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中国のニュースアグリゲーションアプリ「Toutiao(今日頭条)」がシリーズDラウンドで10億米ドルを調達、目指すは次なるBAT

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中国のニュースアプリ Toutiao(今日頭条)が2016年末、シリーズ D ラウンドで、以前も投資に参加した Sequoia Capital や中国建設銀行の投資部門である CCB International(建設国際)などの投資家から10億米ドルを調達していたことを現地メディアが報じた。 Toutiao は Flipboard のようなニュースアグリゲータアプリで、2012年の設立から急速な成…

Image credit: Toutiao(今日頭条)

中国のニュースアプリ Toutiao(今日頭条)が2016年末、シリーズ D ラウンドで、以前も投資に参加した Sequoia Capital や中国建設銀行の投資部門である CCB International(建設国際)などの投資家から10億米ドルを調達していたことを現地メディアが報じた。

Toutiao は Flipboard のようなニュースアグリゲータアプリで、2012年の設立から急速な成長を遂げている。今回のラウンドで同社の評価額は、2年以上前にシリーズ C ラウンドで1億米ドル調達した時の評価額5億米ドルから20倍以上に上昇し、なんと110億米ドルという途方もない額になった。

さらに興味深いのは、この資金調達の背後には Toutiao でシニアバイスプレジデントを務める Liu Zhen(柳甄)氏がいたという点だ。Liu Zhen 氏は Didi Chuxing(滴滴出行)の社長 Liu Qing(柳青)氏のいとこで、かつて Uber China(優歩)でシニアバイスプレジデントとして企業戦略を監督していた。Didi とUber China の合併後となる2016年10月、彼女は Toutiao に加わった。

また、中国で有名なテック専門ブロガーの Lei Jianping(雷建平)氏が明かしたところ(編注:本稿掲出段階でアクセス不可)によると、Qihoo 360(奇虎 360)でCEOを務める Zhou Hongyi(周鴻禕)氏と Sina が今回のラウンドでイグジットした。Sina(新浪)は他の投資家に株式を売却した。その理由は Toutiao との競争激化だ。とはいえ、この投資によって Sina が儲けたことは疑いようがない。Sina が Toutiao に投資したシリーズCラウンドでは、その評価額はほんの5億米ドルだったのだ。Zhou Hongyi 氏は、Qihoo の株式非公開化計画に利用する資金を調達するために Toutiao 株の売却を行った。

事情に詳しい者からの情報として、Lei 氏は、新たに調達した資金は質の高いコンテンツの生成をサポートするために利用される予定だという。同社は、2017年に動画ビジネスとQ&Aサービスへの投資を計画している。

Image credit: Masaru Ikeda

さらに、同社の積極的な海外展開戦略にも多額の資金援助が必要になる。現在、ニュースフィードアプリ Toutiao や自身が投資したニュースアグリゲーションアプリを通じて、北米、ブラジル、インド、インドネシア、日本に進出している。インドの Dailyhunt とインドネシアの BaBe(Baca Berita)の株式を保有するほか、Toutiao は今年の2月に米国で人気の動画アプリ Flipagram を買収している。地元のメディアによると、このアプリは1,200万人以上の海外ユーザを抱えているそうだ。

Toutiao の名前はまだ海外ではあまり知られていないかもしれないが、中国の新たな BAT(Baidu、Alibaba、Tencent=百度、阿里巴巴、騰訊)の後継者として中国のIT産業をリードしていく可能性のある地元出身テック系巨大企業の一つである。 2016年末の時点で、Toutiao のデイリーアクティブユーザ数は7,800万人以上で、月間アクティブユーザ数は1億7,500万人。ユーザは1日あたり平均76分をこのアプリに費やしているという。また、動画ブームの中でショート動画ビジネスも取り入れており、1日あたりの動画再生回数は2016年には前年比で605%増加し、約1億3,000万回となった。同社は昨年、10億人民元の資金を PGC(Progessinally Generated Content=専門的生成コンテンツ)短編動画商品の強化に割り当てている。

Image credit: Masaru Ikeda

コンテンツアグリゲーション事業に携わる多くの企業と同様に、Toutiao も著作権問題の壁にぶち当たった。2014年、Sohu(搜狐)などの中国主流メディアのいくつかは Toutiao に対し、不法にコンテンツを使用しているとして訴訟を起こした。Toutiao はこの問題を解決するために、オリジナルコンテンツで有名な主流メディアを登録するプログラムを立ち上げ、これらのメディアの権利を保護した。登録されたメディアは他のソースより後でコンテンツを公開しても、自らがオリジナルソースであることを主張すれば、そのコンテンツから収益を得ることができる。

中国におけるニュースアプリの戦場は過密状態にある。この分野の大手競合企業には、Tencent(騰訊)傘下の Kuaibao(快報)、Alibaba(阿里巴巴)傘下の UC Toutiao(UC 頭条)、Yidian Zixun(一点資訊)などがいる。

TechNode(動点科技)はこの報道に関して Toutiao にコメントを求めている。同社から返答があり次第、記事を更新する予定だ。

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【via Technode】 @technodechina

【原文】

〈次なるBATを探せ〉次なる中国インターネット業界の担い手〝TMD〟とは?

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「次なるBATを探せ」シリーズの第1弾。BAT とは中国のテック巨大企業をまとめて表現する言葉で、Baidu(百度)、Alibaba(阿里巴巴)、Tencent(騰訊)の頭文字をとったものだ。本シリーズでは、中国のIT業界をリードしていくであろう未来のテック巨大企業を調査していく。 中国のIT業界に関心のある人なら誰でも、BAT が何を意味するか知っているだろう。それは中国テック企業3強の Bai…

次なるBATを探せ」シリーズの第1弾。BAT とは中国のテック巨大企業をまとめて表現する言葉で、Baidu(百度)、Alibaba(阿里巴巴)、Tencent(騰訊)の頭文字をとったものだ。本シリーズでは、中国のIT業界をリードしていくであろう未来のテック巨大企業を調査していく。

中国のIT業界に関心のある人なら誰でも、BAT が何を意味するか知っているだろう。それは中国テック企業3強の Baidu(百度)、Alibaba(阿里巴巴)、Tencent(騰訊)の頭文字をとったものだ。ただ、いずれもかなり成熟した企業で、創業から年月も経っている。そこで、今こそBATの成功に続く新たな3社を見つけるときだ。

ここで新たな頭文字3文字を紹介したい。それはTMD、Toutiao(今日頭条、中国で使われる簡体字では「今日头条」)、Meituan–Dianping(新美大)、Didi Chuxing(滴滴出行)の3社だ。

Toutiao(今日頭条)

中国語でヘッドラインを意味する Toutiao は、中国で異常なほど人気を博しているニュースアグリゲーションアプリだ。Toutiao は国内で7億のユーザと6,800万のデイリーアクティブユーザを誇る。

Toutiao は単なるニュース閲覧サービスではなく、高度に洗練されたマシンラーニングテクノロジーを備えたキュレーションプラットフォームであることに留意してほしい。読者の嗜好や好みを蓄積したデータベースを活用してサービスを的確にカスタマイズし、クリック数を獲得している。

最近、Toutiao は米国で人気の動画アプリ Flipagram を買収した。同社は Flipagram の動画をレコメンデーションに統合する計画で、それにより Flipagram のサービス提供範囲も広がるという。

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Meituan–Dianping(新美大)

グループ購入eコマースプラットフォーム大手2社の Meituan(美団)Dianping(大衆点評)は2015年10月に合併し、Meituan-Dianping(美団-大衆点評 → 新美大)という会社となった。

この合併により、同社の総流通総額(インターネットで販売された商品の金額)は昨年1,700億人民元(258億4,000万米ドル)になったという。今では1億5,000万の月間アクティブユーザが日々1,000万件ほどの注文をしているという。

ちょうど先月、Meituan-Dianping は自社のオンライン金融サービスをローンチすると発表した。これは Alibaba と Tencent に続く動きだ。

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Didi Chuxing(滴滴出行)

中国本土での2年に及ぶ熾烈な争いの末、Uber は中国事業を Didi Chuxing に売却し、代わりに Uber は Didi の20%の株式を保有することになった。

この Didi による取引案件は、世界的なインターネット・テクノロジー企業が、非情な中国市場に参入するのがいかに困難かを示した最近の事例だ。この国では政府からの支援も受けつつ、現地の起業家が手強い会社を作り上げている。

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【via Technode】 @technodechina

【原文】

人工知能を使ったパーソナライズド・レコメンデーションで、中国の読み物アプリは次のステージへ

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<ピックアップ> Is AI-powered personalized recommendation the next stage of China’s reading applications? 2016年7月にローンチされた読み物アプリ「Qing Mang Magazine(軽芒雑誌)」は、12月に開催されたプレスイベント以降、中国のベテランネットユーザ達から注目を集めている。そう…

Image credit: Pixabay

<ピックアップ> Is AI-powered personalized recommendation the next stage of China’s reading applications?

2016年7月にローンチされた読み物アプリ「Qing Mang Magazine(軽芒雑誌)」は、12月に開催されたプレスイベント以降、中国のベテランネットユーザ達から注目を集めている。そうした注目の一部はスター起業家 Wang Junyu(王俊煜)氏に向けられたものである。彼は昨年7月に前の会社を推定2億米ドルで Alibaba(阿里巴巴)に売却している。

人々の興味を引きつけているのは、Qing Mang Magazine が新たに導入したモデルだ。このアプリはインタレストベースのサブスクリプションモデルを採用している。ユーザは、興味のある特定のテーマを登録しておくと、そのテーマに基づいてアルゴリズムがキュレーションした記事のコレクションを受け取ることができる。中国において最速でユニコーン企業になった企業のひとつ、Toutiao(今日頭条) も同様のアルゴリズムを使ったスキームをここ2年ほど利用している。

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中国におけるコンテンツの3大配信チャネル

中国のモバイル市場には主要なコンテンツ配信チャネルが3つ存在する。その3つとは、モバイルニュースアプリ、パーソナライズド・ニュースアグリゲーター、そしてソーシャルメディアプラットフォームだ。

Qing Mang のモデル

Qing Mang は、上記3つのモデルに独自のイノベーションを組み合わせたものだ。同アプリはクオリティの高いコンテンツを揃え、プレミアムな読書体験を提供するサービスとして位置づけられている。中国における既存のサービスと比較して、チャットボットベースのインタラクション、インタレストベースのコンテンツキュレーション、読書体験の共有、スタイリッシュなレイアウトなどの特徴がある。

設立者で CEO の Wang Junyu 氏はインタビューの中で、このような読み物アプリの成長は「遅く、直線的で、長期的なプロセスになる」と語った。収穫の日がやってくるまで長い間待ち続けなくてはならず、スタートアップにとっては、忍耐と慎重さが必要とされる仕事になりそうだ。

Via China Tech Insights

7,400万DAU・平均滞在時間76分/日を誇るニュースアプリ「Toutiao(今日頭条)」は、来年にも日本市場を動画アプリで攻める #IVS16F

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本稿は、12月6日〜7日、京都で開催されている Infinity Ventures Summit 2016 Fall の取材の一部である。 <12月21日更新:主催者依頼により、写真の一部を加工しました。> 先月、Wall Street Journal に、目を見張る記事が掲載された。創業からまだ4年しか経たない、中国のニュースキュレーションアプリ「Toutiao(今日頭条、簡体字では〝今日头条〟…

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左から:Infinity Venture Partners 共同代表パートナー 田中章雄氏、ByteDance(字節跳動)副総経理 Josh Liu 氏

本稿は、12月6日〜7日、京都で開催されている Infinity Ventures Summit 2016 Fall の取材の一部である。

<12月21日更新:主催者依頼により、写真の一部を加工しました。>

先月、Wall Street Journal に、目を見張る記事が掲載された。創業からまだ4年しか経たない、中国のニュースキュレーションアプリ「Toutiao(今日頭条、簡体字では〝今日头条〟)」を経営する ByteDance(字節跳動)が、IPO を前に100億ドル(約1兆1,400億円)のバリュエーションで資金を調達しているという。

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12月6日〜7日、京都で開催されている Infinity Ventures Summit(IVS)の冒頭、Toutiao の Global Operations を統括する副総経理の Josh Liu 氏が登壇した。モデレータは、Infinity Venture Partners の共同代表パートナーの田中章雄氏が務めた。

日本や世界を代表するニュースキュレーションアプリとも、その規模で溝を開ける Toutiao の凄さは数字で見ると明らかだ。

  • 1日あたりの利用者数 7,400万人
  • 1日の1人当たり平均利用時間 76分以上
  • 1日に Toutiao 上で読まれる記事数の総和 13億本
  • 1日に Toutiao 上で再生されるビデオの再生数の総和 15億回
  • コンテンツを作成するクリエイター(=Toutiaohao/頭条号 or 头条号)の人数 30万人
  • Toutiaohao によって、1日にパブリッシュされる記事やビデオの本数 15万件
    (Toutiao 上でパブリッシュされるコンテンツのうち、90% が Toutiaohao が制作したもの)
  • コンテンツ供給を受けるメディアパートナーの数 1万社
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AppAnnie では、無料アプリ、有料アプリ、売上のすべてのランキングにおいて、中国で2位の座につけている。

Toutiao を Toutiao せしめているのは、何も書き手やニュースの数の多さだけではない。徹底的なアルゴリズム分析によるパーソナライゼーションがカギだ。現在、約2,500人いる Toutiao の全社員のうち実に約1,500人がエンジニア、そのうちの半数を超える約800人がデータサイエンティストやアルゴリズム解析に従事する人々ということからもわかるだろう。

Toutiaohao(頭条号、簡体字では头条号)と呼ばれるクリエイターの多くは、それまで伝統的なメディアで仕事してきた、プロのライターや動画のプロデューサーなど。彼らは、コンテンツ制作のスキルを引っさげて、従来の職業よりも稼げる新興メディアへと転向してきた人々だ。Toutiao クオリティの高いコンテンツを創出するトップティアのクリエイターには最低限の支払金額を保証しているが、トップティアのクリエイターだけを贔屓したいわけではないという。

いろんな種類のクリエイターを Toutiao のプラットフォームに招いているのは、人々がニュースだけではなく、知識を得る場所として捉えてくれているからだ。(中略)

Toutiao の肝はパーソナリゼーション。ユーザがどのような記事を好んでいるかを分析しているので、(トップティアの)よく読まれる記事だけを提供したいわけではない。

アルゴリズムとエモーションで世界を制覇

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北京にある ByteDance(字節跳動)の本社ビル。以前は、航空機の博物館だったという。
2016年8月、北京で池田将撮影。

Toutiao 運営会社の ByteDance は設立以来、2012年にシリーズAラウンド、2013年にシリーズBラウンド、2014年にシリーズCラウンドと順調に資金調達を連ねてきた。Byte + Dance(中国語では、字節 + 跳動)という社名には、ニュースカンパニーというだけでもなければ、テクノロジーカンパニーというだけでもない、アルゴリズムとエモーションの両方を兼ね備えた会社という思いが込められているという。

Toutiao は主に中国国内をターゲットとしているが、ByteDance は今年10月にはインドのニュースアプリ「Dailyhunt」を買収したのをはじめ、グローバル向けには「TopBuzz」というアプリを、中国に加え、アメリカとブラジルでローンチしており、英語とポルトガル語で利用できる。

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田中氏が日本への進出計画について尋ねたところ、Liu 氏が具体策については語らないまでも、世界の他の地域とは異なる戦略をとることを明らかにした。

日本はタフな市場だ。すでにローカルのプレーヤーもいるので、異なる方法で進出しようと考えている。それは動画を使ったものだ。動画を取り入れることで、我々は日本の市場でより早く立ち上がることができるだろう。

ニュースアプリ(Toutiao)と(これから日本に進出する)動画アプリで戦略が異なる可能性はあるが、Liu 氏によれば、Toutiao では広告(主にネイティブ広告)から得られる収入の、実に15%をコンテンツクリエイターに還元しているそうで、それが腕のいいクリエイターを集め、コンテンツ品質の向上に大きく寄与しているようだ。

折しも日本では、キュレーションメディアの品質低下が議論を呼んでいるが、来年の今頃は、ByteDance は日本のウェブメディアのランドスケープを変えているかもしれない。

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北京にある ByteDance(字節跳動)の本社ビルの受付
2016年8月、北京で池田将撮影