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タイの起業家が開発した植物由来代替ミルク、牛乳アレルギーに苦しむ人に福音となる「Sesamilk」とは

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2016年、タイのゴマビジネスで10年以上の経験を持つ起業家 Siripen Suntornmonkongsri 氏は、自身の専門知識を活かして、人々に正しい方法でゴマを摂取することを促すだけでなく、環境にも優しい製品を開発することを決意した。 そうしてまもなく、彼女は食品科学者でバンコクのモンクット王工科大学ラートクラバン校教授でもある2人—— Napatrapee Luengsakul 氏と …

CEO Siripen Suntornmonkongsri 氏(左)と、取締役 Wattana Suntornmonkongsri 氏(右)
Image credit: Sesamilk Foods

2016年、タイのゴマビジネスで10年以上の経験を持つ起業家 Siripen Suntornmonkongsri 氏は、自身の専門知識を活かして、人々に正しい方法でゴマを摂取することを促すだけでなく、環境にも優しい製品を開発することを決意した。

そうしてまもなく、彼女は食品科学者でバンコクのモンクット王工科大学ラートクラバン校教授でもある2人—— Napatrapee Luengsakul 氏と Tongchai Puttongsiri 氏——と出会い、アイデアを練り上げた。

我々の研究は良い結果をもたらし、それが2018年に Sesamilk を開発することにつながった。(Suntornmonkongsri 氏)

Sesamilk とは?

Image credit: Sesamilk Foods

Sesamilk は、タイ国家イノベーション庁のアクセラレータ「Space-F」第1期に採択された Sesamilk Foods が開発した代替乳製品で、脂肪分が豊富なタイ産の高級ゴマから抽出され作られる。

他の植物由来ミルクとは異なり、Sesamilk は天然の種子から抽出されます。2019年3月に発売されたこの製品には、健康に有害な成分は一切含まれてい無い。

世界中で、乳製品や豆乳にアレルギーを持つ人が増えている。この事実と相まって、ベジタリアンや健康志向の人が増えている。Sesamilk はこのような人々をターゲットにしている。(Suntornmonkongsri 氏)

ゴマは、ゴマの木のさやに入っている、油分を多く含んだ小さな種子だ。この種子には多くの潜在的な健康効果があり、何千年も前から民間療法で使用されてきた。

アジアでは、ゴマの種は饅頭のふりかけに使われ、油は料理に広く使われている。しかし、油やふりかけとして使用した場合、その栄養素はそのままでは人体に吸収されない。

飲み物 にすると、ゴマの栄養素をまるごと人体に吸収させることができる。さらに注目すべきは、ゴマにはガンの治療薬が含まれていると言われていることだ。(Suntornmonkongsri 氏)

健康への効能

Image credit: Sesamilk Foods

Suntornmonkongsri 氏は、Sesamilk にはセサミン、セサモリン、セサモールなどの栄養素が含まれていることを指摘している。セサミンは、熱発育と脂肪の酸化を高め、脂肪燃焼酵素を調節し、脂肪の貯蔵を減少させ、インスリン感受性を高め、ケトン体の形成を促進することができる。

また、セサミンは強力な抗酸化物質でもあり、体内のコレステロール値を低下させ、HDL レベルを調整し、血圧を低下させ、肝臓と腎臓の健康を改善する。

我々は「機能性ミルク」と呼んでいる。Sesamilk には、豆乳に黒ゴマを混ぜたものよりもセサミンが128倍も含まれており、成長ホルモンやコレステロールが含まれていないため、牛乳よりも健康的で、アレルギーの心配も無い。

Sesamiilk は自然由来のもので、1歳未満の子供でも食べることができ、乳糖不耐症、牛乳アレルギー、ベジタリアン、ビーガンの方にも利用できる。(Suntornmonkongsri 氏)

現在、Sesamilk はタイ国内の約500店舗(オンラインとオフライン)で販売されている。また、日本、マカオ、香港、ベトナムにも輸出されている。

タイだけでなく、日本のようにゴマの利点をよく知っている国からも、お客様から良いフィードバックを得ている。(中略)

我々はまた、グローバル市場での Sesamilk の事業機会を見出している。牛乳代替品として、Sesamilk は、泡立ちが良く、コーヒーや飲料と相性が良いので、HORECA(ホテル・レストラン・カフェ業界)、中でも特にカフェで大きなチャンスがあると考えている。(Suntornmonkongsri 氏)

同社は Sesamilk の生産に加え、タイでゴマ農業を推進している。ゴマは干ばつに強いため、経済的かつ持続可能な事業だ。

挑戦

認知度を高めることは、Sesamilk にとって、最初から大変な作業だったと CEO は認めている。先発企業として、同社はマーケティング活動に多くの投資をし、同時に多くの国でブランドの認知度を高めようとしなければならないかもしれない。

資金調達もまた、我々が成長する上で重要な部分を占める。シンガポールの Lee Choo Chien 氏とタイの Somchai Hirunyakorn 氏という2人のエンジェル投資家から、すでに最初のシード資金調達を受けている。しかし、今年はさらに拡大するために、より多くの資金を調達する予定だ。(Suntornmonkongsri 氏)

この分野では、シンガポールの TurtleTree Labs が競合しており、同社は細胞ベースの技術を用いて動物を必要とせずに牛乳を作ることができる。1月には、サウジアラビアの起業家兼投資家アルワリード・ビン・タラール王子が所有する VC の KBW Ventures が TurtleTree Labs に投資した

【via e27】 @e27co

【原文】

タイのLINEデリバリアプリ「LINE MAN」運営が1億1,000万米ドルを調達、地元レストランレビューアプリ「Wongnai」と合併

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メッセージアプリ「LINE」のタイにおけるオンデマンドアシスタントプラットフォーム「LINE MAN」は、グロースキャピタル企業 BRV Capital Management から1億1,000万米ドルの投資を受けることに合意したと発表した。

LINE によると、同社傘下の海外事業体がこの規模の投資を確保したのは初めてだという。

Image credit: Line Man

今回の調達は、LINE MAN がタイのレストランレビュープラットフォーム「Wongnai Media」との合併を発表したことに伴うものだ。LINE の声明によると、今回の調達は新たに合併で生まれる事業体を強化し、タイでの展開を拡大することを目的としている。

2010年に設立された Wongnai は現在、月間1000万人以上のユーザを擁し、タイ最大のレストランデータベースを持ち、そのネットワーク上には40万以上の施設が登録されている。LINE は今回の合併により、タイを代表するデイリーアシスタントアプリとしての地位を強化することができると述べている。

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LINE MAN は、LINE が初めてタイのオンデマンドサービスに進出した2016年にローンチした。それ以来、10万店以上のレストランをプラットフォームに追加してきた。

このアプリでは、メッセンジャー機能やタクシー配車サービスに加えて、食品、食糧、コンビニ商品、小包の配達を提供している。現在、バンコク、ノンタブリ県、サムットプラークラン県、ナコーンプラートム県などで提供されています。

LINE タイの元最高戦略責任者である Jayden Kang 氏は、昨年の Korea Times とのインタビューで、同社は今後数年でさらに17の地域に進出することを目指していると述べ、LINE MAN は海外進出よりもタイ地元市場に焦点を当てていくと述べている。

BRV は、PayPal や Waze の初期ラウンドをリードしてきた、アジアのグロースキャピタル企業。声明によると、同社が LINE MAN への投資を決めたのは、LINE が現地ユーザの「日常アシスタント」になることに成功したからだとしている。

【via Tech in Asia】 @Techinasia

【原文】

インタラクティブ動画サービス「TIG(ティグ)」開発のパロニム、タイのテレコム最大手AISの親会社から資金調達

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この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。 インタラクティブ動画サービス「TIG(ティグ)」を開発・提供するパロニムは6日、タイのテレコム最大手 AIS(バンコク証取:ADVANC)の親会社である Intouch Holdings(バンコク証取:INTUCH)から資金調達したことを明らかにした。調達額は非開示。 パロニムは昨年からシリーズ B ラウンドでの調達を…

昨年12月、「ROCK THAILAND」に登壇したパロニム代表取締役の小林道生氏
Image credit: Masaru Ikeda

この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。

インタラクティブ動画サービス「TIG(ティグ)」を開発・提供するパロニムは6日、タイのテレコム最大手 AIS(バンコク証取:ADVANC)の親会社である Intouch Holdings(バンコク証取:INTUCH)から資金調達したことを明らかにした。調達額は非開示。

パロニムは昨年からシリーズ B ラウンドでの調達を続けており、これまでに日本郵政キャピタルと NTT ドコモ・ベンチャーズから約2.3億円を調達したことを明らかにしている。同社は今回の Intouch Holdings からの調達でシリーズ B ラウンドをクローズする。創業来の累積調達金額は約6.9億円。

2016年に設立されたパロニムは、動画に触れることで必要な情報にアクセスできるインタラクティブ動画サービス「TIG(ティグ)」を開発・提供している。ユースケースはインテリア(動画を再生中、興味のある家具にタッチすると購買サイトへジャンプ)、ファッション(動画を再生中に、興味のある洋服にタッチすると購買サイトにジャンプ)、レシピ(動画を再生中に食材にタッチすると、そのページへジャンプ)、旅行(動画を再生中に旅のスポットにタッチすると、そのページへジャンプ)などがある。

「ROCK THAILAND」で TIG の事業開発タイムラインを説明する小林氏
Image credit: Masaru Ikeda

コンテンツ提供元・開発元には、動画中のオブジェクトに紐付けができるトラッキング編集ツール、多くのユーザがどの位置をタッチしているかがわかるヒートマップツールが提供される。ブランチ動画、マガジン、サイネージ、コマース、ラーニング、ライブの6つの異なるバーティカルに適したラインアップを用意。そのインタラクティブ性から、EC 取引に至るコンバージョン率は、Instagram と比べ2倍以上、YouTube と比べ3倍以上に上るという。

パロニムは昨年12月、在タイ日本大使館とタイ財閥最大手の CP グループが開催した越境オープンイノベーションイベント「ROCK THAILAND」の第2期に登壇、代表取締役の小林道生氏が事業提携、シリーズ B 調達、販売パートナーの獲得を模索していた。今回はその努力が実を結んだ格好だ。パロニムでは今後、Intouch Holdings との共同記者会見を予定しており、両社での具体的な事業展開についてはその際に明らかになるとみられる。

EVに力を入れるタイ、「Energy Absolute Plc」は2020年中に5,000台のEV車製造へ

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ピックアップ:Electricity billionaire building Tesla of Thailand ニュースサマリ:太陽光や風力による再生可能エネルギー事業を複数展開しタイで最も急成長している企業の1つであるEnergy Absoluteは、現在EV車の開発・製造に力を入れている。同社は2020年中に5,000台のEV車製造・1000台以上の充電ステーションの導入を予定しており、現…

pexels-photo-799443.jpeg
Photo by Matheus Bertelli on Pexels.com(写真はイメージです)

ピックアップ:Electricity billionaire building Tesla of Thailand

ニュースサマリ:太陽光や風力による再生可能エネルギー事業を複数展開しタイで最も急成長している企業の1つであるEnergy Absoluteは、現在EV車の開発・製造に力を入れている。同社は2020年中に5,000台のEV車製造・1000台以上の充電ステーションの導入を予定しており、現在1万台の車を組み立てられる工場を建設中だ。

重要なポイント:同社はEVライフサイクルに関連するのすべての事業(発電、バッテリー製造、自動車製造、充電ポイントの設置)を総合的に手掛けるという点がテスラと共通しているため、タイのテスラと呼ばれ注目を集めている。CEOのSomphote Ahunai氏は昨年フォーブス誌が選ぶタイで最も裕福な20人のうちの1人として紹介され、2019年末の総資産額は推定19億米ドルと報じられた。

詳細情報:2019年に販売を開始したMine Mobilityは同等クラスのEV車である日産リーフやKia Soulよりも安く値段は120万バーツを下回る(米ドル換算で4万ドル弱)価格で、1回の充電で200kmの走行が可能。

  • 5人乗り自家用車のMine Mobility以外にも、さらに安価なコンパクトカーや高価なスポーツカー、EVボートの生産に向け現在取り組んでいる(EVボートは現在河川にてプロトタイプのテストを行っている)。
  • リチウムイオン電池を製造する30億ドル規模の工場の建設も進行中で、完成し工場がフル稼働するとタイはリチウムイオン電池生産量が世界第三位となる。
  • 新型コロナウイルスの影響で今後の計画の見直しなどは避けられないとしながらも、現在でも工場の稼働やリチウムイオンバッテリープラントの建設、開発など継続している。
  • 国内の事業を進めるのと並行して、インドネシア、ベトナム、マレーシア、フィリピンを含む近隣諸国への進出も計画、東南アジア全体のEV自動車領域におけるリーダーとなることを目指している。

背景:東南アジアでは二輪車の高い普及率や値段の高さから、これまでEV車の普及が進んでいない。タイ政府は現在深刻な問題となっている大気汚染の緩和にも繋がるためEV自動車の導入に積極的である上、国内総生産の12%を占める自動車産業を今後強化していく方針。

また、タイは多くの外国企業の自動車製造拠点となっており工場が多くあるため、自動車製造に関し熟練した労働者を多く抱えているのも特徴。こういった背景からタイは東南アジアで最初にEVメーカーに対しての優遇税制措置を実施。企業は8年間の法人税控除、機械および部品の輸入税の免除、物品税の減額を受けることができるため、BMWやダイムラー、メルセデス・ベンツ、日産などもタイでのEV車製造の計画を検討している。

執筆:椛澤かおり/編集:平野武士

タイのデジタル決済スタートアップDigio、シリーズBラウンドで400万米ドルを調達

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タイのデジタル決済スタートアップ Digio は、プロダクト開発加速のため、複数の投資家からシリーズ B ラウンドで400万米ドルを調達したと発表した。

この資金調達には、タイの銀行間決済プロバイダー PCC、Beacon Venture Capital、Private Equity Trust for SME Growing Together 2 が参加した。

Image credit: Digio

2012年に設立されたバンコクを拠点とする Digio は当初、モバイル向け POS アプリケーションの開発に注力していた。その後、デジタルデータ収集ツール、ソフトトークン、決済ゲートウェイなど、ソフトウェアとハードウェアの両方の決済ソリューションを提供するまでに拡大してきた。

加えて同社は最近、タイ銀行から決済サービスのライセンスを取得し、消費者や中小企業に対しより直接的に新しい決済サービスを提供できるようになった。

Digio は今回の新しい資金を使って、製品やサービスの開発を加速させる予定だ。同社によると、現在の新型コロナウイルス危機下においては、キャッシュレス決済を支えるインフラが、オンライン・オフライン問わず、消費者および企業間全ての取引においてより大きな役割を果たすようになるという。

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Digio は最近、PCC と共同で中小企業の非接触型クレジットカード決済の受入処理をより安全にする低コスト POS 端末「FLite」をローンチした。また、同社はタイの大手金融機関と協力して、オンラインおよびオフラインの小売店が顧客に請求書を発行し、QR コードを介して支払を回収できるプロダクト「MeeBill」をローンチした。

Digio の創業者兼 CEO である Nopphorn Danchainam 氏は次のように述べている。

我々の使命は、タイとより広い東南アジア地域で、安全で摩擦のないデジタル決済を可能にすることです。

現在、同社はバンコクとチェンマイに計3つのオフィスを持ち、日本、マレーシア、ミャンマーなどアジア全地域の顧客にサービスを提供している。Digio は2017年、調達額非開示でシリーズ A ラウンドの資金調達を実施した。このラウンドには、Singtel が出資する Intouch のVC部門 InVent が参加している。

【via Tech in Asia】 @Techinasia

【原文】

東南アジアの決済プラットフォーム「2C2P」運営、フィンテック特化のVCを設立

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シンガポールとバンコクに拠点を置く決済プラットフォーム「2C2P」は、東南アジア全域のフィンテック機会に投資するための新たな投資部門を設立したと発表した

Photo credit: 2C2P

2C2P.VC と名付けられた新会社は、シンガポールに本社を置き、最近 2C2P の経営陣に投資ディレクターとして加わった Eva Weber 氏が率いることになる。Weber 氏は、メリルリンチ、IFC、Naspers、Adyen などの企業で複数の役職を歴任してきた。

Weber 氏は Tech in Asiaに対し、2C2P.VC の設立により、同社がタイ、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポールなど東南アジア地域の中核市場の強化に注力していくと語った。また、投資部門は、東南アジア以外の地域へ 2C2P の進出を支援する企業にも注目している。

我々はそれぞれの機会を評価し、それに応じて投資規模と関与のレベルを決定する。一般的には、時間をかけて出資額を増やしていくことを視野に入れて、少数株主になることを考えている。(Weber 氏)

2C2P の創業者兼グループ CEO の Aung Kyaw Moe 氏は、2C2P が 2C2P.VC を成長のための「重要な要素」と捉えていると語っている。Moe 氏は、特に同社が参入を計画している市場での技術、製品、地理的プレゼンスの点で、同社の戦略に合致した企業に注目していると述べた。

2C2P は昨年、IFC、Cento Ventures、Arbor Ventures などから5,200万米ドルの大規模な資金調達をしている。同社は調達資金を、決済プラットフォームの強化、現地の人材の採用、東南アジア以外への展開に使うとしていた。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

バンコク発モビリティテックのFlare、シリーズAで1.5億円を調達——Spiral Ventures、千葉道場、Sun*、VOYAGE VENTURESから

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。 バンコクを拠点に自家用車を活用したラッピング広告ネットワークシステム「Flare Ad」などを提供する Flare は23日、シリーズ A ラウンドで1億5,000万円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、Spiral Ventures Asia、千葉道場、Sun*(サンアスタリスク)、VOYAGE VE…

Flare のチーム。左から2人目が創業者で CEO の神谷和輝氏
Image credit: Flare

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

バンコクを拠点に自家用車を活用したラッピング広告ネットワークシステム「Flare Ad」などを提供する Flare は23日、シリーズ A ラウンドで1億5,000万円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、Spiral Ventures Asia、千葉道場、Sun*(サンアスタリスク)、VOYAGE VENTURES。

Sun*(当時の社名はフランジア)は2018年のシードラウンド、VOYAGE VENTURES は2019年のプレシリーズ A ラウンドに続くフォローオンでの出資となる。

Flare は、連続起業家の神谷和輝氏により2017年8月に正式ローンチ(ローンチ当時のサービス名は「Flare」)。神谷氏は2013年11月のタイ移住以降、これまでにオンラインのタイ語学校、翻訳・通訳のクラウドソーシング事業、タイのビジネスポータルサイト運営などを手がけてきた。

「Flare Analytics」
Image credit: Flare

Flare Ad を皮切りに、2019年9月から車両管理(Fleet Management)やテレマティクス自動車保険への応用が可能な「Flare Analytics」、2019年12月から Flare Analytics を応用し企業の管理者がドライバーの勤怠や動態管理ができる「Flare Dash」を提供している。

同社は、調達した資金を使って営業や開発人員の採用と体制を強化し、Flare Ad、Flare Dash、Flare Analytics などの各サービスの開発に投資する計画。Flare Ad の登録ユーザ数は昨年4月現在15,000人で、近い将来に10万人を目指すとしている。

Flare は昨年、日本とタイの革新的スタートアップとタイの日系企業の戦略的提携を促す「Open Innovation Columbus(OIC)」の活動の一環で、豊田通商タイ現法と資本業務提携し、Flare Analytics を活用した安全運転に関する実証実験や製品開発に着手した。Fire Analytics は SDK 形式で提供可能であるため、既にシステムを採用している事業者ユーザにとっても追加導入しやすい優位性があるという。

今年1月には、カンボジアの BOP ビジネスを手がけるリネットジャパングループ(東証:3556)と協力し、Flare Ad のカンボジアでのサービス展開を開始。Flare Dash もタイ国内のみならず、ミャンマーでサービスを開始している。

在タイ日本大使館、日系企業と現地スタートアップの協業支援イベント「BLEND」のデモデイ開催——トラベルテック特化の第2期に16社が集結

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本稿は、バンコクを拠点に活動するイノベーションコンサルタントの宮田直栄氏による寄稿。 宮田氏は、旅行者が残った釣り銭を匿名寄付できるサービス「Coin⇆Back」をバンコクで共同設立。ローカルオンデマンドサービス「ServisHero」のタイにおけるオペレーションや人材獲得を統括した。現在は、世界を目指すスタートアップを後押しするプログラム「JETRO Innovation Program(JIP…

宮田直栄氏

本稿は、バンコクを拠点に活動するイノベーションコンサルタントの宮田直栄氏による寄稿。

宮田氏は、旅行者が残った釣り銭を匿名寄付できるサービス「Coin⇆Back」をバンコクで共同設立。ローカルオンデマンドサービス「ServisHero」のタイにおけるオペレーションや人材獲得を統括した。現在は、世界を目指すスタートアップを後押しするプログラム「JETRO Innovation Program(JIP)」のタイにおけるメンターを務める。

チュラロンコン大学サシン経営大学院で MBA を取得。


在タイ日本大使館は23日、Digital Economy Promotion Agency(DEPA)とタイ国政府観光庁(TAT)の協力を得て、在タイ大手日系企業、タイ大手企業、タイのスタートアップ企業による協業を支援するためのイベント「BLEND」の第2期デモデイを開催した。

本イベントは、日本とタイの革新的スタートアップと両国の企業の戦略的提携を促す「Open Innovation Columbus(OIC)」という活動の一部であり、今年10月に開催された第1期の電子・機械製造部門(FactoryTech、LogiTech、HRTech)に続いて2回目の開催。今回は旅行産業(TravelTech) を対象にしている。

周知の通り、タイへの旅行客は年々右肩上がりに上昇しており、世界の人気観光地ランキングでは常に上位に位置し、海外旅行収入額ランキングでもアジアで1位だ。多くの企業がこのチャンスをビジネスに活かそうと集まっているが、近年では特に Airbnb や Grab などのシェアリングサービスの普及が消費者の購買行動を大きく変えたと言えるだろう。今後、日本の企業がインバウンドとアウトバウンド市場を制するには、現地市場への深い理解に基づくオープンイノベーションが必要不可欠となる。

こうした環境を背景に、現地の市場や消費者ニーズを熟知している現地トラベル系スタートアップと資金、人材、技術的蓄積、営業ネットワーク、顧客データなどの多大なるリソースを保有する観光系大手日系企業の戦略的提携を促すことで、オープンイノベーションを起こそうというのが OIC の狙いである。

今回のイベントには、観光系大手日系企業との協業に関心を持つタイのトラベル系スタートアップ16社が集まり、在タイ日系企業とタイ企業幹部関係者約140名を前に自社サービスの PR を目的としたピッチを行った。日本から JAL、ANA、JTB、HIS のほか、タイ航空やバンコクなどに拠点を置くAgoda(2003年にタイのプーケットで設立、2007年にアメリカの Booking.com が買収)が参加した。

開会挨拶では、着任後初の参加となる在タイ日本国大使館の梨田和也大使より OIC の目的や意図、タイと日本にとって今後オープンイノベーションがいかに重要となるかが語られた。

イベントには、DEPA の Executive Vice President である Chinawut Chinaprayoon 氏、GDS 大手である Amadeus の Community Manager であるStephanie Strunk 氏、TakeMeTour 創業者で COO とCMO を務めるNoppon Anukunwithaya 氏を招き、政府、旅行 IT ソリューション、スタートアップの3つの観点から、今後のトレンドや課題などついてのパネルディスカッションが行われた。

以下、参加したタイのスタートアップ企業と発表内容を紹介する(紹介順はピッチ登壇順)。タイのトラベル系スタートアップが現地観光系大手日系企業と出会える機会は限られており、今回のイベントが今後の協業につながることを期待したい。

<General / Specialized Booking & Search>

Deetrip

CEO Christophe Secher 氏

Deetrip は、タイ人向けホテルサービス1日利用券予約サイトである。4つ星や5つ星ホテルは設備が整っているのにもかかわらず、利用率の低い施設(ジム、スパ、プール、レッスンなど)が多数ある。これらの施設を1日利用券として販売し、ホテルに新たな収益源を提供している。タイ国内で既に250以上のホテルと提携しており、現在は資金調達中。競合の Resort Pass(アメリカ)は1,170万米ドルの資金調達に成功している

Socialgiver

共同創業者 Aliza Napartivaumnuay 氏

Socialgiver は、観光やライフスタイルを通じて社会貢献したい観光客と CSR(企業の社会的責任)活動に取り組む企業を繋ぐオンラインサービスである。タイでは毎年全体の約半数に上る約45%(約4兆円)ものサービスが利用されないままとなっている。これらのサービスには、ホテルの空き部屋や飲食店などの空席、売れ残りチケットなどが含まれ、当日売れなければ価値を失い、提供する企業にとっては機会損失となる。

そこで企業は CSR 活動の一環として、これらの商品を Socialgiver のプラットフォームで売り出すことにより新しい価値を生み出し、消費者は安い価格で購入できる。CSR 活動を目的として、企業は興味のある NGO にその売上を募金できる仕組みだ。消費者・企業・NGO 間の WIN-WIN-WIN を目指す。現在300を超える企業がパートナーとなっており、日系企業との協業でさらなる拡大に取り組む。

Golfdigg

CEO Thera Siricharoen 氏

Golfdigg は、ゴルフ場予約アプリである。150コース以上のゴルフ場から、条件にあったゴルフ場の検索や空き状況が確認でき、予約は6ヶ月前〜当日まで可能。タイには日本人駐在員3万人を含む、30万人もの日本人インバウンドゴルフ客がいる。予約時の言語問題解決のため、タイ、英、日、韓の4ヶ国語に対応言語を増やし、タイに加えベトナム、台湾、マレーシアにも進出する予定。

MuayThaiOK

CEO Thanont Manorotkul 氏

MuayThaiOK は、ムエタイ教室やムエタイ観戦チケットの販売サイトである。タイの国技であるムエタイは世界中でも人気があり、グローバルの市場規模は3,000億円に上るといわれている。しかし、言語サポートやマーケティング力が弱いため、タイへの観光需要を取り込めていない。そこで見込み顧客を獲得するため、ムエタイのマーケティング戦略と実行に注力する。

世界10都市のジムやタイの地方のジムとパートナーを組み、集客面のサポートを行っている。MuayThaiOK のサイトでは、ムエタイ観戦チケットやプロから指導を受けられるグループレッスン、パーソナルレッスンの購入を行うことができる。今後資金調達を経て、ムエタイグッズの販売やスポーツツーリズムの拡大に取り組む。

<Home Sharing & Rentals>

FlexStay

CEO Mario Peng 氏

FlexStay は、中期滞在民泊予約サイトである。タイ国内にも日本同様にホテル関連の法律が設備されており、許可を持たない者の30日以下の賃貸は違法になる。しかし、長期賃貸となると1年以上の契約となるのが一般的。そこで同社では、1ヶ月〜12ヶ月の中期滞在を目的とした旅行者、学生、インターン生、フリーランサー、高齢者に着目した。3D の間取り図と標準化された部屋の詳細情報が提供されているため、非常に分かりやすい。今後借家人のマネージメント・オペレーターとしても取り組む。

<Car & Ride Sharing / Transit Navigation>

Drivemate

CEO Silratth Sukwatthanasiri 氏

Drivemate は、ピアツーピア(P2P)のカーシェアリングサービスである。タイの新車はメーカー国価格と比べて1.5〜3倍と高額であり、その上多くの車は使用されていない時間が1日のうちの95%を占めるとのこと。Drivemateでは、アプリで自分の周辺にある最適な車の予約を数分で完了できる。このサービスには、保険やメンテナンスなども含まれている。今後資金調達を経て、空港乗捨てサービスやサブスクリプションサービスの導入をしていく予定。交通渋滞に苦しむ東南アジアにとってカーシェアリングは切り札となるか。

Tuk Tuk Hop

CEO Chayakarn Sukruay 氏

Tuk Tuk Hop は、オンデマンドのトゥクトゥク専用配車アプリである。トゥクトゥクは観光客に人気が高く、観光エリアでは主要交通機関のひとつになっている。アプリの利用で外国人利用者は目的地や値段交渉など通訳が必要な場面でのコミュニケーションの難しさも解消。アプリを使うことで目的地や値段交渉の必要がなくなる。既にホテルや旅行代理店と協業しており、今後1日乗り放題サービス(399バーツ〜、1,450円以上相当)や自社の電気トゥクトゥクを展開する予定。

Viabus

CEO Intouch Marsvongpragorn 氏

Viabus は、リアルタイム公共交通機関運行状況アプリである。発展途上国の公共交通機関は複雑な上、時間通りに運行されてない場合が多い。そこで同社は、リアルタイムでの交通機関状況や渋滞状況、路線情報、ルート案内などが一目でわかるアプリを開発。アプリには、電車、バス、商用車、ミニバス、ボート、バン、ローカルバスなどの公共交通機関の情報が全て掲載されている。既にユーザ数は100万人を突破しており、現在はタイ人だけでなく旅行客ユーザの獲得にも注力している。

<Personalized Travel>

SNEAK

CEO Thunyathorn Penbumrungvong 氏

SNEAK は、ビジュアル検索旅行計画サイトである。旅行の計画には時間や手間がかる。また最近では、Instagram や Pinterest 等の画像コンテンツを元に旅行プランを作成する若い層も増えてきている。同社では、画像をベースに自分の好み通りに目的地が選択でき、ルート案内や旅行計画、チケットの購入までモバイルサイト内で簡単に完結できるサービスを開発した。来年はアプリ開発、そして2020年東京オリンピックに向けて、パートナーシップ・顧客獲得に注力していく。

<Hotel Management>

Newlegacy Hospitality

CEO 松田励氏

Newlegacy Hospitality は、自社ブランド「Kokotel」を展開するホテルオペレータである。小規模ホテルのバックオフィス業務等を集約することで、質の高いサービスを安定した低いコストで提供している。コンセプトは「家族や友達と共に、安価で快適な宿泊」であり、広いロビースペースやカフェ、子ども向けのスペースを配置している。現在約15店舗のホテルを運営しており、さらなる拡大を目指す。

HandiGo

CEO Sakdidet Poolsawad 氏

HandiGo は、ホスピタリティ向けコンシェルジュアプリである。外国人観光客を受け入れる際に生じる言語の問題は多く、ホテル側の受け入れ体制は十分でないことがほとんどだ。同社では、そのようなホテル側のカスタマーエンゲージメントの課題解決をするため、ホテルの情報提供、ルームサービス、 広告、ライブチャットでのカスタマーサービスなどを多言語表示するサブスクリプションサービスを提供している。今後はホテルのみならず、アクティビティや体験ツアー領域にもサービス展開を予定している。

<Activities, Touring & Info>

TakeMeTour

COO & CMO Noppon Anukunwithaya 氏

TakeMeTour は、ピアーツーピア(P2P)のローカル体験サイトである。地元との共存共栄を目的とし、東南アジアのローカルアクティビティが体験できる。すでに世界65都市で25,000もの体験を提供している。地元ツアー提供者のバックグラウンド調査をしっかり行うことで、顧客満足度98%を獲得。現在タイ国政府観光庁と協業しており、今後「Local Table」として地元限定グルメサービスなどに事業領域を広げていく。

Local Alike

シニアマーケティングディレクター Jakrapol Baesuvan 氏

Localalike は、地域活性化に特化したローカル体験サイトである。同社では、貧困に悩む地域問題の解決を目的に、これまで7年間で培ったテクノロジーやマーケティング、ビジネス経験やノウハウを活かし、地域自らがローカル体験やアクティビティを生み出すサービスを提供している。その地域ならではの自然や歴史・文化、食育などを取り入れたユニークな体験プランが特徴。すでに5,400万バーツ(約1億9,600万円)の収益を上げており、タイ国内の42地域で貢献している。引き続き、サステイナブルなコミュニティビルダーとして政府や企業と協業しながら市場拡大に向け展開する。

Tourkrub

CEO Jakapan Leeathiwat 氏

TourKrub は、タイ発のアウトバウンド向けオンライントラベルエージェンシー(OTA)である。24時間いつでも膨大な数の商品(民泊、空港券、ツアーパッケージなど)を閲覧、購入できる。現在シリーズ B 資金調達中で、今後は東南アジア全域にサービス拡大を予定。

Infinite FREAK Lab

Active Principle Investigator の Sornchai Chatwiriyachai 氏

Infinite FREAK Lab は、最先端ARを活用した観光・歴史コンテンツプロバイダである。空間と CG などで作られたオリジナルキャラクターを融合させた新たなガイドサービスを提供している。ガイド不足や通訳不足の解決策として、地域活発化に貢献している。その他にも美術館やエンターテイメント分野に進出する予定で、現在ビジョンを共有できるパートナー募集中。

<Luggage Delivery>

AIRPORTELs

CEO Anan Prasertrungruang 氏

AIRPORTELs は、タイ発の荷物預かり、当日デリバリサービスである。荷物を託し、タイに到着後、初日から手ぶらで仕事や観光を楽しむことができる。ホテルや空港への配送サービスは荷物1個につき199バーツ〜(700円以上相当)、荷物預かりサービスは1日100バーツ(約360円)と非常に安価。どの荷物もリアルタイムで荷物の位置確認ができる上、10万バーツ(約36万4,000円)の保険が適用されているのも安心である。スワンナプーム国際空港とドンムアン空港はもちろんのこと、その他6ヶ所のショッピングモールでサービスを提供している。アジア展開のため、現在プレシリーズ A 調達に向けて準備中。

在タイ日本大使館とタイ財閥最大手のCPグループ、越境オープンイノベーションイベント第2期を共催——日本スタートアップ10社がバンコクに集結

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在タイ日本大使館とタイ財閥最大手の CP グループは16日、バンコクの True Digital Park で越境オープンイノベーションイベント「Rock Thailand」の第2期のデモデイを開催した。今年3月に開催された第1期に続いて、今回で2回目。このイベントは、日本の革新的スタートアップとタイ財閥の戦略的提携を促す「Open Innovation Colubus(OIC)」という活動の一部…

在タイ日本大使館とタイ財閥最大手の CP グループは16日、バンコクの True Digital Park で越境オープンイノベーションイベント「Rock Thailand」の第2期のデモデイを開催した。今年3月に開催された第1期に続いて、今回で2回目。このイベントは、日本の革新的スタートアップとタイ財閥の戦略的提携を促す「Open Innovation Colubus(OIC)」という活動の一部だ。

タイ財閥の多くは、その組織の大きさからデジタル化経済の恩恵を十分に得られていないことが多い。日本では大企業がスタートアップと協業することで(オープンイノベーション)、デジタルトランスフォーメーション(DX)を図ろうとする動きがみられる一方、タイにおいては、現地スタートアップが得意とするバーティカルの特性上、オープンイノベーションで DX が進むのは少し先のことになりそう。

そこで、OIC では DX に役立ちそうなバーティカル(AI、ロボティクス、IoT、物流)をリードする日本のスタートアップのうち、特にタイをはじめとする東南アジア市場への進出に関心が深いチーム10社を選びバンコクに招き、彼らの力を使ってタイ財閥を DX することに主眼に置いた、クロスボーダーのオープンイノベーションを狙う。CP グループほか、財閥傘下の事業会社の代表が直接ピッチを聞くため、トップダウンでディシジョンメイキングがなされ、PoC を始めとする協業の話が進みやすいのが特徴。

左から:Thanasorn Jaidee 氏(True Digital Park 社長)、Nuttapon Nimmanphatcharin 氏(タイ depa=デジタル経済振興庁 CEO)、Soopakij Chearavanont 氏(CP グループ会長)、Kobsak Pootrakool 氏(タイ政府官房副長官)、佐渡島志郎氏(在タイ日本大使館 特命全権大使)、John Jiang 氏(CP グループ Chief Digital Officer)
Image credit: Masaru Ikeda

去る11月2日、ウミトロン 〜 CP Foods(タイ財閥 CP Group 傘下の食料品会社)、GROUND 〜 WHA(タイの事業用不動産デベロッパ大手)、スカイディスク 〜 TTCL(タイのエンジニアリング大手)、凸版印刷 〜 DRVR(タイ)、Flare 〜 豊田通商(タイ現地法人)、リバネス 〜 InnoSpace(タイの官民共同設立によるアクセラレータ)のそれぞれの間で、協業の PoC に向けた MoU が締結されたのは記憶に新しい。

在タイ日本国大使館の佐渡島志郎大使の任期満了に伴い、今回の Rock Thailand は17日の離泰を前に大使にとって OIC に関わる最後の機会となった。この日は、タイ政府からコブサク官房副長官(Dr. Kobsak Pootrakool)も会場を訪れ、大使のスタートアップ支援にかけた長年の労をを労った。OIC や Rock Thailand の活動については、タイ政府や財閥各社からも評価が高いため、次期大使の元でも引き継がれることへの期待は大きい。

参加した日本のスタートアップ10社の代表らは、CP グループ会長の Soopakij Chearavanont 氏はじめ、CP グループ60名、CP グループ以外のタイ企業経営者・担当者ら80名の前でピッチを行なった。以下に、参加スタートアップの発表内容を紹介する。紹介順はピッチ登壇した順番。具体的な協業内容については協議が始まったところであり、今後の進捗を経て、第1期の際のように改めて公になる日を楽しみにしてほしい。

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Paronym

2016年に設立されたパロニムは、動画に触れることで必要な情報にアクセスできるインタラクティブ動画サービス「TIG(ティグ)」を開発・提供している。ユースケースはインテリア(動画を再生中、興味のある家具にタッチすると購買サイトへジャンプ)、ファッション(動画を再生中に、興味のある洋服にタッチすると購買サイトにジャンプ)、レシピ(動画を再生中に食材にタッチすると、そのページへジャンプ)、旅行(動画を再生中に旅のスポットにタッチすると、そのページへジャンプ)などがある。

コンテンツ提供元・開発元には、動画中のオブジェクトに紐付けができるトラッキング編集ツール、多くのユーザがどの位置をタッチしているかがわかるヒートマップツールが提供される。ブランチ動画、マガジン、サイネージ、コマース、ラーニング、ライブの6つの異なるバーティカルに適したラインアップを用意。そのインタラクティブ性から、EC 取引に至るコンバージョン率は、Instagram と比べ2倍以上、YouTube と比べ3倍以上に上るという。タイでは事業提携、シリーズ B 調達、販売パートナーを求める。

Connected Robotics

コネクテッドロボティクスは2014年、産業⽤ロボットコントローラ開発を⻑年手がけ、東京大学で NHK ロボコン優勝の経験を持つ沢登哲也氏(現代表取締役)により設立。たこ焼きを自動調理するロボット「OctoChef」、自動ソフトクリームロボットサービス「レイタ」、自動食洗機ロボットサービス「Dish Washing System」、コンビニ向け「Hot Snack Robot」、自動朝食調理ロボットサービス「Loraine」などを開発している。

2017年には、Startup Weekend Robotics で優勝KIRIN アクセラレータ 2017IBM BlueHub 第4期に採択された。ロボットの提供は販売形式ではなく、初回の導入費用と月額費用で構成されるサービス型(RaaS=Robot as a Service)として提供されるため、導入する飲食店にとってはヒトに代わる手段としてコストを拠出しやすい。また、あらゆるロボットアームに対応可能な制御ソフトウェアと画像認識を使ったポジショニングシステムで、調理する食材・料理手順などに柔軟性が高い。

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IntegriCulture

IntegriCulture は、細胞農業技術(動物や植物から収穫される産物を、特定の細胞を培養することにより生産する技術)による人工培養肉を開発するスタートアップだ。動物性タンパク質を供給する手段として、現在の畜産による動物肉の供給は、水資源の過大な消費、森林破壊、温室効果ガスの放出などの観点から課題が多く、持続可能社会を形成する上で改善が求められている。一方で、人工肉を製造する技術は非常にコストが高く、人が口に入れる実用レベルにはまだまだ程遠い。

IntegriCulture は、実際の細胞を培養することで、人が口に入れる肉を作り出す技術を開発。例えば、筋肉細胞を培養液(生体触媒)に投入することで、鶏のレバーペースト相当のものを作り出す技術を確立した。実際の動物の生体では内臓がホルモンを分泌し、これが働いて細胞を変化させているが、同社が開発した CulNet ではこれを擬実的に実現させている。現在、細胞から培養生成したフォアグラを開発中。アンチエイジング効果のある人工生成血清などで、タイ企業との協業を模索したいとしている。

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A.L.I. Technologies

A.L.I. Technologies は、ドローン、エアモビリティ、コンピューティングパワーシェアリングの3つの事業ドメインを持つスタートアップ。エアモビリティの分野では、今年3月に発表した公道走行を想定したホバーバイクを発表している。また、高スペック GPU を搭載したマシンコンピューティングパワーシェアリングの領域では、今年9月にディープラーニング向け GPU クラウド「GPU EATER」を運営する Pegara に出資したのも記憶に新しい。

ドローンの産業活用においては、発電所の設備検査などに活用されている。半年に一度実施される定期検査における作業が効率化され、最大で10億円相当にコスト削減に結びつく可能性があるという。また、高いレベルの安全運転のトレーニングを受けたドローンパイロットの全国ネットワークも形成しているという。ドローンは主に定期検査・農業・調査などの分野で、ホバーバイクはレースやエンタメ、モビリティ(移動手段)として需要を伸ばしたい考えだ。

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LinkWiz

高齢者社会の到来により、製造業を担う労働者の数も減少するのは日本ならず、タイにも言えることだリンクウィズは工業製品の製造工程や検査工程をロボットにより自動化し、省力化や効率化を実現する。溶接ビード検査システムの「L-QUALIFY」は、3次元の形状比較により溶接が正しく行えているかどうかを人の目視に代わって検査、ロボットのティーチング自動補正システム「L-ROBOT」は対象オブジェクトに合わせてロボットが自動的に動きを補正し動作する。

ヤマハ、ミツトヨ、アイシン精機など、精密機械メーカーや自動車部品メーカーなどを顧客に抱えており、リンクウィズの技術が生産コストの抑制に貢献しているとの声が寄せられているという。LinkWiz では、同社のシステムを構成するロボットをセンサーとして、工場における製造工程一貫で利用してもらいたい考え。今年6月には、INCJ、SMBC-VC、ミツトヨ、パナソニック、グローバル・ブレイン、はましんリースなどからシリーズ B ラウンドで9億円を調達している、

TBM

TBM は、紙・プラスチック・ビニールの代替となり得る石灰石由来の新素材「LIMEX」を開発している。紙を製造するには木や水を大量に消費し、プラスチックを製造するには石油を消費し二酸化炭素を放出する。プラスチックは海洋汚染を引き起こす深刻な社会問題としても連日取り上げられている。LIMEX はこれらの問題を解決し、名刺、パッケージなどに応用できる。最近では吉野家全店のメニューの素材や、環境問題からスーパーのレジ袋が有償化されようとする中、ビニールに代わる新素材としても注目を集めている。

回収した材料がそのまま同等品にリサイクルできるだけでなく、例えば、LIMEX でできたメニューを回収した後にお椀に作り替えることができるなど、リサイクルに増して、付加価値をつけて別のプロダクトにすることも可能だという。同社ではこれを「アップサイクル」と呼んでいる。現在、30カ国以上で有効な特許技術を現地企業にライセンスする形で世界展開を進めている。LIMEX 製品の製造が可能な会社との提携関係、出資などを求めている。日経の NEXT ユニコーン調査フォースタートアップスの想定評価額ランキングで共にランク2位。

Metro Engine

ホテルやバケーションレンタルの供給が増す中で、オーナーにとっては競合との価格戦争が激化している。そんな中で価格決定を行う経験豊かなマネージャーを雇用するのは難しく、価格の調整のために割かれる時間もバカにならない。メトロエンジンは、AI を活用した需要予測を行うことで、ホテルなどに(料金の最適化により最大の利益をもたらすことを意図した)ダイナミックプライシングを提供する。現在、ホテルチェーン30社以上で利用されている。

ホテルに対しては売上管理、需要予測、過去データ分析、OTA ランキング(予定)などを一元的に提供。また、レンタカーや賃貸不動産の需要予測や価格決定などに適用できるサービスもリリースしている。将来は、ホテルデータに加え、レンタカー、高速バス、モバイル、イベント、列車のデータなどを集約し、最適な交通手段を提案する総合サービスの提供を目論む。凸版印刷と協業しており、IBM BlueHub インバウンド向けオープンイノベーションプログラムJR 東日本アクセラレータプログラム第2期に採択された。

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SAgri

SAgri は衛星データにより土壌の状況(腐食含有量)を、また、農家からはスマホアプリから農作物や品種などの情報を取得し、ブロックチェーンを用いてデータベース化。これらを組み合わせることで、収穫量につながる情報を的確に取得するほか、生物性・化学性・物理性の観点から農家に対して土壌改良の提案も行う。実際に取得した土壌データと腐食含有量のマクロデータを元に、農地を評価するスコアリングの仕組みを開発している。

これまでにも土壌の窒素含有量を実測する方法はあったが高コストだった。衛星を使うことで安価な計測を実現、小麦・米・サトウキビに特化して、畑の状況に応じた収穫予測をしたり、肥料の必要投入量などをアドバイスしたりすることが可能だ。インドではこれらの情報を現地金融機関に提供することで農家への融資の実行を促したり、日本では政府のプロジェクトとして耕作を再開できるかどうかの休耕田の状態を見極めるのに活用されたりしている。MUFG DIGITAL アクセラレータ第4期500 Kobe 第3期に採択

Terra Drone

Terra Drone は、ドローンを使った産業向けサービスを提供。ドローン市場調査会社 Drone Industry Insights が発表した2019年のランキングでは、ZipLine に続き、世界で2番目に認知されていると評価された。現在、ターゲットとしている市場は、油田やガス田、電力などの生活インフラ、鉱山や採石場など。電力の分野ではドローンからとらえたデータを元に送電線を3次元可視化する技術、先頃ローンチしたパイプラインのホットスポットモニタリング技術では現場からライブストリーミングする機能を持つ。

そのほかのユースケースとしては、高所からの犯罪検知、パイプラインのガス漏れ検知、LNG タンク超音波探傷作業のドローンを使った効率化など。LIDAR を使ったデータ取得・マッピング技術では地形データが取得できることも特徴で、建設・工事業界をはじめ各所から需要が相次いでいるという。現在、シリーズ A ラウンドでの調達を標榜しており、タイや他の東南アジア市場で地元企業との提携を模索している。

Optimind

Optimind は、名古屋大学で研究開発されている「組合せ最適化」をコア技術に活用し、ラストワンマイルの配送ルートを最適化する「Loogia」を開発。SaaS としての Loogia に加え、PaaS でアルゴリズムプラットフォームを、また、企業にR&D サービスも提供している。運送業などでは配達順を紙で処理していたが、Loogia では立ち寄り先を入力するだけで、複雑な条件や現場制約を考慮しながら効率的なルートを提案する。

5人のドライバーに対し、各人30の立ち寄り箇所を設けた場合で100秒でルーティングが完成する。U ターンを避ける、駐車場所がある、他のドライバーの車と適正配分する、などの機能も備える。ホームデリバリ、食品や酒や薬の卸業者、自動販売機のベンダーなどがターゲット。自動車走行データを持つ企業と協業し、共にタイ国内でのルーティングマップの作成を行いたいとしている。2018年開催の日本郵便オープンイノベーションプログラム「POST LOGITECH INNOVATION PROGRAM」第1期デモデイで優勝。

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ネットワーキングの様子
Image credit: Masaru Ikeda
CP グループの Chief Digital Officer である John Jiang 氏(右)と歓談する、IntegriCulture 代表の羽生雄毅氏(左)
Image credit: Masaru Ikeda

IVS 2019 Winter in バンコクのピッチコンペティション「LaunchPad」の優勝は、〝タイ版freee〟の「FlowAccount」が獲得 #ivs2019

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本稿は、12月3〜4日に開催されている、Infinity Ventures Summit 2019 Winter in Bangkok の取材の一部。 4日午後、Infinity Ventures Summit(IVS) では恒例となっているスタートアップ・ピッチコンペティション「LaunchPad」が実施され、タイで中小企業や個人事業者向けにオンライン会計サービス「FlowAccount」を提供…

Image credit: Infinity Ventures Summit

本稿は、12月3〜4日に開催されている、Infinity Ventures Summit 2019 Winter in Bangkok の取材の一部。

4日午後、Infinity Ventures Summit(IVS) では恒例となっているスタートアップ・ピッチコンペティション「LaunchPad」が実施され、タイで中小企業や個人事業者向けにオンライン会計サービス「FlowAccount」を提供する FlowAccount が優勝を獲得した。

LaunchPad の審査員を務めたのは、

  • 倉林陽氏 – DNX Ventures マネージングディレクター
  • 眞下弘和氏 – m&s partners 代表
  • 真田哲弥氏 – KLab 代表取締役社長 CEO
  • 吉田浩一郎氏 – クラウドワークス 代表取締役
  • 本田謙氏 – フリークアウト・ホールディングス代表取締役
  • 西條晋一氏 – XTech Ventures 共同創業者兼ジェネラルパートナー
  • Joseph Chan(詹德弘) 氏 – AppWorks(之初創投)共同パートナー
  • Mameaw Pahrada Sapprasert 氏 – 500 Startups Thailand ディレクター
  • Paul Ark 氏 – Digital Ventures マネージングディレクター

(本稿は速報体制でお伝えしたため、うち入賞スタートアップについては、追って加筆します。)

【優勝】FlowAccount by FlowAccount(タイ)

Image credit: Infinity Ventures Summit

欧米企業で開発された会計ソフトの多くは、タイ国内の企業向けにはローカライズされていない。会計手続は国によって異なるのにだ。一方で、会計専任の人員を雇用するのはコストもかかる。

FlowAccount は、〝タイ版 freee〟とも言うべき中小企業や個人事業者を対象とした会計 SaaS だ。収入や経費支出の比較のほか、ペイロール(給与計算)の仕組みも備えており、現地のカシコン銀行の電子決済サービス「K Cash Connect」と連携し給与振込にも対応。そのほか、税金支払との連携、キャッシュフロー計算との連携などの機能も提供。

Image credit: Infinity Ventures Summit

2015年1月にローンチした FlowAccount はこれまでに3万以上のスモールビジネスの煩雑な会計処理を支援してきた。2017年にはシリーズ A ラウンドで、SBI インベストメント、Beacon Venture Capital、Golden Gate Ventures、500 TukTuks(500 Startups のタイ現地ファンド)から115万米ドルを調達している。