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パッションエコノミーから考える「旅」の価値とスタートアップチャンスについて

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  旅の経験をもっと可視化することはできないでしょうか。 というのも、旅から得られる経験はオリジナリティー性が強く、個人に依存するため、旅人一人ひとりが価値を創出できる可能性を秘めていると感じているからです。また「旅のストーリーが個人を強くする時代」でも触れたように、パッションエコノミーの機運が高まるにつれその傾向はさらに強まると考えてます。 旅に出ることのハードルが低くなっていることも…

 

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Photo by Belle Co on Pexels.com

旅の経験をもっと可視化することはできないでしょうか。

というのも、旅から得られる経験はオリジナリティー性が強く、個人に依存するため、旅人一人ひとりが価値を創出できる可能性を秘めていると感じているからです。また「旅のストーリーが個人を強くする時代」でも触れたように、パッションエコノミーの機運が高まるにつれその傾向はさらに強まると考えてます。

旅に出ることのハードルが低くなっていることも要因のひとつです。(時期的には難しいですが)Airbnb・LCCの浸透で、金銭的にも思い立った時にどこか異国の地へ旅立つことが容易となりました。また世界300都市で利用可能なスーツケースの民泊「BagBnb」や、旅先にレンタル形式で必要な服を配達してくれる「TRVL Porter」が台頭してきています。これらにより、旅に出るための物理的な事前準備さえも必要なくなる未来が見えてきています。

<参考記事>

旅のアウトプットといえばYouTubeでVlogを残したり、記事ブログを書いたりすることが一般的です。もちろんそういった活動も、旅を通した価値の可視化であることに間違いありません。ただ、こういった手法では旅をした人の価値を社会に還元させる、とまではいかなさそうです。何らかの新たなアウトプット手法はないものでしょうか。

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Image Credit:PokemonGo

答えの一つとして、一世を風靡(び)した位置情報スタートアップ「Foursquare」の存在が挙げられます。同社は位置情報 × SNSの事業領域にゲーム性を付け加えることで、リアルRPGのような感覚を世界へ普及させました。ユーザーの位置情報を移動した後も所有し続ける環境をSNS上で整えたのです。今ではインスタのストーリーが彼らと同じ価値提供者になっていたり、NianticのPokemonGoもその延長線上と言えるでしょう

また、P2P型の旅人マーケットプレイスを提供する「TRVL」では「Together we’ve been everywhere」をビジョンに、旅のエキスパートが集まる市場となることを目指しています。同マーケットプレイスでは、旅のエキスパート(旅先に関しての知識が豊富)が個人のエージェントとなれ、旅へのアドバイス・予約までを担当しコミッションフィーを稼げる仕組みとなっています。今まで旅人を自称しTripAdvisorなどでコメントをたくさん書いていた層と考えると分かりやすいでしょう。

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もうひとつの答えとして旅を通じた人材を育成しようという動きもあります。日本のトラベルスタートアップ「TABIPPO」はちょっと変わったキャリア育成プログラムをスタートさせました。TABIPPOが昨年より実施する人材育成プログラム「POOLO」の定義は、「旅をした経験を社会に還元する、次世代を創るアンバサダーコミュニティー」です。まさに「旅 × パッションエコノミー」を体現したものと言えます。

具体的には、旅の経験が豊富な参加者が集まり、議論する場を通してグローバルで活躍すために本当に必要なマインドセット・スキルを共有していくプログラムとなっています。世界中を旅した個人だからこそ得られる価値観や視点ではないでしょうか。

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POOLOが考える旅を通じたグローバル人材の定義

さて、旅人がその場その時で感じたある場所での経験は、表現の仕方によっては身分証明書と同じような「信頼」になるのではと感じています。

いくつかのトラベル・スタートアップたちは旅人である価値を表現し始めています。パッション・エコノミーがこれからさらに注目されることになれば、その市場には魅力的なチャンスが生まれることになるのは確実でしょう。

しかしこの市場に特化したスタートアップは多くありません。先日a16zから発表のあった「The a16z Marketplace 100」におけるトラベル領域もそのほとんどが、OTAと民泊でした

とはいえ、私たちがAirbnbを既に珍しがらなくなったように、市場は既に新しい価値提供ができるサービスを求めています。この点において、パッションエコノミー文脈とつながりの強い、「旅の価値表現」は注目され始めるのではないでしょうか。