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スマートシティの創出に必要なもの——構想発表から10年、スペイン・マラガの経験(後編)【ゲスト寄稿】

本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens 氏によるものだ。Mark Bivens 氏の許諾を得て翻訳転載した。(過去の寄稿) The guest post is first appeared on Mark Bivens’ Blog. Mark is a Paris- / Tokyo-based venture c…

mark-bivens_portrait本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens 氏によるものだ。Mark Bivens 氏の許諾を得て翻訳転載した。(過去の寄稿

The guest post is first appeared on Mark Bivens’ Blog. Mark is a Paris- / Tokyo-based venture capitalist.


マラガ市の風景
Image credit: Fabio Alessandro Locati
Creative Commons Attribution ShareAlike 3.0

世界中のほとんどの国際都市では、都市計画家、政治家、不動産デベロッパが、大都市をスマートシティに変えることに取り組んでいる。不動産やそれに付随する業界で働いている人であれば、スマートシティという概念がホットなものであることを知っているだろう。しかし、多くの多幸感に満ちた新しいトレンドのように、スマートシティという概念はさまざまな解釈が可能だ。

そんなことから、スペインのマラガ市でスマートシティプロジェクトを展開しているデジタルアーキテクトの一人にお会いしたときには、彼の知見を拝する機会に飛びついた。Rubén Fernández Vela 氏はスペインの弁護士で、現在は東京でデータ保護とプライバシー、デジタル法とテクノロジー、スマートシティの分野で法律コンサルタントとして働いている。

<参考文献>

前編からの続き

Rude VC:

スマートシティの構成員のデータはどのように適切に保護されているのですか?

Vela 氏:

Rubén Fernández Vela 氏

スマートシティでは、政府モデルは、その中心にある哲学がオープンソース的なものであるべきです。

  • オープンなパブリックデータ +
  • 透明性と説明義務 +
  • すべての社会構成員の参加 +
  • デジタル技術との調和

データは積極的に透明なもの、すなわち、オープンソースの標準とパラメータによって、オープンにされるものの対象とならなければなリません。オープンデータは、自由かつ公共的な基準の下で、市民のためのリアルで役に立つ情報を保証するものです。だからこそ、私たちがスマートシティについて語るとき、我々はそのことをプライバシー規制(あつえられたプライバシー、元々のプライバシー概念、データ保護、透明性、公共データの再利用など)を遵守した、オープンソースのデータハブとして理解しなければならないのです。

Rude VC:

スマートシティプロジェクトを実施する際に、市の職員はどのような時間軸を考慮すべきですか?

Vela 氏:

スマートシティプロジェクトの実現に要する時間は、その都市の具体的な状況によって異なります。

いずれにしても、スマートシティを実現することは、時間と労力を要する作業です。政府、市民、企業など、プロジェクトに関わるすべての関係者に利益をもたらすリーダーシップとビジョンを必要とする長距離レースです。これは、行政、住民、企業、民間企業の官民連携によって実現され、都市に関連した成果につながる革新的なソリューションを育成することができます。

Rude VC:

スマートシティプロジェクトの実現は、常に一気に分解して構築(オーバーホール)されるものでしょうか、それとも段階的に行えるものでしょうか?

Vela 氏:

スマートシティプロジェクトを実現することは、決して根本的かつ完全なオーバーホールであるべきではありません。それは段階を経て行われなければなりません。スマートシティプロジェクトは、構造化されたプロセスと、多くの場合、パイロットプロジェクトなどからなります。

ちなみに、スマートシティの概念は、一連の要件を満たし、特定の側面だけに焦点を当てたものではないため、技術的な方法で都市を改善するという単純な事実と混同してはいけません。スマートシティとはシステムの集合体です。この新しい用語は、イノベーションに基づいたエコシステムの下での未来の都市として示されていて、そのためには官民の協力が必要となります。

スマートシティプロジェクトの実現は、都市のあらゆる側面をカバーしながら段階的に行われるべきです。

Rude VC:

スマートシティの実現は、その都市の継続的な日常生活を中断することなく達成できるのですか? あるいは、スマートシティの実現は、抑制された環境の中でより簡単に達成されるのでしょうか?

Vela 氏:

スマートシティプロジェクトの実現は、段階的かつ徐々に変化するプロセスであるため、必ずしもその都市の継続的な日常生活を中断する必要はありません。

抑制された環境でスマートシティを実現することは、行政、経済、都市の生活、社会全般、運動、環境を統合したシステムとしてのスマートシティの概念に反するように思われますが、そうとは一概には言えません。

例えば、23区からなる東京都はスマートシティの6つの柱のそれぞれの発展のための自律性と能力を備えていて、これは抑制された環境の中でスマートシティ事業を実現するための理想的なシナリオを示しています。

Rude VC:

マラガ市のスマートシティ実現に特有の特徴を教えてください。

Vela 氏:

マラガ市のスマートシティの特徴には、次のようなものがあります。

  • スマート風力発電街灯やソーラー街灯を設置、人感センサーで光の強さを調節し点灯させる。
  • ゴミや下水から得られるエネルギーを利用して、電力網に販売している。デジタルメーターで水や照明の管理をモニタする。
  • 行政は、オンラインの「市民フォルダ」を通じて、複数のシステムから収集した市民の個人情報を本人に提示する。
  • 市民が市内の問題を報告することができるように複数のアプリケーションを開発することで、公共交通機関を効率よく利用したり、駐車場の場所を確認する同時に料金を支払えたり、市のモニュメント・写真・スケジュール・意見・便利な電話番号・ビーチの情報を得られるようになる。さらには、求人情報、起業家向けのプランを見つけるためのアプリケーションなども。
  • 無限の情報や対話が得られるパネルを街に設置する。
  • 交通管制や公共交通機関は、緊急センター連携される。
  • オープンガバメント、透明性、オープンデータサイトを説明するランチ機会の設定。
  • インターネットへの無料かつ例外的なアクセスを可能にする、さまざまな公共機関の間をつなぐ光ファイバーネットワークの構築。
  • 共有用の電気自動車のネットワークとシステムの開発(車やスクーターの共有)。
  • スマートシティにおけるスタートアップの重要性を念頭に、マラガ市のスマートシティのニーズを満たすために、マラガにはさまざまなハブやビジネスアクセラレーターが作られた。
  • モバイルアプリにより、政府の意思決定に市民が直接参加するためのプラットフォームだけでなく、政府に直接提案できる可能性を提供。
  • イノベーションや技術課題を市民に啓発するためのセミナーの開催。

Rude VC:

スマートシティになるには、どのような都市が適していると思いますか? スマートシティになるには、どのような特徴を持った都市が適しているのでしょうか?

Vela 氏:

スマートシティという概念は、人口過多と面積拡大のために、それが引き起こすすべての問題の解決策を必要とする大都市に関連しています。市民が少ない都市や地域は、その反対の問題に直面しているため、特別な扱いを必要とします。見捨てられないよう、魅力的であり続ける必要があるということです。

それは、都市の種類の問題ではなく、スマートシティの実現に向けた行政の意志がどうかということです。

東京は、スマートシティモデルの実現に向けて、最もエキサイティングな舞台となっています。人口1,500万人近く(都内在住や通勤・通学したりしている人)を擁し、23区、26市、5町、8村に分かれていて、各行政単位でスマートシティ計画を策定するための材料が揃っているだけでなく、すべての自治体が一体となったプロジェクトをまとめた「メガスマートシティ」も存在しいます。過疎化の一途をたどる地方も忘れてはいけません。

Rude VC:

スマートシティはイノベーションのエコシステムの成長を促進するのでしょうか?

Vela 氏:

スマートシティには、イノベーションとサステナビリティという2つの要素が常に存在しています。

起業家やスタートアップは、スマートシティの発展に不可欠な価値を持っています。ある市をベータ段階と見ると、IT とサステナビリティを核としたスタートアップや革新的な組織が最良の取り合わせになると思われます。数多くの市場調査が、スマートシティに関連するスタートアップの成功を裏付けています。スタートアップはスケーラビリティの可能性を持っているのに加えて、世界のさまざまなスマートシティでビジネスモデルを再現できる可能性が非常に高いでしょう。

要約すると、スマートシティとは、技術、開発計画、都市計画を通じた都市であり、その住民の日常生活を向上させるためのサステナビリティを目的としています。スマートシティとは、技術が適用されたサステナブルな都市です。サステナブルな都市とは、a) 社会イノベーション、b) 交通とモビリティ、c) エネルギー、e) ガバナンス、f) 経済とビジネス、g) 環境 からなります。技術を適用することで、市民のデータを収集・整理・解釈することで、a) サービスと市民生活の質の向上、b) 新しいアプリケーションの創出、c) 公共支出の減少、d) サステナブルな発展の達成を実現することができます。

スマートシティは、インフラや都市要素が市民の生活を容易にする技術的なソリューションを備えた、環境にコミットした都市です。

スマートシティの創出に必要なもの——構想発表から10年、スペイン・マラガの経験(前編)【ゲスト寄稿】

本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens 氏によるものだ。Mark Bivens 氏の許諾を得て翻訳転載した。(過去の寄稿) The guest post is first appeared on Mark Bivens’ Blog. Mark is a Paris- / Tokyo-based venture c…

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Image credit: ParallelVision via Pexels

世界中のほとんどの国際都市では、都市計画家、政治家、不動産デベロッパが、大都市をスマートシティに変えることに取り組んでいる。不動産やそれに付随する業界で働いている人であれば、スマートシティという概念がホットなものであることを知っているだろう。しかし、多くの多幸感に満ちた新しいトレンドのように、スマートシティという概念はさまざまな解釈が可能だ。

そんなことから、スペインのマラガ市でスマートシティプロジェクトを展開しているデジタルアーキテクトの一人にお会いしたときには、彼の知見を拝する機会に飛びついた。Rubén Fernández Vela 氏はスペインの弁護士で、現在は東京でデータ保護とプライバシー、デジタル法とテクノロジー、スマートシティの分野で法律コンサルタントとして働いている。

<参考文献>

以下は彼との会話の抜粋だ。

Rude VC:

「スマートシティ」という言葉にはさまざまな解釈があるようですが、その定義を説明していただけますか?

Vela 氏:

Rubén Fernández Vela 氏

スマートシティは、多くの著者や団体が一連の要素や基盤に基づいて説明しようとしてきた、大きく複雑な現象です。

スマートシティという概念が前世紀の初めに生まれた当初は、エネルギー効率を追求し、CO2排出量を削減することを目的としていました。現在では、情報通信技術の活用や、市民生活の向上、経済、都市のサステナビリティなど、さまざまな考え方が関係しています。技術は目標を達成するための手段であり、目標とは人間中心の都市の発展です。

我々が言うスマートシティとは、情報が流れるデジタル・ユビキタスの世界の中で、市民が都市情報に接続しリアルタイムに活動する理想的な都市のことを意味します。

スマートシティの概念の正確な定義は、デジタル技術を使用して、そのコンポーネントとして重要なインフラと公共サービスの両方をよりインタラクティブに、より効率的に提供し、市民がそれらをより意識することができるようにする都市、となります。

Rude VC:

スマートシティプロジェクトを実現し、自分たちの街をスマートシティに変えたいと思う自治体の職員を鼓舞するものは何ですか?

Vela 氏:

DESA(国連経済社会局)によると、2050年には都市に住む人の割合が世界の人口の70%に達すると言われています。自治体職員は、市民の生活の質だけでなく、環境や既存企業の競争力にも直接的でポジティブな影響を与えることを目指しています。

都市はいかなる国の社会経済的発展においても基本的な役割を果たしています。都市は、経済成長、イノベーション、社会的進歩、文化、知識、多様性の主要な推進力となっています。都市の魅力とは、基本的なサービスを提供し、生活の質を保証し、ビジネス創造と人材開発のためのより良い条件を促進する力に由来し、最高の市民と企業を魅了すべく競うことになります。

スマートシティは、行政、市議会、民間団体、市民、それぞれの期待を完璧に結びつけるものです。自治体は、市民の問題点やニーズを理解することで、市民の信頼を得たいと考えています。

Rude VC:

市の職員は、スマートシティになることで何を達成しようとしているのですか?

Vela 氏:

スマートシティとは、都市のあらゆる分野(都市計画、インフラ、交通、サービス、教育、健康、治安、エネルギーなど)の効率的な管理を実現し、都市と市民のニーズを満たすことを目指しています。そのためには、技術革新とあらゆる社会的主体と企業の協力が必要です。都市に必要なのは、a) 技術的なインフラ、b) エネルギー戦略、c) 資源の管理と保護、d) 官民サービスの創造、e) 市民それぞれの個人データがアクセス可能で、オープンで、再利用可能なオープンガバメントです。

自治体は、交通、公共サービス、廃棄物収集などに影響を与える、市民運営やサステナビリティに関連した問題に直面するニーズを解決しようとしています。その解決策は、意思決定のためのテクノロジー、具体的には AI、IoT、ビッグデータの利用にあります。

スマートシティとはサステナブルな都市です。それは、社会的イノベーション、効率的な移動と輸送の方法、エネルギーイノベーション(ゼロカーボン)、オープンガバメント、協調経済を目指す都市のことです。

成功したスマートシティは、市民の生活を改善し、サービスの提供を改善し、行政と市民の間の新しいコミュニケーションの形を開発し、サステナブルな開発を実現し、行政のための経済的節約を実現し、起業家のエコシステムを育成するためにテクノロジーを採用しています。

Rude VC:

スマートシティの実現について考えるプロセスとは?

Vela 氏:

スマートシティを実現するプロセスは簡単なものではありません。関係するさまざまな分野の専門家の時間と努力が必要です。政府、市民、公共・民間組織にメリットをもたらすリーダーシップとビジョンが必要です。

スマートシティを実現するまでの設計は、一般的に以下のような段階を経て行われます。

    1. チームビルディング
    2. 検証
    3. マルチセクター(多業界)視点でのソリューションの設計
    4. 実行計画の策定
    5. 複数組織の連携
    6. 評価と反復

スマートシティの哲学を適用する際には、自治体の規模、性格、進化、成長、適応能力などのいくつかの要素を考慮しなければなりません。それは、サステナブルな開発の原則に従った変革であり、すべてのスケールで効率的な管理を適用し、そのすべてに技術的なエコシステムを導入することを意味します。これらのニーズは、市民、役所や行政、関係企業の協力によってのみ解決されます。

Rude VC:

一般市民はどのようにスマートシティ開発プロジェクトに従事していますか?

Vela 氏:

都市とは、人々が生活や仕事をし、提供する多くのサービスの枠組みの中で活動を展開するプラットフォームです。エネルギー資源の大部分の中心であり、国の発展に大きな影響を与えます。

スマートシティには、市民の声に積極的に耳を傾け、市民と完全に接触する役割としての透明性の高い政府が必要です。そのためには、「従来型」から「スマート」な都市への進化にデジタル技術が不可欠です。

都市自体が、市民を中心とした人間中心のプラットフォームとなる。スマートシティでは、市民は自分の都市の情報システムにリアルタイムでアクセスできるようになり、提供されたデータによってより良い意思決定をすることができ、重要なのは、自治体の意思決定プロセスに影響を与えることができるようになるということです。

デジタル技術によって実現されたスマートシティは、市民を能動的なエージェントに変え、自分たちの属する社会の共同創造者に変えます。自分たちが暮らす環境を最もよく知っているのは市民であり、自分たちの住む地域や都市の運命を行政と一緒に提案し、共同で決定できるのは市民です。

Rude VC:

一般の人々はスマートシティ・プロジェクトについてどのような懸念や恐れを抱いているのでしょうか? そのような懸念はどのように緩和されますか?

Vela 氏:

都市の民営化、デジタルデバイド、データ保護と電子プライバシー、質の高いデータへのアクセスは、一般の人々がスマートシティプロジェクトについて抱く可能性のある最も一般的な懸念のいくつかです。

プロジェクトに関与するすべての民間会社等専門家の顔ぶれとアジェンダを開示し、構想段階から都市に関与させることは、市民からの潜在的な懸念を先取りするために非常に重要です。

IT へのアクセスが平等でなければ、市民はスマートシティにアクセスすることができず、アイデンティティを大きく失うことになる。スマートシティの設計と計画においては、連携と教育プログラムが必要があります。

スマートシティを実現するプロジェクトでは、データ保護の観点から、新たにあつらえられたプライバシー法と、元々のプライバシー概念を尊重する必要があります。

最後に、データベースのサービスを開発し、スマートシティでデータドリブンの経済を創出するためには、データが人口のすべてのセクター対して、特に市民やスタートアップからアクセスできるようにする必要があります。そのためには、オープンソースのデータでの作業を容易にする API や web サイトの開発に加え、データの再利用、透明性、オープンガバメント、電子行政などのポリシーを策定することが不可欠です。

後編に続く

Scrum Ventures、ニューノーマル時代のスマートシティをテーマとするオープンイノベーションプログラム「SmartCityX」を発表

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サンフランシスコと東京に拠点を置く Scrum Ventures は26日、スマートシティをテーマとするオープンイノベーションプログラム「SmartCityX」を発表した。プログラムには、損害保険、エネルギー、モビリティ、IT、広告(未来事業部門)、鉄道の6つの分野で、それぞれパートナー企業が協業する。 損害保険………あいおいニッセイ同和損保 エネルギー………出光興産 モビリティ………トヨタ・リサ…

Image credit: Scrum Ventures

サンフランシスコと東京に拠点を置く Scrum Ventures は26日、スマートシティをテーマとするオープンイノベーションプログラム「SmartCityX」を発表した。プログラムには、損害保険、エネルギー、モビリティ、IT、広告(未来事業部門)、鉄道の6つの分野で、それぞれパートナー企業が協業する。

  • 損害保険………あいおいニッセイ同和損保
  • エネルギー………出光興産
  • モビリティ………トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)
  • IT………日本ユニシス
  • 広告(未来事業部門)………博報堂
  • 鉄道………東日本旅客鉄道(JR 東日本)
プログラムを説明する Scrum Ventures ジェネラルパートナーの宮田拓弥氏
Image credit: Scrum Ventures

Scrum Ventures やメンターとして知見やネットワークを提供、また、今回は、プログラムから生まれる成果は特定の地域に適用することを前提としないが、三重県や東京都渋谷区がオブザーバーとして参画し、地域課題の共有や実証フィールドの提供で協力する。

本プログラムに募集されるスタートアップの領域は以下の6つ。

  • コンシューマープロダクト&サービス
  • モビリティ
  • スマートビルディング
  • エネルギー&資源&サステナビリティ
  • インフラストラクチャー
  • ソーシャルイノベーション
プログラムを説明する Scrum Ventures ジェネラルパートナーの宮田拓弥氏
Image credit: Scrum Ventures

プログラムアドバイザーに元 NBA 選手でエンジェル投資家でもある Baron Davis 氏を、また、A.T. カーニージャパン会長の梅澤高明氏、東京大学大学院情報学環 学環長の腰塚登氏らをメンターに迎える。

このプログラムの対象となるのは、日本のみならず世界中のスタートアップで、事業ステージ(アーリー、ミドル、レイターなど)は問わない。今日から11月末までスタートアップが募集され、パートナー企業とともに採択。来年2月から6月までメンタリングと事業開発プログラムが展開され、5月〜6月を目途にプログラム成果を披露するデモデイが開催される予定。

Scrum Ventures では SmartCityX の2年目以降は、実証だけに限らず、本格的な社会実装に取り組む持続的な事業ビークルの設立を視野に入れるとしている。

メンターやパートナー企業の皆さん
Image credit: Scrum Ventures

中国初の電子社印管理システム、Ant Group(螞蟻集団)のブロックチェーン基盤で構築——スマートシティ計画進む杭州で運用開始

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Alibaba(阿里巴巴)傘下の Ant Group(螞蟻集団)は17日、中国初の電子印鑑ブロックチェーンアプリケーションプラットフォームが Ant Group の BAAS(Blockchain as a Service)を使用して構築され、杭州で稼働したとプレスリリースで発表した。 重要視すべき理由:公的な会社印は、中国の企業制度の礎石であり、契約書などの公文書を検証する上で必要なものだ。印鑑…

17日午後開催された、電子印鑑プラットフォームの開始式典。
Image credit: 杭州市人民政府

Alibaba(阿里巴巴)傘下の Ant Group(螞蟻集団)は17日、中国初の電子印鑑ブロックチェーンアプリケーションプラットフォームが Ant Group の BAAS(Blockchain as a Service)を使用して構築され、杭州で稼働したとプレスリリースで発表した。

重要視すべき理由:公的な会社印は、中国の企業制度の礎石であり、契約書などの公文書を検証する上で必要なものだ。印鑑が偽造されたり盗まれたりすると、法人登記の盗難のような形で、誰かが企業に成り済まして行動することを許してしまう可能性がある。

  • 電子印鑑は2015年から物理印鑑と同じ法的有効性を担っているが、標準化がほとんどされないまま、複数の異なる政府機関によって発行されている。そのため、電子印鑑の管理やトレーサビリティーが難しく、偽造リスクがあると Ant Group は述べている。
  • その上、企業はいつ印鑑が使用されたかを記録しておくなど、面倒な事務作業をしなければならない。
    このプラットフォームは、電子印鑑の真正性を不正操作ができないチェーンで保証し、企業における管理を大幅に簡素化すると思われる。
  • この動きの一方、中国の有名な有名企業3社は公印を巡り争っているところだ。

詳細情報:杭州に拠点を置く企業であれば、プラットフォーム上からブロックチェーン社印を取得できる。政府系ポータルや Alipay(支付宝)で利用可能だ。

  • このチェーンは、改ざん防止で信頼性の高い電子印鑑を提供する。
  • このブロックチェーンプラットフォームは、浙江省の既存の電子印鑑システムだけでなく、Alibaba の地元である杭州のスマートシティプロジェクト「杭州シティブレイン(杭州城市大脳)」 とも連携する。
  • このプラットフォームはまず、浙江省の省都である杭州で登記された企業のみが利用できるようになる。

背景:中国の習近平国家主席が2019年10月にブロックチェーンを称賛して以来、中国の地方政府は地方統治にブロックチェーン技術を推進してきた。

  • 北京市は先週、国境を越えた貿易、不動産、銀行などの政府サービスにブロックチェーンを活用する野心的な計画を発表した
  • ここ数ヶ月間、物理印鑑は企業の権力争いの中心となっていた。世界最大のビットコインリグメーカー Bitmain(比特大陸)では、支配権を争う2人の共同創業者が、異なる印鑑で押印された文書を作成している。それぞれの創業者が、自分の印鑑こそが会社の意思を表すものだと主張している
  • 杭州はしばしば、都市統治におけるテクノロジーの導入で他の都市より先を走る傾向がある。これは杭州に本社を置くテック大手 Alibaba との提携によるところが大きい。
  • Alibaba は2016年に杭州シティブレインを立ち上げ、得られたビッグデータは、法執行、交通管理、健康サービスなどの分野で利用されている。
  • Ant Group は以前 Ant Financial(螞蟻金融)として知られていた Alibaba のフィンテック関連会社である。中国で最も人気のあるモバイル決済アプリ「Alipay」を運営しており、2015年からブロックチェーン技術に投資している。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

スマートシティやモビリティのニーズに応じて、AIやクラウドソーシングで加速するマッピング技術のイノベーション

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Google と Apple が、デジタルマッピング(マップ制作)の分野にいかに大きな影を投げかけているかを考えれば、両社がこの市場の首尾を象徴しているかのように見えても仕方がないだろう。しかし、自動運転車やスマートシティといった広範囲に及ぶサービスに対する需要により、マッピング分野に技術革新の限界を押し広げる新世代の競合企業が生み出されている。 最大手の Google と Apple が利用する…

An image from Mapillary Vistas Dataset, a pixel-accurate annotated street-level imagery dataset for autonomous mobility and transport.
Image Credit: Mapillary

Google と Apple が、デジタルマッピング(マップ制作)の分野にいかに大きな影を投げかけているかを考えれば、両社がこの市場の首尾を象徴しているかのように見えても仕方がないだろう。しかし、自動運転車やスマートシティといった広範囲に及ぶサービスに対する需要により、マッピング分野に技術革新の限界を押し広げる新世代の競合企業が生み出されている。

最大手の Google と Apple が利用する、衛星画像と路上を走り回る車両を組み合わせるという基本的なマッピング手法は、e コマース、ドローン、その他様々な形のモビリティ分野における移り変わりの激しいビジネスニーズに対応するには、時代遅れでスピードに欠けつつある。こういったサービスには多くの場合、リアルタイムでのアップデートやはるかに豊富なデータを必要とするような、非常に特殊なニーズがある。

こういった課題に対応するため、新しいマッピング会社は、様々な技術の中でもとりわけ人工知能やクラウドソーシングを活用し、はるかに複雑なジオデータを提供しようとしている。グローバルなマッピング市場の触媒となっているのが、このような増加しつつある多様性や競争だ。Grand View Research によると、このような背景を持つ同市場の成長率は年間11%を超え、2025年までに87億6,000万米ドル規模にまで拡大すると予想されている。

サンフランシスコに拠点を置く Mapbox でオート部門を率いる Alex Barth 氏は言う。

今はマッピング企業にとって、世界がつながりつつある非常にエキサイティングな時代です。ロケーションに関する新しい考え方がいろいろと生まれています。

2005年にローンチされた Google Maps は当時革命を引き起こした。埋め込み可能な順応性のあるマッピングサービスは、当時の最大手 Mapquest にあっという間に取って代わった。Mapquest は、道順を提供するスタティックマップで早期から他社に先行していた。2012年に Apple が Google との関係を解消して独自にマップ制作に乗り出した。同社のマップは当初大失敗と見なされたが、その後次第に性能が良くなっていった。

両社いずれのモデルにしても、問題は両社を取り巻く世界のスピードが、この両大手企業の進化よりも早いということだ。現に Wall Street Journal は6月第5週、Google Maps の虚偽のビジネスリスティングが推定1,100万件にのぼると報告しており、同マップの信頼性に大きな打撃を与えた。これに対し Google は、昨年、虚偽リスティングを300万件削除し今後も努力を重ねていくとしながら、偽のリスティングはビジネス要覧の出版が始まったほぼ当初から存在していたと主張している。

その一方で、マップのユースケースは爆発的に増え続けている。都市はスマートパーキングに注目するようになり、プランナーはインフラ上の決定を下すのにマッピングデータに頼るようになり、デリバリーサービスはより詳細な最新情報を必要としている。他にも様々なビジネスが、ジオターゲティングをマーケティングや e コマースで活用している。そしてもちろん、自動運転車やコネクテッド車は高性能のマッピング情報を必要としている。

新たな方向性

Mapbox は、こういったニーズに応えるべく出現した、新しいタイプのマッピング会社の好例である。

2010年に設立された同社は、ベンチャーキャピタル投資で約2億2,700万米ドルを調達した。同社は当初、選挙監視といった活動を支援するためのウェブツールやモバイルツールを、政府機関や非営利組織向けに構築するチームだった。Barth 氏によると、より多くのマッピング機能を追加しようとするにつれて、既存のジオスペーシャル(地理空間)データの希薄さを実感したという。独自のマッピングソリューションを構築する道を歩み始め、やがて Mapbox の設立へとつながっていった。

Mapbox’s Aerial View Vision SDK
Image Credit: Mapbox

Mapbox が提供するプラットフォームとソフトウェア開発キットは、人工知能と拡張現実(AR)を利用しマップに情報を重ね合わせる。Mapbox はその後、主として開発者が独自サービスでマップを活用できるようにするツールを、メディア、ロジスティックス、農業、行政、不動産、ドローンなど、幅広い業界を対象とし構築する。使用例として、Snapchat の Snap MapsWeather Channel AppWashington Post の選挙結果Tableau によるデータの視覚化などがある。

こういったサードパーティーのサービスを強化するだけでなく、マップはデータを収集および匿名化し、Mapbox のメインプラットフォームにフィードバックする。同社では4億点以上のエンドポイントを使用し、次々と送られてくるデータを収集してマップを充実させる。

Barth 氏はこのように語る。

私たちは、使用方法次第でマップがどんどんスマートになっていく、自己学習マップに期待を寄せています。最近ではますます、センサーを介したマップの自動構築が増えてきています。そしてそれらを使用するのは人間ではなく機械です。精度だけでなく、データの最新性の面でも大きな飛躍が見られます。

スウェーデンの Mapillary は、多少異なるアプローチでこういった課題に挑む。

Mapillary の CEO 兼共同設立者の Jan Erik Solem 氏は次のように述べた。

マップ利用者が期待するものは、10年前と比べて大きく変わりました。ますます多くの企業が、競争力の高いマップを求めています。

同社はスウェーデンのマッピングスタートアップで、ベンチャーキャピタル投資で約2,450万米ドルを調達している。

Solem 氏は、顔認識技術の開発を手がけた同氏の以前のスタートアップを Apple が買収した後、2013年に Mapillary を設立した。同社は、人々が所有する膨大な数のモバイルデバイスを活用する。こういったデバイスが提供する画像やジオデータは、ますます精度を上げている。ユーザが Mapillary アプリ経由でアップロードする情報で、豊富な情報を含む巨大なデータベースが作成される。

次に Mapillary はコンピュータビジョンを利用してデータを分析し、マップのアップデートや改善に利用するデータを特定する。マップは、BMW、Lyft、トヨタといった企業で活用されている。トヨタはこのマップを利用し、自社の自動運転車のアルゴリズムの微調整を行っている。Mapillary はまた、画像内のテキストを読む Amazon Rekognition の使用を可能にするパートナーシップを結んでいる。コンピュータビジョンの性能を強化し、市内の駐車スペースを特定するサービスにつないでいる。

同社が最近ローンチしたマッピングマーケットプレイスは、特定のマッピングニーズを有し、特定のプロジェクトに対して費用を惜しまないビジネス側と、その情報の収集が可能なアプリユーザのコミュニティをつないでいる。そういったビジネスの目的が果たされるだけでなく、このデータは Mapillary の通常プラットフォームにも追加される。

Solem 氏はこう語る。

ライドシェアリング用のマップ、デリバリー用のマップ、スクーター用のマップ、それぞれが異なります。画像やセンサー情報がこれほどたくさんのデバイスで収集されていることを考えると、企業の将来の一端をマップも担うことになるでしょう。

Tactile Mobility はこの手法に新たなひねりを加え、車両に組み込まれたセンサーやソフトウェア経由で道路状態のデータを収集する。カメラで物体を確認できるほか、自動運転車はそのような微妙な差異を、道路の凸凹、くぼみ、路上の水、道路のカーブといった微妙な差異を「感じる」ことができなくてはならない。同社は、このような情報をマップ層として追加する SurfaceDNA というシステムを開発した。

よりスマートなシティ

このようなマップは、その多くが様々なジオロケーションサービスやモビリティサービスを強化するために利用されている一方で、変化しつつある都市においてもますます重要な役割を担いつつある。

イスラエルに拠点を置く Moovit は、2012年にローンチされて以来、都市輸送システムのマップをクラウドソースによって構築してきた。データの大半は、200万人近くにのぼる「Mooviters」が生成する。彼らは地元の公共交通機関サービスの情報を提供する。

2017年に Moovit はデータを公開し、都市が同社のツールを使って公共交通を改善できるようにした。地方自治体は、Smart Transit Suite と呼ばれる同サービスを認可した後、このデータにアクセスし、政策立案者が交通網をよりうまく管理し、建設プロジェクトを計画して都市内の人や車両の流れをより正確に分析できるよう役立てる。そして都市は、このデータを市民や地元企業に様々な形で提供する。

Moovit はこれまでに、Intel Capital がリードした昨年の5,000万米ドル規模のラウンドを含め、ベンチャーキャピタル投資で合わせて1億3,300万米ドルを調達した。

商品・マーケティング部門のバイスプレジデントを務める Yovav Meydad 氏はこう語った。

公共交通機関の信頼性を高めたいのです。このデータは地元の政策決定者にとって極めて大きな価値があると考えています。

Google の Waze も公共輸送業者との連携を強めており、公共計画立案のためにデータを共有している。同社は最近ロンドン市と共に Smart Routing プログラムを拡大しており、排出量削減に伴いより厳しくなった新規制をドライバーが守りやすくすることで、汚染の低減を後押しする。

一方で、サンフランシスコに拠点を置く Streetlight Data は、膨大な数の位置情報サービス(LBS)、GPS、携帯データポイントからデータを集め、都市計画事業者を支援する。データは様々な官民情報源から集められている。携帯電話データ、カーナビゲーションデータ、商用トラックナビゲーションシステム、および様々なモビリティ企業とのパートナーシップなどだ。その結果できたのが車、自転車、歩行者の移動パターンに関する有用情報を提供するプラットフォームだ。

Streetlight でマーケティング・商品管理部門のバイスプレジデントを務める Martin Morzynski 氏は次のように述べた。

要するに、任意の都市を選んで、過去1年間あるいは2年間の車や自転車の交通増加量、週末と平日の差、フットボールの試合日と通常の仕事日との違いを言うことができます。かなり細かいことまでわかります。

データは、例えば歩行からスクーターシェアリングの利用、電車の利用、Uber への乗車へと移行する、様々な移動段階にある通勤者群を区別できる。クライアントによってはこれを活用し、駐車場の利用を最適化したり、新たな自転車ネットワークを考案したりすることができる。

しかしより大きな規模では、このデータを利用し、輸送機関立案者は新たなプロジェクトに関してより詳細な情報に基づいた決定を下すことができる。これには、新しいインフラの構築や新しいモビリティ形態の導入などがある。輸送機関に関する従来の調査は何か月もかかることがある上、道路を使用する車両の種類や出発地・最終目的地といった面で微妙な差異を数多く見逃してしまう。

Morzynski 氏は言う。

どこに配置しどう設計するかという点で、インフラに対する大規模な投資と言えます。こういったデータは、その方法を見つけ出す上で非常に役に立つのです。

進むモバイル化

一部のマッピング会社は、自社のマップを活用し、他のモビリティサービスを提供し始めている。

市内交通機関アプリ Citymapper が、2017年7月に自社の商用バスサービスをローンチしている。ロンドンを拠点とする Citymapper は同年5月、独自のスマートバスと交通機関サービスを試験的に取り入れ始めた。バス停の場所が決められ、従来のバスサービスとほとんど同じように運用されるが、同社のバスは USB 充電ポートやコンタクトレス決済といったアメニティを提供する。また、マッピングデータを利用し、サービスが十分に行き届いていないルートも割り出している。

オープンなマッピングプラットフォーム Here を開発した Here Technologies は、2018年1月に新子会社 Here Mobility の設立を発表した。

提供されるサービスの1つである Open Mobility Marketplace は、地域で運営される全てのモビリティサービスのハブを作るために設計されたソフトウェアだ。全モビリティサービスの運営を一元化し統一することで、同プラットフォームを利用する全ての企業により広範な市場を提供できると Here Mobility は確信している。その一方で、各都市はよりうまくサービスをモニターおよび管理できるため、混乱を巻き起こさず効率性を高めることができる。

さらに、Here Mobility が提供するディスパッチサービスは、同社のデータや分析を活用してトラックやバスといったフリート車両の管理を支援し、効率性の向上につないでいる。

同社によると現時点では、多くの都市でモビリティ革命の利益を十分に享受できていないことが判明しているという。これは様々なサービスが縦割体制で、互いにつながることなく、独立して運営されているためであり、場合によってはより多くの無駄と混乱を招いているという。Here Mobility は、こういった統一されていないやり方を調和させ、都市が前進するのを後押しできると確信しているという。

同社のシニアバイスプレジデントを務める Liad Itzhak 氏は次のように述べた。

私たちは、モビリティの未来を築いているのです。世界は今、車両所有からサービスとしてのモビリティへと移行しているのです。これは誰にとっても魅力的な発想です。ですがこの未来にたどり着くには、全てのリソースを効率よく活用する必要があります。

空高く

マッピングの大半は当然ながらまだ陸地が中心だが、商用ドローン市場が急成長する中、マッピング機能を空にまで広げて作るあるいは拡大する必要性が急速に高まっている。

DroneDeploy は、ドローンが持つ可能性をより多くの人が享受できるよう、関連作業の大半を自動化するプラットフォームを開発した。時間やフライト行程のスケジューリング、データ収集、マッピング、分析などに対応する。同社はドローンメーカーと提携し、開発者にプラットフォーム用アプリの作成を認めている。

プラットフォームは、DroneDeploy が開発したドローンマッピングプログラムで動作する。同社のソフトウェアはほとんどの商用ドローンに対応しており、自動飛行を計画したり、クラウドサービス経由でデータを処理し3D マップを作成したり、迅速にデータを分析したりすることができる。同プラットフォームでは、ドローンの飛行中にリアルタイムでマップを構築することも可能だ。

DroneDeploy は、これまでにベンチャーキャピタル投資で約5,600万米ドルを調達しており、特にソーラーパネルオペレーター、鉱山業、建築業といった業界を中心に180か国に顧客を持つ。

DroneDeploy の CEO を務める Mike Winn 氏によると、フライトプラン作成やデータ分析にかかる時間を考えると、今のところドローンサービスでもっとも高くつくのは人件費であることが多いという。しかし、AI や徐々に増えるマッピングデータにより、人間への依存は減っていくだろうと同氏は語る。

ドローンの未来は、自動化です。

Winn 氏はそう語った。

しかし課題は、単一のドローンの自動化を超え、いつの日か無人の飛行体であふれるだろう空が生み出す数々の問題へと広がる。

ドローンに関わる進化をより秩序立てるため、カリフォルニア州サンタモニカを拠点とする AirMap が無人航空機管制(UTM)プラットフォームを作成した。ドローンが、飛行時に遭遇する複雑な規制や地理的な課題に対処できるようにしている。

AirMap は部分的に、マッピング技術と、ドローン使用にまつわる公的規制に関して作成した非常に高度なデータベースを融合させることで機能する。同社 CEO を務める David Hose 氏によると、こういった規制は非常に複雑かつ特殊な場合があるという。例えば、ドローンと学校との距離制限がある場合、ドローンのオペレーターは、ドローンが飛行する地域の全ての学校の位置を把握しなくてはならない。

こういった規制があるため、ドローンの採用が大幅に減る恐れがあると Hose 氏は語る。

航空業界では、ドローンは航空機と捉えられています。そのためこのような様々なルールを公布するのです。歴史的には、航空業界はそれで非常にうまくいっていました。訓練を受けたパイロットが、全ての規制を勉強し全てのルールを学びました。ですがドローンは、ずっと速く変化する家電業界から来ています。ルールに対するこのようなアプローチは、家電の分野にはあまり合っていません。

マップや地理によって定義されたルールのデータベースがあれば、ドローンは自分の位置を把握し、何らかの違反を犯すことになるエリアへと入ることを避けられる。ドローンを同サービスに登録できるため、フライトプランの共有が可能だ。それによりドローンは、他にどういったドローンが周辺を飛行しているかを知ることができ、航空管制官側も空の交通を把握しやすくなる。

配送、セキュリティ管理、救急サービスの支援などを行う可能性のあるドローンの予測台数を考えると、将来の安全性を確保する唯一の方法は、ルールやロケーションに関する正確なデータをドローンが持つことだと Hose 氏は語る。

AirMap はドローンを積極的に活用することの良さを証明するよう世界に推し進めています。私たちの信念体系は、ドローンが飛び回る世界で暮らすというものです。ですがそのためには、明確なルールや全ドローンの規制が整っていなくてはなりません。それは唯一、規制やマップの自動化によってのみ実現できるのです。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

未来Smart City Challenge、スマートシティづくりに向けたアイデアやビジネスプランの募集を開始——東京・豊洲や福岡・箱崎でPoCも視野に

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III(Incubation & Innovation Initiative、略称:トリプルアイ)は、日本総合研究所や三井住友銀行などをコアメンバーに、官民組織などが加盟する異業種による事業開発コンソーシアムだ。III は2016年以来、社会にインパクトを与えるビジネスの創造を支援すべく、年に一度の頻度で、ビジネスプランコンテスト「未来」を開催している。 今年は特に「未来」の中からスマート…

未来 Smart City Challenge
Image credit: Incubation & Innovation Initiative

III(Incubation & Innovation Initiative、略称:トリプルアイ)は、日本総合研究所や三井住友銀行などをコアメンバーに、官民組織などが加盟する異業種による事業開発コンソーシアムだ。III は2016年以来、社会にインパクトを与えるビジネスの創造を支援すべく、年に一度の頻度で、ビジネスプランコンテスト「未来」を開催している。

今年は特に「未来」の中からスマートシティに関するビジネスプランコンテストが「未来 Smart City Challenge」としてスピンアウト、東京・豊洲地区(主体は清水建設)と福岡市・箱崎地区(FUKUOKA Smart EAST、主体は福岡市)を舞台に、スマートシティで実現したい先端的な技術や画期的なアイデアを募集している

豊洲ではデータ利活用型の医療、防災・減災・防犯、コミュニティなどの各種個別テーマ、FUKUOKA Smart EAST では福岡市と九州大学が策定した移動、健康、共有、生活などのサービス例が掲げられている。いずれの地域においても、報告会の結果を受けて優秀作品については実地での実証実験が展開され、ビジネスプランには机上で終わらず日の目を見る機会も提供される。

Image credit: 福岡市

本家のビジネスプランコンテスト「未来」と同様に、「未来 Smart City Challenge」はアクセラレータプログラムとしての性質も兼ね備えていて、募集から審査会や報告会の間には、専門家によるメンタリング、企業や VC とのマッチング、事業開発や実証実験のための資金補助なども提供される見込み。

東京では先ごろ、「未来 Smart City Challenge」の説明会が開催されたが、同様に福岡でも来週説明会が開催される予定(本稿執筆時点で詳細情報は未掲出だが、Fukuoka Growth Next にて9月4日17時半開場・18時開演予定)。FUKUOKA Smart EAST や東京・豊洲のスマートシティづくりについての講演も実施される。

ビジネスプランの募集は9月30日に締め切られ、11月から12月に開かれる審査会や報告会を経て、優秀作品には III から最大200万円が賞金(助成金)として提供される。

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台北市、スマートシティへの変貌に向けてブロックチェーンに代わる分散型台帳技術を活用

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我々はモノのインターネット(IoT)の時代に生きており、リソースやデータ、そしてサービスはますます機械の間でやり取りされるようになっている。つながりあう機器が急激な増加を続けるにつれ、相互運用性やリソースの共有は、情報や記憶装置から電気やセンサーデータに至るまですべてが、マシン・ツー・マシン経済の重要部分である。 多くの人がブロックチェーンをマシン経済を支える根幹の技術になると期待を込めて見ている…

Image credit: ziggymars / 123RF

我々はモノのインターネット(IoT)の時代に生きており、リソースやデータ、そしてサービスはますます機械の間でやり取りされるようになっている。つながりあう機器が急激な増加を続けるにつれ、相互運用性やリソースの共有は、情報や記憶装置から電気やセンサーデータに至るまですべてが、マシン・ツー・マシン経済の重要部分である。

多くの人がブロックチェーンをマシン経済を支える根幹の技術になると期待を込めて見ているが、スケーラビリティに非常に富むというわけではない。それこそが IOTA の考案者が解決したいと考える問題である。仮想通貨としての方がよく知られているが、IOTA はもっと野心的なものを目指している。つまり、IoT  のバックボーンである。

IOTA はブロックチェーンを使う代わりに、Directed Acyclic Graph(DAG)もしくは Tangle と呼ばれる分散型台帳技術をベースとしており、ネットワークを通じてデータや金銭の移動を可能にする。ブロックチェーンとは違い、Tangleに追加されるすべての取引では両者が確認される。つまり、Tangle ネットワークは取引量が増えても遅くならないということである。この技術により IOTA は大量の取引を毎秒扱うことができるようになる。

IOTA の共同設立者である David Sonstebo 氏は次のように述べた。

データには完全な耐タンパー性が求められ、すべての分散型台帳はそれを備えています。しかし IOTA はある意味でユニークなやり方をとっており、一般的なブロックチェーンとは違って費用やスケーリングの限界に縛られません。

これらの特徴を持つ IOTA はブロックチェーンよりも将来性があるという。そして IOTA は支払いや情報の保管に関しては特に適しているため、すでに多数のアプリケーションが存在し、その中にはマイクロペイメントや投票、情報やデータの移動が含まれている。IOTA はすでに自動車や製造、ヘルスケアといった業界でテストされている。

つい最近、ドイツのエレクトロニクス大手であり IoT の主要なパテントホルダーでもある Bosch が、IOTAに大きく投資する最初の多国籍企業の一つとなった。Volkswagen は1月にチーフデジタルオフィサーの Johann Jungwirth 氏が IOTA(アイオータ)財団の監査役会へ参加したと発表した。これは分散型プラットフォームに関してさらに IOTA と協力し、近い将来にスマートカーを実現させるつもりであると示唆するものである。

台北市がスマートシティソリューションにおける Tangle をテスト

1月、台北市は Tangle をベースとしたスマートシティソリューションの研究のために、ドイツを拠点とする IOTA 財団と提携合意を交した。同市はすでにデジタル身分証明書やエアクオリティ監視システムを含む多数のプロジェクトを発足させている。台北は IOTA をテストする世界で最初の都市の一つとなった。

多くの人はブロックチェーン技術をユニバーサルなものであると考えているかもしれませんが、そうではありません。(Lman Chu 氏)

Lman 氏はブロックチェーンよりも優れたスマートシティソリューションを追求するスタートアップ Biilabs の共同設立者である。この台湾のスタートアップは台北市と協力し、IOTA 財団と共にスマートシティプロジェクトの核心技術を提供している。

IoT 機器は2020年までに500億に達する見込みで、1日に50兆の処理を行うことになると推測されています。現在の私たちが持つ既存のブロックチェーン技術ではこれだけの量の処理を扱うのは到底不可能です。(Lman 氏)

Lman 氏は、このスケーラビリティ問題に気づいているのは自分たちだけではないと付け加えた。

皮切りとなるプロジェクトは IOTA の TangleID 技術を基にしたデジタル身分証明書システムの導入である。台北市のイニシアティブ「Smart City Living Lab(台北智慧城市專案弁公室)」は実証実験の段階に入っており、市はなりすましや不正選挙から市民を守るよう設計された新たな身分証明書システムである「Digital Citizen Card(数字公民卡)」を間もなく展開する予定。やがてはこの身分証明書システムが病歴を辿るというような他の公共サービス分野でも使われるようになる可能性もある。

TangleID システムはデジタルな身分証明書によくある難問、つまりデジタルの身元と現実の人間のデジタルではない身元を結びつけるという点を解決する。中国本土はこのタイプの問題では稀有な例外である。論争の的となっている実名登録法が施行されており、これによりインターネット企業やサービスプロバイダはユーザの登録に際して実名を要求し、その真偽を確認する権限が与えられている。

中国の外では、いまだにこれは大きな問題である。

オンラインの情報が実際の人物と一致するかどうかの確認の過程は必須であるが非常に困難でもあると Lman 氏は述べた。続けて Lman 氏は、だからこそ、資金洗浄の予防措置として金融サービス企業はいまだにKYC(Know Your Customer)の書類のようなものを顧客の身元を識別し確認するために必要としていると説明した。技術が実現した暁には、市民は自身のDigital Citizen Cardを病歴や戸籍記録といった別の形のデジタルアセットとつなげることができるようになるだろう。

より良いエアクオリティ制御のための共同の取り組みにおいて、Asus、Academia Sinica、Edimax、Realtek、LASS(Location Aware Sensing System)、そして台北市は空気品質と汚染のデータを集める Airbox の手のひらサイズの空気センサーを使っている。このセンサーは空気の汚染をリアルタイムで監視するために学校や家庭に設置されることになる。Biilabs との協力において、Airbox はインセンティブの支払いを IOTA と連携し、データは Tangle に蓄えられることになる。

まだ明かせない場所でも Tangle のテストを実施していると Lman 氏は TechNode(動点科技)に語った。

台北市と IOTA 財団の覚書調印式
Image credit: IOTA 財団

初めて Tangle を大規模に取り入れる

台北が IOTA ベースのスマートシティソリューションを取り入れた最初の都市というわけではない。実際、オランダのハールレムがスマートシティソリューションのために Tangle を導入した最初の都市であり、公簿の中の法的文書を確認するためにこの技術を使用した。

だがなぜアジアにあるこの都市が大きな脚光を浴びているのか。Lman 氏は IOTA の設立者チームとの会話を思い出しながら語った。

注目を集めたのは予想外というわけでもありません。私たちもこれは重要な意味を持つことになると思っていました。なぜなら、この技術が大きな都市でテストされるのが初めてであり、IOTA 技術の採用にとって今回こそが決定的だからです。

台北市は世界で40番目に人口が多い都市圏だ。台北市と台北都市圏(基隆と新北)を合わせた人口はおよそ740万人以上と推測される。

ハードウェアの製造とエレクトロニクスの豊かな歴史を持つ台湾で、IoT は戦略的経済分野だと考えられている。次の10年、政府の方針と予算は間違いなく IoT 部門を奨励するだろうと Lman 氏は述べた。これは非常に好都合なポジションである。

なぜなら政府は IoT にお金を使う最大の相手ですから。世界中どこであってもそれは同じです。

台湾は IoT の発展を奨励するイニシアチブを展開している。例えば、Asia Silicon Valley Plan(亞洲・矽谷計画)は2016年12月にIoT産業の促進を狙って始められた。これらの要因はIOTA受け入れを進める思いがけない好期となった。

基礎を築く

スマートシティ発展の中心的役割を果たしてはいるものの、まだ多くの人にはなじみのない比較的新しい技術である。ブロックチェーンと分散型台帳は理解が難しいコンセプトだ。IOTA を前進させるためにはコミュニケーションが鍵であると Lman 氏は述べる。

最大の課題は一般の人々とコミュニケーションをとり、コンセプトを売り込むことです。そこでは技術的なことは決して難しい問題ではありません。

現在、Biilabs は核心技術の開発と強化に専念している。台湾の他の都市およびヨーロッパやアメリカの都市からも関心を寄せられていると Lman 氏は明らかにした。

IOTA とブロックチェーンは、正直に言えば、その時どきの技術として昔からある同じ問題を解決しようとしています。IOTA は現実世界の問題を解決できるのでしょうか。産業におけるコストカットや、より効率的な機能の助けになるのでしょうか。(Lman 氏)

これらはスマートシティ、スマートヘルス、そしてもちろん IOTA も含まれるスマートなあらゆることのイノベーションを駆り立てる根源的な問いかけである。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

ギリシャがトリカラで同国初の5G導入へ、スマートシティづくりを計画

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ギリシャは、中規模の国内都市トリカラを同国初の5Gワイヤレス技術を使う自治体に公式に指定した。長らく待たれていたこの協定は、トリカラ、e-trikala SA、ギリシャの通信郵便総書記の間で先週調印された。無料のパイロット5Gネットワークの4ヶ月にわたる構築がまもなく始まる。 興味深い点としては、トリカラのプロジェクトは個人や事業者向けのワイヤレスサービスよりもむしろ、「サスティナブルな都市開発ソ…

上:トリカラ市民が「スマートトリカラ」イニシアチブの一貫で、同市初の自動運転車をテストしている様子
Image Credit: City of Trikala

ギリシャは、中規模の国内都市トリカラを同国初の5Gワイヤレス技術を使う自治体に公式に指定した。長らく待たれていたこの協定は、トリカラ、e-trikala SA、ギリシャの通信郵便総書記の間で先週調印された。無料のパイロット5Gネットワークの4ヶ月にわたる構築がまもなく始まる。

興味深い点としては、トリカラのプロジェクトは個人や事業者向けのワイヤレスサービスよりもむしろ、「サスティナブルな都市開発ソリューション」に注力した5Gの活用となることだ。

この新しいプログラムのもと、同市は5Gを使ったスマートパーキング、スマート照明(リアルタイムのセンサーデータをもとにダイナミックに街灯をつけるもの)、公共のワイヤレスインターネットアクセス、データ収集と分析、従来のコマーシャルソリューションのテストをする予定だ。薬用の植物をセンサーとコンピュータで栽培するスマート農業もまたテストされる。

ギリシャは5Gの導入に向けて準備を進めてきた。昨年は、政府が所有するキャリアのCosmoteがノキアと協業して、アテネまで4.5Gbpsの速さでとばす3.5GHzの無線を使って同国初の5Gネットワークのライブデモを行った。

当時、Cosmoteはハイスピードの360度VR動画をストリーミングできる5Gの力をアピールし、スマートシティ、ヘルスケア、スマート交通、教育、エンターテーメント、メディアといった領域で5Gの価値を模索したいと述べていた。

トリカラは、以前から自動運転車など新しい技術のパイロットプログラムを運用していた実績もあったことから、5G導入候補として初期から名前が挙がっていた。

今回の発表の少し前には、英国のモバイルキャリアO2が興味深い5Gスマートシティのレポートを発表している。その内容によれば、さまざまな5Gセンサーの活用を通じて、5Gによって年間で一世帯は平均627ドル節約ができるとのこと。

また、5Gを活用した道路や鉄道システムによって、渋滞や電車の遅延が減少し、無人・電気自動車を可能にすることによって交通量や炭素排出量も減少するとレポートは予測している。

(本記事は抄訳になります。)
【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

Alibaba(阿里巴巴)、世界最大の賭博都市マカオをスマートシティへと変革させる計画を発表

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Alibaba(阿里巴巴)が、歴史ある都市、かつ世界最大の賭博施設を誇るマカオを Alibaba Cloud(阿里雲)のサービスによって将来のスマートシティに変える計画である、と同社は発表した。マカオ特別行政区においてマカオ政府と交わした覚書によると、ヘルスケア、輸送、シティガバナンス、観光、人材開発が今年始まるプロジェクトの焦点となる見込みであるという。 このパートナーシップは4年間続き、201…

Image credit: orpheus26 / 123RF

Alibaba(阿里巴巴)が、歴史ある都市、かつ世界最大の賭博施設を誇るマカオを Alibaba Cloud(阿里雲)のサービスによって将来のスマートシティに変える計画である、と同社は発表した。マカオ特別行政区においてマカオ政府と交わした覚書によると、ヘルスケア、輸送、シティガバナンス、観光、人材開発が今年始まるプロジェクトの焦点となる見込みであるという。

このパートナーシップは4年間続き、2017〜19年のフェーズ1の間にプロジェクトのプラットフォームとしてクラウドコンピューティングの技術をマカオで発展させる予定。これは Alibaba が発足した中国本土で2016年10月にローンチされた Hangzhou City Brain(杭州城市数据大腦)の計画と似た手法である。Alibaba は投資の規模については明かしていない。

後のステージでは、環境保護、経済予測、また香港―マカオ―中国本土の3つの関税ゾーンにまたがる珠江デルタにとっては多少お節介な問題である通関手続きに取り組む見込みである。

実のところ、この地では観光分野が鍵となるだろう。マカオは収益において世界最大の賭博センターであり、財政の3分の2を賭博による収益が占める。中国の領土の中で賭博が許可されているのはマカオのみだ。中国本土での汚職摘発により大金を賭ける賭博師がギャンブルを敬遠したため、マカオのカジノ産業は2014〜16年に長引く不況を経験した。それからマカオは、観光産業をより多様化する試みを開始した。

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Alibaba によると、スマートシティプロジェクトは、ターゲットマーケティングにより観光業の発展を支援するものだという。将来、観光客は「潜在ニーズを満たすガイド付きツアー」、便利なモバイル決済(例えば Alipay=支付宝)、そして「空港、商業区、観光スポット、コンビニやレストランでのカスタマイズされた販売プロモーションなどの各種特典」を楽しむことができるようになる。カスタマイズデータは、マカオを訪れる観光客のおよそ3分の2を占める中国本土からの観光客から集めたユーザデータに基づく。

Alibaba は TechNode(動点科技)に次のように述べている。

Alibabaはこのスマートマカオプロジェクトに特化したスマートなテクノロジープラットフォームを構築するためにマカオ政府と協業しており、また、データの安全性を保証する世界品質の技術力を持っています。そのため全てのデータがマカオ市内に保存されることになります。

シティガバナンスは、異なる都市部門を結ぶクラウドベースの集中管理型プラットフォームによって強化される見込み。マカオ特別行政区は、「一国二制度」の考え方により人民政府からは独立して統治されている。近隣の香港も同様である。

この発表には Alibaba Cloud IT の履修証明プログラム及び高等教育機関を備えた B2B の e コマーストレーニングプログラムのローンチも含まれている。世界最大のeコマース企業である Alibaba が「マカオの有望なスタートアップと優秀な起業家を見つけ、育成する」支援をするのだ。

Alibaba のリリースでは、マカオ特別行政区行政長官事務所の O Lam(柯嵐)氏の以下の発言を引用している。

マカオをスマートシティに変革させるという目標を設定した後、マカオ政府はそれぞれの形でスマートシティとして発展した他の都市の例について研究しました。徹底した研究や調査を経て、私たちはクラウドコンピューティングとビッグデータ技術を発展させるにあたり Alibaba グループと協業することを決めたのです。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

韓国のEcube Labs、ソウルで太陽光発電を利用したスマートシティ向けゴミ処理ソリューションを展開中

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韓国のソウルを拠点とする Ecube Labs は、ゴミ収集車の運営費と人件費を削減することができる太陽光発電によるゴミ箱を開発した。 太陽光発電によるゴミ箱や管理ソリューションを提供する Ecube Labs は、都市部において経費削減を実現し、世界中の政府や企業から相当の出資を受けている。ゴミ収集の現場でゴミ圧縮機として機能する太陽光発電によるゴミ箱を開発した BigBelly Solar は…

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韓国のソウルを拠点とする Ecube Labs は、ゴミ収集車の運営費と人件費を削減することができる太陽光発電によるゴミ箱を開発した。

太陽光発電によるゴミ箱や管理ソリューションを提供する Ecube Labs は、都市部において経費削減を実現し、世界中の政府や企業から相当の出資を受けている。ゴミ収集の現場でゴミ圧縮機として機能する太陽光発電によるゴミ箱を開発した BigBelly Solar は、アメリカのフィラデルフィア市で年間約90万米ドルの費用削減に貢献した。また、世界中のゴミ容器からデータを収集・分析するフィンランド拠点の Enevo は、台湾の Foxconn(鴻海/富士康)から1,580万米ドルを調達した。

最近起きた中国での地滑りは、投棄されたゴミの山が一つの原因であった。巨大なゴミの量に対処するため中国は世界最大のゴミ処理施設を建設しているが、そこでは太陽光発電を利用するので電気は少量しか消費しないという。ところが、Ecube Labs はゴミが山積みになる前に街中にあるゴミの量を圧縮したいと考えている。

太陽光発電によるごみ圧縮容器「Clean Cube」
太陽光発電によるゴミ圧縮容器「Clean Cube」

Ecube Labs は、ゴミを圧縮する「Clean Cube」という太陽光発電によるゴミ圧縮容器を提供している。これは従来の8倍ものゴミを収容することができ、これによりゴミ収集車の運営費が削減できる。この容器は太陽光発電を利用して自ら充電することができ、ゴミの量をパソコン、タブレット端末、スマートフォンに通知する。また、この Clean Cube は価格が高いため、ユーザは代わりに「Clean Cap」というゴミの容量レベルをチェックするセンサーを貼り付けることもできる。これは既存のゴミ箱を対象としており、中に入っているゴミの量を検知するものだ。

同社は現在、イギリスの電話会社 Vodafone のグローバル M2M(マシーン・ツー・マシーン)部門とも協力して、ゴミ収集担当者が携帯電話でゴミ箱の状況をモニターするために Clean Cube Networks(CCN)というリアルタイムのモニタリングソフトウェアを利用できるようにしている。

Ecube Labs の太陽光発電によるゴミ箱は2013年に欧州各国に進出したが、イギリス、オランダ、スウェーデン、ドイツ、韓国のほか、シンガポールの庭園やスタジアムで実験が進行中だ。

Ecube Labs の設立者で CEO の Sunbeom Gwon(권순범)氏は TechNode に対し次のように語った。

人件費が高く、ゴミ収集エリアが広い国では効果が期待できます。現在、この容器はスマートシティの建設主体や都市開発者から引き合いがあります。実際に使用してもらったところ、ゴミ箱が溢れかえる事態を最小限にできたという報告を受けています。

太陽光発電によるゴミ箱が生まれた背景

Gwon 氏はソウルの中でも人口密集地帯のシンチョン(新村)地区に住んでいた。 そこで彼はゴミ箱がいつも溢れかえっているのを目にした。

ソウルでは午後10時を過ぎてもたくさんの人が出歩いています。それで夜のうちにゴミ箱がいっぱいになり、街の衛生状況を悪くしているのです。けれども自宅でゴミ箱が溢れるようなことはありません。かさを減らすために足を使ってゴミを押しつぶしているからです。街中にあるゴミについても同じことができるのではと考えました。(Gwon 氏)

Ecube Labsチーム
Ecube Labsチーム

このタイプの自動圧縮ゴミ箱はとても高価になると気づいた Gwon 氏は、ゴミ問題について深く知るために、深夜にゴミ収集を手伝い、収集スタッフに対してインタビューを行った。ゴミ箱の数が増えるとゴミ収集を管理する人の数も多くなることがわかったため、統合されたゴミ箱モニタリングシステムの開発を始めたのだった。

2011年に設立された Ecube Labs は Coolidge Corner Investment(쿨리지코너) から170万米ドルを調達した。現在、このゴミ箱は国外でも採用されており、現地パートナーからも支持されている。

このゴミ箱は公共インフラですので、私たちのソリューションは国外の政府からも歓迎されています。このソリューションは産業廃棄物、建設廃棄物、廃油、排水の圧縮にも応用できるでしょう。(Gwon 氏)

同社によると、Clean Cap センサーのタイプは Clean Cube のゴミ箱と比べて安価なため企業に受け入れられており、月次でセンサーを使用する契約をベースとしてソリューションが提供されている。ゴミ箱そのものからはマネタイズしていない。

環境業界は昔からある保守的な分野で、テクノロジーが十分浸透しているとは言えません。私たちの IoT ソリューションはエリア一帯のゴミ箱に関するデータを集められますが、将来は、ビッグデータ主導の廃棄物収集ロジスティクスサービスを提供できるでしょう。(Gwon 氏)

【via Technode】 @technodechina

【原文】