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サムライインキュベート、六本木一丁目に社屋を移転し「SAMURAI HOUSE -INCUBATION-」を開設——佐藤可士和氏による新VIを導入

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サムライインキュベートは今月、同社の執務スペース、イベントスペース、コワーキングスペースなどからなる「SAMURAI HOUSE -INCUBATION-」を六本木一丁目に設置した。六本木一丁目に存在した旧・斎藤医院を森ビルが買い取りリノベーションした建物を利用、高層商業ビルを手がけることが多い森ビルにとっても珍しい物件だ。 2008年に創業したサムライインキュベートはほどなく、東京・練馬の小竹向…

インタビューに応じてくれた、サムライインキュベートの榊原健太郎氏。「SAMURAI HOUSE -INCUBATION-」の屋上で。
Image credit: Masaru Ikeda

サムライインキュベートは今月、同社の執務スペース、イベントスペース、コワーキングスペースなどからなる「SAMURAI HOUSE -INCUBATION-」を六本木一丁目に設置した。六本木一丁目に存在した旧・斎藤医院を森ビルが買い取りリノベーションした建物を利用、高層商業ビルを手がけることが多い森ビルにとっても珍しい物件だ。

小竹向原にあった初代 SAMURAI HOUSE の玄関
(2011年1月、筆者撮影)

2008年に創業したサムライインキュベートはほどなく、東京・練馬の小竹向原に一軒家を使った社屋兼コワーキング(というか、コリビングでもあった)スペースの「SAMURAI HOUSE」を設置。ここからは、ノボット(2011年に KDDI 子会社の mediba が買収)やエニドア(2016年にロゼッタが買収)といったスタートアップが誕生した。2011年には東京・天王洲の Samurai Startup Island に活動拠点を移し、約8年間にわたってスタートアップ輩出と事業投資を展開してきた。

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この数年来、森ビルは赤坂アークヒルズ内の KaleidoWorks にベンチャーキャピタル数社を招聘するなど、スタートアップ関連プレーヤーの集積に積極的だ。そんな中、この新しい拠点についても森ビルから提案があったとのことで、抜群の立地と対照的に元は医院だったといいう特徴的な環境から、「ここを活用できるのは榊原さん(サムライインキュベート創業者 兼 CEO の榊原健太郎氏)しかいない」と、森ビルの担当者から白羽の矢が立ったという。

「SAMURAI HOUSE -INCUBATION-」外観
Image credit: Masaru Ikeda

「日本から世界を席巻する会社を生み出したい」という兼ねてからの願いを込め、社屋の移転を機に、榊原氏はサムライインキュベートのブランドを改めることも決意。誰もが知る世界的クリエイティブディレクターに新 VI(Visual Identity)を依頼することを思いつく。

Google でサムライと検索すると、うちと同じか隣り合うくらい上位に佐藤可士和さんの名前が出てくる(SAMURAI は佐藤氏のクリエイティブスタジオの名前だから)。日本発でグローバルに成功している会社はまだ多くない中、佐藤さんはグローバルな会社のクリエイティブを多く手がけておられるので、ぜひリブランディングのディレクションをお願いしたいと思った。

でも、佐藤さんにパスがない。そうだ、Facebook で DM を送ればいい、と思い即実行。しかし、しばらく待っても案の定、返事はない。共通の友人がいないかと探したところ、うちの執行役員の成瀬(成瀬功一氏)が佐藤さんと繋がっていて紹介してもらった。佐藤さんのオフィスを訪問し、思いのたけを伝えてお願いしたところ、引き受けてもらうことができた。(榊原氏)

榊原健太郎氏と佐藤可士和氏
Image credit: Samurai Incubate

「できるかできないか、ではなく、やるかやらないか」というサムライインキュベートのスローガンは、創業者自らそれを地で行く形で生かされ、今回のリブランディングに至ったわけだ。サムライインキュベートの新 VI は、行動指針に照らして「志勇礼誠」という新たな言葉で表現され、その四文字を限りなく削ぎ落として抽象化された正方形四つのデザインでまとめられることとなった。

日本・イスラエル・アフリカでのスタートアップ投資に加え、最近では、大企業のオープンイノベーションやアクセラレータプログラム事案の受託も増え、サムライインキュベートのメンバーらが大企業と打ち合わせすることも多くなった。社屋移転により、そういったやり取りの効率も上がるだろう。オリンピックを控え、都心部の移動に制約が生じることを考えれば、東京の真ん中に拠点を設けたことによるメリットも大きい。

テラスを案内してくれる榊原健太郎氏。六本木通りが見渡せる。
Image credit: Masaru Ikeda

屋上やテラスなどオープンエア環境には恵まれた施設だが、消防や近隣住民への配慮からバーベキューパーティーを開くのは難しいかもしれない。しかし、サムライインキュベート主催イベントの定番である、メガホン片手に、床に敷き詰めた座布団に座る聴衆に向けてピッチする「サムライシャウト」の雄叫びが、ここ六本木一丁目の摩天楼の真ん中で轟く日が来るのを楽しみにしたい。

ガレージスペースでは、投資先がキッチントラックを使って実証実験を行なっていた。
Image credit: Masaru Ikeda
玄関先には移転祝の胡蝶蘭がいっぱい。
Image credit: Masaru Ikeda
1F にある執務スペース。フリーアドレスのようだ。
Image credit: Masaru Ikeda
ヨガで身も心もリフレッシュする社員の皆さん。
Image credit: Masaru Ikeda
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サムライインキュベートが30億円規模の6号ファンド組成、日本、イスラエル、アフリカのスタートアップを対象

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シード特化型の投資・インキュベーションを手がけるサムライインキュベートは7月19日、新たなファンドとなる「Samurai Incubate Fund 6号投資事業有限責任組合」の組成を発表した。 主な出資者は、セイノーホールディングス、セプテーニ・ホールディングス、マネックスグループ、ロート製薬、FFGベンチャービジネスパートナーズで、2018年12月のファイナル・クロージングを目処に引き続き出資…

写真左から:サムライインキュベートのパートナー兼Chief Strategy Officerの長野英章氏、代表取締役の榊原健太郎氏

シード特化型の投資・インキュベーションを手がけるサムライインキュベートは7月19日、新たなファンドとなる「Samurai Incubate Fund 6号投資事業有限責任組合」の組成を発表した。

主な出資者は、セイノーホールディングス、セプテーニ・ホールディングス、マネックスグループ、ロート製薬、FFGベンチャービジネスパートナーズで、2018年12月のファイナル・クロージングを目処に引き続き出資者を募集し、総額30億円を目標に拡大予定としている。

同ファンドはテクノロジーを軸とした事業を展開する、シードステージ中心のスタートアップに出資する。IoTやA.I(人工知能)、ブロックチェーン、ドローン等のテクノロジーを活用し、企業におけるバリューチェーンの生産性や競争優位性を向上させたり、既存産業内で新サービスを生み出す事業が対象。

業界としては物流、金融、小売、医療、建設、不動産、エネルギー、飲食等のサービス分野等を中心とし、また、日本・イスラエル・アフリカ大陸という3つのエリアに特化したインキュベーションも実施する。

また、スタートアップ向けの事業立ち上げ支援を行うだけでなく、出資者と連携した投資先支援も実施する。具体的には出資者の希望に応じた共同のソーシング活動や、オープンイノベーション推進サポートの提供などで、希望エリアにおける人材出向の受け入れや、出資企業のイントレプレナー育成プログラムの提供もするとしている。

via PR TIMES

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サムライインキュベートが天王洲を島ごとハックするカンファレンス「Samurai Island Expo ’16」を開催

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東京を拠点とするインキュベータ兼VCであるサムライインキュベートが、半年に一度のペースで開催してきたカンファレンス「Samurai Venture Summit(SVS)」は昨年、11回を数えて終止符を打った。惜しまれつつも幕と閉じた背景には、サムライインキュベートが創立されてから7年、天王洲に Samurai Startup Island ができて4年が経過して一つの節目だったことや、2014年…

東京を拠点とするインキュベータ兼VCであるサムライインキュベートが、半年に一度のペースで開催してきたカンファレンス「Samurai Venture Summit(SVS)」は昨年、11回を数えて終止符を打った。惜しまれつつも幕と閉じた背景には、サムライインキュベートが創立されてから7年、天王洲に Samurai Startup Island ができて4年が経過して一つの節目だったことや、2014年に同社がイスラエルに進出したことが、カンファレンスのあり方を考える上で一つの契機になった。

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この週末、サムライのカンファレンスが「Samurai Island Expo(SIE)」と名を改め、装いも新たに帰ってきた。これまで、代官山のオフィスビルや品川のマイクロソフト本社を使って SVS が開催されていたが、SIE ではなんと、天王洲アイルの街をまるごと貸し切ったイベントにするという。サムライインキュベートの本社でもある Samurai Startup Island  のある天王洲アイルは、運河に囲まれた摩天楼がひしめきあう人工島だ。筆者のような非東京出身者にとっては、羽田空港に降り立ってから東京モノレールに乗り、「あぁ、これが東京なんだ」と最初に実感するのが、天王洲アイル駅を通過するあたり。そんな島の随所でスタートアップの祭りが繰り広げられた。

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イタリアのスタートアップ The Energy AuditMIOT のブース

サムライインキュベートの代表取締役である榊原健太郎氏によれば、

イベントを屋内で開催していたのでは、スタートアップのうねりは、スタートアップのコミュニティの外へは伝わっていかない。そこで、1年くらいかけて地元商店街や警察などとの調整を図り、イベントを屋外で開催するようにした。

…とのこと。

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イスラエルのスタートアップ RetubeBlender のブース

その甲斐あってか、近隣住民と思われる家族連れが、屋外のステージ前で足を停めピッチに聞き入るなど、なかなか他のスタートアップ・カンファレンスでは見られない光景が目撃された。梅雨の真っ只中にもかかわらず開催両日とも好天に恵まれ、屋外でのブース出展やピッチにも支障がなかったのは、榊原氏が晴れ男だからに他ならないだろう。初開催となった SIE には、イスラエル大使館、La French Tech Tokyo、イタリアやイスラエルのスタートアップ各社、インドネシアのインキュベータなど海外勢も含めスタートアップ60社以上がブース出展し、国際色豊かな空気を醸し出していた。

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(左から)Startup Tel Aviv 2016 in Japan で審査員を務めた皆さん:サムライインキュベートCEO 榊原健太郎氏、WIRED 日本版編集長 若林恵氏、イスラエル経済公使参事官 Noa Asher 氏、Asher 氏の通訳としてイスラエル大使館 科学技術補佐官 小田聡子氏

そんな中で開催された「Startup Tel Aviv 2016 in Japan」では、女性起業家5人がテルアビブで開催されるスタートアップ・カンファレンス「DLD」への無料招待権を競って登壇。榊原氏のほか、イスラエル経済公使参事官の Noa Asher 氏、WIRED 日本版編集長の若林恵氏を審査員に招き、軒先(関連記事)、Deviewstory(関連記事)、Phybbit、AsMama(関連記事)、Any+Times(関連記事) の5社がピッチに披露した。評価が拮抗したため審査結果が出るまでには予想外に時間を要したが、最後に登壇した家事シェアサービスの「Any+Times」が優勝の座を手にした。

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優勝した Any+Times CEO の角田千佳氏(左から2人目)

サムライインキュベートでは今年の9月にも、DLD が開催される日程にあわせ、日本からイスラエルを訪問するスタートアップ代表団を結成する予定があるということなので、興味のある人はコンタクトしてみるとよいだろう。

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セカイカメラTelepathy で知られるシリアルアントレプレナーの井口尊仁氏もピッチに登壇していた。目下開発中のサービス「Doki Doki」のコンセプトビデオも披露されたが、現時点ではどのようなサービスになるのかはよくわからなかった。どうやら、ユーザが音声を録音して、それをシェアするサービスのようだが、来月くらいにはリリースできそうということなので、その日を楽しみにしてみよう。THE BRIDGE でも詳報をお届けできるよう努力したい。

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井口尊仁氏

屋内のセッションに目を移すと、Future Conference と Technology Conference という2つのトラックでパネル・ディスカッションが用意され、ドローン・AI・VR/AR といった最新テクノロジーや、日本国外のスタートアップ・コミュニティの状況を共有するセッションに多数の参加者が集まっていた。不肖・筆者も StartupHK の創設者 Casey Lau 氏と、東南アジアのスタートアップ・シーンやユニコーンに関するセッションをもたせていただいた。

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Alpaca CEO 横川毅氏、オルツ CEO 米倉千貴氏を交えた AI セッション

SVS のカジュアルな部分を残しつつも、島をハックする形でスケールアップした SIE。渋谷のビットバレーに続く日本のスタートアップ・ハブとして、天王洲の街が世界中の起業家で埋め尽くされる日々は、そう遠くないのかもしれない。

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写真素材クラウドソーシング「INSTAMODEL(インスタモデル)」のレモネード、サムライインキュベートから資金調達しサービスを正式ローンチ

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オンデマンド型写真素材クラウドソーシング・サービス「INSTAMODEL(インスタモデル)」を展開するレモネードは今日、サムライインキュベートからシードラウンドで資金調達したと発表した。調達金額は明らかにされていない。なお、この調達とあわせ、 INSTAMODEL のサービスを正式に開始した。 INSTAMODEL はウェブサイトやモバイルアプリを運営する企業が、安価で容易に写真素材をクラウドソー…

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オンデマンド型写真素材クラウドソーシング・サービス「INSTAMODEL(インスタモデル)」を展開するレモネードは今日、サムライインキュベートからシードラウンドで資金調達したと発表した。調達金額は明らかにされていない。なお、この調達とあわせ、 INSTAMODEL のサービスを正式に開始した。

INSTAMODEL はウェブサイトやモバイルアプリを運営する企業が、安価で容易に写真素材をクラウドソーシングできるプラットフォームだ。既定の選択肢の中から素材を選ぶストックフォトと異なり、ポーズや画角などを発注主(=クライアント)が自由に設定できるのが特徴。写真を撮るクラウドソーシングユーザ(=撮影モデル)は、主にスマートフォンの背面カメラを使い、三脚を使ったり誰かに頼んだりすることで自らを撮影し、専用アプリで写真を INSTAMODEL に投稿する。撮影した写真が発注主に採用されれば、INSTAMODEL が一定の手数料を差し引いた後、撮影モデルにギャラが支払われるしくみだ(ギャラは、クライアントが自由に設定)。

ストックフォトでは、目当ての写真を探すのに時間を要することがあり、必ずしも意図したポーズや画角が見つかるとは限りません。また、人気の高い写真などは複数のサイトで重複して利用されているケースがよく見受けられます。(レモネード代表取締役社長兼CEO 石橋尚也氏)

ニュースサイト、バイラルメディア、オウンドメディア、コーポレイトサイトなど、ストックフォトが利用されるシーンはさまざまだが、これらのメディアは同時に企業のブランドイメージを担っていることが多く、出会い系サイトなどで頻繁に利用されるストックフォトとの重複を避けたがる傾向があるのだという。同じ人物や風景の写真は、ユニークなブランドイメージの形成を阻害するからだ。

INSTAMODEL では、既にいくつかの雑誌サイトやキュレーション・メディアをクライアントに確保しており、他方、撮影モデルには一般からのユーザ募集に加え、プロのモデルを目指す女性らをスカウト/オーディションし INSTAMODEL 公式モデルとして採用している。現在のところ、クライアントが発注してから採用候補となる写真が集まるまでに1日程度を要しているが、石橋氏はユーザを増やすことで、これを数時間程度にまで短縮していきたいとしている。

レモネードを創業した石橋氏は、これまでウェブサイトの制作会社でサイト制作やインターネット広告の営業部門に従事。Facebook 広告に軸を切り始めた中で、利用する写真素材の選択肢に限りがあることに問題を感じ、INSTAMODEL を立ち上げた。レモネードは2015年12月の設立で、現在 CEO の石橋氏と CTO の佐藤大輔氏の2人のチームメンバーで構成されている。今後1年間で、INSTAMODEL の撮影モデルの登録者数3万人、取扱案件数1万件を目指している。

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INSTAMODEL のモデル(=撮影者)向けオーディション・アプリ
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スタートアップの祭典DLDで訪れた起業大国イスラエル【ゲスト寄稿】

本稿は、サムライインキュベートのアライアンス・ディレクターである両角将太(もろずみ・しょうた)氏による寄稿である。 両角氏は、起業家特化型インタビューブログの運営がきっかけでサムライインキュベートに大学生インターンとして参画、その後正社員として入社。 コワーキングスペース「Samurai Startup Island(SSI)」の立ち上げから運営に携わり、主に、イベントの運営および大企業とのアライ…

shota-morozumi_portrait本稿は、サムライインキュベートのアライアンス・ディレクターである両角将太(もろずみ・しょうた)氏による寄稿である。

両角氏は、起業家特化型インタビューブログの運営がきっかけでサムライインキュベートに大学生インターンとして参画、その後正社員として入社。

コワーキングスペース「Samurai Startup Island(SSI)」の立ち上げから運営に携わり、主に、イベントの運営および大企業とのアライアンスを担当している。年間200イベントを開催し、そこで形成した繋がりから20以上の企業とアライアンス関係を構築している。社内での新規事業立ち上げを担当し、海外展開中。


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9月初旬、イスラエルのテルアビブでは、DLD Tel Aviv という大規模なスタートアップの祭典が開催された。期間中には、世界からスタートアップや事業会社の関係者が2万人以上、この国をを訪れた。日本からは、 ソニー、ソフトバンク、朝日放送、ネクスト、ニフティを始め、総勢20社ほどの日本企業がイスラエルを訪問した。私は〝日本使節団〟の代表者として、このレ ポートを残したいと思う。

イスラエルが「STARTUP NATION」と呼ばれる理由

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これまでの報道でご存知の方も多いと思うが、イスラエルは起業大国だ。国の面積は四国程度と小さく、人口がたったの800万人であるにも関わらず、 年間800社ほどのスタートアップが生まれており、世界一の起業率を誇る。また、海外からのスタートアップ投資額(国民一人当たり)は世界一で、 M&AやR&Dをイスラエルで行う大企業が圧倒的に多い。

この国から生まれた有名スタートアップの成功事例には、USBメモリを初めて開発した M-Systems(SanDisk が買収)、ファイヤーウォールを開発した Checkpoint、Kinect の技術を開発した PrimeSense(Apple が買収)、Facebookの顔認識システムで使われているFace.com(Facebook が買収)などが挙げられ、彼らは数多くの技術を生み出してきた。

スタートアップの祭典「DLD Tel Aviv」

DLD Tel Aviv の期間中は、テルアビブ市内のいたる所で、ミートアップや著名経営者によるカンファレンス、パネルディスカッションなどが行われている。テキサスで毎年3 月に開催されるSXSWに似ていると言えるだろうか。テルアビブの中心街にあるロスチャイルド通り(Rothschild Blvd)では、屋外であるにも関わらず、スタートアップの出展ブースが数百社ほど立ち並ぶ。雨があまり降らないイスラエルならではの取組みだ。

そのロスチャイルド通りでは、IoT、ロボティクス、人工知能、VR、生体認証、画像認識などの事例を紹介するブースが多く見られた。また、イスラエルは、ドローンの分野では世界最先端の国であり、それらのプロダクトもいくつか出展されていた。

一方、カンファレンス会場では、Fintech、セキュリティ、アドテク、ビッグデータなどをテーマとしたものが多かった。これらは、いずれもイスラエルが強いと言われる分野である。

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Open Startup

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DLD期間中、テルアビブ中心部に位置するスタートアップのオフィスへは、自由に出入りできるようになる。イベントとあわせて実施される「Open Startup」という企画だ。弊社の Samurai House も2日間 Open Startup をしていたが、予想以上に多くの参加者が訪れ、23時以降になっても見学に来る人が途絶えなかった。

テルアビブ市内を歩く家族やカップルなど、一般市民までもがスタートアップの技術に興味を持ち、スタートアップと触れ合っていた。これがスタートアップ大国であるイスラエルの強さなのかもしれない。国民全体がテクノロジーに対して感心を示しているように感じた。

欧米大手主導のイスラエル・スタートアップ包囲網に、アジア企業も参入

多数の欧米大企業が DLD にスポンサードしており、テルアビブ市内各地でイベントを開催していた。特に、イスラエルでのオープンイノベーションとして Acceleration Programを実施している IBMVISAMasterCardGoogleMicrosoft などは、ピッチイベントやミートアップを開催するなどして、より多くのスタートアップを取り込むべく存在感を誇示していた。

これまで、大企業はM&Aや投資を繰り返すことで、イスラエルのスタートアップに関わってきたが、大企業にとって、自らソーシングを行い、スタートアップと交渉し、意思決定に至るまでのステップを繰り返すには、相当な労力が必要である。

そこで、大企業は Acceleration Program という形で、インバウンドでスタートアップを集めるようになった。イスラエルで優秀なスタートアップを集める鍵は、ユダヤ人同士のネットワークであり、欧米の大企業はプログラムの実施を通じて、強固なコミュニティを形成し始めている。

最近では、イスラエル政府がアジア各国への呼びかけを強化しており、Samsung が Acceleration Program を始めるなど、イスラエルでのオープンイノベーションを検討する韓国や中国の企業が増加傾向にある。

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日本企業とイスラエルのスタートアップの交流を深めることができた

今回、イスラエルツアーを企画した理由は、日本企業とイスラエルのスタートアップ間の交流が非常に少なかったからだ。欧米の大手企業によるイスラエル・スタートアップ買収が続々と起きているのとは対照的に、イスラエルのイノベーションを日本は取り込めていない。実際に現地に足を運んでもらわないと、日以交流は生まれないのではないかと考えていた。

交流の少なさは、日本人のいくつかの誤解にも起因している。まず「イスラエルが危険な国」だというものだ。紛争が起きているのは一般人が行かない一部地域のみであり、テルアビブは日本と同じくらい安全である。また、「パスポートにイスラエルのスタンプが押されてしまい、アラブ諸国に行けなくなるのではないか」というのも無用な心配で、実際のところ、最近の出入国審査では、パスポートにイスラエルのスタンプは押されなくなっている。

これらの理由が重なり日本人がイスラエルに赴くことは非常に少なかったので、今回ほど日本企業群が一同にイスラエルへ訪れたことはほとんど例がなく、現地でも話題になっていたようだ。

<参考記事>

DLDに参加して感じたこと

イスラエルのスタートアップは、シリコンバレーのそれとは少し方向性が異なる印象を受けた。シリコンバレーではビジネスモデルを元に起業することが多いが、イスラエルはテクノロジーベースの起業が多いようだ。

また、DLD に来ているスタートアップたちと話してみると、ビジネスモデルやサービスのレベル感としては、日本のスタートアップと大差は無いように思える。一方で、「危機感の差」が大きいと感じた。イスラエルをはじめ、スタートアップの国として取り沙汰されるトルコや韓国などは、そもそも人口が小さく、グローバル市場に出ないかぎり、シュリンクしていく市場の中で成長を続けるのは困難だ。スマホの普及により、質の高いアプリはどの国でもインストールされるような時代になった今、もはや国境は関係なくなっている。日本のスタートアップも国内市場だけを見ているのではなく、早急にグローバル進出すべきだと感じた。

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10月1日に、両角氏が Samurai Startup Island で DLD に関する報告会を開催するとのこと。関心のある方は、こちらにも足を運ばれたい。

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サムライインキュベートが月例のクローズド・ピッチイベント「Samurai Startup Day」をスタート、3年間でスタートアップ300社に出資へ

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サムライインキュベートは7日、シード・スタートアップを対象としたクローズド・ピッチイベント「Samurai Startup Day(SSD)」を、今後月に一回のペースで開催することを発表した。日本内外からシード資金調達を求める起業家を募り、スタートアップ発掘のスピードアップを目指す。 サムライインキュベートでは、これまでもスタートアップ向けにシードラウンドでの出資を実施してきたが、SSD の定例運…

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サムライインキュベートは7日、シード・スタートアップを対象としたクローズド・ピッチイベント「Samurai Startup Day(SSD)」を、今後月に一回のペースで開催することを発表した。日本内外からシード資金調達を求める起業家を募り、スタートアップ発掘のスピードアップを目指す。

サムライインキュベートでは、これまでもスタートアップ向けにシードラウンドでの出資を実施してきたが、SSD の定例運用により、ディールソースを効率化し、投資判断までのデューデリジェンスの時間を短縮したい考えだ。クローズドなイベントと書いた通り、SSD にはピッチをするスタートアップ以外には、サムライインキュベートの関係者しか参加しないので、起業家はサービスのローンチまで一般公表を避けたいビジネスモデルについても言及しやすいし、ステルス・スタートアップであっても安心してピッチをすることが可能になる。

SSD に臨むにあたり、エントリする起業家はスタートアップを日本登記とするか、サムライインキュベートの拠点があるイスラエル登記とするかを選ぶことができる。投資判断を通過した場合、日本登記のスタートアップには450万円(バリュエーション3,000万円に対して15%)、イスラエル登記のスタートアップには10万ドル(バリュエーション100万ドルに対して10%)が出資される。当面は、今年初めに組成された「Samurai Incubate Fund 5号投資事業有限責任組合」からの出資となる見込みだ。なお、出資条件に、サムライインキュベートの拠点である東京・天王洲の Samurai Startup Island(SSI)や、テルアビブの Samurai House in Israel の入居は条件とはならないため、全世界どこに拠点を置くスタートアップでも申込が可能だ。

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先日パイロット的に開催された、Samurai Startup Day in Summer の様子(サムライインキュベート提供)

サムライインキュベートのシニアアソシエイトを務める矢澤麻里子氏によれば、SSD を通じて今後3年間で300社のスタートアップに投資していきたいとのことなので、月に8社程度に投資を実施する計算だ。サムライインキュベートでは、起業家から打診を受けて実際に出資に至るケースの比率は1割程度ということなので、単純に確率論で言えば、SSD で毎月80社のピッチをレビューする必要がある。当初からこの数字を達成するのは難しいので、まずは SSD 一回につき20社程度ずつに参加してもらうところから始めたい、としている。同社はこれまでに、日本で83社、イスラエルで16社、アメリカで1社の合計100社に出資しており、今後3年間でSSD を通じて300社、2020年までにはポートフォリオの合計を522社にまで増やしたいとしている。

ところで、サムライインキュベートには代表の榊原健太郎氏をはじめ8人の役員や社員が在籍しているが、分野が多岐に渡るスタートアップの評価をこのスピードで実施し、増えゆくポートフォリオのスタートアップに手厚いハンズオン支援を提供し続けるのは、かなりハードであるのは事実だろう。この点については、サムライインキュベートがこれまでに出資したスタートアップの創業者ら150人以上を「サムライファミリーメンター」と位置づけ、先輩起業家が後輩起業家を育てる体制を整えることによって解決しようとしているようだ。

SSD は原則として毎月第3水曜日か木曜日に SSI で開催され、必要に応じて、Samurai House in Israel とライブでつないで実施するとのこと。このプログラムへのエントリは、常時このページから受け付けている。

<関連記事>

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サムライインキュベートが、イスラエルの旅行者向け観光スポット情報を提供するyapQに出資

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サムライインキュベートは31日、イスラエル・テルアビブを拠点とするスタートアップ yapQ に出資したと発表した。今年初めに組成した「Samurai Incubate Fund 5号投資事業有限責任組合」からの出資で、出資金額は10万ドル。 yapQ は2015年2月にローンチした旅行者向けに観光スポット情報を提供するスタートアップで、モバイルアプリとウェブサイトで、観光スポットへのルートをレコメ…

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サムライインキュベートは31日、イスラエル・テルアビブを拠点とするスタートアップ yapQ に出資したと発表した。今年初めに組成した「Samurai Incubate Fund 5号投資事業有限責任組合」からの出資で、出資金額は10万ドル。

yapQ は2015年2月にローンチした旅行者向けに観光スポット情報を提供するスタートアップで、モバイルアプリとウェブサイトで、観光スポットへのルートをレコメンドし、12ヶ国語の音声で案内する。YapQ 上の観光スポットに関するコンテンツは Wikipedia から取得しており、Instagram 上で投稿されたチェックイン情報をもとに、どの観光スポットの人気が高いかを自動的にランク付けしている。yapQ のバックエンドでは、独自に開発したエンジンが Instagram で位置情報を伴った投稿と、Wikipedia 上の観光スポットに関する記事を紐付けており、このエンジンに内包されたアルゴリズムこそが yapQ が持つ技術の要のようだ。

ローンチ当初、yapQ は航空会社、レストラン、旅行会社などが提供するウェブサイト向けの SDK の提供からサービスを始めたが、そこからサービスを C 向けに軌道修正し、旅行者が(渡航先でのローミングなど)モバイルデータでアクセスしていなくても、音声ガイドツアーが楽しめる Android / iOS アプリをリリース。8月初めには Google Chrome 向けのプラグインをリリースしており、ユーザがこのプラグインをインストールした状態で Airbnb や Booking.com のウェブサイトを訪れると、宿泊滞在先のページに近隣の観光スポット20カ所に関する詳細情報が表示される。

yapQ の Google Chrome プラグイン適用時の表示例。
yapQ の Google Chrome プラグイン適用時の表示例。

位置情報に基づいて観光案内を音声で伝えるアプリと聞くと、今年の Tech in Asia Singapore で披露された、ハノイ在住のデンマーク人起業家が立ち上げた「Echoes」というスタートアップのことが記憶にある。yapQ との違いは、Echoes はプラットフォーマーやユーザがコンテンツを作成するコンテンツ重視型であるのに対し、yapQ はコンテンツには関与しておらず、公開された離れ離れの情報を結びつける技術を提供している点だ。これはいかにもイスラエルのスタートアップらしいモデルであり、オンラインとオフラインを結ぶ観光情報以外の分野にも応用できるだろう。

yapQ のユーザ数を国別に見てみると、イスラエル、アメリカに続いて日本が3位につけており、今回、サムライインキュベートから資金調達したのには、そのような事情も影響しているようだ。同社の毎月のユーザ増加率は16%に上っており、今後はイスラエル、ドイツ、ロシア、日本をターゲットに、今年度中にアクティブユーザ数で10万人を目指したいとしている。

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日本のモバイルアプリを世界へマーケティングする「CyberTiger」がサムライインキュベートから10万ドルを調達

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アニメ、ゲーム、キャラクタなど、日本には世界を魅了できるコンテンツが数多くある。最近では、人気の「妖怪ウォッチ」をはじめ、「くまモン」や「ふなっしー」などのゆるキャラまで海外の街角でよく見かけるようになった。モバイルアプリやゲームが成功するための黄金律は存在しないが、地球規模で客観的な視点を持つというのは、一つのポイントではないだろうか。日本のコンテキストを持つプロダクトを売るのが上手いのは、必ず…

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アニメ、ゲーム、キャラクタなど、日本には世界を魅了できるコンテンツが数多くある。最近では、人気の「妖怪ウォッチ」をはじめ、「くまモン」や「ふなっしー」などのゆるキャラまで海外の街角でよく見かけるようになった。モバイルアプリやゲームが成功するための黄金律は存在しないが、地球規模で客観的な視点を持つというのは、一つのポイントではないだろうか。日本のコンテキストを持つプロダクトを売るのが上手いのは、必ずしも日本人であるとは限らない。

今日、サムライインキュベートから資金調達を発表した CyberTiger は、テルアビブに本拠を置く、日本のモバイルアプリの海外マーケティング、および、海外のモバイルアプリの日本市場向けマーケティングに特化したスタートアップだ。先週の righTune に引き続き、同社は「Samurai Incubate Fund 5号投資事業有限責任組合」から10万ドルの出資を受けた。CyberTiger を創業・経営するのは、イスラエル人の Daniel Beck 氏で、いわゆる日本人よりも日本人っぽい外国人である。日本で3年間の在住経験があり、スタートアップ環境に身を置くのは、足掛け15年に上るのだそうだ。

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Daniel Beck 氏

スタートアップ、パフォーマンスに基づいたマーケティング、そして、日本。この3つのパッションに則って、CyberTiger を立ち上げた。広告主に対しては透明性をもって全ての情報を開示し、デベロッパや広告主に対しては、異なる市場を学習してもらうようにして差別化する。ローカリゼーションを支援することが我々の仕事だ。(Daniel Beck 氏)

コンサルティングに近い仕事であるため、今のところ、スタートアップの定義の一つであるスケーラビリティは確認しづらいが、昨年7月のローンチからから事業は順調に伸びているようで、Beck 氏は具体的な社名は明かせないとしながらも、日本の有名デベロッパが開発したアプリを東南アジアでマーケティングしている事例があることを示唆した。

CyberTiger を始める以前、Beck 氏は2010年に、他の共同創業者ら2名と共にパフォーマンス・マーケティング会社の abaGada を設立しており、同社は今年4月、Dentsu Aegis Network に推定6,000万ドル〜9,000万ドル売却されている。売却時には Beck 氏は AbaGada の経営チームを既に離れていたが、創業者利得があったと仮定するなら、イグジットに成功したシリアル・アントレプレナーの一人ということができるだろう。

CyberTiger のようなスタートアップにとっては、今回のように、アクセラレータに資本を入れてもらうことは非常に都合がいい。アプリ・デベロッパがターゲットである以上、当該のアクセラレータ傘下のスタートアップの多くをほぼ自動的にお客さんにできるからで、顧客獲得に大きな営業コストをかけなくて済むからだ。また、2週間ほど前には、同社は、日本でスマホアプリ向けのマーケティング支援を提供するアドイノベーション提携した。相互に顧客のニーズを融通しあい、モバイルアプリのマーケットリーチを世界規模で効率化しようというのが狙いだ。

マーケティング支援をしている企業名やサービス名は明かせないため、CyberTiger が自らスポットライトを浴びることは稀で黒子に徹することになるだろうが、今後、日本のモバイルアプリが世界で脚光を浴びたとき、ひょっとしたら、彼らの奮闘が寄与しているかもしれないと、名前を思い出してみることにしよう。

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サムライインキュベートが、イスラエル発のウェブサイト向けBGM提供サービス「righTune」に出資

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サムライインキュベートは今日、イスラエル・テルアビブに拠点を置き、ウェブサイト向けの BGM サービス「righTune」を運営する Dopa Music に出資したと発表した。今回のラウンドはシードで、サムライインキュベートが今年1月に立ち上げた「Samurai Incubate Fund 5号投資事業有限責任組合」から10万ドルの出資。サムライインキュベートからイスラエルのスタートアップに対す…

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サムライインキュベートは今日、イスラエル・テルアビブに拠点を置き、ウェブサイト向けの BGM サービス「righTune」を運営する Dopa Music に出資したと発表した。今回のラウンドはシードで、サムライインキュベートが今年1月に立ち上げた「Samurai Incubate Fund 5号投資事業有限責任組合」から10万ドルの出資。サムライインキュベートからイスラエルのスタートアップに対する出資としては、これまでの、Startup EastDogizActiFile への出資に続くものだ。

righTune は、ウェブサイトのブランディングやコンテンツ、ウェブサイト訪問者の好みに基づいてプレイリストを作成し、ウェブサイト上で訪問者の行動を追跡。行動履歴やビッグデータ解析により、ユーザにあった BGM を再生することでユーザエンゲージメントを高める。ウェブサイト・オーナーは、JavaScript のコードを自社サイトのソースに埋め込むだけで、簡単に righTune の BGM をウェブサイト訪問者に提供することができる。同社が持つ楽曲選定のアルゴリズムは現在、アメリカで特許申請中だ。

righTune の可能性について、Dopa Music CEO の Erez Perlmuter 氏は、次のように語った。

Erez Perlmuter 氏
Erez Perlmuter 氏

今年の2月から6月まで、イスラエルのコーヒーショップ・チェーン Landwer でテストしたところ、BGM の最適化によって、顧客の滞在時間が16%伸びた。また、同じ時期、BGM の導入で、ウェブサイトでも11%ページビューが増加したことを確認できている。

Eコマース、ファッションビジネス、デザインなどの分野では、商品購入などの意思決定において、雰囲気というのは重要な要素だ。righTune では、ユーザの滞在時間や画面をクリックしたタイミングなどをもとに、我々の学習エンジンがユーザ毎にユニークなプレイリストを生成する。

カラオケに代表される消費者向けのビジネスが多数ある日本には、大きな可能性があると考えている。

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音楽が消費者に与える影響をまとめたインフォグラフィック(Dopa Music 提供、クリックして拡大)

現在、同社はインディーズ・アーティストや権利フリーのインストゥルメンタルを中心に、BGM として提供可能な楽曲を集めている。サービスローンチから1年半で、アメリカ、イギリス、ドイツを中心に約1,000社の顧客を有しており、ウェブサイト以外に、オフライン店舗の BGM 提供も行っているようだ。また、ウェブサイトの簡易構築サービス「WIX」には、ユーザが自らのウェブサイトに簡単に righTune の機能を追加できるアドオンが提供されている。

今年に入って、音楽ストリーミング・サービスの Spotify は Uber と提携し後部座席で好きな楽曲を選べたり、Starbucks と提携して、Starbucks 店内に好きなプレイリストを再生できるサービスを始めている。righTune のサービスは BGM の可能性をウェブサイトの世界にまで広げるもので、流れた楽曲に応じたユーザの反応を集積することにより、新たなビジネスの機会も期待できるだろう。

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飲食店向け鮮魚仕入れアプリ「SAKAMA(さかま)」が公開、サムライインキュベートから資金調達

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東京を拠点とするスタートアップ SAKAMA は今週、飲食店と鮮魚流通販売業者をつなぐアプリ「SAKAMA(さかま)」の iOS 版をリリースし、サムライインキュベートから資金調達したことを発表した。具体的な調達金額は明らかにされていない。 SAKAMA は魚を扱う飲食店と鮮魚仲卸、魚屋、産地市場を結ぶコミュニケーション・プラットフォームで、魚のオーダーを電話や FAX ではなくスマートデバイスで…

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東京を拠点とするスタートアップ SAKAMA は今週、飲食店と鮮魚流通販売業者をつなぐアプリ「SAKAMA(さかま)」の iOS 版をリリースし、サムライインキュベートから資金調達したことを発表した。具体的な調達金額は明らかにされていない。

SAKAMA は魚を扱う飲食店と鮮魚仲卸、魚屋、産地市場を結ぶコミュニケーション・プラットフォームで、魚のオーダーを電話や FAX ではなくスマートデバイスで済ませることができる。同社はこのアプリを通じて海産物のマーケットプレイスを形成し、鮮魚の流通を加速させる。

SAKAMA のビジネスモデルについて、共同創業者で代表取締役の柴田壮潤(そうじゅん)氏に聞いてみた。

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SAKAMA 代表取締役 柴田壮潤氏

魚屋は、一人当たりの担当出来る飲食店を増やせるので、売上を上げることが出来る。飲食店は、仕入れにかかっていた時間が削減されて、日々の業務が楽になる。この2つををフックに、SAKAMAのユーザを獲得します。

そして、SAKAMAを既存の取引先との仕入れツールとして使ってもらいつつ、飲食店が、新しい魚屋から魚を購入出来るようなマッチング機能を追加します。飲食店に新しい魚の調達チャネルを提供し、そこで手数料を頂くというのがマネタイズポイントとなります。

飲食店、魚屋ともに、SAKAMAを使えば、既存の取引先との仕入れも、新規の取引先との仕入れも、一つのアプリで完結させることが出来ます。

鮮魚流通をオンライン化するスタートアップとしては、八面六臂やフーディソンの名前が思いつくが、両者は飲食店と鮮魚仲卸の間に介在するの対し、SAKAMA はあくまでコミュニケーション・プラットフォームとして機能し、飲食店と鮮魚仲卸を直接結ぶ形をとるので、それまでの取引商流に影響を与えない。SAKAMA にとっては、売り方と買い方の間の利ザヤではなく、鮮魚仲卸に対する新たな取引先の紹介手数料が収入源となるわけだ。

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今週リリースされた iOS アプリには未実装だが、柴田氏が語っていた鮮魚仲卸と飲食店を結ぶマッチング機能に SAKAMA のビジネスの肝があるようで、この機能の早期リリースを楽しみにしたいところだ。今のところは、飲食店がスマートデバイスに SAKAMA をインストールしても、デフォルト状態では取引可能な魚屋や鮮魚仲卸は登録されておらず、既にSAKAMAをインストールしている取引先の電話番号がアドレス帳に保存されていれば、自動的に取引先として追加される。マッチング機能が実装されれば、常に鮮魚の取引が出来る「魚やSAKAMA」という魚屋が追加されるようになる。

代表取締役の柴田氏は、これまでにパーク24での新規事業立ち上げやアドウェイズの広告営業に従事。30歳になったのを機に、出身地でもある岐阜県の iOS/Android エンジニア育成事業「A.i.camp2」に参加し、フリーランスのエンジニアを経て、2015年2月に SAKAMA を設立した。

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