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2019年の国内SaaS市場は、バーティカルSaaSやSaaS特化VCの出現でさらに活性化——スマートキャンプが業界レポート最新版を公開

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SaaS比較「BOXIL(ボクシル)」やインサイドセールス支援「BALES(ベイルズ)」運営のスマートキャンプは11日、日本内外の SaaS やクラウドサービスの実態や業界トレンドをまとめた「SaaS 業界レポート 2019」を公開した。 これは昨年6月、同社が「SaaS 業界レポート 2016-2017」、「SaaS 業界レポート 2018」として公開した資料の第3弾となるものだ。このレポートは…

Horizon SaaS カオスマップ 2019年版(クリックして拡大)
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SaaS比較「BOXIL(ボクシル)」やインサイドセールス支援「BALES(ベイルズ)」運営のスマートキャンプは11日、日本内外の SaaS やクラウドサービスの実態や業界トレンドをまとめた「SaaS 業界レポート 2019」を公開した。

これは昨年6月、同社が「SaaS 業界レポート 2016-2017」、「SaaS 業界レポート 2018」として公開した資料の第3弾となるものだ。このレポートは、スマートキャンプ取締役 COO の阿部慎平氏、同社デザイナーの森重湧太氏により制作された。

このレポートによれば、SaaS 市場規模は年平均で日本国内約12%、海外約16%で成長を続けているという。また、業務領域(バーティカル)別では、コラボレーション、財務会計、人事給与、営業などで SaaS 化が急速に進んでいることがわかる。

国内 SaaS スタートアップの大型資金調達も続いており、今年に入ってからはアプリ開発のヤプリ(30億円調達、累計40億円調達)、労務管理の SmartHR(61.5億円調達、累計82億円調達)、マーケティングオートメーションのフロムスクラッチ(100億円調達、累計145億円調達)などの躍進が目立つ。また、ALL STAR SAAS FUND、DNX Ventures、Salesforce Ventures、STRIVE といった SaaS に特化した資金注入を明らかにしたファンドの創設も相次いでいる。

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日本のユニコーンに SaaS スタートアップはまだ存在しないが、アメリカには SaaS ユニコーンが55社存在するという。また、アメリカでは2018年、SaaS スタートアップ17社が IPO し、合計で約510億ドルを市場から資金調達した。有名企業には、DropBox、Zuora、DocuSign、SmartSheet、Domo、SurveyMonkey などが上げられる。また、今年に入って、Zoom と Slack が IPO を果たし、上場初日の終値ベースの時価総額はそれぞれ、約159億ドルと約200億ドルに達した。

スマートキャンプでは明日12日、同社初となる SaaS に特化したカンファレンス「SCTX 2019」を開催予定。今回されたレポートはこのイベントで参加者に無料配布されるほか、イベントに参加できない人には10万円で有償頒布の予定。レポートの読み解き方については、ここで参照できる。

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米国から登場する「仮想ホスピタル」を紐解くーー医療サービスをスタバ並みに手軽なものへ「Carbon Health」が3,000万ドルの資金調達

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ピックアップ: Carbon Health pulls in $30M to become the ‘Starbucks of healthcare’ ニュースサマリ:2019年6月5日、米国サンフランシスコ拠点のヘルスケア企業「Carbon Health」が3,000万ドルの資金調達を発表した。創業は2015年、現在シリーズBラウンドで累計調達額は3,650万ドルに及ぶ。 同社は医師への診察予約…

ピックアップ: Carbon Health pulls in $30M to become the ‘Starbucks of healthcare’

ニュースサマリ:2019年6月5日、米国サンフランシスコ拠点のヘルスケア企業「Carbon Health」が3,000万ドルの資金調達を発表した。創業は2015年、現在シリーズBラウンドで累計調達額は3,650万ドルに及ぶ。

同社は医師への診察予約から処方箋の配達サービス、ラボテストや過去のカルテデータ管理までをアプリ上で一括で行えるサービスを提供。

ユーザーはあらゆる医療サービスをひとつのプラットフォーム上で予約できる利便性を手にする。医療サービス提供者側は診察/診療後のフォローアップを適切に行うための患者との接点、カルテデータへのアクセス権を手にする。

患者を取り巻くあらゆるステークホルダーからの情報を連携させた患者データを提供するOne-Stop-Platformとして活躍する。

話題のポイント: Carbon Healthが目指すゴールは、スターバックス並みに高い信頼とブランド性を持った、手軽に利用できる病院を世界中に設置することです。

このビジョンを満たすために必要となるコンセプトが「仮想ホスピタル」。そしてコンセプトを実現させる戦略がメディア化だと筆者は考えます。

元々は独立したデータ管理システムを持つ各医療機関を繋ぐための電子カルテ及びオンライン注文システムを開発するアイデアから始まったCarbon Health。

自社でコンテンツを作るのではなく、既存プレイヤーを連携させることで価値創出し、コスト削減に繋げる戦略が根幹にあるわけです。従来型の自社旗艦病院を置き、あらゆる医療コンテンツを自社で手配する拡大戦略とは明らかに異なるものと言えるでしょう。

最大のメリットは病院を建てるための不動産や施設運営コストを一切無くし、システムのオペレーション開発にのみ特化することで収益化できる点。

ローカル病院や薬局、血液/DNA検査可能なラボとの提携ネットワーク数を増やし、顧客に最寄りの医療機関を紹介する送客手数料を通じて収益化する事業モデル。

実際に病院を建てるのではなく、医療サービスをマージすることで従来の病院に匹敵するサービスを立ち上げるのです。本記事ではこの業態を指して「仮想ホスピタル」と呼びます。

「仮想ホスピタル」を確立するための戦略は、日本のGunosyやNewsPicksに代表されるキュレーションメディアの手法と似ています。

外部パートナーからコンテンツを仕入れつつも、自社ブランドプラットフォーム上でコンテンツを届ける。成長角度を最大限に高めるため、コンテンツ創出を諦め、プラットフォーマーとして顧客獲得していくことに終始したビジネスモデルです。

顧客には医師への診療予約から処方箋の配達、ラボテストまでを一元予約できるストレスフリーな体験価値を提供。提携サービス側には顧客予約システムと電子カルテ情報を提供。診察後のフォローアップに繋がるシステムを卸します。

先述したように裏側では外部パートナーがサービスプロバイダーになっていますが、Carbon Healthのブランド名の下システムが回っているため、よりよいコンテンツを提供できれば自然とブランド価値が上昇する巧みな手法と言えます。

医療施設のバーチャル化とも言える「仮想ホスピタル」の概念。ローカルレストランに配達予約注文システムを卸しネットワーク構築したUberEatsにも同様の考えが適用できるでしょう。どれも「ソフトウェアが世界中を食い尽くす」というSaaS社会到来に伴う各市場の変革に紐づきます。

さて、メディア化の話に戻すとこれから医療サービスが生き残る道は二つ挙げられるでしょう。プラットフォームかコンテンツプロバイダーかのどちらかです。

プラットフォームはここまで説明してきたCarbon Healthのように散り散りになっている医療サービスを統括する立ち位置。一方、コンテンツプロバイダーは医療機関や薬局、ラボなどの特化型のサービスを提供するプレイヤーを指します。

メディア市場で例えると、プラットフォームの市場ポジションを取るNewsPicksと、スタートアップ情報に特化した本メディアThe Bridgeの構図に全く同じことが言えます。

日本では法律の壁もあり、なかなか医療サービスを一元統合できる環境にない印象にありますが、デジタル時代には当たり前のトレンドであるため、いづれはやってくる考えなはずです。いまから注目していて損はないでしょう。

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街の渋滞をビッグデータで解決、公共交通機関向けMaaS「Swiftly」が1000万ドル調達

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ピックアップ:Swiftly Raises $10 Million in Series A Funding to Scale a Mobility Operating System for Cities ニュースサマリー:公共交通機関を対象としたビッグデータ解析企業「Swiftly」は8日、シリーズAにて1000万ドルの資金調達を実施したと発表した。同ラウンドに参加したのはVia ID、Aster…

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ピックアップSwiftly Raises $10 Million in Series A Funding to Scale a Mobility Operating System for Cities

ニュースサマリー:公共交通機関を対象としたビッグデータ解析企業「Swiftly」は8日、シリーズAにて1000万ドルの資金調達を実施したと発表した。同ラウンドに参加したのはVia ID、Aster Capital、 Renewal Funds、 Total Energy Ventures、 Samsung NEXT、 RATP Dev、 Wind Capital、 1776、 Plug and Play Group、 Elemental Excelerator and Stanford StartX-Fund。同社はブログにて、意図的に伝統的なVCファームでなくモビリティー領域に特化したファンドを選択したと強調している。

同社は電車やバスなどの公共交通機関向けに、位置情報ビッグデータを利用したシステム運用や、根本的なルート改善策などを提供している。位置情報から機関に悪影響を及ぼしている箇所や場所を特定しやすくする。

また同社は、カスタマーサービスセンターなど向けにロケーションビッグデータを生かした、リアルタイムにおけるバスや電車の「遅延」を正確に分析可能なサービスを提供している。同社によれば既存のサービスに比べ30%以上の正確性を誇るとしている。

話題のポイント:公共交通機関向けMaaS(Mobility as a Service)を提供しているのがSwiftlyです。今までも、例えば渋滞でバスが10分遅れるという事実を伝えてくれるアプリなりサービスは存在していました。Swiftlyはその「情報」をより正確に伝えることに加え、それをビッグデータとして生かすことで根本的な渋滞原因を突き止めることを最終的な目的においています。

同社のミッションはアルファベット4文字「Make Cities More Efficiecncy(街を、もっと、効率よく)」で表現されています。同社はこのミッション達成のため、公共交通機関を運営する市と連携し、現段階において55の都市・2500の交通機関とパートナシップを結んでいます。

また、同社が提携を結んでいる市内であればGoogle Maps上においてもSwiftlyの恩恵を受けることが可能です。以下のように、リアルタイムの交通機関の条件・情報を参照しベストルートやスケジューラーを利用できます。

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上記でも述べたように同社の最終的な目的は市内公共機関の根本的な改善にあります。

例えば、同社のプラットフォームを用いればバスの停車駅の場所を微妙に調整することで渋滞を解消へ向かわせることも可能です。パブリックトランスポーテーションといえば、「遅れることは避けられない」という考えが一般的でした。インターネットによって、「遅れている」という情報にアクセスすることは誰でも出来るようになりました。

Swiftlyが目指す次のステップはその情報を利用した根本的な改善にあり、まさにMaaSの活用例のひとつと言えるでしょう。

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「暮らしのSaaS化」がやってくる!オンデマンド自体の自動化を目指す「Urban」、そのトレンドを紐解く

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ピックアップ: Urban closes $10M Series B in bid to become ‘one-stop shop’ for on-demand wellness services ニュースサマリー : 5月17日、ロンドンを拠点とするウェルネスサービス「Urban」がシリーズBラウンドで1,000万ドルの資金調達を発表。2014年の創業以来、累計調達額は2,110万ドルに上る。…

ピックアップ: Urban closes $10M Series B in bid to become ‘one-stop shop’ for on-demand wellness services

ニュースサマリー : 5月17日、ロンドンを拠点とするウェルネスサービス「Urban」がシリーズBラウンドで1,000万ドルの資金調達を発表。2014年の創業以来、累計調達額は2,110万ドルに上る。マッサージや整体、美容分野を中心とするオンデマンドサービスのマーケットプレイス事業を展開。

顧客は登録時に住所(自宅やホテルなど)を入力し、各種プログラムの中から好きなものを選ぶ。最後の決済プロセスでサービス時間指定をするだけ。指定日時にUrbanの専属スタッフが顧客のいる場所までやってくるサービスフロー。

大きな特徴は幅広い種類のウェルネスサービスを扱い、自分好みのプログラムを繰り返し利用できるアグリゲーションUX。

従来、分野特化型のオンデマンドサービスが多数登場し成長を続けてきた。しかし各アプリを毎回立ち上げてサービスを注文する手間が発生。そこでUrbanはあらゆるウェルネス系サービスを一括提供する場を設け、かつプログラムを選ぶ手間をなくすべくリピート注文しやすいUIを採用。

2014年に創業した5年目のスタートアップでありながら、オンデマンド美容師・エステティシャン派遣サービス「Freauty」と「Milk Beauty」の2社を買収済み。TechCrunchの記事によると、2018年末での累計提供サービス回数は38万回、リピート予約率は42%。10万アクティブユーザーと2,500人のスタッフを抱える。

話題のポイント : 今回の資金調達のポイントは「暮らしのSaaS化」

前述したように、世界中でオンデマンドサービスが急速に発展をしています。欧米では飽和状態であると言えるでしょう。アジア及びアフリカ圏では欧米サービスを真似たものが乱立。

背景には世界規模での都市一極集中化が挙げられます。2050年までに68%の人口が都市部へ移動。米国に限って言えば80%が主要都市へ人口移動することが予測されています。

サービス提供者と顧客の距離を狭める人口密集度がオフラインに特化したオンデマンドサービス確立に欠かせない要素です。オンデマンドネットワーク網を構築しやすい環境が都市部にあるのです。この点、日本でも有名なUberEatsに代表されるオフラインサービスのSaaS化は都市での展開に適しています。こうして「ソフトウェアが世界を飲み込む」という言葉が文字通り体現されるようになりました。

都市部居住者の生活体験はオンデマンドサービスの登場によって大きく変わりました。しかし多数のアプリを持ち合わせているがため、注文コンテンツを考え・選び・決済する一連のプロセスを何度も行わなければいけない課題が新たに発生。各種サービスを手軽かつ合理的に管理できるプラットフォーマーへのニーズが高まりました。そこで登場したのがUrbanというわけです。

家事手伝いの分野でも同様のニーズを満たすサービスが登場しています。2014年にニューヨークで創業し、累計調達額が5,250万ドルに及ぶ「HelloAlfred」はB2B2C市場で急速に成長しています。

2B進出以前は家事手伝いオンデマンドサービスをアグリゲートし、手軽に最安価格で指定時間に特定サービスを受けられる2C向け事業を展開。「毎朝7AMには配車サービス、隔日9PMには皿洗い、火曜・木曜・土曜7PMには洗濯」のようにオンデマンドサービスを自動リピートできる具合です。

Urbanはウェルネス、HelloAlfredは家事手伝いの分野で数千万ドルの資金調達を達成して着実な成長を見せています。このように生活関連サービスをパッケージ化し、あらゆる都市で高い生活水準 – Quality of Life – を保てる「暮らしのSaaS化」が次なるトレンドになると筆者は考えています。

日本では自宅に誰かを招いたり、UberEatsや出前を頼む以外のオンデマンド文化が根付いていない市場環境が存在するためいまはタイミングではないかもしれません。しかしオンデマンドサービスの手間を解決する市場には将来性があると言えるでしょう。

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会社のクラウドサービス「本当にこれいる?」がわかるSaaS型支出マネージメント「Airbase」ーーサブスク管理、承認決済も

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ピックアップ:Airbase launches with $7M Series A to simplify spending control systems ニュースサマリー:法人向け支出マネージメントプラットフォームを提供する「Airbase」が4月17日、シリーズAラウンドで700万ドルの資金調達を実施したことを発表した。First Roundがリード投資家を務め、さらにMaynard Web…

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ピックアップAirbase launches with $7M Series A to simplify spending control systems

ニュースサマリー:法人向け支出マネージメントプラットフォームを提供する「Airbase」が4月17日、シリーズAラウンドで700万ドルの資金調達を実施したことを発表した。First Roundがリード投資家を務め、さらにMaynard Webb、Village Global、BoxGroup、Quiet Capitalも参加した。

同社は2017年創業。クラウドベース並びにオールインワン型で支出マネージメントのプラットフォームを企業のファイナンスチーム向けに提供。同社CEOのThejo Kote氏は、専用デバイスを車のOBD-IIのポートに差し込むことでスマートフォンなどと連携するAutomatic社をSirusXMに1億ドルにて売却した経歴を持つ。

話題のポイント:クラウド型で支出管理が可能なことが特徴の「Airbase」。最近のスタートアップのサービス登場で従来より簡易化されてきているとはいえ、まだまだ効率化可能だと考えるのが同社です。気になる機能の方を見ていきます。

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最初の機能には「事前決済承認」が紹介されています。毎月必ず決済されるサブスクリプションサービスへの事前承認や、マーケティング費用への決済を事前に承認させておくことで、資金の使用用途がより明確化することが可能となります。

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続けて「バーチャルカード」サービス。各従業員や支払先のサービス単位で使用限度額を定めることもでき、カードの不正利用などを未然に防げるようになります。

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次は、法人カード利用時におけるレシートの保管リマインドをしてくれる機能。アプリを通して通知がスマホに送られ、その場で写真を撮影しアップロードすることでクラウドへ保管されます。これは紛失や保管しすぎて邪魔になるレシートをその場で処理できると考えると便利な機能です。

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そして最後の機能は「アンケート調査」。アンケートといっても、長い文章を書かせるものではなく、数分で本当に必要なサービスかどうかコンセンサスを取れるもの。アンケート結果は数値やグラフとなって決定権を持つ責任者へ送付できるため、交渉をスムーズに進めることが可能です。

経費関連の細かい意思決定がスピード化できる、という観点で考えると有益なサービスではないでしょうか。

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Amazonの衛星プロジェクトから考える次なる宇宙事業 ーー ロケット打ち上げ基地のSaaS化を狙え

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ピックアップ: Amazon plans network of satellites for high-speed broadband ニュースサマリー : 4月初旬、Amazonが高速インターネットサービス構築のため約3,000機の衛星を打ち上げるネットワーク計画「プロジェクト・カイパー」を公式に認めた。 本プロジェクトはインターネットアクセスが難しい国々の人や、待ち時間の少ない高速ブロードバン…

ピックアップ: Amazon plans network of satellites for high-speed broadband

ニュースサマリー : 4月初旬、Amazonが高速インターネットサービス構築のため約3,000機の衛星を打ち上げるネットワーク計画「プロジェクト・カイパー」を公式に認めた。

本プロジェクトはインターネットアクセスが難しい国々の人や、待ち時間の少ない高速ブロードバンド需要を持つ人向けのもの。低軌道周回衛星が打ち上げられるという。

競合にはElon Musk創業のロケット会社「SpaceX」やAirbusの支援を受けた「OneWeb」、カナダ拠点の「Telesat」などが挙げられる。事実、2019年2月にはOneWebが6機の衛星を打ち上げを行った。

なかでもSpaceXやTelesatはAmazon同様に低軌道の小型周回衛星を数百・数千ほど打ち上げてデータネットワークを構築するプロジェクトにすでに取り組んでいる。

話題のポイント : ここからはAmazonの衛星プロジェクトを基に新たな宇宙ビジネスを考察していきます。キーワードは”打ち上げ基地のSaaS化“です。

Amazonにとって4月は水面下で大きな案件が進んでいることが判明した月でした。本件だけではなく米国国防総省が進める1兆円規模のエンタープライズ・クラウドプロジェクト「JEDI」の契約最終候補の2社にMicrosoftと残ったと報じられています

クラウドサービスを支えるのは大容量のデータストレージ拠点と、世界中どこからでも接続できる高速インターネットサービスの両方と言えるでしょう。この点、Amazonや他社宇宙ベンチャーは後者の課題に挑んでいることが大きなトレンドであると認識できます。

次世代インターネット通信網構築のための宇宙開発の波はアジアにもすぐさまやってくるはずです。

中国の大手企業「バイドゥー」「アリババ」「テンセント」の3社が米国企業と拮抗するように衛星打ち上げ事業を仕掛けることが予想されます。後発するように日本の「ソフトバンク」「楽天」「LINE」が参入する可能性も考えられます(ソフトバンクはOneWebに出資済み)。

宇宙ベンチャー企業の参入も盛んです。たとえば小型人工衛星を開発する「Rocket Lab」「Firefly」「Vector」は低価格の衛星を軌道上に乗せるロケット実験の真っ最中。

このような少し先の未来のトレンドを逆算すると2つのことが言えそうです。

1つは米国大手に追随する形で多数の企業が打ち上げ事業に参入する未来を考えると、打ち上げ基地の需要が高まることが予想される。2つ目はロケット打ち上げに次々と成功した世界では、どのロケット企業のサービスを使って衛星を立ち上げるかという選択肢が増える課題が発生する。

衛星の小型化と開発低コスト化が進み、宇宙へのアクセスが容易になれば各大手企業がこぞって衛星の打ち上げを希望する未来がやってくるはずです。この世界では打ち上げ基地のSaaS化 – Satellite as a Service – が新たなコンセプトとなるでしょう。

言い換えれば、世界のどこの打ち上げ基地を通じて、どの企業の打ち上げロケットを使い衛星を打ち上げるのかを手軽に予約できるプラットフォームの登場が期待されると考えられます。

現状、ロケット打ち上げには綿密な計画と打ち上げ予定日のだいぶ前にステーションの予約が必要となりますが、こうした従来手法がディスラプトされる可能性が考えられるのです。

市場では低コストな衛星開発を行うスタートアップがしのぎを削っていますが、先を見越したプラットフォームビジネスを考えてみると面白い展開を見せるかもしれません。ロケット開発コストは一切かからず、打ち上げ基地をネットワーク化して法人向けに卸すシンプルなモデルとなるでしょう。一回のブッキング手数料で多額の売上を得られるため、市場シェアを独占できれば収益化を大きく期待できます。

ロケット開発には手を伸ばせる企業は数少なく、技術力がない限りそもそも事業は立ち上がりません。このジレンマにはまることなく、WeWorkに代表される”固定資産のSaaS化”の考えを打ち上げ基地に適用することで新たな商機を見出せると感じます。

日本の宇宙ベンチャー企業も北海道の広大な土地を利用した打ち上げ基地を切り口に、アジア圏の基地をネットワーク化させるだけで新たなビジネスモデルを紡ぎ出せるかもしれません。ここまで述べてきたようにAmazonの事業から見えるトレンドを切り口に次なるスタートアップの可能性を十分に考察できるでしょう。

Image Credit by NASA Goddard Space FligRobert ScobleWILL POWERPaulo O

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SaaS市場は国内15%・海外20%の平均年成長率で堅調に推移——スマートキャンプが業界レポート最新版を公開

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クラウドサービスの比較サイト「BOXIL(ボクシル)」などを運営するスマートキャンプは21日、日本内外の SaaS やクラウドサービスの実態や業界トレンドをまとめた「SaaS 業界レポート 2018」を公開した。これは昨年6月、同社が「SaaS 業界レポート 2016-2017」として公開した資料の第2弾となるものだ。資料の全編は、上記リンクからダウンロードできる。 このレポートは、スマートキャン…

Horizon SaaS カオスマップ 2018年版(クリックして拡大)
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クラウドサービスの比較サイト「BOXIL(ボクシル)」などを運営するスマートキャンプは21日、日本内外の SaaS やクラウドサービスの実態や業界トレンドをまとめた「SaaS 業界レポート 2018」を公開した。これは昨年6月、同社が「SaaS 業界レポート 2016-2017」として公開した資料の第2弾となるものだ。資料の全編は、上記リンクからダウンロードできる。

このレポートは、スマートキャンプ取締役 COO の阿部慎平氏、同社オウンドメディア編集長の時田信太朗氏、同社デザイナーの森重湧太氏の3氏により制作。SaaS の業界動向に精通した VC として知られる Draper Nexus の倉林陽氏、BEENEXT の前田ヒロ氏、Salesforce Ventures の浅田慎二氏のほか、SaaS を運営する当事者であるスタートアップからは、トレタの中村仁氏、カケハシの中尾豊氏、オクトの稲田武夫氏、さらに SaaS 以外のバーティカル横断の視点からセールスフォースの御代茂樹氏、ヤプリの庵原保文氏、Synamon の武樋恒氏が協力している。

富士キメラ総研の「ソフトウェアビジネス新市場2017年版」、総務省「平成29年度情報通信白書」を基にスマートキャンプが分析したところによれば、SaaS 市場の日本国内における平均年成長率は約15%、海外における平均年成長率は約20%で、2020年には世界全体で約890億ドル規模にまで成長すると予想。このうち、5〜10%の市場を日本企業が占めることになる公算だ。

このレポートでは、スタートアップにとって気になる資金調達の状況についても網羅されている。Sansan やフロムスクラッチ、SmartHR、PLAID など数十億円規模の大型資金調達に始まり、医療、飲食、保険などバーティカル SaaS 分野のスタートアップの資金調達も堅調に推移していることがわかる。また、2017年〜2018年は、Slack、Trello、Zoom といったアメリカ発 SaaS 企業が日本法人を開設する(または日本向けサービスを立ち上げる)好機となった。政府が主導する働き方改革の動きも、追い風となっているようだ。

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「すごいベンチャーカンファレンス the 2nd」が開催——freee・マネーツリー・Teachme Bizが、FinTechとSaaSの未来を語る【ゲスト寄稿】

本稿は、THE BRIDGE 英語版で翻訳・校正などを担当する “Tex” Pomeroy 氏の寄稿を翻訳したものです。オリジナルはこちら。 8月2日、SaaS(Software as a Service)プロバイダのディスカッションを取り上げる「すごいベンチャーカンファレンス the second」が東京で開催された。セールスフォース・ドットコムと東洋経済新報社が主催するこのカンファレンスは、ミ…

本稿は、THE BRIDGE 英語版で翻訳・校正などを担当する “Tex” Pomeroy 氏の寄稿を翻訳したものです。オリジナルはこちら


8月2日、SaaS(Software as a Service)プロバイダのディスカッションを取り上げる「すごいベンチャーカンファレンス the second」が東京で開催された。セールスフォース・ドットコム東洋経済新報社が主催するこのカンファレンスは、ミレニアル世代の従業員の知識共有、販売力向上、トレーニングなどにフォーカスしている。

たいていの参加者の関心を惹いたのは、最近の日本の会計市場をターゲットにしている freee や、クラウド型の資産管理アプリで頭角を表し始めた Moneytree といった、フィンテック関連スタートアップが共に登壇したパネルセッションだった。この2社に加え、簡単に使えるマニュアル作成サービス「Teachme Biz」を展開するスタディストが加わった。

左から:浅田慎二氏(モデレータ、Salesforce Ventures 日本代表)、佐々木大輔氏(freee CEO)、鈴木悟史氏(スタディスト CEO)、Paul Chapman 氏(Moneytree CEO)

Salesforce Ventures 日本代表の浅田慎二氏がモデレートした「これが『SaaS ベンチャー急成長』の方程式」と題されたこのパネルセッションでは、データベースの効果的な使い方から資金調達を続ける戦略まで、3人のパネリストの間で深い議論がなされた。特筆すべきは、freee がシリーズ E ラウンドを見据えた努力に先んじている点だ。

このイベントではスタートアップ業界のしくみに関するインサイトだけでなく、日本の会計ビジネスのほか、日本語が流暢なオーストラリア人で世界を飛び回って仕事をしている Moneytree の Paul Chapman 氏から越境金融についての紹介もあり、参加者の多くを占めた日本のスタートアップは、極めて役に立つ情報を得ることができたと語っていた。

パネルセッション後に開催された、ネットワーキングパーティー
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A-SaaS、 セールスフォース・ドットコムと資本業務提携、グリーベンチャーズ等から総額6.25億円の資金調達

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。 東京を拠点とするスタートアップ、アカウンティング・サース・ジャパン、略してA-SaaSは日本の会計ファームにソリューションを提供している。同スタートアップは昨日、セールスフォース・ドットコム、グリーベンチャーズ、モバイル・インターネットキャピタル等に第三者割当増資を実施、総額6.25億円を資金調達したと発表した [1…

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

東京を拠点とするスタートアップ、アカウンティング・サース・ジャパン、略してA-SaaSは日本の会計ファームにソリューションを提供している。同スタートアップは昨日、セールスフォース・ドットコムグリーベンチャーズモバイル・インターネットキャピタル等に第三者割当増資を実施、総額6.25億円を資金調達したと発表した [1]

日本の会計事務所で使用されているコンピュータ・システムは、長らくいくつかのベンダーに支配されてきた[2]。セールスフォース・ドットコムとの提携により、同スタートアップは、彼らのソリューションをセールスフォースのクラウドプラットフォーム「Force.com」向けに最適化し、セールスフォースと共に販売・マーケティング展開の強化を行う。

日本には32,000もの会計事務所が存在し、その約80%は、日本のトップ3の会計システムプロバイダーに支配されている。同スタートアップは、2017年の終わりまでに、5,000の事務所を彼らのSaaSソリューションに置き換える狙いだ。これは国内全ての会計事務所の15.4%に相当する。

A-Saasは2009年に森崎利直氏によって立ち上げられた。彼はそれより前、会計ソリューションのベンダーJDLに勤務し、子会社のIBEXエアラインズで社長を務めた。


  1. グリーベンチャーズは、言うまでもなく、日本のソーシャル・ゲーム巨人 GREE の投資部門である。モバイル・インターネットキャピタルは、インテル・ジャパンの前会長である西岡郁夫氏によって創設された。 ↩
  2. 会計事務所向けにソリューションを提供する、日本の三大ベンダーとは、TKCJDL、および、MJSである。 ↩

【原文】

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