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Startup Genome:オーストラリアにスタートアップは豊富だが、十分な支援は受けられず

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【翻訳 by Conyac】【原文】 Startup GenomeとPollenizer、Deloitte Privateらがコラボし、オーストラリア初のエコシステムレポートが先日発表された。1,000以上ものスタートアップのデータを伴うこのレポートは「Silicon Beach — Building Momentum(Silicon Beachに弾みをつけよ)」と題され、オーストラリアにおけるエ…

【翻訳 by Conyac】【原文】

Startup GenomePollenizer、Deloitte Privateらがコラボし、オーストラリア初のエコシステムレポートが先日発表された。1,000以上ものスタートアップのデータを伴うこのレポートは「Silicon Beach — Building Momentum(Silicon Beachに弾みをつけよ)」と題され、オーストラリアにおけるエコシステムスタートアップの写真が掲載された。

データが示すのは、オーストラリアにおける起業家精神が活発であるにもかかわらず、起業家たちはスタートアップを次のレベルへ引き上げるために必要な支援を受けることができないということだ。

Startup Genomeのグローバルランキング(下記参照)を見てみると、オーストラリアのスタートアップは世界で有数の才能ある人々と肩を並べ、結果を出して差別化を図れるはずである。シドニーはトレンドセッターとして世界No.1にランクしている。


しかし、まだエコシステムは起業家の力量を最大限活かせていないようだ。オーストラリアのスタートアップは前向きで最先端を走っているものの、シリコンバレーのスタートアップに比べて100分の1しか稼げていない。

政府の助成金と研究開発費減税処置にもかかわらず、スタートアップの39%しかこれらを利用していない。政府はもっとスタートアップに働きかけるべきである。税金によって企業シェアオプションを従業員に与えることが難しく、リスクを冒してまで従業員に報酬を与えることが困難となっている。

これらが洞察思考と高いリスク耐性、パフォーマンスにおけるオーストラリアのランクの低さにつながっている。オーストラリアのレポートは補足として、同国のスタートアップは統合的なタイプで高い確証性、プロダクト中心、中小企業向けビジネスといった消費者発のアイデアを企業向けに移行する傾向があると付け加えている。

最後に、レポートではエコシステム改善のために出資者ができることについていくつかの提言をしている。起業家はもっと大志をもつよう努力し、政府はスタートアップの補助金申請をより簡単にし、企業はターゲット獲得のとめにスタートアップを探し出すということだ。

【via SGE.io】 @SGEio

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起業家精神のセレブ化は危険なものか?

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【原文】 テック起業そのものがセレブ化しつつあることは明らかである。以下は、アメリカ全体のレベルで見た実情を手早くまとめたものだ。 セレブによるスタートアップ投資が生み出したもの Facebook 創業への道のりが、長編ハリウッド映画「ソーシャル・ネットワーク」の中で描写されている。Ashton Kutcher、Justin Timberlake、MC Hammer、Lady Gaga、Justi…

【原文】

テック起業そのものがセレブ化しつつあることは明らかである。以下は、アメリカ全体のレベルで見た実情を手早くまとめたものだ。

セレブによるスタートアップ投資が生み出したもの

Facebook 創業への道のりが、長編ハリウッド映画「ソーシャル・ネットワーク」の中で描写されている。Ashton Kutcher、Justin Timberlake、MC Hammer、Lady Gaga、Justin Bieberなど、ハリウッドのセレブたちがテック・スタートアップに投資、シリコンバレーでその名を定着させつつある。主要なテック・スタートアップによる雇用機会増大で、ホワイトハウス承認Startup America Partnershipなどのプログラムが増加。Bloombergがニューヨーク・バージョンのTechStarsと称されるアメリカンアイドル風のテレビ番組を制作し、Bravoも「Silicon Valley」という本格的なリアリティショーを制作している。そして、FacebookからZynga、Groupon、Pandora、LinkedInまで、株式上場する新たなテック企業が増えている。

このような注目の結果、TechCrunchが「役に立たない、新時代のシリコンバレー(The New Silicon Valley Douchebag)」と呼ぶ現象まで起きた。今は誰も彼もがエンジェル投資家で、起業家のセレブ化が進むばかりだと言っても過言ではない。

起業家精神のセレブ化は、諸刃の剣

さて、この諸刃の剣をどう扱うのかという話から始める必要がある。そうすれば、シリコンバレーの精神が注目の熱で消えてなくならずにすむからだ。

セレブ化がどうして諸刃の剣なのか? ある面で、セレブ化は世界中から才能のある人を新たに数多くシリコンバレーに惹き付け、多くの多感な若者にウォール街の銀行マンやハリウッドスターになるよりも起業家になりたいと思わせる。これは間違いなくとても良いことだ。シリコンバレーの気質は、ほとんどの若者が世界中で聞かされる話よりもはるかに力を与えるものだ。数ヶ月前、私たちのオフィスにはデンマークの起業家団体が訪れていた。彼らによれば、デンマークの若者が世界を変えたいと話をすると、ほとんどの人がその若者たちに「世界を変えようとするあなたは誰ですか? 座って机に向かいなさい。学校へ行き、仕事に就きなさい。まずは自分を知りなさい。」と言うらしい。

そんなよく聞かされる話を、完全になくしたいと私は思う。だが、社会の流れを逆方向に動かしたりせず、起業は誰にでもできて、すぐにお金持ちで有名人になれるという幻想を広めるのはやめよう。Eric Ries氏は最近、「起業はクールじゃない、魅力的でもないし、本当に厄介だ。退屈で疲れる。こういうことは絶対に映画のシーンにはない。」と好んで言うようになった。私も、そういうことがBravoのリアリティ番組で取り上げられるとは思わない。

セレブ化の影響によって、あるタイプの人たちが突如として急増している。私たちはその人たちを「スターに憧れる起業家」と呼んでいるのだが、こういう人たちが急増していことは、健全なスタートアップのエコシステムにとっては実に危険だ。数ヶ月前、College Humorが「スターに憧れる起業家」についての面白い風刺ビデオを発表した。悲しくも、少し痛いところを突いている。

スターに憧れる起業家

「スターに憧れる起業家」には2つのタイプがあるようで、1つめはハリウッドから来た何もしない「アイデアマン」で、次世代のソーシャルメディア・アナリティクス・プラットフォームでびっくりさせようとする。あるいは、MBAを取得したばかりの自称「ビジネスモデルとマネタイズのエキスパート」なのかもしれない。このタイプは嫌らしいほどほら吹きだが、害は比較的少ない。

2つめのタイプはさらに危険だ。このタイプにはテックプロダクトの構築に豊富な才能を持つエンジニアやデザイナーが含まれるのだが、彼らはセレブ化の熱に影響され、「こんにちは。私はXXアプリの創設者でCEOです。」と言おうとする野心を抑えている。だから、大きな問題を実際に解決し、将来ビッグになるような企業に彼らの才能を活かす代わりに、誰も欲しがらない退屈なiPhoneアプリをまた作ってしまう。その結果、ビッグになりうるスタートアップの多くが、雇用する人も見つからず、機能しないチームに悩まされている。

この「スターに憧れる起業家」ウィルスを、伝染する羞恥の病、もしくはもっと悪い状況になる前に、駆除する必要がある。このウィルスがなぜそんなに致命的なのかという理由は、うわさや混乱の高まり、モチベーションの低下、才能の不適切な活用によって、 アーリーステージのスタートアップ・エコシステムが起業家の経済的可能性および社会的影響を容赦なく制限してしまうからだ。

幸い、2つの「スターに憧れる起業家」タイプには同じような治療方法がある。私は、社会学的で方法論的という2重の長期的アプローチを勧める。(「スターに憧れる起業家」は経済的影響においても長期的な社会への影響においても何も達成していない。)

 

「スターに憧れる起業家」を撲滅する方法

「スターに憧れる起業家」ウィルスの撲滅に効くアプローチの1つは、その感染者を無視することだ。スターに憧れるという自己愛性人格障害者から活力、すなわち、「注目されるということ」を奪う。

もっと深刻な場合には、もっと強硬なアプローチを用いる方がいいかもしれない。妄想的な陰謀者のまねをして、「確認」「中傷」「無効」「消滅」という4段階のアプローチを通じて戦おう。「スターに憧れる起業家」からアイデアを聞くとき、微笑んだり、うなづいたり、(たとえ冗談でも)「すばらしいアイディアだ」と言ったりしてはいけない。彼らのアイデアはつまらないと言おう。もしくは、少しはっきり言い過ぎだと思うなら、少なくとも、取り組みの中でそれが本当に一番重要なことなのか、一生砂糖水を売りたいのか、それとも世界を変えたいのかと聞いてみる。

ハリウッドの栄光を忘れ、現実世界に戻って考えてみる

秩序立てて言えば、投資家も起業家も企業がスタートアップのライフサイクルのどこに位置するのかをよりよく認識し、結果を見守る必要がある。(Startup Genomeはスタートアップライフサイクルの成長段階を「発見」「承認」「効率」「拡大」と呼んでいる。)「発見」と「承認」の段階を通過する必要性を標準化すれば、特に、何ということもない新たな「to-do リスト」アプリを誰も欲しがっていないことが数ヶ月で明らかになるだろう。そして投資家は適切な額の投資をすることができ、起業家らもロープを隠し持って自分の首をつることもない。このアプローチは実践的で、人は起業する権利を持つべきではないという非現実的な権威主義を回避する。これは、「スターに憧れる起業家」に空想を追い求めるなと言っているのではない。力で素早く、彼らと彼らのハリウッドの栄光を現実の世界に引き戻し、実際に重要である仕事をさせるようとするだけだ。これによって、明日の経済を動かすスタートアップ・エコシステムのガラクタは片付く。

テック起業界は、継続的な経済繁栄につながる、世界で最良の道筋の1つとして、当然、多くのメディア、注目、お金を引き寄せている。だが、真に世界を変えるような企業を作っている人たちだけに、称賛が与えられるということを学ばなければならない。さもないと、「スターに憧れる起業家」ウィルスが蔓延してしまう。

起業家のパワーが高まるにつれ、私たちがどうして起業するのかという理由を、社会が必死で思い出そうとするのを見たいものだ。名声、称賛、お金のためではない。それは、世界を変え、人類を前進させるプロダクトを構築するためなのだ。

【via Startup Compass】 @startupcompass


著者紹介:マックス・マーマー

マックスは、Startup Genome の創業者で、イノベーションや経済成長の論客であり、スタートアップの失敗率の高さについて言及している。Startup Compass は、世界1万6千社以上のスタートアップに採用されている。 Twitter アカウントは @maxmarmer.

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減りゆく「アイデアの変革」—スタートアップ創業メンバーに必要な〝ドメイン・エキスパート〟の存在とは?

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【原文】 これは、HBR(ハーバード・ビジネス・レビュー)の「起業精神の変革 (Tranformational Entrepreneurship)」シリーズの第2稿の再掲である。シリーズ第1稿では「起業精神の変革」の定義と、本稿で引用した「社会経済学の価値創造のマトリクス」について記述している。 投資に対するリターンは減少し、ファンドは干上がり、ビッグアイデアを推進する起業が減っていることを懸念す…

【原文】

これは、HBR(ハーバード・ビジネス・レビュー)の「起業精神の変革 (Tranformational Entrepreneurship)」シリーズの第2稿の再掲である。シリーズ第1稿では「起業精神の変革」の定義と、本稿で引用した「社会経済学の価値創造のマトリクス」について記述している。

投資に対するリターンは減少し、ファンドは干上がり、ビッグアイデアを推進する起業が減っていることを懸念するベンチャーキャピタリストは少なくない。ベンチャーキャピタリストである彼らは、「すべての起業家に対して、紙くずのような会社を設立することをけしかけ、Googleに2500万ドルで買ってもらえることを期待してきた」と、エンジェル投資家を非難するようになった。

ベンチャーキャピタリスト達は「このような物事を小さく考える姿勢が、次のGoogleやMicrosoftを作れる起業家に対し、つまらないものを作らせるようになった」と言う。スタートアップ・エコシステムに対しても、「全員負ける。IPOも無し。テック業界には、2万人の職は生まれない。未熟なスタートアップには新たな買い手もつかない」という暗示を送っている。

残念ながら、このベンチャーキャピタリスト達は、因果関係をはき違えている。エンジェル投資家が、起業家に物事を小さく考えさせているわけではない。物事を小さく考える起業家が多いだけのことだ。その理由は、起業コストが驚くほど低くなっていて、全く新しい層の起業家が会社を作るようになっているからである。

「紙くずのような会社」を作る創業者は、次世代を担う数十億ドル規模の会社を始める創業者とはタイプが異なる。前出の創業者は世界を変えたいわけではない。彼らは、自分の家族を養ったり、車を買ったり、自由を得たりするのに必要なお金を得たいだけなのだ。これらの人達は、情報経済の中でパパママの零細企業を経営しているに過ぎない。昔のレンガやモルタル職人より、テクノロジーのおかげで収入が多いだけのことだ。レストランや美容院を始める代わりに、彼らは何千とあるレストランや美容院に使ってもらうクーポンアプリを作るのだ。

このこと自体は、スタートアップのエコシステムや経済にとって悪いことではない。むしろ逆だ。ファットヘッド(訳注:ロングテールの対義語、ニッチをやらない)の企業しかいない社会と違って、何百万の「Yというニーズに対してXが欲しい」というニッチな要望を叶える、何千万という小企業がロングテール状に生み出されることになるからだ。

そして、時として、彼らはニッチな市場が、当初思っていたより大きいとわかる。リビングルームにエアマットレスを敷いて貸し出すサービス(訳注:AirBnBのこと)が、旅行レンタル市場やホテル業界を揺るがす程の数十億ドル規模の企業に成長することが想像できただろうか。見識のある多くの投資家でさえ知る由がなかったことを、私は知っている

ロングテールの台頭がベンチャーキャピタリストに与えた唯一の悪影響は、ノイズが増えた環境の中で、投資対象の選別能力を高めなければならないことだ。現在、スタートアップのエコシステムが、「パパママ零細起業家」と「次世代の数十億ドルビジネスを作る、成長力あふれた起業家」を選別することができず、多くの人の時間と労力を浪費せしめている。

ビッグアイデアの欠如は、誰のせいか?

ビッグアイデアが減少していることで、ベンチャーキャピタリストがエンジェル投資家を責めることは間違っているし、スタートアップの起業コストが低下したので、物事を小さくしか考えられなくても起業家になれた人は多いが、一方、ビッグアイデアを持つ起業家の絶対数が少なくなっているという、ベンチャーキャピタリストの指摘は的外れではないと思う。

しかし、原因は少し違うところにあると思う。私は、ソフトウェア企業のビッグアイデアが減っている原因は、シリコンバレーの創業者チームが画一的になってきているからだと考えている。創業者チームが市場に極めて合致した顔ぶれでないかぎり、数十億ドル規模の企業は実現しない。(現在では、「創業者の市場適正化(Founder Market Fit)」と呼ばれる)

これまで、成功を導く魔法の方程式は、一人か二人のエンジニアと一人のビジネスマンで成り立っていた。多くの大成功はこのパターンに従った。Hewlett氏とPackard氏(Hewlett Packard)、Jobs氏とWozniak氏(Apple)、Gates氏とAllen氏(Microsoft)、Ellison氏とMiner氏(Oracle)、Larry氏とSergey氏(Google)、Thiel氏とLevchin氏(PayPal)など、リストは延々と続く。

これらの企業を数十億ドル規模にした革新は、コンピュータ・ハードウェアやソフトウェア・インフラストラクチャの分野に限られた。彼らは、計算機、パソコン、データベース、検索エンジン、決済システムを作った。この方程式は上手くいった。テクノロジーの天才と雄弁で催眠術をかけられるセールスマンが手を組めば、数十億ドル規模のテクノロジー企業のDNAを持つことになる。

しかし時代は変わった。これらの斬新なアプリケーションは今日のインフラとなり、さらなる数十億ドル規模の会社をもたらす新しい波を作った。この7年で、テクノロジーの天才と催眠術をかけられるセールスマンだけでは、十分ではないことが明確になった。この世代の成功する創業者チームのDNAには、新たな能力が現れ始めた。

それはデザインだ。デザインはどこにでもある。デザイン思考デザインカンファレンスデザイナーファンドデザインセレブ。全て揃っている。もし、デザインを競合との差別化のカギとしている企業を挙げる必要があるなら、その企業を見つけるのはそう難しいことではない。一例を上げるなら、MintSquareQuoraAsanaPathなどがそうだ。

デザインとは、美しいインターフェイスだけを言っているのではない。デザインとは、エンドユーザのモチベーションと能力を深く理解し、複雑なテクノロジーを統一された直感的なプロダクト体験に取り入れることを意味する。

なぜ、今デザイナーの時代なのか?

インターネットとテクノロジーは、あまねく前向きに進化する。インフラの上にインフラが作られ、今まで不可能だったことに対して新しい可能性を開く。デザイナーの価値が上げるには、きれいな「AJAXの魔法のショー」を支えるために、ウェブに速さと強さが必要だった。

デザイナー達は、美しく直感的なユーザ・インターフェースに喜んでお金を払ってくれる、数十億人の消費者をインターネット上に迎える必要があった。史上最大のしくみ(=インターネット)から利益を得ていた白人のエグゼクティブ・マネージャーは給料が下がり、テクノロジー企業は、もはや長い付き合いの主要顧客ではなくなった。

しかし、私は、デザイナー主導のチームも、市場に不適応になりつつあると考えている。インターネットは必要なインフラを整え、世界中の産業を創造し直し変化させ、世界レベルのユビキタスを実現した。しかし、シリコンバレーの考えでは、閉塞感を打ち破るのに、数人の「ロックスターエンジニア」と「スーパースターデザイナー」が居れば十分だ。

このようなタイプのチームは部屋に閉じこもり、ビッグアイデアを考え、それを実行していくことができた。今では、エンジニア2人とデザイナーを一緒にして、新しいスタートアップのアイデアを考えさせたとしても、50%以上の確率でモバイル用の写真共有アプリを作り出すのが関の山だろう。このチームの能力は、デジタル業界の次なる進化が一般消費者向けに直感的なソフトウェアを作り出していたとき、医者が指示したことに他ならない。このチームは今、創造力の限界にぶち当たり続けている。

次はどうなる? 革新的なアイデアは使い果たしてしまったのか?

問題は、我々が既知のモノを新しいモノに変化させることで〝創造〟をする一方、エンジニアが理解しているのは、クラウド、モバイル、ソーシャル、ビッグデータのような新しいテクノロジートレンドでしかない、ということだ。これはチームが解決しようとしている問題が、根本的にテクノロジーの問題であるうちは問題が無かった。

しかし、現在、「純粋な情報テクノロジー」が可能にした領域では、変革が起きる可能性は限界に達している。ソフトウェアの新境地は、高度に進化した、そして導入しやすくなった技術スタックを、ビジネスの新しい領域に取り入れていくことだ。そういった領域では、テキストエディタを駆使したり、LAMP スタックを新しいものにするだけでは問題をを解決できない。

革新の行き詰まりから脱却するには、創業者チームの多様化しか道はない。私は、変革する企業の創業者チームのDNAに足りないのは、彼らが変化を起こそうとしている、産業分野の実情を良く知る〝ドメイン・エキスパート(特定分野の専門家)〟であると考えている。ドメイン・エキスパートなしでは、アイデアはイマジネーションのないものとなり、話が実現につながらない。

教育、ヘルスケア、ビジネス、アート、政府など、テクノロジースタートアップが変えることのできる産業は多く存在する。「ロックスター・エンジニア」や「スーパースター・デザイナー」とチームが組めるドメイン・エキスパートはどこにいるのだろうか。

彼らの多くは、本、講演会、大学の授業、コンサルティングセミナー等で自分のアイデアを広めようと放浪していて、彼らのアイデアをソフトウェアのアプリに落とし込める可能性にまだ気づいていない。アプリこそ、人々の生活を変え、社会に影響を与える可能性が驚異的に高いアプローチであるのにもかかわらず。

この考察に至ったのは、私がStartup Genome チームにおける、よい肩書きを付けるのに悩んでいる時だった。チームの中で、私の重要な役割は、革新のプロセスやビジネスの進化を説明できる、モデルやフレームワークを構築することだ。ならば、私の肩書きには何がふさわしいか? よい言葉が見つからなかった理由の一つは、私がやっていた昔ながらの仕事が、学術書や本に書かれていそうなものだからだと気づいた。

最近になって、この知識をソフトウェア・プロダクトに落とし込める要素が揃って来た。これが実現すれば、何百万という企業やビジネスの、日々の意思決定を向上させることができる。

今では、私はコラボレーションの機会を多く逸していたことがわかった。世界にはたくさんの素晴らしいドメイン・エキスパートと、たくさんの良いソフトウェアを作れる人がいるが、彼らが互いに話すことは稀だし、無論共に仕事をする機会も少ない。

  • 個人向けの金融ソフトウェアを作っている人が居るが、彼らはNew York Times でベストセラーとなった、Ramit Sethiの大変効果的な6週間の個人金融講座のことを知らない。

  • 個人の成長と精神的な豊かさをもたらすソフトウェアを開発しようとしている人が居るが、彼らは Integral Life Practice のことを知らない。
  • 生産性を上げるアプリを開発している人が居るが、彼らは GTD や さらに重要な Energy Managementについて知らない。

商品開発チームは、革新的な変化をもたらす上で、友達作り、フォロー、共有といった、〝本日のスープ〟のようなテクノロジーの機能だけで十分と考えている。初歩的で誰をインスパイアすることもないセオリーが、商品のデザインを侵蝕してしまっている。

この世界は素晴らしい研究やセオリーに満ちている。それらのアイデアを、日の目を見ない文書や日常的でない場所から引っ張り出し、電子化し、社会の力となるソフトウェア・ツールにする時が来ている。

シリコンバレーでは、変革のアイデアに取り組むチームは減少しており、これが画一的な創業者チームばかりが生まれる最大の理由だ。我々 Startup Genome は、ビジネスマンとエンジニアという、ダイナミックな二人で始まった。

最近になり、デザイナーも加わった。数十億ドル規模の企業に成長させられるような、創造的なプロダクトを作り出し、何千という雇用を作り出し、社会を変えるには、〝ドメイン・エキスパート〟をテクノロジー企業の創業者チームのDNAに組み入れる必要があるだろう。

この話題を取り上げたのは、「アイデアの変革」が欠如しているからだけではない。既存の科学常識との対立や、長期に及ぶ考察を嫌って、科学や技術においてもブレイクスルーが減ってきていることも議論に値する。これらのことは、The Innovation Starvation(仮訳:枯渇するイノベーション) や、In Search of Black Swans(仮訳:ブラックスワンを探せ)に記述されている。

【via Startup Compass】 @startupcompass


著者紹介:マックス・マーマー

マックスは、Startup Genome の創業者で、イノベーションや経済成長の論客であり、スタートアップの失敗率の高さについて言及している。Startup Compass は、世界1万6千社以上のスタートアップに採用されている。 Twitter アカウントは @maxmarmer.

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スタートアップ・ゲノムが「インベスター・コンパス」を開始、スタートアップはデータで経営する時代へ

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【原文】 過去一年間にわたり、スタートアップ・ゲノムは、スタートアップがより良い判断を行い、さらなる成功をおさめるためのフレームワーク、レポート、ツールを開発した。私たちの目標は、起業家たちの知恵をシリコンバレーに集め、より多くのストラクチャー、科学、データをスタートアップ・ゲノムというプラットフォームに注ぎ込み、神話と事実をうまく切り離し、学んだことを世界中の人々と共有することである。確実性が低…

【原文】

過去一年間にわたり、スタートアップ・ゲノムは、スタートアップがより良い判断を行い、さらなる成功をおさめるためのフレームワーク、レポート、ツールを開発した。私たちの目標は、起業家たちの知恵をシリコンバレーに集め、より多くのストラクチャー、科学、データをスタートアップ・ゲノムというプラットフォームに注ぎ込み、神話と事実をうまく切り離し、学んだことを世界中の人々と共有することである。確実性が低いということ、また世の中はめまぐるしく変化することから、起業は「お絵かきのような」簡単なアクティビティには絶対になり得ない。だが、スタートアップ・ライフサイクルの行程にもあるように、フレームワーク、初期段階での規模拡大などの失敗例、スタートアップ・コンパスのようなベンチマークツールを起業家に提供することで、起業家の洞察力と、事業に必要な情報を理解する力を改善することができる。

だが、スタートアップは単独では成功できない。子を育て上げるには村の力が必要であるように、スタートアップの構築にもエコシステムの力が必要となる。しかし、ちょうど起業家の例のように、スタートアップのエコシステムを構成している投資家、アドバイザー、サービスプロバイダーは、スタートアップを評価し共に仕事をする上で、多くの場合、直感的なパターン認識に頼っている。そして彼らは定期的に時間をかけて数百もの問いを起業家に投げかけ、投資判断を行う上での何らかのヒントを探り出そうとする。

私たちは、スタートアップと投資家のやり取りの多くは、スタートアップ・エコシステムに関わる者がスタートアップとよりうまくやってけるような、合理的なものであると考えている。そして今、これらの問題を解決すべく新しいスタートアップ・ゲノム・ツールの「インベスター・コンパス」をプライベートベータ版で開始した。

「インベスター・コンパス」を利用することで、投資家、アドバイザー、サービスプロバイダーは、関係する企業との進捗状況をダッシュボード1つで確認することができる。彼らはスタートアップ・コンパス上に数百もの重要なデータポイントを入力しているため、各スタートアップのKPIを示すカラーコード化されたベンチマークをはじめ、初期の規模拡大におけるリスク評価とリスクを知らせるデューディリジェンス・テストなど、通常であれば多くの時間と手間がかかるさまざまな分析を、自動的に提供することができる。これにより、投資家とアドバイザーは、ポートフォリオであるスタートアップ各社を広い視点で分析することができ、それぞれのスタートアップの是非を見て、次に取るべき措置を決断することができる。

前回の記事で、世界中でスタートアップ・エコシステムが急激に増大していることを伝えた。また、個人投資家がエンジェル投資家になる例も同様に増えている。昨年、エンジェル投資家は、3万以上ものスタートアップに投資した。JOBS Act(新規事業活性化法案、詳細はホワイトハウス発表の資料を参照)の通過とエクイティ・クラウドファンディング市場の急速な伸びを受け、私たちは、さらに多くのスタートアップとエンジェル投資家のブームを目にすることになるだろう。アーリーステージ・ビジネスへの投資の拡大により、新人の投資家やベテラン投資家は、直観的かつ(データというより)社会的裏付けに基づいていた従来の投資評価ツールが、今後は使えないようになるだろう。

さらに大きなエコシステムでは、社会的裏付けの尺度がオーバーフローしてしまい、投資家はノイズの中で情報整理することが困難となり、多くの素晴らしいスタートアップが見逃される原因となってしまう。

スタートアップ資金が効率的に運用されるには、適切で一定額の資金が、より多くのスタートアップに配分される必要があるにもかかわらず、単に資金を増額する対応がとられ、この問題を増幅している。さらに、これら新しいスタートアップ投資家の多くは、良いスタートアップとはどのようなものかについて、あまり良い直観を持っているとは言えない。正しい指標と自動化されたデューデリジェンス・テストのベンチマークは、未熟な投資家の直感をより経験豊かな投資家のそれに近づけることができるし、経験豊富な投資家の貴重な時間を節約することができる。データによるアプローチは、増え続ける取扱量を迅速に処理し、測定可能な基準を構築するパズルの一つのようなのだ。

このデータ・アプリケーションの特徴は、使えば使うほど便利になることである。「インベスター・コンパス」はスタートアップ・コンパスのベンチマークを採用しており、数ヶ月前のローンチ以来、17,000社以上の企業によって使用されている。「インベスター・コンパス」を使い、多くの案件を取り扱う処理方法へのシフトは、データによるビジネス・フロンティアを開いていく、大きなステップであると私たちは信じている。

このフロンティアが早道であることを考えると、特にイノベーションの分野に適用するときは、私たちはデータツールの限界を視野に入れなければならない。まず第一に、スタートアップはどう成長していくかがカギとなり、自分自身との闘いであるから、アーリーステージでの成功を予測することは目指すべきゴールではない。各段階にはそれぞれ新しい挑戦があり、1つのステージにおける成功は、次のステージで成功する可能性を高めることにはつながらない。例えるなら、あるプロダクトがアーリーアダプターに大きく取り上げられたからといって、マーケティングや組織的な観点から、会社をうまく拡大できていることにはならない。それよりも、次のステージに到達しようとする際、起こりうる状況を予測する方が現実的だ。考えるべき内容の多くは、これまでに同じビジネス領域を進み、多くの企業が犠牲となった地雷や落とし穴をいかにして避けるか、ということになる。これこそ、スタートアップ・コンパスからパフォーマンスが振るわないベンチマークを発見することでしか気づけない話であり、「インベスター・コンパス」では、自動で行われる50回以上に及ぶデューデリジェンス・テストを用い、情報のインデックス化に着手している。この点において、成功とは、少なくとも部分的には、失敗という否定的なものの中にも存在する。それに対して、ブレークスルーした企業とは、自ら慣習を破った企業のことだと反論する人も多い。だが、もし企業が慣習ルールを破っているなら、うっかり破ってしまうべきではないし、これこそが私たちが企業に問題を認識させてあげられることなのだ。また、慣習のルールブックを全部放り捨てたからといって、イノベーションがもたらされるわけではない。むしろ、イノベーションをやる企業は、頭の中にあるいくつかの大きな仮定をひっくり返してみて、その成功に賭けている。そして、それ以外については、かなりの部分で標準を守っているのだ。

それと同時に、私たちは今までになかった新しいアプリケーションを実現するデータの力を、低く見積もるべきではない。データが流れ込んでくるようになった業界には、いずれも大きな変化が生じる。野球の世界で言えば、Billy Beaneが統計的な手法を持ち込んでから変化が起きた。ウォール街では現在、主に統計的手法で設計された高頻度取引のアルゴリズムに基づいて運用されている。なぜスタートアップの世界では、今のところデータが業界を揺るがすものではないのだろうか?

(クリックして拡大)

1) 私たちは、正しい指標を使って測定していない

定量的にスタートアップを分析する試みの多くは失敗している、なぜなら、人々は上場企業に対して伝統的に使われてきたのと同じ財務モデルを、スタートアップにも適用しようとするからだ 。しかし、スタートアップは大企業がそのまま小さくなったものではない。これは、「人形の家の迷信」(仮訳、原語=dollhouse fallacy。リーン・スタートアップの第一人者 Eric Ries が言う「スタートアップは、大企業のミニチュア版(人形の家)ではない」という考え方。)という陥りがちな間違った見方だ。収益の成長は、スタートアップにとって進歩とは見なされない。スタートアップ・ゲノムでは、スタートアップにとっての進歩とは、大企業へと成長する課程における7つの段階、すなわち、発見、検証、効率、拡大、維持、対話、縮小だと説明している。スタートアップのライフサイクルの始めの4つのステージで、進歩を測定するのに最適な指標は、どれくらい顧客がそのプロダクトについてやりとりを行ったかだ。拡大ステージの後になって、ようやく事業は財務モデルが適用できる程度に安定するのである。

2) 正しい指標を入手して、情報を集約し、分析することが難しい

今のところ、スタートアップ・ゲノムは調査を行うことで、こうした顧客が行ったやりとりについてのデータを手に入れている。しかし、このやり方をずっと続けるつもりはない。起ころうとしているビッグウェーブは、今や頂点へと達しようとしているのだ。

今日、スタートアップが利用しているソフトウェア・アプリケーションは、ほとんどすべてクラウド上で機能するものである。まもなく、このデータには、すべてAPIを通して容易にアクセスできるようになるだろう。このトレンドにスタートアップ・ゲノムは大きく賭けている。これからの1年間を使って、スタートアップがGoogle Analytics、Salesforce、Quickbooks など、多くのアプリケーションから得ているデータを、自動的に私たちと共有できるAPIを作る予定だ。データ提供の見返りとして、私たちは、よりうまく企業を運営するため、そしてより大きく成功するための、これまで以上に正確な洞察を企業へ提供する。いったんこのデータストリームが利用できるようになれば、ビジネスがデータに基づいて動くという新たな世界がすぐに到来する。こうした画期的なことを実現するため、スタートアップ・ゲノムはシードラウンドの資金調達に向け、エンジェルリストに掲載してもらっているところだ。

もし、あなたが投資家、アドバイザー、サービスプロバイダーとしてスタートアップに協力しているならば、ここからプライベートベータ版の「インベスター・コンパス」に登録することができる。そして、もしあなたが起業家なら、関係するステイクホルダーがあなたの進歩について最新情報を得ることができるよう、彼らをここから招待することができる。

どのように利用するか、どのように発展させればよいか、ぜひ私たちに意見を聞かせてほしい。あなたと共に、この可能性に満ちあふれた領域を探索できることを楽しみにしている。

【via Startup Compass】 @startupcompass

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フォーチュン1000社が「スタートアップ・ゲノム」から学べること

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スタートアップ・コンパスは、同種のスタートアップとの比較やベンチマークなどを用いて、スタートアップにより成功しやすい手法を広めるべく活動している。その研究や調査の集積は、「スタートアップ・ゲノム」というリポートにまとめられている。スタートアップ・コンパスはシリコンバレーに本拠を置き、世界にあるスタートアップ関連コミュニティと関係を締結し、知見の共有やコミュニティ間の交流に力を注いでいる。 スタート…

スタートアップ・コンパスは、同種のスタートアップとの比較やベンチマークなどを用いて、スタートアップにより成功しやすい手法を広めるべく活動している。その研究や調査の集積は、「スタートアップ・ゲノム」というリポートにまとめられている。スタートアップ・コンパスはシリコンバレーに本拠を置き、世界にあるスタートアップ関連コミュニティと関係を締結し、知見の共有やコミュニティ間の交流に力を注いでいる。

スタートアップ・デイティングが以前、スタートアップ・コンパスの記事(『シリコンバレーにある650社のスタートアップを研究して分かったこと』『スタートアップが失敗する一番の原因は「時期尚早な規模拡大」』)を掲載して反響が大きかったことや、アジアのいくつかのスタートアップ・コミュニティからの推薦もあり、日本でのメディア・パートナーを務めることになった。

スタートアップ・コンパスが提供してくれる情報はニュースではないが、スタートアップが生き抜いていく上で非常に有用な情報を提供してくれる。スタートアップ・コンパスや、そのアライアンス・メンバーである世界のスタートアップ・コミュニティから発せられる知見を、半定期的に日本語で提供したい。


【原文】

2011年2月、私たちはシリコンバレーの掟を破り、さらに世界中のスタートアップの成功率を上昇させる、とても挑戦的なプロジェクトを始めた。

2週間前、私たちはスタートアップ・ゲノム・コンパスを立ち上げた。これは、スタートアップのベンチマーク・ツールであり、スタートアップの初歩的な失敗となる原因の調査である。反応は予想外に大きかった。8500社以上のテック系スタートアップがこのアプリケーションを使い始め、私たちの調査レポートは25000回以上ダウンロードされた。今では15カ国語以上の言葉でかかれたブログ記事やインフォグラフィックス等をインターネット上で見つける事が出来る。世界中のいたる所にすむ何千の起業家の人生に触れられたことは、とても恐れ多いことだ。

この6ヶ月、スタートアップ・ゲノム・プロジェクトは膨大な量のスタートアップのデータを収集し、起業家の思う優秀なリーダーを総合し理論上のモデルを構築した。また、起業のプロセスやイノベーションを可視化することに挑戦した。

我々の理論上のモデルの本質は、スタートアップを環境や市場と相互作用を起こすプロダクト中心の生命体と捉えることにある。この生命体の核となる軸は、顧客、プロダクト、チーム、ビジネスモデル、ファイナンスである。スタートアップの重要な課題は、いかにこの5つの軸を実際の顧客の反応と協調させるかである。顧客との協調から早々と外れてしまう例に、プロダクトの軸を急いで進めてしまうケースがある。結果としてオーバースペックな商品となり市場に受け入れられにくくなる。

スタートアップのグループ分けやベンチマークにあたって、私たちはそれらをタイプとステージで分けた。異なるタイプのスタートアップは、顧客との関係や顧客開拓の複雑性により分類する。ステージは、スタートアップが大企業までに成長するまでのライフサイクルによって分類する。各ステージには異なるゴールがあり、また鍵となるアクティビティがある。例えば、最初のステージの「発見」では、スタートアップは主に定性的な調査プロセスを得て、問題と解決方法が適切かどうかを確認する。次のステージ「検証」では、スタートアップは、実際に動作するプロトタイプをつかってより量的な調査を行う。(より詳細な方法論はこちらから)

CC BY 2.0: via Flickr by betsyweber

我々がスタートアップ・ゲノム・プロジェクトを始めてから、多くのフォーチュン100企業の幹部が我々に接触してきた。我々のツールや調査が、彼らの仕事にも適応できないか興味を示しているのだ。当初、我々はスタートアップに注目していたが、この方法論がスタートアップの進捗のみならず、さまざまな革新的なプロジェクトの進捗を図るのにも応用できることがわかった。これらの飛躍的な考察の基礎となる理論は、クレイトン・クリステンセン(ハーバード・ビジネススクール教授。「イノベーションのジレンマ」著者)とスティーブ・ブランク(「アントレプレナーの教科書」著者)によって考えられた。

CC BY 2.0: via Flickr by Eva Blue

クレイトン・クリステンセンは、破壊的なイノベーションは起こすことは、イノベーションを続けることと本質的に異なると指摘した。異なるルール、異なるマネジメント戦略、異なるタイプの人々が必要になるのだ。スティーブ・ブランクは、この起業についての科学の話を、大企業で起きる破壊的なイノベーションに関連づけた。破壊的なイノベーションのための理想的な組織構造は、スタートアップであると気づいたからである。問題は、起業についての科学が発展しているにも関わらず、イノベーションは未だに黒魔術の類いとみなされている点である。ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブス、マーク・ベネオフの革新的な成果は、彼らのカリスマ性により実現されたとみられている。なぜなら、彼らが力がかなうはずもない敵や巨大マーケットに、どのようにして勝ったのか説明が困難だからである。

しかし、今、スタートアップ・ゲノムは、これらの革新的なプロジェクトが成功するか否かを明るみにし、経営や会計のイノベーションに新たなパラダイムを提供することができるだろう。

以下に、私たちの調査から得られたよりいくつかの発見と、私たちのツールや調査が役に立つ3つの例を示した。

調査からわかったこと

  • 最も成功しているスタートアップは、少なくともピボットを一度以上経験している。ピボットを一度か二度したスタートアップは、 ピボットを経験していないスタートアップと比べて 、2.5倍資金を多く調達し、3.5倍ユーザー数の伸びが良く、早まった拡大をすることが52%少ない。ピボットとは、スタートアップがビジネスの大部分の変更を決定することである。

大企業では、社内スタートアップに対してピボットを行わせない傾向にある。

  • 異なるタイプのマーケットや商品には、異なるタイプの創業者やリソースを必要とする。B2C対B2Bというのは、もう意味のある分け方ではない。インターネットは、顧客との力の関係性を大幅に変えてしまったからである。我々は、4つの基本的なスタートアップのグループを発見した。「顧客獲得」「必要とする時間」「市場リスク」「チーム構成」において異なる性質を持っていることがわかったのだ。

大企業は、彼らの本業から学んだことをイノベーション戦略に反映しようとして失敗する。

  • スタートアップの失敗の理由は、拡大が速すぎる場合が多い。我々が収集したデータの7割では、拡大が速すぎるか均整がとれていないことが失敗理由だった。均整がとれていない主な要因は、資本が大きすぎたり、チームが大き過ぎたり、チームの構成が悪かったり、テストが不足していたりなどである。ほとんどの大企業は同じようなことをしていて、計画の成功率を過信している。

結論

  1. 早すぎる拡大をして100,000ユーザを突破したスタートアップは一つもない。
  2. 早すぎる拡大をしたスタートアップの93%は、一つの基準となる月10万ドルの売上を出せなかった。
  3. 適切な拡大をするスタートアップは、早すぎる拡大をするスタートアップより20倍成長が速い。

大企業は、社内スタートアップに早すぎる拡大を強いる傾向にある。

  • 早期のスタートアップは、発見に多くの時間を費やしている。いびつなスタートアップは、自分たちのプロダクトを顧客が欲しがっていると正当化することに集中するのに対し、分別のあるスタートアップはその2〜4倍の時間を使って、顧客が誰なのかを調べている。分別のあるスタートアップは情報を調べている。そうでないスタートアップは、(調べずに)行動を起こしている。スタートアップで広く知られていることだが、スタートアップを成功させるリーダーは、とにかく調査をする人物であり、失敗させるリーダーは、調子良く見当違いなことを実行している人物だ。

大企業は最初の市場調査からすぐに実行に入り、
「発見」と「検証」という二つの重要な段階を見逃す。

  • マネタイズを急ぐスタートアップは失敗しやすい。マネタイズに躍起になると、いびつさを引き起こす。93%のいびつな状態のスタートアップのビジネス拡大時の収入は、月10万ドルにに満たない。収入は検証するのに重要な指標であるが、あまりに執着しすぎるとスタートアップにとって、機会を逸失したり、事業拡大にはつながらない機会に傾倒し、小さなビジネスや店舗のコンサルタントに変わってしまう。

大企業は、提供する新商品や新サービスの真の価値より収入に固執しがちである。
その結果、不適切な価格設定となる。

CC BY-NC-SA 2.0: via Flickr by thewoodenshoes

ユースケース

  • 私たちは大企業に対し、スタートアップを評価し、投資に最適な時期を決めるのを助けることができる。
  • 私たちは大企業の社内スタートアップを評価し、効果的な購買や構築の決定を助けることができる。
  • 私たちのフレームワークを、ビジネスの進行や制御システムの測定の指標とし、企業買収後の向上プロセスを促進する。

世の中では、70%から95%の買収が失敗している。この大きな数値は、スタートアップに大企業の財務、人事、プロダクト、マーケット、ビジネスモデルを取り入れようとして生まれた不和が原因である。買収されたとき、ほとんどのスタートアップはこれらの点に対して確信がなく、大企業の持つ、これらの一つにでも順応させようとするあまり、会社の成長を止めてしまったり、潰してしまったりする。

たとえば、親会社は、ビジネスモデルがなく、たくさんのユーザを持つスタートアップを見込み客の獲得に使いたいのかもしれない。その結果、スタートアップのプロダクトを最初の価値目標から離れさせてしまい、ユーザベースを失い、チーム内に大きなビジョンの対立を生みかねない。

私たちのフレームワークは親会社がスタートアップの開発ステージを計るのを可能にし、スタートアップが成熟し安定に必要なレベルに達した時に統合することで、これらの企業病を解決できる。

競争のプレッシャーは増え続けるので、どの大企業もイノベーションがますます生命線となってきている。イノベーションがストップすると、会社の寿命のカウントダウンが始まる。スタートアップ・ゲノムは無限の命を保証するわけではないが、より健全な生活のために、インフラやツールを作ろうとしているのだ。

(本稿は、Sandhill.com にも掲載されました。)

【via Startup Compass】 @startupcompass

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