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マメからできた代替卵の「JUST Egg」、中国ファーストフード大手が採用

ピックアップ:California vegan egg startup Eat Just yokes itself to China’s fast food chain ニュースサマリ:植物性の卵「JUST Egg」を提供するサンフランシスコの食品スタートアップEat Justは、中国のファーストフードDicosに代替卵を供給することを1月に発表した。同社が開発する代替卵「JUST E…

画像出典:Eat Just 公式ウェブサイト

ピックアップ:California vegan egg startup Eat Just yokes itself to China’s fast food chain

ニュースサマリ:植物性の卵「JUST Egg」を提供するサンフランシスコの食品スタートアップEat Justは、中国のファーストフードDicosに代替卵を供給することを1月に発表した。同社が開発する代替卵「JUST Egg」は緑豆というマメ科の植物から作られている。同社公式サイトによると、JUST Eggはコレステロールフリー、抗生物質フリーで遺伝子組み換えも行っておらず、タンパク質含有量は卵1個分に匹敵するという。

詳細:Eat Justは2011年、Hampton Creekという社名でJosh Tetrick氏とJosh Balk氏により創業。同社はLi Ka-Shing氏、Peter Thiel氏、Bill Gates氏、Khosla Venturesなどの著名投資家から3億ドル以上を調達し、最新の評価額は12億ドルだった。

  • 同社はすでに2019年からアリババグループが運営するTmallやJD.comなどを通じて中国でのオンライン販売を行っており、同社の中国事業は前年比70%の成長を遂げているという。
  • 同社グローバルコミュニケーション担当責任者・Andrew Noyes氏は、「植物ベースの食品は中国の消費者の間で人気が高まっており、持続可能な食生活は、将来的な国の食料調達に関する国民的な話題の一つになりつつある」とコメントしている。
  • 今回代替卵を提供することになったDicosはハンバーガーやフライドチキンなどを提供する中国最大級のフードサービス企業で、同社プレスリリースによると32の省と自治区で計2,600店舗を運営し、年間6億人の顧客にサービスを提供している。

背景:Euromonitorによると、世界最大の食肉消費国である中国において、代替肉の市場規模が2018年の100億ドルから2023年には120億ドルに成長すると予測されている。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

紛失トラッカー「Tile」がAR活用報道、より精細な紛失場所を確認可能に

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忘れ物トラッキングタグ「Tile」が、新製品の開発を進めていると報道されました。新製品は従来型のBluetoothを通じたものではなく、UWB(ウルトラワイドバンド)を採用したものになるそうです。加えて拡張現実機能を使い、紛失物の位置まで誘導する機能を実装すると予想されています。 UWBの強みは空間と方向データも取得できる点です。例えばビルやマンションの具体的にどの階で失くしてしまったのかを確認で…

Image Credit:Tile

忘れ物トラッキングタグ「Tile」が、新製品の開発を進めていると報道されました。新製品は従来型のBluetoothを通じたものではなく、UWB(ウルトラワイドバンド)を採用したものになるそうです。加えて拡張現実機能を使い、紛失物の位置まで誘導する機能を実装すると予想されています。

UWBの強みは空間と方向データも取得できる点です。例えばビルやマンションの具体的にどの階で失くしてしまったのかを確認できるようになります。これまで2Dマップ上から紛失トラッカーを検索する体験から、3Dマップや空間から検索する体験へと変わるでしょう。ARを活用した空間機能の開発は、Appleが社運を賭けて進めている領域でもあります。事実、Appleは昨年のkeynoteイベントで空間オーディオ機能を発表しました。同社のAirPodsシリーズへの応用が可能です。

なにより、AppleはTileライクな紛失トラッカー「AirTag」の開発を進めているとも言われています。本当にAirTagのリリースが近くされるのであれば、AirPodsとAirTagのコンボ利用は強力なユースケースとなるでしょう。わざわざアプリを開かずとも、Siriを介して伝えられる紛失トラッカーの方向を、AirPods経由で立体的に聴けるといったシーンが考えられるためです。音声だけで完結するガイド機能の実装ができます。

さらに、AppleはARグラスの開発を水面下で進めているとされています。上記は音声を中心としたケースでしたが、次世代グラス端末が普及した時代では、画面上にぱっと紛失物の方向が表示される機能実装も考えられます。これはTileの新製品にあるAR機能をリプレイスするものとなるはずです。中長期的にTileはビッグテックの一角と競合する可能性が高まっていますが、ブランドと市場シェアをどのように守っていくのかに注目が集まります。

あらゆる人種の「妊産婦死亡率ゼロ」を目指すBabyscripts

ピックアップ:Babyscripts nabs $4M from network of health system investors ニュースサマリ:妊婦向けヘルスケアスタートアップのBabyscriptsは12月8日、400万ドルの資金調達を公表した。出資したのは米国最大級の非営利医療組織であるBanner Healthのほか、CU Healthcare Innovation Fund、Fro…

画像出典:Babyscripts 公式ウェブサイト

ピックアップ:Babyscripts nabs $4M from network of health system investors

ニュースサマリ:妊婦向けヘルスケアスタートアップのBabyscriptsは12月8日、400万ドルの資金調達を公表した。出資したのは米国最大級の非営利医療組織であるBanner Healthのほか、CU Healthcare Innovation Fund、Froedtert & the Medical College of Wisconsin health network、WellSpan Healthなどの医療組織が含まれている。今回の資金調達は2019年1月の600万ドル、2019年3月の50万ドルに続く形で、同社のこれまでの調達額は1,400万ドル以上となる。

詳細:Babyscriptsは2014年、米国ワシントンを拠点にAnish Sebastian氏が共同設立。同氏は自身が移民の息子であるというバックグラウンドを持ち、2030年までに人種や文化的背景に関わらず妊産婦の死亡率をゼロにすることを目標とし、同社を立ち上げた。

Sebastian氏はWashington Business Journalによる「2020 Minority Business Leader」の受賞者にも選出されているほか、企業としてもCB Insightsが毎年発表する「2020 Digital Health 150」に選出されている。

同社は顧客である産婦人科にIoT対応のデバイスを導入し、それを基に医師が妊産婦のリモートモニタリングを可能にするバーチャルケアプラットフォームを構築する。同社の説明によると、導入した医療機関では最大90%をバーチャルで管理することができ、医師はより迅速にリスクを検出して一部のケアを自動化することもできる。

画像出典:Babyscripts 公式ウェブサイト

共同設立者のSegura氏は健康には格差があることを指摘し、「すべての女性が当社のツールを利用して妊娠や出産中のリスク特定および医療ケアが可能になり、最終的には妊産婦の健康状態が改善されるような世界を実現したい」と語っている。

背景:2014年のCDCの発表によると、米国では5万人の妊産婦女性が健康障害に苦しみ、700人の女性が妊娠および出産中に亡くなっている。2017年には黒人女性は白人女性よりも3~4倍出産で死亡する可能性が高いという報告もあり、人種間格差やマイノリティの問題の影響が考えられる。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

Appleの自動運転車開発にみる、脱デジタルハブ構想のゆくえ

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Appleの次世代ハードウェア開発の話題がいくつか出ています。 特に注目なのは21〜22年に予想されているARグラスの発表ですが、それとは別に24年を目処に自動運転車の開発を進めていると報じられました。乗用車の開発だけでなく、画期的なバッテリーまでも市場へ送り出す予定のようです。あくまでも噂レベルの話ですし、パンデミックの影響もあるため時期は曖昧だとしても自動運転車の開発に着手しているのは確かなよ…

Image Credit:Michał Kubalczyk

Appleの次世代ハードウェア開発の話題がいくつか出ています。

特に注目なのは21〜22年に予想されているARグラスの発表ですが、それとは別に24年を目処に自動運転車の開発を進めていると報じられました。乗用車の開発だけでなく、画期的なバッテリーまでも市場へ送り出す予定のようです。あくまでも噂レベルの話ですし、パンデミックの影響もあるため時期は曖昧だとしても自動運転車の開発に着手しているのは確かなようです。

ここで考えたいのがAppleのユーザー体験に関する大きな転換についてです。具体的には来年以降、故スティーブ・ジョブズ氏が提唱した「デジタルハブ戦略」を抜け出し、次の長期戦略を描くターニングポイントを迎えると考えられます。

2001年頃はパソコンがCDやビデオ機材などの周辺機器の絶対的なハブとなる考えでした。しかし、今となっては必ずしもパソコンを持つ必要がなくなり、モバイルだけでデジタル体験が完結する時代へ移行しています。そしてこれからは、モバイル以外の次世代端末も登場して拡大していくことが予想されます。言い換えれば、ハブとなる端末の絶対的な存在価値が徐々に下がってくると考えられるのです。

一方、これらのデバイスが全てクラウドで繋がることで重要性が上がるのが「コネクティビティー」です。

たとえばiPhone、AirPods、グラス端末のそれぞれが特定の利用シーンを担い、3つのハードウェアを上手く使い分け、連携して使うことで1つの体験が生まれる、といった具合です。データはクラウドに保存、共通音声UIのSiriを切り口に情報検索から指示出しまでできるので、どれか1つの端末を唯一のハブとして利用することが少なくなります。

どの端末からでもAppleが提供するデジタル体験へ入ることができ、複数の端末を並列して使うことで体験は強化されます。必ずしもパソコンを持たなければいけない必要条件は課されなくなるでしょう。

製品開発ロードマップは2000年代から大きく変わり、2020年以降はパソコンやモバイルといった平面のデジタル体験から、ARや自動車内、音声といった3D空間体験へとシフトしていくのは確実です。先日の発表会で、空間オーディオ技術を発表したこともその一環と考えれば自然です。

このようなテックジャイアンたちの3D体験への移行は新たなメガベンチャーを生み出すきっかけになるかもしれません。今後数年はAppleの動きのみならず、次世代ハードウェアに乗っかる形で、新たなサービス体験も誕生すると予想されます。

Twitterによる買収と閉鎖、SNSの転換点到来か ーー 新たなソーシャル像を作る3つの動き

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Twitterに大きな動きがありました。具体的には3つ。 1つは音声市場参入の兆し。18日に「Twitter Spaces」の名前で音声チャットルームサービスを限定招待の形で立ち上げました。著名VCのAndreessen Horowitzが出資し、1億ドル評価で大型調達を果たした「Clubhouse」を意識した動きです。音声ツイート機能を招待制で展開を始めたことから、今後数カ月で世界中のユーザーが…

Photo by freestocks.org from Pexels

Twitterに大きな動きがありました。具体的には3つ。

1つは音声市場参入の兆し。18日に「Twitter Spaces」の名前で音声チャットルームサービスを限定招待の形で立ち上げました。著名VCのAndreessen Horowitzが出資し、1億ドル評価で大型調達を果たした「Clubhouse」を意識した動きです。音声ツイート機能を招待制で展開を始めたことから、今後数カ月で世界中のユーザーが参加する可能性があります。

2つ目はスクリーンシェアサービス「Squad」の買収。友人とライブ動画感覚でおしゃべりできるサービスで(買収発表直後にクローズ)、Netflixを一緒に視聴する機能も実装されており、在宅中に1人で楽しんでいたコンテンツを多人数で消費できるものです。本買収は、Fortniteを開発する「Epic Games」が買収した友人同士の動画コミュニケーションアプリ「Houseparty」に追随する動きです。

最後が「Periscope」の閉鎖発表。2015年にTwitterに買収されたライブ動画配信サービス、Periscopeが2021年3月までに閉鎖されるとのことです。閉鎖までの期間、ユーザーは同アプリ内に残った動画データをダウンロードできます。サービス立ち上げ・買収・閉鎖のニュースを直近1カ月以内に立て続けに発表したTwitterは今後、どのようなサービス像を目指しているのでしょうか。キーワードは「フラット」と「共有体験」です。

最近では配信者と視聴者の関係図に代表される、主従関係の構図が徐々に時代遅れになってきています。テレビ番組に見られるような、ただコンテンツを受け取るような形です。2020年以降のトレンドはもっぱらClubhouseやSquadに見られる、ユーザー同士が対等な関係値で話し合える場を提供することにありました。先述したように、従来1人だけで楽しむような体験を共有する価値観に注目が集まっています。この点、2010年代に成長をしてきたSNSはそのサービス像を大きく変える必要が出てきました。

Twitterはその瞬間に感じたことをつぶやき、他のユーザーとコメントやリツートでやり取りする最初からフラットなSNSを構築していました。ただ、Periscopeは配信者と視聴者の関係でサービスが成り立っており、友人間の会話ではなく、あくまでも「配信」にこだわっています。これでは統一性が感じられません。そのため、音声チャット立ち上げやスクリーンシェアサービス買収に動き、Twitter本来の提供価値とはズレてしまったPeriscopeを切ったのでは、と想像されます。

奇しくもPeriscopeと最後まで市場競争を続けたMeercatは、後にHousepartyにピボットしてEpic Gamesに買収されています。コロナの影響もありそのユーザー数を爆発的に伸ばしたこともあり、最終的な勝者は先に買収されたPeriscopeではなく、旧Meercatだという歴史が証明されてました。それもこれも、ユーザーの権限に差をつけるのではなく、友人間のフラットな関係作りに注力したためだと考えられます。

Twitterが今後目指すのは、まさにユーザー同士がバックグラウンドを気にせずにフラットにコミュニケーションが取れる場所であり、「Interest-Social-Network」とかつて呼ばれていたように、ユーザー同士の興味に基づいてマッチングが行われ、関係を深められる場所だと感じます。

1.38億ドル調達「Bizzabo」:バーチャルイベントの躍進、数々の調達(2/2)

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バーチャルの躍進 (前回からのつづき)2020年には、おびただしい数のバーチャルイベントスタートアップが大きなトラクションを得た。ロンドンを拠点として設立からまだ1年ほどのHopinは、従業員数8人・ユーザー数5,000人から、8カ月のパンデミック中に従業員数200人・ユーザー数350万人に成長し、21億ドルという驚異的な評価額で1億2,500万ドルを調達した。カリフォルニア州マウンテンビューを拠…

バーチャルイベントに転向した「Bizzabo」

バーチャルの躍進

(前回からのつづき)2020年には、おびただしい数のバーチャルイベントスタートアップが大きなトラクションを得た。ロンドンを拠点として設立からまだ1年ほどのHopinは、従業員数8人・ユーザー数5,000人から、8カ月のパンデミック中に従業員数200人・ユーザー数350万人に成長し、21億ドルという驚異的な評価額で1億2,500万ドルを調達した。カリフォルニア州マウンテンビューを拠点とするRun The Worldは今年、世界的なロックダウンの最中に行われた1,080万ドルのシリーズAラウンドを含め、2回の資金調達を実施した。インドのAirmeetは3月にシードラウンドを終え、ほどなくしてシリーズAラウンドで1,200万ドルを調達している

これらの企業はたまたまオンライン専用イベントのプラットフォームで市場に入ってきたが、そうではない企業は死活問題に直面した。Bizzabo同様、Hubiloはすでに確立したイベントスタートアップだったが、20日間でビジネスモデル全体を現地型からバーチャル型へとピボットし、いくつかの著名な投資家を獲得している。Welcomeという若手スタートアップはレストラン向けソフトウェアのスタートアップとしてY Combinatorのプログラムを完了したばかりだったが、迅速に仮想イベントへとピボットする必要があった。Welcomeはその後、Kleiner Perkinsら有名な投資家から1,200万ドルを調達している。

来年以降、世の中は数年かけてゆっくりと平常を取り戻していくだろう。Bizzaboはハイブリッドイベントが受け入れられる好調な波に乗り、強力な立場を得られるかもしれない。同社はイベント分野で強固な実績を持っており、エンタープライズ分野でInbound、Gainsight、Driftなど有名企業が名を連ね、顧客にはUberや楽天のような企業もいるとしている。真にハイブリッドなイベントを運営したいと考える企業なら、オンライン/オフラインの両方のイベント用ツールを単一のプラットフォームで提供し、両形式の傾向をイベント間分析してくれるものを使いたいはずだ。

「参加者は直接参加するよりも多くのイベントにバーチャル参加することが分かりました。しかし、バーチャルでは、対面での体験で得られる自発性やつながりを完全に置き換えることはできないことも分かっています。ある種のイベントプログラムでは、ハイブリッド体験で両者の長所を提供することができます」(Ben-Shushan氏)。

Bizzaboはこれまでに5,700万ドル近くを調達している。新たな1億3,800万ドルを加えて、仮想イベントと対面イベントの最良の組み合わせを構築する予定だ。また、エンジニアリング、製品、「体験」チームを3倍に増やし、2021年前半にはヨーロッパに2つの新規オフィスを開設する予定だ。シリーズEラウンドには他にViola Growth、Next47、OurCrowdが投資家として参加した。

こうした新しいハイブリッドイベントの行方と、いつビジネス全体に浸透するかは、世界がいかに迅速かつ効果的に新型コロナウイルスワクチンを展開できるかにかかっている。それでもなお、企業が本格的な対面型ミートアップを安心して行えるようになるまでには少し時間がかかるだろう。

「2021年、主催者は小規模で地域的な対面型イベントから始め、それがバーチャルに拡大されてハイブリッド体験へと移行し、ハイブリッド体験はより大規模なフラッグシップイベントへと展開していくでしょう」(Ben-Shushan氏)。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

1.38億ドル調達「Bizzabo」:イベント業界をハイブリッドにする仕掛け(1/2)

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オンライン/オフライン混合型イベントを運営する企業を支援するプラットフォーム開発のBizzaboは、ニューヨークを拠点とするInsight Partnersが主導したシリーズEラウンドで1億3,800万ドルを調達した。 新型コロナウイルスは1兆ドル産業と言われるイベントおよびカンファレンス業界に消えない痕跡を残したようだ。2020年、多くの企業がデジタルな要素を取り入れることを余儀なくされ、それを…

ハイブリッドイベント用ソフトウェアの「Bizzabo」

オンライン/オフライン混合型イベントを運営する企業を支援するプラットフォーム開発のBizzaboは、ニューヨークを拠点とするInsight Partnersが主導したシリーズEラウンドで1億3,800万ドルを調達した。

新型コロナウイルスは1兆ドル産業と言われるイベントおよびカンファレンス業界に消えない痕跡を残したようだ。2020年、多くの企業がデジタルな要素を取り入れることを余儀なくされ、それを継続するための準備に追われている。ヨーロッパ最大のテクノロジーカンファレンスの1つ、Web Summitは、7万人の直接参加を目標に、現地開催の復活を予定していることを最近認めた

加えて最大8万人が独自に開発したプラットフォームを使用してオンライン参加する。報道機関のロイターもまた、来年のイベントにはハイブリッドモデルを採用するという。パンデミック中にこのアプローチが一定の成功を収めたことから、ローカルネットワークを使用したミートアップにオンラインでの参加も組み合わせる。

オフラインからオンラインへ

2011年にイスラエルで設立されニューヨークに拠点を置くBizzaboは、現地開催型イベント向けのテクノロジープラットフォームプロバイダとして立ち上げられた。主催者を対象として、登録やチケット発行、マーケティング、ウェブサイト構築、議題管理、ネットワーキング、イベント後の調査などのツールを提供する。今年、Bizzaboはソーシャルディスタンシングの必要性から直接参加型の需要が減少したため、移行を余儀なくされた。3月にはKalturaと提携して仮想イベントのプラットフォームを迅速に立ち上げた

BizzaboのCEO兼共同設立者のEran Ben-Shushan氏はVentureBeatに対しこう語った。

「2月半ばから3月にかけて、大手の顧客の一部が対面イベントをキャンセルしはじめ、私たちは対面イベントへの影響に気付くことになりました。その後、他社の多くも同じようにせざるを得なくなりました。迅速な行動が求められ、顧客に対してバーチャルなソリューションを提供しなければなりませんでした」。

3週間足らずでBizzaboは最初のバーチャルサービスを市場へ投入し、6月の終わりにはこれまでで最強の四半期になったと主張している。

新しい仮想コンポーネントを通して、企業は基調講演やミーティング、ネットワーク、Q&Aや投票、リアルタイムでのホワイトボードの共有などをウェブ上で行うことができる。エンゲージメント指標には登録、視聴したセッション、送信した質問やメッセージなどの参加者データが含まれ、主催者へリアルタイムに提供される。さらにBizzaboはSalesforceなどのCRMツールと統合でき、エンゲージメント指標を容易に営業に生かすことができる。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

デジタルツインへ繋がる“ハードウェア版GitHub”ーー未来の成果物を予測する世界へ

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ハードウェア・エンジニアリングの考えが大きく変わろうとしています。 会社に集まって多人数でブレストをしたり、開発進行することが難しい今、リモート、かつオンラインで意見を出し合い、ファイルのやり取りを通じて成果物を作っていく工程が必須となりました。そこで登場したのが4月に5,000万ドルの調達を果たしたオンラインホワイトボード「Miro」や、2月に630万ドルの調達を発表したデザイナー向けプロトタイ…

Image Credit:Wikifactory

ハードウェア・エンジニアリングの考えが大きく変わろうとしています。

会社に集まって多人数でブレストをしたり、開発進行することが難しい今、リモート、かつオンラインで意見を出し合い、ファイルのやり取りを通じて成果物を作っていく工程が必須となりました。そこで登場したのが4月に5,000万ドルの調達を果たしたオンラインホワイトボード「Miro」や、2月に630万ドルの調達を発表したデザイナー向けプロトタイプツール「ProtoPie」などです。

同様の流れがハードウェア分野にも起きています。注目されるキーワードは「ハードウェア版GitHub」です。

例えば240万ドルの調達を実施した「Valispace」は、宇宙衛星や航空、医療機器、原子炉といったエンタープライズ・エンジニアリング向けの開発プラットフォームを提供しています。NASAが火星探査機の打ち上げにかつて失敗した際、問題とされたのがチーム間の単純な単位表記の違いでした。ただし、当時はペーパーベースで開発資料のやりとりがされていたため、最終的に気付かれることがありませんでした。こうした失敗をGitHubのコンセプトを用いることで防ぐのがValispaceです。

また、300万ドルの調達を果たした「Wikifactory」も挙げられます。190か国以上で利用され、7万ユーザーに使われるほどの共同プラットフォームに成長しています。チャット機能付きCADツールとして、リアルタイムに世界中の開発者が制作活動を行えます。コロナ禍の環境で高い提供価値を発揮しています。

Image Credit:Wikifactory

ハードウェアに関しては、成果物がどのように動くのかを実際に試すか、もしくはデジタル空間でシミュレーションする必要性が出てきます。特にValispaceは大型で危険なモノを作り上げることを想定しているため、シミュレーション機能に強みを出している印象です。

そして「ハードウェア版GitHub」の考えは、昨今頻繁に聞くようになった「デジタルツイン」のコンセプトへと繋がります。ではデジタルツインとは何か。一言でいえば、“機能する”デジタル世界です。下記がデジタルツインのざっくりとした定義です(定義は諸説あります。あくまでも筆者の現時点での考え)。

  1. 共同プラットフォーム:オンライン上に多人数にコラボレーションをしながら制作していく
  2. 同期性:時間軸を考えず、非同期であってもその場で一緒に作業しているように制作できる。そのため履歴機能が重要となる。決してリアルタイムだけでなく、非リアルタイムでの作業に強くなければ、世界中の人材をフル活用できないため。
  3. ノーコードと事前予測:ユーザーの作りたいものを機械側が先回りで提案して制作を支援する。また、iPadアプリで雑なスケッチ手書きを綺麗な図形に自動で直してくれる機能のように、AIがユーザーの期待成果物を予想して形にしてくれる機能が必須となる。
  4. シミュレーション:デジタル空間でプロトタイピングデータを実際に動かす。その際、現実世界を限りなくリアルタイムに反映したデジタル世界で効果を確かめる。宇宙衛星の打ち上げや、都市開発シミュレーションなど。
  5. デジタルと現実世界が融合:デジタル空間での結果を基に、現実世界に操作指示を送る。もっともわかりやすい事例はエアコン。室温が一定以上(もしくは以下)になったら自動で点くようになっている。デジタルから現実に介入する。ここで仮想世界の想定成果と、現実世界の事象が重なり合い、「ツイン化」へと至る。もちろん現実世界からデジタル世界へ指示を出す逆の流れも存在する

単に現実の都市や工場に代表される大型施設の環境情報を丸ごとデジタル空間に作り出すことを「デジタルツイン」とは呼びません。それはただの「デジタル化」や「バーチャル化」です。AIをトレーニングさせるための仮想トレーニング環境の下地になるか、ユーザーが自分の行けない場所を観光するためのVRコンテンツどまりになってしまいます。

デジタルツインの真価は、現実世界とデジタル世界を“繋げる”ことです。正確には“反映”させることと言った方が正しいかもしれません。“ツイン”の文字に踊らされると、環境反映という必須条件を見落としがちです。デジタル上で作り出したモノをシミュレーションし、現実世界に反映させることで初めて成り立つのがデジタルツインです。

ちなみにデジタルツインが住宅単位で完成しているものを「スマートホーム」、都市単位で完成している「スマートシティ」と呼びます。現在のように部分的にIoTが導入されているものは未だ完全体とは言えません。そして地球規模単位で完成したものを「ミラーワールド」と呼びます。“ミラー”が指し示す“反映”しあう世界です。

さて、ValispaceやWikifactoryが紐解ける世界観はここまで説明してきたデジタルツインの先にある、スマート化された世界であり、ミラーワールドに繋がります。

遠隔で働く人同士が、AIの力も借りながらオンラインで構造物を作り上げ、仮想空間上でシミュレーションする。実際に製造してみた後も、リアルタイムに情報を取り続けてデジタル空間と現実世界の反映関係を維持し続ける。この一連の流れを実現できるのが先ほど説明した2社となります。

デジタルツインの世界を体現するスタートアップは、これから益々登場してくるはずです。今は単なるツールに過ぎないものであっても、5〜10年スパンでプロダクトの価値が最大化されるものが多く生まれると感じます。日本から世界へ、デジタルツイン文脈でどれほどのスタートアップが誕生するのかにも注目が集まるでしょう。

シリコンバレー発、長期経営をテーマとした新証券取引所「Long Term Stock Exchange」が稼働開始

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ピックアップ:Silicon Valley Exchange Says Wall Street Needs to Slow Down 重要なポイント:a16zをはじめとするシリコンバレーの名だたるベンチャーキャピタルからの出資を得た、新しい証券取引所、Long Term Stock Exchangeがサンフランシスコでこの秋に稼働した。起業家であれば誰でも一度は読んだことがあるであろう、「リーン・…

Image Credit : Long Term Stock Exchange

ピックアップ:Silicon Valley Exchange Says Wall Street Needs to Slow Down

重要なポイント:a16zをはじめとするシリコンバレーの名だたるベンチャーキャピタルからの出資を得た、新しい証券取引所、Long Term Stock Exchangeがサンフランシスコでこの秋に稼働した。起業家であれば誰でも一度は読んだことがあるであろう、「リーン・スタートアップ」著者のEric Ries氏がアメリカのテックスタートアップの掲げる課題を解決するため、ニューヨーク証券取引所やNASDAQにはない制度やサービスの導入を10年かけて実現させたものである。2020年10月末時点で上場企業は確認されていないが、今後の動向に注目が集まっている。

詳細な情報:Eric Ries氏は、企業の規模を問わず、「リーンスタートアップ」で紹介されているイノベーションのサイクルを回していくためには、長期的な視点に立った経営が必要であると説いている。同氏は、そのような経営を後押しするためには、専門とする証券取引所の立ち上げが最も有効であると考え、LTSEを創設した。

  • LTSEに上場する企業が長期的な視点に立った経営を行うために、LTSEは(1)その考えを推奨する制度の遵守を上場会社に求めること(2)コーポレート機能の効率化を支援するツールを提供することが必要としている。
  • LTSEは、同社の定める「長期的な視点に立ったステークホルダー経営の方針(Long-Term Stakeholder Policy)」の遵守を上場企業に求めている。本方針の概要は以下の通り。
  1. ステークホルダー:上場企業はステークホルダーに配慮し、互いに成功を果たせるような経営を行うこと
  2. 戦略:上場企業は会社の数年後、数十年後の成功を予想し、長期的な意思決定を優先させること
  3. 報酬:上場企業は、役員報酬を長期的な業績に基づき決定すること
  4. 取締役会:上場企業の取締役会は、長期的な戦略に関与し、実行を監督すること
  5. 株主:上場企業は、長期的な株主との対話(エンゲージメント)を行うこと
  • さらにLTSEはスタートアップが経営管理を効率化・高度化できるよう各種ツールを提供している。本ツールはLTSEへの上場企業のみならず、非上場企業にも提供されている。Y Combinatorの選抜会社にも提供されているだけでなく現在5万ユーザーが利用しているとしている。代表的なツールは以下の通り。
  1. CAPTABLE.IO:企業のキャップテーブルや評価額、ポートフォリオ投資、エクイティプランなどの管理を助けるツール
  2. FAST409A:企業評価支援ツール。Shareworksとの協業
  3. RUNWAY:コスト把握の簡易化、資金管理及びシナリオ計算ツール
  4. HIRINGPLAN:人事報酬計画及び計算のためのツール、人材コンサル会社Conneryのデータを活用
  5. DISCLOSURE:投資家向けのツールで、投資先企業からの情報の要求、追跡、集計のプロセスを合理化

背景:Alphabet、Amazon、FacebookやAppleなど、西海岸発のテック企業がアメリカの資本市場を支え、世界に400社あると言われているユニコーン(時価総額10億ドル以上の非上場会社)の50%以上はアメリカ企業が占め、多くの新興企業が勃興している。

しかし、一方で上場会社数が減少し、IPOまでの期間が長期化する傾向も見られる。プライベートエクイティやベンチャーキャピタルへ年金や政府系ファンドなどの巨大なアセットオーナーから多額の資金が流入し、株式公開せずとも十分に資金調達することができるからだ。とはいえ、Eric Ries氏によれば、企業の規模が大きくなればなるほど、アメリカのプライベートエクイティやベンチャーキャピタルであっても下支えすることが困難になるため、投資先に対して最終的には株式の公開を望んでいるとしている。

SEC 委員長Jap Clayton氏はアメリカ経済全体の観点から「(このまま機関投資家がアメリカ企業の成長を支え続けると)この先10年で経済成長の70%を一般国民が享受できなくなることは、望ましくない。」と警鐘を鳴らしており、今後LTSEへの上場企業が増えていくのかどうか、どのような投資家が市場を活用するのか、注目に値する。

執筆:NeKomaru/編集:岩切絹代・増渕大志

ブロックチェーン不動産取引プラットフォーム「Propy」、マーキュリアから資金調達し日本進出を本格化

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シリコンバレーに本拠を置き、ブロックチェーン不動産取引プラットフォーム「Propy」を運営する Propy は16日、直近のラウンドで日本のマーキュリアインベストメント(東証:7190)から資金調達したことを明らかにした。このラウンド単体での調達金額は明らかになっていないが、同社の累積調達金額は1,670万米ドル以上。このラウンドには、ブロックチェーン分野への積極的な関与で知られる著名投資家の T…

左から:Denitza Tyufekchieva 氏と Natalia Karayaneva 氏
Image credit: Propy

シリコンバレーに本拠を置き、ブロックチェーン不動産取引プラットフォーム「Propy」を運営する Propy は16日、直近のラウンドで日本のマーキュリアインベストメント(東証:7190)から資金調達したことを明らかにした。このラウンド単体での調達金額は明らかになっていないが、同社の累積調達金額は1,670万米ドル以上このラウンドには、ブロックチェーン分野への積極的な関与で知られる著名投資家の Tim Draper 氏と、全米不動産協会(National Association of Realtors)の投資部門 Second Century Ventures も参加している。

Propy は2016年、Natalia Karayaneva 氏と Denitza Tyufekchieva 氏により設立されたスタートアップ。ブロックチェーンを使うことで、住宅購入のプロセスをシンプルにし、詐欺的な取引を排除しようというものだ。物件情報、DocuSign で署名さえた購入契約、送金など、住宅取引に関わる一連のプロセスがオンライン化されるため、「1件の取引につき10時間のペーパーワークが不要になる(同社)という。現在ではプラットフォームを世界各国の不動産取引に関わる法制度に準拠させ、国境を超え不動産取引を活性化させる仕組みを構築しつつある。

Propy の Karayaneva 氏は2019年9月、国土交通省と日米不動産協力機構(JARECO)が開催した国際不動産カンファレンス(IREC)に招かれ講演。この際、不動産取引向けのエスクローサービスを提供するエスクロー・エージェント・ジャパン(EAJ)と、日本市場展開にあたり協業を始めることを明らかにしていた

今回出資した、マーキュリアインベストメントは日本政策投資銀行(持分24%)が中心となり2005年に設立され、現在は伊藤忠商事(東証:8001、約14%)や三井住友信託銀行(約3%)らを LP とするファンドを運用。伊藤忠商事が筆頭株主であるセンチュリー21・ジャパン(東証:8898)、三井住友信託銀行傘下の三井住友トラスト不動産らを通じて、住宅を売買するオーナーなどへのアプローチを図るとみられ、規制緩和により不動産売買時の重要事項説明の電子化などで活気付く業界トレンドに歩調を合わせる。

Image credit: Mercuria Investment

Karayaneva 氏によれば、Propy にとって日本市場はアメリカ市場に続く最初の海外市場進出となる。彼女は日本を選んだ理由について、世界的にイノベーティブな企業を輩出している国でありながら、法制度が何十年にも渡って変化していないことに可能性を見出したとし、日本や世界の不動産取引を行う人にとってメリットを提供できるだろうと述べた。また、今後は、B2B 仲介事業者や不動産取引を支援するフィンテック企業、不動産購入者に柔軟な金融サービスを提供する各社との関係づくりが重要になるとも語った。

我々の大きな目標は、不動産取引のプロセスを簡単で楽しいものにすることだ。一生で数回しか購入しない住居という高価なものを購入する体験には、多くの紙が使われ、アメリカでは多くの詐欺被害が報告され、非常にストレスの多いものとなっている。我々はこれを楽しめるものにしたい。(Karayaneva 氏)

Propy は全米不動産協会のアクセラレータプログラム「REACH」から輩出。2017年には ICO で1,550万ドルを調達した。TechCrunch や CrunchFund の共同創業者 Michael Arrington 氏は昨年、所有不動産を Propy で売却したことを明らかにしている

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