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メディアに載ることがゴールではないと意識しろ−−CNET Japan岩本氏が語るメディアとの上手な付き合い方

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スタートアップにとって、自身の知名度を上げたりブランド力を高めたりするには、記者やメディア関係者と良好な関係を作ることが大切だ。メディアとの付き合い方の作法を覚えることで、より効果的に事業を展開することができる。 IT系やガジェット、テクノロジーに関する記事を掲載しているCNET Japan。同媒体編集部の編集記者である岩本有平氏は、主にC向けサービスやスタートアップを担当している人物だ。 同氏が…

スタートアップにとって、自身の知名度を上げたりブランド力を高めたりするには、記者やメディア関係者と良好な関係を作ることが大切だ。メディアとの付き合い方の作法を覚えることで、より効果的に事業を展開することができる。

IT系やガジェット、テクノロジーに関する記事を掲載しているCNET Japan。同媒体編集部の編集記者である岩本有平氏は、主にC向けサービスやスタートアップを担当している人物だ。

同氏が、MOVIDA SCHOOLで語ったメディアとの上手な付き合い方についてまとめた。

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メディアはどんな情報を求めているのか

メディアと一括りにしても、日刊、週刊、月刊、ビジネス誌、業界誌などそれぞれの媒体によって求めているものは違う。

週刊誌や月刊誌は特集を軸に構成されており、特集に応じたネタをピックアップしている。日刊やウェブ媒体は比較的ストレートニュースが多く、その中でもテック系媒体は、サービスリリースや買収、資金調達、提携といった話が中心となりやすい。

書き手を意識して、コミュニケーションすること

知名度の低いスタートアップが、メディアの窓口にプレスリリースを送っても取り上げてもらえる確率は低い。メディアに応じて、特定の記者がどのような分野に興味があるか、媒体の特性や読者層なども考慮しながら分析したほうが良い。その分析に合わせて、自社のサービスのポイントを媒体に合わせて調整し、記者個人にアプローチできるくらいまでコミュニケーションを取っていこう。

事前のコミュニケーションを大切に

記事を書いている記者も人間であり、時間や労力は有限だ。そのため、事前にコミュニケーションを図りながら、関係を構築していくことが大切だ。週刊や月刊といった媒体も、まずは接点を持つことで、特集の際に掲載のチャンスが回ってくる可能性はある。

媒体や記者それぞれによって、書く優先順位は変わってくる。少しでも書いてもらえる優先順位を上げていくためにも、自社の強みを理解してもらうためのやりとりが必要だ。また、プロトタイプやユーザテストなどを通じてサービスの感触などを記者に体験してもらうことで、記事やインタビューの際の質問の中身の深みも増してくることも多い。

スケジュールのすり合わせは、漏れなくすること

大手企業との提携など、ステークホルダーが多くなるリリースの際は、提携先とメディアに対するコミュニケーションの方法などをすり合わせながら、漏れがないように調整していくことが大切だ。また、スケジュールもできるだけ自分たちでコントロールし、しっかりとした広報体制を敷いて取り組んでいくべきだ。

知人の紹介から、記者との関係を作る

記者とのつながりを作るには、知人の紹介ベースが一番だ。もちろん、飛び込み営業やFacebookなどのSNSを通じた連絡も最近は増えたが、知り合いや一度取材した方を経由したほうが、信頼関係も作りやすい。

プレスリリースの作法を覚えろ

スタートアップは、少ないリソースだからこそ起業家がPR兼広報の役割を担ったほうが良い。少しでも掲載される確率を高めるためにも、プレスリリースの作法を理解しておこう。プレスリリースの基本は、5W1Hやデータが正確に記載されていることだ。根拠なく「世界初」とうたうなど、市場における自社の優位性を主観で表現するのではなく、客観的な数字を用いて説明しよう。

プレスリリースの内容はコンパクトに

プレスリリースは、できるだけコンパクトにまとめよう。A4用紙1枚から2枚以内にサービス概要や説明がまとまらなければ、もう一度練り直したほうが良い。文字だけでの説明が難しい場合は、グラフや写真などで補完しよう。また、サービスのURLや社名、役職、問合せ先など、会社の基本情報も漏れなく記載しておこう。Wordでリリースを送る時は、修正履歴を残さないようにし、PDFを利用してリリースを送るとよい。もちろん本文にも同じテキストを入れたほうがよい。

プレスキットを用意すること

プレスリリースにプレスキットを用意しておくと、掲載の際に画像やキャプチャも利用されやすい。リリースと画像を整理し、記事になりやすい体裁にしておくとよい。ファイルサイズが大きければ、ファイル転送サービスなども利用しよう。また、デモサイトやデモアカウントがあれば、一緒に送ることで使い方も理解されやすい。

リリースのタイミングにも気を配る

リリースを送る際は、メールのタイトルにも配慮しよう。100件以上ものリリースを受けとる日もあるため、タイトルに社名やサービス名など、意図が伝わる工夫が必要だ。ウェブメディアであれば、掲載タイミングについても意識しよう。土日や夜にリリースを送っても、すぐには記事化されない。メールを送るだけではなく、送った旨を別の手段、例えばSNSのメッセージなどで伝えると、より効果的だ。

メディアに載ることがゴールではない

どんなに華々しくメディアに掲載されて注目やトラフィックを集めても、継続してアクセスしてもらえるようなサービスでなければ意味はない。メディアに載ることがゴールではなく、優れたプロダクトを作ることに注力することが一番だ。プロダクトの力があれば、自然とメディアも注目してくる。メディア側からオファーが来るくらいのほうが良い。

メディアをどう活用するかが鍵だ

ただ闇雲に掲載されるのではなく、露出したことが業界としてインパクトがあるかどうかが重要だ。掲載して終わりではなく、サービスのフェーズやブランド作りのステップに応じて、掲載されるメディアを意識しながら、アプローチを図ったほうが良い。メディアをうまく活用することで、サービスを良い方向に進めることが大切だ。

プロダクトに込めた思いとストーリーを軸に語れ

起業家は、プロダクトについて説明する時に、機能だけではなく起業家自身のストーリーとプロダクトの関係も意識すべき。ストーリーがあり、その結果としてプロダクトがある、といったプレゼンのほうが、より記者もプロダクトのことを理解しやすい。自身の思いを込めたプロダクトを、良いものにするように日々行動してもらいたい。

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与えれた「材料」からしか、ゴールは見いだせない−−サンブリッジグローバルベンチャーズ平石氏が語る起業家が抱くべき思い

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起業家は、限られたリソースをもとに、自身の思いを形にしなければいけない。また、価値観や自身の目的を常に見直して新しい挑戦をすることが求められる。 サンブリッジグローバルベンチャーズ代表取締役社長の平石郁生氏は、八度の創業の中で、東証マザース上場やヤフージャパンへのEXITなどを経験した人物だ。現在は、シードマネーを中心とした投資事業を展開している。 同氏がMOVIDA SCHOOLで語った、起業家…

起業家は、限られたリソースをもとに、自身の思いを形にしなければいけない。また、価値観や自身の目的を常に見直して新しい挑戦をすることが求められる。

サンブリッジグローバルベンチャーズ代表取締役社長の平石郁生氏は、八度の創業の中で、東証マザース上場やヤフージャパンへのEXITなどを経験した人物だ。現在は、シードマネーを中心とした投資事業を展開している。

同氏がMOVIDA SCHOOLで語った、起業家が抱くべき思いについてまとめた。

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まず、捨てる覚悟を持て

よく若手の起業家に相談されることがあるが、その時に言う最初の言葉は「まず、捨てろ」ということだ。新しい何かを得ようとするためには、何かを捨てないといけない。覚悟をもって決断をすることで、そこから新しいものが入ってくる。だからこそ、「躊躇せずに潔く捨てることだ」と言ってる。

自分自身、91年に創業してDTPビジネスをやっていたが、インターネットの時代が来る前に、それまで利益を上げていたDTPビジネスから徹底した(捨てた)。その後、インターネットの盛り上がりに呼応して事業を展開することができた。DTPを捨てたからこそ、身軽になり新しいチャンスを掴むことができた。目の前のチャンスを拾うためには大きな覚悟と決断が必要だが、それによって返ってくるリターンは大きい。

まずは、事業を定義せよ

事業において、「目標」はとても大事だ。ドラッカーは、「組織において事業の定義が必要だ」と語っている。さらに、仮に定義できたとしても、それを形にしなけば意味はない。定めた定義を具現化するために、事業を展開していくことが求められる。

事業の定義は陳腐化する

当初定めていた定義を達成してしまった瞬間、定義は陳腐化する。常に高みを目指し、新たな定義を作りなおす作業を行わないと、機能しなくなった定義にリソースを注ぎ続けることになる。「目的」や「目標」を達成した時は、お祝いをする時ではなく、定義を考えなおす時である。

「やらない」ことを決める

事業の定義のためには、劣後順位を決めないといけない。つまり、「やらない」ことを決める作業だ。事業は、限られたリソースをもとに効率的で生産的な活動に取り組まなければいけない。やらないことを決めることで、自ずと判断や意思決定の基準が見えてくる。優先順位を決めることは、誰でもできる。しかし、事業の定義のためには「やらない」ことを決め、意思決定を円滑にしなければいけない。

組織の使命(目的)を考えろ

組織は、その活動の使命に共感した人たちが集まる場でもある。人を集め、一つの方向性のもとに向かわせるためには、単純明快な使命が必要なのだ。

使命は、必ずしも野心的なものである必要はない。AT&Tは「すべての家庭と企業に電話を提供する」、マネックスは「新しい時代のお金の使い方を世の中に広めること(平石推測)」など様々だ。企業としての大きな方向性と何かあった時に立ち戻る原点を位置づけるために、意義ある使命を定めることだ。

チームで創業しろ

一人の能力はたかが知れている。チームでやらないとリソースは足らなくなるし、1人だとどうしても近視眼的になってしまう。時に衝突するくらいに自分と似ていないパートナーがいることで、分野や視点を越えたアプローチによって良いものが生まれる。会社を辞めて起業する人は、それぞれに自分なりの価値観や強烈なエゴを持った人たちであり、1つの目標を共有して突き進んでいくためには、大きなエネルギーが求められる。しかし、そうしたやりとりの過程を経たチームで事業を作っていかなければ、結果的に良いものは生まれない。

自分の価値観と合ったビジネスを作れ

世の中の方向性を読み、これはビジネスになると思ったら一気に突き進むのがスタートアップだ。しかし、そのチャンスとビジネスの形が自身の価値観とマッチしないと、調子が良い時はいいが、調子が悪くなった時に、踏ん張れないだろう。全身全霊で価値を見いだせるものでなければ、イノベーションは起きない。

与えれた「材料」からしか、ゴールは見いだせない

多くの成功した起業家は、創業当初から今の事業をしようと思っていたわけではない。目の前のことを地道にやり、そこから形になっていった人がほとんどだ。それが「Given Means & Given Goals」でいう「Given Means」の意味だ。目の前にある出来事に対して、どれだけ一生懸命に取り組むかが未来を作るのだ。

過去を振り返り、未来を見定めよ

自分のこれまでの過去を振り返ってみて、今までやってきたことに対してどれだけ意味を見いだせるだろうか。今の自分を作っているのは、過去の積み重ねでしかない。そして、今の自分が持ってる材料をもとに未来を作っていく。

どういう未来を作りたいかは、自分自身の経験と価値観によって大きく変わってくる。今を懸命に取り組むことが、未来へとつながっていく。

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ユーザの五感に訴える体験を−−ツェッペリン鳥越氏が語るUX思考とユーザ中心設計

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サービスの本質は、いかにユーザに良質な体験を提供するかだ。そのためには、UX思考をもとに一貫したサービス設計をする必要がある。 鳥越良子氏は、ツェッペリン副社長としてUI開発やUXデザインによるサービス設計を展開している。 同氏がMOVIDA SCHOOLで語った、UX思考とユーザ中心設計についてまとめた。 美しい世界を創造するために スマートフォンが普及した現在、表面的なデザインだけでなく、ユー…

サービスの本質は、いかにユーザに良質な体験を提供するかだ。そのためには、UX思考をもとに一貫したサービス設計をする必要がある。

鳥越良子氏は、ツェッペリン副社長としてUI開発やUXデザインによるサービス設計を展開している。

同氏がMOVIDA SCHOOLで語った、UX思考とユーザ中心設計についてまとめた。

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美しい世界を創造するために

スマートフォンが普及した現在、表面的なデザインだけでなく、ユーザに良質な体験を届けるためのサービス設計をすることが必要だ。ツェッペリンは、「美しい世界を創造する」というミッションのもと、UXデザインやコンサルティングを行う企業だ。最近では自動車の対話型インターフェースの仕事などにも携わっている。

なぜ高機能の製品が売れないのか

モノが余っている社会と言われている中、単純にモノを作るだけではなく、UX思考を持ったマーケティングが求められている。例えば、効率的な製品や高機能な製品が売れないと言われているが、それはユーザの文脈、コンテキストに製品が沿っていないからだ。ユーザがどのように使うのか、どうしたら使いたくなるのか、といったユーザ中心の考えに立たなければならない。

ユーザ中心設計を

サイモン・シネック氏のTED動画「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」にもあるように、人の意識はゴールデンサークルと呼ばれる3つの層、What(何をするか)、How(どのようにするか)、Why(なぜするのか)に分かれている。人の行動を促し、感動を与え、良質な体験を導きだすには、内側にあるWhyの思考から始めることが大事だ。中心にユーザがいて、どういう体験を求めているのかをまず追求する。それを見いだしてから、技術について考えるべきなのだ。

UXの先にあるUCという考え

あらゆる製品やサービスには、様々なUXの要素がある。その中でも、実際にサービスのコアとして提供したいもの、ユーザにとって最も気持ちの良い体験を考えなければいけない。そこで、数あるUXの中で最も五感に訴え、ユーザに対して最高の体験を追求するアイデアを「UC(User Ecstasy)」と、私たちは定義した。UCを追求し、最終的に製品やサービスに対するソリューションとして提供することが大切だ。

ワークショップを通じた課題発見

最高のUCを生み出すため、ワークショップを通じてUCを導き出している。ワークショップを通じてどういったUCを提供するべきか、アイデアからソリューションまでを提案する。そして次にユーザ調査でUCと実際の行動とのすり合わせをし、ブラッシュアップして最終的な製品企画へと形作っていく。そこからデザインや実装、そして改善というステップを踏んでいる。

どういった状況であっても、自分たちのプロジェクトの原点に立ち戻ること。なぜ、このサービスを作るのか、どういった体験を提供するのかといった起点となるものを見いだし、ゴールイメージを共有するためのワークショップであり、それをもとにプロジェクトメンバーの意思を統一することができる。

UXはシンプルに美しく

シンプルさや美しさを追求し、効率よりも感性に訴えるような製品は、過剰な装飾などは必要ない。一見地味かもしれないが、ユーザにとって使い心地の良い自然な製品であることこそが、本来のUXであり、美しさなのだ。

サービスの本質を具現化すること

真にユーザにとって使いやすいものとは何か。UCを追求するためには、ターゲットユーザを絞り、そのコアサンプルとなるユーザのストーリーを明確に導くことだ。そのためには、利用用途を絞ることは一つの方法だ。機能を限定し、想定される利用シーンを明確にすること。そして、100人になんとなく満足してもらうのではなく、1人が最も満足するものを作ることが大事だ。

サービスが持っているバリューを導き出し、そのバリューに相応しいユーザを明確にし、そのユーザのストーリーをもとに製品を具体化していくこと。こうしたUX思考をベースに、製品開発を行ってもらいたい。

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応援したい会社になること−−キープレイヤーズ高野氏が語る「人材採用に必要な心得と振る舞い」

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スタートアップにとって、数限りある時間や人的資源をどのように配分し、進めていくかを考えなければいけない。優秀な仲間とともにサービスを進めていくためにも、経営者は採用に力を入れなければいけない。 キープレイヤーズ代表取締役の高野秀敏氏は、新卒でインテリジェンスに入社し、2004年に退社し、2005年1月にキープレイヤーズを起業。モバイルやインターネット業界向けの人材紹介や採用のコンサルティングを行う…

スタートアップにとって、数限りある時間や人的資源をどのように配分し、進めていくかを考えなければいけない。優秀な仲間とともにサービスを進めていくためにも、経営者は採用に力を入れなければいけない。

キープレイヤーズ代表取締役の高野秀敏氏は、新卒でインテリジェンスに入社し、2004年に退社し、2005年1月にキープレイヤーズを起業。モバイルやインターネット業界向けの人材紹介や採用のコンサルティングを行うなど、転職や採用のノウハウを持った人物だ。

同氏がMOVIDA SCHOOLで語った、人材採用に必要な心得と振る舞いについて、まとめた。

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自身のステージに応じた、人材かどうか

スタートアップが採用するべき人材と、大企業が採用するべき人材は違う。それぞれのステージに応じて、どういった人材が必要か、経営者はイメージできなければいけない。具体的な人材のイメージを持つためにも、人と会い話をしながらイメージを膨らませよう。インテリジェンスで働いていた時、当時の社長は仕事の30%は採用活動に充てていると日々語っていた。経営者は、人と会うのも大きな仕事だということを忘れてはいけない。

採用活動は営業と同じ

「人と会う」という量をこなしつつ、多様な人との出会いを作らなければいけない。量と質が採用活動として重要であり、まさしく営業と同じ発想だ。どういう人が欲しいか、業界や職種などの経験、人物像や年収、年齢などの要素を加味しながら、採用活動を行ってもらいたい。

求人エントリーのためのアクションプランを考える

ベンチャーなどの小さな会社や無名な会社は、エントリーしてもらえることは難しいと自覚しなければならない。そのため、求人のエントリーを増やすためには、戦略的にアクションプランを考え、そのプランをもとに行動していくことだ。

欲しい人材を明確にし、絞ること

しばしば「いい人を紹介して」と言う人がいるが、それではダメだ。なんでも欲しいではなく、セグメントをしっかり絞ったほうがよい。会社のウェブサイトでは、採用に通じる細やかな情報、開発者であれば言語の種類といった情報を明確に載せておいたほうが、求人エントリーがされやすい。

経営者自身が足を使い、ブランディング活動を実施する

イベントや勉強会などに地道に足を運び、そうした場で探したい職種の人に対してアタックし、自身の思いを熱心に伝える経営者は強い。プレスリリースといった話題作り、経営者自身によるSNSやブログによるメッセージの発信など、日々のブランディング活動をもとに知ってもらうための取り組みを実施することだ。また、ウェブサイトには採用を意識したページ作りをしよう。メッセージや各職種の紹介、中の人が見える要素を作り出しておく。ブランディングを通じて知ってもらう工夫をし、求人エントリー数を増やす取り組みが重要だ。

ソーシャルメディアを通じた採用活動

FacebookやTwitterの登場によって、個人の情報が可視化されてきた。それにより、技術的なブログを更新している人など、スキルや能力向上に熱心に取り組んでいる人を探しやすくなった。そうした人たちに対して丁寧にメッセージを書いて送り、まずは会ってみたいという思いを伝えると、ある程度の確率で会ってくれる。SNSを通じて人を探し、相手の経歴やつながりをリサーチしながら、採用活動をすることも一つの方法だ。

会社に関わるきっかけをつくる

社内勉強会や定期的なパーティなど、自社に足を運んでもらう仕組み作りをすることは大切だ。すぐに転職しなくても、会社に関わるきっかけを作ることで、次第に活動に参加してもらえる動機になっていく。求人する側にとっても、会社の文化や中身を知ることによって、自分が入社した後のイメージも明確になっていく。

また、個人事業者が相手の場合は、まずは仕事を依頼してみることから少しずつ会社に関わってもらい、そこから社員として登用する方法もある。専門学校や大学といった学生たちにインターンとして関わってもらい、そこから入社につながることもある。成長している企業は、早くから学生たちとコミュニケーションをしているところも多い。若手を育成することで、採用にもつながり企業の基盤となることは大いにある。

面接においては、質問を事前に考える

欲しい人材候補をもとに、面接相手にどのような質問をするか、事前にリスト化しておくことは必要だ。社長以外に数人のメンバーがすでに企業に在籍している場合、どういった人材が今の企業に必要かを整理し、面接におけるミスマッチをなくす取り組みをしよう。

面接を通じて、長い人間関係を築こう

面接が上手な社長は、面接で採用に至らなくても、求人にきた相手とその後の付き合いに発展しやすい。定期的に会う機会を作り、現状を報告し合う関係を築くことで、一年後に採用につながるかもしれない。少しずつ関係を築く意味でも、面接を一つの出会いの場と考えよう。

会食などを通じ、相手の話を聞き出したり、仕事以外の話をすることで関係を作ることもできる。人との細やかなコミュニケーションを大切にしてもらいたい。

面接では丁寧な対応を

面接では、社長の持論や思いを語ることはとても大切だ。社長でなくても、面接に関わる社員が、企業について一人称で語れるくらいの話があるとよい。熱意としつこさは紙一重だが、熱心に言われて嫌な人はいない。熱意が伝わるための努力をしよう。

当たり前だが、面接において時間にルーズであったり、面接する側が横暴な態度をとってはいけない。面接後のメッセージやフォローを丁寧にするなど、一挙手一投足すべてが見られているといった思いを持ち、謙虚な意識を持って立ち振る舞いを意識しよう。

将来のキャリアプランを考えること

面接では、相手の質問に対して丁寧に応えよう。必ずすべきは、お金の話と今後の展開だ。お金の問題は後で問題の火種になりやすいため、初めにクリアにしておきたい。現状と将来設計の話も事前に擦り合わせをしよう。入社する人たちの将来のキャリアプランを考えているか、経営者として、採用した後のことも考えておくことは大切だ。

応援したい会社になること

スタートアップに入社する人は、経営者の大きなビジョンに共感したからこそ入社している、ということを忘れてはいけない。大きな志、大きな夢、大きな目標を掲げ、それを社員と共有し、社会に価値あるものを残すワクワクを持って過ごしてもらいたい。

ビジョンも一つの経営ツールだいうことを念頭に置きながら、応援したいと思われる会社になることを目標に、採用活動を行ってもらいたい。

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狡猾に戦い、顧客志向で突き進むこと−−GMOメイクショップ向畑氏が語る「競合他社との戦い方と徹底した顧客志向」

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GMOメイクショップ代表取締役社長の向畑憲良氏は、ネットショップ開業サービスの「MakeShop」を運営している。現在は、22,000店舗に導入され、ASPサービスで流通総額1位を獲得するなど、業界を牽引する事業を展開している。 同氏がMOVIDA SCHOOLで語った、競合他社との戦い方と徹底した顧客志向について、まとめた。 4C分析をもとに自社の強みを把握する 経営においては、企業や事業の競争…

GMOメイクショップ代表取締役社長の向畑憲良氏は、ネットショップ開業サービスの「MakeShop」を運営している。現在は、22,000店舗に導入され、ASPサービスで流通総額1位を獲得するなど、業界を牽引する事業を展開している。

同氏がMOVIDA SCHOOLで語った、競合他社との戦い方と徹底した顧客志向について、まとめた。

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4C分析をもとに自社の強みを把握する

経営においては、企業や事業の競争力を分析する指標である4C分析という枠組みを使う。4Cとは競合(Competitor)、顧客や市場環境(Customer)、自社(Company)、協力者や提携相手(Cooperator)を指す。この4つを分析し、自社の立ち位置と強みをどう活かすかを考えなければいけない。当たり前だが、こうした分析のお勉強で終わるのではなく、これらの分析した結果を武器にして経営戦略を考え、ビジネスとして勝つことが求められる。

No1を目指し、勝つための戦いをすること

資本主義においては、オンリーワンは現実とは相容れない。ビジネスは戦いだ。No1を目指さないといけない。新しいマーケットでない限りは、そこには競合である既存の強者がいる。暫定的であれ、その強者がNo1だ。

No1以外は、すべて弱者だという意識を持たないといけない。だからこそ、弱者は弱者なりの戦いをする。それは、ゲリラ戦だ。目立つのではなく着実に動き、気付いた時には相手を窮地に追い込み、自分たちが勝つための手法を取らなければいけない。

日々の情報収集を欠かさないこと

例えば、競合の情報を事前に察知し、それに打ち勝つためのアクションを経営者は考え、マーケティングや広報や開発などの部隊が一斉に動き出し、相手の動きを封じ込める行動をする。業界初、といった謳い文句を自社が出していくことで、競合優位性を高めていく。

そのためには日々競合の情報収集を行ない、世の中のトレンドを読むなど、あらゆる情報を事前に察知してすぐに動き出せる体制づくりをしていく必要がある。例えば、メイクショップではSNS、掲示板、競合サイトのキーワード、コンテンツ、お知らせを日次で3回チェックして報告するソーシャルチェック体制を敷いている。

徹底した顧客志向を

徹底した顧客志向を持たなければいけない。ここでいう顧客志向とは、単純な分析などではない。顧客のことを見ているつもりになっていないか、聞いてるつもりになっていないかを、過去を振り返りながら検証していくことが大事だ。

新規ではなく、既存顧客を大切にする

立ち上げ期は新規顧客の獲得は重要だが、いつかは頭打ちが来る。いつまでも新規を考えるのではなく、サービスを使ってもらっているファンを大切にしたほうが良い。既存顧客を意識して関係を強固にしていき、そこから優良顧客へといかにつなげていくかを考えなければいけない。

5つの顧客分析

CPM分析(顧客ポートフォリオ・マネジメント)において、購入金額と継続購入期間の2つの軸で顧客を新規、入門、安定、流行、優良の5つに分けて分析していく。それぞれのカテゴリーの指標は各々の事業によって変わってくるが、メイクショップでは新規は初回購入、入門は3ヶ月以内に2回目を購入、安定は3ヶ月以上の継続、優良は7ヶ月以上の継続顧客で分類している。流行はマイブームで離脱する人たちで、その多くは7ヶ月以内の離脱だ。

RFM分析は、最終購入日や累積回数、累積金額で上位顧客だけをアプローチ、フォローする分析方法だ。この分析だと、流行客やすでに固定の優良顧客になった人たちばかりにマーケティングしてしまい、頭打ちになる。そうではなく、いかに新規から入門、安定、そして優良という理想的な顧客パスを作るための施策を考えるかが重要だ。そのためには、顧客にとって必要な情報やアプローチを考え、徹底した顧客目線の開発を実施しなければいけない。

既存顧客を優良化する顧客パスが成長の鍵

メイクショップの過去を振り返ると、既存顧客の優良化へに向けた顧客パスにフォーカスした結果、右肩上がりで成長を続けることが出来た。顧客目線で機能要望を伺っているからこそ、日々様々な機能追加が行なわれている。しかし、要望のすべてを採用することは難しい。だからこそ、何が本当に必要かを考え、取捨選択することも忘れてはいけない。

やるべきことを考え、限られた開発リソースを配分する

思いつきで開発を行うと、後で失敗する。社内の開発は、限りあるリソース配分をするという意味でも、重要な要素だ。社長の独断ではなく、民主的に投票で決めることで、すべての部署の考えや今後の展開を反映させることができる。

やりたいこととやるべきことは違う。社長はやりたいことをやりがち。やるべきことは何かを考え、顧客にとって必要なものをやりぬく強靭な自制心が必要だ。

徹底した現場主義を

徹底した現場主義でなければならない。プロダクト・アウトではなく、マーケット・インだ。そこに実利があるかどうかが大事だ。そのためには、経営者は誰よりもECの現場を知ることが求められる。事業規模が大きくなっても、時間を見つけて顧客訪問を欠かしてはいけない。

創業当時はカスタマーサポートを自分が対応していたが、次第にメール共有だけにし、今ではメールも受け取っていない。なぜなら社内におけるカスタマーサポート体制とフィードバックの仕組みが整っているからだ。だからこそ、コールセンターやオンラインのヒアリングは組織に任せて、自分は現場に足を運び、生の声を聞くことで五感で顧客が考えていることを感じることができる。

狡猾に戦い、顧客志向で突き進むこと

ECは、商品が手元に届くまでのトータルエクスペリエンスが大事だ。MakeShopは単なるカートではなく、商品の仕入れや流通といった川上から、集客や決済などの川中、物流やPOS、印刷や梱包といった川下といったコマースの流通経路すべてを網羅するECトータルプロバイダーを目指している。

いかに、競合環境の中で狡猾に戦い、勝っていくか。そして、徹底した顧客志向で既存顧客を知るための努力をしていくか。これらをもとに、経営者は自社の事業を成長させていくことが大事だ。

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変えられないもの以外はすべて変えてもいい−−事業構想大学院大学の江端氏が語る「起業家に必要な挑戦する意義」

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新しいビジネスを作るためには、未来を予測し、挑戦の一歩を踏み出すことが大事だ。 江端浩人氏は、デジタルプリントを創業し、売却後は日本コカ・コーラのニュープラットフォーム事業部(現インタラクティブマーケティング)を創設。現在はマイクロソフトの業務執行役員であり、事業構想大学院大学で教授として教鞭を執っている。 同氏がMOVIDA SCHOOLで語った、起業家に必要な挑戦することの意義についてまとめた…

新しいビジネスを作るためには、未来を予測し、挑戦の一歩を踏み出すことが大事だ。

江端浩人氏は、デジタルプリントを創業し、売却後は日本コカ・コーラのニュープラットフォーム事業部(現インタラクティブマーケティング)を創設。現在はマイクロソフトの業務執行役員であり、事業構想大学院大学で教授として教鞭を執っている。

同氏がMOVIDA SCHOOLで語った、起業家に必要な挑戦することの意義についてまとめた。

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日米の文化を知る

アメリカで生まれ、学生時代は日米を往復。中学生の頃に初めてパソコンに出会い、コンピューターにはまった。数学が得意だったので、そこからプログラミングも覚えた。

上智大学に入学時に、日本のことをもっと知ろうと体育会に入部。それまでの海外経験で学んだことは、言葉に思想があるということだ。日本語は、空気を読みながら文末で肯定も否定も入れ替えることができるが、英語はまず先に主張を言い、主張の補足をしていく。どちらが良い悪いではなく、そうした互いの言語の思想の違いを経験できたのは良かった。

違った立場の思考を持つこと

ディベート文化を学べたことも良かった。例えば、オリンピックが好きか嫌いかとディベートする時も、本当は好きでも嫌いの立場をとって議論することができる。どういった状況であれ、自分の立場における言ったことをいかに正当化できるかが求められる。こうした思考をうまく切り替える能力は、ディベート文化だからこそであり、交渉にも有効だ。

日本にもインターネットが来ると予測

新卒で伊藤忠商事に入社。宇宙航空機部に配属され、飛行機のリースビジネスを担当した。その後スタンフォード大学にMBAを取得するために留学。留学先でインターネットとの出会いがあった。92年の当時から、スタンフォードではインターネットが使われており、今では当たり前になっているメールでのレポート提出や情報検索も実施されていた。

帰国後、アントレプレナーが価値を見出すという西海岸の文化に感化され、また日本でもインターネットが来るであろうと考え、インターネットを軸にしたサービスを作ろうと起業した。

世界初のサービスで勝機を見出す

起業の際に、2つのビジネスプランがあった。1つがネット上の個人コミュニティで、もう1つがデジカメの普及を見越したデジタル写真のプリントサービスだ。考えた結果、後者をやろうと96年8月に「デジタルプリント」を設立した。一人で創業し、ソフトウェア完成後に日経に情報をリークして記事にしてもらったことから、出資のオファーもいただくようになった。

創業したデジタルプリントは、世界初のインターネットDPEサービスとして注目され、グロービスやCCC、オムロン、CTC、Yahoo!など各種企業と提携出資してもらった。当時のITバブルの盛り上がりもあり、順調に業績は伸びていった。上場準備をしていたがITバブル崩壊で上場を延期。その後会社を売却し、ヘッドハンターから誘われ外資系のインターネットを使ったマーケティングの立ち上げをすることとなった。

売却は、自分よりも人の手に渡ることに意味があると思った時に実行すべき

自分がそのまま経営して事業を大きくしていくこともできたが、自分ではなく、人の手に渡すことで売上が上がり、事業が成長するのであれば売却したほうがいいと考えた。一番に優先すべきは、事業とそのサービスを受けるユーザに取って意味があるかどうかだ。

新しい価値を創造し、ビジネスモデルを作ることがベンチャー

ベンチャーの存在意義は、新しい価値を創造し、社会に与えることができること、そして新しいビジネスモデルを作ることができることだ。そのためには、常に新しい挑戦をし、顧客に対する価値提供を作り出さなければいけない。ベンチャーならではのスピード感をもとに、大企業ではできない事業を行うことでベンチャーとしての勝機がある。

リソースやブランドをもとに新しい挑戦をする

外資系の企業として、日本コカ・コーラのマーケティング担当となった。当時のコカ・コーラは、世界的にも売上が低迷しており、デジタルシフトで新規顧客を獲得していくことが求められていた。特に若い人たちから興味関心を惹くための施策を考える必要があり、デジタルマーケティングが各国で課題になっていた。

インターネットを活用したマーケティングによる変革を起こすためには、日本コカ・コーラの中にこれまでにない新しい事業を作るようなものでなければいけないと私は考えた。しかし、ベンチャーとは違い、人的資源や資金力、ブランドがあるからこそ出来ることがあるのではと考え、挑戦することにした。

日本初の本格的なデジタルキャンペーン

2007年からデジタル戦略を本格化した。MNPの導入でキャリア公式サービスではなく、オープンなサービスが流行ると予測し、コカ・コーラとモバゲーのタイアップ企画を実施した。実際、モバゲーは高校生の約半分が登録しており、高校生にリーチできる感触があった。結果的にタイアップ企画は大成功し、ポータルサイトのコカ・コーラパークをスタートした。

コカ・コーラパークではそれまでの会員制度を一本化し、初年度に300万を超える会員を獲得した。その後、メディア露出を高めるために日本でも初めての大規模なデジタルキャンペーンを実施。それまでのはがきを使った応募から、すべてデジタルだけで応募する形にシフトした。もらえる景品もデジタルの音楽という完全デジタル移行の施策も実施した。デジタルを含む各種施策が功を奏し、コカ・コーラの売上は急上昇することができた。

新しいメディアをいち早く取り組むこと

2008年から2010年は、デジタル施策を深化させ様々な企業とコラボを展開した。ネット上でのビンゴ大会やオリンピック応援パーク、番組連動CMによって番組コンテンツを組み込むなど、多種多様な施策を実施した。

2010年から2012年にかけて、SNSとの連動などソーシャルを軸にしたキャンペーンを試みた。ロンドンオリンピックでは、いち早くLINEのスタンプを配信。新しいメディアをいち早く取り込むなど、常に挑戦を行いながら事業を進めてきた。

常に新しい挑戦を忘れずに

現在は、コカ・コーラからマイクロソフトへと転職し、さらに週末には事業構想大学院大学で教授としても学生たちに教えている。もともと、Windows95に触れた時からコンピューターに携わりたいと思っていた。今の自分がやるべきことは、コンピューティングを生活に根付かせ次のステージに引き上げていくことだ。常に新しい挑戦をしていくことを忘れずにいたい。

変えられないもの以外はすべて変えてもいい

企画やUIを考える際に、企業としてどうしても変えられないものはある。しかし、変えられないもの以外は変えてもいいのではないかといった発想も持つべきだ。多くの企業は変化を恐れてしまうが、これからは変化を許容する企業が強い。変化していくことが文化となっていくことで、強くなっていく。

変えられないものと変えていいものを区別し、より良い方向に進んでいくための方法を模索していくことが大事だ。

現在は過去の積み重ねであり、それが未来を作っていく

ベンチャーは、自分で世界を作っていくことが一番の魅力だ。サービスを使ってもらった人に喜んでもらえることは、なによりも嬉しい。

自分自身を今まで振り返ってみると、ベンチャーから大企業の中での新しい事業の立ち上げに至るまで、色々な経験をすることができた。そうした環境に身を置いていることに対して、周りに感謝していきたい。また、過去に経験したことは、すべて今に活きているということを忘れてはいけない。過去の経験の積み重ねの上に今があり、そしてその先の未来を作っていくのだ。

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ユーザドリブンで考えていく−−ユナイテッド手嶋氏・梶原氏が語る「CocoPPa急成長の過程と必要な経営判断」

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スマホアプリのヒットの裏には、それまでに積み重ねた経験や経営判断が必要だ。 ユナイテッド取締役兼執行役員で、スマートフォンメディアカンパニーカンパニー長の手嶋浩己氏と、メディアカンパニーCocoPPa事業部チーフプロデューサーの梶原彩菜氏がMOVIDA SCHOOLで語った、スマホの着せ替えアプリ「CocoPPa」急成長の過程と、成功するために必要な経営判断についてまとめた。 スマホ市場にいち早く…

スマホアプリのヒットの裏には、それまでに積み重ねた経験や経営判断が必要だ。

ユナイテッド取締役兼執行役員で、スマートフォンメディアカンパニーカンパニー長の手嶋浩己氏と、メディアカンパニーCocoPPa事業部チーフプロデューサーの梶原彩菜氏がMOVIDA SCHOOLで語った、スマホの着せ替えアプリ「CocoPPa」急成長の過程と、成功するために必要な経営判断についてまとめた。

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スマホ市場にいち早く参入した

2010年頃、ユナイテッドに合併する前のスパイアでは、それまでのフィーチャーフォン中心のモバイル広告代理店事業から、スマホメディア事業へとメイン業態をシフトすることを試み、スマホアプリをいくつかリリースした。これが当時としてはヒットし、AppStoreで総合1位を獲得するタイトルも輩出した。

当時はソーシャルゲーム全盛だったが、スマホは確実に伸びると経営判断し、事業部化した。任天堂DSのスタート時には人気がなったことを思い出したのと、教育系ならばお金を払ってくれるユーザーもいるのではないかということで、有料の教育アプリに力を入れた。先にAppStoreで1位を取ったアプリで広告を導入していたが、売り上げがあまりあがらなかったので、有料アプリの課金モデルで進めた。開発の軸には、世の中では流行っているが、まだアプリになっていないものを狙った。

学びながら作っていく

4名の新卒を配属したスマホ事業部は、エンジニアがいなかったため若い人に学んでもらうためにまずは手を動かせと言い、学びながら作っていった。競合はあまりいなかったが、組織としては常に新しいものを作っていかなければいけないと考え、市場調査などの根拠ではなく、まずはやってみることを第一に様々なアプリ開発を進めてきた。

その結果、教育系で出したアプリもAppStoreで総合5位を獲得。他にもいくつかアプリを開発したが、ヒットする確率は4割近くと高かったため、アプリ開発に自信を持つことができた。

行動を変えることで、急速に学習することができる

本格的にアプリに力を入れるためには、まずはスマホについて熟知しなければいけない。そこで、ノボットの小林清剛氏などと頻繁に会い、スマホに詳しい人たちを紹介してもらい、業界について学習した。

何かを大きく進めるためには、まずは行動を変えなければいけない。そのためには、日々付き合う人の面子を変えることだ。自分の普段のネットワークを変えるだけで、景色は変わってくる。まだまだアプリ業界自体の歴史は浅かったため、3ヶ月没頭することができれば、すぐに必要な知識を得ることができた。

女性チームのみで開発したCocoPPa

有料の教育系アプリで総合5位を獲得したが、儲からないことを学習できた。そこで、有料アプリではなく継続的なメディアになる企画として、音楽系アプリのDiscodeerをチームで作った。この時、女性チームで別の企画を進めていた案があり、その一つが今のCocoPPaだ。CocoPPaは、女性チームの経験のために8ヶ月かけて開発させていたが、それまではDiscodeerがDeNAとの提携などが進むなど力を入れており、あまりCocoPPaにリソースを割くことはできなかった。

12年7月にひっそりとリリースしたCocoPPaは、日本語、英語、韓国語、簡体字の中国語に対応させていた。気がつくと13年1月頃にはマレーシアで注目され始め、そこから東南アジア圏へと広がっていった。始めからヒットを狙っていたわけではなかったため、ヒットの理由を明確に把握していなかったが、アジア圏での注目は日に日に増していった。

世界展開に方向転換

13年2月には、CocoPPaは欧州のユーザを増やしていった。事業部内ではあまり力を入れていなかったアプリのため、その時はリソースを投入するか判断しきれていなかった。翻訳も完璧とは言えず、時にサーバーがダウンするなど満足のいくサービスが提供できていたとは言い難いが、手持ちのリソースの中で懸命に対応していた。

ノルウェーやスウェーデンでAppStore1位を獲得してからは、CocoPPaを一気に世界に展開しようと大きな経営判断を行った。アメリカでは若年層の定番アプリとして浸透し、3月には世界で500万ダウンロードを突破した。

ネット業界とスマホ業界の乖離はある

500万ダウンロードを達成していたが、ネット業界でスマホアプリに詳しい人以外は、CocoPPaが世界で広がってもほとんで気付いていなかった。ネット業界と一括りにされているが、成長市場のスマートフォンネイティブアプリ、それも非ゲームについて執着心を持ってウォッチしている人は日本の中では一握りしかいないのではないか。結果、情報格差、事業機会に対して認識の差が生まれているのではと考え、これは自社にとって大きい競争優位になっているとそのタイミングで確信を深めた。800万ダウンロードを達成し、ようやく、ネット業界に認知されるよう方向づけしようと考えるようになった。そこで選んだ場所はIVS主催のLaunch Padであり、そこで2位を獲得して一気にユーザ数も伸び認知も高まり、7月末には1200万を超えるユーザ数となった。

アイデアは偶然の産物

CocoPPaのアイデア自体は、偶然の産物だ。元々はmixiで自分のプロフィールのコミュニティ一覧でアイコンをかわいく並べ、自分の趣味趣向の主張をしたいといった女性のニーズがあった。そうしたニーズに応えるものをiPhoneでできないかと考えた時に、技術的に実現できるという話を伺い、アイデアが実現レベルにまで昇華し、スマホの着せ替えコミュニティアプリが誕生した。

非言語のサービスだからこそ世界に広まる

スマホをかわいくするサービスが当時はほとんどなく、世界中でCocoPPaは広まった。主にInstagramやTumblr、YouTubeなどのソーシャルネットワーク上で認知されるようになった。特にスマホは、Instagramを通じてCocoPPaで作った画面を自慢するなどのコミュニケーションによって広がりが生まれた。

世界中で広まるためには、非言語で伝わることに意味がある。ビジュアルのみでサービスの価値が伝わり、ユーザ自身も使ってみて人に自慢したくなったり友だち経由でアプリを知ったりする。口コミを中心にサービスがバイラルしていくためには、誰でもひと目で分かるサービスの内容が大事だ。

ビジュアル重視で直感的な操作性を

ソーシャルネットワーク上では、ユーザ間で広めてくれるエバンジェリストが大事になってくる。そのため、ソーシャルメディア上でスムーズに投稿でき、さらに人に自慢したくなるようなデザインにするかがサービスの軸となる。壁紙やアプリをユーザ投稿型にしたのも、その一つだ。ユーザが自分でも作ってみようと投稿し始め、アイコンを投稿するクリエイターのネットワークがCocoPPa内で生まれていった。

ビジュアルで訴える面を強め、見た目で直感的に理解し利用できるインターフェースの改善を実施していくことで、誰でも簡単に利用できるサービスとなる。

ユーザドリブンで考えていく

1年後を見据えるのではなく、3ヶ月後半年後を目処に次を考える。論理ではなく、自分たちがマーケットに入り込み、自分たちがかわいいと思えるものや使いやすさを徹底的に追求していくことがサービスの基盤となる。ニーズに合ったものを提供し、ユーザ同士で作り上げていくものを運営側がサポートできる体制を作ることで、ユーザドリブンなサービスを作り上げていく。

いかに使いやすいサービスであるかを徹底的に考え、ユーザにとって居心地のよい場所を作ることが大事だ。

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粘り強く、しなやかに、したたかにーーVOYAGE GROUP宇佐美氏が語る「創業期の経験と企業として求められるもの」

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どんな企業も、創業期には苦労や失敗を多く経験している。失敗を糧に、どれだけ前を向いて進んでいけるかが起業家には問われてくる。 VOYAGE GROUP代表取締役CEO宇佐美進典氏は、99年に創業し、ECナビやPeXなどのメディア事業やテクノロジー事業を中心に、無料シェアオフィスBOATやVOYAGE VENTURESなどの投資事業を展開し、現在では社員300名を超えるグループ企業へと発展させた。 …

どんな企業も、創業期には苦労や失敗を多く経験している。失敗を糧に、どれだけ前を向いて進んでいけるかが起業家には問われてくる。

VOYAGE GROUP代表取締役CEO宇佐美進典氏は、99年に創業し、ECナビやPeXなどのメディア事業やテクノロジー事業を中心に、無料シェアオフィスBOATやVOYAGE VENTURESなどの投資事業を展開し、現在では社員300名を超えるグループ企業へと発展させた。

同氏がMOVIDA SCHOOLで語った、創業期における経験と企業として求められる取り組みについてまとめた。

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ゼロから何かを作りたい意識から創業

学生時代から起業したいと考え、新卒でトーマツコンサルティング(現デロイトトーマツコンサルティング)に入社した。その後、ゼロから作る経験をしたいと考え、ソフトウェアベンチャーに転職。インターネットが来ると予感し、妻と2人で最初の会社を立ち上げた。求人情報の検索サイトを作ろうとし、ベンチャー育成の助成金をもとにサービスを作った。しかし、自分が思い描いていたものと出来上がったものに大きなギャップがあった。

そこで気づいたのは、確かに大きなプロジェクトではあったが、自分の人生を賭けるほどのものではないということだ。自分の人生を賭けるからには、世界を変えるような大きなものでなければいけないと考え、個人や身内でやることの限界を感じ、同じ目標を共有するチームでやりたいと思い2度目の起業でアクシブドットコム(現在のVOYAGE GROUP)を創業した。

事業がピボットしても、変わらない行動理念

一度社長を経験し、自分は社長の器ではないと感じ代表取締役CEOが友人で自分は取締役COOとして創業した。創業時の思いは、どんな会社にしたいかを常に考えていた。事業の内容で何をするかよりも、どんな会社にしたいかを決め、企業としての軸を作ることだ。事業の内容がピボットしても、変わらない行動理念が定まっているかが会社として大きな基盤となる。

上手くいっている競合を徹底的に分析すること

スタート時は、事業計画通りにはなかなかうまくいかなかった。軌道に乗るまでに何度も事業を変え、変えてもうまくいかず失敗づくしだった。しかし、自分の能力を把握し、共同創業者と2人でやったことで、日々新しい挑戦が行えたことで、道が拓かれていった。また、資金調達を早めに実施したことで、資金繰りに苦労することなく事業に集中することができた。

事業に必要な情報のために、上手くいっている競合サービスを徹底的に調べて真似をした。その時に見るべきは、お金の回し方などのビジネスモデルをきちんと分析することだ。サービス自体がイケていないように見えても、ビジネスが上手くいっているところもある。売れている競合を真似しよう。

何もしないよりも、何かをチャレンジしてする失敗のほうが良い

失敗も多くあった。戦略や戦術に注力し人やカルチャーを重視していなかったが、戦術や戦略は人やカルチャーがあってこそ活きるものだと学んだ。自分たちの思い込みでサービスを作り、時に違った方向に進むこともあった。ユーザの声やステークホルダーのことを考え、何のためのサービスかを常に忘れてはいけない。

チャレンジしてうまくいかなかったことではなく、むしろ何もやらなかったことのほうが大きな失敗だ。挑戦は評価されることなので、少しでもチャンスがあれば、ぜひ行動に移してもらいたい。

人が組織のカルチャーを創る

今の起業家にアドバイスすることとして、スタートアップは、良いチーム創りに注力すべきだということ。その後に事業を考えてもいいくらい、人は重要だ。採用に関しては、自分よりも優秀な人を採用する気構えを持ってもらいたい。そして、トップが完全に採用にコミットすること。コントロール出来る人を採用するのではなく、枠を飛び越えて自分で考えて行動できる人を採用しよう。そこを妥協してはいけない。

受託は「生き抜く」ためのもの

成長企業を目指すのであれば、極力受託はやらないことだ。資金調達をしてでも、自社サービスを作ったほうがいい。生き抜くための受託もあるが、あくまで「生き抜く」ためにやっていることを忘れてはいけない。

粘り強く、しなやかに、したたかに生きる

環境に柔軟に対応しよう。大事なのは粘り強く、しなやかに、したたかに生きていくことだ。どんなに事業や社名が変わろうとも、根底にある会社や人がどうありたいかをぶらさず、常に成長市場を狙って突き進んでもらいたい。

経営者の発信や広報を重視する

経営者の情報発信は、スタートアップにとって重要だ。ブログで自身の考えを発信することで、採用にも良い影響を及ぼす。最近ではソーシャルメディアも一つのツールとして活きてくる。メディアとのリレーションシップにおいても、定期的なリリースや情報発信をすることは大事だ。当たり前だが、実力以上の広報をするといつかメッキが剥がれる。実力との乖離ではなく、堅実に実力を伸ばすことを怠ってはいけない。

創業から2年が勝負

自分に合ったメンターを探そう。細かなアドバイスではなく、大きな指針を示してくれる人と定期的にコミュニケーションを取ろう。よく言われるかもしれないが、「創業」という魔法が効くのは2年までだ。結果がでない中で社員が頑張り続けられるのは2年が限界だと考え、早く成長の実績を作っていこう。

歴史から学ぶ

社長の器は会社の器でもある。社長次第で変わってくる。だからこそ、器を大きくするために歴史から学ぼう。特に『ローマ人の物語』などを薦める。インターネットも電話もない時代に、言語も宗教も違う人たちをどのようにマネジメントしたか。どういったリーダーシップを発揮するとどうなるかを、歴史から学ぶことができる。

すべてに対して誠実に

すべてに対して誠実であろう。誠実さは大事であり、取引先やユーザ、社会全体に対してそうした気概を持とう。人に何かを言われることは、自分にどこか非があるからだ。誠実さを忘れず、日々を過ごしてもらいたい。

普段の言動一つ一つに気を配ってもらいたい。言葉一つが自走することも多い。自然と出てくる言葉によって、言霊となって個人や組織全体に浸透してくる。カルチャーは個人の個性を通じ、組織としての文脈が出てくる。だからこそ、言葉にしていく作業を通じて、自分たちの価値観や行動理念を作り上げていくことが大事なのだ。

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ユーザをパートナーと考え、共に作っていく意識を持つこと−−ウェルセルフ南氏が語る「サービス立ち上げとコミュニティ作りの心得」

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サービス立ち上げには、そこに至るきっかけや思いがある。その思いがどれだけ強いか、どれだけ創業者のストーリーと紐付いているかで、サービスの方向性は決まってくる。 CtoCマーケット「ココナラ」を運営しているウェルセルフCEOの南章行氏は、大学卒業後三井住友銀行に入行。その後企業買収ファンドのアドバンテッジパートナーズを経て、在職中に英国オックスフォード大学経営大学院を修了。2つのNPOを立ち上げた後…

サービス立ち上げには、そこに至るきっかけや思いがある。その思いがどれだけ強いか、どれだけ創業者のストーリーと紐付いているかで、サービスの方向性は決まってくる。

CtoCマーケット「ココナラ」を運営しているウェルセルフCEOの南章行氏は、大学卒業後三井住友銀行に入行。その後企業買収ファンドのアドバンテッジパートナーズを経て、在職中に英国オックスフォード大学経営大学院を修了。2つのNPOを立ち上げた後、パートナーと共にウェルセルフを設立した。

同氏がMOVIDA SCHOOLで語ったサービス立ち上げとコミュニティの心得についてまとめた。

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2つのNPO立ち上げがきっかけ

ウェルセルフを立ち上げる前、MBAを取得するためにイギリスへ留学した。その際に、音楽やマルチメディアを通じたプログラムを通じて、高校生を中心とした若者の育成支援を目指す国際NPO「ブラストビート」と出会い、日本法人の立ち上げの手伝いをすることになった。その後日本に帰国してNPOのコンサルティングやNPOと支援者のマッチングを行う「二枚目の名刺」というNPO団体も立ち上げた。2つのNPOを通じて、自分のスキルや能力を別の誰かに提供することそのものが、その人自身にとっても自信や成長につながるという経験をし、その経験が今のココナラのアイデアのベースとなった。

個人をエンパワメントする場を作る

もともとヘルスケアビジネスを始めるためにウェルセルフはスタートしたが、その時点で技術やスキルを数百円で交換できるマイクロサービスプラットフォームというアイデアはあったが、ただそれだけでは魅力がないと感じていた。そこに、ある管理栄養士との出会いがあった。食事のプロである栄養士が、病院内だけでなく一般の人達の相談にものってあげたいと考えているがそうした場がないという話をしてくれた。いきなり個人が栄養相談サービスを立ち上げるのは難しく、やるとしてもビジネスとして成り立たせるためには単価が高くならざるをえない。しかし、こうしたちょっとした人の役に立つものは、値段さえ安ければニーズは潜在的に存在する。そして、人の役に立ちたいという思いを持った人はいくらでもいる。栄養相談のような小さなマーケットでも、たくさん集めたらビジネスになるのではないかと考えた。

自分自身の持っているものが活かされることの喜びは、何もNPOに限った話ではない。より多くの個人をエンパワメントすることは、自分たちがやる意義と合致する。マイクロサービスプラットフォームを小遣い稼ぎサイトではなく個人をエンパワメントするサービスだと捉え直した時に、イメージが何倍にも膨れ上がった。ヘルスケアビジネスを志向している時点で「より多くの個人が自分のストーリーを生きるためのサポートをすること」というミッションステートメントを作っていた。このステートメントは、マイクロサービスプラットフォームをやることになっても変わっていない。あらかじめビジョンがチームで共通化されていたからこそ思いついたビジネスプランだった。

スタート前に実施したクイックな調査

アイデアを正式に検討することになり、自分たちが考えたアイデアが実際に有効かどうかアンケートを実施した。友人をツテに2日で70人から回収し、自分たちの目的やコンセプトが受け入れられるかを確認した。ポイントは、なるべくリアルに想像できるように具体的なサービスやイメージ、想定されるやりとりなどを踏まえた資料を作ったことだ。結果、ニッチなものに幅広くニーズがあることが分かり、プラットフォームとしての形が見えた。わずか一週間で固めたコンセプトだったが、その時に作ったペルソナの仮説はオープン後1年以上たった今も何も変わっていない。

また、友人経由で依頼したアンケートは、きちんと分析結果を返すことが大事だ。誠意を持って返すことで、その後もサポーターになっていただけるからだ。

コンセプトのブラッシュアップを図ること

コンセプトを一週間で固め、次は本当に価値があるサービスかを実証した。無料の掲示板を活用してココナラのMVPとなるやりとりを実施し、オンラインで知らない人に相談する感覚を試した。また、出品者のリクルーティングとニーズ把握のために資格団体57団体に営業するなど、短い時間ながら営業まわりを展開した。

ユーザインタビューや座談会などを通じ、なぜ人に相談するのかといった本質的なバリューを理解するようにも心がけた。他社の似たサービスをリサーチしてどういった相談がされるのかを市場調査し、最終的なビジネスコンセプトのブラッシュアップをするなど、数週間でこれら多くの過程を踏んでいった。

自分たちで実現可能なビジネスか洗い出す

ビジネスとして成長していくには、投資を受けられるかが一つの指標だ。元VCや起業家を巡り、市場の魅力や立ち上げのタイミング、また、どのような立ち上げ戦略を取るべきかなどの意見をいただいた。

自分たちで実現可能なのかを考えるため、今後直面するイシューを洗い出し、それぞれについて経験者にヒアリングも実施した。どれくらいの工数や人員で開発可能なのか、どの程度顧客対応にリソースが必要なのか、どうやったらサービス提供者を集めることができるのかなど、様々なリストを洗い出し一つ一つ地道に確認した。サービスを始めるまでに、どれだけこうした準備をできるかが、その後の展開に大きく左右する。

量が質を生むからこそ、フットワークを大事にする

ビジョンや本質的なビジネスコンセプトは自分たちで考えなければいけないが、それ以外の答えは自分たちの外にあるものだ。だからこそ、ユーザや投資家、競合や協力者、他社事例など参考にできるものは貪欲に参考にしようと動くことだ。

そのためにはフットワークやスピードが大事だ。量が質を作り上げる。どれだけ足で行動したかが自分たちの糧になる。自分たちが持っているアイデアや知識は大したことはないと考え、積極的に外部から得ようとしたほうが良い。

ベータ版を踏まえて、1からやり直す気概を持つ

ベータ版のプロダクトは、作り途中の公式版、ではない。ベータ版の目的は、実際のユーザを通して仮説検証をすることだ。どんな仮説を検証したいのか、どうやったら検証されたと判断できるのかなどの基準をあらかじめ設定しなければいけない。なんとなくベータ版を出し、それをそのまま公式版に引き継いでいく、というものではない。

ベータ版の段階では、サービスに対する理解は2割程度しかないと考え、全速力で仮説検証を繰り返すことが重要だ。中途半端な改善をしても仕方ないので、あらかじめ検証結果をもとに全部作りなおすつもりでいたほうがいい。実際ココナラはベータ版を捨て、1ヶ月でほぼ全て作り直してリリースをした。

サービスの語り部を初めに作る

ココナラは、誰でも参加できるマーケットプレイスだ。モノと違ってクオリティが事前に分からない「サービス」を売買しているため、マーケットプレイスの空気感が肝心だ。そのため、良い出品者を事前に集めコミュニティ感を醸成した。良いコミュニティには良い人が集まるし、その逆も然り。公式ローンチ時のサイトの雰囲気が最も重要と考え、ベータ版の段階で友人を中心に1000人に1通1通メッセージを送って口説き、そのうち400人が登録し、200人が出品してくれた。

さらに、ローンチ前からユーザイベントなどを通じてサービスの語り部となる人を作った。ベータ版の参加者を中心に、サービスの話だけではなく自分たちのビジョン、さらには内部資料なども多く公開し、その上でココナラが広がった世の中はどうなるのかを一緒に考えるワークショップを開催するなどした。それによって、イベント参加者はそれぞれにココナラを自分ごと化し、ローンチ日には各々の言葉でココナラを宣伝してくれる存在となった。

ユーザをパートナーと考え、共に作っていく意識を持つ

ココナラは、目に見えないものを売るマーケットプレイスだ。だからこそ、出品者のモチベーションやサービス全体のコミュニティ感をどう作り上げるかを重視している。出品者向けには常に丁寧な情報開示と迅速なフィードバックなど、出品者をココナラの一人のパートナーとして認めて情報を届けた。時には出品者限定のメッセージの送付やイベントなどを開き、出品者との関係性を築いていくよう努力している。

オンラインのサービスだからこそ、オフラインのコミュニティを作ることはとても大切だ。共感をもとに獲得したユーザは質が高く、そうしたユーザが醸成する空気感がサイトの質の維持に大きく貢献する。現在では63000人以上ものユーザが集い、累積で41000件以上の成立取引数にまで伸びるサービスとなった。

自身の思いをもとに共感をどう得るか

ベンチャーは、基本的にリソースがない存在だ。しかし大企業と違うのは創業メンバー自らが顔を出し、思いを発信できることが強みだ。現代はモノやサービスだけを消費する時代ではない。それらの背景にある人の思いや共感を表現してこそ、新しいマーケットを作っていくことができる。創業者の思いを乗せたり、ユーザのストーリーや背景が見えやすいプロダクトを新しく作ったりできることが、ベンチャーらしい戦い方だと思っている。

共感を得るためには、サービスを形づくるすべての要素が一貫したストーリーのように調和することだ。人とモノを合わせたものが、最終的なプロダクトだと考えてもらいたい。プロダクトの要素一つひとつが自分たちのビジョンと関連があるかはもちろん、運営者側が採用時やユーザと接する時にどう振る舞うかなど、自分たちの言動一つ一つが関係し、サービスと連動していることを意識してもらいたい。

考えたアイデア自体には価値はなく、誰がどこまでやりきるかが重要だ。起業家は24時間誰よりもプロダクトのことを考えているのだから、アイデアをオープンにしたところで誰もその起業家には勝てない。アイデアや思いをオープンにして、全速力で形にすることだ。

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その事業はあなたでなければできないのか?−−きびだんご松崎氏が語る事業を「自分ごと化」する方法

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起業家はどのような問題意識を持って事業に臨むべきだろうか。実はこの問題意識の持ち方ひとつで事業やサービスの方向性は大きく変化する。 松崎良太氏は新卒で日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)に入行した後、三木谷浩史氏(楽天代表取締役会長兼社長)と共に楽天の創業期に関わった人物だ。楽天ではリンクシェア買収など、国内外のグループM&A案件を多数手がけ、退社後にはスタートアップ支援としてT…

起業家はどのような問題意識を持って事業に臨むべきだろうか。実はこの問題意識の持ち方ひとつで事業やサービスの方向性は大きく変化する。

松崎良太氏は新卒で日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)に入行した後、三木谷浩史氏(楽天代表取締役会長兼社長)と共に楽天の創業期に関わった人物だ。楽天ではリンクシェア買収など、国内外のグループM&A案件を多数手がけ、退社後にはスタートアップ支援としてTokyo Otaku ModeやGinzaMetricsなどへの投資や、クラウドワークスなどの社外取締役を務める傍ら、2013年には自らもスタートアップとしてクラウドファンディング型ECの「きびだんご」を立上げている。

同氏がMOVIDA SCHOOLで語った社会への問題意識と解決方法としての事業についてまとめた。

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技術によって人と人とがつながる時代になった

個人や小さなチームがエンパワーされ、競争力の主体が国や企業から個人にシフトする時代に来ている。技術の発展によって、今までだと出会えなかった人とネットを通じてつながりやすくなった。技術を介して人と人がコミュニケーションしやすい環境となり、それによって生まれる新しい体験や価値が重要になってくる。

商品やサービスなど自分たちの生み出すものの価値を認め、共感し応援してもらうものを成長させる1つの手段として、お金を払って応援する形が出てきた。応援している人たちの手を貸りてプロジェクトを成功させリターンを返す行為は、まさに昔話の桃太郎のきびだんごの精神と似ていると考えた。

超直接金融という新しい考え方

従来の資金提供の形は、間接金融と直接金融の2つがある。銀行が間に入り、お金を貸す人と借りる人の仲介をするのが間接金融、株主が直接資金提供をするのが直接金融だ。これを超える仕組みとして、消費者自身が欲しいものを作るプロジェクトに対して、直接支援をする「超直接金融」とでも呼べるようなあり方がある。アメリカではkickstarterのようなサービスも登場し、消費者のニーズに応えるプロダクトが多く開発された。こうした形に何かヒントがあるのではと考えたのが、サービス立ち上げのきっかけだ。

継続して支援する仕組みとしてのクラウドファンディング型ECサービス

kickstarterを分析すると、少しの「もったいなさ」を感じる部分もある。プロジェクトが掲載され、目標達成に到達するまでは大きく盛り上がるのだが、期間終了後は祭りの後の寂しさのようなものを感じるのだ。掲載期間以外に支援する手段がなく、継続的な支援がしずらい状況だった。継続してプロジェクトの次期プロダクトを支援する仕組みができないか。

その問題を解決したいと考え、2013年3月にきびだんごをローンチした。きびだんごはクラウドファンディングと言い切っていない。「クラウドファンディング型ECサービス」と表現している。やりたいことがある人をみんなで支援し、プロジェクトオーナーが支援の見返りを提供するのは一緒だが、目標金額に達成したプロジェクトはそのままEC機能を持たせ、買いたいと思った人に対して継続的に購買できるようにしたのが特徴だ。

等価交換の商品を提供することができるプロフェッショナルなクオリティや実績を持った人を軸に、支援の仕組みを提供していきたいと考えている。

自分ごと化して起業を考えろ

プロジェクトは、プロジェクトオーナーや支援などで関わるすべての人たちがプロジェクトを「自分ごと化」することで、その後の盛り上がりが大きく変わってくる。いかに多くの人たちにとっての「自分ごと化」ができるか。そのための要素を作り出すことが大事だ。

起業家にとっても、事業を自分自身のプロジェクトとして見つめ直すことが大事だ。それは、あなたでなければいけないものなのか。事業の内容も含めて、すべてを自分ごととして照らしあわせてみることが、起業家に求められている。

ヒト、モノ、コトの3つの要素が高いレベルでバランスするのが優れたプロジェクト

優れたプロジェクトには、3つの要素が含まれている。プロジェクト自体の共感を持たせることができる「魅力的なコト」、プロジェクトオーナー自身の持つ要素としての「魅力的なヒト」、特典として得られる価値としての「魅力的なモノ」だ。

これは、スタートアップの事業にも共通している。実現しようとしている目的が課題解決や社会的な意義など、共感が得られることなのかどうか。創業者や経営陣の志や信頼など、魅力的な人がやろうとしているかどうか。得られるサービスがユーザやステークホルダーにとって価値が有るかといったように、ヒト、モノ、コトによって優れた事業かどうかを測ることができる。

「なりたい人」ではなく、「やりたい人」になろう

世の中には2種類の人間がいる。実現したいことがある「やりたい人」と、なりたい自分の理想の姿を追いかける「なりたい人」だ。「なりたい」はあくまでも自己実現で人からの共感は得にくいが、「やりたい」は、ほかの人のためにもなることであれば共感を得やすい。やりたいことがある人は、やりたいことを追いかけ続けることが諦めない理由となる。なぜ、それをやりたいのか。なぜ、あなたでなければならないのか。なぜ、ずっと続けられるのか。この質問の答えを、常に自問自答していくことが大事だ。

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