棟以上に導入されているという。同社では、今回の調達を受けて、管理ロイドの導入拡大に向けた人材採用、蓄積されたデータを活用した新たな AI サービスの開発を強化するとしている。

Open Network Lab の Resi-Tech プログラム第1期デモデイで優勝した THIRD のチーム。
Image credit: Masaru Ikeda

不動産仲介DX「CANARY(カナリー)」運営のBluAge、シリーズAで約3億円を調達——売買不動産にも進出、ヤフーと事業提携

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不動産仲介業者の業務オンライン化と部屋探しアプリ「CANARY(カナリー)」を運営する BluAge(ブルーエイジ) は30日、シリーズ A ラウンドで約3億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、エンジェル投資家グループの Angel Bridge、東大創業者の会応援ファンド、SMBC ベンチャーキャピタル、個人投資家など。昨年6月に実施したシードラウンドに続くものとなる。 …

BluAge のメンバー。右から2人目が代表取締役の佐々木拓輝氏。
Image credit: BluAge

不動産仲介業者の業務オンライン化と部屋探しアプリ「CANARY(カナリー)」を運営する BluAge(ブルーエイジ) は30日、シリーズ A ラウンドで約3億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、エンジェル投資家グループの Angel Bridge、東大創業者の会応援ファンド、SMBC ベンチャーキャピタル、個人投資家など。昨年6月に実施したシードラウンドに続くものとなる。

CANARY が提供するのは、賃貸不動産の仲介における内見業務や契約業務の一部代行サービス。賃貸不動産のオンラインポータルなどには、不動産業者が多くの物件情報を掲載しているが、物件の写真撮影や必要情報の集約など、掲載に関わる一連の業務に担当者が1日あたり数時間以上要することもザラ。また、消費者サイドから見れば、おとり物件が含まれるという問題もある。

CANARY では Web 上に公開された物件情報をキュレーションし公開。CANARY を訪れたユーザが希望する物件について内見を求めると、CANARY のスタッフが内見業務を代行する。賃貸不動産に住んだことのある人なら分かる通り、契約にあたっては客付の不動産屋(借主側)と元付の不動産屋(貸主)側が仲介してくれるわけだが、この際の客付の業務を CANARY が代行するわけだ。

Image credit: BluAge

昨年サービスが公開された段階では、CANARY は賃貸不動産の内見業務や契約業務の一部を個人エージェントに開放するという位置づけだった。いわば、不動産仲介のギグエコノミー化であるが、 BluAge の創業者で代表取締役の佐々木拓輝氏によれば、不動産仲介は営業上の知見や経験が重要で、ギグワーカーに業務を担ってもらうにはハードルが高いことがわかったという。

かねてから、BluAge ではこのエージェント機能を社内のスタッフが担う体制を敷いていたが、ギグワーカー展開が難しいことが判明してからは社内スタッフを一気に40名程度まで増やし、BluAge 自身が仲介業を営む体制に舵を切った。新型コロナウイルス感染拡大が追い討ちをかける形で、不動産仲介会社の DX 化(デジタルトランスフォーメーション)にも一役買っているという。

もともとは、オンラインからの顧客流入であっても、不動産仲介会社はまずお客に店舗に来てもらい、担当者が同伴して物件内見に出向き、その後、気に入ってもらえれば、店頭に再度立ち寄ってもらって契約、ということが多かった。

しかし、新型コロナで不動産仲介会社もお客もできるだけ接触を減らしたい、ということになった。CANARY には追い風になっている。内見業務や契約業務を CANARY が担うことで、全てがオンラインでのオペレーションになるので店舗さえいらない。

Image credit: BluAge

店舗が無い不動産仲介。これはもはやクラウドキッチンのようだ。CANARY を使った不動産仲介は、これまで新しく不動産業界で独立する人が多く採用する傾向にあったが、新型コロナが招いた新常態対応から従来からの事業者も多く参加し始めているという。

モバイルアプリの CANARY は正式リリースから約1年間の期間で16万件以上のダウンロード、2万件以上の内見依頼があった。これまでの賃貸版に加え、今月から同アプリ内で売買版を正式リリース。ヤフーと売買物件情報における事業提携を締結し、不動産ポータルサイト「Yahoo!不動産」が扱う約30万件の物件情報の CANARY への掲載を開始した。同社では、アプリの使いやすさを磨いてきたことが快進の一因に繋がっていると見ている。

ホテル業界で始まるUberEats化、注目すべき「バーチャル・ルームサービス」モデルとは

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実店舗を持たず、「UberEats」「Postmates」「Doordash」に代表されるフード配達アプリ上でメニュー展開をする業態は「ゴーストレストラン」と呼ばれます(バーチャルレストランなどとも時折呼ばれます)。 ウェイトレスを雇用する必要がなく、調理場所さえ確保してしまえば、オンラインで出店が可能。経営のスリム化が図れます。人との接触が憚られる時勢に最適なソリューションとして世界中で認知・利…

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Butler Hospitality ウェブサイト

実店舗を持たず、「UberEats」「Postmates」「Doordash」に代表されるフード配達アプリ上でメニュー展開をする業態は「ゴーストレストラン」と呼ばれます(バーチャルレストランなどとも時折呼ばれます)。

ウェイトレスを雇用する必要がなく、調理場所さえ確保してしまえば、オンラインで出店が可能。経営のスリム化が図れます。人との接触が憚られる時勢に最適なソリューションとして世界中で認知・利用が高まりました。Uber創業者のTravis Kalanick氏も、同社退職後の今は「CloudKitchens」を立ちあげ、フード配達市場へ進出しています。すでに同社は50億ドルの企業価値がつけられているとのことです。

そして今、ゴーストレストランの業態をホテルに持ち込んだ事業モデルに注目が集まっています。新たなホテルビジネスを展開するのが「Butler Hospitality」。同社がニューヨークで2015年に創業し、7月10日1,500万ドルの資金調達を発表しています。

従来、ルームサービス経由で料理を注文する場合、サービス料金として数十ドルの非常に高額な料金がかかっていました。人件費が高い一方で注文量が少ないために、料金は高止まりせざるを得ないジレンマが起こってしまうケースです。

ルームサービスを頼むより、近くのレストランへ宿泊客が自ら出向いて料理を調達した方が格安に収まる場合もしばしばですが、見知らぬ土地であったり、ホテル周辺にレストランがないような場合は、渋々ルームサービスを頼まざるを得ない状況になります。

そこで活躍しているのがButler Hospitalityです。同社はバーチャル・ルームサービスを展開しているのですが、これがなんとホテル内のレストランを買収して自社事業として運営するモデルなのです。できたての料理を近隣30分以内で配達できるホテルに届ける、ルームサービス特化のフード配達事業を立ち上げています。

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Butler Hospitality ウェブサイト

ホテルとは完全別運営の、配達特化のレストラン「ゴーストレストラン」として事業を独立させており、配達距離の短いルームサービスを提供。Butler Hospitalityと提携するホテルは、従来より安い、できたての料理を宿泊客に提供できるようになります。自社でスタッフを抱えることもなく、月額利用料をButler Hospitality側に支払う形式になるため、コスト予測も容易にできるようになります。

一方、Butler Hospitality側に求められるのは需要予測です。UberEatsのように、配達需要・距離・時間でデリバリー料金が変動するダイナミック・プライシングとは違い、ルームサービス料金は一定である必要があります。この点を加味した上で、適切な配達拠点・料金設定が必要となります。

近隣ホテルと提携できているのはレストランを買収しているためです。運営を完全に独立させているため、レストランが置かれているホテルにサービスを特定させる必要がありません。売上の悪いホテルレストランを買収し、運営手法含めリブランドしながらネットワーク網を増やす、巧みなビジネスモデルと言えるでしょう。

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Butler Hospitality ウェブサイト

さて、Butler Hospitatlityの真価はパンデミックで発揮されています。先述したように、同社のレストランはホテルオーナーやビルテナントとも独立しています。そのため、率先してニューヨーク市内で日々必死になって働くエッセンスワーカーを支援する動きを見せています。「Businesswire」によると、医療従事者、隔離された高齢者、コロナ患者、パートナーホテルに滞在する軍人などに17万5,000食以上の食事を届けたとのことです。

コロナ禍、空回りのレストランを持つホテル事業者がButler Hospitalityと同じ事業を地域で展開することも十分考えられるでしょう。地域のエッセンシャルワーカー向けにサービス業態を変えることで、社会の共感性を得やくなるかもしれません。

確かに消毒作業のコストはバカにはなりませんが、この非常時に最前線でウィルス感染のリスクを被る人たちの受け皿の一つとなるアイデアとなるかもしれません。地域の医療機関や教育機関、行政から収益化することで、エッセンシャルワーカーを支える生活インフラ事業としてホテル事業を転換できる可能性もあると感じます。

宿泊料からの収益と比べれば微々たるものかもしれませんが、ホテル業界の生存戦略を考える上で、そして雇用を守る上で考えられる一つのソリューションではないでしょうか。

ニッチなデリバリー業態で成長を続けているのがButler Hospitatlityであり、毎年収益が2倍で増加しているレストラン・ネットワーク事業です。稼働が下がっている、ホテル内レストランを新たな事業として生まれ変わらせるモデルは日本でも十分に応用が効くかもしれません。

Butler Hospitatlityが提供するのはルームサービスですが、提供範囲およびレストラン買収・配達拠点を広げて一般ユーザーにも配達は可能でしょう。東京以上に状況が厳しいニューヨークから、新たなビジネスが芽を出してます。