タグ 特集:宇宙スタートアップ最前線

東大発・超小型衛星開発のアークエッジ・スペース、4億円をシード調達——インキュベイトF、リアルテックFなどから

SHARE:

超小型人工衛星を開発するアークエッジ・スペース(旧称:スペースエッジラボ)は22日、シードラウンドで4億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、インキュベイトファンド、リアルテックファンドと、その他複数の投資家。 超小型衛星に関わる人材を数多く輩出する中須賀・船瀬研究室(東京大学工学研究科航空宇宙工学専攻)からは、これまでに、アクセルスペースや Synspective といった…

Image credit: ArkEdge Space

超小型人工衛星を開発するアークエッジ・スペース(旧称:スペースエッジラボ)は22日、シードラウンドで4億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、インキュベイトファンド、リアルテックファンドと、その他複数の投資家。

超小型衛星に関わる人材を数多く輩出する中須賀・船瀬研究室(東京大学工学研究科航空宇宙工学専攻)からは、これまでに、アクセルスペースSynspective といったスタートアップが生み出されている。アークエッジ・スペースもこの研究室から輩出されたスタートアップで 3U や 6U といった超小型衛星を開発し、それを商業ベースで運用することに特化している。

これまでにルワンダ政府から「RWASAT」を受注し打ち上げに成功。地上の情報インフラが充実していないルワンダのような国で農業や防災に活用されており、LoRA 通信により低電力・広範囲の通信もサポートしている。

来年には、台湾国家宇宙センター(NSPO)から受注したから「NSPO6U」や、マルチミッション超小型衛星「OPTIMAL-1」など複数の衛星を打ち上げる計画だ。いずれの衛星も、中須賀・船瀬研究室が開発した「TRICOM-1R」の基盤技術をベースとしている。

アークエッジ・スペースは、外務省や内閣府等勤務を経て東京大学特任准教授を務める福代孝良氏が代表を務める。 福代氏は BRIDGE のインタビューに対し、これまでは受注ベースで衛星を開発・提供することに注力してきたが、今期からは複数機によるコンステレーションを提供できるようにしたい、と語った。また、通信・観測・測位などで衛星を利用したい事業者に対し、将来は衛星だけでなく、衛星運用のソフトウェアを含め包括的に提供できるようにしたい、とした。

<参考文献>

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


東大発・水で衛星を移動させる推進機開発Pale Blue、約7,000万円をシード調達——米小型衛星メーカーと合意書締結

SHARE:

超小型衛星用のスラスタ(推進機)を開発するスタートアップ Pale Blue は21日、シードラウンドで約7,000万円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、インキュベイトファンドと三井住友海上キャピタル。これと合わせ、インキュベイトファンド代表パートナーの村田祐介氏が、Pale Blue の社外取締役に就任したことも明らかになった。 Pale Blue は、東京大学大学院新領…

左から:中川悠一氏、柳沼和也氏、浅川純氏(代表取締役)、小泉宏之氏(CTO、東京大学先端科学技術研究センター准教授)
Image credit: Pale Blue

超小型衛星用のスラスタ(推進機)を開発するスタートアップ Pale Blue は21日、シードラウンドで約7,000万円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、インキュベイトファンドと三井住友海上キャピタル。これと合わせ、インキュベイトファンド代表パートナーの村田祐介氏が、Pale Blue の社外取締役に就任したことも明らかになった。

Pale Blue は、東京大学大学院新領域創成科学研究科先端エネルギー工学専攻の小泉研究室のメンバーを中心に今年4月創業。直前まで同研究室で特任助教を務めていた浅川純氏が、Pale Blue の代表を務める。同社はこれまでに千葉県の中小企業総合支援事業助成金、三菱 UFJ 技術育成財団の研究開発助成金、文部科学省の宇宙航空科学技術推進委託費(東大との共同採択)などで約7,000万円を調達済。

人工衛星はロケットで打ち上げられ定められた軌道に投入されるが、その後、軌道修正や移動をするためにはスラスタが必要になる。この際の推進剤にはヒドラジンのような化合物が用いられることが多いが、人体に毒性のある劇物であるなどの理由から取り扱いが難しく、結果として大型の衛星にしか搭載できないのが現状だ。

一方、最近では多くの宇宙衛星スタートアップの参入により、1基あたりの製造・打ち上げコストを下げ、多基の低軌道衛星でコンステレーションを組む手法が現実味を帯びつつある。この場合、使われる超小型衛星にスラスタは技術的に搭載できないため、ロケットなどから宇宙空間に放出後、衛星は軌道を変えられない。地球周回衛星の場合、地球の重力の影響を受けて、軌道や高度がズレてもマヌーバ(位置・姿勢の修正や高度の維持)も不可能だ。

Pale Blue が開発するのは、水を推進剤とするスラスタだ。水レジストスラスタ(水蒸気式)、水イオンスラスタ(水プラズマ式)、さらに、その両者のハイブリッドのスラスタを開発している。水レジストは構造上の容易さから複数の方向軸に付けられるものの推進力が弱く、一方、水イオンは推進力はあるものの複数の方向軸には付けられないため、その双方の一長一短を補えるのがハイブリット型である。

水推進システムを搭載した実証衛星
Image credit: Pale Blue

水は安全無毒で安定しており、低圧でも貯蔵可能であるため取り扱いがしやすい。したがって、水を推進剤としたスラスタは超小型衛星にも搭載しやすいことになる。水は宇宙空間のさまざまな天体にも存在することから、必ずしも地球から持っていかなくても、宇宙空間で調達することも可能だろう。衛星の寿命は、この軌道維持のための推進剤の容量に依存することが多かったが、推進剤を水にすることで寿命を数倍以上に伸ばすことも期待できる。

また、地球周回衛星の場合、スラスタを持たない衛星は役割を終えた後、地球の重力に負けて自然落下し燃え尽きるのを待つ他なく、これが宇宙ゴミ(デブリ)増大の一因となっていた。超小型衛星にスラスタを備えられれば、役割終了後の衛星を意図的に大気圏突入させられるので、宇宙ゴミの解消にも役立つ。

Pale Blue では2019年に国際宇宙ステーションから放出された小型衛星に水レジストスラスタ(水蒸気式)の搭載に成功している。今後、2021年に2基の水レジストスラスタ搭載衛星の打ち上げ実証、2022年に水イオンスラスタ(水プラズマ式)搭載衛星の打ち上げ実証を目指す。

Pale Blue は今年、東京大学協創プラットフォーム開発(東大 IPC)の起業支援プログラム「1st Round」第2回の支援先に採択。また、水を推進剤としたスラスタシステムが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の革新的衛星技術実証3号機に搭載する実証テーマに選定された

Pale Blue はまた、アメリカの小型衛星メーカー NanoAvionics と MoA(Memorandum of Agreement、合意書)を締結したことも明らかにした。一般的な携帯電話をそのまま使える衛星通信ネットワーク「SpaceMobile」を計画する AST & Science は NanoAvionics の経営権を取得しており、AST & Science に楽天モバイルを展開する楽天が多額を出資したことは記憶に新しい。

<参考文献>

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


小型SAR衛星開発のSynspective、衛星データソリューションサービスをローンチ——シンガポール土地管理局とPoCも

SHARE:

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから 衛星データ解析によるソリューション提供や小型 SAR(合成開口レーダー)衛星の開発や運用を行う Synspective は9日、SAR 衛星の画像解析によりミリメートル単位の地盤変動モニタリングが可能なサービス「Land Displacement Monitoring」をローンチした。衛星データを用いて広域の地盤変動の…

「Land Displacement Monitoring」
Image credit: Synspective

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

衛星データ解析によるソリューション提供や小型 SAR(合成開口レーダー)衛星の開発や運用を行う Synspective は9日、SAR 衛星の画像解析によりミリメートル単位の地盤変動モニタリングが可能なサービス「Land Displacement Monitoring」をローンチした。衛星データを用いて広域の地盤変動の解析が可能になる。

従来から、広域に土地の沈降や地滑りリスクを把握するには、多くの時間と手間を必要としてきた。Synspective では、このサービスを活用することで地盤変動リスクの観察や管理に関わるコストと時間を削減できるため、建設や工事プロジェクト、空港メンテナンス、地下工事に関わるリスク管理に利用できるとしている。

同社では民間企業複数社に加えシンガポール土地管理局と PoC を実施しており、そのフィードバックをもとに改良を重ねてきた。ソフトウェアをインストールする必要のないサブスク型の web サービスやユーザ視点に立った UI/UX により、衛星データの知識が無い人でも直感的に解析結果を理解できるサービスに仕上がったという。

Synspective は2018年2月、新井元行氏(現 CEO)、白坂成功氏(現取締役、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授)らにより設立。昨年 シリーズ A ラウンドで86.7億円の調達を発表し、世界最速となる創業から1年5ヶ月での109.1億円調達を達成した(宇宙開発コンサルティング会社シー・エス・ピー・ジャパン調べ)。

Synspective は2019年4月にフランスのロケット打ち上げ大手 Arianespace と、また今年4月にアメリカの RocketLab と SAR 衛星「StriX-α」の打ち上げ契約を締結しており、年内に打ち上げ予定。StriX によるコンステーレーション(衛星群)を構築し、そこから得られた SAR データを使って、高頻度で安定したモニタリングを実現する計画だ。

Synspective は小型 SAR 衛星を2020年までに1基、2022年までに6基、それ以降、25基の打ち上げを計画している。これまでに調達済の資金で衛星6基の打ち上げが可能で、これらの稼働によりアジアに99ある人口100万人都市の1日1回以上の観測が可能になることを明らかにしていた。

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


米空軍も注目、広がる「宇宙データビジネス」

SHARE:

  ピックアップ:US Air Force Selects Orbital Insight as Big Bet and Awards Strategic Financing SBIR Phase II Contract ニュースサマリー:宇宙AIスタートアップOrbital Insightは今年4月、米空軍(USAF)と衛星画像やIoTデバイスなどの複数地理空間データソースを活用したビ…

 

pexels-photo-1274260.jpeg
Photo by Rakicevic Nenad on Pexels.com

ピックアップ:US Air Force Selects Orbital Insight as Big Bet and Awards Strategic Financing SBIR Phase II Contract

ニュースサマリー:宇宙AIスタートアップOrbital Insightは今年4月、米空軍(USAF)と衛星画像やIoTデバイスなどの複数地理空間データソースを活用したビッグデータ解析を共同で実施することを発表している。今回実施されるプログラムでは、Orbital Insightを含む21社の小規模事業者に約5億5000万米ドルの契約が締結されることになる。

今回Orbital Insightが参加するプログラムは、米空軍の「中小企業イノベーション研究プログラム&中小企業技術移転プログラム(SBIR/STTR)」「社内インキュベーター(AFWERX)」「M&A部門」の共同事業であり、インキュベーション活動の一環である。

重要なポイント:衛星画像データの活用による、今までになかった視点でのインサイトが今後の宇宙データビジネスでは期待されている。特にAIを活用した分析を実施するOrbital Insightのような事業者は、政府機関とのパートナーシップも盛んになるかもしれない。

詳細情報:宇宙データビジネスとは、衛星画像などのリモートセンシング(遠く離れたところから対象物に触れることなく、対象物の種類や形状、性質等の情報を得る技術)データを活用したビジネスを指す。

  • Orbital Insightは、衛星画像を活用して原油の埋蔵量の予測や経済成長の予測といった、新たな視点での地理空間データ分析のサービスを提供している。日本にも支社を置き、東京海上日動火災保険などにサービスを提供している。
  • その他の主要プレーヤーには、米国を拠点とするSpaceKnowが挙げられる。同社は、中国サテライト製造業指数(SMI)を立ち上げ、複数の商用衛星が撮影した写真を分析することで中国経済の実態に迫る取り組みを行っている。

背景:この宇宙データビジネスの背景には、インターステラテクノロジズアクセルスペースのような超小型衛星周りのプレイヤー増加が挙げられる。基幹ロケットH-IIAの開発費が1500億円、ひまわりのような大型の人工衛星は数百億円という額に対して、NECが開発した小型地球衛星ASNAROは50億円と、大幅にコストを抑えられることから急速に商用利用が進む可能性がある。

さくらインターネットのように、商用の衛星画像プラットフォームを無償で提供し、日本における宇宙データビジネスを後押しするような企業も市場に大きく貢献している。

宇宙データビジネスの一部である商用の衛星画像市場だけを見ても、2019年の23億7500万米ドルから2025年にかけて45億6200万米ドルへと成長する予測もある。日本国内でも宇宙機器産業が2030年代初期で6000〜7000億円の市場規模の予測であるのに対して、宇宙データビジネスが1兆7000億円~1兆8000億円となると予測される、非常に大きなマーケットでもある。

執筆:國生啓佑/編集:増渕大志

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


ブロックチェーンで衛星とデバイスの直接通信を目指す「SpaceChain」

SHARE:

ピックアップ:SpaceChain Foundation Invests in Core Semiconductor to Produce Open Hardware Platform for Direct Satellite-to-Devices Communication ニュースサマリー:宇宙市場における分散技術インフラの活用を目指す「SpaceChain」は5月19日、Core Semic…

ピックアップ:SpaceChain Foundation Invests in Core Semiconductor to Produce Open Hardware Platform for Direct Satellite-to-Devices Communication

ニュースサマリー:宇宙市場における分散技術インフラの活用を目指す「SpaceChain」は5月19日、Core Semiconductorとの戦略的パートナシップを締結したことを同社Mediumで発表した。同パートナーシップにより、衛星とデバイスの直接通信(Direct Satellite-to-Devices Communication)を可能とするハードウェア構築を目指す。

重要なポイント:衛星とデバイスが通信する場合、従来までは、地上の衛星アンテナやサードパーティネットワークを経由する方法が一般的とされていた。今回のパートナーシップはそうした常識を覆すものであり、またオープンソースで行われることから注目を集めている。

詳細情報:SpaceChain Foundationはコミュニティーベースの宇宙プラットフォーム。世界初のオープンソース・ブロックチェーンに基づく衛星ネットワークを構築することを目指している。宇宙技術とブロックチェーン技術を組み合わせ、ユーザーによる宇宙でのアプリケーション構築実現を目指す。

・同社の開発するブロックチェーンハードウェアウォレットは昨年12月、SpaceXのFalcon9ロケットに搭載され、国際宇宙ステーション(ISS)に到達したことで知られる。同ISS実証ミッションは、NanoracksとNASAとのSpace Act Agreementによって実現した。

・今回のパートナーシップにより、アクセス性と制約のないコラボレーションが可能となる。同社にとっては、分散型宇宙ハードウェアとニュースペース・エコノミーを実現していく大きな一歩となる。

・ブロックチェーンを活用することで、多層のグローバル分散型インフラストラクチャ上のデバイスをセキュアにすることが可能となるほか、同プロジェクトが実現すれば、ブロックチェーン技術が爆発的に実社会へ普及する起爆剤となる可能性がある。

・また、Googleを始めとするプラットフォーマーが採用しているオープンソースソフトウェア(OSS)概念のハードウェア版が採用され、オープンソースによるイノベーションの加速が期待される。プロジェクトで実際に公開されているコードは下記の通り。

https://github.com/coresemi

https://github.com/coresemi/gnss-baseband

背景:今回のSpacechainのパートナーシップ締結は、昨年12月にISSの実証実験をNASAらと行い、次なるステップとして金融サービスプロバイダー・IoTサービスプロバイダー・研究機関などと協業を推進していく上での通過点と言える。

執筆:國生啓佑/編集:増渕大志

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


SpaceX、民間企業初の有人宇宙船打ち上げに成功

SHARE:

ピックアップ:NASA LIVE Coverage 30th May : SpaceX Crew Dragon Launch ニュースサマリー:日本時間5月31日午前4時23分(米国時間5月30日午後3時23分)、NASAの宇宙飛行士2名を乗せたSpaceX社の「Crew Dragon」が国際宇宙ステーションに向けて打ち上げられた。 ニュースレターの購読 注目すべき記事、世界のスタートアップシーン…

Screenshot 2020-05-30 at 10.05.44 PM
打ち上げLIVEストリームのスクリーンショット、Image Credit : SpaceX Official Youtube

ピックアップ:NASA LIVE Coverage 30th May : SpaceX Crew Dragon Launch

ニュースサマリー:日本時間5月31日午前4時23分(米国時間5月30日午後3時23分)、NASAの宇宙飛行士2名を乗せたSpaceX社の「Crew Dragon」が国際宇宙ステーションに向けて打ち上げられた。

米国内の有人宇宙飛行は前回の2011年から約9年ぶりとなり、民間企業による有人宇宙飛行は人類の歴史上初の快挙である。同ロケットに搭乗したのは、NASAのボブ・ベンケン宇宙飛行士、ダグ・ハーリー宇宙飛行士の2名。

Screenshot 2020-05-30 at 10.35.32 PM
Image Credit : SpaceX

Crew DragonはSpaceXの再利用可能ロケット「Falcon9」に搭載され離陸。その後Falcon9は無事着陸にも成功した。なお、Crew Dragonは日本時間5月31日の午後深夜頃に国際宇宙ステーションとドッキングする見込みだ。

話題のポイント:一昨日の5月27日には天候不良により延期が発表されていたCrew Dragonでしたが、無事発射に成功しました。同プロジェクトは間違いなく、人類の宇宙開発にその名が刻まれたことでしょう。

2002年にイーロン・マスク氏によって創業されたSpaceX社も、今年で設立18年目を迎えています。創業当初は3回連続でロケットの打ち上げに失敗し、資金が底を突きかけた過酷な時期もありました。しかし2008年のFalcon1の打ち上げ成功以降、NASAという強力な顧客を獲得し、凄まじい勢いで様々な革新的ロケットの開発を達成してきました。

最近では、宇宙に1万以上の小型衛星を浮遊させ、地球全体にブロードバンド 通信を提供する宇宙インターネット構想「Starlink」なども始動しています。今後のSpaceX社の躍進には、益々目が離せません。

<参考記事>

 

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


Minecraft(マインクラフト)が教育コンテンツを無償化、国際宇宙ステーション探索など6月末まで

SHARE:

  新型コロナウイルスの蔓延により、世界の人々は自宅待機を余儀なくされている。これにより、複数のプラットフォームでゲーム利用が大幅に増加している。あのSonyでさえ、より重要なデータを保全するため帯域幅を節約し、ネットワークを抑圧することに前向きなほどだ。しかし、人々がゲームに費やす時間を増やしたからといって、子供たちが学習機会を失うわけではない。Microsoftは、人気のレンガ積みゲ…

 

minecraft-library
Microsoftは子供たちの自宅学習をサポートする
Image Credit: Microsoft

新型コロナウイルスの蔓延により、世界の人々は自宅待機を余儀なくされている。これにより、複数のプラットフォームでゲーム利用が大幅に増加している。あのSonyでさえ、より重要なデータを保全するため帯域幅を節約し、ネットワークを抑圧することに前向きなほどだ。しかし、人々がゲームに費やす時間を増やしたからといって、子供たちが学習機会を失うわけではない。Microsoftは、人気のレンガ積みゲーム「Minecraft(マインクラフト)」の無料教育コンテンツを提供することで、子供たちの学習の促進をサポートしようと計画している。

Minecraftマーケットプレイスを開くと、新しい教育カテゴリをすぐに見つけることができる。このセクションには、Microsoftが元々Minecraftの中で提供していた教育エディションと呼ばれるレッスンも含まれている。このレッスンでは、国際宇宙ステーションや人間の目の内部などを探索することができ、教育セクションの教材全てが6月30日まで無料で利用可能となっている。

Xboxの代表フィル・スペンサー氏はブログ記事の中で、「新型コロナウイルスによる学校閉鎖の影響で、何億人もの子供たちが自宅待機を余儀なくされているため、より多くの子供たちがオンライン上で友達と時間を共にし、デジタル上の世界を探索し、遊びや学習を行っている」と今の状況を説明する。その上で同氏は、「家族は子供たちのリモート学習を支援し、かつ娯楽の時間とのバランスを取ろうとしています。 そのため本日、Minecraftマーケットプレイスに新しい教育カテゴリを追加し、親とプレイヤーである子供達が無料でダウンロードできる教育コンテンツの提供を発表しました」と今回の施策の主旨を伝えていた。

教育者たちは何年もの間、Minecraft を使って子供たちに楽しい学習を提供してきた。2013年以降、Minecraftのコーディングキャンプが複数回に渡って開催されている。そして開発元のMojang社はMinecraftにコンセプトを取り入れ、2016年には「Education Edition」がリリースされたのだ。同バージョンは、黒板のようなツールが存在する点や、親が簡単に操作できる点が特徴となっている。

MinecraftはXbox Game Passのコンテンツとして提供されているが、コンソールとPCでは20ドル、モバイルデバイスでは6ドルで購入できる。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


IoT向けナノ衛星を開発する「Kinéis」が1.1億ドル調達

SHARE:

「Kinéis」はIoTを対象とするナノ衛星群を作成するためのサービスを提供する。今回、1億1,000万ドルのベンチャー資金を獲得したと発表した。 フランスのトゥールーズに本拠を置く宇宙スタートアップKinéisは、航空宇宙大手「CLS」からのスピンアウト企業であり、衛星を含むさまざまな宇宙技術を開発している。CLSは32%の所有権を有する最大株主であるが、昨年Kinéisがスピンアウトしてから、…

nano-satellites-kineis-e1580987091588
A Kinéis nanosatellite

「Kinéis」はIoTを対象とするナノ衛星群を作成するためのサービスを提供する。今回、1億1,000万ドルのベンチャー資金を獲得したと発表した。

フランスのトゥールーズに本拠を置く宇宙スタートアップKinéisは、航空宇宙大手「CLS」からのスピンアウト企業であり、衛星を含むさまざまな宇宙技術を開発している。CLSは32%の所有権を有する最大株主であるが、昨年Kinéisがスピンアウトしてから、IoT関連事業に集中できるようになった。

「衛星を立ち上げるのに必要な資金獲得により、衛星製造と商業展開に専念できるようになりました」と、同社を代表するAlexandre Tisserant氏は声明で述べている。

Kinéisは65ポンドの重量の衛星を製造している。同社はすでに8個の衛星を打ち上げており、2022年までに合計25個の打ち上げも計画している。

Kinéisは低消費電力かつあらゆるオブジェクト内に配置できる7mm x 7mmの無線チップセットを開発し、衛星ネットワーク通信環境を整えた。このネットワークはアルゴス衛星ネットワークの拡張であり、1970年代から存在し、研究目的として使用されてきた。

フランスの新興企業たちは衛星市場に乗り出し、新しい衛星開発に躍起である。インターネットサービスを提供するために600の衛星のネットワークを構築しているOneWebは、2月6日に打ち上げ活動を開始している。一方、Elon MuskのSpaceXは最近、4番目のロケットシリーズを打ち上げた

IoTに焦点を当てたKinéisは、トゥールーズに本拠を置くSigfoxと主な競争相手になりそうだ。 Sigfoxは、通信プロバイダーと協力してIoTオブジェクト用の地上通信ネットワークを構築している。

CLSはフランス宇宙機関CNESおよびCNP Technologies子会社。資金調達のラウンドはCLSがリードしたが、CNES、フランスの州銀行Bpifrance、Ifremer、Thales、CELAD、BNPパリバ、および少数の産業パートナーからの資金が含まれている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

 

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


海洋ゴミ回収の「PaWiKAN」とデング熱マッピングの「Aedes」、NASAの国際アプリハッカソンでフィリピン代表に選抜——宇宙データを活用

SHARE:

アメリカ航空宇宙局(NASA)が10月18日から20日にかけてマニラで開催したコンペティション「International Space Apps Challenge」の現地予選で、フィリピンのスタートアップ2社が勝利を獲得した。 ニュースレターの購読 注目すべき記事、世界のスタートアップシーンの話題、BRIDGE 主催のイベントに関する情報をお届けします! Sign Up 同イベントは、科学技術省…

アメリカ航空宇宙局(NASA)が10月18日から20日にかけてマニラで開催したコンペティション「International Space Apps Challenge」の現地予選で、フィリピンのスタートアップ2社が勝利を獲得した。

同イベントは、科学技術省のフィリピン産業・エネルギー・萌芽技術評議会(DOST-PCIEERD、Philippine Council for Industry, Energy and Emerging Technology Research and Development of the Department of Science and Technology)、Animo Labs Technology Business Incubator、PLDT InnoLab、American Corner Manila、そしてアメリカ政府と共同で開催された。

フィリピン貿易産業省の Design Center of the Philippines による Design Week Philippines の一環として行われたイベントだ。

Ocean’s 4 のチーム
Image credit: Design Center of the Philippines

1社目のスタートアップ Ocean’s 4は、PaWiKAN と呼ばれる海洋ゴミを回収する自律システムを開発した。PaWiKAN は宇宙データを利用して付近のゴミベルトを見つける。同スタートアップは、デ・ラ・サール大学(De La Salle University)の電子工学および通信工学の学生らによって設立された。

PaWiKAN は、NASA の Ocean Surface Current Analysis Real-time (OSCAR)データを利用し、GPS で海洋ゴミベルトが存在しそうな場所を特定する。ゴミを捕らえて陸地に持ち帰ることが可能なボートを、同システムは動的に再構成する。

装備された LoRa 技術と Arduino に基づくエクステンデッド・レンジ対応のラジオシステムでセンサーと通信し、システムの制御は配置ステーションで行われる。

Analytics Association of the Philippines の Industry Development Committee の議長を務める Monchito B. Ibrahim 氏は次のように語った。

世界中の海域は、実はプラスチックであふれています。これは、世界中の海で浮遊したり海中に沈んだりしているプラスチックの除去を可能にする、未来的なソリューションです。時宜にかなった適切なソリューションなのです。

Aedes のチーム
Image credit: Design Center of the Philippines

イベントで選ばれたもう1社のスタートアップ Aedes Project は、Dominic Vincent D. Ligot 氏、Mark Toledo 氏、Frances Claire Tayco 氏、Jansen Dumaliang Lopez 氏を構成メンバーとする。Aedes Project チームは、気象データやデジタルデータを活用するデング熱症例のフォーキャストモデルを開発した。衛星データを使って潜在的なホットスポットを特定する。

Copernicus: Sentinel-2 衛星と Landsat 8 衛星、気象に関しては DOST-PAGASA、そして検索エンジンのトレンドの情報を関連付け、潜在的なデング熱ホットスポットをウェブインターフェイスに表示させる。

また FAPAR(Fraction of Absorbed Photosynthetically Active Radiation=吸収された光合成活性放射の割合)や NDVI(Normalized Difference Vegetation Index=正規化差分植生指数)といった指標を利用し、植生地域を特定する。一方 NDWI(Normalized Difference Water Index=正規化差分水指数)を使って水のある場所を特定し、蚊の繁殖場所になりうる停滞水が存在しそうな場所を示す。

DOST-PCIEERD のエグゼクティブディレクター代理を務めるエンジニア Raul C. Sabularse 氏はこう語った。

コミュニティ、特にフィリピンと同じようにマラリアやデング熱に悩まされる国々の役に立つでしょう。私は、Aedes Project はグローバルにインパクトを与えることができると思います。これは、デング熱が発生しうる場所を知ることができる新しい科学です。役立つアプリです。

両チャンピオンは、世界各国のチームと共に NASA の評価を受ける。NASA は12月頭にグローバルファイナリストとしてプロジェクトを上位30位まで選び、トップ6位が2020年1月に発表される。

勝者は2020年に、フロリダ州にある NASA のケネディ宇宙センターに招かれる予定。

昨年は iNON チームが、インターネット接続のない環境下でも科学的データを漁業従事者に伝えるため、NASA のシチズンサイエンスプラットフォームを活用したアプリケーションを開発した。

チームは同プロジェクトで、フィリピン人として初めてグローバル大会で勝利を収めた。彼らのプロジェクト ISDApp は、現在 Animo Labs がインキュベーション中だ。

【via e27】 @E27co

【原文】

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


アジア太平洋の島々や非都市部に広帯域インターネットを提供する衛星スタートアップKacific、アジア開発銀らから1億6,000万ドルをデット調達

SHARE:

Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから。 シンガポールの Kacific Broadband Satellites Group は、非都市部にインターネットを提供しようとする衛星オペレーターだ。同社はアジア開発銀行(ADB)…

Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから


シンガポールの Kacific Broadband Satellites Group は、非都市部にインターネットを提供しようとする衛星オペレーターだ。同社はアジア開発銀行(ADB)やイギリスの信用保証会社 GuarantCo などの金融機関グループから1億6,000万米ドルの長期信用枠を確保したと発表した。

Kacific 1 からの電波を受けて動作する衛星インターネットシステム「FlexVNO」。
同社初の衛星「Kacific 1」は、Space X のロケット「Falcon 9」を使う12月18日打ち上げ予定。
Image credit: Kacific

声明によれば、この契約により、Kacific は、同社の衛星「Kacific1」の建設、関連インフラ、打ち上げコストの資金に使用される短期ローンを返済できるとしている。

2013年に設立された Kacific は、来年初頭に Kacific1 の運営に先立ちサービスに登録した25ヵ国にいる多数の顧客が資金調達を支えていると述べている。同社の最初の衛星は、特に太平洋の非都市部と、インドネシアやフィリピンなどの東南アジアの大きな島国に焦点を当てている。

人口820万人のパプアニューギニアで、インターネットを使えているのは11%に過ぎない。
Kacific は残りの人々にアクセス手段を提供する。
Image credit: Kacific

ADB からの資金調達には、銀行からの融資と、ADB の協調融資手段の一つである Leading Asia の「Private Infrastructure Fund」からの並行融資が含まれる。一方、 Private Infrastructure Development Group 傘下のGuarantCo は、ヨーロッパの民間機関投資家に5,000万米ドルの部分的信用保証を提供する。

GuarantCo、ADB、民間投資家からの支援は、Kacific1 の打ち上げ後、Kacific がシームレスに運用モードに移行できるようにする長期的な確実性を提供する上で極めて重要だ。(Kacific 共同創業者兼 CEO の Christian Patouraux 氏)

声明によると、Kacific の高出力衛星はマルチビーム宇宙通信と地上技術を使用。この分野には、昨年末に Wavemaker Partners と Seeds Capital がリードしたシードラウンドで180万米ドル以上を調達したシンガポールスタートアップ Transcelestial などがいる。

<関連記事>

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録