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AIエコシステムの拡大に伴い、2019年は欧州全体でディープテック投資が急増【SLUSH 2019発表の報告書から】

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シリコンバレーに比べてヨーロッパは依然として大きなベンチャーキャピタルギャップに直面しているが、それでもヨーロッパはサイエンスベースのスタートアップの魅力的なハブとしての地位を大きく前進させている。 これは、フィンランドのヘルシンキで開催されたテックカンファレンス「SLUSH」で11月20日に発表された報告書「State of European Tech Report 2019」の重要なポイントの…

Image Credit: Wikimedia Commons

シリコンバレーに比べてヨーロッパは依然として大きなベンチャーキャピタルギャップに直面しているが、それでもヨーロッパはサイエンスベースのスタートアップの魅力的なハブとしての地位を大きく前進させている。

これは、フィンランドのヘルシンキで開催されたテックカンファレンス「SLUSH」で11月20日に発表された報告書「State of European Tech Report 2019」の重要なポイントの一つだ。このレポートは、VC 企業 Atomico、SLUSH、ロンドンに拠点を置くテック法律事務所 Orrick により作成された。

ここで言うディープテック産業とは、量子コンピューティング、コンピュータービジョン(映像解析)、ロボット工学、ナノテクノロジー、ブロックチェーンなどの最先端テクノロジーに及ぶ。これらのカテゴリ全体で、ヨーロッパのスタートアップの調達額は、2015年には30億米ドル、2018年の67億米ドルから増加し、2019年は84億ドルとなる見込みだ。この成功は AI によって先導されており、2019年に見込まれる調達額84億ドルのうち、何らかの AI 関連の製品やサービスを追求しているスタートアップが49億ドルを占めている。

ヨーロッパではイギリスが引き続きディープテックの推進を主導し、今年の29億米ドルを調達し、2015年以降のこのカテゴリの合計調達額は100億米ドルに達した。それに続く形で、フランスとドイツは合計で20億米ドルを調達している。

起業家とスタートアップでシリコンバレーに大きく遅れをとったヨーロッパの指導者たちは、ヨーロッパのサイエンス人材を活用することでディープテックのリーダーシップを獲得したいと考えている。ヨーロッパの研究機関は AI のような分野で確かに高い評判を獲得しているが、しばしばヨーロッパ地域外の企業への人材供給源となってきた。

ただ、この一年間で希望的な兆しも垣間見られた。AI エコシステムの開発に対するフランスの積極的な取り組みは、実を結び始めている。グローバルコンサルティング会社 Roland Berger と、VC と起業家を代表する団体 France Digitale の報告によれば、AI 関連のフランスのスタートアップ数は、2016年の180、2018年の312から、今年は432と大きく躍進している。この成長には、最近 AI による写真プラットフォームで2億3,000万ドルを調達したパリ拠点の Meero などが貢献している。同社の評価額は10億米ドルに達している。

一方、ドイツでは、ミュンヘンに拠点を置く IDnow が、オンライントランザクションの高速化のための AI による視覚検証プラットフォームで4,000万米ドルを調達した。これらの印象的な数にも関わらず、AI のような分野で中国やアメリカに対抗するのは、ヨーロッパにとって依然として険しい道のりだ。全米ベンチャーキャピタル協会によると、アメリカにある AI 関連企業965社が、今年の頭の9ヶ月間で135億米ドルの資金を調達した。これにより、2018年に168億ドルを調達した1,281社を上回るペースで業界が成長している。

AI は、AI を超えて量子コンピューティングの基盤を確立することを望んでいるものの、現時点では、量子コンピューティングはヨーロッパのディープテックカテゴリの底辺にとどまっている。SLUSH の報告書は、量子コンピューティング企業が世界で6億米ドル以上を調達していることを指摘している。この金額にはステルスモードのかなりの数の企業を考慮に入れていない数字だが、2019年の予想合計調達額2億2,200万ドルを凌いでいる。

しかし、現時点では量子コンピューティングの分野はヨーロッパに楽観的な理由を提供している。2019年の量子コンピューティングに関する資金の流れを見てみると、そのうちの32%はアメリカとカナダのスタートアップに投資されたが、ヨーロッパの企業は58%を調達している。アジアの企業はわずか5%だ。

この報告書は、有望なスタートアップにつながった進歩を生み出したブリストル、オックスフォード、インスブルックの大学研究プログラムを評価している。それはまさに、ヨーロッパの賭けが次世代の重要なテクノロジーのリーダーになるのを後押しするものと言えるだろう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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