台湾の新しいベビーカメラ Cubo AI は、2021年にヨーロッパと日本の市場に間もなく参入すると発表した。Cubo AI の CEO Joanna Lin(林伯修)氏は、創業から4年で年商が0から2億ニュー台湾ドル(約7.4億円)に達したと述べた。同社は今後も世界展開を継続する。 台湾の衛生福利部(日本の厚生労働省に相当)が発表した最新の乳幼児死因報告書によると、台湾の乳幼児死因の第4位は事故…
Cubo AI のチーム
台湾の新しいベビーカメラ Cubo AI は、2021年にヨーロッパと日本の市場に間もなく参入すると発表した。Cubo AI の CEO Joanna Lin(林伯修)氏は、創業から4年で年商が0から2億ニュー台湾ドル(約7.4億円)に達したと述べた。同社は今後も世界展開を継続する。
現在市場に出回っている従来の赤ちゃん監視カメラと比べ、Cubo Ai の製品と競合他社との最大の違いは、カメラ内部の AI 技術が、子供が口や鼻を覆っていたり、転がっても戻ってこなかったり、キッチンやベランダなどの危険な場所に入ってしまった場合などの「本当の危険」を判断し、泣き声の通知やスマートフォンでいつでも子どもの様子を見るといった基本的な機能だけではなく、すぐにモバイルアプリで保護者や保育者に通知することができる点だ。
Cubo AI は創業から4年で年商は毎年4倍の成長を記録し、2020年には約3万台が販売された。来年は今年の3倍の売上成長を維持したい。(Lin 氏)
Cubo AI は16日、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、日本など、十分な消費力があり、新生児向けの市場が大きい国に参入すると発表した。「国際市場参入に合わせ、より手頃な価格の製品も開発していく(Lin 氏)」という。また、Cubo AI が将来、赤ちゃん向けスマートホーム主要ブランドになることを望んでいるとも Lin 氏は語った。
Cubo AI は2018年、強力な AI 技術を搭載したスマートベビーカメラで台湾最大のクラウドファンディングプラットフォーム「Zeczec(嘖嘖)」に名を連ね、台湾の母子テック製品の歴史的記録を更新し、1,000万ニュー台湾ドル(約3,700万円)以上を調達。2019年6月、世界有数のクラウドファンディングプラットフォーム「Indiegogo」で50万米ドル以上を集め、母子テックカテゴリでクラウドファンディングの記録を更新した。
Cubo AI は台湾を拠点とするスタートアップで、設立から4年間で年商はすでに2億ニュー台湾ドル(約7.4億円)に達した。Cubo AI が4年間でどのようにして成長したかを振り返って、Lin 氏はCubo AI の3つの主要戦略を分析している。
Cubo AI
1. 台湾生まれ、強力な技術陣とハードウェアのコミュニティに支えられて
2020年には、台湾のパソコン部品メーカー Chicony(群光)と共同開発した二代目となる製品「Cubo AI Plus」を発売、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、台湾で販売している。Lin 氏によると、台湾に強力なハードウェアのコミュニティがあり、一流のソフトウェアの才能と相まって、Cubo AI は一流の AIoT 製品を生み出すことができているという。
また、Cubo AI は TechOrange(科技報橘)とのインタビューで、チームの最大の強みは研究開発力の高さで、コア技術をすべて自社で持っていることだと指摘している。 赤ちゃんの鼻や口を検知したり、危険な場所に入ったことを知らせたり、自動で写真を撮ったり、かわいい画像を記録したりと、AI 解析エンジン、ソフトウェア、ハードウェアはすべて自社チームで設計・開発している。
Cubo AI と協業した Chicony 映像プロダクト部門長の Mandy Tsai(蔡媚伊)氏は、次のように語った。
Chicony の部門も Cubo AI のようにゼロから始まる革新的な部門であるため、外国の大口顧客や大企業と仕事をするだけでなく、より多くの台湾のチームをサポートしていきたいと考えている。
我々は台湾の産業にもっと還元すべきだと思う。新しい創造は本当に難しい。最も不足しているのは貢献できるパートナーだ。Chicony は Cubo AI への貢献を担当するパートナーだ。将来、Cubo AI の製品をより良くするために協力することを楽しみにしている。台湾に新たな光を育て、ものづくりの台湾というだけでなく、多くの才能があることを世界にアピールできるよう、Cubo AI の製品をより良いものにするため、共に頑張っていきたい。
2. D2C モデルを成功させた Amazon を念頭に、最初から世界市場を展望
次のステップは、世界最大のオンラインストア Amazon に商品を置くことだ。(Lin 氏)
2019年末、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアなどの英語圏の Amazon で Cubo AI の販売が開始されました。 2020年、台湾 Amazon で販売されているブランドの中でも最も成功しているブランドの一つは Cubo AI だ。Cubo AI は台湾を中心に、Amazon の強力なグローバル EC と物流プラットフォームでグローバルビジネスを行っており、「D2C モデルで今回参入を決めたヨーロッパや日本にも Amazon がある」と Lin 氏は語った。
物理的なチャネルを経由せず、Amazon と自社公式サイトのみでの販売を選択するという、グローバルなオンラインチャネルのデジタルエコノミー戦略により、Cubo AI は世界的なコロナ禍においても売上を伸ばし、2020年には2019年の4倍の売上高を達成し、2億ニュー台湾ドル(約7.4億円)近くに達することができた。
Cubo AI の共同創業者で広報ディレクターの Dan Kangning(単康寧)氏によると、2020年のコロナ禍には、オンラインチャンネルの人気の高まりやテレワーカーの割合が増えていることから、消費者の Cubo AI 製品に対する需要が欧米では旺盛だったという。
2015年にサンディエゴで設立された Kneron は、AIoT、スマートホーム、スマート監視、セキュリティ、モバイルデバイス、ロボティクス、産業制御のための統合されたソフトウェアとハードウェアのエッジ AI ソリューションの設計と開発に特化。
主に、AI を実行するスマートデバイスの3つの主要な問題——セキュリティ、エネルギー、コストを解決する。Kneron のソリューションは再構成可能で、画像と音声の AI モデルの処理効率を向上させる。同社は2020年の「CB Insights AI トップ100社」に選ばれ、先日、4,000万米ドルを調達し、シリーズ A ラウンドの調達総額は7,300万米ドルに達した。
今年4月にサービスを開始したところ、広告を出さない状態で、サービス開始前から日本やインドネシアを中心にすでにのべ約3,000人の従業員が利用。主な取引先には、NTT 東日本、不動産管理の合同産業、インドネシアのハイパーマーケット Pondok Indah などがあり、いずれも数千人の現場従業員を擁する企業だ。
血液がん免疫測定の AI 解析プラットフォームを開発した AHEAD Medicine
同じく台湾の AHEAD Medicine は、血液がん免疫測定のためのAI解析プラットフォームを開発した。このプラットフォームは、7日から14日かかっていた血液がん検査の時間を検査の即日結果を出すまで短縮でき、結果を待つ患者とその家族や友人の心理的苦痛を減らし、貴重な治療期間を短くできる。創設者の Andrea(王毓棻)氏にはがん病歴があり、その人生経験を起業家精神に変え、現在の共同研究者には UMPC(ピッツバーグ大学医療センター)や NTU(台湾大学医学部附設医院)などがある。
「BTS にもを使ってほしい」と願う17歳の CEO が立ち上げた Dance Clout
Dance Clout CEO の Jerry Chang(張杰)氏
AppWorks Accelerator 史上、最年少創業者というの記録を打ち立てた Dance Clout CEO の Jerry Chang(張杰)氏は、ステージ上でダンスを披露し、Dance Clout のチーム紹介を始めた。Dance Cloutは、AI 技術を使ってダンサーのコミュニティを構築することを目的としている。17歳の創業者は、高校ダンスクラブ「建中熱舞(台北市立建國高級中学熱門舞踏社)」に所属し、建國高級中学科学部(理系)に在籍する高校生だ。
IoT 領域から今回のデモデイに登壇したチームも起業家精神に溢れていた。自動運転ソリューションを開発する台湾の iAuto(艾欧図科技)は、「2018-2019 ドバイ・ワールド自動運転交通チャレンジ(The Dubai World Challenge For Self-Driving Transport)」に参加し、New Startups Group で2位を獲得したほか、Taiwan Mobile(台湾大哥大)、Formosa Plastics Auto Transport(台塑汽車貨運)と共同で、5G ネットワークを組み合わせ、台湾の高齢者施設「長庚養生村」で運行される自動運転システムを開発した。これは、自動運転車の産業用・商業用アプリケーションを開発する、分野を横断した最初の事例だ。
また、Aiello の AI 音声 SaaS プラットフォームは、ホテル、ケータリング、観光などのサービス業界のバックエンド管理システムやオンラインデジタル音声サービスで利用できる。Aiello CEO の Vic 氏は、Google Home の出身で、ホテル、ケータリング、旅行サービス業界におけるスマートスピーカーの巨大な可能性を目の当たりにしたことから、起業を決意した。
WASAI Technology はチップ設計に特化し、DNA 解析に利用できる高速 AI チップを開発。医療分野出身の WASAI CEO Calvin 氏は、遺伝子とコンピューティング技術を通じて、市場で拡大する DNA シーケンシングの需要に応えたいと考えている。Calvin 氏は自らも遺伝性免疫疾患の患者であり、技術でより多くの命を救うことを望んでおり、より価値のある起業テーマだと思うと語った。
AI を授業や学習に活用したチーム
すべての学習者の効果を高めるために、教育や学習に AI を応用することは、今後の重要なトレンドであり、今回のデモデイではこれを起業のテーマに掲げたチームが多く見られた。
アジアをリードするオンライン旅行体験プラットフォーム「KKday(酷遊天)」は、日本のクールジャパンファンドと National Development Fund(連合国発基金)がリードしたシリーズ C ラウンドを7,500万米ドルの調達でクローズしたと発表した。このラウンドには、Monk’s Hill Ventures や MindWorks Capital(概念資本)などの既存投資…
KKday(酷遊天) 創業者兼 CEO Ming-ming Chen(陳明明)氏 Image credit: KKday(酷遊天)
アジアをリードするオンライン旅行体験プラットフォーム「KKday(酷遊天)」は、日本のクールジャパンファンドと National Development Fund(連合国発基金)がリードしたシリーズ C ラウンドを7,500万米ドルの調達でクローズしたと発表した。このラウンドには、Monk’s Hill Ventures や MindWorks Capital(概念資本)などの既存投資家も参加している。
KKday の強力な実行力と革新的マインドセットは、逆境の中においても日本の観光産業の発展に貢献するものと確信しています。(中略)彼らが観光産業のデジタル化において豊富な経験を活用することで、日本をはじめ世界的にも FIT 旅行者の増加に貢献し、同産業を活性化してくれることを期待しています。(日本語原文ママ)
Monk’s Hill Ventures 共同創業者兼マネージングパートナーの Kuo-Yi Lim 氏は次のように述べている。
台湾発のビッグデータ企業 Vpon(威朋)は9日、シリーズ C ラウンドで12億ニュー台湾ドル(約42億円)を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、日本政府系のクールジャパン機構、韓国政府系の STIC Investments、日本の BEENOS(東証:3328)、香港の WWPKG(縱橫遊、香港証取:8069)および CTEH(加達、香港証取:1620)が出資する旅行関連投資会社 Triplabs。
これは、Vpon にとって、2011年6月に実施したシリーズ A ラウンド(700万米ドルを調達)、2014年7月に実施したシリーズ B ラウンド(1,000万米ドルを調達)に続くものだ。今回のラウンドを受けて、累積調達金額は60億円相当以上に達したとみられる。また同社は今年7月、元台湾国家発展委員会大臣の陳美齢氏をビジネスアドバイザーに迎えている。
Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから。 台湾のソーシャルメディア企業である M17 Entertainment(以下、M17 と略す)は、世界的な拡大計画を推進するため、Vertex Growth Fund がリードしたシ…
Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから。
台湾のソーシャルメディア企業である M17 Entertainment(以下、M17 と略す)は、世界的な拡大計画を推進するため、Vertex Growth Fund がリードしたシリーズ D ラウンドで2,650万米ドルを調達したと発表した。
声明によると、Stonebridge Korea Unicorn Venture Fund、Innoven Capital Singapore、加賀電子(東証:8154)、ASE Global Group(日月光集団)も、このラウンドに参加した。
VAR LIVE(維亜娯楽)は、すべてのプレイヤーを夢中にさせるエンターテイメント体験を提供。主要製品である「VAR BOX」は、e スポーツ、コミュニティ、エンターテイメント、ビジネスアプリケーション、トレーニングを一つに統合したオールインワン VR e スポーツソリューションだ。現在、特許技術を14件保有し、e スポーツゲームを9つリリースしている。世界中で実験店舗30軒、VR テーマパーク開発5ヶ所に携わり、この4ヶ月間で VAR BOX を9ヶ国で327台展開した。全世界にアクティブメンバーが3万人いて、累積で17万回以上利用された。
これまでに SparkLabs Taipei のアクセラレータプログラムから輩出されたスタートアップ18チームのうち、70%は後続の資金調達に成功している。後続資金を出資した投資家には、台湾の政府系ファンドである行政院国家発展基金 NDF(National Development Fund)、500 Startups、NEC キャピタルソリューション、Hive Ventures(蜂行資本)などがある。
なお、このデモデイにおいて、SparkLabs Taipei が Taipei Smart City Office(台北智慧城市專案弁公室)の戦略パートナーとなったことが発表された。SparkLabs Taipei のアクセラレータプログラム第1期から輩出された FOX-TECH(福客斯資訊)が既に Taipei Smart City Office と協力し、台北市北部の内雙溪森林自然公園で気温や湿度のモニタリングを行っている。