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SYNQA、タイのイベントチケット・マーケティングプラットフォーム「Eventpop」を買収

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東南アジアに拠点を置くフィンテック企業 SYNQA(旧 Omise Holdings)は、タイのイベントチケット・マーケティングプラットフォーム「Eventpop」を買収したことを明らかにした。買収額は明らかにされていない。SYNQA では Eventpop がグループに加わることで、カスタマと金融サービスを繋く、より包括的な Fintech ソリューションをより多くの企業に提供するとしている。 …

Image credit: Eventpop

東南アジアに拠点を置くフィンテック企業 SYNQA(旧 Omise Holdings)は、タイのイベントチケット・マーケティングプラットフォーム「Eventpop」を買収したことを明らかにした。買収額は明らかにされていない。SYNQA では Eventpop がグループに加わることで、カスタマと金融サービスを繋く、より包括的な Fintech ソリューションをより多くの企業に提供するとしている。

Eventpop はコンサート、カンファレンスなどのイベントに特化したプラットフォームだ。チケッティング、決済、ウェブサイトのテンプレート、顧客管理(CRM)まで、さまざまなサービスを提供する。また、イベント主催者が参加者の動向を深く知ることができるよう、データ分析、顧客を知る機能などが用意されている。累計1万件以上のイベントで利用、または、テストされた。

SYNQA は今年初め、Eventpop と共にオールインワンの e コマースプラットフォーム「Esimo」を発表していた。これにより SYNQA はデジタルコマース分野で、決済プロセシング以外の機能も提供できるようになった。また、SYNQA は先ごろ、White-label NFT の「Opn.Mint」を発表しているが、これを運営する SYNQA の子会社 OPN が年内ローンチ予定のオムニチャンネル E コマースプラットフォームの開発にも協力しているという。

5年前に設立された Eventpop は、エンジェルラウンドで Itthipat Peeradechapan 氏から、2016年4月にシードラウンドで KK Fund、オプト(現在のデジタルホールディングス)の東南アジア部門である OPT SEA、エンジェル投資家の眞下弘和氏(M&S Partners)から50万米ドル、2017年9月にシリーズ A ラウンドで Beacon Venture Capital とタイの Intouch Holdings 系 VC である InVent から200万米ドルを調達している。

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SYNQA、自社サイトでのNFT運営を簡単実現できるAPI&SDK「Opn.Mint」をβローンチ

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東南アジアに拠点を置くフィンテック企業 SYNQA(旧 Omise Holdings)は、同社子会社の OPN が「Opn.Mint」をβローンチしたことを明らかにした。Opn.Mint では、ユーザが構築した自社サイトに API や SDK を組み込むことで簡単に NFT を販売することができる。 OpenSea のユニコーンクラブ入り、Animoca Brands の年内 IPO、Dapper…

「Opn.Mint」
Image credit: Opn

東南アジアに拠点を置くフィンテック企業 SYNQA(旧 Omise Holdings)は、同社子会社の OPN が「Opn.Mint」をβローンチしたことを明らかにした。Opn.Mint では、ユーザが構築した自社サイトに API や SDK を組み込むことで簡単に NFT を販売することができる。

OpenSea のユニコーンクラブ入りAnimoca Brands の年内 IPO、Dapper Labs が運営する「CryptoKitties」や「NBA TopShot」の人気ぶりが象徴するように、NFT 市場は急成長している。SYNQA では Omise Payment や 旧 OMG.Network などブロックチェーン開発に従事してきた経緯から、NFT 環境構築に関する要望が多く寄せられ、Opn.Mint の構築に至ったという。

SYNQA は2015年に創業(その前身となる決済プラットフォームとしての「Omise」は、 CEO の長谷川潤氏と COO の Ezra Don Harinsut 氏によって2014年に事業を開始)。2017年に Ethereum と連動する仮想通貨とスケーリングネットワーク「OmiseGO(略称:OMG、後に OMG Network)」を発表、この事業は昨年12月、香港拠点の仮想通貨店頭取引企業 Genesis Block の投資部門 Genesis Block Ventures(GBV)により買収された(買収額は非開示)。Genesis Block と OMG Network は、分散型金融(DeFi)セクター向けの「レンディングとトレーディングのプラットフォーム」を構築する計画中としている。

OMG Network の売却に先立ち、SYNQA は事業子会社として OPN を昨年3月に設立。以降、企業が自社アプリに e ウォレット機能を簡単に追加できるソリューション、ブロックチェーンを活用した ID 管理システム、カストディサービスなどを開発してきた。昨年末には、トヨタファイナンシャルサービスと「TOYOTA Wallet」のプラットフォーム構築で連携強化したことを明らかにしていた。Opn.Mint は、OPN が開発するブロックチェーン関連サービスの中の新プロダクトの一つで、SYNQA および OPN では他社の事業買収などを足掛かりとして、Opn.Mint 以外にも複数のブロックチェーン関連サービスを開発中とみられる。

Opn.Mint では、Stripe や決済ネットワークとしての OMG(当時)でも特徴の一つとされた Restful API を NFT 分野に採用しており、ユーザは訪問中の web サイトを離脱することなく NFT を購入可能で、この仕組みの実現に必要なバックエンドは OPN が提供する。Blockchain agnostic (マルチチェーン)に対応しており、NFT で一般的な Ethereum のみならず、さまざまなブロックチェーンに対してデプロイができる。「White-label NFT」と呼ばれるこの分野には、国内では Mint、海外では NiftyKit をはじめ数多くのプレーヤーが存在している。

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トヨタ系ら85億円出資したSYNQA(シンカ)、企業を「フィンテック化」させるその手法

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ニュースサマリ:一部報道があった通り、総合フィンテック企業「SYNQA」は6月22日、シリーズCラウンドの資金調達を公表する。 追記:SYNQAから公式のリリースが公表されている。 出資したのはSCB 1OX、スパークス・グループ(未来創生ファンド・2号)、トヨタファイナンシャルサービス、三井住友銀行、SMBCベンチャーキャピタル、あいおいニッセイ同和損害保険、および非公開の投資家。SCB 1OX…

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写真左から共同創業者のDon Ezra Harinsut氏と長谷川潤氏

ニュースサマリ:一部報道があった通り、総合フィンテック企業「SYNQA」は6月22日、シリーズCラウンドの資金調達を公表する。

追記:SYNQAから公式のリリースが公表されている。

出資したのはSCB 1OX、スパークス・グループ(未来創生ファンド・2号)、トヨタファイナンシャルサービス、三井住友銀行、SMBCベンチャーキャピタル、あいおいニッセイ同和損害保険、および非公開の投資家。SCB 1OXはタイのサイアム商業銀行傘下にあるホールディングス企業。

資金調達は第三者割当増資によるもので、引受先各社が出資した総額は8000万ドル(日本円で85.8億円相当)。各社の出資比率や評価額、払込日程などの詳細は明らかにしていない。

SYNQAはシンガポール拠点のホールディングス企業で、子会社にペイメントを手がけるOmiseと、イーサリアム・ブロックチェーンネットワークを開発・運営するOMG Networkなどを持つ。2020年4月にOmise Holdingsから社名をSYNQAに変更していた。

調達した資金はアジア全域における企業のデジタル化支援を目的としたソリューション開発や、グループ拡大のための企業買収などに投じられる予定。グループ共同創業者で、SYNQA代表取締役の⻑谷川潤氏によれば、現在の組織は270名規模に拡大しているそうだ。

話題のポイント:旧Omise Holdingsが大型調達です。Omiseと言えば、タイにおける決済プラットフォームとしての展開や、ブロックチェーンを活用した事業で知られています。特にイーサリアムの初期支援企業(第一号)としての顔は有名で、発行したOmise GOのICO(トークンによる資金調達)では2500万ドルを集めることに成功しました。ICO以外でのファイナンスはシリーズBまでで2000万ドル以上を集めています。

一方、暗号資産関連のアップダウンが激しかったせいか、彼らが祖業としているペイメントや、今回、大きく調達を果たすことになったエンタープライズ事業の全貌がやや見えづらくなっている印象がありました。長谷川氏が「あらゆる企業をフィンテック化する」と表現した、プラットフォーム戦略はどのようなものか、同氏の言葉と共に紐解いてみたいと思います。

感染症拡大で加速したペイメント事業

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主力事業のOmise Payment

まず、足元を支える祖業のペイメント事業「Omise Payment(以下、Omise)」ですが、長谷川氏の話では、今回の感染症拡大でも大きな影響を受けることなく、年次で30%成長を維持しているということでした。特に影響があった旅行関連(OTA)サービスへの大型導入がなかったこと、接触を避けることからECの需要が大きく伸びたこと、店舗でのキャッシュレス(Omiseでは実店舗の決済インフラも提供)が加速したことなどが結果的に追い風となったようです。

「キャッシュレスの流れは元々、モバイルペイメントが東南アジアで伸びていたというのもあって加速していたんです。そこにきて今回の感染症拡大で人々がお金に触れたくなくなった」(長谷川氏)。

ただ、この決済代行サービスは王者PayPalをはじめ、数多くの競合となるサービスが複雑に乱立しています。元々、手数料についてはVISAなどのクレジットカードブランド利用が必須であるなど、普及している市場での差別化は困難な状況でした。そこで彼らは勝ち筋としてまず市場を途上にあったタイに定め、インドネシア、マレーシア、シンガポール、日本とアジア中心に攻めることにしたのです。

そしてそれとほぼ同時に着目していたのが、技術基盤となるブロックチェーンです。決済に関わる取引を自律分散化することができれば、圧倒的なコストメリットが生まれる可能性があったからです。

同社はイーサリアムにいち早く企業として参加し、トランザクションの処理能力を高めたプラズマ開発に協力するなど、大きな影響を与えてきました。過程の中で実施したICOや、Omise GOトークンなどの結果は全て、現在のOMG Networkに引き継がれていくのですが、ここがやはり今回の大型調達のポイントとなるわけです。

処理速度が改善したOMG Network

OMG Networkの大きな話題は、米ドルとペッグされているステーブルコイン「テザー(USDT)」によるネットワーク利用です。これ自体の詳細はさておき、リリースの中でOMG Networkは「1秒間の取引処理を数千件、手数料についてはイーサリアムの30%程度に抑えることに成功した」と伝えています。

イーサリアムを使った取引では、資産を自律的に分散管理し、P2Pで移送・交換することが可能になります。例えばデジタルアイテムをコピーされることなく売買する、といった用途です。これまでは処理速度に問題を抱えていたのですが、OMG Networkではその問題を解決しつつあるのです。

彼らがデジタルアセットについてどういう取り組みをしてきたのかについては、こちらの記事も参照ください。

TOYOTA Walletで試される「企業のフィンテック化」

ペイメントソリューションとそのトランザクションを支えるブロックチェーン・ネットワーク。この二つがSYNQAの強みです。ではこれが重なると何ができるのか。その鍵となるのが「企業のフィンテック化」という現象です。

Every Company Will Be a Fintech Company(全ての企業はフィンテック化する)

これは、投資ファンドAndreessen Horowitzが今年頭に提唱した考え方で、簡単に言えば、あらゆる企業が金融サービスの提供社となってゆく世界観のことです。

また、最近Uberがドライバーへの給与即時支払いのための独自デビットカードの提供を開始しましたが、同デビットカードの発行及びトランザクション処理、そしてライセンスはパートナーである「Green Dot」というBaaS企業が全て肩代わりして実施しています。Green DotによるUberのフィンテック企業化はまさに、“全てのスタートアップがフィンテック企業になる”という主張の説得力を大きく後押する事例だと言えるでしょう(記事より引用)。

実は、今、SYNQAの事業で最も伸びているのがエンタープライズへの導入支援です。現在、270名の体制の内、70名ほどが在籍しており、しかも日本を拠点として活動しているのがその部隊です。いわば、UberにおけるGreen Dot的存在がSYNQAになるわけです。

「エンタープライズってリードタイムがすごく長いんですね。元々インフラを持っていたので、勝手にインテグレーションしてください、だったのを加速するために私たちは『プロフェッショナル・サービス』と呼んでいるんですが、開発導入支援を強化していたんです。これが今一番伸びています」(長谷川氏)。

エンタープライズという点ではLayerXに近い部分もあるのですが、主にフィンテック支援に特化している点が異なります。例えば、今回出資したトヨタファイナンシャルサービスで開発している「TOYOTA Wallet(トヨタウォレット)」にはSYNQAグループのノウハウが活用されています。

さらにSIerと異なる点はやはり、OMG Networkの存在です。上に乗っかるサービスはポイントやウォレット、決済などそれぞれですが、その取引を支えるのは自律的な彼ら独自の分散ネットワークになります。ここが共通基盤となれば企業間での繋ぎ込みや、発行されるポイントなどの資産価値の交換などが容易になるほか、全体のネットワークをアップデートできるようになるのも、プラットフォーム共通化の利点です。

「Appleって元々ハードウェアの企業でしたよね。でも現在は収入の33%以上がサービスからのものになっています。これを可能にしたのが、エコシステムの存在です。日本のハードウェア企業との違いはここで、何らかのサービスを利用したいと思ったらApple Payがあるわけじゃないですか。さらに言えばグローバルで同じ体験ができるようになっている。ハードやサービスと決済が繋がっていないだけで体験が悪くなる」(長谷川氏)。

気になる8000万ドルの資金使途ですが、シンプルに時間を買うという考え方のようです。彼らの事業を加速させる事業買収や、東京の開発人員を拡大させることに投じられるようです。

「もう、今のステージでは燃やす(赤字を埋めるために投資する)ために使うという段階ではなくなっています。黒字化可能な状態なので、ここから更に成長率を上げるために時間を買う、という選択をしたんです。現在もいろいろ候補となる企業を見て回っています。あと、日本で導入支援をするためのチームを作っていて、そこはすごい勢いで拡大させています」(長谷川氏)。

日本人起業家としてアジアで創業し、力をつけてまた日本に凱旋してきた長谷川氏らSYNQA。日本企業を中心にアジアのフィンテック化というアップデートを果たすことができるか、結果に注目したいと思います。

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Omise、野村ホールディングスから資金を調達

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東南アジアを拠点とするブロックチェーン活用フィンテック企業 Omise Holdings は24日、日本の野村ホールディングス(東証:8604)から資金調達したと発表した。調達額は非開示。 Omise は公式声明の中で、調達した資金を使って、子会社の事業拡大、決済・ブロックチェーン技術・デジタル資産取引分野の業務拡大計画を支援するとしている。 規制のある金融業界で重要な役割を果たしている主要プレー…

Image credit: dennizn / viteethumb / 123RF

東南アジアを拠点とするブロックチェーン活用フィンテック企業 Omise Holdings は24日、日本の野村ホールディングス(東証:8604)から資金調達したと発表した。調達額は非開示。

Omise は公式声明の中で、調達した資金を使って、子会社の事業拡大、決済・ブロックチェーン技術・デジタル資産取引分野の業務拡大計画を支援するとしている。

規制のある金融業界で重要な役割を果たしている主要プレーヤーが、金融サービス、オープンインフラストラクチャ、我々が開発しているディスラプティブなテクノロジを受け入れ始めている事実は、我々にとって非常に良い兆候だ。事業を拡大する上で、安定した透明性のある規制の枠組みと、将来展望を持った政府による管轄権を求めている。(Omise Holdings グループ CEO 長谷川潤氏)

2013年に設立された Omise は、伝統的および非伝統的な金融サービスやプラットフォームを組み合わせた、オープンな金融インフラストラクチャーを構築している。現在、傘下には3つの子会社がある。

Omise は決済ゲートウェイであり、また、OmiseGo は Ethereum ベースのフィンテックネットワークで、管轄権やサイロ化された組織を横断して、法定通貨・分散型通貨の両方において、何かに依存することなくリアルタイムかつピアツーピアの価値交換や決済サービスを実現する。一方、GO.Exchange は、仮想通貨取引所だ。

2017年、Omise は FINNOMENA と Krungsri Finnovate(アユタヤ銀行の CVC)から資金調達した。昨年、OmiseGo は日本の VC であるグローバル・ブレインから支援を受けた。野村はリテール、資産運用、ホールセール(グローバルマーケッツおよびインベストメントバンキング)、マーチャントバンキングの4つの事業を柱に、1925年から事業を続けている。同社は、資産トークン化市場に参入する事業を支援することにより、ブロックチェーン技術の模索を始めている。

【via e27】 @E27co

【原文】

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GBとOmise創業者、長谷川氏がブロックチェーン事業支援「BUIDL」設立ーー企業資産を取引可にする「デジタルアセット化」の衝撃

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ニュースサマリ:グローバル・ブレインとOmiseの共同創業者、長谷川潤氏は12月7日、ブロックチェーン関連の新会社「BUIDL(ビルド)」の設立を発表した。両社で株式の50%ずつを出資し、代表取締役には長谷川氏が就任する。 補足訂正(2019年5月30日):BUIDLは長谷川氏個人とグローバル・ブレインがそれぞれ50%ずつを出資して設立されています。記事初出時に「両者」とすべきところを「両社」とし…

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BUIDL創業メンバー

ニュースサマリ:グローバル・ブレインとOmiseの共同創業者、長谷川潤氏は12月7日、ブロックチェーン関連の新会社「BUIDL(ビルド)」の設立を発表した。両社で株式の50%ずつを出資し、代表取締役には長谷川氏が就任する。

補足訂正(2019年5月30日):BUIDLは長谷川氏個人とグローバル・ブレインがそれぞれ50%ずつを出資して設立されています。記事初出時に「両者」とすべきところを「両社」としたため、法人としてのOmiseとグローバル・ブレインの2社が出資したものと誤解を生む表現となっておりましたのでこちらに訂正と補足説明をさせていただきます。

同社はまず国内企業のニーズに合わせたコンサルティングをベースに、各社のブロックチェーン事業参入を支援する。企画の策定から開発仕様の定義、PoCの開発といった上流工程の支援についてはBUIDL単体で対応する。それ以降の基幹組み込みのような開発については、外部ベンダーなどと協業して実際のニーズにあったソリューション提供を考える。

話題のポイント:2018年にタッグを組んだ2社が来年に向けて新たな展開を発表しました。両社が取り組んだイーサリアムコミュニティファンドは40の研究プロジェクトを採択し、ブロックチェーン特化のコワーキングスペース「Neutrino」は現在、国内外6箇所に拡大しています。毎月各所で10もの勉強会が開催されているそうで、事業会社との協業事例もあるなどエコシステムづくりが着々と進んでいます。

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今回発表になったBUIDLもそのエコシステムの一環として生まれたプロジェクトです。彼らが担うのが「ブロックチェーンの実ビジネス適用」。発表内容によれば、国内外半数以上の企業がブロックチェーンの事業取り組みについて「検討をしている」という状況もあり、両社への相談件数が増えたことからプロジェクトが正式に立ち上がったそうです。こういったエンタープライズとの橋渡しは共同創業したグローバル・ブレインが得意とするフィールドですね。

そしてやはり何よりわくわくするのは中心にOmiseのチームがいることです。OmiseGOをはじめブロックチェーンのビジネス利用で知見が深く、特に後ほど解説する「企業資産のデジタルアセット化(STO、セキュリティトークン・オファリング)」の話題は影響範囲が広大で大変期待されている分野です。因みにグローバル・ブレインの出資先「Securitise」もその分野にチャレンジしているスタートアップになります。

彼らはまず、幅広く企業のニーズに合わせたコンサルティング活動を推進することで具体的な相談窓口となるポジショニング獲得を目指します。海外ではR3やHyperledger、国内では日本マイクロソフトやLayerXなどがよく聞こえてくるようになりました。

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グローバル・ブレインとしてBUILDのGPに就任する佐野尚志氏

因みに「BUIDL」はブロックチェーン・暗号通貨関連のスラングで、ニュアンス的には「社会実装」に近いイメージがあります。ちょうどこの発表があった日にMashableで「暗号通貨バブルから社会実装へ(Move over HODL, it’s time to BUIDL)」っていう記事があったので、この意味についてはそちらに委ねます。

ということで本稿ではグローバル・ブレインおよびOmiseの中心メンバーに取材した内容と、カンファレンスでの発表を合わせて彼らの戦略を整理してみたいと思います。

日本のブロックチェーン社会実装、その課題

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ブロックチェーンを語る時、ビットコインをはじめとする仮想・暗号通貨が流通することで生まれた「資本市場」と、産業利用による「社会実装」の2点が大きな論点として挙げられます。特に日本は世界の半数近い仮想・暗号通貨の流通ボリュームを持ったことから、ここに強いフォーカスが当たることになりました。

その一方、社会実装については世界から遅れを取っている状況が予想されています。

とある試算では、2022年のグローバルにおける社会実装の市場規模が118億ドルに対して、日本の市場予測はたったの5億4000万ドルだそうです。比率にして5%未満という状況に長谷川潤氏は「資本と社会実装の間に乖離がある。これではいけない」と警鐘を鳴らします。

では何から手をつけるべきか。その問いに対する答えが「BUILD」です。

BUIDLのポジショニングと役割

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「バンキングやクラウドコンピューティングなど、ブロックチェーンはこうした産業への利用が可能。この社会実装を実現するためには、インターネットが社会に浸透したのと同じようなエコシステムが必要になる」(長谷川氏)。

1900年代後半に入り、インターネットは急速に成長しました。この成長の背景にスタートアップや投資家、産業界、大学、開発コミュニティなどの「生態系」が寄与したことは本誌でも毎日のようにお伝えしています。そしてブロックチェーンもまた同様のエコシステムが必要になるのです。

特にエンタープライズ、企業への「インストール」には様々なギャップを埋める作業が必要になります。BUILDの役割はこの橋渡しであり、冒頭説明の通り、試作開発までを内製で手がける体制を整える一方、基幹システムへの組み込みのような大型開発については、外部パートナーと協力するオープンイノベーション的な発想を持つという話でした。

またOmiseの持つ具体的なコミュニティ、開発ノウハウ、OmiseGOの“プレーヤー”としての実績は、他の企業との明確な差別化ポイントになりそうです。

期待される活用領域と「STOのインパクト」

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Omise共同創業者、BUIDLのCEOに就任した長谷川潤氏

では、最後に具体的な社会実装のイメージです。一般的な事例としてよく耳にするのはサプライチェーンの信頼性担保や保険の自動契約(スマートコントラクト)、送金・決済ソリューションなどですが、ここに最近「デジタルアセット」というキーワードが加わることが多くなってきました。いわゆるSTOの文脈です。

この件については長谷川氏らにイベント終了後、個別にインタビューを取りましたので、彼の言葉から可能性について紐解いてみたいと思います。(太字の質問は筆者、回答は長谷川氏とOmise Japan/BUIDLの宇野雅晴氏)

企業を対象にしたブロックチェーンの事業支援、特にサプライチェーンとペイメント領域の社会実装がはやく進みそうという話があった。一方、金融領域は規制や安全性から新しい技術導入に時間がかかるイメージがある

長谷川:既存の金融事業者がこれまでの仕組みを入れ替える、というより非金融領域でアセットを持っている企業が「金融領域に入ってくる」というインパクトの方が大きいと思います。トーカナイゼーション技術というのは今あるアセットをバリューに変えることができるからです

なるほど、確かに海外のホテルで権利をブロックチェーンに載せて、その証券をクラウドセールスする事例も耳にした。こういった依頼というのは

長谷川:本当に多いです。例えばアジアでビル資産を複数保有しているのでこの権利をトークンで分割して配布したい、自分たち独自の経済圏を作りたい、といった相談ですね。

水面下で動き出しているが国内の日常生活でこれらの実装が顕在化してくるのはいつ頃になるか

長谷川:レギュレーションの問題です。例えばSEC(米証券取引委員会)のルールでは適格投資家しかこういったトークン化された証券への投資はできません。また彼らが投資した場合、12〜18カ月はそのSTをトレードできませんから資本が実際に動くのは2年かかるでしょうね。

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Omise Japan/BUIDL シニアアドバイザーの宇野雅晴氏

その他で注目しているユースケースは

宇野:電力取引はいくつか具体的に動いているものがありますね。

確か2019年には電力の固定価格買取制度の期限切れ問題が迫ってると聞く。太陽光パネル等で生まれた余剰電力を電力会社が買い取る義務がなくなれば、個人は他の売り先を探す必要があり、大量のマッチングを捌かなければならない

宇野:そうです。電力会社というよりは、2019年問題の対応を迫られている商社などですね。太陽光パネルの利活用やプロシューマーとのマッチングをどうするか。電力供給はもちろんですが、インセンティブなどのデータをブロックチェーンで効率化できるのか、という相談を受けていたりします。

ありがとうございました

これまで資産などの権利はそれを保証してくれる第三者機関、例えば役所や銀行のような中央があって初めて社会で流通させることができました。情報化が進み、インターネットを通じてそれらのデータが素早くやり取りできるようになっても、その根本的な「保証」の仕組み自体は変わることはありません。

ブロックチェーンはこのスキーム自体を変化させる考え方です。ビットコインがまさにその試金石であり、今、その横展開が始まろうとしています。ビットコインだったものが不動産になり、電力になり、もしかしたら自分の持っているブランドバッグかもしれないし、育てたゲームキャラクターになるかもしれません。

この全ての価値を世界中のどこかの誰かと交換できる、そういう世界観です。

BUIDLの取り組みがこの世界にどこまでのインパクトを残せるのか、具体的な事例が待たれます。

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Omise、シリーズB++ラウンドでグローバル・ブレイン、三井不動産、SMDVから資金調達

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バンコクや東京を拠点に、決済ソリューションを提供する Omise や トークンエコノミーを中心としたイニシアティブである OmiseGo(OMG)を擁する Omise Holdings は18日、シリーズB++ ラウンドでグローバル・ブレイン、三井不動産の 31 VENTURES、インドネシア三大財閥 Sinar Mas の投資部門である SMDV(Sinar Mas Digital Ventur…

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後列左から:佐野尚志氏(グローバル・ブレイン ブロックチェーン担当パートナー)、百合本安彦氏(グローバル・ブレイン 代表取締役社長)、長谷川潤氏(Omise Holdings CEO 創業者)、松岡毅氏(三井不動産 ベンチャー共創事業部 事業グループ グループ長)
前列左から:一宮翔平氏(グローバル・ブレイン プリンシパル)、小玉丈氏(三井不動産 ベンチャー共創事業部 プロジェクトマネージャー)、宇野雅晴氏(Omise Japan カントリーマネージャー)
Image credit: Omise Holdings

バンコクや東京を拠点に、決済ソリューションを提供する Omise や トークンエコノミーを中心としたイニシアティブである OmiseGo(OMG)を擁する Omise Holdings は18日、シリーズB++ ラウンドでグローバル・ブレイン、三井不動産の 31 VENTURES、インドネシア三大財閥 Sinar Mas の投資部門である SMDV(Sinar Mas Digital Ventures)から資金調達したと発表した。調達金額は明らかにしていない。

今回の調達を受けて、Omise は出資各社と戦略パートナーと関係性を築き、Omise が現在開発中である金融インフラ(Omise Payment、OmiseGO、GO.Exchange)をより多くの人に届けたいとしている。

同社が以前資金をエクイティファイナンスで調達したのは、2017年10月のシリーズ B+ ラウンドだ。明らかになっている範囲において、ICO で実施した2,500万米ドルの調達やエクイティファイナンスを含め、同社の調達総額は4,500万米ドル以上に上る。

Omise は、Ethereum Community Fund(ECF)、ブロックチェーンに特化したコワーキングスペース「ニュートリノ」の運営において、グローバル・ブレインと協力関係にある。31 VENTURES は、グローバル・ブレインと三井不動産が共同で現在、300億円規模となる「31 VENTURES-グローバル・ブレインーグロースI」を運用している。SMDV は、2016年7月のシリーズ B ラウンドにも参加しており、年内にローンチすると見られる OmiseGO の東南アジア展開において重要な役割を占めると見られる。

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Image credit: Omise Holdings

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Omise、仮想通貨取引所事業参入に向け子会社を設立へ

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バンコクや東京を拠点に、決済ソリューションを提供する Omise や トークンエコノミーを中心としたイニシアティブである OmiseGo(OMG)を擁する Omise Holdings は22日、仮想通貨取引所事業を運営する子会社を設立すると発表した。子会社の社名、拠点、取扱通貨の種類などについては明らかにされていない。 Omise は、Ethreum (Plasma.io ベース)を活用したブロ…

2017年12月、東京で開催された Global Brain Alliance Forum 2017 に登壇した Omise CEO の長谷川潤氏
Image credit: Masaru Ikeda

バンコクや東京を拠点に、決済ソリューションを提供する Omise や トークンエコノミーを中心としたイニシアティブである OmiseGo(OMG)を擁する Omise Holdings は22日、仮想通貨取引所事業を運営する子会社を設立すると発表した。子会社の社名、拠点、取扱通貨の種類などについては明らかにされていない。

Omise は、Ethreum (Plasma.io ベース)を活用したブロックチェーンである OMG を開発しているが、OMG は Proof of Stake(POS)を採用するため、ネットワークを機能させるためには十分な人数の参加者が必要となる。OMG 参加者を増やすための施策として取引所を開設することで、OMG のトランザクションボリュウムの増大を狙う。

Omise は先月、グローバル・ブレインと共同でブロックチェーンに特化したコワーキングスペース「ニュートリノ」の世界展開を開始すると発表。また、Ethereum を支援する6団体と共同で、Ethereum Community Fund(ECF)を創設し、第1バッチの助成対象となるブロックチェーンプロジェクト5チームを発表している。

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OmiseGOとグローバル・ブレイン、ブロックチェーンに特化したコワーキングスペース「ニュートリノ」の世界展開を開始——第1号は渋谷から

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バンコクに本拠地を置く決済スタートアップ Omise のトークンエコノミーを中心としたイニシアティブである OmiseGo(OMG)と、東京を拠点とするベンチャーキャピタルのグローバル・ブレインは28日、東京都内で記者会見/ミートアップを開催し、ブロックチェーンに特化したコワーキングスペース「ニュートリノ(素粒子にちなむ)」の世界展開を始めると発表した。第1号は東京・渋谷に開設され(エンジニアが4…

左から:OmiseGO CEO 長谷川潤氏、イーサリアム創設者 Vitalik Buterin 氏、グローバル・ブレイン代表取締役 百合本安彦氏
Image credit: Masaru Ikeda

バンコクに本拠地を置く決済スタートアップ Omise のトークンエコノミーを中心としたイニシアティブである OmiseGo(OMG)と、東京を拠点とするベンチャーキャピタルのグローバル・ブレインは28日、東京都内で記者会見/ミートアップを開催し、ブロックチェーンに特化したコワーキングスペース「ニュートリノ(素粒子にちなむ)」の世界展開を始めると発表した。第1号は東京・渋谷に開設され(エンジニアが40人着席可)、次いでバンコクやシンガポールにも開設される予定。

OmiseGO の CEO である長谷川潤氏は昨年12月に東京で開催された Global Brain Alliance Forum 2017 に登壇し、ブロックチェーン分野では情報と技術者が不足していると強調。それを補うため、ブロックチェーンスタートアップの集積、技術者の育成、大企業でのブロックチェーン利用促進を意図したオープンイノベーション機会の創出を念頭に、コワーキングスペースの運営展開を開始することを明らかにしていた。

グローバル・ブレインは昨年、OmiseGO と共同で、ブロックチェーンプロジェクトに特化した数百億円規模のファンドを組成することも明らかにしている

また、OmiseGO とグローバル・ブレインのブロックチェーン特化イニシアティブである Global Brain Blockchain Labs(GBBL)のほか、イーサリアムを支援する世界のプロジェクト——Cosmos、Golem、Maker、Raiden——とともに、イーサリアムのインフラの整備や非中央集権型アプリ(dApp)の普及を意図したファンド「Ethereum Community Fund(ECF)」の創設を発表している。

先ごろカナダの仮想通貨特化ニュースサイト Coinsquare は先ごろ公開した記事で、世界でデジタル通貨を先導する最も影響力のある5人の一人として、イーサリアム創設者 Vitalik Buterin 氏と並んで、OmiseGO の長谷川氏の名前を挙げている。

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コワーキングスペース「ニュートリノ」のイメージ(写真はイメージです。実物と異なる場合があります。)
© TRAILHEADS

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グローバル・ブレイン、Omiseらとブロックチェーン特化ファンドを組成へ——世界展開するコワーキングスペースも開始、第一弾は渋谷から

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本稿は、12月8日にグローバル・ブレインが東京で開催した、Global Brain Alliance Forum 2017 の取材の一部である。 東京に拠点を置くベンチャーキャピタルであるグローバル・ブレインは9日、都内で Global Brain Alliance Forum (GBAF) を開催した。この中で、バンコクに拠点を置く決済スタートアップで、独自仮想通貨 OmiseGo を展開する …

左から:梶沙瑤子氏(グローバル・ブレイン ベンチャーパートナー)、宮口礼子氏(OmiseGo アドバイザー、Kraken 元日本代表)、百合本安彦氏(グローバル・ブレイン 代表取締役)、長谷川潤氏(Omise および OmiseGo 創業者 兼 CEO)、Thomas Greco 氏(OmiseGo スペシャルアドバイザー、Ethereum Foundation 元アドバイザー)、佐野尚志氏(グローバル・ブレイン ベンチャーパートナー)
Image credit: Masaru Ikeda

本稿は、12月8日にグローバル・ブレインが東京で開催した、Global Brain Alliance Forum 2017 の取材の一部である。

東京に拠点を置くベンチャーキャピタルであるグローバル・ブレインは9日、都内で Global Brain Alliance Forum (GBAF) を開催した。この中で、バンコクに拠点を置く決済スタートアップで、独自仮想通貨 OmiseGo を展開する Omise らと共同で、ブロックチェーンプロジェクトに特化したファンドを組成すると発表した。運用額は数百億円程度になる見込みだ。

グローバル・ブレインは今年9月、Omise や OmiseGO の創業者兼 CEO である長谷川潤氏のほか、Ethereum Foundation の元アドバイザーで現在は OmiseGo のスペシャルアドバイザーを務める Thomas Greco 氏らとともに、ブロックチェーン・エコシステムの醸成に向けた新会社 GB Blockchain Labs(GBBL)を設立している。Omise は今年7月、ICO で2,500万ドルを調達しており、この金額は同社にとって、VC からの調達総額である2,000万ドルを上回っている。

イスラエルの SiteAware 開発のドローンプラットフォームを使った、東京・日本橋の建設現場での PoC について語る、グローバル・ブレインの青木英剛氏(左)と、三井不動産ベンチャー共創事業部の能登谷寛氏(右)
Image credit: Masaru Ikeda

GBAF では、グローバル・ブレイン代表取締役社長の百合本安彦氏が、現在運用中のファンドの状況を説明。KDDI と運用する KDDI Open Innovation Fund では韓国スタートアップへの出資を強化していることや、三井不動産と運用する 31 VENTURES Global Venture Fund からは、イスラエルの建設業向けドローンソフトウェア開発スタートアップ SiteAware(投資時の社名は Dronomy)への投資実績などが披露された。昨年発表した GB-Ⅵ号ファンドについては、LP(リミテッドパートナー)12社から約200億円を集め、今年6月に調達をクローズしたという。

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同社のこれまでの投資先についても、Loco Partners(イグジット先は KDDI)、カブク(イグジット先は双葉電子工業)、Fluenty(イグジット先はサムスン電子)、August(イグジット先は ASSA ABLOY)など2017年には11社がイグジットを達成、IPO と M&A を含め、同社設立以来の累積イグジット率は42%に上ったことを明らかにした。

グローバル・ブレインの2017年のファンドアップデイト
Image credit: Masaru Ikeda

この日、GBBL にも関わる長谷川氏がプレゼンテーションを行い、Ethereum 関連ビジネスはまだ黎明期にあり、エコシステムを形成するためには、圧倒的に情報と技術者が不足していると強調。それを補うため、この分野のインキュベーションに注力するとし、グローバル・ブレインとブロックチェーン特化のコワーキングスペース事業を展開することを明らかにした。その第一弾は来春、渋谷から開始される予定だ。

(コワーキングスペースを)この分野の世界トップクラスの人々に出会える場所にしたい。(中略)

大企業の方々には、もちろん協賛してもらえるのもありがたいが、協賛だけでなくビジネスに積極的に利用してもらいたい。日本で生まれたプロジェクトを世界に持っていこうと思っている。バンコク、ベルリン、ポーランドなどにも出て行きたい。(長谷川氏)

長谷川氏の発言からは、このコーワキングスペースにはコワーキングのみならず、大企業でのブロックチェーン利用促進を意図したオープンイノベーションの文脈も伺い知ることができる。

仮想通貨のトランザクションパフォーマンスの低さが指摘される中、OmiseGo では当初から100万件/秒を目指すと展望の高さを力説する長谷川氏
Image credit: Masaru Ikeda

なお、長谷川氏が Ethereum を積極的にビジネスに取り込むことになった契機については、THE BRIDGE に転載した彼のブログ投稿に詳しい。長谷川氏には、来年1月に東京で開催予定の THE BRIDGE イベント「THE COIN」にもキーノートスピーカーとして登壇いただく予定だ。

グローバル・ブレインのこれまでのブロックチェーン関連の投資先には、Bluzelle、Coins.ph、Digix、韓国のモバイル証券取引スタートアップ Dunamu(두나무)などがある。

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ブロックチェーン特化コワーキングスペース事業で実施される内容
Image credit: Masaru Ikeda

ブロックチェーンに関する世界の VC の動きを見てみると、著名な未来学者 Don Tapscott 氏の息子でベストセラー「Blockchain Revolution(邦題:ブロックチェーン・レボリューション、ダイヤモンド社刊)」の共著者である Alex Tapscott 氏が設立したブロックチェーン特化ファンド NextBlock Global が、年内にもトロント証券取引所に IPO する予定。ニューヨーク拠点のイーサリアム特化スタートアップ・スタジオ ConsenSys は今月初め、5,000万ドルの投資ファンドを立ち上げたほか、世界的大富豪で投資家の Mark Cuban 氏は、暗号通貨専門サイト Coinbase の元ビジネス開発マネージャー Nick Tomaino 氏が立ち上げた、2,000万ドル規模の暗号通貨特化ファンド「1confirmation」に出資したことが明らかになっている。また、サンフランシスコに拠点を置く Pantera Capital は今年6月、1億ドル規模の ICO ファンドを立ち上げている。

国内を見てみると、先週には B Dash Ventures が、1億500万米ドル相当を ICO で調達したブロックチェーンスタートアップの Quoine と共同で、ICO 特化ファンド「B Cryptos」をローンチしている。今後も日本内外の VC 各社から、仮想通貨、ICO、ブロックチェーンに特化したファンドの発表が相次ぐことが期待される。

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タイ発決済スタートアップのOmise、MUFG傘下アユタヤ銀行のCVCから資金調達を実施

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【10月4日21時更新】 日本における手数料に関する記述を追記 バンコクを拠点とする決済ゲートウェイである Omise は本日(9月28日)、コーポレートベンチャー部門 Krungsri Finnovate のリードで金額非公開の資金調達を実施したと発表した。 ニュースレターの購読 注目すべき記事、世界のスタートアップシーンの話題、BRIDGE 主催のイベントに関する情報をお届けします! Sign…

Omise_Krungri_seriesb

【10月4日21時更新】 日本における手数料に関する記述を追記

バンコクを拠点とする決済ゲートウェイである Omise は本日(9月28日)、コーポレートベンチャー部門 Krungsri Finnovate のリードで金額非公開の資金調達を実施したと発表した。

Krungsri Finnovate は Krungsri(アユタヤ銀行)の子会社であると同時に、日本の金融ホールディング・カンパニーである三菱 UFJ フィナンシャル・グループのグループ企業でもある。

今回の投資は Krungri Finnovate にとって、2週間前に公表された FINNOMENA に対する320万米ドルの投資に続いて今年2件目となる。

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この取引で Krungsri は Omise の決済技術を導入し、自身のオンライン決済サービスを強化していく予定だ。

Omise および OmiseGO の CEO で設立者の長谷川潤氏は声明でこのように述べた。

当社はオープン決済やバリューエクスチェンジの発展に向けて、基盤の強化やプラットフォームの構築に取り組んできました(OmiseGO ネットワーク)。パートナー企業とのシナジーそして今回調達した新たな資金を活用してプラットフォームのさらなる構築を進め、ゆくゆくはアジア太平洋地域全体に事業を拡大していきたいと考えています。

今回シリーズ B ラウンドを実施した Omise は、数か月前にもブロックチェーンベースの e ウォレット(OmiseGo)で2,500万米ドルの ICO を実施したばかりだ。OmiseGO の目的は、銀行を全く介さずに送金や商品購入が行えるエコシステムの実現である。

ただし、TechCrunch の報道によると、この商品の完全ローンチは早くても2018年後半になるという。

Omise の実績や同社がすでに名の知られた企業であるということから、同社のトークン販売は ICO が確実な(かつディスラプティブな)可能性を持っていることを示す例となった。

Crunchbase の情報によると、今回の資金調達までに Omise は ICO も含めて4,540万米ドルの資金を調達してきた。ただ今回、投資ラウンドのアルファベットが少々紛らわしいことになっている。Omise は本日(9月28日)発表した資金調達をシリーズ B としているが、同社が昨年1,750万米ドルを調達したラウンドも同じくシリーズ B と発表していた。

e27ではこの点について Omise に確認を進めており、回答が得られ次第、記事を更新する予定だ。

Omise(日本語の「お店」に由来する)の主力商品は Braintree や Stripe と同じような決済ゲートウェイだ。これは、取引可能なプラットフォームを企業がすぐに構築することができるホワイトラベルソリューションである。

中小企業向けのプランでは、Omise のソリューションは無料で導入できるが、取引ごとに3.65%の手数料が発生する(同社日本オフィスよる指摘:3.65%はタイにおける手数料であり、日本での手数料は2.95%とのこと)。他にも、本格的なエンタープライズ版が段階的な料金体系にて提供されている。

現在、日本、シンガポール、タイにて事業を展開しているが、近い将来にはインドネシアやマレーシアにも進出予定だという。

【via e27】 @E27sg

【原文】

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