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キーワードはプラスチックフリー、環境に優しい洗剤D2C「smol」は英国25万世帯が利用

ピックアップ:London-based smol raises €8.8 million to extend home-delivery of its vegan, plastic-free washing detergent ニュースサマリ:ロンドンを拠点とし、環境に優しい洗剤を定期配送するD2Cブランドsmolは、7月21日にシリーズAラウンドの880万ユーロの資金調達を発表した。本ラウンドは…

画像出典:smol公式HPスクリーンショット

ピックアップ:London-based smol raises €8.8 million to extend home-delivery of its vegan, plastic-free washing detergent

ニュースサマリ:ロンドンを拠点とし、環境に優しい洗剤を定期配送するD2Cブランドsmolは、7月21日にシリーズAラウンドの880万ユーロの資金調達を発表した。本ラウンドはBalderton Capitalが主導し、JamJar Investmentsも参加した。今回調達した資金は、新しい製品カテゴリーの開発や新規市場拡大、チーム強化に活用される予定。

重要なポイント:世界的にもSDGsの取り組みは加速している。同社は1年以上かけて洗剤パッケージを改善し、2020年3月に100%プラスチックフリーかつ、子供が口に入れても安全な素材に移行した。同社の製品を利用すれば、他のブランドと比較し毎週4トン以上のプラスチックを節約することができるという。

詳細情報:smolは2018年、ユニリーバの元従業員であるPaula Quazi氏とNick Green氏によって設立された。同社はレターボックスにそのまま届くほどコンパクトなカプセル型洗剤や食洗機用タブレットを開発し、定期配送で販売している。

2020年6月には、新たに環境に優しい超濃縮処方のファブリックコンディショナー(柔軟剤)の発売を開始。大手ブランドが提供する同様の製品に含まれている動物性脂肪は一切含まれておらず、ボトルも100%リサイクル可能な再生プラスチックを使用している。

今回の資金調達を受け、smolの共同経営者であるPaula氏は次のようにコメントしている。

忙しい生活を送る私たちにとって、洗濯や洗剤を買うことは、たくさんの人が楽しみにしていることではありません。100年以上もの間ほとんど革新がなかった洗濯業界において、日々の手間を省くために私たちはsmolを立ち上げました。持続可能性と手頃な価格を重視しながら、日常生活の心配ごとを一つでも減らせることを目指しています。

背景:EU-Startupsの記事によると、現在英国の25万世帯以上がsmolの製品を利用し、毎週150万回もの洗濯に活用されている。さらにコロナ禍以降、同社製品への関心は3倍となったという。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

ロンドン発のお金の節約・貯蓄自動最適化アプリ「Plum」運営、GBや欧州開銀などから1,000万米ドルを調達——欧州・アジアに進出へ

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AI を使った個人のお金の節約や貯蓄を自動化するアプリ「Plum」を開発・提供する Plum は21日、1,000万米ドル(約10.7億円)を資金調達したことを明らかにした。この調達は来年実施予定のシリーズ B ラウンドに向けたコンバーチブルノートラウンドで、グローバル・ブレインと、前回ラウンド(シリーズ A)にも参加した欧州復興開発銀行(EBRD)がリードした。アテネの VC である Ventu…

Plum のメンバー。手前左でテーブルに腰掛けるのが共同創業者兼 CEO Victor Trokoudes 氏。
Image credit: Plum

AI を使った個人のお金の節約や貯蓄を自動化するアプリ「Plum」を開発・提供する Plum は21日、1,000万米ドル(約10.7億円)を資金調達したことを明らかにした。この調達は来年実施予定のシリーズ B ラウンドに向けたコンバーチブルノートラウンドで、グローバル・ブレインと、前回ラウンド(シリーズ A)にも参加した欧州復興開発銀行(EBRD)がリードした。アテネの VC である VentureFriends も参加し、イギリス政府のスタートアップ支援ファンド「Future Fund」からも助成を受けた。同社の創業以来の累積調達金額は約1,930万米ドル(約26.3億円)に達した。

Plum は、以前 TransferWise の国際オペレーション責任者を務めた Victor Trokoudes 氏らにより創業。ユーザが Plum のアプリを自分の銀行口座と紐づけることにより、収入・支出(光熱費や通信費・クレジットカード利用代金)・貯蓄余力などをモニタリング。AI により貯蓄余力分を高利回り商品で運用したり(普通預金から定期預金への乗り換えなど)、利用状況に応じてより安いプランの光熱費をレコメンドしたりする。ユーザは意識することなく生活における出費を抑えることができ、節約・貯蓄・投資を自動化することで個人の金融を最適化してくれるサービスだ。

Trokoudes 氏によれば、今回の資金調達を受けて、Plum はターゲットとする市場を現在のイギリス国内からヨーロッパ全体へと拡大する。

次の四半期では、特にフランスとスペインへの進出に注力する。お金を貯蓄することに対して大きな需要があるからだ。(Trokoudes 氏)

モバイルアプリ「Plum」
Image credit: Plum

Plum の海外進出において次にどの市場を狙うかは、この「お金を節約・貯蓄することへの需要」が大きく関係している。その市場に住む人々の平均的な収入と支出とのバランス、価格を比較して複数のプロバイダの選択肢から電気・ガス・水道などの契約を選べるか、銀行からオンラインバンキングでアカウント情報をアグリゲーションできるようオープンな環境を提供しているか、などにもよる。

ヨーロッパ進出の次にはアジア市場を狙うと Trokoudes 氏は語った。具体的には市場が大きい、日本、香港、シンガポール、インドネシア、インドなどだ。多くの欧米のスタートアップがそうであるように、ターゲットに中国市場は含まれない。具体的な時期については言及はなかったものの、Trokoudes 氏は TransferWise の日本進出にも関わったことから、Plum のターゲットに日本が含まれることを強調した。この点において、今回投資家となったグローバル・ブレインは日本の金融機関やプロバイダと Plum が関係を構築していく上で協力すると推定できる。

Plum は新型コロナウイルスの感染拡大を追い風にユーザを増やし、今年1月以降のユーザの貯蓄総額がそれまでの5倍に増え、電気・ガス・水道などのプロバイダ変更が163%に増えたという。人々が屋内にいることを余儀なくされ、生活費の抑制を行おうとした結果が如実に現れた形だ。これまでに100万人がアプリを利用しており、2021年末までにイギリス、スペイン、フランスでユーザ数500万人の獲得を目論む。

この分野では、競合になり得るスタートアップとして、いずれもロンドンを拠点とする MoneyBoxCleoHyperjar などが存在するが、Trokoudes 氏によれば、いずれも投資の最適化にフォーカスしているものが多く、節約や貯蓄にフォーカスしているものとしては Plum が唯一無二ではないかと言う。同社では今回調達した資金をもとに、プロダクト開発、オペレーション、マーケティング人材を増強する。現在、ロンドン、アテネに60人以上いるメンバーを2020年までに80人体制までに拡大する計画だ。

<参考文献>

「タンポン」にイノベーションを起こした生理用品D2CのCallaly、コロナ禍でも160%成長

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ピックアップ:Feminine Care Product Company Callaly Now Nearing £1.3 Million in Funding Through Crowdcube Campaign 重要なポイント:ロンドンを拠点とする生理用品のD2CスタートアップCallalyは7月、クラウドファンディングで約130万ポンドを調達した。6月下旬に目標の100万ポンドを達成したのち…

画像出典:Callaly

ピックアップ:Feminine Care Product Company Callaly Now Nearing £1.3 Million in Funding Through Crowdcube Campaign

重要なポイント:ロンドンを拠点とする生理用品のD2CスタートアップCallalyは7月、クラウドファンディングで約130万ポンドを調達した。6月下旬に目標の100万ポンドを達成したのち、オーバーファンディングを継続している。

詳細情報:Callalyは婦人科医として30年以上の経験を有するAlex Hooi氏と、ファッション業界にて10年以上従事していたEwa Radziwon氏が共同で設立。2018年にオーガニックコットンの生理用品の定期配送サービスを開始した。Crunchbaseによると、これまでに民間および政府から790万ポンドを調達している。

  • Callalyは1931年に発明されて以降、80年以上革新的な変化のなかった「タンポン」にイノベーションを起こし、従来のタンポンとライナーの一体型である「Tampliner」を発明した。
  • 同社製品のパッケージはすべてリサイクル可能な素材、または生分解性の素材を使用している。さらに売上の少なくとも1%をDays for Girls、Red Box Project、Bloody Good Periodなどの非営利団体に寄付するなど、SDGsの観点においても注力している。

  • これは(上)2020年5月より公開されている「Tampliner」のプロモーション動画。同社Chief Marketing Officer・Kate Huang氏のインタビュー記事によると、1930年代に使用されていた一連の製品の箱を開け、その使用用途を明らかにする女性たちの姿を映すことで、タンポンだけは全く変化がなかったことを表現している。
  • 同社が開発した「Tampliner」は複数の業界革新賞を受賞しており、30カ国で特許も取得している。また2019年、同社はIABにより英国の主要なD2C企業50社うちの1社として認定された。
  • 日本における生理用品のEコマースとしては「ランドリーボックス」や「illuminate」などが挙げられる。その他、日本発のFemCareブランドとして生理用吸水ショーツ「Nagi」や、月経カップ「ROSE CUP」などが挙げられるが、タンポンに特化した日本発ブランドは筆者調査時点(7月)では見つからなかった。

背景:コロナ禍においても、Callalyはポジティブに成長しており、新規加入者は3月から5月の間で160%以上増加したという。CMOのHuang氏によると、ロックダウン下において大きな影響を受けた小売店と違い、Callalyの販売形態がサブスクリプションの定期配送サービスであることが一因と述べられている。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

ママ友版 Tinder「Peanut」が巣ごもり需要で急成長中

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ピックアップ:Peanut, UK-based social network for women, raises $12 million to expand community beyond fertility and motherhood ニュースサマリー:ママ友SNS「Peanut」は5月6日、シリーズAにて1200万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはEOT Ventures…

peanuts

ピックアップ:Peanut, UK-based social network for women, raises $12 million to expand community beyond fertility and motherhood

ニュースサマリー:ママ友SNS「Peanut」は5月6日、シリーズAにて1200万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはEOT Venturesが参加している。また、Index VenturesとFemale Fundも同ラウンドに参加した。2017年創業で、累計資金調達額は2,180万ドルに達している。

重要なポイント:COVID-19は同社にとって好転的な影響を及ぼした。コロナ以降の同アプリ全体のエンゲージメントは30%増加し、コンテンツ消費は40%増加したという。ユーザーの増加も好調で、12月以降は100万人から160万人へと60パーセント成長している。

詳細情報:Peanutは「Tinderのママ友版」とも言われる、ロンドン発祥のママ友マッチングアプリ。スワイプをすることで近くのママ友と会うことのできる「MEET」、グループもしくは個人での「CHAT」機能、特定の話題やご近所同士の「GROUP」、質問やアドバイスをし合う「SHARE」機能等がある。

  • 同社はユーザーの女性たちがアプリを利用する上で、ストレスや不安を最小限に抑えられるよう、ソーシャルネットワークをデザインすることに注力している。
  • 具体的には、ユーザーがフィードや通知から特定の話題を削除できる「ミュートキーワード」機能を5月初めに新たに実装。例えば、COVID-19関連のコンテンツを減らしたい場合や、不妊に悩むユーザーが「妊娠」に関するトピックを避けたい場合、関連ワードをミュートすることができる。
  • 今回の調達金は人材への投資だけでなく、更年期障害を抱える女性など、既存サービスの不妊治療や母性の分野を超えた新しいコミュニティ拡大のためにも使われる。NAMS(The North American Menopause Society)によると、更年期障害を抱える人は、2025年までに10億人以上にまで拡大すると予測されている。
  • 同様のママ友マッチングアプリとして、日本では雑誌「mamagirl」が運営し2019年6月にリリースした「mamagirl-link」や、2019年10月リリースの「MAMATALK」、保活に関する新機能を2020年4月にリリースした「Fiika」などが挙げられる。

背景:Kennedy氏は、数十億ドル規模の出会い系アプリであるBadooの副CEOを務めたほか、女性に焦点を当てた出会い系アプリBumbleの初代取締役を務めるなど、マッチングアプリ開発の経験が豊富。

執筆:理沙子(Risako Taira)/編集:平野武士

英ファクタリングスタートアップのPrevise、マスターカードらから1,100万米ドル調達しアジアに進出——AIで即現金化可能な請求書を抽出

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Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから。 請求書が全額支払われるまでには数ヶ月かかることが多く、(請求から入金までのタイムラインにおけるギャップから)キャッシュフローが減少し、投資や成長の機会が制限されている中小企業は多い。…

Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから


請求書が全額支払われるまでには数ヶ月かかることが多く、(請求から入金までのタイムラインにおけるギャップから)キャッシュフローが減少し、投資や成長の機会が制限されている中小企業は多い。イギリスを拠点とするフィンテックスタートアップ Previse は、サプライヤーへの請求書即現金化を支援することで、この問題に取り組んでいる。

Image credit: Previse

決済大手のマスターカードと Reefknot Investments は、Previse に対し1,100万米ドルの資金調達ラウンドで共にリードインベスターを務めた。シンガポール政府の運営する Temasek とスイスの Kuehne and Nagel によるシンガポールのジョイントベンチャーだ。既存投資家の Bessemer Venture Partners、Hambro Perks、Augmentum Fintech もこのラウンドに参加した。

2016年に設立された Previse のテクノロジー「InstantPay」は、売り手が大企業顧客に送る請求書のデータを分析する。予測分析に基づき、介入できる可能性があると判断した請求書を特定、残金を即座に入金することで売り手のキャッシュフロー改善を支援する。

Previse の共同創業者兼 CEO Paul Christensen 氏は、より多くの企業バイヤーにInstantPay をグローバルに展開していく中で、今回の資金調達が Previse の成長支援につながると語った。

サプライチェーンの回復力を高め、世界中の経済が依存している中小企業をキャッシュフローの面で支援することが今まで以上に重要になっている。そのための最適な手段は、我々が取り組むような大企業に対する請求書の即現金化だ。

共同創業者兼 CEO Paul Christensen 氏
Image credit: Previse

Christensen 氏 は、今後5年以内にサプライヤー500万社から即現金化を受け付けることを目標にしていると付け加えた。グローバル展開への野心をさらに高めるべく、Previse はアジア市場にも目を向けている。

この地域は、世界のサプライヤーや中小企業の中で最も大きな割合を占めている。

Previse は Reefknot Investments にとって2度目のグローバル投資となる。Reefknot Investments は昨年、AI、ディープテック、貿易金融分野に特化した5,000万米ドルのファンドを発表し、その直後、イギリスの AI スタートアップ Prowler に初の投資を実施した

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

ロンドン発〝銀行版Stripe〟のRailsbank、シリーズA+ラウンドでグローバル・ブレインから資金調達——2020年4Qにも日本市場に参入へ

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ロンドンを拠点にオープンバンキング API などを提供する BaaS(Banking as a Service)スタートアップの Railsbank は7日、グローバル・ブレインから資金調達を受けたことを明らかにした。調達ステージはシリーズ A+ ラウンドで、昨年9月に1,000万米ドルを調達したシリーズ A ラウンドのエクステンションラウンドとなる。グローバル・ブレインからの調達額は明らかになっ…

Image credit: Railsbank

ロンドンを拠点にオープンバンキング API などを提供する BaaS(Banking as a Service)スタートアップの Railsbank は7日、グローバル・ブレインから資金調達を受けたことを明らかにした。調達ステージはシリーズ A+ ラウンドで、昨年9月に1,000万米ドルを調達したシリーズ A ラウンドのエクステンションラウンドとなる。グローバル・ブレインからの調達額は明らかになっていない。Crunchbase によれば、Railsbank の累積調達金額は1,440万米ドル。

Railsbank は、Nigel Verdon 氏(現 CEO)により2015年に設立。Verdon 氏は2008年に設立された国際送金 API を開発する Currencycloud の創業者で元 CEO だ(ちなみに、Verdon 氏は Railsbank の業務に集中すべく Currencycloud の CEO を2017年に退任した。Currencycloud は今年1月、シリーズ E ラウンドで日本の SBI や Visa から8,000万米ドルを調達している)。

クレジットカードの決済の分野で言えば、Stripe が導入した RESTful API を使った決済インターフェイスにより、この分野の事業形態がかなり民主化されたと言える。モバイルアプリや Web アプリの中にクレジットカード決済の仕組みを包含できるようになったからだ。Railsbank が実現しようとしているのはバンキング(銀行業務)におけるそれであり、さまざまなアプリに Railsbank の API が連携されることで、ユーザは銀行アプリや銀行や銀行インターフェイスを介さずに、送金・入金・出金などが可能になる。

新型コロナウイルスの影響でフランス国内に足止めを食らっているという Verdon 氏は、BRIDGE のインタビューに対し、具体的なユースケースを次のように教えてくれた。

銀行サービスは銀行から離れていき(銀行サービスのアンバンドル化)、一方で、(スーパーアプリをはじめとする)テック企業が金融プラットフォームやブランドへと移行するだろう、というビジョンを持っている。

ユースケースとしては、ギグエコノミー(ギグワーカーへのアプリ経由の報酬支払など)、フィンテック企業、それに、スーパーマーケットが自社ブランドで銀行サービスを提供するような事例に用いられるようになるだろう。(Verdon 氏)

創業メンバー。前列右が CEO Nigel Verdon 氏、前列中央が COO Clive Mitchell 氏。
Image credit: Railsbank

Railsbank はこれまでヨーロッパを中心に展開してきたが、昨秋、Visa とのパートナーシップを発表、シンガポールをはじめとする東南アジア市場への進出を果たした。今後、日本とオーストラリアへの進出を目論でおり、今回のグローバル・ブレインからの資金調達はそれを念頭に置いたものだ。Verdon 氏はグローバル・ブレインの知見を得て適切なパートナーを獲得し、今年第4四半期に Railsbank 日本市場進出を目指したいと語った。

Verdon 氏が語った Railsbank のユーザとなり得るフィンテック企業にはチャレンジャーバンクが含まれる。日本では、先頃シリーズ C ラウンドで47億円を調達した Kyash や、元ベリトランス沖田貴史氏を迎えた WED がチャレンジャーバンクに参入することを表明している。東南アジアでは、SingTel と Grab、LazerSea などがシンガポールのデジタルバンク免許を申請した。

一方 BaaS の分野では、アメリカでは Green Dot や Plaid、イギリスでは Dozens、ドイツでは SBI も出資する solarisBank といったスタートアップが頭角を表しているほか、Standard & Chartered Bank も先月、「nexus」という BaaS プラットフォームをインドネシア向けにローンチした。日本ではインフキュリオン・グループが先月、新生銀行グループの「BANKIT」に BaaS プラットフォームの提供を明らかにしている

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世界中で生まれる、新型コロナ蔓延状況追跡アプリの数々——アプリ同士の協調とデータ連携が今後の課題

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新型コロナウイルスの感染症例や死亡者が世界的に増加しているため、官民双方が感染拡大を追跡し抑制するための新たなソリューションに取り組んでいる。ここ数日だけでも、人々が現在の健康状態を報告し、変化があればそれを更新し、科学コミュニティのためにより多くのデータを生成できるよう設計された協同プロジェクトが、少なくとも2つ現れた。 しかし、基本的には同じことをしようとする複数のアプリは、努力の重複につなが…

アプリ「COVID Symptom Tracker」

新型コロナウイルスの感染症例や死亡者が世界的に増加しているため、官民双方が感染拡大を追跡し抑制するための新たなソリューションに取り組んでいる。ここ数日だけでも、人々が現在の健康状態を報告し、変化があればそれを更新し、科学コミュニティのためにより多くのデータを生成できるよう設計された協同プロジェクトが、少なくとも2つ現れた。

しかし、基本的には同じことをしようとする複数のアプリは、努力の重複につながる可能性があり、政府や NGO のような中央集権的な組織が主導するより協調的なアプローチの方が、少なくとも地域レベルではよりよいアプローチになるのではないかという疑問が生じている。

「Let’s Beat COVID-19(新型コロナウイルスに打ち勝とう)」

Let’s Beat COVID-19」は、ロンドンを拠点とするコンサルタント兼循環器専門医で、100万人以上の医師を結びつけて臨床例を議論する知識共有ソーシャルプラットフォーム「MedShr」創設者 Asif Qasim 氏が率いるボランティアチームによって、急遽設立された非営利ベンチャーである。Let’s Beat COVID-19 の Web アプリは、新型コロナウイルスに感染し医療ケアや入院が必要になる可能性がある人、新型コロナウイルス感染者と接触したことがあるものの未症状の人、軽度の症状がある人、すでに感染している人が、イギリスの各地域でどれくらいいるかを把握するためのアンケート調査である。

このアプリは、現在の新型コロナウイルスの症状など、一連の質問を通じてユーザを案内する。

アプリ「Let’s Beat COVID-19」

また、家から全く出ていないのか、必需品を求めて外に出ているのかなど、隔離の度合いについても掘り下げている。

アプリ「Let’s Beat COVID-19」- 隔離レベルの登録画面

さらに、このアプリはユーザに既往症についても質問するので、リスク要因を顕在化するのにも役立つ可能性がある。

アプリ「Let’s Beat COVID-19」- 既往症情報の登録画面

アンケートの最後に、ユーザに対し、今後症状が出始めた場合に状態を更新するためのコードをメモしておくよう求める。

アプリ「Let’s Beat COVID-19」- 症状更新のためのコードが表示

Let’s Beat COVID-19 は今のところイギリスに限定されているが、まもなくアメリカでも開始される予定。このアンケートに回答し、友人や家族にも回答を促すことで、医療機関が今後数週間から数ヶ月間のサービス需要を予測するために必要なデータを得ることができるというアイデアだ。

同組織は次のように述べている

世界中の医師や看護師が新型コロナウイルスの患者を助けるために懸命に働いている。彼らがサービスを計画し、危機を回避するために必要な情報を持っていないという話を聞いている。

Let’s Beat COVID-19 は、得られた情報を利用して地域毎に状況がどのように変化しているかを把握し、次に何が起こるかを予測しようとすると述べている。

新型コロナウイルスの症例数が各地域で増加しているのか減少しているのかを知ることで、地域の病院や医療サービスの準備が整い、より多くの命を救うことができるだろう。

「COVID Symptom Tracker(新型コロナウイルス症状追跡アプリ)」

一方、ロンドンの2つの病院とボストンに拠点を置く民間のヘルスデータサイエンス企業 Zoe のコラボレーションは、Let’s Beat COVID-19 と同様の目標を達成することに設定されている。「COVID Symptom Tracker」はネイティブのモバイルアプリ(Android 版 / iOS 版)で、「流行のスピードを遅らせ」「早期にリスクのある人を特定する」ために、ユーザに対し毎日自己報告を行うことを症例している。

登録プロセスでは、ユーザはメールアドレスなどの個人情報を提出する必要があり、データをすべての関係者と共有することに同意する必要がある。しかし、データは商業目的で使用されないと宣言している。

アプリ「COVID Symptom Tracker」の登録手順

Let’s Beat COVID-19 と同様、COVID Symptom Tracker はユーザに、現在の健康状態と新型コロナウイルスの検査を受けたかどうかを尋ねる。

しかし、ここでの大きな違いは、ユーザが毎日自分の状態を更新して、まだ健康なのか、何らかの症状が出ているのかを確認するよう求められることだ。重要なのは、データが最新であることを保証することであり、これはウイルスの症状を理解したり、ウイルスがどのように広がっていくかを追跡したりするという点で、医療専門家にとってより価値のあるものとなっている。

アプリ「COVID Symptom Tracker」の登録手順 – 健康調査

COVID Symptom Tracker はわずか3日で構築され、現在、24時間以内に100万ダウンロードを達成する勢いだ。3月25日には、イギリスで最もダウンロードされたアプリの一つとなった。

この研究は、キングス・カレッジ・ロンドンの遺伝疫学教授であり、1万5,000人の一卵性双生児と非一卵性双生児を対象とした3年間の科学プロジェクト「TwinsUK」のディレクター Tim Spector 氏がリードしている。COVID Symptom Tracker は実のところ、TwinsUK に参加する双子たちに自宅で検査できるキットを送るコロナウイルス研究の一部として始まり、後にそれがデータ収集の方法として(自宅検査キットを除いて)誰もに開かれることになったものだ。

Coronavirus COVID-19 Global Cases by the Center for Systems Science and Engineering (CSSE) at Johns Hopkins University (JHU)

ここ1ヶ月間以上にわたり、非常に多くの追跡アプリが現れている。中でもジョンズ・ホプキンス大学は、WHO、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)、中国 CDC(中国疾病予防控制中心)からのデータを使ってインタラクティブなオンラインダッシュボードを立ち上げ、現在確認されている新型コロナウイスの症例、死亡、回復の状況を世界に示している。しかし、Let’s Beat COVID-19 と COVID Symptom Tracker は、何百万人もの人々からのリアルタイムデータを使って、時代を先取りし、この先何が起きるのかを見極めようと努力している。

シンガポールでは、政府が市民のスマートフォンの位置情報を取得し、新型コロナウイルスに感染した人が近くにいたかどうかを確認できる「TraceTogether」というアプリを開発した

アプリ「TraceTogether」

スマートフォンが、新型コロナウイルスの感染拡大に対抗するための大規模なデータセットをクラウドソーシングするための、信じられないほど便利なツールになり得ることは明らかだ。そして、すべてのアプリが同じ目標を達成しようと努力しているわけではないが、Let’s Beat COVID-19 や COVID Symptom Tracker などのアプリは、その意図はほぼ同じくしている。同じことをしているアプリが多すぎると、どれを使うべきかユーザを混乱させてしまうので役に立たない。そして、人々が2つのサービスにまたがって健康プロファイルを更新したり、最新の情報を保ったりすることはまずないだろう。クラウドソーシングデータは新型コロナウイルスの発生を追跡し、計画を立てる上で有用な手段となり得るが、より協調したアプローチが必要である。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

これぞ〝AI船長〟、自動航行のメイフラワー号はどのように大西洋を渡るのか

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過去数年間、自動運転車がニュースの見出しを独占しているが、その他の自動運転の乗り物も動き始めている。 今月、IBM とイギリスを拠点とする海洋調査と探索の非営利団体 Promare は、9月6日に行われる本番に向けて人工知能(AI)駆動の航海システムのプロトタイプをテストする。9月にはオリジナルのメイフラワー号が400年前に通った航路そのままを辿り、無人船が大西洋横断に乗り出す予定だ。 1620年…

自動航行のメイフラワー号は、2020年9月に出港の予定。

過去数年間自動運転車がニュースの見出しを独占しているが、その他の自動運転の乗り物も動き始めている。

今月、IBM とイギリスを拠点とする海洋調査と探索の非営利団体 Promare は、9月6日に行われる本番に向けて人工知能(AI)駆動の航海システムのプロトタイプをテストする。9月にはオリジナルのメイフラワー号が400年前に通った航路そのままを辿り、無人船が大西洋横断に乗り出す予定だ。

1620年にイギリス人入植者をアメリカへと運んだオリジナルのメイフラワー号は、イギリスのプリマスから現在のマサチューセッツ州プリマスまで旅をした。最初のメイフラワー号は当時の多くの商船と同じく横帆式の帆船で、風力と人間の航海技術のみに頼ってアメリカ大陸までたどり着いたのだ。しかし Mayflower Autonomous Ship(MAS/自動航行メイフラワー号)は太陽光と風力から作られた電力で進み、バックアップとしてディーゼル発電機を乗せる。

メイフラワー号の航行ルート

さらに、最初のメイフラワー号の最高速度はおよそ2.5ノットほどで、到着まで2か月もの時間を要したが、最新版では20ノットという目が回るような速度で走り、2週間以内には到着する予定だ。

AI 船長

自動航行のメイフラワー号は太陽電池と風力で発電し、バックアップでディーゼル発電機を搭載する。

昨年10月に発表されたこのミッションは、危険な海で航海につきものの一般的な障害に、人間の介入なしに対処することを目指している。

搭載された「AI 船長」と呼ばれるものは、常に GPS や衛星との接続に頼ることができるわけではなく、またリアルタイムのデータ処理に速度は不可欠だ。だからこそ、すべての AI と航海スマート機能はローカルで使用可能でなければならず、この試みの成功にとってはエッジコンピューティングが重要となる。

IBM のエッジコンピューティングの CTO である Rob High 氏はこう指摘する。

メイフラワー号のような自動船を可能にするには、エッジコンピューティングが重要です。船はたとえ接続が断続的であっても、また常にデータをサイバーアタックの脅威から保護しながら、周囲の環境を感知し、状況についてスマートな決定を下し、その結果に応じて最小限の時間内で行動を起こす必要があります。

新メイフラワー号を作るチームは過去数年間にわたり、プリマスサウンドのカメラやその他オープンソースのデータセットから集められた数百万枚の海洋画像を使って、船の AI モデルをトレーニングしてきた。

機械学習の能力に関しては、船は世界最大級の AI スーパーコンピューターにも使用される IBM Power AC922を使っている。IBM の PowerAI Vision と共に、メイフラワー号の AI 船長は船やブイならびにゴミなどの危険物を検知および識別し、どうすべきかを決定するように作られている。

例えば、他の船とぶつかって荷物を散乱させている貨物船を MAS が見つけたら、AI 船長は行動を開始し、障害物を避けるために船に搭載されているあらゆるセンサーやソフトウェアを組み合わせて使うことができる。レーダーは前方の水域の危険を検知し、カメラは水域の障害物について、追加的な画像データを提供することができる。

さらに、自動識別システム(AIS)は前方のあらゆる船について種類、重量、速度、貨物のタイプなどの具体的な情報を利用することができる。貨物船からの警告の無線放送も受信して理解することができ、AI 船長は航路変更についていつでも決断を下すことができる。

自動航行のメイフラワー号で動作中の AI 船長

その他にも AI 船長は船の現在位置、速度、コース、航路を提供するナビゲーションシステムや海図サーバー、ならびに海の状態を監視する姿勢センサーや水深を測る測深機といったもののデータを活用することができる。

また搭載されている船体管理システムは、バッテリー残量や消費電力といった重要な情報も提供する。これらの情報は海の危険な箇所を迂回するルート選定に使われ、天気予報と併せて最終的に決定される。

自動航行のメイフラワー号の電力管理システム

決定的なことに、AI 船長は付近の船と音声でコミュニケーションをとり、プランの変更を伝えることができるのだ。

自動航行のメイフラワー号は、近くの船にメッセージを送ることもできる

MAS の船体そのものは現在ポーランドのグダニスクで製作中であり、AI 船長は今月、イギリスの Plymouth Marine Laboratory(プリマス海洋研究所)が所有する Plymouth Quest(プリマスクエスト号)という人間が乗り込む研究船でテストされる。テストは AI 船長が現実世界の中でどう行動するのかを本質的に見極めるものとなり、そのフィードバックは9月のローンチ前に船の機械学習スマート機能を改善するのに使用される。

テスト船の Plymouth Quest 号

進行状況

海運は品物を大量に運ぶ際の費用対効果がもっとも高いため、世界の取引の90%を占めている。しかし船旅は主要な環境汚染源であると広く考えられている。自動運転車と同様、電気で動く自動航行船の最大のメリットは排出量を減らし、事故を減らすことだ。海難事故の少なくとも4分の3はヒューマンエラーによるものだと考えられている。

さらに、無人船はより長期間の研究ミッションへの扉も開く。もはや食料や健康、そして給料をロジスティクスの面でも予算の面でも考えなくてよいのだ。

近年、全自動の海運に向けた動きは続いてきた。2016年には Sea Hunter という無人の軍艦が研究機関 DARPA(アメリカ国防高等研究計画局)によって開発されているという報道がなされ、同局は2年後、さらなるイテレーションのため Sea Hunter のプロトタイプを Office of Naval Research(海軍研究局)へと引き渡した。ノルウェーでは Yara Birkeland という無人の貨物船が数年来開発中であり、2020年後半には商業運行されるものと見られている。そして、ノルウェー科学技術大学(NNTU)は無人運転の小さな電動客船の試運転を行っている

その他の場所でも、以前フィンランドで完全自動運転の客船のデモンストレーションを行った Rolls-Royce は、2025年までに自動航行する貨物船を世界の海に届けるという大計画の一部として、Intel とのパートナーシップを発表した

自動航行船の周辺では多くのことが起きている。Allied Research の最近の報告では、この産業は現在880億米ドル規模であり、10年以内に1,300億米ドルに達する可能性もあるとしている。しかし、他が船旅の様々な側面を自動化しようとしている中で、新メイフラワー号は完全に自給自足、人間のいかなる直接的な介入もなしに航行できるよう設計されている。

Mayflower Autonomous Ship の CTO である Don Scott 氏はこう述べる。

今日の自動船の多くは、新しい状況にダイナミックに対応できず、オペレーターのオーバーライドに頼りきりの、ただの自動化された…ロボットです。私たちは IBM の AI、クラウド、エッジ技術を統合したものを使ってメイフラワー号に完全な自主性を与え、現在可能とされていることの地平を広げることが目標です。

メイフラワー号が最初の入植者を乗せて大西洋を横断してから4世紀後、私たちはまったく新しい海洋探検の時代に入ろうとしているのかもしれない。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

「AI検索」はPRの情報戦線をどう変える

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ピックアップ:Signal AI Raises $25 Million Series C as they Transform Decision Making in the Enterprise with Augmented Intelligence ニュースサマリ:2019年10月22日、AIを用いたメディアモニタリングとマーケティング・インテリジェンスをのツールを提供する「Signal AI」は…

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Image Credit:Signal AI Whitepaper

ピックアップ:Signal AI Raises $25 Million Series C as they Transform Decision Making in the Enterprise with Augmented Intelligence

ニュースサマリ:2019年10月22日、AIを用いたメディアモニタリングとマーケティング・インテリジェンスをのツールを提供する「Signal AI」は、シリーズCで2,500万ドルを調達し、総調達額が4,950万ドルに到達した。本ラウンドは、Redline Capitalがリードを担当し、MMC Ventures、GMG Ventures、Hearst Venturesなど既存の投資家が参加した。

Signal AIは50言語200カ国、500万件/日の記事、ニュース、出版物と規制データをモニタリングして、ビジネスマンや経営層が目を通すべき情報とインサイトを提供する。

今回の資金はインサイトを用いた新規事業と、米国での成長とアジア太平洋地域市場での立ち上げに使用される。

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Image Credit:Signal AI Whitepaper

話題のポイント:“AI is the future of PR”と主張するSignal AI。彼らはAIを用いてPRをどのように変革しようとしてるのでしょうか。

メディアモニタリング、マーケットインテリジェンスを展開するSignal AIですが、コア技術は「検索」です。つまり実態は、ビジネスマンの中でも特にPRパーソンに特化した検索サービスと言えます。

社会動向を効率的に調査するための検索ノウハウを持つ人は多くありません。良質な意思決定を支える情報をリアルタイムに取得するのは現状困難です。

この点において、「キーワード検索」でいたずらに増えたコンテンツをさばききれていない問題が挙げられます。

従来、アドセンスのビジネスモデルは様々な質のコンテンツを量産してきました。なかでも間口の広い、検索上位に食い込むような、バズコンテンツを幅広く配信するサイトが乱立。ニッチなコンテンツを配信するサイトは希薄に見えます。

もちろん、初心者向けのサイトを必要としている人がいるでしょう。ただ、人によって要求するコンテキストレベルは大きく異なるにも関わらず、ニッチコンテンツに行きつきたいというユーザー需要に「キーワード検索」は対応することができていません。

そこで、少しでも望む情報を探り当てるためによく用いられるのが「ブーリアン検索」です。様々なキーワードをあらかじめ設定しておいて、条件に合う情報だけを取得してくる検索方法です。

下図は、ブーリアン検索の一例です。“Amadeus”という企業が以下の単語が含まれていたら情報を取得しないための条件文となります。

留意しなければならないのが、これは企業名に関する条件文のみであり、関係するキーワード(プロダクト別、競合他社など)ごとに条件文を構築する必要があるということです。見ていただければ分かる通り、とても煩雑で精度を上げるのも一筋縄ではいかず、構築・維持に大きなコストがかかります。

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Image Credit:Signal AI Whitepaper

Signal AIはこうした問題を解決するため、膨大に増えたコンテンツの中から内容と人をマッチングする検索「エンティティ」を提供しています。

ソフトウェア設計上で用いられる“エンティティ” = “実体”とは、たとえば「コーヒー」であれば、「品種」「産地」の属性と、「焙煎」「ブレンド」「ドリップ」という操作から成り立ち、これらをある程度手動で記入していきます。

対してSignal AIでは、組織・イベントなどをエンティティとして認識し、世界でどのように記述または話されているかを自動で学習して「Apple iPhoneは食べられず、リンゴはタッチスクリーンではない」という認識を作り出します。そのため、Appleでメディアの報道を検索したい時に、果物のリンゴに関する記事は表示されません。

エンティティを用いるメリットを以下にまとめます。

  • 感情を計算することで肯定的または否定的なメディア報道を受けているか
  • 異なるエンティティ間の関係を検出することでより詳細なインサイトを引き出す
  • 新しい記事を読むたびに精度が上がる

つまり、Signal AIが目指すAIがPRを変革する方法とは、「情報収集能力の飛躍的向上で、打ち手に集中できる環境を作る」というものです。さらに、インサイトを用いて、コンテンツ配信立案の補助ツールの提供も始めています。今後はこの点を更に強化していく方針です。

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Image Credit:Signal AI

情報は勝負を決定づけるものではありませんが、優位性を作るためには欠かせないものです。

PRやマーケティング・インテリジェンスを生業とする人の施策前提には、ターゲットの人物像の解像度が高い必要があります。同じ特性を持つ人物に対しても、時代が異なればアプローチが違うのは当然です。

そこで効率よくターゲットユーサーに関するあらゆるトレンドを取得できるようなサービスを提供するのがSignalAI。AIを活用した新たな検索手法で、本当に必要な情報へアクセスする場を作り出しました。

SignalAIの登場は、情報戦が国を跨いで年々激化する中、情報を取りこぼさないツールが普及することを意味します。これは情報格差が付加価値とならない新しい時代の突入と言えるかもしれません。

ロンドンで出会ったフード・ロスの解決策「OLIO」と感情(パッション)で成立する経済圏について

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先日、英国ロンドンにてカウチ・サーフィンというサービスを用いてフランス人の男性の家に2日間泊まらせていただいた際、彼から「OLIO」と呼ばれるフード・シェアアプリを紹介してもらいました。 なんでもそのOLIOというアプリでは、ご近所の間で余った食品を無料でシェアし合うことができるといいます。彼はその日食べきれなかった洋菓子をアプリで出品し、無料でご近所さんに提供していました。 アプリの理念や機能を…

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Image Credit : Google Play OLIO

先日、英国ロンドンにてカウチ・サーフィンというサービスを用いてフランス人の男性の家に2日間泊まらせていただいた際、彼から「OLIO」と呼ばれるフード・シェアアプリを紹介してもらいました。

なんでもそのOLIOというアプリでは、ご近所の間で余った食品を無料でシェアし合うことができるといいます。彼はその日食べきれなかった洋菓子をアプリで出品し、無料でご近所さんに提供していました。

アプリの理念や機能を聞いて、すぐ記事にしてみようと思いました。というのも、近年日本は深刻なフード・ロス問題を抱えていることから、同アプリは先進的な取り組み事例として参考になると思ったからです。また、近年バズワード化している「シェアリング・エコノミー」とは、本来こういうサービスのことを指すのではないでしょうか。

OLIOでは出品ユーザーと食品を受け取るユーザーをマッチングさせ、完全無料でやり取りを行えます。アプリを開くと近所で出品されている食品が一覧でき、依頼したら近所の出品者の所へ取りにいくシステムです。

ここまで聞くと、OLIOというサービスがどのようにマネタイズしているのかが気になります。実はOLIOのコミュニティの中には、廃棄寸前の食品をパートナー企業(レストラン・パン屋・スーパー・カフェなど)に取りに行き、それをOLIOアプリに出品する「Food Waste Hero」という有志のボランティアチームがいます。OLIOの運営資金はこうしたパートナー企業の一部から徴収しています。

ここで次に気になるのはFood Waste Hero達と、パートナー企業のインセンティブでしょう。まずFood Waste Hero達のインセンティブは、取りに行った食品の10%をもらうことができる点です。簡単な例で言えば、パンを10個回収したらそのうち1つを貰うことができるということです。

そして手数料を支払う一部のパートナー企業のインセンティブは公表されていませんが、CSR(企業の社会的責任)意識の高さや、食品の廃棄コスト削減、廃棄量削減による政府からの報奨金・罰金回避といった、ブランド換算の側面が強い印象でした。

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Image Credit : OLIO

このような仕組みに支えられ、OLIOはローンチから4年で150万ユーザーを突破し、食品がシェアされた件数は270万件、Food Waste Herosの数は約4万人、展開エリアは49カ国に上っています。

初めて同アプリの用途を聞いた時に「シェア」とは本来こういうものではないか、と感動したのを覚えています。

UberやAirbnbなど、著名なシェアリング・エコノミーに分類されるサービスの多くは、プラットフォームのプロバイダーがフルタイムのドライバーや不動産といった「プロ」業者によってハックされ、遊休資産のシェアという概念とはかけ離れつつあります。

しかしOLIOの場合、余った食品は紛れもなく余剰資産であり、筆者に同アプリを教えてくれたホスト自身も「食べ物を捨てるのはもったいない・気分が乗らない」という感情の元に成り立つ経済圏です。資本を求めて取引が行われる自由市場とは、少し性質が違うかもしれません。

<参考記事>

もちろん、一方的に食品を求めるだけのユーザーも一定数いると考えられます。彼らをフリーライダーだと批判することはできるかもしれません。しかし彼らが食品廃棄の減少に貢献する一部の人間であることは事実であり、また、無料で食品を受け取る体験をしたユーザーの心内には、少なからず恩返しの感情が働くため、出品側に回りコミュニティへ対価を返そうとするユーザーも一定数いると考えられます。

以上、フード・ロス問題に関しては、慈善的な活動から培養肉・人工肉など先進的な解決策まで様々ありますが、本記事では「ローカル・コミュニティ内のシェア」によってその問題の解決に挑むイギリスの事例「OLIO」を紹介しました。本記事が国内のフード・ロス事業に関心のある起業家・投資家の参考になれば幸いです。