THE BRIDGE

タグ Twitcasting(ツイキャス)

ツイキャスが6.5億円調達、昨年の配信ユーザーへの支払総額は1億円以上に

SHARE:

ライブ配信サービス「ツイキャス」を運営するモイは4月10日、グローバルブレイン、KDDI Open Innovation Fund(グローバルブレインが運営)、SBI AI&Blockchainファンドを引受先とする第三者割当増資の実施を公表した。増資による調達額は6億5000万円で、これまでのモイの累計調達額は13億4000万円になる。 ツイキャスはスマホで生放送ができるライブ配信サービ…

スクリーンショット 2019-04-10 10.41.32.png
ライブ配信サービス「ツイキャス」を運営するモイは4月10日、グローバルブレイン、KDDI Open Innovation Fund(グローバルブレインが運営)、SBI AI&Blockchainファンドを引受先とする第三者割当増資の実施を公表した。増資による調達額は6億5000万円で、これまでのモイの累計調達額は13億4000万円になる。

ツイキャスはスマホで生放送ができるライブ配信サービスの先駆けとして2010年2月に公開された。10代から20代の若年層ユーザー支持を集め、現在、登録ユーザー数は2500万人に到達している。また、昨年8月にはユーザーが配信を通じて収益化できる仕組み「ツイキャス・マネタイズ」での支払総額が1億円を突破したことも伝えている。

今回の調達で同社はツイキャス事業に加え、新規サービスの開発などにも取り組む。具体的にはシステム開発、サービス運営の人員体制を強化するとしている。

追記:モイ代表取締役の赤松陽介氏に新たな資金調達について聞いたところ、昨年開始した収益還元の仕組みがヒットしたとのことだった。

「配信サービスの老舗としてまだまだ頑張ってまして、昨年に収益還元=配信者への支払いを始めたところでまた一段加速しまして。配信系の市場に対してしっかりブランディングとマーケティングするために資金を厚くしておこうということで調達しました」(赤松氏)。

 

----------[AD]----------

総配信数が2億5千万回を超えたツイキャス、Instagramアカウントでのログインに対応

SHARE:

モイが運営するライブ配信サービス「ツイキャス(TwitCasting)」が、Instagramのアカウントでツイキャスにログインできる機能を公開した。Instagramユーザがツイキャスでライブ配信可能になる。 ツイキャスは現在世界で1,000万人以上のユーザが登録しており、そのうち、約2割が海外の登録ユーザとなっている。累計の配信回数は、2億5千万回を超えているという。日本国内で、1200万人の…

twicas insta

モイが運営するライブ配信サービス「ツイキャス(TwitCasting)」が、Instagramのアカウントでツイキャスにログインできる機能を公開した。Instagramユーザがツイキャスでライブ配信可能になる。

ツイキャスは現在世界で1,000万人以上のユーザが登録しており、そのうち、約2割が海外の登録ユーザとなっている。累計の配信回数は、2億5千万回を超えているという。日本国内で、1200万人のユーザを持つInstagramと連携することで、ツイキャスのユーザ数を伸ばす狙いだ。

ツイキャスは、2014年12月にInstagramに投稿した画像をツイキャスに表示しながら配信ができるInstagram連携機能を公開している。

この機能の公開後、数多くユーザーが同機能を利用しているそうだ。Instagram上には「#ツイキャス」のハッシュタグを含む投稿が1万件以上されており、配信画面のスクリーンショットや配信終了後の感想などが投稿されているという。

元々あったInstagramに投稿した画像を表示させながら配信に加えて、Instagramのアカウントからツイキャスでライブ配信の機能、そして、ツイキャスの視聴画面からInstagramアカウントのフォローボタンを表示させることも可能になった。

ツイキャスのメンバーによれば、「若い人たちは、Instagramのフォロワー数を増やすことに熱心です。そういったユーザたちが利用してくれるのではないかと考えています」とコメントしている。

ツイキャスは以前からゲームの実況配信に注力していたが、最近では、ゲーム配信や弾き語りなどの配信に加えて、メイクキャスの配信も人気だという。

総配信数が2億回を突破したツイキャス、今後はゲーム実況配信にも本格参入

ライブストリーミングのマネタイズ

ライブストリーミングサービスは、最近投げ銭型の直接支援のシステムを導入する流れが強くなっている。ツイキャスはその流れについてどう考えているのかを聞いてみたところ、以下のような回答をもらった。

「直接支援はやっていません。配信内容が過激になりやすいですし、配信者が疲れてしまうと考えています。ツイキャスはユーザが気軽に配信できる場所であってほしいと考えているので、当面は直接支援の仕組みは導入しないと思います」

と語った。ちなみに、ツイキャスにもポイントを購入してギフトを贈る仕組みはある。だが、配信者へ収益の分配は行われていない。すでにシステムはあるため、はじめようと思えばすぐ直接支援の仕組みも導入はできるとのこと。

ツイキャスは、1年前に配信者によるチケット販売が可能になるコマース機能「キャスマーケット」を開始している。配信者によっては2分で900枚のチケットが完売するなどのケースも出ているそうで、こちらの機能を伸ばしていこうとしている。

ツイキャスがコマース事業「キャスマーケット」を開始

ただ、「キャスマーケット」の機能は手数料を無料としており、同社にとってマネタイズ手段にはなっていない。あくまで、配信者のためのサービスだ。

ツイキャスはさらに、2倍、3倍のユーザ数の獲得を目標としており、それができてはじめて、マネタイズに本格的に着手していこうと考えている。

その数字を達成していくためには、国内だけではなく、世界でもユーザ数をさらに伸ばしていくことが重要になる。

その際、鍵となるのが通信規制でも試聴できるようにしている点だ。ブラジルではネットが弱い状態でも配信できることがユーザの反響を呼び、ユーザ数が伸びた。

同社が狙っているアジアの海外市場のうち、インドネシアなどはネット環境がまだ貧弱。ネットが十分に普及していないエリアでも、配信ができるというのはツイキャスの強みとなりそうだ。

----------[AD]----------

総配信数が2億回を突破したツイキャス、今後はゲーム実況配信にも本格参入

SHARE:

スマートフォンでライブ動画のストリーミングができる「ツイキャス」が、これまでの総配信数が2億回を突破したと発表した。サービス開始の2010年7から4年後の2014年9月で1億回を突破したのが、サービスの急成長によって1年で2億回に到達している。 2015年4月にはユーザが1000万人を越え、国内におけるライブストリーミングサービスのシェアを獲得している。サービスの中心ユーザは10代や20代などの世…

Twicas

スマートフォンでライブ動画のストリーミングができる「ツイキャス」が、これまでの総配信数が2億回を突破したと発表した。サービス開始の2010年7から4年後の2014年9月で1億回を突破したのが、サービスの急成長によって1年で2億回に到達している。

2015年4月にはユーザが1000万人を越え、国内におけるライブストリーミングサービスのシェアを獲得している。サービスの中心ユーザは10代や20代などの世代に利用されており、さらにライブ配信をしている「ツイキャス主」の6割以上が女性、という比率となっているという。

短期間での配信数の成長の背景には、ツイキャスの配信用や試聴用のアプリすべてをフルリニューアルし、海外展開も視野に入れたフラットデザインなどこれまで着手できていなかったUIを強化。さらに、新機能として「まわり撮り」を実装した。まわり撮りとは、これまでツイキャスではiPhoneなどスマートフォンを縦撮りで撮影しており、スマホを横に傾けて横撮りをしようとすると、ビューワーに映る画面が横向きになってしまう、という問題があった。ユーザからも横撮りがしたいとニーズがあったことから、ツイキャスでは横向きに撮影しても、ビューワーでは縦のまま映るという細かな仕様となっている。(詳細は、以下の動画で確認してもらいたい)

newlive2-620x303

他にも、通信速度制限の状況でもなめらかな動画配信ができる「なめらかなモード」や、音声圧縮の「Opus」の対応など、技術力をもとにサービスの開発を進めてきた。また、声に癒やしを求める「イケボ(イケメンボイス)」やメイクやヘアメイクの様子を配信する「メイクキャス」など、ツイキャス内で独特の文化を形成。アイドルや読者モデル、声優などさまざまな分野の人たちが、日常的に使用したりドラマの副音声的な使い方やライブのリハーサルの様子を配信するなど、多様な配信とユーザー同士によるコミュニケーションを楽しむプラットフォームとなりつつある。こうした細かな技術開発やUXの強化によって、既存ユーザのみならず新規ユーザーの獲得に成功。ユーザ1000万人を超えたいまでもユーザ獲得率は変わらないという。

以前のTHE BRIDGEでの取材でも、海外展開を視野にいれた活動に力を入れていきたい、と赤松氏は話していた。アメリカに支社を置くツイキャスだが、アメリカではPeriscopeやMeerkat、さらにはFacebookもライブストリーミングに参入するなど、競争が激しくなってくる。「海外への展開については、国内とは違ってまだまだ挑戦者」と赤松氏は話す。

北米だけでなく、アジア圏でもセルフィー棒が流行したり、通信網が次第に整備されてくるなどしており、アジア圏へのチャンスもあるかもしれない。事実、ツイキャスユーザの約2割が海外ユーザで、サービスの対応言語も英語、スペイン語、ポルトガル語、韓国語、繁体字、タイ語、インドネシア語など幅広く対応しています。

「アジア圏では台湾・韓国・フィリピンでのツイキャスユーザーも多い。しかし、現時点ではアメリカやブラジルでのユーザーがほとんどです。それぞれに国に合わせた現地の文化を取り入れたサービスを形成していきたいと考えています」(赤松氏)

さらなる成長に向けてゲーム実況配信を強化

最近では、国内外でゲーム実況への関心も高く、Youtubeがゲーム実況に参入したり、AmazonがTwitchを9億7000万ドルで買収するなど、世界のテック企業も注目しはじめている。日本でも、ニコニコ動画にてゲーム実況は一定数のファンが多く、人気の動画だ。そこに、ツイキャスも今後本格的に参入していくという。

ゲームはライブ配信と相性がよく、すでに国内外にさまざまな配信サービスが展開されている。そこで、ゲーム実況配信のサポートを強化するために10月中旬頃から本格的なサービスを展開していく。仕様は、ツイキャス側で発行するURLを外部ツールに入力することで、既存のゲーム配信とツイキャスを連携させる仕組みだという。これによって外部のゲーム配信ツールと連携させ、ツイキャスでゲーム実況を視聴したりライブ配信が始まったら通知を受けたりできるようになる。

「コアな配信者よりはその周りで少人数で配信しているライト層をターゲットに展開していこうと考えています。ツイキャスではすでにゲーム実況配信をしながらコラボ配信でコニュニケーションを取るゲームコラボ配信なども行われており、今後外部ツールに対応することで、仲間作りや相互コミュニケーションを強化していきます」(赤松氏)

すでに一定の文化を形成しているツイキャス。若年層や女性を中心としたコミュニティに対してリーチをしたいさまざまな企業やサービスにとって、連携する価値があるものといえるだろう。ゲーム実況の配信者によって、ライト層を取り込んでいくメリットがある。同時に、ツイキャスはゲーム領域への強化を通じて、国内のさまざまなコンテンツホルダーとの連携やツイキャスを通じた新たな文化形成を狙っている。

----------[AD]----------

ツイキャスがコマース事業「キャスマーケット」を開始

SHARE:

ライブ配信サービス「ツイキャス」を運営するモイは4月22日、配信者によるチケット販売が可能になるキャスマーケット(注:サービス開始は4月22日午前10時過ぎを予定)を公開すると発表した。視聴ユーザーはキャスマーケットボタンから配信者の販売するチケットを購入することができる。 開始当初はモイが選定した配信ユーザーのみへの提供となるが、同社ではその後に一般ユーザーへの解放も予定しているとしている。配信…

FD2C7A3A-B4C3-43D3-B940-9D3BBA91DFC6

ライブ配信サービス「ツイキャス」を運営するモイは4月22日、配信者によるチケット販売が可能になるキャスマーケット(注:サービス開始は4月22日午前10時過ぎを予定)を公開すると発表した。視聴ユーザーはキャスマーケットボタンから配信者の販売するチケットを購入することができる。

開始当初はモイが選定した配信ユーザーのみへの提供となるが、同社ではその後に一般ユーザーへの解放も予定しているとしている。配信側が売上の一部を手数料として支払うモデルで、モイによると当面は手数料無料でサービスを提供するとしている。

なお、ライブ・イベントに入場するためのチケットとしても利用可能(入場時に画面を見せる方法)で、浦和レッドダイヤモンズのチャンネルではキャンペーンとして試合の特別観戦チケットの販売も実施する。

65936499-697C-4A1E-9819-17BD315B646C

さて、4月8日に登録ユーザー数として1000万人の獲得に成功したツイキャスが新しい展開を見せてくれた。コマースへの参入だ。

「例えば音楽系の方々がツイキャスを使い出してて、プラットフォームの位置づけでそのファンとの『つながり』を支援できないかなと。ネットではリアルの世界と結びついていない人も多い。(コマースの展開を通じて)コミュニティの熟成度を高めるのが狙いです」(モイ代表取締役の赤松洋介氏)。

ツイキャスではこれまでにも配信ユーザーと視聴ユーザーを結びつけるアイデアとしてポイントによるアイテム課金は実施していた。しかしこれはあくまで配信ユーザーへの応援投稿で、配信側が獲得したポイントの換金はできなかった。今回のチケット販売ではより具体的な売買を通じてファンとの結びつきを強めたいという思いがあるそうだ。

twitcasting 2
バラエティに富んだツイキャス配信者の面々。

赤松氏は、今回の展開をビジネス的な要素よりも、今あるコミュニティをさらに10倍、さらにそれ以上に拡大するためのアイデアだと話す。

「ユーザーの伸びはめちゃくちゃ加速してる訳ではないですが、それでも年々倍のペースを保っています。まだゆるいコミュニケーションを求めている人たちは多い。取れてない市場を獲得するだけでも数千万人はまだ伸びると考えてます。そのためにも、双方のコミュニケーションに深く入っていく必要はありますよね」(赤松氏)。

今回はコマース(チケット売買)という方法で配信者と視聴者の間に新しい関係性を作り出そうとしているが、例えばメッセンジャーのような要素もこの両者を結びつける方法としてあるのではないか、という話もあった。

twitcasting
モイ代表取締役の赤松洋介氏と筆者。ツイキャスでは取材が難しいのでやむなくスカイプでインタビュー

そしてユーザー数拡大になくてはならないのが海外市場だ。

突如として始まったMeerkatとPeriscopeによる北米ライブ配信対決の状況を赤松氏は「Ustream配信やニコキャスが始まって瞬間的に盛り上がった時と一緒」と冷静に眺めつつ、ちょうど良いチャンスと捉えているようだった。

「北米には影響力を持ったトップティアが一定数いて、Product Huntなどをウォッチしているので、そういう人たちが右に倣えと言えばそうなる。ただ、よい機会でもあるので、現在海外向けに新しいアプリを開発しています。

現在のアプリは日本向けにローカライズしすぎているので、修正が必要なのです。無理してマーケットをこじ開けようとしても定着しませんし、1年ほど今のユーザーさんと一緒に(北米展開を)やってきたので、もう少し成果が出てくればと思っています」(赤松氏)。

赤松氏によればこの春にも北米展開に向けた新アプリのリリースを計画しているという。(つまり、今が春なのでもうすぐという意味だと思う)

ただ海外展開には動画の場合、通信料の問題がやはり大きいらしい。配信はモバイルからが多いものの「視聴」ユーザーの大半はPCからなのだそうだ。例えばパケット定額制や無料のWifi環境が広がるなどのインフラ面の変化がツイキャスに与える影響は少なくなさそうだ。

----------[AD]----------

【追記あり】750万ユーザーのツイキャス、総配信数が1億回を(もうすぐ)突破

SHARE:

スマートフォンでライブ動画のストリーミングができる「TwitCasting」、通称ツイキャスを運営するモイは9月8日、同サービスの配信数が「もうすぐ」1億回を突破すると発表した。同社では特別ページを開設し、配信回数がちょうど1億回だった時の配信者に特別グッズと副賞3万円、ツイキャスポイント10万ポイントを贈るとしている。 またこれに合わせて現在の数字情報についてもアップデートをした。現在のユーザー…

twitcasting

スマートフォンでライブ動画のストリーミングができる「TwitCasting」、通称ツイキャスを運営するモイは9月8日、同サービスの配信数が「もうすぐ」1億回を突破すると発表した。同社では特別ページを開設し、配信回数がちょうど1億回だった時の配信者に特別グッズと副賞3万円、ツイキャスポイント10万ポイントを贈るとしている。

twitcasting_user

またこれに合わせて現在の数字情報についてもアップデートをした。現在のユーザー数は750万登録、ユーザー層として24歳以下が55%、モバイルからのユーザーが94%などのグラフも発表している。2カ月ほど前に発表した500万ドルの資金調達時点では650万人ほどと発表(時期は未確定)されていたので、順調に数字を伸ばしていることがわかる。

twitcasting_user_2

ほんの1年前、運営に疲れ果て、売却寸前までいったサービスの面影は全くない。

twitcasting_gaga
来日をツイキャスでアピールするレディー・ガガさん

各種マスメディアで取り上げられ、芸能人やその卵たちがここで人気に火を付ける場所になったかと思ったら、海外のトップ・アーティストが来日をアピールするためにツイキャス配信を使う。もう、身内だけのおもしろツールではなく、海を越えたライブ・ストリーミングメディアに成長した。

リリースによれば、Twitterのフォロワーが10万人以上いるユーザーが世界に1000人以上いるそうだ。

大きなマイルストーンをひとつ迎えるということで、そろそろツイキャスの次の展開などについて近く聞いてみたいと思う。

16時追記:モイ代表取締役の赤松洋介氏から「当たり障りのないコメントですが…」という前置き付きでメッセージを頂いたのでそのまま掲載させて頂く。なお、今のペースだと今週中には1億回を達成する模様だ。

「1億回というのが多いのか少ないのかさっぱりわからないのですが、カウンターを設置してみてライブ回数の動きの速さにびっくりしてます。 あの四角いボタンがこんなに沢山の人に連打されてるのかと思うと感慨深いですね。 もっといろんな人をつなぐサービスに育てられるように頑張ります!」(赤松氏)。

----------[AD]----------

ユーザーさんがパフォーマンスを披露する場を支えるーー隠れたキーマンを調べるお・「ツイキャス」運営のモイ、大森氏インタビュー

SHARE:

編集部注:「隠れたキーマンを調べるお」は、国内スタートアップ界隈を影で支える「知る人ぞ知る」人物をインタビューする不定期連載。毎回おひとりずつ、East Venturesフェローの大柴貴紀氏がみつけた「影の立役者」の素顔に迫ります。 中高生に絶大な人気を誇るツイキャス。その運営会社モイで、サイドフィードやJoker Racerなど数々のサービスを世に生み出してきた赤松洋介氏(代表取締役社長)と二人…

編集部注:「隠れたキーマンを調べるお」は、国内スタートアップ界隈を影で支える「知る人ぞ知る」人物をインタビューする不定期連載。毎回おひとりずつ、East Venturesフェローの大柴貴紀氏がみつけた「影の立役者」の素顔に迫ります。

moi1

中高生に絶大な人気を誇るツイキャス。その運営会社モイで、サイドフィードやJoker Racerなど数々のサービスを世に生み出してきた赤松洋介氏(代表取締役社長)と二人三脚でやってきたキーマン、大森正則氏のインタビューです。滅多にメディアに出ることのない同氏の貴重なインタビューです。モイ!

大柴:今日はよろしくお願いします。

大森:お願いします。

大柴:ところでITベンチャーで神田神保町を本拠にしてる会社ってあまりに無いですが、何かこだわりがあるのですか?

大森:サイドフィードの時に神田の免許センターの建物にベンチャー支援のオフィスがあって、そこに入居してたんです。10坪くらいかな。その後何回か移転したけど、千代田区を出ると登記変更がめんどくさくて(笑)。

大柴:なるほど(笑)。

大森:創業の地だし、縁も出来たので、それを大事にしてます。神田を裏切るわけにはいかないです(笑)。

大柴:これから移転もあるかもしれませんが、次も神田になりそうですね。さて、赤松さんと大森さんはサイボウズ時代の同僚とのことですが。

大森:サイボウズに自分が入社した時は赤松とは違う部署でした。自分は開発エンジニアとして主に海外展開の日本側の担当者としてやっていました。独自のフレームワークを国際化するような仕事をしていました。

moi2

大柴:なるほど。

大森:その後、とあるプロジェクトを担当するようになり、赤松がプロジェクトマネージャーとしてアサインされ、自分が開発マネージャーとして一緒に仕事をすることになりました。

大柴:なるほど。その後、赤松さんは退社され、起業するわけですね。

大森:2005年に自分の方が先に辞めて、その後2ヶ月くらいして赤松もサイボウズを辞めました。

大柴:そうなんですね。

大森:自分はとある会社に転職して働いていたのですが、そこを辞めることになって、しばらくフラフラしてたんです。その頃、赤松は起業してサイドフィードを設立します。そこにたまに遊びに行ったりしてたんです。何度か行ってるうちに一緒にやることになりました。2007年の3月くらいに正式に入社しました。

大柴:そこから二人三脚でやってこられたんですね。

大森:いろんなサービスを赤松が思いついて作る。自分はインフラ面を担当しました。赤松は「人の生産性を向上させるようなサービス、世界」を作りたいと考えているんです。それをインフラ、ネットワーク面でサポートしてます。

大柴:なるほど。

大森:自分としては、プラットフォームのプラットフォームを作っているので、ユーザーさんの活動に支障をきたさないように安定したインフラを構築したいと思ってやっています。ステージに合わせたコスト感で増強するとかも意識していますね。

大柴:ツイキャスは動画の生配信なので大森さんの役割は重要ですね。ところでツイキャスを始める前にはラジコンのサービス(Joker Racer)をやっていたと思うのですが、そこからツイキャスを開発した経緯などをお伺いできればと。

大森:元々サイボウズ時代に赤松と窓の外を見ながら話していたんですよ。16階の窓の外を見ながら(窓の)外にラジコンがあったら面白いよね、って。車のラジコンも難しいけど、空中で制御するラジコンはもっと難しい。落ちたら壊れるし。それなら気球がいいね、なんて。

大柴:お二人ともラジコンが好きなんですか?

大森:そうですね。結構好きです。赤松もラジコンが好きです。

moi3

大柴:窓の外を見ながら話していた時から数年が経ち・・・。

大森:赤松は「ハードとネットが融合したサービスがこれからくる」って言ってて、まぁそういう分野が好きってのもあるんです(笑)。いろいろなモデルを考えて、結果「ハードは難しいなぁ」という結論になりました。

大柴:なるほど。

大森:Joker Racerをやっている時にリアルタイムの映像配信などを研究していたんです。ラジコンを使って世界でライブコミュニケーションできないかなって。「ハードとネットの融合」と「世界に通じるサービス」ってのが軸にあって。それでiPhoneを使って映像配信するって発想になりました。

大柴:それがツイキャスですね。

大森:はい。使い方の想定は当初していたんです。世界中の人がサービスを利用してくれたら、自分がその場に行かなくても知識を得たり、行ったような気分になる。例えばピラミッドの案内をツイキャスでしてくれたり、とか。映像を介して世界中の人々と交流ができる。そんなイメージを持っていました。

大柴:なるほど。それは面白いですね。

大森:ツイキャスをリリースしてしばらくは低空飛行が続きました。しかしある時、急に中東諸国で利用され始め、その後はブラジルで爆発的にユーザーが増えた。ブラジルで有名な歌手がツイキャスを始めたんです。それが理由でした。そんなわけでポルトガル語対応は早かったですよ(笑)。

大柴:いきなりトラフィックが増えたんですか?

大森:そうなんです。突発的に。ただ、その突発的に上昇したトラフィックを基準にしたサーバー構成にするわけにはいかないので、コストを計算しながら計画的に増強していってます。

大柴:日本でのユーザー増はいつ頃からですか?

大森:2012年の11月ですね。特に何のイベントもなかったのですが、トラフィックとユーザー数が伸びた。特に高校生。今ではメインのユーザーとなっています。最近では業界外からの認知も上がっていると実感しています。

moi4

大柴:今後のツイキャスはどんな感じになっていくんですかね。

大森:ツイキャスはこれまでユーザーさんと一緒に成長してきました。当初のイメージとは異なっているけど、それはそれでいいんです。自分達よりもユーザーさんの方が創造力があります。それを今後も支援していければなと。

コミュケーションのプラットフォームとしてユーザーさんがパフォーマンスを披露する場、コンテンツを提供する場としてのインフラを提供し続けていきたいと思っています。そのために多くの人達に利用してもらうようなものを作っていかないといけないし、それを広めていかないといけないと考えています。

大柴:なるほど。

大森:あと、赤松に成功してもらいたいなと思ってます。そのために自分はできるだけ赤松をサポートしていければと思ってます。

大柴:おぉ、素晴らしいですね!

大森:いやいや(笑)。そのために今はがんばりますよ。

大柴:個人的な将来の夢とかありますか?

大森:そうですね、世界中を旅したいですね。遺跡が好きでこれまでメキシコとエジプトとか行ってきました。でもまだまだ行った事ない場所もいっぱいあるので。さらにその後は古本屋をやりたいですね(笑)。

大柴:まさに神田神保町ですね(笑)。今日はたくさんお話を伺えました。ありがとうございます!

----------[AD]----------

ツイキャス運営のモイが500万ドルの資金調達を実施

SHARE:

<ピックアップ> Japan’s Moi Corporation Raises $5M For Mobile Live Streaming App TwitCasting スマートフォンでのライブストリーミング配信「ツイキャス」を提供するモイが500万ドルの資金調達を実施したそうです。インドネシアのSinar Mas Groupがリードで、2013年の5月に6500万円の出資をしたEa…

<ピックアップ> Japan’s Moi Corporation Raises $5M For Mobile Live Streaming App TwitCasting

スマートフォンでのライブストリーミング配信「ツイキャス」を提供するモイが500万ドルの資金調達を実施したそうです。インドネシアのSinar Mas Groupがリードで、2013年の5月に6500万円の出資をしたEast Venturesもこのラウンドに参加とのこと。

ツイキャスは着々と世界展開を進めていますね。TCの記事では650万ユーザー規模に拡大しているとのことで、ユーザーの中心は日本とやはりブラジルの様子です。

ツイキャスはとにかくここまでくるのに大変な道のりを超えて成長しておりまして、私も以前、代表の赤松洋介さんにこんなインタビューをさせて頂きました。

<参考記事> 私たちがツイキャスをやめなかった理由(前半) 

<参考記事> 私たちがツイキャスをやめなかった理由(後半)

日本円で約5億円という資金を得て、さらなる世界展開を祈願しております。

via TechCrunch【G翻訳】

----------[AD]----------

私たちがツイキャスをやめなかった理由(後半)

SHARE:

2010年2月3日に産声を上げたTwitterベースのライブストリーミングサービス「TwitCasting」、通称「ツイキャス」は3度の危機を経験し、ついに運営者の赤松氏(モイ代表取締役の赤松洋介氏)も心が折れかけてしまう。 インタビュー後半となる本稿では、彼らがどこでサービス存続を「踏みとどまったか」に迫ってみる。 実は買い手がみつかっていたツイキャス ーー3度目の危機ではユーザーが増えてくるこ…

IMGP0714

2010年2月3日に産声を上げたTwitterベースのライブストリーミングサービス「TwitCasting」、通称「ツイキャス」3度の危機を経験し、ついに運営者の赤松氏(モイ代表取締役の赤松洋介氏)も心が折れかけてしまう。

インタビュー後半となる本稿では、彼らがどこでサービス存続を「踏みとどまったか」に迫ってみる。

実は買い手がみつかっていたツイキャス

ーー3度目の危機ではユーザーが増えてくることでサーバーなどのリソースが膨らみ、コスト的に厳しくなってくるわけです。いつ頃から顕著になってきましたか。

「去年の夏あたりですかね。2012年の夏です。ああ、夏休みって凄いんだなってことを感じたのを覚えてますね。確かに結構いけるんじゃないかっていう手応えの反面、資金はどんどん追加しなくちゃいけない。当然(お金が)足りなくなるわけです。

正直いって本当に辛かった。キャッシュは出ていくけどどこからお金が沸いてくるわけじゃないです。自分で追加するか、ケチってなんとかするかしかないわけです。

その頃はユーザーからの問い合わせに朝から夕方までずっと対応してて、さすがに疲れ果ててましたね」。

ここだ。普通に考えてこの作業は辛い。しかもユーザーは赤松氏の想定の範囲を越えたティーンたちである。別にユーザーが悪いわけではない。ユーザーは100万人を突破してプロダクトも支持されている。

ただ、終わりのない作業が延々と続く。しかもキャッシュはどんどん目減りして通帳の残高が目にみえて減っていく。

私は赤松氏にどこで踏みとどまったのかを聞くために、ツイキャスの事業売却を考えていた当時の様子を聞くことにした。

ーー確かこのあたりで事業譲渡などの模索をしていたと思うのですが。

「実は春に買い手みつかってたんです」。

ーー今年の春?2013年?

「そうですね。その頃です。ちょうどキゴヤマさんともいろいろ話してた頃です」。

ーーでも結果的に売らなかった。どこで踏みとどまったんですか?

「相手から提示された金額は伏せますが、まあ、ある程度の納得感が得られるゼロの数は並んでました。それで、その場は去ったんですね。

で、ふと考えたんです。俺、この会社をその金額で手放すのかって。たかだか数千万円の損失を恐れているのかって。

やってきた道のりに対して、この金額は安すぎる。俺の3年間はこんなもんじゃない」。

ーー我に返った?

「一気に吹っ切れました。もうムチャクチャやってやろうと。

その前の週に太河さん(EastVenturesの松山太河氏)とも食事してて、事業継続に必要な出資の話もあったので、翌週には買い手の方にお断りをいれて継続の道を選びました」。

ここで重要なことは赤松氏は選択肢をしっかりと確保しているということだ。退路を絶ってそのまま崖から飛び降りるだけでは単なる無謀になる。ここは綺麗ごとでは済まない。

右に進むか左に進むか。ギリギリの状況の中で選択肢を作り、その上でさらに挑戦を続ける。

売却してしまえばわずかばかりの現金は手に入ったかもしれない。自分とふたまわりも年齢の違うユーザーのサポートにも追われなくて済む。なにより継続の先に成功など待ってるわけではない。

それでも赤松氏を踏みとどまらせたのは「俺はこんなもんじゃない」という腹の底から湧き出る力と、やはり大森氏とふたり、生み出したサービスへの自信なんじゃないのかなと感じた。

事業継続を選択したツイキャス、海外へ

2013年9月にはサイバーエージェントベンチャーズ主催のイベントでグランプリも受賞する

ーーやると決めた以上、もうこの先はどこまでスケールさせるかがポイントになります。まだ事業フェーズには持っていかないですよね?

「広告とアイテム課金はそこそこ伸びてる状況にはあるので、サーバー代金程度にはなってますよ。予想以上に伸びてるのも確かです。ただ、まだテスト段階です。今稼ぐつもりはあまりないですね。

一時期、コインみたいなのを導入してガチャガチャみたいな仕組みを用意して、なんてことも考えたことあったんですけど、良心の呵責に耐えられずやめました(笑」。

ーーどういう戦略でどこまで伸ばします?

「実はあんまり考えてないです(笑。

日本人は結構いい感じで広まってくれましたが、これが何年も続くと考えるのは無茶ですよね。だから海外もしっかりやっていきますよ」。

ブラジルで開催されたコンフェデレーションズカップ中に起こったデモも中継された

ーー私は海外でも勝手に利用が進んでいるのはLINEとツイキャスって勝手に思ってますよ。

「笑)。来週、アメリカいって拠点作ってきます。データセンターですね。サンタクララかサンノゼか。そのあたりで探してきます。限定一名で現地マネージャーを募集中です。これ書いてくださいね(笑」。

ーー探してますって書けばいいんですね(笑。

「まあ、数字的には3年後にユーザー数3500万人を目標にしてます。これも今の数字を倍々していっただけなんですが」。

この先ツイキャスがどこまで伸びるのか。前例となるニコニコ動画は2013年9月末時点で約3600万人(※)、ちょうどツイキャスが3年後に予定している数字と似ている。

インタビューの最後、もう一度私は土俵際で踏みとどまる理由を赤松氏に聞いた。

ーーまあ、私もこのブログを10名ぐらいのメンバーと一緒にやってて正直キツいと思ったことは多々あります。でも、自分しかやると決めた人間がいない。綺麗ごとじゃないけど、赤松さんもどっかでそんな浪花節みたいなのがあったんじゃないですか。

「いとまささん(ユーザーローカル代表取締役の伊藤将雄氏)がこういうんです。『ユーザーが増えてサーバーが重くなると使われなくなるのは悪いサービスだと。

いいサービスっていうのは、ユーザーが増えてサーバーが重くなっても「沢山人があつまっていいね」って思ってもらえるもんだってね』。

震災も影響は大きかった。ああいういざという時に役立つサービスを作らなきゃいけないという気持ちも強いです。

思い入れのない、自分が使いそうにないサービスなんて作ってもやりがいないじゃないですか。開発している人であれば、事業に興味なくてもそこに思い入れがあれば作ることができる。

だから変な投資家が入ってすぐにピボットさせるのってよくないなって思ってたりするんですよね。キゴヤマさんはどう思います?」

ーーはは、私も浪花節なんで理屈は分かっててもできれば粘って欲しいって思ってますよ(笑。今日は長時間ありがとうございました。また取材させてください。

さて、いかがだっただろうか。私はこの話を奇跡の復活劇のような扱いで書いたわけではない。もちろん注目すべき成長とはいえ、まだ400万人しかユーザーはいないし、飽きっぽいユーザーが次のサービスをみつけて流れていくことだって十分考えられる。

大切なのは赤松氏が踏みとどまった経緯だ。土俵際で彼は開発に飽きたからと、マネタイズに思考をシフトして気持ちが切れることを凌いだ。資金が尽きる前に根回しをし、ギリギリまで自分とサービスを追いこんで、継続という厳しい道のりを選択した。

彼がベテランだからできたのか。いや、そうではないと思う。サービスに自信を持ち、それを自分がやらなければならない理由をサービスに教えてもらい、自問自答の結果、自分たちとサービスはまだやれると信じたからだ。

決して突然の思いつきではない。地道な日々の運営と積み上げがあるからこの答えが導かれる。

赤松氏と大森氏の体験は次に続く起業家にとって多いに参考になるだろう。そういう意味を込めてこのインタビューをみなさんに共有したいと思う。


※ドワンゴ平成25年9月期決算資料より

----------[AD]----------

私たちがツイキャスをやめなかった理由(前半)

SHARE:

2010年2月3日。Twitterが盛り上がりをみせる中、iPhoneを使ったライブストリーミングサービス「ツイキャス」が産声を上げた。 当時、インターネットからラジコンを操作できる「ジョーカーレーサー」を開発し、ブロガーを中心とするコアなユーザーの注目を集めていたサイドフィード(※)代表取締役の赤松洋介氏と同社取締役だった大森正則氏のふたりが生みの親だ。 まだiPhoneにフロントカメラが付いて…

IMGP0710

2010年2月3日。Twitterが盛り上がりをみせる中、iPhoneを使ったライブストリーミングサービス「ツイキャス」が産声を上げた。

当時、インターネットからラジコンを操作できる「ジョーカーレーサー」を開発し、ブロガーを中心とするコアなユーザーの注目を集めていたサイドフィード(※)代表取締役の赤松洋介氏と同社取締役だった大森正則氏のふたりが生みの親だ。

まだiPhoneにフロントカメラが付いていない時代である。

時は流れ、200万人300万人とステップアップを果たしたツイキャスは2013年11月15日、ユーザーを400万人まで伸ばすことに成功した。133万人の大学生やティーンなど、24歳以下のユーザーが活発に利用するプラットフォームへ拡大。海外からの利用も進んでいる。

一見すると順調に成長しているツイキャス。しかし決して簡単にこのステップを踏めたわけではない。

実際、赤松氏はほんの数カ月前には、このサービスを売却する意向も示して行動していた。

それでも赤松氏と大森氏はギリギリのところで踏みとどまる。それはなぜか。私はこの数年、多くのサービス立ち上げを拝見し、やはりその多くがカジュアルに消えてなくなる現場を眺めてきた。ツイキャスとは何が違うのか。

赤松氏へのインタビューでその一端を探ってみたいと思う。

ツイキャスを襲った3つの危機

サイドフィードから切り出される形で2012年2月29日に生まれたツイキャス運営会社のモイは、神田にあった古びたビルから開放的な築3年目のオフィスへと移転していた。

IMGP0704

「ベンチャースピリットがなくなるんじゃないかって心配してますよ」とモイ代表取締役の赤松洋介氏がいつもの様子で明るく迎えてくれる。私はまず、赤松氏にこれまでの運営を振り返ってもらった。

ーーツイキャス400万人、予定通りに達成しましたね。ただ、これまで追いかけてきましたけど、かなりキツかった時期も長かったんじゃないですか

「そうですね。3回あるんですよ。キツかった時って。立ち上げてすぐのタイミングと3.11の震災、それとユーザーが増えてきた頃ですかね」。

ーーほう。

「出だしは実はよかったんです。初月で2万5000人が登録してくれた。しかも某社の株主総会で配信に使われたり。まあ、それはいろいろあって上手くいかなかったんですけどね。ただ、そうはいっても初年度は誰も配信してくれない時間が結構あって厳しかったですね」。

ーーコミュニティサービスの場合、大体は最初のユーザー獲得でつまづいてやめてしまう。誰も使わなかったってね。ツイキャスはどうやって集めたんですか。

「どうやったんでしょうね(笑。

コグレさん(ブロガーのコグレマサト氏)とかAppBankさんなどのアーリーアダプターが使ってくれたのが大きかったかな。でもそこから爆発するかというとそうじゃなくてじわじわ伸びてました」。

広告を回したわけでもなく、街頭でティッシュ配りをしたわけでもない。これは私も赤松氏も共通の認識なのだが、やはりプロダクトそのものがよかった、ということに尽きるのだろう。毎月2万人を地道に積み上げて、ツイキャスは初年度に25万人のユーザーを獲得する。

ただし、辛いのはここからだ。新しいもの好きのアーリーアダプターは飽きるもの早い。赤松氏もアクティブは常にユーザーの半分、1年前に登録したユーザーはもう使ってなかったと当時を振り返る。

赤松氏への質問を続けよう。

ーー震災が起こったのは2011年3月11日。公開して1年後ですね。

「まあ、あのタイミングで配信なんてしてられないですよね。ただ、サイドフィードで利益は出ていたのでその資金をつぎ込んだというか。数千万円を追加投資してサービスはなんとか続けてました」。

ーー状況も状況だしそこまで爆発してるわけでもなかった。金食い虫をやめる選択肢もあったはずです。どうして続けたんですか。

「やっぱりリアルにユーザーが使ってくれてたっていうのが大きいですね。iPhone4からインカメラが付いたじゃないですか。そこでユーザーの顔が出るようになって利用シーンが変わった。

頑張って配信しているシンガーソングライターがいたんですね。でも視聴者が少ない。よし、じゃあそれを増やそうとプッシュ配信を付けてみたり、変な人も入ってくるようになったからそれを排除しようとか、改善を続けるわけです。なんだかそういう応援したくなる気持ちが強かったのかもしれません」。

起業家とサービスというのは不思議なもので、親と子のように似てくることがある。赤松氏は業界のベテランとして後輩の起業家を気遣ったり、アドバイスしていることを耳にするのだが、なんだかそれに似たような状況をツイキャスは作り出していたようにも思える、といったら言い過ぎか。

いずれにしても赤松氏はツイキャスをやらなければならない理由があったといえる。

ーー改善を続けたら段々ユーザーが増えてきた。どのあたりで手応えを感じましたか。

「アーリーアダプターから段々ちょっと偏ったコミュニティの方が集まりだしました。まあ、このあたりは勘弁してもらいたいのですが、その後ですね。Twitterが学生に浸透したあたりで今のユーザー層が流れ込み始めた」。

ーー確変が始まったと。

「でもユーザーが増えてくると同時にサポートが増えてくるわけです。当然そこにかける資金はありませんから、今ある資金でどう凌ぐか。考えましたね」。

ーー通常であれば資金調達に動いたりしそうですが。

「まあ、その前に大森さんと2年やってきて、正直飽きてました。もうやめてもいいかなって」。

ーーなぜ思いとどまったのですか。

「マネタイズを一切やってこなかったので、そっちに切り替えて楽しんでみようかなと思ったんですよね。広告入れてみたり、アイデアを考えたり。それで1年半前にアイテムの仕組みを入れたんです。それで2011年の年末にこれぐらいの売上にならなかったらその時こそやめようと」。

サービスと事業というのはバランスだ。プロダクトに力を注ぎ急成長を目指すことと、マネタイズをテストして事業化への道のりを模索することは車輪の両軸のような関係になる。しかしこの例のように現実はそう簡単ではない。赤松氏はマネタイズへ思考をシフトすることで、サービスに対する飽きを一時的に回避できたという。

ーー達成したんですね。

「いや、だめでした(笑。結局どうしようかなって思いながらズルズルやってたら、2012年の夏になったんです。しかもユーザーへの課金には反発もあったし、漫然と日々を過ごしてましたね」。

ーーリミットを決めてスパッと決断する。こういう美談って溢れてますけど、現実はそんな奇麗なもんじゃないですよね。

「たまたま、他にやることなかった、というのもあったんですけどね(笑」。

ツイキャスを襲った3つの危機は、もしかしたら巷にあふれるよくある話に聞こえるかもしれない。劇的な伸びはないものの、プロダクトは確実にユーザーに受け入れられ、プラットフォームで有名になっていくユーザーを父のような眼差しで見守る赤松氏にはこのサービスを継続させる必要があった。

しかし、資金はどんどん限界点へ近づき、ついに赤松氏はサービスを手放すことを考える。彼らはどこで踏みとどまるのか。インタビュー後半ではその瀬戸際を同氏に聞く。(つづく


※ツイキャスは現在サイドフィードから会社分割されたモイで運営されている。

----------[AD]----------

Rising Expo 2013グランプリは、スマートフォン生中継アプリのTwitCasting(ツイキャス)が獲得

SHARE:

9月6日、サイバーエージェント・ベンチャーズは、東京・青山のインキュベーション・スペース Startup Base Camp で年次のショーケース・イベント Rising Expo 2013 を開催し、参加者による投票で決まるグランプリの座には、モイ株式会社のTwitCasting(ツイキャス)が輝いた。 ツイキャスは日本国内のみならず、「アラブの春」が起こったバーレーンのほか、コンフェデレーショ…

サイバーエージェント・ベンチャーズ代表・田島総一氏(右)から賞を受け取る、
モイ株式会社の赤松洋介氏

9月6日、サイバーエージェント・ベンチャーズは、東京・青山のインキュベーション・スペース Startup Base Camp で年次のショーケース・イベント Rising Expo 2013 を開催し、参加者による投票で決まるグランプリの座には、モイ株式会社のTwitCasting(ツイキャス)が輝いた。

ツイキャスは日本国内のみならず、「アラブの春」が起こったバーレーンのほか、コンフェデレーションズ・カップ周辺のデモ中継等を機に、ブラジルでも広く使われている。ユーザに女子高生が多いことも特徴だ。モイ代表取締役の赤松洋介氏は、ツイキャスを「ブラジルと女子高生」という2つの言葉でまとめ、会場の笑いを誘った。

それぞれのファイナリストには10分間のピッチ機会が与えられたが、他のスタートアップイベントに比べ、比較的ピッチの時間が長く設定されていたことも、ツイキャスには有利に働いたようだ。赤松氏は実際にツイキャスを使って女子高生とライブチャットし、赤松氏が「どうして、ツイキャスしているの?」と問いかけたのに対し、女子高生からの「面白いからじゃない」という回答がライブ映像を通じて映し出され、聴衆はこのユーザエクスペリエンスに感動を覚えたようだ。

グランプリを獲得したツイキャスには、サイバーエージェント・ベンチャーズから賞金200万円が贈呈される。

このほか、Rising Expo 2013 にファイナリストとしてピッチしたスタートアップについては、こちらの記事で確認できる。

----------[AD]----------