BRIDGE

タグ 琉球銀行

沖縄を代表する大企業5社、「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催——日本・韓国・台湾からスタートアップ11チームが参加

SHARE:

琉球銀行(東証:8399)、沖縄タイムス、沖縄セルラー(東証:9436)、沖縄電力(東証:9511)、日本トランスオーシャン航空(JTA)の5社は29日、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催した。このプログラムは3年前に琉球銀行が単独で運営を開始、2回目からは主催者に沖縄タイムスが加わり、通算4回目となる今回から、沖縄…

Image credit: Okinawa Startup Program

琉球銀行(東証:8399)、沖縄タイムス、沖縄セルラー(東証:9436)、沖縄電力(東証:9511)、日本トランスオーシャン航空(JTA)の5社は29日、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催した。このプログラムは3年前に琉球銀行が単独で運営を開始、2回目からは主催者に沖縄タイムスが加わり、通算4回目となる今回から、沖縄セルラー、沖縄電力、JTA が加わった

Image credit: Okinawa Startup Program

今回の4回目のバッチには合計11チームが参加、国内8チームに加え、台湾政府の工業技術研究院(ITRI)傘下のスタートアップ支援組織 Taiwan Tech Arena(TTA)の推薦で台湾スタートアップ2社、韓国・済州(チェジュ)創造経済イノベーションセンターからの推薦で韓国スタートアップ1社も参加した。なお、今回のデモデイは、コロナウイルスの影響により、海外や沖縄県外のスタートアップはオンライン登壇、無観客での開催となった。

<関連記事>

以下に参加全チームの発表内容を紹介する。

Plazma(日本・沖縄)

Image credit: Okinawa Startup Program

沖縄県糸満市に本拠を置くプラズマは、画像解析やセンサーを使ったIoT ソリューションを開発するスタートアップだ。これまでに、鶏舎やハウス栽培向け向けの環境値計測モニタリングシステム、豚舎向けの画像モニタリングシステムなどを開発している。豚舎向けの画像モニタリングシステムで使われている画像解析技術を応用し、同社では駐車場の不正利用を検知する仕組みを開発した。

Image credit: Okinawa Startup Program

許可されていない者の駐車があると、駐車場に設置されたカメラの画像をもとに検知する。逆に、許可したユーザに柔軟な利用機会を与えることも可能。例えば、営業時間以降の銀行駐車場、営業時間前の居酒屋駐車場の顧客以外への利用機会提供など。現在、沖縄県下2大学の学生組織と実験中。運転代行や宅配最適化サービスと連携し拡大を目指す。5年以内に3万台分の駐車場への提供が目標。

awoo/阿物(台湾)……台湾・工業技術研究院(ITRI)の推薦

Image credit: Okinawa Startup Program

awoo は、東京・台北・嘉義(台湾南部の都市)に拠点を置く、MarTech(Marketing Technology)スタートアップだ。リアルな商品購入シーンで店員が顧客が興味を持ちそうな商品を勧める行動を、e コマースで実現しようとしている。顧客に商品を勧めるには、顧客と商品双方の属性をマッチングする必要があるが、従来の MarTech は顧客理解に終始するものが多かった。

Image credit: Okinawa Startup Program

awoo が開発した AI カリスマ店員「nununi」は、商品説明文から AI がコンテキストを理解し、商品に対してさまざまなタグづけを行う。これを顧客属性とマッチングさせることで最適な商品をレコメンドし、e コマース販売者はアップセルを望める。これまでに台湾では、台湾版 LINE、台湾楽天、Jamshopping など約13,000社が導入。ランディングページや SEO の自動化も提供する。

FunLife(日本・東京)

Image credit: Okinawa Startup Program

FunLife は、AR を使ったエクササイズプラットフォーム「LIFEcise」を開発。リアルなスポーツジムにさまざまな理由で通えない、通わないユーザを対象に、自分の生活動線の中で飽きないエクササイズ環境を提供。映画やゲームなどで用いられるモーションデータ(モーションキャプチャ)技術を応用し、ユーザの動きとインストラクターの動きを重ねて投影する「ARC Mirror」を使う。

Image credit: Okinawa Startup Program

LIFEcise は、ARC Mirror を通じて、バリエーション(エクササイズやインストラクションの種類)の豊富さ、ゲーミフィケーション、パーソナライゼーションにより、ユーザが身体を動かしたくなる思いを誘う。空手、ヨガ、ストレッチ、ミニゲームなどのインストラクションコンテンツは監修元との提携により提供。オフィス、老人ホーム、フィットネスなどへの設置を目論む。

沖縄セルラー電話とは、同社提供の健康アプリ「JOTO ホームドクター」とのデータ連携の可能性を協議中。

DiveBnB/다이브비앤비(韓国)

Image credit: DiveBnB

DiveBnB は、ダイバーのためのオンライン旅行代理店(OTA)。スキューバダイビングを楽しみたい人とっては、現地までの交通や宿は既存の OTA で手配できても、ダイバーショップなどの検索や予約は別手順を踏む必要があり煩雑だ。DiveBnB を使えば、宿泊先のダイビング施設情報を簡単に調べられ、一連の手順をワンストップで提供する。宿泊施設からの広告費と手数料でマネタイズ。

Image credit: DiveBnB

ダイビング好きの人は、国から国へと移動しながら旅行する人が多くのも特徴で、朝早くにチェックインして潜り始め、夜になる前にはチェックアウトして次の目的地へ移動する、という人も少なくない。通常の宿ではアーリーチェックインとなるわけだが、ダイバー向けの宿では割引料金を適用することも多く、DiveBnB はそういったニーズにも対応する。

LUUP(日本・東京)

Image credit: Okinawa Startup Program

LUUP は、マイクロモビリティを都市に実装しようとする MaaS スタートアップだ。街のあらゆる場所にモビリティ機器を借りたり返したりできるポートを配置し、高齢者も含め全ての人が安全かつ便利に利用できるモビリティのプラットフォーマーになることを目指している。インバウンド需要(日本人は人口減少、海外旅行客は増加)、買い物難民の解消、まちの中の回遊性向上を狙う。

Image credit: Masaru Ikeda

同社は Okinawa Startup Program への参加を通じ、名護市のカヌチャベイリゾートで実証実験に着手し、OIST Innovation Square(沖縄科学技術大学院大学のアクセラレーション施設)に入居。琉球銀行からアントレプレナーシップラボ沖縄(ESLO)の紹介を受けたほか、JTA の紹介で先月開催された ResorTech Okinawa(おきなわ国際見本市)に出展を果たした。

また、沖縄タイムスの紹介により、北中城村の大型ショッピングモール「イオン沖縄ライカム」での協業を模索中。

琉球ミライ(日本・沖縄)

Image credit: Okinawa Startup Program

琉球ミライの創業者である野中光氏は、浦添にある JICA 沖縄のカフェテリアで出会ったケニア人に、「滞在3ヶ月目にして、JICA 職員を除けば、あなたが初めて会った沖縄の人だ」と言われて驚いた。沖縄には120カ国ほどの国々の人が暮らしているが、沖縄現地の人と溶け込む機会が無い人もいる。一方、沖縄の人にとってはお金や時間をかけず、留学体験をしてみたいことへの関心がある。

Image credit: Okinawa Startup Program

そこで考えられたのが「まちなか留学 Hello World」だ。沖縄の人が短期的に海外出身のホスト宅を訪れることで、海外の文化・言葉・料理・習慣などを学ぶことができる。ホームステイの逆バージョンと捉えることもできるだろう。現在、20カ国30世帯ほどのホストファミリーがいて、ユーザは120名程度。ユーザは1回16,500円または年間8回参加で11万円を琉球ミライに支払う。

Sassor(日本・東京)

Image credit: Okinawa Startup Program

Sassor は2010年に創業、AI と IoT を活用したエネルギーの最適制御を開発してきた。現在はセンサデータ等の分析やセンサーとクラウドサービスのパッケージなどを提供する。政府が太陽電池をはじめ再生エネルギーの普及を促進すべく導入した固定価格買取制度(FIT)は2019年11月以降、ユーザによって終了を迎え始めた。これにより、再生エネルギーの電力会社への売電価格は、平均1kwh42円前後から8円前後へ5分の1に下落してしまう。

Image credit: Okinawa Startup Program

一方、電力会社の買電価格は平均1kwh24円前後であることから、太陽電池保有者にとっては、FIT 終了後は発電した電力を自家使用することが最も経済的な選択肢となるが、太陽電池の発電量と自家使用の需要量に応じて、蓄電池での充放電、電力会社への売買電の量を最適化することが重要。同社の最適制御ソリューション「ENES」は、翌日の天気予報などをもとに充電量を制御し、蓄電池の経済効果を最大30%向上。今後はハウスメーカー数社の住宅への導入を予定しており、バーチャルパワープラントの開発にも着手。

KuKatsu(日本・沖縄)

Image credit: Okinawa Startup Program

KuKatsu は、人口比飲食店数最多の沖縄県内で出前代行を提供するスタートアップ。UberEats に代表される飲食店と配達員をマッチングする登録制のプラットフォームとは異なり、KuKatsu では配達員を自社社員として雇用し、採用前面接やトレーニングを行うことでサービスの品質を担保する。

Image credit: Okinawa Startup Program

一般的に出前代行サービスに関わるトラブルは、宅配時間が遅い、届けられた商品が崩れていたなど宅配員に起因するものが少なくないが、顧客にとっては飲食店の商品を受け取っていることから、当該の飲食店に対するイメージダウンに繋がりやすい。KuKatsu では、注文を受けてから40分以内の配達を保証し、配達員が内容物に触れていないことを証明する食品保護シールを導入している。

Yajan Tech/雅匠科技(台湾)」……台南市政府の推薦

Image credit: Yajan Tech

Yajan Tech は、企業がさまざまな AR(拡張現実)アプリケーションを開発しやすくプラットフォームを提供している。製品としては、人の顔から表情検出をする SDK「AR Smile」、自動販売機向け表情検出、バーチャルショッピングの「Global AVR」、メイクアップせずに効果を擬似体験できる化粧品メーカーや店舗向けの「AR Cosmetics」など。

Image credit: Okinawa Startup Program

例えば、AR Smile は年齢、性別、特性、感情などを特定でき、店舗でのマーケティングに活用可能、Global AVR ではニューヨークでのショッピングを家にいながら疑似体験できる。ユーザには、NTT、GMO、資生堂、大学眼鏡、新光三越などがいる。

EF POLYMER(日本・沖縄)

Image credit: Okinawa Startup Program

EF POLYMER は、OIST に在籍するインド人研究者が立ち上げたスタートアップで、ポリマー(高分子吸収体)を活用した水不足地域における農業生産性の向上を狙う。同社の EF POLYMER は植物の根の部分の土壌に混ぜることで、根の周辺に10〜20日間にわたり水を保持することが可能となる。砂漠や雨量の少ない地域でも、農作物を安定的に供給できるようになる。

Image credit: Okinawa Startup Program

しかも、EF POLYMER の原料は食品廃棄物であるためフードロス問題の解消に繋がる。土壌の中で使用すると、水を保持する機能を果たした後は植物にとって肥料となり、最終的にオーガニックに分解されるため環境負荷にもならない。同社では事業拡大に向け、協業できる企業を求めている。

RInnovation(日本・東京)

Image credit: Okinawa Startup Program

RInnovation は、さとうきびの搾りカスであるバガスを活用したサーキュラーエコノミーの形成を狙う。沖縄県はさとうきび生産量国内第一位で、同県の基軸産業の一つとなっているが、一方で、砂糖製造時に大量に輩出されるバガスをどう処分するかが悩みの種となっている。これまでにも、バイオエタノール、バイオ発電、パルプ生成、焼却燃料などに使われているが、コストの問題もあり、多くは使いきれず廃棄されているものがほとんどだ。

Image credit: Okinawa Startup Program

RInnovation は、バガスに付加価値を持たせるべく衣料、染料、食品など新たな商品開発に取り組んでいる。環境問題の解決に役立つエシカルなビジネスモデルを生み出し、得られた利益をさとうきび産業(農家や製造会社)に還元、さとうきび産業全体の底上げを狙う。生産された新商品は年間1,000万人訪れる沖縄の観光客への販売を念頭に置いており、JTA などから支援を受ける見込みだ。

「Okinawa Startup Program 2019-2020」が発表、今期からはオール沖縄体制でスタートアップを支援へ

SHARE:

沖縄発のスタートアップを支援する「Okinawa Startup Program」だが、19日、那覇市内で記者会見が開かれ、今年から来年にかけて運営・開催されるプログラムの要旨が明らかになった。 2016年に琉球銀行(東証:8399)が始めたこのプログラムは、2017年からは主催者に沖縄タイムスが加わり、そして、今回からは、沖縄セルラー(東証:9436)、沖縄電力(東証:9511)、日本トランスオ…

琉球銀行 取締役頭取 川上康氏、沖縄タイムス社 代表取締役社長 武富和彦氏、
沖縄セルラー電話 執行役員ビジネス開発部部長 國吉博樹氏、
沖縄電力 代表取締役副社長 島袋清人氏、
日本トランスオーシャン航空 代表取締役社長 青木紀将氏
Image credit: Okinawa Startup Program

沖縄発のスタートアップを支援する「Okinawa Startup Program」だが、19日、那覇市内で記者会見が開かれ、今年から来年にかけて運営・開催されるプログラムの要旨が明らかになった。

2016年に琉球銀行(東証:8399)が始めたこのプログラムは、2017年からは主催者に沖縄タイムスが加わり、そして、今回からは、沖縄セルラー(東証:9436)、沖縄電力(東証:9511)、日本トランスオーシャン航空が加わる。沖縄を代表する大企業5社が力を合わせることで、各社が持つリソースとネットワークを相互活用し、スタートアップの事業拡大に向けた支援を強化する。

このプログラムには例年、沖縄県内はもとより、近接する台湾から日本市場進出を試みるスタートアップが参加している。参加スタートアップのソーシングにあたっては、STARTUP Lab LagoonFROGSアントレプレナーシップラボ沖縄の各起業家支援機関に加え、台湾科技部(日本の旧科学技術庁に相当)が運営するスタートアップハブ Taiwan Tech Arena(台湾科技新創基地)の協力を得る。

このプログラムに参加するスタートアップの募集は、10月1日〜31日の間、Okinawa Startup Program の Web サイトで受け付けられる予定。プログラム期間中の成果を披露するデモデイは、来年2月または3月に、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)または那覇市内で開催される。

Okinawa Startup Program の過去のプログラムに参加したスタートアップのうち、人材管理クラウド開発のサイダス、ソーシャル EC プラットフォーム「temite(テミテ)」を運営する EC-GAIN、貨物車両と荷主をつなぐマッチングプラットフォーム「PickGo(ピックゴー)」を運営する CBcloud は、琉球銀行の「BOR ベンチャーファンド」から、それぞれ資金調達したことが明らかになっている。

<関連記事>

琉球銀行と沖縄タイムス、「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催——国内9チームに加え、台湾から4チームも参加

SHARE:

琉球銀行と沖縄タイムスは23日、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催した。このプログラムは2年前に琉球銀行が単独で運営を開始、2回目からは主催者に沖縄タイムスが加わり、今回で通算3回目を迎える。 今回の3回目のバッチには合計13チームが参加、国内9チームに加え、台湾政府の工業技術研究院(ITRI)に昨年創設されたスター…

琉球銀行と沖縄タイムスは23日、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催した。このプログラムは2年前に琉球銀行が単独で運営を開始、2回目からは主催者に沖縄タイムスが加わり、今回で通算3回目を迎える。

琉球銀行 取締役頭取 川上康氏

今回の3回目のバッチには合計13チームが参加、国内9チームに加え、台湾政府の工業技術研究院(ITRI)に昨年創設されたスタートアップ支援組織 Taiwan Tech Arena(TTA)の協力を得て、台湾スタートアップ4チームも参加した。TTA は台湾の上位大学の教授らが中心となり、大学から生まれた研究成果を商品化へとつなげるプログラムだ。

Taiwan Tech Arena の Michael Ho 氏

今年は SLUSH TOKYO と日が重なったこともあって、東京から参加した投資家はあまり多くは無かったようだが、このプログラムも回を連ねるに従い、沖縄内外からまた新たな顔ぶれが参加者に増えつつあるようだ。特に、日本市場進出を狙う台湾スタートアップに対して、地理的にかなり近い沖縄をローンチパッドにしてもらおうというのは興味深い試みだ。

<関連記事>

以下に参加全チームの発表内容を紹介する。

PoliPoli(日本・鎌倉)

PoliPoli は、政治とまちづくりをテーマとしたオンラインコミュニティを運営する PoliTech スタートアップだ。。有権者から政治家へのワンクリック献金の仕組みの手数料、政治家が参加する際の月額課金、また、仮想通貨を発行するプロジェクトが立ち上がった際には、その通貨発行益でマネタイズする。

先月のアプリ正式版ローンチ以降、ダウンロード数は12,000件を突破しており、政治家も300名ほどが参加しているという。うち8割が地方議員、残りの2割を国会議員が占める。神奈川県とはプラスチックゴミ問題の解決に向けたアイデア募集についての連携、沖縄タイムスとは24日の県民投票に向けたキャンペーンで連携した。

<関連記事>

Micro Smart Grid by 3Egreen Technology/展緑科技(台湾)

3Egreen Technology(展緑科技)は、外部電源を必要としない IoT デバイスを使って電流の動きをモニタし、異常の予兆を検出することで電気事故を未然に防ぐ技術を開発している。現在では、この技術が節電に応用され、タイのセブンイレブンや Advantech のスマートビルなどに(PoC ではない)一般導入が進んでいるという。

日本では、大崎電気や日本システムウエアと共同で、高齢者の行動モニタリングのための PoC を実施中。高齢者施設のほか、高齢者住居のリビングルーム、キッチン、トイレなどに導入することで、高齢者に有事があった場合にそれを検出し関係者に通知することができる。デバイス販売、クラウドサービス、分析報告などでマネタイズ。台湾から東南アジア各国に展開中。

FunNow by Zoek/曙客(台湾)

FunNow は、飲食店、マッサージやスパ、温泉、美容サロンなどの直前予約アプリだ。近くにある店舗の最短15分先までの予約が可能で、クレジットカード、LINE Pay、Apple Pay で事前決済できる。ユーザは FunNow から発行されたクーポンコード6桁を店舗に提示するだけでサービスを受けられ、ユーザ心情に配慮し最低限の個人情報を入力するだけで使えるようになっていることも特徴。店舗には BossNow というアプリが提供されており、FunNow でユーザに提供する空席情報と価格調整(ダイナミックプライシング)ができる。セール情報を FunNow のユーザに告知拡散することも可能だ。

2016年に台湾で始まった FunNow には、台湾だけですでに50万人のユーザがいる。30日以内の利用リピート率も40%と高い。2017年に香港と沖縄、2018年にクアラルンプール。そして、今年に入り日本支社を設立しており、日本の都市各地に進出予定。ダウンロード件数は70万件、3,600店舗を超えている。台湾では LINE との提携により、LINE クーポン(LINE 酷券)経由の店舗予約が FunNow アプリのインストール如何に関わらず、FunNow 経由で実行される。昨年8月には Alibaba から500万ドルを資金調達しており、AliPay にも対応する計画だ。そのほか、台湾ミシュラン、UOB 銀行など多くの大企業との提携を実現している。

<関連記事>

オキマル by DIGILEAD(日本・沖縄)

沖縄を拠点にさまざまなアプリの受託開発を手がける DIGILEAD は、企業の自社チャットボットを開発しやすくするプラットフォーム「O-Chat」を有している。これをもとにリアル店舗ではまずまずの売上を確保しながら、E コマースでの売上が伸び悩んでいるコーヒー屋にチャットボットを導入して自動応対・多言語対応を実現したり、古民家を利用した宿泊施設でクラウドファンディングを利用した販売促進を実現したりしている。今回のプログラム参加を通じ、日本トランスオーシャン航空と沖縄タイムスと、それぞれ、採用支援アプリや新規メディアアプリを開発中だ。

また、同社は O-Chat をベースに台風災害ロボット「オキマル」を開発する。沖縄ならではの悩みとも言えるが、台風や地震などの災害関連情報は各所に分散しているため、それを一ヶ所に集約して配信、チャットボットにより自動応答する仕組みを想定。クラウドファンディングで初期開発コストを調達し、サービスは一般利用無料、非常時常備品の E コマースでマネタイズする。今年6月にβ版、10月に本格リリースを計画しており、台風が最も多い時期にβ運用することで、ユーザからの意見を積極的に募りサービスの改善につなげる。年内10万ユーザ、最終的に50万ユーザの確保が目標。当面はウェブスクレイピングで情報を集めるが、将来には地方自治体らの協力を得て、独自の情報入手ルート開拓にも務める。

AWA PASS by OKT Communications(日本・沖縄)

OKT Communications は、泡盛のサブスクリプションサービス「AWA PASS」を考案した。ユーザは AWA PASS に月額600円を支払うことで、AWA PASS 参加飲食店で泡盛2杯までを無料提供してもらうことができる。お店は多額の集客コストをかけずに、新規顧客の開拓や常連顧客の活性化が可能になる。AWA PASS 提携店の登録料は無料。

2019年5月にまず沖縄県からスタートし泡盛市場の活性化を狙う。ローンチ初年度20万ダウンロード、無料会員数10万人、有料会員数2万人が目標。将来は、サービスを全国地域や泡盛以外の種類などにも広げ、地産地消プログラム、新商品のマーケティング、インバウンド集客などでマネタイズを図る。

カイコ無細胞タンパク質合成系と新規高分子セリシンの実用化 by Silk Renaissance(日本・沖縄)

Silk Renaissance は以前、島津製作所で昆虫培養無細胞タンパク質合成技術に関わっていた伊東昌章氏が、沖縄高専発ベンチャーとして新たに誕生させた創薬支援系のスタートアップだ。カイコの絹糸腺を抽出し、試験管の中で迅速に目的タンパク質を作り出す技術の開発に成功。さらに、絹糸腺細胞から再生医療分野で有用な高い細胞増殖促進能を持った高分子セリシンの開発に成功した。

新薬開発に必要な疾患関連タンパク質を迅速に作れるため、創薬支援を想定して製薬会社への販売でマネタイズを考えている。また、再生医療においても基礎研究から臨床研究へと発展してきているため、再生医療を扱う期間に対し、細胞培養増殖促進剤や細胞培養足場を販売する計画。長期的には、創薬支援だけでなく、自らもインフルエンザワクチンの製造など創薬事業への進出を目指す。

Tadoru by Re:Build

Re:Build は、知り合いを〝たどって〟システム開発を依頼できるサービス「Tadoru」を提供。中小企業にとっては、エンジニアを雇うための募集コストがあまりかけられない、フリーランスや副業エンジニアにとっては、従来のエージェンシー経由で仕事を得ると紹介料を多く取られる、などの課題がある。一方で、同社の調査によれば、フリーランスや副業エンジニアの43%は、知り合い経由で仕事を得ていたことが判明。これらのことをもとに、エンジニアに縁の無い企業に対して、信頼できる人経由で知り合いのエンジニアを紹介してもらえる機会創出の仕組みを考案した。

Tadoru では、システム開発を依頼したい企業が、自社が頼れそうなエージェント(インフルエンス力がある、フリーランスエンジニアやエンジニア出身者)をプラットフォーム上で選び、そのエージェントに依頼して開発を依頼できるフリーランスや副業エンジニアを探し出す。こうすることで、依頼企業は社内にエンジニアのレベルを判断できる人材がいなくても、一定の信頼度で優秀なエンジニアを見つけることができる。成約1件あたり5万円〜15万円の手数料を企業から徴収し、7割をエージェント、3割を Re:Build で受け取る。サービス初期段階での登録見込エージェントは100人程度、登録見込企業は20社程度を確保している。

Air Drive Thru by Vintage(日本・沖縄)

Vintage は、飲食店を経営する4人で結成されたスタートアップだ。飲食店の来店客に尋ねたところ、彼らの持つ不満の多くが来店時の駐車に関するものだった。小規模店舗では駐車場が少ないため、すぐに満車になっしまう。また、店内がすでに満席になる、レジに並ぶ必要が生じるなどの不満もあった。そこで Vintage が考案したのが、設備や追加人員を必要とせず、店舗に仮想的にドライブスルーの販売機能を作り出すことができるサービス「Air Drive Thru」だ。

ユーザは地図上から近くにある加盟店舗を検索。アプリから事前決済により注文を完了し店舗へと向かう。GPS 連携によりユーザの車が店舗に近づくと、店員が商品を持って店頭に出てきて渡してくれる。ユーザが渋滞に巻き込まれ到着が遅れても、店舗はその状態をリアルタイムで把握できるため、調理の開始タイミングを調整して対応することもできる。ApplyPay、クレジットカード、デビットカード、専用マネーアプリ「カウリー」で決済可能。カウリーには単価の低い飲食の決済などに最適化された独自プライベートブロックチェーン「島チェーン」が採用されており、カウリーで決済した注文は、島チェーン上の店舗毎のブロックに全て記録される。

Ageshio Japan(日本・沖縄)

Ageshio Japan は、空手発祥の地である沖縄で、空手道場にやってくる外国人向けの旅行会社だ。インバウンド空手ツーリズムの活性化を狙う。空手の競技人口は全世界で1.3億人で、武道の中では最も人数が多いスポーツだ。2020年の東京オリンピックからは正式種目化されるため、この値はさらに上昇基調にある。一方、それとは対照的に沖縄県下にある400以上ある空手道場のうち専業は6.4%に過ぎず、空手道場主の6割以上が60歳以上であるため、ウェブでの情報発信、多言語対応などが難しいという課題がある。

Ageshio Japan では、空手道場と連携した英語版ウェブサイト、Facebook ページの開設、合宿イベントの運営などを通じて大きな潜在ニーズがあることを確信。聖地巡礼ツアー、観光主目的来日客の空手体験、座禅など他の旅行体験、沖縄以外の地域への観光希望など、ユーザからはさまざまな要望が寄せられたという。将来は、空手家だけでなく旅行者全体をターゲットに、日本全土や空手以外の武道にも事業拡大を目指す。商品開発の連携先、行政との連携施策、商品開発のための資金調達を模索している。

Umbo Computer Vision/盾心科技(台湾)

Umbo Computer Vision(盾心科技) は、ビデオカメラを使ったセキュリティ監視のための AI を開発している。従来、ビデオカメラを使ったセキュリティ監視では警備センターなどで人が行なっていたが、見落とし問題や人手不足などの理由から自動化されつつある。一方、セキュリティ監視の対象となる環境は多岐にわたるため、映像から異常な状態を検知し警報を出すのに一般的なディープラーニングを採用するのでは不都合が生じる。天気の状態、車のヘッドライトの映り込み、動物の侵入などが原因で誤報が頻発するからだ。

Umbo のシステムでは、ビデオカメラからの映像をクラウドに送信し、クラウド側での異常判定に独自のデータセットを採用しているため、あらゆる環境において90%以上の精度で正しく警報を発することができるという。フェンスを越えての侵入、不審者のうろつき、立ち入り禁止エリアへの侵入などの検知に利用可能。Umbo のカメラだけでなく、従来導入済みの他社カメラも使えるのが特徴だ。現在、32カ国で導入され、Fortune 500 の350社以上と取引実績がある。Nvidia GTC 2016 ECS で最優秀賞など受賞歴多数。日本市場参入にあたり、日本でパートナーシップを組める企業を求めている。

Sligrid(台湾)

Sligrid は、チーム生産性を向上させる SaaS だ。利便性の高いテンプレートを提供することで属人性を排除し、アイデアや知識の共有の効率化を図る。チーム内におけるコミュニケーションのやりとりなら Slack、タスク管理なら Trello ならば、コード共有なら GitHub が使われるように、知識の共有なら Sligrid と言われるような存在を目指している。

知識が整理されて中央に集められた Wiki とは対象的に、ブレーンストーミングなどチームの知識を総動員してアイデアを練るようなプロセスに非常に向いているという。約30カ国からアーリーアダプター5,000社以上の利用があり、50%超に1週間以内の再利用が確認できているそうだ。

自転車創業(日本・東京)

電車やバスといった一次交通だけではたどり着けない目的地に、ラストワンモビリティに自転車を持ち込むことで観光体験を最大化しようとするスタートアップが自転車創業だ。同社が運営するメディア「FRAME」には毎月70〜80万のユーザが訪問し、半年ほど前に立ち上げた、サイクリングスポットに特化したコミュニティアプリ「RoadQuest」は、保険提供を強化し今年にもマネタイズを始める考えだ。

Okinawa Startup Program を通じて、沖縄の人々向けには、沖縄タイムスと共同で自転車インフルエンサーによるファンミーティングや、沖縄で事業展開している自転車企業との協業したイベントなどを計画。また、沖縄以外の人々向けには、JAL が開発した自転車輸送プロダクトで連携する。自転車 YouTuber けんたさんを起用した久米島ツアーの動画を近日 FRAME で公開予定で、宮古島や石垣島など他の島への展開も計画している。

運転代行プラットフォーム by Alpaca.Lab(日本・沖縄)

Alpaca.Lab は、琉球大学との共同研究により運転代行業界の最適化を図ろうとするスタートアップだ。運転代行を営む業者は全国に8,850あり、なかでも交通事情から沖縄が国内最多の数を誇る県だ。一方で、運転代行は料金が不明瞭だったり、飲食店などで呼び出してから到着するまでに30分から2時間程度を擁したり、違反行為の前歴のある業者を見つけるのが難しかったりするなど、多くの課題がある。

Alpaca.Lab が構想するサービスでは、ユーザが自分の車の特徴をアプリに入力しておくことで、その車の運転に適した最適なドライバーを付近からマッチング。運転代行業者に対しては、いつどこでどのように運転代行が実施されているか、どのように売上が立っているかをもとに AI で最適なドライバー配置を提案できる仕組みを開発する。運転代行業者からマッチング成立時に料金の10%程度を手数料として受け取りマネタイズする計画。行政、警察、運転代行業者などと連携し、社会的摩擦を生まないモデルを目指す。


一連のピッチ終了後には、眺めの良い OIST のボールルームで懇親会が開かれた。上間弁当天ぷら店の「CATER4U」が用意したケータリングに舌鼓を打ちながら、参加者一同はスタートアップが披露した新たなサービスを中心に、企業間のコラボレーションの可能性などで話に花が咲いた。

これまでに Okinawa Startup Program から輩出されたチームには、プログラム修了を機にシードラウンドの資金調達を完了し、次のフェイズへとステップを進めたスタートアップがいくつかみられる。今回発表されたアイデアの多くは、2019年中のプロダクトやサービスのローンチを目指しており、その機会に改めて成果を披露することができるだろう。

沖縄発ソーシャルECプラットフォーム「temite(テミテ)」運営のEC-GAIN、「BORベンチャーファンド」などから約3,000万円をシード調達

SHARE:

ファンとのつながりで売上を伸ばすことを目指すソーシャル EC プラットフォーム「temite(テミテ)」を運営する EC-GAIN は、琉球銀行子会社のりゅうぎん総合研究所が運営する「BOR ベンチャーファンド」からの資金調達と、琉球銀行からの借入により約3,000万円を調達したと発表した。BOR ベンチャーファンドは2億円規模で今年2月に組成され、4月には HR テック企業のサイダスに出資したこ…

temite
Image credit: EC-GAIN

ファンとのつながりで売上を伸ばすことを目指すソーシャル EC プラットフォーム「temite(テミテ)」を運営する EC-GAIN は、琉球銀行子会社のりゅうぎん総合研究所が運営する「BOR ベンチャーファンド」からの資金調達と、琉球銀行からの借入により約3,000万円を調達したと発表した。BOR ベンチャーファンドは2億円規模で今年2月に組成され、4月には HR テック企業のサイダスに出資したことを明らかにしている。

EC-GAIN は、かつて楽天で EC コンサルタントとして在籍し、EC 店舗支援の成果から3度にわたり社長賞の表彰を受けたことのある村田薫氏により創業。E ストアやスタートトゥデイなど、E コマースプラットフォーマーで勤務経験のある人々を含め、7名でチームを構成する創業2年目のスタートアップだ。同社は2017年から2018年にかけて実施された「Okinawa Startup Program」に採択され、これが今回の資金調達にきっかけとなった。

Okinawa Startup Program のデモデイでピッチする村田薫氏(2018年3月)
Image credit: Masaru Ikeda

temite は、SNS や個人メディアを利用して成果報酬型の紹介サービスを誰でも利用できるように設計した EC プラットフォーム。サプライヤーが応援者であるアンバサダーを募り、商品を広めてもらう上でのアプローチと報酬を設定。
アンバサダーの提案に応じてユーザーが商品やサービスを購入するとサプライヤーからアンバサダーに報酬が支払われる。誰かのおすすめによって購入を決める消費ニーズを活かして事業者が簡単に販路拡大でき、紹介者が成果報酬で稼ぐことが可能になるサービスだ。

EC-GAIN では temite のプレオープンを8月に予定しており、それに向けて13日からは、temite サプライヤーの事前申込の受付を開始している。先着100名のサプライヤーには、プレオープン期間中の利用料金が無料、またカード決済手数料も無料になる特典が付与される。

temite のビジネスモデル
Image credit: EC-GAIN

ソーシャルコマースソーシャル EC といったコンセプトは、THE BRIDGE 上でもかなり多くの記事が見つかることからもわかるように、特段目新しいものではない。ただ、プラットフォーマー側がキープレーヤーになりがちなソーシャル EC の業界において、サプライヤーがイニシアティブを取りやすいようにしている点について、temite は少しこれまでのプラットフォームとは異なるかもしれない。スマートフォンだけで運用できる点については、サプライヤーの参入ハードルを引き下げることに貢献するだろう。

琉球銀行の「BORベンチャーファンド」、第1号案件として人材管理クラウド開発のサイダスに出資

SHARE:

琉球銀行は、今年2月に設立した「BOR ベンチャーファンド」の第1号案件として HR テック企業のサイダスに出資決定したことを明らかにした。出資金額は明らかにされていないが、BOR ベンチャーファンドの規模が2億円であることや、サイダスの資本金が1億円であることから、最大で数千万円程度とみられる。ラウンドは不明。 サイダスはこれまでに、ジャフコ、ニッセイ・キャピタル、Salesforce.com、…

「Okinawa Startup Program」のデモデイで登壇したサイダス代表取締役社長の松田晋氏(2018年3月)
Image credit: Masaru Ikeda

琉球銀行は、今年2月に設立した「BOR ベンチャーファンド」の第1号案件として HR テック企業のサイダスに出資決定したことを明らかにした。出資金額は明らかにされていないが、BOR ベンチャーファンドの規模が2億円であることや、サイダスの資本金が1億円であることから、最大で数千万円程度とみられる。ラウンドは不明。

サイダスはこれまでに、ジャフコ、ニッセイ・キャピタル、Salesforce.com、SMBC ベンチャーキャピタル、オービック、オービックビジネスコンサルタントから出資を受けている。

サイダスは2011年11月の設立。人材をマネージメントするクラウドソリューション「CYDAS.com」を開発・提供している。属人的に実施されることが多い人事評価をデータ分析で定量的に行える環境を提供し、Salesforce、オービック、OBC、富士通など ERP や各種業務クラウドを扱うベンダーと提携。2017年時点で、のべ100万人に上るユーザデータを保有するという。

琉球銀行が今年3月に実施した「Okinawa Startup Program」のデモデイで、サイダス代表取締役社長の松田晋氏は、CYDAS.com ではこれまで人材視点でデータを集めてきたのに対し、今後は事業視点を加え、人材×事業視点で得られる洞察を API 経由で、さまざまな企業内システムと連携できるようにしていきたいと話していた。こうすることで、例えば、企業内で残業を少なくするには、何を改善すればいいのかが如実にわかるようになり、Office 365 や Alexa との連携で、人のデータがより活用できるようになるのだという。

サイダスは昨年10月に本店登記を那覇市内に変更、今年3月下旬には、セミナーやイベントを開催するオープンスペースと、社員が業務を行う執務スペースを兼ね備えた「サイダス琉球ワークスペース」を那覇市内にオープンしている。

琉球銀行と沖縄タイムス、「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催——11チームが参加、ファンドからの出資も視野に

SHARE:

琉球銀行と沖縄タイムスは3日、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催した。このプログラムは前回までは琉球銀行が単独で運営してきたが、アーリーステージのスタートアップにとって露出が必要との観点から、今回から主催者に沖縄タイムスが加わり、プログラム名称も改められることとなった。 また、琉球銀行は先ごろ、スタートアップへの出資…

琉球銀行と沖縄タイムスは3日、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催した。このプログラムは前回までは琉球銀行が単独で運営してきたが、アーリーステージのスタートアップにとって露出が必要との観点から、今回から主催者に沖縄タイムスが加わり、プログラム名称も改められることとなった。

また、琉球銀行は先ごろ、スタートアップへの出資を目的としたファンド「BOR(=Bank of Ryukyus)ベンチャーファンド」を創設しており、Okinawa Startup Program の中から将来有望と認められるチームには、同ファンドから出資も実施されることとなっている。

このイベントは、沖縄市が共催しスタートアップカフェコザが協力するなど、沖縄県内のスタートアップエコシステムに関わる、ほぼすべての組織が関与する形となっており、ピッチに続いて行われた懇親会では、参加スタートアップと現地企業とのネットワーキングにも力が入れられていた。会場では Spiral Ventures 代表の堀口雄二氏や F Ventures 代表の両角将太氏らの顔も見られ、主催者に沖縄県外からの VC 出資も積極的に募りたい意向がある様子が感じ取れた。

11チームの構成は、現地チームが8社、沖縄県外チームが3社で、沖縄県から全国や世界展開を見据えるチームだけでなく、東京から沖縄県に照準を合わせたサービスを開発したり、沖縄県をテストベッドと捉え参加したりするチームが増えたように思える。

Befy by RambleOn

カーネギーメロン大学出身の屋冨祖和弥氏は、AI、ブロックチェーン、IoT など革新的な技術を使って、既存産業をアップデイトしたいと考えている。屋冨祖氏の率いる RambleOn がロールモデルに掲げるのは、Google か2014年に買収した AlphaGo の開発などで知られる DeepMind だ。教育業、卸売業、小売業、製造業、機械最適化など、新技術導入によりインパクトが大きい分野に取り組んでいる。

直近では化粧品メーカーや美容メーカーが、意外にも労働集約型産業であることに着目。美容をターゲットにしたアプリ「Befy」を開発した。日本だけでなく、中国やカナダなどにもユーザが抱える。美容会社や化粧品会社は総じて、顧客に商品を紹介する美容部員の人数が圧倒的に多く、RambleOn はBefy を通じて、美容会社や化粧品会社にコスト構造の改善やオペレーションの効率化を提供したいと考えている。

<関連記事>

間葉系細胞の不織布を使った大量培養 by フルステム

再生医療に使われる細胞は主に IPS 細胞と体性幹細胞に大別されるが、体性幹細胞の中でも間葉系細胞が重宝され、脳梗塞などの疾患を持つ患者に投与することで、症状が劇的に改善されることが確認されている。しかし、これに必要な間葉系細胞は手作業で培養されるため、技術の壁や費用の壁(多くの量を簡単に作れない)、品質の壁(作業者によりムラが出る)が生じる。これらの壁が原因となり、有効な治療法でありながら、すべての患者には適用できないのが現状だ。

フルステムが開発したのは、不織布を使うことで通常2次元で行われる細胞培養を3次元で行い、細胞培養のパフォーマンスを圧倒的に(コストを5分の1、処理速度を10倍以上に)向上させる技術だ。不織布を使った培養では細胞が不織布の中に埋没してしまったが、フルステム独自の方法により、培養した細胞の回収率90%、そのうちの回収された細胞の生存率95%を実現した。培養廃液のモニタにより、培養中の細胞の育成状況も把握することができる。3月22日の再生医療学会ランチョンセミナーで発表予定、町のクリニックでも安価な環境で細胞培養が行えるようにし、再生医療がより身近になる環境づくりを目指す。

temite by EC-GAIN

現在、日本における EC 店舗は189万軒に上り、新規参入者にとっては、バナー広告はほぼクリックされず、CPA は上昇し、SEO などを活用したオーガニック流入を望むのは難しいのが現状だ。実際のところ、日本では EC 店舗の上位300社(全店舗の0.1%)が EC 全体の70%を売り上げており、アメリカに至っては、Amazon 1社が EC 全体の 70%を売り上げるなど、圧倒的な寡占状態にある。EC-GAIN は、そのような状況でも EC 店舗が顧客開拓ができるよう、アンバサダーを使ったリファラルマーケティングができるプラットフォーム「temite」を開発・提供する。

サプライヤーがアンバサダーに対して、商品を広めてもらう上でのアプローチとそれに対する報酬を設定し、temite 上の Webページで募集。コンシューマがアンバサダーの提案に応じて商品やサービスを購入すれば、サプライヤーからアンバサダーに報酬が支払われる。店舗側が EC やオンラインマーケティングの知識をあまり持たなくても運用でき、一方でアンバサダーにエバンジェリスト的な能力を求める、形を変えたアフィリエイトモデルとも言える。

カタリスト

病院を訪れてから診察してもらうまでの時間が長いことは、多くの患者に不満をもたらす。近年は飲食店などでも、さまざまなしくみを使って入店までの待ち時間がわかるしくみを実現しているが、カタリストはスマートフォンを使い、病院で患者に事前に待ち時間がわかるしくみを実現することにした。スマートフォンを使うことや、待ち時間が長いという不評が多いことから、病院の中でも当初は産婦人科にフォーカスする。

カタリストでは、Felica と IC カードリーダーを、受付カウンタ、診療室、処置室に配置。これにより各患者の状態をシステムが把握し、それに応じて、患者のスマートフォンには、受診時に自分の順番までの待ち人数や、自分の診断に要する推定時間が通知される。この通知をもとに、患者はカフェに行って時間をつぶしたり、他の要件をこなしたりできるので、時間を有効に使える。将来的には、病院のホームページ上にも待ち人数や待ち時間を表示することで、初診患者の呼び込みにも有用な効果をもたらす。

カタリストは、沖縄産業振興公社の平成29年ベンチャー企業スタートアップ支援事業に採択された。

沖縄起点のシェアオフィス事業 by マッシグラ

電通出身の金子智一氏が、不動産については、サービスの差別化やブランディングの事例が少なかったことから、それを自らやってみようと考え創業したのがマッシグラだ。ブランディング施策の一環としてシェアオフィスを考え、魅力的な共有空間をシェアオフィス内に設けることで、オーナーにとっては空室率をコントロールできるメリット、入居者にはアイデアやつながり、他には無い沖縄の地理的優位性を活用したユーザ体験を提供する。

シェアオフィスの複数拠点をネットワークすることで地域を越える、入居者同士の事業分野や上下関係を越える、など、「越える」という言葉が、マッシグラが作り出すシェアオフィスのコンセプトになるようだ。Okinawa Startup Program への参加を契機に、沖縄タイムスとの業務提携が決まり、那覇市中心部にシェアオフィスの一店舗目を出展することが決まった。現在、詳細を詰めているところのようだ。

SmartPlate by プルアラウンド

近年、沖縄の観光収入は上昇傾向にあるものの、一人当たりの消費額は落ちている。プルアラウンドは、NFC と QR コード読み取りにより、スマートフォンのブラウザを特定 URL へと誘導する SmartPlate を、宿泊先やレンタカーなどに設置し、お土産の購入やアクティビティの体験を促すなどして観光消費の向上を試みようというものだ。沖縄でしか売っていなアイスクリームの販売サイトに誘導する SmartPlate を観光客に配り、それを自宅の冷蔵庫に貼ってもらって、沖縄旅行から戻った日常生活の中でも、アイスクリームを想起してもらい購入してもらう、といった体験も可能になる。

現在、沖縄県物産公社とも交渉しており、事業に参加してくれるホテルに SmartPlate を配置して、宿泊客に沖縄土産を販売する体験の提供を計画中だ。プルアラウンド創業者の杉浦哲郎氏は以前、フリーセルの子会社アザナで代表取締役を務めた人物で、中小企業向けのマーケティング支援事業を行なっていたことから、沖縄の中小企業経営者には並々ならぬネットワークを持つようだ。SmartPlate は THE BRIDGE でもアクアビットスパイラルズの製品として何度か紹介しているが、プルアラウンドでは同じ技術を使って、沖縄での観光収入向上に特化して事業を運営するもの思われる。

ジョブマネ

ジョブマネは、ベンチャー企業の業務において紙を使った情報整理や情報共有を排除することを主眼においており、一般的に、営業・総務・経理・売上管理などで分かれている情報を集約し、クライアント単位で情報を閲覧・検索できるサービスを提供している。

ジョブマネの創業者である小林康裕氏は、これまでに18年間マーケティング会社を経営していた。会社の変遷とともに、紙伝票 → Excel → パッケージソフト → クラウドと情報管理ツールが変遷してきたのにあわせ、自社内でクラウドシステムの必要性を感じ、ジョブマネの開発に至ったという。同社は技術者を中心とする4人のメンバーで構成されており、現在、営業代理店や出資者を募集している。

PickGo by CBCloud

日本の物流は数多くの零細物流会社に支えられており、彼らが扱う物流の総量は運送大手のそれの約5倍に上るという。零細物流会社に、運送を必要とする荷物や荷主を紹介するのが水屋業であるが、CBCloud はデジタルの力を使って、荷主と零細物流会社をオンデマンドでマッチングするサービスを提供する。軽Town の名前でローンチした同サービスは2017年8月に「PickGo」に改称。現在3,500名程度のドライバーが登録し、毎月150〜200名のペースで新規登録ドライバーの数を伸ばしているという。

沖縄は他都道府県に比べ車の保有率が高いため、ドライバーの確保という点では期待できる市場だという。きめの細かい物流サービスによって、余剰供給から生まれる廃棄野菜と、貧困問題を解決しようとする子ども食堂をつなぎ、社会問題の解決にも寄与できる可能性を展望している。仮に、沖縄県で国家戦略特区指定により貨客混載が可能になれば、個人事業主やタクシー、運転代行事業者なども PicGo に取り込めるのではないか、と将来に意気込む。KDDI ∞ LABO 第10期から輩出、デモデイで優勝した

<関連記事>

Shoreditch

Shoreditch は、Nutrition Tech(栄養テック)をテーマとしたスタートアップだ。例えば、サプリメントの代表であるプロテインは、一般的に粉末状で大きな缶や袋の形で提供され、特に携帯する上では取扱が面倒だ。Shoredich はこの分野の権威でメンバーが構成され、サプリメントの摂取方法において、「SEEDS」と「SKINS」という新たな形状での提供方法を開発した。

SEEDS はサプリメントを圧縮して小さなボール状に固形化したもので、成分密度が高いため携帯しても場所をとらず、飛散することなく簡単に水に溶かして摂取することができる。SKINS は、マイクロニードルに似た技術を採用しており、皮膚表面からサプリメント成分を時間をかけて吸収させるものだ。

サイダス

HR テック企業のサイダスは、人材をマネージメントするクラウドソリューションを開発している。属人的に実施されることが多い人事評価をデータ分析で定量的に行える環境を提供し、Salesforce、オービック、OBC、富士通など ERP や各種業務クラウドを扱うベンダーと提携。2017年時点で、のべ100万人に上るユーザデータを保有するという。

サイダスではこれまで人材視点でデータを集めてきたが、今後はこれに事業視点を加え、人材×事業視点で得られる洞察を API 経由で、さまざまな企業内システムと連携できるようにしていきたいという。こうすることで、例えば、企業内で残業を少なくするには、何を改善すればいいのかが如実にわかるようになるという。Office 365、Alexa とも連携し、人のデータがより活用できるようになってきたという。4月には琉球ワークスペースをオープンする。

Mango by U&I

沖縄では、上間喜壽氏は家業である上間弁当天ぷら店の2代目敏腕経営者としても知られるが、彼が事業を先代から継いだ時には負債が2億円もあったという。負債の原因はスモールビジネスにありがちなドンブリ勘定にあると感じた上間氏は、日々の経営からデータを集め、どうすればビジネスが改善するかを、本業と並行して U&I を設立し、セミナーやコンサルティングを通じて地元の経営者と共有するようになった。

そのような機会を通じて、沖縄には経営ができる中小企業がまだ少ないと考えた上間氏は、経営の仕組みの構築を支援するクラウドサービス「Mango」を開発した。月額1万円からと POS レジよりも安価で導入できるのが特徴。全国の各都道府県中、人口あたり店舗数がもっとも多いという飲食店数をターゲットにオーダー管理・収益管理・固定費管理・POS レジ・商品管理などの機能を提供する。会計クラウドの freee とも連携可能だ。


一連のプログラム終了後には、眺めの良い OIST のボールルームで懇親会が開かれた。上間弁当天ぷら店の新サービス「CATER4U」が用意したケータリングに舌鼓を打ちながら、参加者一同はスタートアップが披露した新たなサービスを中心に、企業間のコラボレーションの可能性などで話に花が咲いた。

転職支援プラットフォームのgrooves、琉球銀行の友好会社・人材派遣センターオキナワと提携——新システムで、沖縄県内の求人案件を収集開始

SHARE:

琉球銀行(東証:8399)、琉球銀行の友好会社 [1] である人材派遣センターオキナワ、転職支援プラットフォームを運営する grooves(グルーヴス)は24日、那覇市内で共同記者会見を開いた。この中で、grooves は人材派遣センターオキナワと提携し、grooves が開発した求人情報流通システム「JOINS(Job Offer Information Network System)」の利用を…

左から:grooves 代表取締役の池見幸浩氏、人材派遣センターオキナワ代表取締役の西泰郎氏、琉球銀行法人事業部長の伊志嶺達朗氏
Image credit: 琉球銀行

琉球銀行(東証:8399)、琉球銀行の友好会社 [1] である人材派遣センターオキナワ、転職支援プラットフォームを運営する grooves(グルーヴス)は24日、那覇市内で共同記者会見を開いた。この中で、grooves は人材派遣センターオキナワと提携し、grooves が開発した求人情報流通システム「JOINS(Job Offer Information Network System)」の利用を、人材派遣センターオキナワが開始したことを明らかにした。

JOINS のしくみ

grooves はこれまでに、人材紹介会社ネットワークの「Crowd Agent」、エンジニアパフォーマンス・データベースの「Forkwell」などを提供してきた。今回提供を始めた JOINS は、「不動産における REINS の人材版(grooves 代表取締役の池見幸浩氏)」。人材紹介会社が自社顧客の求人票を JOINS に登録すると、人材紹介会社がその求人票を JOINS 経由で検索することができる。不動産業界において、REINS の導入により客付け不動産会社と元付け不動産会社が分かれていてもビジネスが成立しているように、JOINS では求人案件を持つ人材紹介会社と求職者を持つ人材紹介会社の役割分担を可能にする。

grooves では、JOINS の導入により、地域を超えた優秀な人材の流動性の確保が可能になるという。複数の人材紹介会社がネットワークされることによって、求職者にとっては、さまざまな理由で都市部ではない地域で自分のスキルを活かせるポジションの確保、求人社にとっては、地方では確保の難しい高度人材の確保が実現できるようになる。

grooves では今年3月、大分銀行や広島銀行の VC などから総額2億円を調達しており、この際、地方銀行のネットワークを通じて、第二創業やベンチャー型事業承継というコンテキストにおいて、都市部からの人材流動(Iターン、Uターン)を促進し、地方企業が直面する後継者不足などの問題解決を支援したいと強調していた。今回の人材派遣センターオキナワとの提携の背景には、特にこれらの地方企業の事業承継支援の需要が強く影響しているものと思われる。

grooves では今回の提携を通じ、2017年度内に10名の沖縄県外から沖縄県内への移住を伴う人材確保を目指したいとしている。


  1. 友好会社とは、商法などで定められる一般的なものではなく、琉球銀行グループ内における呼称である。銀行法の制約から、銀行が持分法適用の関連会社や子会社の保有するには一定の条件がある。人材派遣センターオキナワは、琉球銀行の関連会社や子会社ではないが、琉球銀行が遠縁に経営に関与していることを表現するために、友好会社としている。

琉球銀行が起業家のメンタリング・企業間マッチングを意図したスタートアップ・プログラムのデモデイを開催、沖縄を代表する13チームがピッチ

SHARE:

琉球銀行は2月25日、沖縄科学技術大学院大学(略称:OIST)で同行初となるスタートアップ・プログラム「Ryugin Startup Program 2016-2017」のデモデイを開催し、沖縄を中心とするスタートアップ13チームがピッチに参加した。このプログラムでは昨年から数ヶ月にわたり展開され、東京のベンチャーキャピタル数社の協力によるメンタリングのもと、参加した起業家は自ら考えたアイデアやビ…

琉球銀行は2月25日、沖縄科学技術大学院大学(略称:OIST)で同行初となるスタートアップ・プログラム「Ryugin Startup Program 2016-2017」のデモデイを開催し、沖縄を中心とするスタートアップ13チームがピッチに参加した。このプログラムでは昨年から数ヶ月にわたり展開され、東京のベンチャーキャピタル数社の協力によるメンタリングのもと、参加した起業家は自ら考えたアイデアやビジネスモデルを磨き上げ、この日のデモデイに臨んだ。運営にあたっては沖縄市が共催、スタートアップカフェコザが協力、OIST・沖縄県産業振興公社琉球大学地域連携推進機構Ryukyufrogs が後援した。

琉球銀行取締役頭取の金城棟啓氏

折しもこの日、琉球銀行は4月からの頭取交代を発表したばかりだったが、イベントの冒頭で挨拶した琉球銀行取締役頭取の金城棟啓氏は、自ら率先して人材の若返りを図り、若年層の多い沖縄からイノベーションが起きていくことを期待したいと抱負を述べた。続いて挨拶に立った沖縄市副市長の上田絋嗣氏は、琉球銀行のほか金融庁・経済産業省・日本銀行を巻き込んで、沖縄市でフィンテックやブロックチェーンを使ったスタートアップ・コミュニティを活性化するイベントの開催事例を紹介した。

沖縄市副市長の上田絋嗣氏

では、この日、デモデイで登壇した13チームを紹介したい。

大学生のコミュニティSNS「swimmy」 by Team Swimmy

Team Swimmy は琉球大学の学生を中心とするチームだ。過剰な承認要求、フォロワーや RT 数狙いが横行する SNS では、近年、若者の SNS 離れが進んでいる。仕事や学業など実際の人間関係がある人同士がつながっている SNS では、自由な発言がしづらいなどの理由から複数のアカウントを使い分けるような事例も生まれている。その結果、オープンな SNS からクローズドな SNS へとトレンドも変化してきているようだ。

Swimmy はログインしなくても使える、リアルタイム性を追求した SNS だ。Facebook の「いいね」に相当するリアクションは、ユーザは自ら自由に作成できる。ユーザの地理分布は、沖縄・福岡・東京・大阪などからそれぞれ15%ずつ程度。3月以降、琉球大学のサークルに足を運んだり、合格発表時にチラシを配ったりするなどして、大学の新入生などからアクティブユーザを増やしたいとのこと。

LEDを使用したファッションモジュール「PastelBlink」by 3D Print Parts

ウェブ制作ディレクターの西村大氏は、遠隔で制御できる LED 電飾モジュールなどを制作、これをコスプレなどに使った事例を YouTube で公開したところ、ユーザから大きな反響が寄せられた。しかし、ユーザの多くは、LED を使った演出がしたいわけであって、電子工作がしたいわけではない。誰でも簡単に LED 電飾が作れるデバイスがあれば、受け入れられると考えたという。

PastelBlink は LED の光量や光彩をスマートフォンでコントロールできるデバイスだ。電子工作技術を必要とせず、コスプレイヤーなどがファッションや伝統芸能にクリエイティブな表現をもたらすことを可能にする。今後、アプリ UI の改善、アナログ入力信号の応答などにも対応させ、特に(ニコニコ動画のコメントに応じた動作など)Webサービスとの連携を実現したいと西村氏は話した。

飲食店の海外展開を支援する「沖縄キッチン」 by あじとや

あじとやは、黒糖スープカレーを沖縄県内で3店舗で提供する人気チェーンだ。登壇したディレクターの永井義人氏は、「世間ではインバウンドがブームだが、インバウンドは待ち受ける姿勢なので、むしろ、自分から海外へ出向いていきたい」とし、飲食業の海外展開を支援するプラットフォームを提案した。

海外進出を考える飲食業の経営者がまず知りたいのは、現地食材で作れるか、現地人に受け入れられるか、いくらくらいで売れるかということだ。これらを現地で実践するために2週間くらい短期レンタルできる環境が欲しいと考えた永井氏は、台中市の繁華街に面した高級スーパーのイートインコーナーに場所を借りることに成功。2週間にわたって、黒糖カレーの弁当を販売した。

この経験をもとに、あじとやは台湾・新竹市に第一号店をオープンすることとなった。飲食業が海外展開をする場合、調査や準備に平均2年間の時間を費やし、それでも成功率は5%未満と著しく歩留まりが悪いという。永井氏はこれまでどのコンサルティングファームも提供していなかった、このような現地パイロットテストの機能を他の飲食業にも提供したいという。

沖縄県特化型成果報酬求人サイト「ジョブカロリ」 by びねつ

沖縄は全国平均に比較して失業率が高いながら、恒常的に人手が不足しているのが経営者の悩みだ。沖縄県内には求人誌が5誌あるが、すべて紙ベースのみの情報提供で、料金体系も広告料金ベースのもののみだ。

ジョブカロリは完全成功報酬型による求職者と求人企業のマッチングサービスだ。企業は成功報酬ベースで料金1万円から利用でき、求職者は採用が決まると5,000円以上の採用お祝い金を受け取ることができる。

人工知能による水耕栽培最適化プラットフォーム by スタートアップカフェ・コザ 糸村洋介氏ら

糸村洋介氏らは、水耕栽培のキットを販売するのではなく、実際に育てたデータをもとに栽培レシピを共有できるプラットフォームの構築を目指している。例えば、しいたけに特定の間隔の点滅で光を当てると通常の10倍のスピードで成長したり、特定の色の光を照射すればイチゴが甘くなったりすることはわかっている。

パーソナルな野菜栽培を通じて、健康で豊かなライフスタイルを再定義していきたいとしている。具体的に狙っている市場があるとのことだが、今回のピッチでは非公表とのことだった。

モノシェア by 67andパートナーズ

モノシェアは、アプリで関係することなく、リアルな受け渡し場所を提供する、C2C のモノの貸し借りプラットフォームだ。現在、那覇市のガソリンスタンドやクリーニングショップなど3箇所でサービスを提供している。現在、大手マンション管理会社とのコラボレーションの検討が進んでおり、入居者同士のモノの貸し借りなどにサービス対象を拡大していきたいという。

これまでは、借り手の要望に応じて貸し手がモノを受け渡し場所に持ってくる必要があったが、今年1月から、貸し手が予め受け渡し場所にモノを預けておけるプランが追加された。

Ecobook by 張氏

台湾出身の張氏は、旅行中に発生するゴミの削減、野菜中心の食事、定番ではない旅行先を提案する旅行サイトの構築を企画。

観光客に箸などの持参を促し、提携レストランと提携では割り箸を提供しない代わりに割引を提供する。サイト上で提携レストランを紹介することで、O2O のビジネスモデルが構築できるとする。また、一般的な旅行サイトでは、野菜中心の食事情報が少ないため、粗食旅行者には不便。有機野菜中心のレストランの情報を発信し、地産地消にも一役買う。東南アジアからの宗教上粗食習慣がある旅行者にもメリットがある。

定番以外の旅行先を紹介する策として、農家の民泊や体験談をオーナーの人間性を前面に出して紹介する。自然保護の観点から、スリッパ、歯ブラシなど宿泊に必要な一連のアメニティグッズは宿泊客自ら持参してもらう。

サブスクリプション導入支援Webサービス「PayPlus」

サービス業の多くは経営を安定させるためにサブスクリプションサービスを提供したいと考えるが、既存サービスがサブスクリプションのためにしくいを開発するのは大変で、一方で、口座振替も手続が面倒で時間がかかる。例えば、タウンページに掲載されているものだけでも、日本国内にはエステサロンやネイルサロンが14,333店舗存在するが、そのうちの7割弱にあたる約10,000店舗が個人経営だ。

PayPlus はこのようなリアルの小規模店舗に簡単にサブスクリプションサービスのしくみを提供する。店舗からは10%の取引手数料とカード支払手数料を徴収する。

研究経験のある人材を活用した沖縄のネイチャーツアーサービス by キュリオス沖縄

琉球大学大学院出身の仲栄真礁氏と宮崎悠氏(ともに理学博士)によるプロジェクト。

沖縄県では沖縄本島と西表島の世界遺産登録を目指しており、2021年に入域観光客数1,000万人実現のロードマップを策定している。ここで課題になるのが観光利用と自然保全の両立だ。観光における差別化においても、沖縄らしい+αが必要になる。

キュリオス沖縄では、研究経験のある人材を活用し、観光と教育で自然への好奇心を育むネイチャーツアーを企画・実施している。立ち上げから1年間は一般観光客からの受け入れは行わず、ツアーコースの選定や内容のブラッシュアップに特化してきた。

人と植物をつなぐインターフェイス「KODAMA」

沖縄は、観葉植物の保有率が日本国内で2位なのだそうだ。しかし、一方で購入した植物を枯らしてしまう人は多い。定期的に水をやったり、日光に当てたりすればよいわけだが、それを忘れてしまうのは植物に対する関心が薄いからではないかと、「KODAMA」の作者は考えた。

KODAMA は植物が植わっている土壌に刺す温度/湿度センサーとアプリからなり、ユカイ工学の「konashi.js」を使ってスマートフォンとの通信を実現させている。将来的には、アプリは自作予定とのこと。ドン・キホーテや花屋での販売を構想しており、SNS との連携機能、デバイスのバリエーション追加や小型化などを検討している。

世界中の飲食業者に業態とデザインを販売する「Zen Exporting」

世界中にある日本食レストラン9万店舗のうち、日本人が経営している店舗は3%程度。一方、日本食のチェーンレストランの中にも海外展開しているものが少なくないが、Zen Exporting の末吉弘晃氏は、今までのフランチャイズ展開型のレストランに海外の人々は飽きつつあると言う。

フランチャイズビジネスにおいては、日本で生まれたブランドを海外に持っていく形をとるが、実際には国ごとに価値観が異なり、宗教や文化も異なり、また食材調達などの関係から品質維持にかかるコストも高い。それならば、各国のパートナーの強みを生かした、レストラン展開のパッケージを現地で個別に作り上げればいいのではないか、というのが Zen Exporting のコンセプトだ。

Zen Exporting では、自由な発想のもとにレストランの構想やデザインを Pinterest にアップロードしており、それを気に入った海外企業と提携し現地にレストランを作る。実際に、香港では現地 JC Group と Ritz Carlton の最上階に海賀というレストランを出店しているほか、インドネシアでは Columbia Cash & Credit と共同で、「奥円」という日本茶と炭火 BBQ と氷のブランドを構築中だ。

「コーラルオフセット」by Save the Coral Okinawa

今年1月、環境庁が発表した調査報告によれば、西表石垣国立公園の石西礁湖海域(石垣島と西表島の間)のサンゴについて、サンゴ群体の平均白化率は91.4%に上り、全体が死亡している群体は70.1%にも上っているという。主な原因は地球温暖化やエルニーニョ現象よる海水温の上昇と考えられるが、このまま行くと、2050年には地球上のすべてのサンゴが絶滅しかねない状況だ。

「コーラルオフセット」は、二酸化炭素排出におけるカーボンオフセットのコンセプトをサンゴの復活に応用するものだ。世界で初めてサンゴの産卵養殖に成功した、海の種代表の金城浩二氏の技術を活用し、国連の CDM(クリーン開発メカニズム)に基づいて権利を販売、そこから得られた売上金で養殖サンゴを海へとリストアしていく。補助金や寄付金を基にした事業では持続性に難があるとし、COP21 以降に拡大しつつあるカーボンオフセット市場からの需要獲得に主眼を置いている。

訪日中国人観光客向け O2O および決済アプリ「楽行(らくいく)」 by TOMORO

「楽行」は、個人商店などが訪日中国人観光客にプロモーションができるモバイルアプリだ。観光客からは、母国で利用している決済手段が使いたい、地元の人が行っている場所にいきたいという意見が多く、楽行はこれらの要望の実現を支援する。

アプリでは、店の予約やチャットができるほか、Alipay(支付宝)での決済に対応。LinePay の導入も計画している。当初2017年1月下旬のテストリリースを予定していたが、その後判明した不具合の改善に時間を要しており、2017年4月のリリースを目指している。

会場となった沖縄科学技術大学院大学(OIST)から東シナ海を見る