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【ゲスト寄稿】起業家が体験を共有するカンファレンス「NOAH London 2012」に参加して感じたこと

今回、寄稿していただいたのは、パリを中心に活躍するシリアル・アントレプレナーの佐藤達夫氏。大手モバイルコンテンツプロバイダで、ヨーロッパ、アジア向けのビジネス展開に従事した後、2011年、パリを拠点に、オンライン・マイクロガイド・スタートアップ「Shiroube(シルベ)」を創業した。現在3,000都市を対象に、旅行者10万人をユーザに擁する。これまでに4カ国に在住し、100カ国を訪問。ペンタリン…

今回、寄稿していただいたのは、パリを中心に活躍するシリアル・アントレプレナーの佐藤達夫氏。大手モバイルコンテンツプロバイダで、ヨーロッパ、アジア向けのビジネス展開に従事した後、2011年、パリを拠点に、オンライン・マイクロガイド・スタートアップ「Shiroube(シルベ)」を創業した。現在3,000都市を対象に、旅行者10万人をユーザに擁する。これまでに4カ国に在住し、100カ国を訪問。ペンタリンガル(5カ国語話者)。パリを中心に、年の半分を世界のテックイベントで過ごす。

今月上旬、ロンドンで開催された起業家の体験を共有するカンファレンス「NOAH 2012」で感じたことをレポートしてもらった。


世の中の仕事の全てがそうであるように、スタートアップにも超えなければならない壁が多く存在しています。私自身もファウンダーとして日々、自己研鑚、事業ドライブに勤しむ日々ですが、スタートアップとして、また自分自身が成長出来るキッカケは、意外と人との出会いや外部からの刺激かもしれません。

我々が大きな成長を模索するにあたり、成長投資、リソース管理、技術戦略、マーケティング戦略など考慮に入れなければならない事は数多く存在しますが、果たして、海外のスタートアップの先輩達は、どのようにしてそういった壁を乗り越えていったのか?

そんな視点にフォーカスしたイベントが年2回サンフランシスコとロンドンで開催されています。

成功した起業家が、後進に体験を共有するスタートアップ・カンファレンス「NOAH」

NOAHは元リーマンで投資銀行業務を行なっていた Marco Rodzynek とそのチーム始めたテックイベントで、 “new beginnings, group spirit and diversity” をモットーに、主要なVCとスタートアップを繋ぐ世界でも屈指のイベントです。

このイベントは招待制ですので、参加者の多くがスタートアップ・ファウンダー、VC、コーポレートCクラスに限定されるイベントであり、敷居が高くはありますが、今回、私もそのロンドン2012に参加する事が出来、希少な体験価値を日本の皆さまにも共有できればと思います。

このイベントのファウンダーMarcoは自身のスピーチでも語っていますが、彼自身もこのイベントのスタートアップ・オーガナイザーであり、そして往時のリーマン・ブラザーズを「クビ」になった経験を持っています。そんな中で自身のそれまでの投資銀行での経験を新しい分野で何か仕事として進められないか模索した結果として、このNOAHを立ち上げることになりました。

このイベントでは、我々のようなスタートアップに主要なスポットライトが当たっているわけではなく、シード、シリーズA、Bラウンドを終えて、さらなる成長を模索する(名前を一回は耳にしたことがあるような)会社のCEO達が自らの進んできた道を振り返って、これからのスタートアップにフィードバックすることが大きな目的です。

NOAHは他のスタートアップ・イベント(TechCrunch Disrupt、Le Web、RedHerring、The Next Webなど)と比べて規模は小さいものの、招待制で参加者のクオリティに気を配っていて、ここのステージ立つことは事業が人に評価されている証になります。スタートアップ同士のネットワーキングに留まらず、投資家、顧客などとダイレクトなやり取りが出来るので、ビジネス戦略もさる事ながら、具体的に収益を上げているビジネスモデルの説明であったり、そこまで至った経緯やスケールのさせ方であったり、まさに今々のスタートアップを運営している我々にとって、相談したい内容が直接話ができる場となっています。

NOAH 2012 London にて、スタートアップや投資家らのネットワーキングの様子。

例えば、我々Shiroubeはオンライン旅行、クラシファイド(個人広告)といった分野に軸足をおいていますが、こういったサービスは北米、欧州などは歴史も古く先行展開されており、収益化や世界的な普及の方法などは、日本では聞くことが出来ない内容が多いと思います。NOAH では、ヨーロッパでオンライン旅行検索を展開している Skyscanner さんの話をじっくりと聞くことが出来、そうして得られた知見を、現在 Shiroube の事業に反映しているところです。

NOAH2012 で出会った、注目のユーロ・スタートアップは?

今回のNOAH 2012ロンドンでは、併設された7venturesが主催する総額賞金700万ユーロのコンペ開催されましたが、そこでオーディエンス賞、および 大賞を獲得したのは Busuu でした。

Busuuは言語学習のプラットフォームで、ログインしているネイティブ・スピーカーとビデオチャットにより、無料で語学勉強できることが特徴です。英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語など9ヶ国語に対応しており、有料会員には発音添削やポッドキャストのサービスも提供されます。世界展開に向けて急成長しているスタートアップの一つであり、リアルタイム投票を含め会場で圧倒的な人気を誇っていました。

日本のスタートアップの皆さんへ

数多くの日本のスタートアップが世界を展開を夢見て、日々走られていることと思います。

私自身もヨーロッパを拠点に世界を駆け回る日々であり、悩みを自問自答することも多くなりがちですが、NOAH に参加してみて、日本的な表現ですが「先輩の肩を積極的に借りる」ことが日本に留まらず、世界的にもどれほどまでに多くの助けを呼び起こしているか、実感できたイベントでもありました。

NOAH に限らず、海外には数多くのチャンスが秘められていますので、皆さんも是非果敢にチャレンジしてみられてはいかがでしょうか。私も世界への飛躍を目指す皆さまの一助になれればと思います。Peace!

(Photo Courtesy: Marco Rodzynek, NOAH Conference)