THE BRIDGE

タグ SLUSH ASIA

VRやARが目立った #SlushAsia16 ーー会場で出会った気になる4つのポイント・テクノロジー

SHARE:

日本・アジアで2回目の開催となるSLUSH ASIA 2016は盛況に終わったようだ。 なかなかボリュームの大きいイベントで切り口も多いので、前稿では主にこのイベントの主たる目的のひとつでもある、日本の起業エコシステム形成をテーマにまとめてみた。続いて本稿では私が会場を回って「ピンと」きたテクノロジーについて幾つか言及してみたいと思う。 NOKIAの360度カメラは「音が凄かった」 イベントがフィ…

image

日本・アジアで2回目の開催となるSLUSH ASIA 2016は盛況に終わったようだ。

なかなかボリュームの大きいイベントで切り口も多いので、前稿では主にこのイベントの主たる目的のひとつでもある、日本の起業エコシステム形成をテーマにまとめてみた。続いて本稿では私が会場を回って「ピンと」きたテクノロジーについて幾つか言及してみたいと思う。

NOKIAの360度カメラは「音が凄かった」

slush-asia-2016-day-1-ozo-1

イベントがフィンランド発祥ということもあって大きなブースを構えていたのがNOKIA。日本発上陸となる360度カメラ「OZO」はひと際目を引いていた。内容については一緒に取材に入った池田将のレポートが詳しい。

SLUSH ASIA 2016 Day 1から、注目のスタートアップ・サービス・セッションをチェック #slushasia16

Gear VRでの体験だったので、彼らのいう高精細な(4Kから8K出力まで可能、ただし8Kはデバイスがない)映像体験は出来なかったが、もう一つの「音」についてははっきりとわかるぐらい楽しめた。

このカメラ、黒いカメラレンズが強調されていてよく見えないが、このレンズとレンズの間にマイク穴が付いている。これが実際に人の聴覚で聞こえるかのようなサラウンド体験を可能にしてくれるそうなのだ。

slush-asia-2016-day-1-ozo-2

人の耳というのは当然、二つ付いているので、聞こえてくる向きによっては聞こえ方が違う。これを再現していて、実際、Gear VRで没入体験に入ると、森の中でカサカサとなる葉っぱの音などが「微妙に」向く方向によって変化していた。映像がもっと綺麗だったら本当にその場にいるような没入が可能だったかもしれない。

ロボットが人を指導する近未来を考察した開発者

image

SLUSH ASIAでは開催に先立って開発者向けのハッカソンイベント「Junction」を開催していた。このチームはその優勝者で、人の動きをキネクト・センサーで感知し、そのデータから最適なフィットネスの方法をアドバイスするというアイデアを披露していた。

家庭用ロボット「Pepper」を通じてアドバイスしてくれるのも味があってよかった。

image

ハッカソンに自社のプロトタイプを持ち込んでマーケティングに使うタイプの人ではなく、純粋に開発を楽しんでいるデベロッパーだった。普段は大手人材会社に開発者として勤務しているという。

人がもしロボットに指導されるような未来が来たらどうなるのだろうか、そんな素朴な疑問からアイデアを思いつき参加したそうだ。夢のある開発は楽しいと語っていた。

Google ストリートビューのコンテンツを作っていたFlic360

image

今回のデモ・ブースで可能性を感じたのがこのFlic360だ。VRに特化したコンテンツ制作を企画からアウトプットまで実施するコンテンツメーカーで、オリジナルのオンラインサービスや360度カメラを持っている訳ではない。

「ただの制作会社さんかな?」と思ったのもつかの間、その実績がGoogleのストリートビューだったらどうだろうか。彼らはGoogleの認定パートナーとして年間1200箇所以上の撮影・制作を実施しているという。

VRやARは当然ながらコンテンツがキモになる。この制作のプロセスやノウハウでアドバンテージがある企業は強い。また、そういう経緯もあって、世界的なVRコンテンツ制作ネットワークを持っており、ヨーロッパでVRコンテンツを作りたいというような場合にはそのネットワークを通じて依頼ができるのだという。

会場では実績としてシルク・ドゥ・ソレイユ日本公演の「ダイハツ トーテム」の360動画が流されていた。ここでも見ることができる。

運営元のLIFE STYLE代表取締役代、永田雅裕氏の話ではオンラインサービスについても検討しているということだったので、また何か動きがあれば別途お伝えしたいと思う。

ライブストリーミング可能な防水360度カメラ「Giroptic」

残念ながらステージを見ることが出来なかったのがこのGiropticだ。フランスからのピッチ・ステージ出場組で話題の360度カメラを手に出場してきた。(概要はこちらの記事で

360度カメラはFacebookがオープンソースとして開発者向けカンファレンスで発表したSurround360や前述のNOKIA「OZO」のような数万ドルの価格帯のもの、GoProを幾つかマウントするタイプ(こちらはGoogleと共同でOdysseyというプロジェクトも)、RICOHのTHETAやコダック、ニコンなどのアクションカムなど、この1、2年でだだっと出現している印象がある。

Giropticもそのうちのひとつで、カメラ単体でスティッチング(映像を貼り合わせして360動画を生成する作業)などができるほか、電球ソケットに差し込むことで天井方向からのライブストリーミングなど、変わった使い方が手軽にできるのが特徴。

...

以上が私の「ピンと」きたもののまとめだ。今回のSLUSH ASIAは全体的にVR・AR関連の出品や話題が多く、テクノロジー・トレンドの一つの方向性を感じることができた。

来年またSLUSH ASIAが開催されるタイミングまでにこれらの芽生えがどれぐらい進化しているか、楽しみに待ちたい。

 

----------[AD]----------

3500人を集めた #SlushAsia16 ーー300人の学生たちが生み出したアジア・スタートアップエコシステムの「芽生え」

SHARE:

作るところから全部学生で本当にやりたかった。学生だから出来ない、そう言わせたくなかったーー 2016年5月13日から2日間に渡って開催されているフィンランド発祥の国際的スタートアップ・カンファレンス「SLUSH」のアジア開催版「SLUSH ASIA」は大盛況となった。最終的な主催発表はまだだが、関係者の話によれば2日間でのべ3500人以上が会場にやってきたそうだ。 多彩なスピーカー陣、目を引く新し…

image

作るところから全部学生で本当にやりたかった。学生だから出来ない、そう言わせたくなかったーー

2016年5月13日から2日間に渡って開催されているフィンランド発祥の国際的スタートアップ・カンファレンス「SLUSH」のアジア開催版「SLUSH ASIA」は大盛況となった。最終的な主催発表はまだだが、関係者の話によれば2日間でのべ3500人以上が会場にやってきたそうだ。

多彩なスピーカー陣、目を引く新しいプロダクト、華やかなスタートアップ・ピッチステージ。

これらももちろん素晴らしいプログラムだったが、それよりも私が注目していたのは「このイベントを誰がやったのか」という点だった。

その結果はいい意味で予想を裏切るものだった。

学生によるスタートアップ・ムーブメントの芽生え

image

「フィンランドに留学している時にSLUSHに参加したんです。ミーティングエリアの手伝いをしていた時に声をかけてくれたのがアンティ(ソンニネン氏、SLUSH ASIA CEO)でした」(田口さん)。

こう振り返ってくれたのは田口佳之さん。大手人材会社に就職を控えた彼は、昨年からこのSLUSH ASIAのプロジェクトに参加してきた。

SLUSHは最初から学生主体のイベントだったと聞いている。フィンランドの学生が作ったコミュニティ「スタートアップ・サウナ」が1年の総まとめのようなイベントを開催したのが始まりなのだそうだ。

フィンランドのインキュベータStartup Saunaが東京予選を開催、優勝チームのBrand Pitはヘルシンキ本選へ

スタートアップ・サウナはアクセラレーション・プログラムを運営しており、運営に関わる学生はイベントの調整などで各国企業のトップと触れる機会が多くなり、自然と起業へと結びつくようになる。

初回に200名ほどだった参加者は7年で1万5000人を集めるまでになり、参加者も企業トップやスタートアップのみならず、フィンランド首相や各国の首脳陣など幅広い交流の場に成長した。

参加者数は6年で50倍成長、北欧最大級のテックイベント「Slush」にかけるフィンランドの思い

「これを支えるのが1500人の学生ボランティアなんです。代表も学生で、卒業すると同時に起業したりします。彼らを応援しているのもスピーカーとして登壇している起業家の方々で、こうやってエコシステムが出来上がっているんです」(田口さん)。

例えばごみステーションにセンサーをつけてゴミの収集を効率化するEnevoはこのSLUSH・コミュニティ出身なのだそうだ。昨年には1580万ドルの大型調達に成功している。

Image Credit : SLUSH Web Site
Image Credit : SLUSH Web Site / Enevo

SLUSH本体がこういう成り立ちで始まった一方で、SLUSH ASIAは少し様子が違う。田口さん自身も「(2015年の初回は)学生主体って言ってましたが、やはりそこは際どかった」と漏らしていたように、学生たちが活躍したのはどちらかというとイベント当日だった。立ち上げ作業はいわゆる「大人たち」の手によらざるをえない状況が多かったように思う。

今年は学生たちが本当に生き生きと活躍しているのだろうか?

ーーこの私の「もやもや」は会場で綺麗に晴れることとなる。

image

関係者に話を聞いたところ、今回参加した学生ボランティアの数は300名ほどだそうだ。中心になっているグループは大きく2組ほどあり、装飾から協賛広告の交渉まで全てを取り仕切った。支援してくれる大人たちを集める過程で人数はどんどん増えていった。

「本当に?」という人も多いし、確かに彼らも全く後ろ盾がないわけではなく、例えばスタートアップ・スタジオを運営するMistletoeが運営チームに場所を無償で提供したり、困った時に助言するなどのサポートはあったという。

1番大きな課題となる資金についてもSLUSH本体がサポートしたという話も聞いている。

image

でもやはり、話を統合すると学生が本当に頑張ったのだと思う。同時に日本でも若い力が集まってこういうムーブメントを生み出せるのだと改めて感心した。こういう動きは2000年の頃にあった国内テクノロジー系・学生起業の原点とも言える渋谷ビットバレー に通じるものがあるかもしれない。

あのムーブメントから始まった企業や起業家たちが今、どうなっているかご存知の方も多いだろう。会場で出会ったとある投資家は彼らの今後についてこんな考えを持ってると教えてくれた。

「学生の起業コミュニティはやはり最終的にスタートアップしなければ徐々に衰退してしまうと思っています。こういう場所で彼らと出会い、どんどん起業してもらいたいと思ってます」。

次稿ではイベントで注目したプロダクトについてまとめをお送りしよう。

 

----------[AD]----------

SLUSH ASIA 2016のピッチコンテスト優勝は、リアル店舗での顧客分析を提供する「SkyREC」が獲得 #slushasia16

SHARE:

本稿は、SLUSH ASIA 2016 の取材の一部である。 5月13日〜14日の2日間、千葉・幕張メッセで SLUSH ASIA 2016 が開催されている。2日間を通じて行われた、ノミネート60チームの中から、台湾発のスタートアップでリアル店舗での顧客分析を提供する「SkyREC」が優勝した。昨年の SLUSH ASIA 2015 に引き続き、2年続けて台湾勢の優勝となる。 【優勝】SkyRE…

slush-asia-2016-pitch-finals-all-presenters

本稿は、SLUSH ASIA 2016 の取材の一部である。

5月13日〜14日の2日間、千葉・幕張メッセで SLUSH ASIA 2016 が開催されている。2日間を通じて行われた、ノミネート60チームの中から、台湾発のスタートアップでリアル店舗での顧客分析を提供する「SkyREC」が優勝した。昨年の SLUSH ASIA 2015 に引き続き、2年続けて台湾勢の優勝となる。

【優勝】SkyREC(台湾)

副賞:Google から100万円分のサポート、日本航空から 5.5万マイル分のマイレージ、Orrick から 1.5万ドル分の法務サービス、Autodesk から現金100万円

slush-asia-2016-pitch-finals-skyrec-google

slush-asia-2016-pitch-finals-skyrec-jal

slush-asia-2016-pitch-finals-skyrec-orrick

slush-asia-2016-pitch-finals-skyrec-autodesk

SkyREC は、リアル店舗のための Google Analytics。店舗内でお客がどの部分に何回、どれだけの時間滞留したかを視覚的に把握することができる。動線分析、売れ筋商品の分析、陳列方法の改善、人気のない商品の排除選定などに威力を発揮する。12のコア分析ソリューションを搭載。

台湾のある店舗では、SkyREC 導入から3ヶ月で店内のトラフィックが10%改善し、月間売上が18%改善した実績を持つ。昨年12月のサービスローンチから既に400店舗に導入。さらに、30ブランドの傘下64,000店舗に導入される計画がある。台湾 AppWorks(之初創投)第11期から輩出。

【Recruit Strategic Partners 賞】Giroptic(フランス)

副賞:現金50万円と、TECH LAB PAAK 利用権1年分(2016年9月まで)

slush-asia-2016-pitch-finals-giroptic-rsp

Giroptic は、3つのカメラ、3つのマイクロフォンで、追加のソフトウェア無しで360度動画を撮影できるカメラを開発。昨日紹介した OZO と同様に、3つの別々のカメラで撮影された映像は、カメラ内のチップでスティッチングされて一つの映像になるため、ソフトウェアで編集する必要がない。Wi-Fi 経由でライブストリーミングすることも可能だ。

主な用途としては、VR 対応のヘッドセットで投影したり、パソコンで閲覧して上下左右にスワイプしたりすることができる。電球ソケットに装着することもでき、この場合、360度撮影ができる動画カメラとなり、ワイヤレスで映像をリアルタイム転送できる。フランスで行った Kickstarter キャンペーンでは、4,000件あまりの予約注文がもたらされた。フランスとサンフランシスコに社員が46人、現在、610万ドルを資金調達中だ。

<関連記事>

【PR Times 賞】meleap(日本)

副賞:PR Times 利用1年分

slush-asia-2016-pitch-finals-meleap-prtimes

meleap が提供するHADOは、空間認識技術に加え、スマートフォンを使ったヘッドマウントディスプレイ(HMD)、腕につけるモーションセンサーなどの技術を組み合わせて、仮想的に空間を生み出す技術を使ったスポーツゲームを提供。10人までが同時にゲームに参加でき、当面はレジャー施設向けの B2B モデルでビジネス展開。IncubateCamp 7th から輩出。

<関連記事>


ファイナリストに残ったものの、惜しくも受賞を逃した2社は以下の通り。

Vectr(台湾)

Vectr は、マークアップエディタ、プロトタイピングツールなど複数のツールを一元化し、Google Docs と連携できるようにしたグラフィックデザイン・プラットフォーム。ユーザは月額25ドルでプロアカウントを取得でき、テンプレート、アイコン、フォント、ストックフォト、ロゴ、イラストパターンなどを自由に利用してデザインできる。アニメ、音声、ビデオのエディタやライブラリなども搭載。

ユーザが作成したテンプレート、アイコン、フォント、ストックフォト、ロゴ、イラストパターンなどを他ユーザに販売できるマーケットプレイスも展開しており、販売できたときには、代金の30%を Vectr が手数料として徴収する。

MoBagel(台湾)

MoBagel は、IoT 家電の利用状況などのデータを収集し、ダッシュボードを使ってビジネスインテリジェンスを提供する。家電メーカーなどが、自社製品の利用のされ方、カスタマービヘイビアなどを理解するのを助ける。対象となるのは、インターネットにつながる家電全般。メーカーは、どのようなユーザが、どのような頻度でプロダクトを利用しているのかを把握できるようになり、例えば、プロダクトのバッテリーを何日程度もつものにすればよいかなど、商品開発の改善プロセスで役立つ情報を提供する。

ソフトバンク、Philips、Panasonic などと提携しており、シードラウンドで 500 Startups、サイバーエージェントベンチャーズ、SingTel の Innov8、Club Clover から100万ドルを調達している。

----------[AD]----------

SLUSH ASIA 2016 Day 1から、注目のスタートアップ・サービス・セッションをチェック #slushasia16

SHARE:

本稿は、SLUSH ASIA 2016 の取材の一部である。 日本内外のスタートアップや起業家が一堂に会する SLUSH ASIA 2016 が、千葉・幕張メッセで始まった。フィンランド・ヘルシンキでスタートした SLUSH が、SLUSH として日本で開催されるのは2回目。Pioneers Asia、GMIC Tokyo など、海外発のカンファレンスが続々と東京版を仕掛ける中、SLUSH は今秋…

slush-asia-2016-day-1-broaderview-1

本稿は、SLUSH ASIA 2016 の取材の一部である。

日本内外のスタートアップや起業家が一堂に会する SLUSH ASIA 2016 が、千葉・幕張メッセで始まった。フィンランド・ヘルシンキでスタートした SLUSH が、SLUSH として日本で開催されるのは2回目。Pioneers AsiaGMIC Tokyo など、海外発のカンファレンスが続々と東京版を仕掛ける中、SLUSH は今秋にも SLUSH CHINA として上海にも進出することが明らかになるなど、今、アジアの最も勢いのあるスタートアップ・カンファレンスの一つと言っていいだろう。

イベント終了後の公式発表ではないので正確な数字ではないが、関係者の話によれば、2,000名前後の参加者がエントリされているとのことで、朝から多くのスタートアップ関係者が会場の随所でピッチやデモを繰り広げていた。目を引いたサービスやブースの模様をいくつか取り上げてみたい。

Taiwan Startup Stadium(台湾新創競技場)のブース群

slush-asia-2016-day-1-taiwan-startup-stadium-booths

台湾のスタートアップを支援する組織「Taiwan Startup Stadium(台湾新創競技場)」は、TechCrunch Disrupt(サンフランシスコ)、ECHELON(シンガポール)、Tech in Asia Singapore(シンガポール)などのスタートアップ・カンファレンスに、積極的に台湾のスタートアップを連れてきている。以前は韓国のスタートアップ支援組織が積極的にこのような動きをしていたが、台湾政府の支援を受けて2015年に Taiwan Startup Stadium が生まれてからは、台湾のスタートアップ支援が活発化しているようだ。

今回、Taiwan Startup Stadium は、海外進出を目指すスタートアップ8社を連れてきている。SLUSH ASIA にもブースを出しているほか、5月15日には、Infinity Venture Partners と Wantedly の協賛で、東京・渋谷のコミュニティ・スペース .dots でミートアップを開催する予定。幕張まで足を伸ばせない人は、こちらをチェックしてみるとよいだろう。

Nokia の 360度ビデオカメラ「OZO」

slush-asia-2016-day-1-ozo-1

SLUSH がフィンランド発のカンファレンスということもあり、この機会に、Nokia が開発した360度ビデオカメラ「OZO」が初めて公開されていた。8つのカメラで 2K 映像を同時撮影し、ケーブル経由で画像を転送。専用ソフトで合成することで、バーチャルリアリティ(VR)に利用可能な360度動画を制作できる。マイクも内蔵しており、ヘッドマウントディスプレイで再生すれば、撮影した空間の疑似体験が可能だ。

slush-asia-2016-day-1-ozo-2

重さは4キロ程度で、価格は約6万ドル。現在は北米でしか販売されていないが、近い将来、アジア市場にも投入される予定。データ容量が大きくなるため、現時点でモバイルの実用レベルで最速の LTE では、360度に相当する 2K 映像をリアルタイム転送することはできない。開発元が Nokia ということもあり、将来的には、このような動画をリアルタイム転送できる 5G 技術の開発も念頭に入れているとのことだ。

福岡スタートアップのブースエリア

slush-asia-2016-day-1-fukuoka-city-booths-1

スタートアップ支援を打ち出している福岡市のバックアップを得て、YAMAP や Doreming Asia など、福岡で活きのいいスタートアップが数社出展。彼らのピッチのほか、SLUSH ASIA に来訪している海外スタートアップの福岡市への誘致活動なども積極的に行われていた。

<関連記事>

APA の名物社長がフロント業務を行うボットに

slush-asia-2016-day-1-apa-hotel-motoya

東京・高知・インドのプネを拠点に、人工知能を用いた対話エンジンを開発する Nextremer は、アパホテルの元谷芙美子社長を模した人工知能ボットのデモンストレーションを公開していた。元谷氏曰く、彼女が30代の頃のイメージをモチーフにしているのだそうだ。このボットは日本語と英語に対応しており、宿泊客との対話を通じて、チェックインやチェックアウトなどのフロント受付対応業務を行う。フェイルセーフとして、人工知能と宿泊客間の対話が破綻したときは、そのやりとりをそのまま人間の担当者に引き継げるようになっている。

minarai-system-flow

フロント業務へのボットの導入は長崎ハウステンボスにある「変なホテル」が有名だが、「変なホテル」を牽引する澤田秀雄氏や APA の元谷氏といった業界リーターがこぞってボットを導入していることを見る限り、どうやらこの分野の業務が人間からロボットへリプレイスされていくのは避けられない時代の流れのようだ。

イグジットを経て、再び、スタートアップに戻った Joel Neoh 氏

slush-asia-2016-day-1-kfit-joel-neoh

今、東南アジアに行くと最もよく耳にするスタートアップの名前の一つが KFit だろう。アジア発のユニコーン候補と目されている。日本のクラスフィット(2016年初頭、@nifty スポーツクラブの TSU-DO に統合)やレスパス、アメリカの ClassPass と同じく、月に一定額を支払うと、フランチャイズブランドや店舗に関係なく、ジムやスポーツクラブが利用できるサービスだ。

Joel Neoh 氏は2008年にマレーシアで共同購入サイト「Groupmore」をローンチし。2年後に Groupon に買収されてイグジットを果たすも(Groupmore は Groupon Malaysia と改称)、その後、2015年5月に KFit を創業。スタートアップ界で成功を果たし投資家としての注目されながらも、敢えて、スクラッチからスタートアップを始める考えに至った経緯を話していた。

slush-asia-2016-day-1-broaderview-2

明日2日目には、SLUSH ASIA の見どころの一つでもある、スタートアップピッチのファイナルが開催される予定だ。それらの模様についても現地からお伝えする予定なのでお楽しみに。

<関連記事>

----------[AD]----------

SLUSH ASIAがスタートアップピッチのノミネート60社を発表——運営チームに聞いた今年の見どころ

SHARE:

昨年に続くこと2回目となる SLUSH ASIA が5月13日〜14日に開催される。主催者発表で昨年3,000人を集めたこのスタートアップ・カンファレンスは、今年会場を幕張メッセに移し、その内容や人数規模ともにさらなる成長を見せるようだ。SLUSH ASIA のコアコンテンツの一つであるスタートアップピッチには日本を含む世界20カ国から約100チームが応募、うちノミネートに残った60社の顔ぶれが2…

IMG_1059_2

昨年に続くこと2回目となる SLUSH ASIA が5月13日〜14日に開催される。主催者発表で昨年3,000人を集めたこのスタートアップ・カンファレンスは、今年会場を幕張メッセに移し、その内容や人数規模ともにさらなる成長を見せるようだ。SLUSH ASIA のコアコンテンツの一つであるスタートアップピッチには日本を含む世界20カ国から約100チームが応募、うちノミネートに残った60社の顔ぶれが28日発表された。65%が日本国内から、残りの35%が海外からのスタートアップだ。

今年の SLUSH ASIA の見どころについて、運営チームで〝Startup Operations〟を統括する Niya Sherif 氏と、テクノロジー全般を統括する柴田直人氏に話を聞いた。

<昨年開催された SLUSH ASIA 2015 関連の記事はこちらから>

SLUSH ASIA をイベントではなく、ムーブメントにする

slush-asia-pitch-training

SLUSH ASIA を3週間後に控えた日曜日の午後、東京・赤坂にあるアクセンチュアのオフィスでは、メンターを交えたスタートアップのピッチトレーニングが行われていた(写真上)。これから SLUSH ASIA 開催までの毎週末、都内各所でピッチ登壇する全スタートアップには、このような機会が提供される。

ヘルシンキと東京では文化も違うので、スタートアップの姿勢も違う。ヨーロッパのスタートアップはとにかくアグレッシブに行動することが先だけど、アジアではまず戦略を考えて、そこから行動するというパターン。当然、そういう考え方の違いは、ピッチにも現れるが、参加するスタートアップには、このピッチトレーニングを通じて、自信を築いてほしいと思っている。(Niya Sherif 氏)

投資家ら審査員を前にした 6分間のピッチと Q&A にどれだけの共感が得られるかで、その後のスタートアップの道筋が大きく変化すると言っても過言ではないだろう。昨年優勝した台湾の VMFive は600万ドル、2位だった yappli の ファストメディアは250万ドル、そして、3位につけた FOVE は1,100万ドルを調達している。

<関連記事>

slush-asia-niya-sherif-natsumi-saito
SLUSH ASIA で Startup Operations を担当する Niya Sherif 氏(右)と Natsumi Saito 氏(左)。

近年、海外から日本にやってくるスタートアップが増えているが、彼らが日本やアジアへの市場進出を図る上でも SLUSH ASIA を便利なプラットフォームにしたいそうだ。多くの海外のスタートアップを知る Sherif 氏から見れば、日本のスタートアップが持つ品質やプロダクトに対するパッションは世界でも群を抜いていて、〝ベータ版が日常茶飯事〟の業界にもかかわらず、「品質がまだ十分じゃないから公開できない」という日本のスタートアップの品質追求ぶりに常々驚くそうだ。これは日本のスタートアップの強みでもあり、海外のスタートアップが、日本のスタートアップや人材と付き合う上では、大きなメリットになり得る。

特にアジアでは、ビジネスにおいて人間関係が優先される傾向がある。それゆえ、投資家と起業家をつなぎ、スタートアップハブをつないでいくことが SLUSH ASIA の大きなテーマだ。スタートアップの多くが徒歩圏内や地下鉄で数駅程度の距離に集積している東京は例外的な存在だ。世界的には、多くのスタートアップハブは分散して存在しており、果たして、年に一度開催するイベントだけで、果たして、彼らを互いに〝つなぎ続ける〟ことができるのだろうか。

その点については、今後もっと多くの活動をやっていこうと思っている。年間を通して開催する Slush Cafe (写真下)もその活動の一部で、アジアにある他のスタートアップ・コミュニティとも連携を図っていく。これまでにも、ワークショップやピクニックなどもやってきた。SLUSH ASIA はそれ単体のイベントというより、そういうムーブメントの一部になっていくだろうと思う。(Niya Sherif 氏)

slush-asia-slush-cafe-with-yohei-sawayama
500 Startups Japan のマネージングパートナー 澤山陽平氏(右側奥)を招いて開かれた Slush Cafe。SLUSH ASIA CEO の Antti Sonninen 氏(右側手前)が司会を務めた。

投資家と起業家をマッチングするアプリ

今年の SLUSH ASIA を特徴づけるもう一つの要素がマッチングアプリだ。起業家と投資家の出会いが SLUSH ASIA の大きなテーマだが、たった2日間でそれを効率的に行うのは難しい。そこでイベント開催当日より前にアプリで互いの情報を共有しておき、事前にアポイントメントやミートアップのスケジュール調整ができるアプリを今年から導入する。もともとはヘルシンキで開催される SLUSH 本家で使われていたアプリをもとにしており、今回、SLUSH ASIA での利用にあたり、同イベントのテクニカル部門を統括する柴田直人氏らが、日本語対応を含むローカリゼーションを実施している。

投資家には、どのような分野(バーティカルやステージ)に関心があるか、どれだけ投資してきたか、今後、どれだけ投資するかを登録してもらいます。スタートアップ側は、どのようなテクノロジーやサービスに特化していて、資本金や事業の大きさなどをもとにスクリーニングしています。

アプリでは、それらを SLUSH が培ってきたアルゴリズムをもとにマッチメイクし、双方に会ってみることをレコメンドします。(柴田氏)

slush-asia-naoto-shibata
テクニカル部門統括の柴田直人氏。

SLUSH ASIA では、イベント当日のアジェンダや催し物を紹介するモバイルを別途準備しているが、このマッチングアプリはウェブベースで提供され、イベント当日までにアポイントメントにつなげることが大きな狙いだ。

また、柴田氏が担当する SLUSH ASIA 周辺のイベントとして、こちらもヘルシンキ本家に習ってのプログラム構成となるが、200人以上の起業家や開発者を集めるハッカソンイベント「JUNCTION ASIA」も見逃すことができないだろう。日本航空 / ソフトバンクグループ/ インテル+レノボ+NEC の3つのトラックが用意されており、各トラックの優勝者には、SLUSH ASIA での登壇機会も提供される予定だ。JUNCTION ASIA については5月2日まで参加を受け付けているので、関心のある人は今すぐここからエントリしてほしい。

----------[AD]----------

白熱のSLUSH ASIAスタートアップピッチ、グランプリはプレイアブル広告のVMFive #SlushAsia

SHARE:

フィンランドの一大テックイベントの「SLUSH」のアジア版「SLUSH ASIA」が4月24日に開催され、当日は晴れ渡る空の下に多くの参加者が集い、会場は熱気に包まれていた。 3000人がイベントに参加する中、キーノートやデモブースなどがところ狭しと行われ、ドーム型テント”ホワイトロック”では国内外から集まった50組ものスタートアップたちが熱いビッチバトルを繰り広げた。 クラウド / マーケットプ…

IMG_1059_2

フィンランドの一大テックイベントの「SLUSH」のアジア版「SLUSH ASIA」が4月24日に開催され、当日は晴れ渡る空の下に多くの参加者が集い、会場は熱気に包まれていた。

3000人がイベントに参加する中、キーノートやデモブースなどがところ狭しと行われ、ドーム型テント”ホワイトロック”では国内外から集まった50組ものスタートアップたちが熱いビッチバトルを繰り広げた。

クラウド / マーケットプレイス、エンタメ、教育、ツール、ハイテック / ハードウェアの5つのカテゴリーでそれぞれ10社ずつ競い合い、50組の中から残ったファイナリストがAlpacaDB、VMFive、Bento Bioworks、FASTMEDIA、FOVEの5社だ。

栄えある、アジア初開催のSLUSH ASIAスタートアップピッチのグランプリを獲得したのは、プレイアブル広告のVMFiveだ。

以下、ファイナルに選出された5組を紹介する。

クラウド / マーケットプレイス:AlpacaDB

IMG_1054_2
AlpacaDBは、画像解析技術を使い、非構造データ(画像)のタグ付けや分類分けを学習させることができるディープラーニングプラットフォームを提供している、カリフォルニア州サンマテオ拠点のスタートアップ。

画像にタグ付けなどを行うeコマース企業やストックフォトなど10社以上を顧客に抱える。ダッシュボードでは、実際に人が画像にラベリングをまず行い、そこから画像整理術のディープラーニングをシステムに教えながらアルゴリズムを生成することができる。

フリーミアムモデルを採用しており、完成したアルゴリズムを使用する場合、ライセンスフィーがかかる仕組みになっている。

エンタメ:VMFive

IMG_1066_2
VMFiveは、アプリをインストールすることなく、ユーザにアプリを体験してもらうことができるプレイアブル広告のAdPlayを提供している台湾のスタートアップ。

すでに、同社はD2Cやアドウェイズと連携を図っており、予約トップ10での体験提供などを開始。新作アプリの予約などを行っている。

対象の会社はゲームパブリッシャーでcost per trialのビジネスモデルをとっている。ファウンダーによるとアシアのモバイルゲームアプリの市場は米国の2.5倍であり、同社のサービスを導入すると、バナーアドやビデオアドより2倍から5倍の効果があるという。現在クライアントの数は3社で、API1コールは数ドル以下だという。

教育:Bento Bioworks

IMG_1071_2
Bento Bioworksは、個人でバイオテクノロジーの実験をすることができるハードウェアを開発しているロンドン拠点のスタートアップ。

同社の小型実験ハードウェアを使うと、例えば実際のハンバーガーの肉をスキャニングして、DNAを通じて何の肉が使われているか、成分などを調べることができる。

数ヶ月前に始まったばかりの生まれたてのスタートアップで、現在バイオロジー(生物学)を専攻している大学生をターゲットとしている。

ツール: FASTMEDIA

IMG_1078_2
ドラッグ・アンド・ドロップベースでスマホアプリを誰でもすぐに開発できるプラットフォームyappliを提供している日本のスタートアップ。

コードは一切書く必要なく、クロスプラットフォーム対応となっている。利用料金は中小企業は月100ドル、エンタープライズで月1000ドルとなっている。同社は売上ベースの四半期成長で70%の成長をしているという。すでに、大手企業やNPO、TEDx などの市民有志によるプロジェクトでも使われれており、アプリ時代の新しい開発ツールを提供したいと語った。

ハイテック / ハードウェア: FOVE

IMG_1079_2
FOVEは、アイトラッキング機能をもった、ヘッドマウントディスプレイを開発しているスタートアップ。

目の動きだけで360°の仮想空間を自由に操作でき、さらにジャイロ・加速計・磁石計を用いた9軸の傾きセンサー、モーショントラッカーによるヘッドトラッキング機能を組み合わせている。

目が見ている三次元上の座標を特定することで、見つめた位置をクリアにし、バーチャルリアリティー空間において自然な操作感によるリアリティーを実現しており、高い没入感がある。さらに、アイトラッキングだけで文字入力も可能にしている。

さらに、医療福祉分野に展開し、身体が不自由な人でも、文字入力やIoTによるリアルな物体の操作などを現在開発している。

----------[AD]----------

現代の魔法使い、落合陽一氏が語るアートとテクノロジー #SlushAsia

SHARE:

4月24日に開催されているSLUSH ASIAより。 現代の魔法使いと名高い落合陽一氏のセッションと、彼らが手がける超音波スピーカーによる音響浮揚技術 Pixie Dust(ピクシーダスト)の展示が行われていた。87年生まれのメディアアーティストの落合陽一さんは、物体を超音波で浮遊させる不思議な動画が話題になったことでも有名だ。 今回展示していた超音波スピーカーによる音響浮揚技術 Pixie Du…

20150424-DSC04291
メディアアーティストの落合陽一さん

4月24日に開催されているSLUSH ASIAより。

現代の魔法使いと名高い落合陽一氏のセッションと、彼らが手がける超音波スピーカーによる音響浮揚技術 Pixie Dust(ピクシーダスト)の展示が行われていた。87年生まれのメディアアーティストの落合陽一さんは、物体を超音波で浮遊させる不思議な動画が話題になったことでも有名だ。

今回展示していた超音波スピーカーによる音響浮揚技術 Pixie Dust(ピクシーダスト)の「音響場浮揚」という魔法的な浮遊技術は、特殊な超音波スピーカーを配置し、響場の分布を変更した超音波を中央に向けて集中させ音響場を形成することで、物体の空中浮揚を実現している。これが本当に魔法のようだ。

単に浮かせることが事ができるだけではなく、左右上下3軸の動きをコンピューターで自由に制御できる。

20150424-DSC04309

メディアートとしても充分魅力を惹きつけるテクノロジーだが、実用的な使い方も期待できる。

例えば農業の現場では、野菜の種子の受粉作業をこの音波浮遊技術を用いて人の手を介さず安全に行うことができたり、水も浮かせる事ができるそうなので、確実に抽出作業や混合作業ができるかもしれない。

他にも空中に映像を映し出せる「空中グラフィック」や、「実際に触れて動かせるレーザー」などを研究しているそうだ。

20150424-DSC04284
今はパソコンやスマートフォンの四角い画面に閉じ込められた情報を、解き放ちたい、そう語っていた。

20150424-DSC04301

キーノートセッションではバイオアーティストである福原志保氏とアートとテクノロジーについてパネルセッションが行われた。

福原氏は「人の死後もDNAを生き続けさせる」方法を提供しようとするバイオプレゼンス社を設立。故人の皮膚からDNSを採取し、木の細胞に埋め込んで育てれば、すべての細胞に元の遺伝情報が含まれる「生きた墓標」となるのだという。

「今までアーティストはホワイトキューブ(美術館などのギャラリー)でしか表現できなかったけれど、今はYoutubeやSNSがあって、表現の幅が広がったし、アーティストも直接フィードバックもらえるようになった。

これからはアントレプレナーとアーティストが一同に介して議論できるような場所なりエコシステムが必要だ」。

セッションの中で落合氏と福原氏は、いかにアートとテクノロジーをいかに外に持ち出すかの重要性を語っていた。

関連記事:
日本に足りないのは起業家精神ーーロックンロールな雰囲気で交流して欲しい #SlushAsia
「未来を変える」ーーアジア初の #SlushAsia 開催、3000人がお台場に集結

----------[AD]----------

日本に足りないのは起業家精神ーーロックンロールな雰囲気で交流して欲しい #SlushAsia

SHARE:

フィンランド発のスタートアップカンファレンス「SLUSH ASIA」が4月24日、東京・お台場で開催されている。 7年前にフィンランドから始まったSLUSHを今回初めてアジアで開催。学生、起業家、投資家、ジャーナリストなど、3000人が集結した。関係者の話によると、昨年冬に日本で開催することを決めたは良いが、大きなカンファレンス会場が見つからなかったため、だったら自分たちで会場を作ろう、となったそ…

20150424-DSC04295
アンティ・ソンニネン氏

フィンランド発のスタートアップカンファレンス「SLUSH ASIA」が4月24日、東京・お台場で開催されている。

7年前にフィンランドから始まったSLUSHを今回初めてアジアで開催。学生、起業家、投資家、ジャーナリストなど、3000人が集結した。関係者の話によると、昨年冬に日本で開催することを決めたは良いが、大きなカンファレンス会場が見つからなかったため、だったら自分たちで会場を作ろう、となったそうだ。

20150424-DSC04255
ホワイトロックと呼ばれるテントを設営し、そして1日で撤去するのだそう。会場に向かうと巨大な白いテントが目に飛び込む。

20150424-DSC04296
このイベントの仕掛人であるアンティ・ソンニネン氏はSLUSH ASIAを日本で開催した理由を語ってくれた。

2013年の「東洋経済」に掲載されていた特集記事で「起業家精神は教えたり学んだりできるものだと思うか?」という問いに対し、「そう思う」と答えた人の割合は、世界主要国の中で日本が最下位だったという記事を見た。そこで、今の日本に一番足りないのは起業家精神である、それを強く感じたんだ。

日本で起業を学ぶ人は少ないし、教える人も少ない。まずは起業家は違う星から来たエイリアンではないことを伝えなくてはいけないと思っている。日本のビジネスイベントはとても堅苦しい。だから、起業家と投資家がカジュアルでロックンロールな雰囲気で、繋がってコミュニケーションできるイベントにしたかった。

アジア初のSLUSH ASIAが始まってみて、どんな気持ちか聞いてみたところ、

たくさんの人に話しかけられてあまり見れていないし、まだ終わった後の結果はわからないけど、400人のスタッフに30以上の企業、そして大勢の人が参加してくれた。ここにいる人たちはみんな笑顔だし、リラックスしているように見える。今はとてもポジティブな気持ちだよ。

次回日本でやるならもっと大きな規模で開催したいね。

と意気込みを語ってくれた。

20150424-DSC04270
RovioのPeter Vesterbackaも気さく写真に応じる。

20150424-DSC04263
デモブースではスタートアップによる製品デモが行われている。

20150424-DSC04307
CerevoのXON SNOW-1も出展。

20150424-DSC04304
小さなヒューマノイドPLEN2も参加していた。

20150424-DSC04273
キーノートのホワイトロックテントきらめく光のライン。

20150424-DSC04298
ヒューマンビートボックスのライブも行われ、さながらロックフェスのような雰囲気だ。

関連記事:「未来を変える」ーーアジア初の #SlushAsia 開催、3000人がお台場に集結

----------[AD]----------

「未来を変える」ーーアジア初の #SlushAsia 開催、3000人がお台場に集結

SHARE:

市場の変化が激しい。しかし日本人は変化を嫌う。この文化を変えたいーー アジア初開催となったSLUSH ASIAが東京・お台場で幕を開けた。記念すべき最初のキーノートには前LINE代表であり、現在自らがスタートアップとしてC Channel代表取締役となった森川亮氏が壇上に立ち「挑戦すること」の重要性を説いた。 「多くの人は言った。あなたはもう既に有名だし新しいことをやる必要はない。しかし私は変化を…

C Channel代表取締役となった森川亮氏

市場の変化が激しい。しかし日本人は変化を嫌う。この文化を変えたいーー

アジア初開催となったSLUSH ASIAが東京・お台場で幕を開けた。記念すべき最初のキーノートには前LINE代表であり、現在自らがスタートアップとしてC Channel代表取締役となった森川亮氏が壇上に立ち「挑戦すること」の重要性を説いた。

「多くの人は言った。あなたはもう既に有名だし新しいことをやる必要はない。しかし私は変化を求めたし、新しいビジネスをやりたいと思った。それもエンターテインメントビジネスをやりたかった」。

幼少期に歌手になりたかったという生い立ち(高いトーンが出せなかったのでドラムを選んだそう)から日本テレビ、ソニー、LINE、そして今月立ち上げた新たなスタートアップまでのエピソードを披露した。

「未来を変える」ーー森川氏はアジア初開催のSLUSH ASIAのキーノートをこの言葉で締めくくった。

会場となったテント内部。天候もあって暑かった。

フィンランドでSLUSHが始まったのは7年前の2008年。当初は200人ほどの小規模なイベントが時を経て2014年11月開催時には1万3000人を集める巨大コミュニティに発展した。来場者もフィンランド大統領などの各国主席クラスから学生、起業家、投資家、ジャーナリストなど79の国々から多種多様な人々が集まっているという。

参考記事:参加者数は6年で50倍成長、北欧最大級のテックイベント「Slush」にかけるフィンランドの思い

今回アジア初の開催となったSLUSH ASIAでは、初回かつアジアの中でも特にドメスティック色の強い日本での開催ということもあってか、ざっと見渡した印象でそこまで多国籍といった雰囲気はなかった。

SLUSH ASIA運営のTEAM SLUSH CEOのAntti Sonninen(アンティ・ソンニネン) 氏に聞いたところ、当初2000人を見込んでいた来場者数はその後多くのリクエストに応える形で3000人以上に膨らんだという。また来場者の7割は国内の方で、3割が海外からわざわざ訪問してきてくれたそうだ。

TEAM SLUSH CEOのAntti Sonninen(アンティ・ソンニネン) 氏

またスタートアップピッチに登壇するのは50組でその内の40%が海外組ということで、ボランティアも約250名が集まったという。初めての開催で、しかも3カ月ほど(他の関係者談)という準備期間でここまでのステージを用意できたのは正直驚きだ。

普段こういったアジア圏イベントというのはシンガポールや韓国、中国/台湾で開催されることが多く、全編通して公用言語として「英語」を使うと明示しているテック系イベントを日本で開催することは珍しい。そもそもテクノロジーに限っているわけではなく、全体として「新しいムーブメントを起こそう」という人たちの集まりと考えたほうが正しいかもしれない。

会場には多くのデモ、スタートアップ達のピッチ・ステージが繰り広げられた。個別の様子については別のレポートでお伝えする(と思う)。

暑いぐらいの快晴の中、会場となったお台場に3000人の参加者が集まった。

会場にはホワイトロックというドーム型のテントが設営され、1日で撤去してしまうのだそうだ。

スマート・シューズのOrpehをデモするCTOの金井隆晴氏。クラウドファンディングも140%以上達成と好調だが、更なる獲得を目指してSLUSH ASIAに参加したそうだ。

参考記事:照明にも楽器にもーー日本発のパフォーマンスに特化したスマートシューズ「Orphe」

デモブースには主にハードウェア系のスタートアップが展示をしていた。

「課題はマーケット(の規模)」。と語る筋電義手「handiii」のチーム。プロダクトを優先させると語っていた。

その他にもテントでは様々なステージが繰り広げられた。全編英語。

SLUSH ASIAでメインステージのMCを務めたCasey Lau氏がいたので話をすると、彼に依頼があったのは直前だったらしい。彼はSoftLayerでアジア太平洋地域のコミュニティ・マネージャーとして様々なテク系カンファレンスでエバンジェリストして活躍している人物で、こういったアジア全般のテク系イベントに数多く足を運んでいる。

Casey Lau氏。本職はSoftLayerでアジア太平洋地域のコミュニティ・マネージャー

「開催するほんの数日前にMCやってくれって依頼されたんだ(笑。これまで2年間日本のスタートアップシーンを追い続けてきて、実際に急激に成長してるのがわかるし、物凄いスピードで進化している。特に、Slush Asiaの様な世界規模のイベントをもっとやっていけば、日本のスタートアップエコシステムは更にヒートアップすると思う」。

汗ばむような熱気の中、日本、アジアのスタートアップ・シーンにまたひとつ新しいページが加わった。

----------[AD]----------

フィンランドの熱風をアジアにもーー「SLUSH ASIA」、4月24日にアジア初イベント開催へ

SHARE:

フィンランドで毎年11月に開催されるテック・コミュニティのイベント「SLUSH」のアジア版が日本で開催されることになった。 運営主体となるTEAM SLUSHは2月25日、アジアで最初となる同イベント「SLUSH ASIA」を4月24日に開催すると発表した。開催場所は東京の臨海地区青海(お台場近辺)で、起業家や投資家、企業、ジャーナリストなどを対象に、国内外から参加者を募る。 TEAM SLUSH…

“昨年のSlushにて対談するガンホーの孫泰藏氏とSupercellのイルッカ・パーナネン氏"
Slushにて対談するガンホーの孫泰藏氏とSupercellのイルッカ・パーナネン氏

フィンランドで毎年11月に開催されるテック・コミュニティのイベント「SLUSH」のアジア版が日本で開催されることになった。

運営主体となるTEAM SLUSHは2月25日、アジアで最初となる同イベント「SLUSH ASIA」を4月24日に開催すると発表した。開催場所は東京の臨海地区青海(お台場近辺)で、起業家や投資家、企業、ジャーナリストなどを対象に、国内外から参加者を募る。

TEAM SLUSHを牽引するのはアングリーバードで知られるRovio Entertainmentの元日本代表、Antti Sonninen(アンティ・ソンニネン)氏。現在は音楽系スタートアップのBeatroboでCOOを務めている。登壇するゲストスピーカーにはSupercell CEOのIlkka Paananen(イルッカ・パーナネン)氏、Rovio Mighty EagleのPeter Vesterbacka(ピーター・ヴェステルバッカ)氏、Mistletoe CEOの孫泰蔵氏、DeNA創業者の南場智子氏などが決定している。

前回ヘルシンキで開催されたSLUSH本体には世界中から1万3000人ものスタートアップや投資家などが参加、各国首脳も顔をみせるなど、フィンランドにおける一大コミュニティに発展している。

まるでコンサート会場のようなステージ

SLUSHの特徴はそのアーティスティックな「空気感」にある。この様子については、私たちのメンバーでベルリン在住のSatoYukiがレポートしてくれている記事をご一読いただきたい。

参考記事:参加者数は6年で50倍成長、北欧最大級のテックイベント「Slush」にかけるフィンランドの思い – THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)

私たちTHE BRIDGEも、昨年の東京サテライト大会をカバーするなど、注目してきた。今回、4月に開催されるイベントについても同じく参加を予定している。引き続き情報が出てきたら都度お伝えしたい。

参考記事:フィンランドのスタートアップ・カンファレンスSlushが東京予選を開催、優勝チームのCapyはヘルシンキ本選へ – THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)

----------[AD]----------