THE BRIDGE

タグ タイ

在タイ日本大使館、日系企業と現地スタートアップの協業支援イベント「BLEND」のデモデイ開催——トラベルテック特化の第2期に16社が集結

本稿は、バンコクを拠点に活動するイノベーションコンサルタントの宮田直栄氏による寄稿。 宮田氏は、旅行者が残った釣り銭を匿名寄付できるサービス「Coin⇆Back」をバンコクで共同設立。ローカルオンデマンドサービス「ServisHero」のタイにおけるオペレーションや人材獲得を統括した。現在は、世界を目指すスタートアップを後押しするプログラム「JETRO Innovation Program(JIP…

宮田直栄氏

本稿は、バンコクを拠点に活動するイノベーションコンサルタントの宮田直栄氏による寄稿。

宮田氏は、旅行者が残った釣り銭を匿名寄付できるサービス「Coin⇆Back」をバンコクで共同設立。ローカルオンデマンドサービス「ServisHero」のタイにおけるオペレーションや人材獲得を統括した。現在は、世界を目指すスタートアップを後押しするプログラム「JETRO Innovation Program(JIP)」のタイにおけるメンターを務める。

チュラロンコン大学サシン経営大学院で MBA を取得。


在タイ日本大使館は23日、Digital Economy Promotion Agency(DEPA)とタイ国政府観光庁(TAT)の協力を得て、在タイ大手日系企業、タイ大手企業、タイのスタートアップ企業による協業を支援するためのイベント「BLEND」の第2期デモデイを開催した。

本イベントは、日本とタイの革新的スタートアップと両国の企業の戦略的提携を促す「Open Innovation Columbus(OIC)」という活動の一部であり、今年10月に開催された第1期の電子・機械製造部門(FactoryTech、LogiTech、HRTech)に続いて2回目の開催。今回は旅行産業(TravelTech) を対象にしている。

周知の通り、タイへの旅行客は年々右肩上がりに上昇しており、世界の人気観光地ランキングでは常に上位に位置し、海外旅行収入額ランキングでもアジアで1位だ。多くの企業がこのチャンスをビジネスに活かそうと集まっているが、近年では特に Airbnb や Grab などのシェアリングサービスの普及が消費者の購買行動を大きく変えたと言えるだろう。今後、日本の企業がインバウンドとアウトバウンド市場を制するには、現地市場への深い理解に基づくオープンイノベーションが必要不可欠となる。

こうした環境を背景に、現地の市場や消費者ニーズを熟知している現地トラベル系スタートアップと資金、人材、技術的蓄積、営業ネットワーク、顧客データなどの多大なるリソースを保有する観光系大手日系企業の戦略的提携を促すことで、オープンイノベーションを起こそうというのが OIC の狙いである。

今回のイベントには、観光系大手日系企業との協業に関心を持つタイのトラベル系スタートアップ16社が集まり、在タイ日系企業とタイ企業幹部関係者約140名を前に自社サービスの PR を目的としたピッチを行った。日本から JAL、ANA、JTB、HIS のほか、タイ航空やバンコクなどに拠点を置くAgoda(2003年にタイのプーケットで設立、2007年にアメリカの Booking.com が買収)が参加した。

開会挨拶では、着任後初の参加となる在タイ日本国大使館の梨田和也大使より OIC の目的や意図、タイと日本にとって今後オープンイノベーションがいかに重要となるかが語られた。

イベントには、DEPA の Executive Vice President である Chinawut Chinaprayoon 氏、GDS 大手である Amadeus の Community Manager であるStephanie Strunk 氏、TakeMeTour 創業者で COO とCMO を務めるNoppon Anukunwithaya 氏を招き、政府、旅行 IT ソリューション、スタートアップの3つの観点から、今後のトレンドや課題などついてのパネルディスカッションが行われた。

以下、参加したタイのスタートアップ企業と発表内容を紹介する(紹介順はピッチ登壇順)。タイのトラベル系スタートアップが現地観光系大手日系企業と出会える機会は限られており、今回のイベントが今後の協業につながることを期待したい。

<General / Specialized Booking & Search>

Deetrip

CEO Christophe Secher 氏

Deetrip は、タイ人向けホテルサービス1日利用券予約サイトである。4つ星や5つ星ホテルは設備が整っているのにもかかわらず、利用率の低い施設(ジム、スパ、プール、レッスンなど)が多数ある。これらの施設を1日利用券として販売し、ホテルに新たな収益源を提供している。タイ国内で既に250以上のホテルと提携しており、現在は資金調達中。競合の Resort Pass(アメリカ)は1,170万米ドルの資金調達に成功している

Socialgiver

共同創業者 Aliza Napartivaumnuay 氏

Socialgiver は、観光やライフスタイルを通じて社会貢献したい観光客と CSR(企業の社会的責任)活動に取り組む企業を繋ぐオンラインサービスである。タイでは毎年全体の約半数に上る約45%(約4兆円)ものサービスが利用されないままとなっている。これらのサービスには、ホテルの空き部屋や飲食店などの空席、売れ残りチケットなどが含まれ、当日売れなければ価値を失い、提供する企業にとっては機会損失となる。

そこで企業は CSR 活動の一環として、これらの商品を Socialgiver のプラットフォームで売り出すことにより新しい価値を生み出し、消費者は安い価格で購入できる。CSR 活動を目的として、企業は興味のある NGO にその売上を募金できる仕組みだ。消費者・企業・NGO 間の WIN-WIN-WIN を目指す。現在300を超える企業がパートナーとなっており、日系企業との協業でさらなる拡大に取り組む。

Golfdigg

CEO Thera Siricharoen 氏

Golfdigg は、ゴルフ場予約アプリである。150コース以上のゴルフ場から、条件にあったゴルフ場の検索や空き状況が確認でき、予約は6ヶ月前〜当日まで可能。タイには日本人駐在員3万人を含む、30万人もの日本人インバウンドゴルフ客がいる。予約時の言語問題解決のため、タイ、英、日、韓の4ヶ国語に対応言語を増やし、タイに加えベトナム、台湾、マレーシアにも進出する予定。

MuayThaiOK

CEO Thanont Manorotkul 氏

MuayThaiOK は、ムエタイ教室やムエタイ観戦チケットの販売サイトである。タイの国技であるムエタイは世界中でも人気があり、グローバルの市場規模は3,000億円に上るといわれている。しかし、言語サポートやマーケティング力が弱いため、タイへの観光需要を取り込めていない。そこで見込み顧客を獲得するため、ムエタイのマーケティング戦略と実行に注力する。

世界10都市のジムやタイの地方のジムとパートナーを組み、集客面のサポートを行っている。MuayThaiOK のサイトでは、ムエタイ観戦チケットやプロから指導を受けられるグループレッスン、パーソナルレッスンの購入を行うことができる。今後資金調達を経て、ムエタイグッズの販売やスポーツツーリズムの拡大に取り組む。

<Home Sharing & Rentals>

FlexStay

CEO Mario Peng 氏

FlexStay は、中期滞在民泊予約サイトである。タイ国内にも日本同様にホテル関連の法律が設備されており、許可を持たない者の30日以下の賃貸は違法になる。しかし、長期賃貸となると1年以上の契約となるのが一般的。そこで同社では、1ヶ月〜12ヶ月の中期滞在を目的とした旅行者、学生、インターン生、フリーランサー、高齢者に着目した。3D の間取り図と標準化された部屋の詳細情報が提供されているため、非常に分かりやすい。今後借家人のマネージメント・オペレーターとしても取り組む。

<Car & Ride Sharing / Transit Navigation>

Drivemate

CEO Silratth Sukwatthanasiri 氏

Drivemate は、ピアツーピア(P2P)のカーシェアリングサービスである。タイの新車はメーカー国価格と比べて1.5〜3倍と高額であり、その上多くの車は使用されていない時間が1日のうちの95%を占めるとのこと。Drivemateでは、アプリで自分の周辺にある最適な車の予約を数分で完了できる。このサービスには、保険やメンテナンスなども含まれている。今後資金調達を経て、空港乗捨てサービスやサブスクリプションサービスの導入をしていく予定。交通渋滞に苦しむ東南アジアにとってカーシェアリングは切り札となるか。

Tuk Tuk Hop

CEO Chayakarn Sukruay 氏

Tuk Tuk Hop は、オンデマンドのトゥクトゥク専用配車アプリである。トゥクトゥクは観光客に人気が高く、観光エリアでは主要交通機関のひとつになっている。アプリの利用で外国人利用者は目的地や値段交渉など通訳が必要な場面でのコミュニケーションの難しさも解消。アプリを使うことで目的地や値段交渉の必要がなくなる。既にホテルや旅行代理店と協業しており、今後1日乗り放題サービス(399バーツ〜、1,450円以上相当)や自社の電気トゥクトゥクを展開する予定。

Viabus

CEO Intouch Marsvongpragorn 氏

Viabus は、リアルタイム公共交通機関運行状況アプリである。発展途上国の公共交通機関は複雑な上、時間通りに運行されてない場合が多い。そこで同社は、リアルタイムでの交通機関状況や渋滞状況、路線情報、ルート案内などが一目でわかるアプリを開発。アプリには、電車、バス、商用車、ミニバス、ボート、バン、ローカルバスなどの公共交通機関の情報が全て掲載されている。既にユーザ数は100万人を突破しており、現在はタイ人だけでなく旅行客ユーザの獲得にも注力している。

<Personalized Travel>

SNEAK

CEO Thunyathorn Penbumrungvong 氏

SNEAK は、ビジュアル検索旅行計画サイトである。旅行の計画には時間や手間がかる。また最近では、Instagram や Pinterest 等の画像コンテンツを元に旅行プランを作成する若い層も増えてきている。同社では、画像をベースに自分の好み通りに目的地が選択でき、ルート案内や旅行計画、チケットの購入までモバイルサイト内で簡単に完結できるサービスを開発した。来年はアプリ開発、そして2020年東京オリンピックに向けて、パートナーシップ・顧客獲得に注力していく。

<Hotel Management>

Newlegacy Hospitality

CEO 松田励氏

Newlegacy Hospitality は、自社ブランド「Kokotel」を展開するホテルオペレータである。小規模ホテルのバックオフィス業務等を集約することで、質の高いサービスを安定した低いコストで提供している。コンセプトは「家族や友達と共に、安価で快適な宿泊」であり、広いロビースペースやカフェ、子ども向けのスペースを配置している。現在約15店舗のホテルを運営しており、さらなる拡大を目指す。

HandiGo

CEO Sakdidet Poolsawad 氏

HandiGo は、ホスピタリティ向けコンシェルジュアプリである。外国人観光客を受け入れる際に生じる言語の問題は多く、ホテル側の受け入れ体制は十分でないことがほとんどだ。同社では、そのようなホテル側のカスタマーエンゲージメントの課題解決をするため、ホテルの情報提供、ルームサービス、 広告、ライブチャットでのカスタマーサービスなどを多言語表示するサブスクリプションサービスを提供している。今後はホテルのみならず、アクティビティや体験ツアー領域にもサービス展開を予定している。

<Activities, Touring & Info>

TakeMeTour

COO & CMO Noppon Anukunwithaya 氏

TakeMeTour は、ピアーツーピア(P2P)のローカル体験サイトである。地元との共存共栄を目的とし、東南アジアのローカルアクティビティが体験できる。すでに世界65都市で25,000もの体験を提供している。地元ツアー提供者のバックグラウンド調査をしっかり行うことで、顧客満足度98%を獲得。現在タイ国政府観光庁と協業しており、今後「Local Table」として地元限定グルメサービスなどに事業領域を広げていく。

Local Alike

シニアマーケティングディレクター Jakrapol Baesuvan 氏

Localalike は、地域活性化に特化したローカル体験サイトである。同社では、貧困に悩む地域問題の解決を目的に、これまで7年間で培ったテクノロジーやマーケティング、ビジネス経験やノウハウを活かし、地域自らがローカル体験やアクティビティを生み出すサービスを提供している。その地域ならではの自然や歴史・文化、食育などを取り入れたユニークな体験プランが特徴。すでに5,400万バーツ(約1億9,600万円)の収益を上げており、タイ国内の42地域で貢献している。引き続き、サステイナブルなコミュニティビルダーとして政府や企業と協業しながら市場拡大に向け展開する。

Tourkrub

CEO Jakapan Leeathiwat 氏

TourKrub は、タイ発のアウトバウンド向けオンライントラベルエージェンシー(OTA)である。24時間いつでも膨大な数の商品(民泊、空港券、ツアーパッケージなど)を閲覧、購入できる。現在シリーズ B 資金調達中で、今後は東南アジア全域にサービス拡大を予定。

Infinite FREAK Lab

Active Principle Investigator の Sornchai Chatwiriyachai 氏

Infinite FREAK Lab は、最先端ARを活用した観光・歴史コンテンツプロバイダである。空間と CG などで作られたオリジナルキャラクターを融合させた新たなガイドサービスを提供している。ガイド不足や通訳不足の解決策として、地域活発化に貢献している。その他にも美術館やエンターテイメント分野に進出する予定で、現在ビジョンを共有できるパートナー募集中。

<Luggage Delivery>

AIRPORTELs

CEO Anan Prasertrungruang 氏

AIRPORTELs は、タイ発の荷物預かり、当日デリバリサービスである。荷物を託し、タイに到着後、初日から手ぶらで仕事や観光を楽しむことができる。ホテルや空港への配送サービスは荷物1個につき199バーツ〜(700円以上相当)、荷物預かりサービスは1日100バーツ(約360円)と非常に安価。どの荷物もリアルタイムで荷物の位置確認ができる上、10万バーツ(約36万4,000円)の保険が適用されているのも安心である。スワンナプーム国際空港とドンムアン空港はもちろんのこと、その他6ヶ所のショッピングモールでサービスを提供している。アジア展開のため、現在プレシリーズ A 調達に向けて準備中。

----------[AD]----------

在タイ日本大使館とタイ財閥最大手のCPグループ、越境オープンイノベーションイベント第2期を共催——日本スタートアップ10社がバンコクに集結

SHARE:

在タイ日本大使館とタイ財閥最大手の CP グループは16日、バンコクの True Digital Park で越境オープンイノベーションイベント「Rock Thailand」の第2期のデモデイを開催した。今年3月に開催された第1期に続いて、今回で2回目。このイベントは、日本の革新的スタートアップとタイ財閥の戦略的提携を促す「Open Innovation Colubus(OIC)」という活動の一部…

在タイ日本大使館とタイ財閥最大手の CP グループは16日、バンコクの True Digital Park で越境オープンイノベーションイベント「Rock Thailand」の第2期のデモデイを開催した。今年3月に開催された第1期に続いて、今回で2回目。このイベントは、日本の革新的スタートアップとタイ財閥の戦略的提携を促す「Open Innovation Colubus(OIC)」という活動の一部だ。

タイ財閥の多くは、その組織の大きさからデジタル化経済の恩恵を十分に得られていないことが多い。日本では大企業がスタートアップと協業することで(オープンイノベーション)、デジタルトランスフォーメーション(DX)を図ろうとする動きがみられる一方、タイにおいては、現地スタートアップが得意とするバーティカルの特性上、オープンイノベーションで DX が進むのは少し先のことになりそう。

そこで、OIC では DX に役立ちそうなバーティカル(AI、ロボティクス、IoT、物流)をリードする日本のスタートアップのうち、特にタイをはじめとする東南アジア市場への進出に関心が深いチーム10社を選びバンコクに招き、彼らの力を使ってタイ財閥を DX することに主眼に置いた、クロスボーダーのオープンイノベーションを狙う。CP グループほか、財閥傘下の事業会社の代表が直接ピッチを聞くため、トップダウンでディシジョンメイキングがなされ、PoC を始めとする協業の話が進みやすいのが特徴。

左から:Thanasorn Jaidee 氏(True Digital Park 社長)、Nuttapon Nimmanphatcharin 氏(タイ depa=デジタル経済振興庁 CEO)、Soopakij Chearavanont 氏(CP グループ会長)、Kobsak Pootrakool 氏(タイ政府官房副長官)、佐渡島志郎氏(在タイ日本大使館 特命全権大使)、John Jiang 氏(CP グループ Chief Digital Officer)
Image credit: Masaru Ikeda

去る11月2日、ウミトロン 〜 CP Foods(タイ財閥 CP Group 傘下の食料品会社)、GROUND 〜 WHA(タイの事業用不動産デベロッパ大手)、スカイディスク 〜 TTCL(タイのエンジニアリング大手)、凸版印刷 〜 DRVR(タイ)、Flare 〜 豊田通商(タイ現地法人)、リバネス 〜 InnoSpace(タイの官民共同設立によるアクセラレータ)のそれぞれの間で、協業の PoC に向けた MoU が締結されたのは記憶に新しい。

在タイ日本国大使館の佐渡島志郎大使の任期満了に伴い、今回の Rock Thailand は17日の離泰を前に大使にとって OIC に関わる最後の機会となった。この日は、タイ政府からコブサク官房副長官(Dr. Kobsak Pootrakool)も会場を訪れ、大使のスタートアップ支援にかけた長年の労をを労った。OIC や Rock Thailand の活動については、タイ政府や財閥各社からも評価が高いため、次期大使の元でも引き継がれることへの期待は大きい。

参加した日本のスタートアップ10社の代表らは、CP グループ会長の Soopakij Chearavanont 氏はじめ、CP グループ60名、CP グループ以外のタイ企業経営者・担当者ら80名の前でピッチを行なった。以下に、参加スタートアップの発表内容を紹介する。紹介順はピッチ登壇した順番。具体的な協業内容については協議が始まったところであり、今後の進捗を経て、第1期の際のように改めて公になる日を楽しみにしてほしい。

<関連記事>

Paronym

2016年に設立されたパロニムは、動画に触れることで必要な情報にアクセスできるインタラクティブ動画サービス「TIG(ティグ)」を開発・提供している。ユースケースはインテリア(動画を再生中、興味のある家具にタッチすると購買サイトへジャンプ)、ファッション(動画を再生中に、興味のある洋服にタッチすると購買サイトにジャンプ)、レシピ(動画を再生中に食材にタッチすると、そのページへジャンプ)、旅行(動画を再生中に旅のスポットにタッチすると、そのページへジャンプ)などがある。

コンテンツ提供元・開発元には、動画中のオブジェクトに紐付けができるトラッキング編集ツール、多くのユーザがどの位置をタッチしているかがわかるヒートマップツールが提供される。ブランチ動画、マガジン、サイネージ、コマース、ラーニング、ライブの6つの異なるバーティカルに適したラインアップを用意。そのインタラクティブ性から、EC 取引に至るコンバージョン率は、Instagram と比べ2倍以上、YouTube と比べ3倍以上に上るという。タイでは事業提携、シリーズ B 調達、販売パートナーを求める。

Connected Robotics

コネクテッドロボティクスは2014年、産業⽤ロボットコントローラ開発を⻑年手がけ、東京大学で NHK ロボコン優勝の経験を持つ沢登哲也氏(現代表取締役)により設立。たこ焼きを自動調理するロボット「OctoChef」、自動ソフトクリームロボットサービス「レイタ」、自動食洗機ロボットサービス「Dish Washing System」、コンビニ向け「Hot Snack Robot」、自動朝食調理ロボットサービス「Loraine」などを開発している。

2017年には、Startup Weekend Robotics で優勝KIRIN アクセラレータ 2017IBM BlueHub 第4期に採択された。ロボットの提供は販売形式ではなく、初回の導入費用と月額費用で構成されるサービス型(RaaS=Robot as a Service)として提供されるため、導入する飲食店にとってはヒトに代わる手段としてコストを拠出しやすい。また、あらゆるロボットアームに対応可能な制御ソフトウェアと画像認識を使ったポジショニングシステムで、調理する食材・料理手順などに柔軟性が高い。

<関連記事>

IntegriCulture

IntegriCulture は、細胞農業技術(動物や植物から収穫される産物を、特定の細胞を培養することにより生産する技術)による人工培養肉を開発するスタートアップだ。動物性タンパク質を供給する手段として、現在の畜産による動物肉の供給は、水資源の過大な消費、森林破壊、温室効果ガスの放出などの観点から課題が多く、持続可能社会を形成する上で改善が求められている。一方で、人工肉を製造する技術は非常にコストが高く、人が口に入れる実用レベルにはまだまだ程遠い。

IntegriCulture は、実際の細胞を培養することで、人が口に入れる肉を作り出す技術を開発。例えば、筋肉細胞を培養液(生体触媒)に投入することで、鶏のレバーペースト相当のものを作り出す技術を確立した。実際の動物の生体では内臓がホルモンを分泌し、これが働いて細胞を変化させているが、同社が開発した CulNet ではこれを擬実的に実現させている。現在、細胞から培養生成したフォアグラを開発中。アンチエイジング効果のある人工生成血清などで、タイ企業との協業を模索したいとしている。

<関連記事>

A.L.I. Technologies

A.L.I. Technologies は、ドローン、エアモビリティ、コンピューティングパワーシェアリングの3つの事業ドメインを持つスタートアップ。エアモビリティの分野では、今年3月に発表した公道走行を想定したホバーバイクを発表している。また、高スペック GPU を搭載したマシンコンピューティングパワーシェアリングの領域では、今年9月にディープラーニング向け GPU クラウド「GPU EATER」を運営する Pegara に出資したのも記憶に新しい。

ドローンの産業活用においては、発電所の設備検査などに活用されている。半年に一度実施される定期検査における作業が効率化され、最大で10億円相当にコスト削減に結びつく可能性があるという。また、高いレベルの安全運転のトレーニングを受けたドローンパイロットの全国ネットワークも形成しているという。ドローンは主に定期検査・農業・調査などの分野で、ホバーバイクはレースやエンタメ、モビリティ(移動手段)として需要を伸ばしたい考えだ。

<関連記事>

LinkWiz

高齢者社会の到来により、製造業を担う労働者の数も減少するのは日本ならず、タイにも言えることだリンクウィズは工業製品の製造工程や検査工程をロボットにより自動化し、省力化や効率化を実現する。溶接ビード検査システムの「L-QUALIFY」は、3次元の形状比較により溶接が正しく行えているかどうかを人の目視に代わって検査、ロボットのティーチング自動補正システム「L-ROBOT」は対象オブジェクトに合わせてロボットが自動的に動きを補正し動作する。

ヤマハ、ミツトヨ、アイシン精機など、精密機械メーカーや自動車部品メーカーなどを顧客に抱えており、リンクウィズの技術が生産コストの抑制に貢献しているとの声が寄せられているという。LinkWiz では、同社のシステムを構成するロボットをセンサーとして、工場における製造工程一貫で利用してもらいたい考え。今年6月には、INCJ、SMBC-VC、ミツトヨ、パナソニック、グローバル・ブレイン、はましんリースなどからシリーズ B ラウンドで9億円を調達している、

TBM

TBM は、紙・プラスチック・ビニールの代替となり得る石灰石由来の新素材「LIMEX」を開発している。紙を製造するには木や水を大量に消費し、プラスチックを製造するには石油を消費し二酸化炭素を放出する。プラスチックは海洋汚染を引き起こす深刻な社会問題としても連日取り上げられている。LIMEX はこれらの問題を解決し、名刺、パッケージなどに応用できる。最近では吉野家全店のメニューの素材や、環境問題からスーパーのレジ袋が有償化されようとする中、ビニールに代わる新素材としても注目を集めている。

回収した材料がそのまま同等品にリサイクルできるだけでなく、例えば、LIMEX でできたメニューを回収した後にお椀に作り替えることができるなど、リサイクルに増して、付加価値をつけて別のプロダクトにすることも可能だという。同社ではこれを「アップサイクル」と呼んでいる。現在、30カ国以上で有効な特許技術を現地企業にライセンスする形で世界展開を進めている。LIMEX 製品の製造が可能な会社との提携関係、出資などを求めている。日経の NEXT ユニコーン調査フォースタートアップスの想定評価額ランキングで共にランク2位。

Metro Engine

ホテルやバケーションレンタルの供給が増す中で、オーナーにとっては競合との価格戦争が激化している。そんな中で価格決定を行う経験豊かなマネージャーを雇用するのは難しく、価格の調整のために割かれる時間もバカにならない。メトロエンジンは、AI を活用した需要予測を行うことで、ホテルなどに(料金の最適化により最大の利益をもたらすことを意図した)ダイナミックプライシングを提供する。現在、ホテルチェーン30社以上で利用されている。

ホテルに対しては売上管理、需要予測、過去データ分析、OTA ランキング(予定)などを一元的に提供。また、レンタカーや賃貸不動産の需要予測や価格決定などに適用できるサービスもリリースしている。将来は、ホテルデータに加え、レンタカー、高速バス、モバイル、イベント、列車のデータなどを集約し、最適な交通手段を提案する総合サービスの提供を目論む。凸版印刷と協業しており、IBM BlueHub インバウンド向けオープンイノベーションプログラムJR 東日本アクセラレータプログラム第2期に採択された。

<関連記事>

SAgri

SAgri は衛星データにより土壌の状況(腐食含有量)を、また、農家からはスマホアプリから農作物や品種などの情報を取得し、ブロックチェーンを用いてデータベース化。これらを組み合わせることで、収穫量につながる情報を的確に取得するほか、生物性・化学性・物理性の観点から農家に対して土壌改良の提案も行う。実際に取得した土壌データと腐食含有量のマクロデータを元に、農地を評価するスコアリングの仕組みを開発している。

これまでにも土壌の窒素含有量を実測する方法はあったが高コストだった。衛星を使うことで安価な計測を実現、小麦・米・サトウキビに特化して、畑の状況に応じた収穫予測をしたり、肥料の必要投入量などをアドバイスしたりすることが可能だ。インドではこれらの情報を現地金融機関に提供することで農家への融資の実行を促したり、日本では政府のプロジェクトとして耕作を再開できるかどうかの休耕田の状態を見極めるのに活用されたりしている。MUFG DIGITAL アクセラレータ第4期500 Kobe 第3期に採択

Terra Drone

Terra Drone は、ドローンを使った産業向けサービスを提供。ドローン市場調査会社 Drone Industry Insights が発表した2019年のランキングでは、ZipLine に続き、世界で2番目に認知されていると評価された。現在、ターゲットとしている市場は、油田やガス田、電力などの生活インフラ、鉱山や採石場など。電力の分野ではドローンからとらえたデータを元に送電線を3次元可視化する技術、先頃ローンチしたパイプラインのホットスポットモニタリング技術では現場からライブストリーミングする機能を持つ。

そのほかのユースケースとしては、高所からの犯罪検知、パイプラインのガス漏れ検知、LNG タンク超音波探傷作業のドローンを使った効率化など。LIDAR を使ったデータ取得・マッピング技術では地形データが取得できることも特徴で、建設・工事業界をはじめ各所から需要が相次いでいるという。現在、シリーズ A ラウンドでの調達を標榜しており、タイや他の東南アジア市場で地元企業との提携を模索している。

Optimind

Optimind は、名古屋大学で研究開発されている「組合せ最適化」をコア技術に活用し、ラストワンマイルの配送ルートを最適化する「Loogia」を開発。SaaS としての Loogia に加え、PaaS でアルゴリズムプラットフォームを、また、企業にR&D サービスも提供している。運送業などでは配達順を紙で処理していたが、Loogia では立ち寄り先を入力するだけで、複雑な条件や現場制約を考慮しながら効率的なルートを提案する。

5人のドライバーに対し、各人30の立ち寄り箇所を設けた場合で100秒でルーティングが完成する。U ターンを避ける、駐車場所がある、他のドライバーの車と適正配分する、などの機能も備える。ホームデリバリ、食品や酒や薬の卸業者、自動販売機のベンダーなどがターゲット。自動車走行データを持つ企業と協業し、共にタイ国内でのルーティングマップの作成を行いたいとしている。2018年開催の日本郵便オープンイノベーションプログラム「POST LOGITECH INNOVATION PROGRAM」第1期デモデイで優勝。

<関連記事>

ネットワーキングの様子
Image credit: Masaru Ikeda
CP グループの Chief Digital Officer である John Jiang 氏(右)と歓談する、IntegriCulture 代表の羽生雄毅氏(左)
Image credit: Masaru Ikeda
----------[AD]----------

IVS 2019 Winter in バンコクのピッチコンペティション「LaunchPad」の優勝は、〝タイ版freee〟の「FlowAccount」が獲得 #ivs2019

SHARE:

本稿は、12月3〜4日に開催されている、Infinity Ventures Summit 2019 Winter in Bangkok の取材の一部。 4日午後、Infinity Ventures Summit(IVS) では恒例となっているスタートアップ・ピッチコンペティション「LaunchPad」が実施され、タイで中小企業や個人事業者向けにオンライン会計サービス「FlowAccount」を提供…

Image credit: Infinity Ventures Summit

本稿は、12月3〜4日に開催されている、Infinity Ventures Summit 2019 Winter in Bangkok の取材の一部。

4日午後、Infinity Ventures Summit(IVS) では恒例となっているスタートアップ・ピッチコンペティション「LaunchPad」が実施され、タイで中小企業や個人事業者向けにオンライン会計サービス「FlowAccount」を提供する FlowAccount が優勝を獲得した。

LaunchPad の審査員を務めたのは、

  • 倉林陽氏 – DNX Ventures マネージングディレクター
  • 眞下弘和氏 – m&s partners 代表
  • 真田哲弥氏 – KLab 代表取締役社長 CEO
  • 吉田浩一郎氏 – クラウドワークス 代表取締役
  • 本田謙氏 – フリークアウト・ホールディングス代表取締役
  • 西條晋一氏 – XTech Ventures 共同創業者兼ジェネラルパートナー
  • Joseph Chan(詹德弘) 氏 – AppWorks(之初創投)共同パートナー
  • Mameaw Pahrada Sapprasert 氏 – 500 Startups Thailand ディレクター
  • Paul Ark 氏 – Digital Ventures マネージングディレクター

(本稿は速報体制でお伝えしたため、うち入賞スタートアップについては、追って加筆します。)

【優勝】FlowAccount by FlowAccount(タイ)

Image credit: Infinity Ventures Summit

欧米企業で開発された会計ソフトの多くは、タイ国内の企業向けにはローカライズされていない。会計手続は国によって異なるのにだ。一方で、会計専任の人員を雇用するのはコストもかかる。

FlowAccount は、〝タイ版 freee〟とも言うべき中小企業や個人事業者を対象とした会計 SaaS だ。収入や経費支出の比較のほか、ペイロール(給与計算)の仕組みも備えており、現地のカシコン銀行の電子決済サービス「K Cash Connect」と連携し給与振込にも対応。そのほか、税金支払との連携、キャッシュフロー計算との連携などの機能も提供。

Image credit: Infinity Ventures Summit

2015年1月にローンチした FlowAccount はこれまでに3万以上のスモールビジネスの煩雑な会計処理を支援してきた。2017年にはシリーズ A ラウンドで、SBI インベストメント、Beacon Venture Capital、Golden Gate Ventures、500 TukTuks(500 Startups のタイ現地ファンド)から115万米ドルを調達している。

----------[AD]----------

Infinity Ventures Summit 2019 Winter、日タイの投資家や起業家を集めバンコクで開幕

SHARE:

本稿は、12月3〜4日に開催されている、Infinity Ventures Summit 2019 Winter in Bangkok の取材の一部。 Infinity Venture Partners(IVP)が主催する年2回のスタートアップカンファレンス「Infinity Ventures Summit(IVS)」がバンコクで開幕した。IVS の海外開催分としては、2018年春に台北で開催した…

左から:Joseph Huang(黄立安)氏(Infinity Venture Partners パートナー)、田中章雄氏(Infinity Venture Partners 共同代表パートナー)
Image credit: Masaru Ikeda

本稿は、12月3〜4日に開催されている、Infinity Ventures Summit 2019 Winter in Bangkok の取材の一部。

Infinity Venture Partners(IVP)が主催する年2回のスタートアップカンファレンス「Infinity Ventures Summit(IVS)」がバンコクで開幕した。IVS の海外開催分としては、2018年春に台北で開催した IVS 2018 Spring in 台北 に続くものとなる。

午前中のセッションは、今最も注目を集めるタイのスタートアップ3社の紹介で幕を開けた。3D プリンタで CT スキャンから1週間で人体に埋め込み可能なチタン製人工骨を作る Meticuly、ジュースから糖分を取り除く技術を開発する JuiceInnov8、メンタルウェルネスを提供する Ooca だ。

左から:モデレータの Nicha Ark 氏(Openspace Ventures)、Sean Trairatkeyoon 氏(JuiceInnov8 共同創業者 兼 CEO)、 Kanpassorn Suriyasangpetch 氏(Ooca 共同創業者 兼 CEO)、Chedtha Puncreobutr 氏(Meticuly CTO)
Image credit: Masaru Ikeda

Meticuly は、タイ随一のチュラロンコン大学の冶金工学科から生まれたスタートアップ。これまでにタイ国内で40病院150人の医師と協力し、200県以上を臨床試験を実施。JuiceInnov8 は、多くの飲料メーカーが無糖清涼飲料を出すなかでジュースには無糖商品が無いことに着目し技術を開発。Ooca は社会人や学生にアプリを通じて心理学者とつながり相談ができるサービスを提供。

<関連記事>

いずれのスタートアップもシード〜シリーズ A ラウンド周辺のアーリーなスタートアップだったが、今後、資金調達を進めシンガポールに拠点を設置するなどして、東南アジア全域への事業進出に関心を示した。

Image credit: Masaru Ikeda
----------[AD]----------

東南アジアの決済プラットフォーム「2C2P」運営、域外進出に向け5,200万米ドルを調達

SHARE:

Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから。 東南アジアの決済プラットフォーム「2C2P」は、IFC、Cento Ventures、Arbor Ventures など海外投資家グループからの新規調達で5,200万米ドルを調達した…

Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから


東南アジアの決済プラットフォーム「2C2P」は、IFC、Cento Ventures、Arbor Ventures など海外投資家グループからの新規調達で5,200万米ドルを調達したことを明らかにした。

2C2P 創業者兼 CEO の Aung Kyaw Moe 氏
Photo credit: 2C2P

声明によれば、これまでに調達した1,800万米ドルをあわせ、今回の調達で 2C2P の累積合計調達金額は7,000万米ドルに達した。

シンガポールとバンコクを拠点とする 2C2P は、調達した資金を使って、今後の1年間にかけ東南アジア域外に進出するのに合わせ、決済プラットフォームの拡張、現地人材の採用、東南アジアでのマーケットシェアの拡大に注力する。

マーケットシェアと事業者ベースの両方においてクリティカルマスを築き上げた我々だが、東南アジアのインターネット経済の継続成長や可能性を見る限り、マーケットリーダーシップの位置付け強化、事業拡大、競争で優位に立つために今こそ追加資源を投入する最良の時だと感じた。(Aung Kyaw Moe 氏)

Google、Temasek、Bain & Company による最近の共同リポートで、東南アジアのインターネット経済規模は、昨年の720億米ドルから39%増加し、今年末までに1,000億ドルに達するとされている。東南アジアのデジタル決済業界は、2025年までに総取扱高が1兆米ドルに達するとみられ、この成長の主要要因と言えるだろう。

2003年に設立された 2C2P は、e コマース事業者、地域航空会社、世界的小売事業者、銀行などの金融機関に多くの決済ソリューションを提供している。これまでの投資家には、Expara IDM Ventures、Digital Media Partners、GMO Ventures などがいる。

今年初めには、配車サービス大手の Grab が 2C2P を買収する交渉を進めているとの報道があった。この件に詳しい人物は Tech in Asia に交渉があったことを確認したものの、議論は進展しなかったとも付け加えた。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

----------[AD]----------

日タイのスタートアップ6社、財閥や大企業と協業のPoCに向けたMoUを締結——日タイ政府推進の越境オープンイノベーション事業を通じ

SHARE:

タイの首相府と工業省、日本の経済産業省とJETRO(日本貿易振興機構)と AMEICC(日・ASEAN 経済産業協力委員会)は2日、バンコク市内にある在タイ日本大使公邸で、日タイ間のオープンイノベーションに関わる MoU(覚書)の調印式を開催した。日タイのスタートアップ6社、大企業、財閥および傘下の各社などは、共同事業の可能性模索に向けた PoC(実証実験)に取り組むことになる。 日本とタイの革新…

Image credit: 在タイ日本大使館 / 経済産業省

タイの首相府と工業省、日本の経済産業省とJETRO(日本貿易振興機構)と AMEICC(日・ASEAN 経済産業協力委員会)は2日、バンコク市内にある在タイ日本大使公邸で、日タイ間のオープンイノベーションに関わる MoU(覚書)の調印式を開催した。日タイのスタートアップ6社、大企業、財閥および傘下の各社などは、共同事業の可能性模索に向けた PoC(実証実験)に取り組むことになる。

日本とタイの革新的スタートアップとタイの日系企業の戦略的提携を促す「Open Innovation Columbus(OIC)」という活動の一部だ。OIC は、世界で成功する日本のスタートアップの醸成、ASEAN を牽引する財閥が持つ最先端技術への需要に対しての課題を共に解決していくという目的で開始された。日本政府は両者のパイプ役を務め、マッチングからフォローアップまでのハンズオン、タイでの事業拡大に必要な資金、タイ現地の日本人起業家とのメンタリング制度など支援内容を充実させる。

OIC 関連イベントとしては、これまでにバンコク市内で「Rock Thailand」「BLEND」「DX Summit」などが開催されている。

今回 PoC に向けた MoU に調印した日本側のスタートアップと、タイ大手財閥および傘下の各社は次の通り。両者間には NDA(情報非開示契約)が存在するため、具体的な活動内容について詳述できない点については容赦いただきたい。ウミトロンについては個別に話が聞けたことや、GROUND については既にプレスリリースが発表されているので、その内容を加味する。

<参考文献>

Image credit: 在タイ日本大使館 / 経済産業省

ウミトロン 〜 CP Foods(タイ財閥 CP Group 傘下の食料品会社)

CP Foods(タイ証取:CPF)とウミトロンが、世界最大のエビ養殖事業者である CP Foods と、ウミトロンの AI、オートメーション技術による「次世代サステナブル海老養殖モデル」の実現に向けたパートナーシップを締結する。

CP Foods では、環境負荷の低減を目指し、Zero Wastewater(水を浄化循環し交換しない)、Zero Antibiotic(抗生物質無投与)、高密度(単位容積あたりの養殖個体数を上げる)での養殖技術の開発を行っている。この状況下では、エビが病気になるリスクを減らすため、病原体の感染経路となり得る人を養殖環境に近づけないことが望ましい。ウミトロンが得意とする遠隔での養殖管理技術、給餌最適化などで CP Foods にノウハウや技術を提供する。

ウミトロン共同創業者でマネージングディレクターの山田雅彦氏によれば、両者が出会う契機となった Rock Thailand が開催されたその日のうちに、CP Group のチェアマンに興味を持ってもらい面談、そして、社長直下の CDO(Chief Digital Officer)と面談。その場で CP Foods で次世代型養殖を担当している SVP を紹介してもらい、翌週には CP Foods を訪問と話がトントン拍子で進んだという。

<関連記事>

GROUND 〜 WHA(タイの事業用不動産デベロッパ大手)

WHA は、東南アジアにおけるECの急成長を受け、そのサプライチェーンの中心をタイに構築することを目指し、同社の主要事業の一つである物流事業を強化している。GROUND の AI やロボティクス等の先端テクノロジーを活用したソリューションと、タイ最大の物流倉庫運営者のWHAの両社の技術とノウハウを共有し、次世代物流プラットフォーム構築の共同開発に取り組むとともに、タイ国内の物流オペレーションの競争力を高め、物流・EC 改革を推進する。

同社の発表したプレスリリースによれば、タイにおける次世代物流プラットフォーム構築の共同研究・共同開発、GROUNDが有するソリューション「LogiTech」の WHA への提供、GROUND が有する物流オペレーションにおけるノウハウと知見の WHA への提供、WHA が有する物流施設および共同研究に利用できる施設の GROUND への提供、タイの物流・EC 改革に向けた協力・支援体制構築に向けた協議が協業内容に含まれる。

<関連記事>

スカイディスク 〜 TTCL(タイのエンジニアリング大手)

スカイディスクTTCL(タイ証取:TTCL) は、火力発電所の燃料効率を向上させて電力供給の安定化を図るべく、膨大な運転データ、ビッグデータを分析し、AIがより効率の良い運転方法を決定する事で、今までは熟練のオペレーターが経験でのみなし得た高効率運転を実現する。

<関連記事>

凸版印刷 〜 DRVR(タイ)

タイの DRVR の有するフリートマネジメント技術と、凸版印刷(東証:7911)の ID セキュテリティクラウド「IDaaS」を活用したシェアリング技術の融合による新たなモビリティサービスの提供を目指して、新モビリティサービスの共同開発や共同マーケティングの実施を行う。

<関連記事>

Flare 〜 豊田通商(タイ現地法人)

豊田通商(タイ)Flare が、Flare の提供する、スマートフォンのみで運転動態データの取得・解析ができる Flare Analytics を活用し、安全運転に関する実証実験ならびに製品開発を行う。また、その成果をタイの安全運転への取組みにも活かす。

<関連記事>

リバネス 〜 InnoSpace(タイの官民共同設立によるアクセラレータ)

リバネスInnoSpace が形成するスタートアップエコシステムビルディングに関するノウハウやネットワークを共有するとともに、共同事業などを通じて、ディープテックの育成・推進を日タイ両国で図る。

<関連記事>

----------[AD]----------

バンコクのイノベーションハブTrue Digital Park、デジタルトランスフォーメーション推進のために新たなカンファレンスを開催

SHARE:

東南アジアにおいてスタートアップのエコシステムが急速に成長しているのは誰もが知ることである。この地域は10社のユニコーンスタートアップのホ-ムであり、投資家にとって最も魅力的な場所の1つとなっている。タイはとりわけ起業家にとって初期段階の市場だ。Global Entrepreneurship Index 2018では、世界の137か国の中で71位に位置し、アジア太平洋地域の28か国の中では15位に…

True Digital Park 社長の Thanasorn Jaidee 氏、CP グループ CEO の Suphachai Chearavanont 氏、タイ副首相の Somkid Jatusripitak 氏
Image credit: True Digital Park

東南アジアにおいてスタートアップのエコシステムが急速に成長しているのは誰もが知ることである。この地域は10社のユニコーンスタートアップのホ-ムであり、投資家にとって最も魅力的な場所の1つとなっている。タイはとりわけ起業家にとって初期段階の市場だ。Global Entrepreneurship Index 2018では、世界の137か国の中で71位に位置し、アジア太平洋地域の28か国の中では15位につけている。

近年タイ政府はテックのエコシステムを作り上げようと力を注いでいる。イノベーションの促進を目指す政府機関である National Innovation Agency(NIA:タイ国家イノベーション庁)は、金融的なサポートプログラムを全面的に見直し、スタートアップがより速く進めるよう手助けし、440億バーツの金融支援にアクセスできるようにしている。同庁の主な目標は、今後10年でイノベーションを基としたスタートアップ3,000社を作り、スタートアップのエコシステムを育て、成長させることである。

同庁はまた、同国初にして東南アジア最大のデジタルイノベーションハブである True Digital Park(TDPK)ともパートナーシップを結んでいる。バンコクに拠点を置くこの国際的スタートアップハブが目指すのは、スタートアップにとっての遊び場のようなものであり、統合されたコミュニティの中で職場と日々の生活の場を提供している。これらの取り組みが、タイのデジタルトランスフォーメーションに対する熱心な姿勢を強く際立たせている。

微笑みの国のデジタルトランスフォーメーション

デジタルトランスフォーメーションと聞いて多くの人が真っ先に思いつくことは、単純に日々の手作業や活動がデジタルな枠組みに移行するということだが、実際はそれよりもはるかに幅広い。

The Enterpriser’s Project によれば、ビジネスにおけるデジタルトランスフォーメーションとは「どう運営するのか、価値をどう届けるのかを根本的に変えるもの」である。そこにはまた、「現状や体験への継続的な挑戦、および失敗への寛容さを組織に求める、文化的な変化」も含まれる。

これはエコシステムにも当てはまり、すでに確立されたプロセスを再考するイノベーションを推し進めるものだ。例えば、ソーシャルメディアは全世界に全く新しいコミュニケーション方法とシェア体験を提供し、以前には想像もできなかった方法で社会を再構築している。人々のつながり合い方に起きたイノベーションはデジタルトランスフォーメーションを起こし、結果として幅広い同時代的な変化を起こしている。

ビジネスや生活など無数の分野がトランスフォーメーションの只中にあるが、デジタルトランスフォーメーションの核心的な部分においてイノベーションがどのように脈打つのかを最も分かりやすく示す例の1つは、今でもソーシャルメディアである。非常に一般的なものとなり、人々の日々の日常だけではなく、ビジネスの一部ともなっている。

タイの TDPK は同地域におけるこういったデジタルトランスフォーメーションが根を張ることができるかもしれない場所だ。このパークは人材と投資を大量に集め、デジタルイノベーションをサポートする重要な知識の創造を提供している。イノベーションが盛んで大きく広がる場所の中心に位置取っている TDPK は、この地域のスタートアップエコシステムを促進し、そのポテンシャルを飛躍的に加速させている。

Togetherness of Possibilities(可能性の連帯)——地域の橋渡し

Image credit: True Digital Park

2019年9月、TDPK はスタートアップやビジネス、そして政府省庁に刺激を与え、知識や体験を共有するために、Togetherness of Possibilities というテックカンファレンスを開催した。カンファレンスで取り上げられたのは、この分野の官と民の部門のパートナーが展示する新技術とイノベーションラボ、ならびに、タイと東南アジアでより持続可能なデジタル経済発展を進めるための仕事をしている最高経営幹部や起業家たちだった。

Charoen Pokphand Group の CEO でありTrue Corporation の役員会のチェアマンでもある Suphachai Chearavanont 氏はこう述べた。

イノベーションとデジタル技術は、デジタルトランスフォーメーションの推進力です。特に、製品やサービスに付加価値を与えるために、ビジネスモデルの変化やデジタル技術の適用を必要としている企業や産業にとってはなおさらです。

一方でデジタル技術は、コミュニティや社会、医療や環境をより良いものにするためのデジタル化においても、重要な役割を果たします。所得格差を縮小し、タイの持続可能な繁栄を築く上で役に立ちます。True Digital Park はイノベーションや創造性、そして技術を通じて、タイの能力を増大させるために開発されています。これらすべての要素が結びつき、長期的に持続可能な経済成長を作り出すのです。

TDPK の Togetherness of Possibilities 2019カンファレンスでは、新進の起業家に対して、タイおよびその他の国々の大手企業やスタートアップから来た専門家や高評価な発表者との出会いを提供した。

特筆すべき出席者を幾人か挙げると、Digital Economy Promotion Agency(デジタル経済振興庁)のエグゼクティブバイスプレジデントの Chinawut Chinaprayoon 博士、NIA 主催のイベント「Startup Thailand」のディレクターである Pariwat Wongsamran 氏、Action Community for Entrepreneurship(ACE シンガポール)のデピュティチェアマンである James Tan 氏、Saigon Innovation Hub のチェアマン Phi Van Nguyen 氏、General Assembly のアジア太平洋地域マネージングディレクターのS. Ryan Meyer 氏、Asia Partners の共同設立者兼マネージングパートナーの Nicholas Nash 氏、そして500 Startups のマネージングパートナー Khailee Ng 氏である。

カンファレンスは丸一日にわたって開催され、日程表には話し合いやフォーラム、そして参加者が議論したりブレインストーミングしたりすることができるネットワーク作りの機会が詰め込まれていた。キーノートの発表者である Technode の設立者兼 CEO の Lu Gang 博士は、将来性がある中国の未来と世界的なイノベーションおよびテックについて話をし、一方でパネルディスカッションでは、東南アジアのテックエコシステムにおける企業改革やプレイヤーの発展、そしてユニコーン企業の可能性が詳細に議論された。

地域における統合と支援

このカンファレンスにおける最も大きなポイントは、東南アジアのテックエコシステムにとっての、統合と相互支援の必要性だった。あるパネルの中で Pariwat Wongsamran 氏はこう述べた。

実際、私たちの国々(マレーシア、シンガポール、ベトナム、タイ)には、ASEAN のスタートアップを支援するプログラムがすでにあります。それらを同じプログラムの中に合わせることができます。

私たちはデータを共有し、投資の役に立つようにすることができます。ベンチャーキャピタルは1つの国だけに投資しようとは考えず、東南アジア全体に投資しようと考えます。だからこそ、私たちは協力し、ランディングパッドやローンチパッドのような既存のプログラム、および交流プログラムを活用し、スタートアップの手助けをすべきなのです。

TDPK の Togetherness of Possibilities のようなテックプレイヤーの集まりは、地域にネットワークを作り地元のスタートアップを力づけるために、非常に重要である。エコシステムのすべての関係者にそれぞれの視野やアイデアを超えたものに触れる機会を与え、究極的には誰もが順調に進めるように地域全体を俯瞰的に見る広い視野を作り上げる。同じようなアイデアや同種のビジネスコミュニティを防ぎ、同時に、スタートアップやビジネスの間の健全な競争を促進する。

東南アジアにおけるシンクロニシティの重要性

広大な東南アジア市場に入ろうとしている海外のスタートアップや、イノベーティブな新しいビジネスにポートフォリオを拡大しようとしている海外の投資家も、こういった集まりには引き付けられる。タイには東南アジアの中心地としての特権があり、この地域を活用し翼を広げたい海外のスタートアップが拠点として使用するポテンシャルがある。

投資家もこの地域には積極的に関心を寄せており、Financial Times によれば、2019年上半期における東南アジアのテックスタートアップの買収は倍以上になっている。同時期の取得の額は49億米ドルに上り、インドネシアの Go-Jek のようなユニコーンがリードしたものだった。

シンガポールの Golden Gate Ventures のレポートや Insead ビジネススクールはこのトレンドが高まると予想しており、2023年から2025年の間には少なくとも700社のスタートアップがイグジットすると概算している。Golden Gate Ventures のパートナーである Michael Lints 氏は、リサーチによれば多数の世界的な投資家がこの地域に資本を投下しようとしており、もっとも高い興味を示しているのがアメリカ、次いで日本、韓国、そしてヨーロッパの一部であると Financial Times に語っている。

TDPK は国と地域の両方で持続可能な開発へのタイのコミットメントを反映している。同社は投資家や広い市場へのアクセスに関して地元のスタートアップが直面している困難およびディープテックの欠如について認識しており、これらのスタートアップがもっと世界規模の見通しを持てるよう、積極的に機会を作り、方策を打ち出している。タイのエコシステムは始まりはゆっくりであったが、その速度を上げて世界中から注目を集めるようになってきている。

Togetherness of Possibilities の開催中、TDPK はスタートアップエコシステムの完成を発表し、地域のデジタル経済を前に進めるための準備をさらに強化した。タイがアジアにおけるイノベーションと起業の主要なハブとなる見込みは、手の届く範囲にある。TDPK はつながり合いと知識の共有を促進させるスタートアップエコシステムの完成に注力することで、スタートアップやテック起業家がポテンシャルを今後フルに発揮できるよう手助けするという使命を進めている。

このイノベーションハブの繁栄のために、TDPK とその他タイの官と民の両機関は、他の東南アジアのハブによる協力と資本をさらに求めなければならない。それはすでに熱心に行われており、パートナーシップや同国の起業活動への興味という形で実を結んでいる。このままの調子で続いて行けば、タイの目標達成を妨げるものは何もない。

【via e27】 @E27co

【原文】

----------[AD]----------

TechNode主催Asia Hardware Battle 2019、タイ予選の結果を発表——振動センサーとAIで機械の不具合を未然予測するSystemStoneが上海本戦へ

SHARE:

Asia Hardware Battle(AHB)バンコク予選は激しい争いだったが、微笑みと農業の国の核心に迫るものがあった。このイベントは RISE Accelerator の協力により、True Digital Park の最新オープンイノベーションハブで開催された。両社ともに TechNode のパートナーで、タイでの AHB 2019 を共同運営した。 激しい競争を勝ち抜き予選で優勝したハ…

Asia Hardware Battle(AHB)バンコク予選は激しい争いだったが、微笑みと農業の国の核心に迫るものがあった。このイベントは RISE Accelerator の協力により、True Digital Park の最新オープンイノベーションハブで開催された。両社ともに TechNode のパートナーで、タイでの AHB 2019 を共同運営した。

激しい競争を勝ち抜き予選で優勝したハードウェアスタートアップは、タイを代表して10月に上海で行われる AHB の決勝ラウンドに参加する。今回のコンペティションでは、以下に挙げる複数の審査員による厳しい評価と何段階もの選考を経て優勝チームが決定された。

<関連記事>

これまでの Asia Hardware Battle に関する関連記事

審査員

  • Jumpot Phuritatkul 氏(True Digital Park CTO)
  • Nattapat Thanesvorakul 氏(RISE ストラテジー・ニューベンチャー部門長)
  • Marong Phadoongsidhi 氏(モンクット王工科大学トンブリー校准教授)
  • Parin Songpracha 氏(香港 Nasket International 最高経営責任者)
  • Lock Fan 氏(TechNode Venture Capital 責任者)

優勝チーム:SystemStone

Vibro は、超高感度の振動センサーとAI機能を備えた SystemStone の最新鋭 IoT イノベーション。

ユニークなデザインを持つこの機器は、機械が故障する前に不具合の予測を行い、メンテナンスエンジニアのスマートフォンに通知する。

モバイルテクノロジーと工業用 IoT を活用した機械メンテナンスのハードウェアテクノロジーの進化版で、スペアパーツの費用と工場の労働力を半減できる。

登壇スタートアップ:

  1. Maker Playground は、IoT とエンベッド開発向けのオープンソース型エンドツーエンドプラットフォーム。同社が目指すのは、グラフィカルなダイアグラムを活用した行動をベースとするプログラミング手法だ。そこではコードが自動生成されるほか、ユーザのコントロール、実物ハードウェアとのインターフェース、よくあるコンパイルや認証サイクルのないリアルタイムの結果モニタリングが可能な実物ハードウェアボードやインタラクティブな実験モードにプログラム化される。
  2. DRVR は、IoT デバイスを車の CAN バスに接続し、データを抽出した上で行動可能なナレッジに変換する。ハードウェアとソフトウェアを結合することで、自動車ディーラーとメーカーに対しユニークなゲーミファイドプラットフォームを開発している。
  3. Easy Rice は、人工知能とマシーンラーニングの利点を活用して農業、とりわけコメの収穫を変革するために開発された。コメを検査する方法の問題解決とイノベーションに役立っている。
  4. Xentrack は、屋内用の位置追跡、温度管理をするIoTソリューションで、病院や医療施設向けに利用されている。物体や人物を対象としてリアルタイムの位置追跡を行い、ユーザの LINE、SMS、e メールに通知することができる。

すべての参加企業、審査員、パートナーに感謝する。RISE Accelerator とTrue Digital Park からの最高の支援がなければ、これほどの素晴らしい成果は得られなかった。 SystemStone は、上海で開かれる決勝イベントに向けた準備を進めているところだ。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

----------[AD]----------

在タイ日本大使館、現地日系企業と日・タイのスタートアップの協業を模索するイベント「BLEND」の第1期デモデイをバンコク市内で開催

SHARE:

本稿は、バンコクを拠点に、求人メディアや人事向け SaaS を提供する TalentEx で、インターンとして勤務する高稲美里(たかいね・みさと)氏による寄稿。 高稲氏は群馬県出身。新潟大学人文学部に在籍中で、今年8月から4年次を休学し TalentEx にインターンとして参加している。 本稿内の写真は、両角光士郎(もろずみ・こうしろう)氏による撮影。TalentEx に関する、これまでの記事はこ…

高稲美里氏

本稿は、バンコクを拠点に、求人メディアや人事向け SaaS を提供する TalentEx で、インターンとして勤務する高稲美里(たかいね・みさと)氏による寄稿。

高稲氏は群馬県出身。新潟大学人文学部に在籍中で、今年8月から4年次を休学し TalentEx にインターンとして参加している。

本稿内の写真は、両角光士郎(もろずみ・こうしろう)氏による撮影。TalentEx に関する、これまでの記事はこちらから。


在タイ日本大使館は11日、バンコク日本人商工会議所(JCC)の協力を得て、バンコク市内のコワーキングスペース「Glowfish Sathorn」でタイの日系企業と現地のスタートアップによる協業を図るためのイベント「BLEND」の第1期デモデイを開催した。

このイベントは、日・タイの革新的スタートアップとタイの日系企業の戦略的提携を促す「Open Innovation Columbus(OIC)」という活動の一部だ。OIC 関連イベントとしては、同年3月に在タイ日本大使館が主催した「Rock Thailand」に続くものとなる。

タイ財閥と日本のスタートアップとの協業可能性を模索する意図のあった Rock Thailand とは対照的に、BLEND ではタイの日系企業と現地スタートアップとの協業で新事業が生まれることを意図しているようだ。FactoryTech、LogiTech、HRTechの3分野から日・タイのスタートアップ11社が集まり、日系企業幹部約150名を前にピッチを行った。

イベントではまた、豊田通商タイ現地法人副社長の中川裕二氏のほか、デンソーインターナショナルアジア副社長の末松正夫氏、電通 X タイランドマネージングダイレクター小池和雄氏など、東南アジアのスタートアップとの積極的な協業を図る日系企業の経営幹部によるパネルディスカッションも行われた。

以下に、参加スタートアップの発表内容を紹介する。紹介順はピッチ登壇した順。

System Stone(タイ)

System Stone はメンテナンス計画を容易に管理・作成できるアプリケーションを提供。エンジニアだけでなく生産部や一般スタッフも利用でき、装置のダウンタイム、運用コスト標準化されたワークフローを削減し生産性向上を支援する。1ヶ月100米ドルから始められる手頃さから、既に1,000社、4,500人のエンジニア、66県(チャンワット、タイ国内には77のチャンワットがある)で導入済。タイ国家イノベーション庁とイスラエル AGW Group が支援するアクセラレータ「SPARK」第1期から輩出。

Enres(タイ)

Enres は普段使用している電力の最大30%の節約を実現する、AI テクノロジーによる新しい省エネ代替手段を提供している。24時間体制でエネルギーの使用状況を監視・管理できるため、不測の事態が起きた場合にはアプリケーションを通じて通知が届く。病院や学校、ホテルや工場などにで導入実績がある。タイ国家イノベーション庁とイスラエル AGW Group が支援するアクセラレータ「SPARK」第2期から輩出。

ABEJA(日本・シンガポール)

ABEJA は、コア技術である AI プラットフォーム「ABEJA Platform」を活用し、各種ソリューションをさまざまな業界に提供している。蓄積されたビックデータから、人間の手を介さずに、そのデータを適切に表現する特徴量を自動的に抽出するディープラーニングを活用しサービスを提供している。昨年には、デンソー・インターナショナル・アジアとタイ国内で工場の業務効率化に向けた協業を開始した。

スカイディスク(日本)

スカイディスクは、IoT のセンサデバイス開発から、集まったデータを AI で解析するサービスを提供。製造業への導入実績が多く、機械の異常診断、歩留まり率の向上、検品の精度向上などを実現することで、スマートファクトリー化推進に貢献している。同社のクライアントである大手メーカーがタイ 国内で IoT および AI を使った事業を始め、これを契機にタイ進出を開始した。

Giztix(タイ)

GizTix は運送会社のマーケットプレイスで、日本を含む8カ国で利用可能だ。運送会社の手配は一般的に手間のかかるプロセスを必要とするが、GixTix ではチャットで見積を依頼後、最長でも国内配送なら2時間以内、ASEAN 内配送なら10時間以内、欧米向けの配送なら2日間以内に見積価格を複数の運送会社から受け取ることができる。「TECHSAUCE SUMMIT 2016」のピッチコンペティションで優勝

DRVR(タイ)

DRVR は、アジア地域におけるトラック運送効率を分析するプラットフォーム。運送の世界に IoT を持ち込むことで、運送ドライバーの行動分析を行い、より効率のよい運送パターンを創出することを支援する。車両の燃料消費量温度などもモニタでき、二酸化炭素排出量やドライバが十分な休憩を取っているかも確認できる。毎日70件の交通死亡事故が起きているタイでは、より効果が期待される。

スマートドライブ (日本)

スマートドライブは車などから走行データを収集し、それらを可視化・解析するサービスを提供するモビリティ IoT スタートアップ。SmartDrive Fleet(法人向けリアルタイム車両管理)、SmartDrive Cars(個人向け定額制コネクテッドカー)、SmartDrive Families(個人向け高齢者見守り)、Public Service(危険エリアのマッピングや交通状況共有)など複数のサービスを提供している。

GROUND(日本)

GROUND は、倉庫におけるピッキング作業を始め、物流オペレーションの最適化のために、ハードウェア(ロボット)とソフトウェア(AI)の両方を組み合わせたプラットフォームを一気通貫で提供できるのが特徴。消費者の行動を把握できる顧客データベースを元に機械学習を用い、需要予測に基づいて製造数・販売数を予測し、物流業務全体の業務効率の改善を図る。

Helpster(タイ)

Helpster は労働市場の改善と採用活動の効率化を、テクノロジーを用いて実現するタイのスタートアップ。非正規雇用者の増加や給料未払などの労働者が抱える問題を解決すべき課題としてとらえ、労働環境の改善と QoL(Quality of Life)の向上を社のビジョンに掲げている。全ての求職者に面談やトレーニングを行っているため、質の高い人材の効率的な採用が期待できるとのこと。

Occa(タイ)

Ooca は、現代社会において自殺者や精神病患者の増加を課題としてとらえ、アプリを通じて精神科医と面談できる環境を通じて、自信と自尊心が持てるよう専門的なカウンセリングアドバイスをオンラインで提供する。法人と個人の両方が利用可能。タイに加え、中国とシンガポールにも展開。タイ国家イノベーション庁とイスラエル AGW Group が支援するアクセラレータ「SPARK」第2期から輩出。

TalenEx(タイ)

TalentEx は、日本語人材に特化した求人プラットホームとして提供。加えて、業務効率化ソフトウェア「MICHIRU RPA」の販売も行っている。日々の単純業務をロボットに任せて自動化することで、それに充てていた時間をスキルアップや他の業務に繋げられるのが魅力のひとつだ。特に生産年齢人口が低下傾向にあるタイでは一層の活用が期待される。

----------[AD]----------

タイのSiam Commercial Bank、東南アジアでeコマースやオンラインゲームを展開するSeaと提携しデジタル決済とレンディング事業に進出

SHARE:

Siam Commercial Bank(SCB、サイアム商業銀行)は e コマース・ゲームデベロッパーの Sea のタイ事業部との提携を発表した。SCB はデジタル決済とレンディングサービスへ領域を拡大しようとしているとロイターが伝えた。 SCB の社長 Apiphan Charoenanusorn 氏は、レンディングサービスはシンガポールを拠点とする Sea のプラットフォーム上で小規模ビジネ…

ニューヨーク証取への上場を祝い、Sea の経営陣やゲストが訪問。会長兼 CEO の Forrest Li 氏は、オープニングベルを鳴らした。

Siam Commercial Bank(SCB、サイアム商業銀行)は e コマース・ゲームデベロッパーの Sea のタイ事業部との提携を発表した。SCB はデジタル決済とレンディングサービスへ領域を拡大しようとしているとロイターが伝えた

SCB の社長 Apiphan Charoenanusorn 氏は、レンディングサービスはシンガポールを拠点とする Sea のプラットフォーム上で小規模ビジネスをターゲットとしたものであると述べた。Sea の AirPay と SCB のアプリを連携し、顧客はアプリを通じて直接決済ができるようになる。

SCB はこれをパートナーシップ確保戦略と、決済やレンディングを含む同社のデジタル能力拡大の一環であると述べている。

この戦略のその他の部分は、インドネシアの配車スタートアップ Go-jek のタイ事業部門 Get に対して SCB が行った、非公開額の投資にも反映されている。この投資の後には、アプリ上でドライバーに対して提供される金融サービスへの進出計画が続く。

タイの銀行は昨年にデジタル取引の手数料を無料化してから、手数料収入の下落というプレッシャーを受けており、Sea Group とのパートナーシップという決断もこういった背景で説明がつく。

手数料収入の低下のため、2019年上半期は SCB の非金利収入は9.7%下落した。

対照的に、東南アジアと台湾でeコマースプラットフォームの Shopee を所有・運営している Sea は、4~6月期に収益が3倍以上となった。同社は今年 e コマースビジネスを拡大するために、15億米ドルを調達したところである。

2019年4月には、Sea Group は e27 に対し、ゲーム部門の Garena がライブストリーミング分野に進出する計画であると明かした。

【via e27】 @E27co

【原文】

----------[AD]----------