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制汗デオドラント大手Degree、身体障がい者が車椅子や義肢のアバターで走るメタバースマラソンを開催

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 身体に障がいを持つ人がその障害を VR 上に再現し、自分のアバターが車椅子や義肢を使って走る メタバースマラソン を、アメリカの制汗デオドラント大手 Degree が4月26日〜27日、メタバースプラットフォーム「Decentraland」で開催した。このイベントには、義足アスリートでパラリンピアンの…

Image credit : Degree

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

身体に障がいを持つ人がその障害を VR 上に再現し、自分のアバターが車椅子や義肢を使って走る メタバースマラソン を、アメリカの制汗デオドラント大手 Degree が4月26日〜27日、メタバースプラットフォーム「Decentraland」で開催した。このイベントには、義足アスリートでパラリンピアンの Patrick “Blake” Leeper 氏、ヒップホップ・ラッパーの Fat Joe 氏らも運営に協力した。デジタルな世界でも、障がい者がアクセスしやすく、参加しやすい環境を作ることを、開発者に促すことを目的としたものだ。

広告大手 Wunderman Thompson が発表した レポート によると、60%の人がバーチャルの空間には包括性の欠如を感じているとの調査結果が得られている。具体的には、自分の代わり身であるアバターに自分のアイデンティティが見出せない点、例えば、障がいを持つ人はその障がいがアバターに反映されず健常者として表示されたり、LGBTQ+ の人たちは自分の特徴がアバターに反映されなかったりすることにストレスを感じるという。Degree はこうした意見への社会の関心を高めるため、このイベントを開催した。

このメタバースマラソンでは、参加者は自分のアバターに、義肢やランニングブレード、車椅子などを入れることができ、現実世界での自分をデジタルで表現することができるのだ。参加者は、車椅子用スロープなどバリアフリー対応された建築物をはじめ、Decentraland の Vegas City Sports Quarter に設定された42.195km のマラソンコースを走破する。

メタバースアバターのためのプラットフォームは需要が高く、提携や資金調達がひっきりなしに続いている。例えば、Ready Player Me は昨年末に1,300万米ドルを調達し、現在は Adidas と共同でバーチャルヒューマンのアバタープラットフォームを共同開発している。このほか、Inworld が1,000万米ドル、Neosapience が2,150万米ドル、Soul Machines が7,000万米ドルなど、各社が大型調達を実施、Krafton などのゲームメーカーもまた、リアルなバーチャルヒューマンの開発に参入している。

Degreeはこういったアバターのプラットフォームが、障害者や LGBTQ+ などマイノリティの人々の要望を積極的に取り入れることを期待している。制汗デオドラントという本業を通じて、これまで全ての人々が自信を持ってスポーツすることを支援してきた立場から、デジタルな世界においても、全ての人々に自信を持って活動してもらえるようにすることが、このメタバースマラソンの狙いだとしている。

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地下トンネルで渋滞知らずの交通システム開発、Elon Musk氏のThe Boring Companyが6億7,500万米ドル調達

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<ピックアップ> The Boring Company Series C Funding Round Announcement Elon Musk 氏が創業した The Boring Company がシリーズ C ラウンドで6億7,500万ドルを調達した。Vy Capital と Sequoia Capital がこのラウンドを共同リードし、Valor Equity Partners、Found…

Image credit: The Boring Company

<ピックアップ> The Boring Company Series C Funding Round Announcement

Elon Musk 氏が創業した The Boring Company がシリーズ C ラウンドで6億7,500万ドルを調達した。Vy Capital と Sequoia Capital がこのラウンドを共同リードし、Valor Equity Partners、Founders Fund、8VC、Craft Ventures、DFJ Growth が参加した。また、Brookfield、Lennar、Tishman Speyer、Dacra など、戦略的に重要な大手不動産パートナーもこのラウンドに参加した。The Boring Company の時価総額は、今回の資金調達で56億7,500万米ドルにまで上昇した。

同社は、自動車用の高速ポイント・ツー・ポイント輸送の地下ネットワークを建設することで、移動に革命をもたらすことを目指している。昨年10月、ラスベガスのあるネバダ州クラーク郡の委員会は、主要観光スポットを結ぶ29マイル(約27km)の地下ネットワーク「Vegas Loop」の建設を承認した。今年後半に着工するこのネットワークは51の駅を結び、毎時57,000人以上を輸送できる見込み。このアーキテクチャーは、さらに速度を上げることで、都市間郵送の「Hyperloop」にも適用できるという。

The Boring Company が開発した独自ボーリングマシン「Prufrock-2」は、1週間に最大1マイル(約1.6km)の地下通路を掘削することが可能。次世代機「Prufrock-3」は、1日あたり最大7マイル(約11.3km)の掘削が可能となる予定。これらのマシンは従来のトンネル掘削システムと異なり、完全に遠隔・自動運転で稼働できるため、トンネル内に人が全くいない状態でも掘削できることが最大の特徴。現場の作業員の労働組合の指摘を受けずに24時間稼働が可能となるため工期短縮にもつながる。

以下はロサンゼルスでの地上交通と Loop 走行比較の様子。

via The Boring Company

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米国版119番通報を革新させるPrepared、980万米ドルをシード調達——10代の頃の銃乱射事件の経験から起業

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<ピックアップ> Prepared Raises $9.8M to Bring Livestreaming to 911 Dispatch ニューヨークに拠点を置き、アメリカの消防や救急を呼ぶ緊急電話システム(911番通報、日本における119番通報に相当)を革新しようとするスタートアップ Prepared がシードラウンドで980万米ドルを調達した。このラウンドは First Round がリード…

Riverside County Sheriff’s Department 911 Dispatcher
Public Domain Image via Picryl

<ピックアップ> Prepared Raises $9.8M to Bring Livestreaming to 911 Dispatch

ニューヨークに拠点を置き、アメリカの消防や救急を呼ぶ緊急電話システム(911番通報、日本における119番通報に相当)を革新しようとするスタートアップ Prepared がシードラウンドで980万米ドルを調達した。このラウンドは First Round がリードし、M13、8VC、Modern Venture Partners などが参加した。同社の累積調達額は1,100万米ドルに達した。

アメリカの緊急通報番号 911 のコールセンターは一般的にシステムが古く、電話以外の情報流入を受け入れることができない。通報者が現場の状況を伝えようと、スマートフォンで写真や動画を撮影しても、それをコールセンターに伝えることはできない。Prepared ではコールセンター担当者が通報者に SMS を送り、Web アプリから画像や動画を送信できるようにした。

Prepared CEO の Michael Chime 氏は、2012年に通っていたオハイオ州北部クリーブランド郊外の高校で銃乱射事件を、また共同創業者の Dylan Gleicher 氏、Neil Soni 氏も、2012年に生徒だったサンディフック小学校で銃乱射事件を経験している。3人はその後イェール大学で出会い、時代遅れの 911 システムが犯罪発生時に迅速なサポートをできていない点に課題を感じ、Prepared の創業を決めた。

10ヶ月前にサービスをローンチした Prepared のサービスは現在30都市が利用登録していて、そこに住む市民の総数は約200万人だ。日頃から 911 に連絡することに予め備える市民は皆無であるため、彼らに事前に専用アプリをダウンロードしてもらうことは難しい。そのため、Prepared は一連の連絡を、事前ダウンロードの不要な Web アプリで完結できるようにした。

Prepared のサービスは無料で提供されていて、これが各都市が導入を決断するまでに時間を要さなかった大きな理由となっている。同社はマネタイズ計画について明らかにしていないが、将来的には、何らかのフリーミアム的な要素、例えば、Prepared と別のシステムとの連携で料金を徴収するようなスキームが考えられる。

via Government Technology

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Web3におけるユーザデータ保護を目指すPrivy、Sequoia Capitalらから800万米ドルをシード調達

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Web3 スタートアップの Privy は29日、Sequoia Capital と BlueYard Capital がリードしたシードラウンドで830万米ドルを調達したと発表した。 Privy は、開発者が Web3 でユーザデータを個人的に管理するためのシンプルな API を構築している。Privy を使用すると、フロントエンドから直接ユーザデータを取り込み、それをユーザのオンチェーンアドレ…

Privy の共同創業者。左から:Asta Li 氏、Henri Stern 氏。
Image credit: Privy

Web3 スタートアップの Privy は29日、Sequoia CapitalBlueYard Capital がリードしたシードラウンドで830万米ドルを調達したと発表した。

Privy は、開発者が Web3 でユーザデータを個人的に管理するためのシンプルな API を構築している。Privy を使用すると、フロントエンドから直接ユーザデータを取り込み、それをユーザのオンチェーンアドレスに関連付けることができる。データはエンドツーエンドで暗号化され、開発者のスタックを経由するため、ユーザ情報の保護に役立つ。

CEO 兼創業者の Henri Stern氏 はVentureBeatに対し、今回の資金調達について次のように語った。

チームの成長、API の拡張、パートナーシップの構築により、この分野の開発者がユーザのためにより良い、よりプライベートな製品を構築できるよう支援する。

今日の個人データは、規制のオーバーヘッド、頻繁な違反、ユーザとの深いズレを伴っており、ほとんどの開発者はそれに近づきたがらない。しかし、ユーザデータがなければ、我々は盲目となり、人ではなくウォレットのために構築することを余儀なくされ、チェーン上で見る利用の背後にいる、ユーザに対する本当の洞察が得られない。

ブロックチェーンはもともと透明なものだ。ユーザデータを暗号化しても、時間が経てば暗号は壊れてしまうので、これらの問題を解決することはできない。では、開発者はユーザの個人情報をどのように扱えばよいのだろうか。Privy は、現実世界(オフチェーン)のユーザデータとオンチェーン(公開、検証可能)の世界とのギャップを埋めるために存在する。

人々を魅了する仮想通貨

現在、3億人以上の人が仮想通貨を利用しており、その数は増加の一途をたどっている。この次世代セクターは、インターネット、金融、そして私たちの文化の多くを作り変える可能性があるため、仮想通貨の普及により、Web3 でアプリケーションを構築する開発者は困難な立場に立たされることになる。ユーザが増えるということは、データ量が増えるということだ。データが増えるということは、個人情報を扱う企業にとって問題が増えるということであり、これらすべてが開発者をますます脆弱な立場に置くことになる。

Web3 ではユーザデータが不足しているため、現代の Web に慣れたユーザにとって、ひどいユーザ体験になっている。例えば、清算されそうなときにメールを受け取れなかったり、ウォレット間のアクティビティを確認するために Dapps にサインインし続けなければならなかったりする。素晴らしい製品を出荷するために、ユーザのデータをマイニングしたり、ユーザを危険にさらしたりする必要はないはずだ。(Stern 氏)

Privy の API の仕組み

Privy は、アプリのフロントエンドから直接ユーザデータを暗号化し、データをオンチェーンアドレスに非公開で関連付けることを可能にする。これにより、開発者は以下のことを実現できる。

  • ユーザの個人情報を直接扱うことなく、テキストや電子メールを送信する。
  • 財務データやコンプライアンスデータをスタックに保存することなく利用することができる。
  • ユーザをドキシングすることなく、ウォレットやチェーン間で統一された UI を表示する。

ドキシングとは、ユーザの匿名化を解除することで、ユーザが誰であるか、どこに住んでいるかなど、ユーザの意思に反して個人情報を明らかにすることだ。Privy は、開発者がユーザデータを保護し、ユーザの管理下に置くことができるデータ保管庫を提供すると Stern 氏は述べている。

これはまだ始まりに過ぎない。次世代のデータツールは、ユーザが Web 上で自分のデータをコントロールできるようにする必要がある。Web3 が成熟するにつれ、過去30年間に失敗したデータパラダイムを再発明し、ユーザがオンラインで自分のデータをコントロールできるようにするチャンスだと考えている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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あらゆるエンタメビジネスがNFTを発行できるようにするプラットフォーム「Fanaply」のCEOにインタビュー

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本稿はベンチャーキャピタル、サイバーエージェント・キャピタルが運営するサイトに掲載された記事からの転載 デジタルエコシステムの拡大で、新ビジネスが資金を調達する手段が多様化してきた。そんな手段の一つでもある NFT(非代替トークン)は特にスポーツやエンタメなどと相性がいいと言われている。スポーツやエンタメビジネスは、ファングッズやマーチャンダイズを販売してマネタイズしてきたが、NFT であれば、距…

Fanaply CEO の Grant Dexter 氏

本稿はベンチャーキャピタル、サイバーエージェント・キャピタルが運営するサイトに掲載された記事からの転載

デジタルエコシステムの拡大で、新ビジネスが資金を調達する手段が多様化してきた。そんな手段の一つでもある NFT(非代替トークン)は特にスポーツやエンタメなどと相性がいいと言われている。スポーツやエンタメビジネスは、ファングッズやマーチャンダイズを販売してマネタイズしてきたが、NFT であれば、距離やオンラインといった物理的な制約さえ超越するデジタルの形で、ファンに価値を直接届けられる。

NFT の市場分析サイト Nonfungible.com によれば、NFT 全体の売上は2021年に176億米ドルに達し、2020年の8,200万米ドルから200倍に増加した。特にコレクターズアイテムは、84億7,000万米ドルと NFT 全体の売上の約半分を占める最大カテゴリで、その中でも最も大きな成功を見せたのは、Dapper Labs と NBA のコラボでバスケットボールの試合のハイライトを収めた「NBA Top Shot」だった。Dapper Labs はこの業績を元に大型調達を実施、時価総額は昨年秋に76億米ドルを記録した。

こうした盛り上がりを聞いたスポーツやエンタメ業界の多くの人が、自らも NFT によるコレクターズアイテムのビジネスに関わりたいと考えるに違いない。そんな時に頼りになるのが Fanaply だ。ニューヨークで2018年に設立されたこのスタートアップは、カナダの音楽業界で起業したり経営に携わったりしてきた Grant Dexter 氏による最新のスタートアップだ。昨年11月のシードラウンドには、ロサンゼルス・ドジャーズらが出資する投資会社らが出資。サイバーエージェント・キャピタルもこのラウンドに参加した。

Fanaply 創業者で CEO の Dexter 氏に、エンタメ業界における NFT ビジネスの将来性などについて話を聞いてみた(ちなみに、Fanaply は「ファナプライ」と呼んでしまいがちだが、正しくは「ファン・アー・プリー」と発音するとのことだ)。


Fanaply は、どういうビジネスですか?

Dexter 氏:Fanaply のことをターンキー(丸ごと一括請負可能な)NFT サービスプロバイダと呼んでいます。顧客の既存 Web サイトへの連携、ホワイトラベル(NFT の 顧客ブランドによる OEM 発行)を提供しています。顧客のファンダム(ファン集団)に対し、デジタルコレクティブを収集したいと思ってもらえるような、非常に強力なソリューションを提供しています。我々が提供するソリューションには、NFT としての希少価値の創造、需要や供給、ストーリーテリング、マーケティング、コミュニティの構築なども含まれます。

我々は、ブランドやアーティストらと協力し、パッションに訴え、実在するファンのために、真の価値、それも長期的な価値を創造しています。スポーツチームやリーグにファンとの複数のタッチポイントを作ることで、NFT を使ったコミュニティ形成とマネタイズ支援には大きな事業機会があると確信しています。さまざまなレベルのファンが参加でき、コンテンツを持つ IP パートナーが長期的な価値を創造できるようにすることが我々のミッションです。

これまでの実績について教えてください。

我々は、既存のファンやイベントを NFT と連携することで、多くの成功を収めてきました。これまでに累計30万以上の NFT を発行し、中でも最も速いものは60秒未満で売り切りました。平均的な NFT 価格は30米ドルで、この価格帯は Fanaply のファンフレンドリーなアプローチを如実に反映しています。我々は、American Express と初めて共に NFT を立ち上げた会社でもあります。American Express でのみ購入できる、R&B アーティスト SZA のパフォーマンスの舞台裏写真を集めた NFT を販売しました。

NHL(全米ホッケーリーグ)とも提携しフロリダ・パンサーズのファンに向けた NFT を発行、また、総合格闘技団体の Professional Fighters League(PFL)とも提携し、NFT のチャンピオンベルトなどを販売しました。オーストラリア出身のバンド「5 Seconds of Summer」、大手チケッティングサイト「Ticketmaster」、野外音楽フェス「Coachella」などとも、それぞれその分野で史上初の NFT ローンチで協業しています。

これらは、我々のフォーカスと、既存のマーケティング・プロモーション計画や販売計画に連携する力、そしてそれらの中に NFT を追加する力を証明するものだと考えています。

Image credit: Fanaply

大きな有名企業との取引が目立ちますが、それは戦略的なものですか?

Dexter 氏:今年1月に Danielle Maged という女性を CCO(Chief Commercial Officer)に招き入れました。彼女は以前、チケット販売大手 StubHub(現在は eBay 傘下)の事業提携責任者で、Fox Networks でエグゼクティブ VP を務めた人物です。彼女の信条は、「多くのチャンスを与えてくれるようなスケーラブルな取引をしたい」というものです。そのために、チームやリーグとも話をしますし、アーティスト個人個人と単発の仕事をすることもあります。

インディーズの楽曲配信代行会社 CD Baby のような、3〜4万人のアーティストを顧客をもつ企業と、我々のテクノロジーを連携することも可能でしょう。例えば、シングルやアルバムリリース、商品とバンドルする NFT を作ってみるとか、そういうことも選択肢に入ります。現在は、興行大手の Live Nation とも話を進めているところです。Live Nation とはこれまでにも3〜4種類の VIP 展開を行い、VIP ユーザに NFT をバンドル提供してきました。1回で終わるのではなく、さらなる機会を探求しているのです。

音楽やスポーツ業界以外にも、ファンを集めたい政党などにも使ってもらえる未来があると思いますね。あるいは、学校や大学にも使えると思います。「私は、Bruce Springsteen のライブに50回行ったことがあるけど、あなたは何回行ったことある?」それを証明することもできます。それから、非常に濃厚なファン層が多い、ティア2 のリーグのような小規模なパートナーにも興味があります。でも、我々は短期的には、スケーラブルな機会に焦点を当てたいと考えています。

Fanaply は昨年11月に資金調達をしました。またアーリーステージだと思いますが、日本の会社であるサイバーエージェント・キャピタルから出資を受けています。アーリーステージで、アメリカのスタートアップがアメリカ国外の投資家から資金調達するのは珍しいですが、すでに世界展開を考えているということでしょうか?

Dexter 氏:南出大介氏(サイバーエージェント・キャピタル アメリカオフィス代表)は、デジタル資産とファンダムのデジタル化について事業機会を理解した最初の人物の一人です。私はいくつかのスタートアップを経験しましたが、常に投資家として質の高い人を探すようにしてきました。資金が欲しいのは当然ですが、本当に良い人材も欲しいのです。彼はそのことをよく理解していた最初の人物の一人でした。そして、彼は素晴らしい実績を持っていました。

私はいつも、北米以外の地域にも戦略的にチャンスをもたらしたいと考えています。特に現在では、我々のところにやってくるブランド、我々のドアを叩く広告代理店は増えていますが、サイバーエージェントの経歴を見ると、彼らはまずベンチャーキャピタルとして素晴らしい実績を持っています。市場とのコネクションもそうです。今いるエコシステムの外で、調達する資金のチャネルを多様化させないことは愚かなことだと思います。

NFT の世界では古い会社だと思われるかもしれませんが、我々はまだ初期の会社です。Web の世界で言えば、そう、1997年〜1999年くらいでしょうか。我々の前にはまだ多くのチャンスがあって、それに向かって我々は前進しているのです。

Fanaply のオフィスはニューヨークにありますが、NFT は形のないものなので、どこへでも売れますし、どこからでも買えますよね。ユーザはどこからきているのでしょうか?

我々の顧客の50%はアメリカ国外にいます。そして、そのうちのいくつかは、5 seconds of summer の例ですが、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアからのユーザが70%という大きな数字になっています。つまり、それはグローバルな市場であり、そこにはグローバルなチャンスがあるのです。先日、ある人が「ローカルなパッションを世界規模に拡大したい」と言ってるのを聞きました。それは摩擦がなく(消費者にとって利用することにストレスが無い)、デジタル資産であり、カスタマイズ可能だからだと思うのです。

例えば、あるリーグと話をしたのですが、彼らはドイツにファンがいて、NBAのファンもいて、ドイツにいる特定のチームのファンを中心に NFT を作る方法を検討しています。これは、ある地域に存在する IP をもとに、グローバルなコミュニティをパーソナライズして作ることができる、とても興味深い方法なんです。でも、事業を始めて当初の6カ月間で私が衝撃を受けたのは、アメリカ以外の国の市場がいかに大きいかということでした。

NFTをエンタメやスポーツの世界と絡めた動きとしては、なんと言っても DapperLabs による NBA TopShot のことは忘れることはできませんし、ソフトバンク・ビジョン:ファンドが昨年投資したサッカー NFT の Solare もすでにユニコーンになりました。こういったプレーヤーと Fanaply の最大の違いは何でしょうか?

Dexter 氏:具体的に言うと、視聴覚的な権利にまつわるデジタルな記念品とでも言うべきものでしょうかね。つまり、彼らはゲームの中で起こった瞬間を切り取って販売しているのです。しかし、我々は、NFT がそれ以上のものであると信じています。アメックスと一緒にやった SZA のドロップのようなものです。みんな、デジタルな記念品が欲しがったのです。その瞬間の音声や映像ではなく、美しいスナップショット写真を欲しがったのです。

これらは、オンラインやライブイベントでのエンゲージメント・ツールになると思います。One Direction の Niall Horan のライブでは、先着1万人に NFT をプレゼントする企画を行いました。「私もここに参加したよ」とファン証明できる NFT ですね。ホッケーチーム Nashville Predators の例は非常に面白くて、彼らは音声や映像を一切使うことができなかったが、全く違う色やバージョンのロゴを使って NFT を発行しました。

時間の経過と共に変化していく NFT というアイデアもあります。応援するチームの成績、アーティストの成長、何回アーティストのショーに行ったかによって、色が変化していくとか。我々はレーベルやリーグ、パートナーと話をしていて、音声や映像は、10ある選択肢のうちの1つに過ぎないということがわかっているからです。その瞬間を捉えてマネタイズすることもできますが、他にもマネタイズできるものがたくさんあるのです。

例えば、あなたが50人とか100人の VIP の一人で、それに関連したステータスをたくさん持っているとしますよね。そのステータスを流通市場で二次売買することができるんです。TopShot は、一定数を所有する必要があり、それをすべて集めると1つのセットになる、というようにゲーム化しようとしています。でも、正直なところ、ゲームの一瞬を自分のものにしたいと思う人はほんの数パーセントです。

一方で、心からチームの勝利を願って試合に参加している人たちもいるわけです。彼らはチームに対して本当に情熱的なんです。選手のために見に来ている人もいる。試合中に起こった瞬間を見るために来ている人もいる。他の人に会うために参加する人もいます。このように、さまざまなケースや機会があり、それは素晴らしいことだと思います。TopShot は素晴らしかったです。NFT への扉が開かれた瞬間でした。


音楽やスポーツ界で、アマチュアかプロかは、アーティストやプレーヤーがそれを生業にできているかどうかの違いだ。プロの世界には興行ビジネスが生まれ、熱狂を求めるファンはチケットを購入し、スポンサー企業が広告費や協賛金を支払うことで成立する。NFT の活用によって、資金の集まりにくかった新人やインディーズにも新たな機会がもたらされるだろう。

デジタルが普及したことで不法コピーなど大きな被害に遭ってきたのがエンタメ業界であることも事実だ。NFT が普及すれば、コンテンツに対して個別に二次利用権を設定したり、二次販売時にも発行元に収益を還元したりできることから、エンタメ業界の民主化が進むきっかけになることを期待する声もある。

こうしたルール作りは世界中で始まったばかりだ。IP はグローバルに取引・消費されるため、各国政府による法整備が追いつかない可能性もある。大きなプレーヤーのプロジェクトで繰り返される流儀が業界ルールとして定着するのはよくあることで、Fanaply はこのポジションを狙っているのではないだろうか。彼らが日本に進出するのも、そう先のことではなさそうだ。

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米HRテックのRemote、ソフトバンクVF2らから3億米ドルをシリーズC調達——時価総額は30億米ドルに

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<ピックアップ> Remote secures $300 million Series C financing to power global employment サンフランシスコに本拠を置く Remote は、シリーズ C ラウンドで3億米ドルを調達した。時価総額は30億米ドルに達した。このラウンドは、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2がリードし、Accel、Sequoia、Index Ven…

Image Credit: Remote

<ピックアップ> Remote secures $300 million Series C financing to power global employment

サンフランシスコに本拠を置く Remote は、シリーズ C ラウンドで3億米ドルを調達した。時価総額は30億米ドルに達した。このラウンドは、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2がリードし、Accel、Sequoia、Index Ventures、Two Sigma Ventures、General Catalyst、9Yards、Adams Street、Base Growth などが参加した。今回ラウンドを受けて、Remote の累積調達額は4億9,500万米ドルに達した。

Remote は、世界中に分散した労働力の管理・支援の先駆者で、給与計算、税務、コンプライアンスサービスを提供している。2021年7月にシリーズ B ラウンドで1億5,000米ドルを調達しユニコーンクラブ入り(時価総額10億米ドル超)した。同社の年間経常利益は昨年1年間で13倍成長、従業員は9倍増加し現在65カ国に900人以上の従業員を擁していると報告している。今回の資金調達で、Remote は製品開発を加速させ、サービスをさらに他の地域にも拡大していく予定だ。

<関連記事>

昨年、HR テックのプラットフォームは合計で92億米ドルを調達しており、今年に入ってからは24.6億米ドルの資金がこの分野に投入されている。給与計算とリモートチームのコンプライアンスプラットフォーム「Omnipresent」は先月、Kinnevik AB と Tencent(騰訊)がリードしたシリーズ B ラウンドで1億2,000万米ドルを調達、また、同業の Deel は Coatue がリードしたシリーズ D ラウンドで、4億2,500万米ドルの資金を調達した。Deel の時価総額は55億米ドルだった。

via GlobalNewsWire by Notified

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Binance US、時価総額45億米ドルで2億米ドル超をシード調達

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仮想通貨取引所 Binance(幣安)のアメリカにおけるパートナーである Binance US は、シードラウンドで2億米ドル超を調達し、時価総額は45億米ドルに達した。

Image credit: Creative Commons / marcoverch

同社にとって初の外部調達となるこのラウンドには、RRE Ventures、Foundation Capital、Original Capital、VanEck、Circle Ventures、Gaingels、Gold House が参加した。

Binance US は、香港を拠点とする Binance が規制上の問題からアメリカでのサービスを停止した後、別法人として2019年に立ち上げられた。

Binance US の CEO Brian Shroder 氏は最近、TechCrunch に対し、「Binance US は Binance の子会社でも関連会社でもないが、同社とのつながりはある(Binance 創業者の Changpeng Zhao=趙長鵬氏は Binance US の会長も務めている)」と語った。また Shroder 氏は、Binance US が Binance.com と法的およびライセンス契約を結んでいることを付け加えた。

アメリカに拠点を置く Binance US は今年、個人顧客と機関投資家の両方に向けて仮想通貨を提供するサービスを拡充したという。現在、85以上の仮想通貨と190以上の取引ペアをサポートしている。

より多くの顧客にアプローチするために、Binance US は2022年に国内の2つの新しい州でサービスを展開し、サポートしている州の数は合計45となった。今回の資金調達後、Binance US は取引プラットフォームの強化だけでなく、新しい商品やサービスの開発・発売などの取り組みを行う予定だ。

Shroder 氏は声明で、「Binance US は3年弱で、アメリカだけでなく世界でも最大かつ最も技術的に進んだデジタル資産取引所の1つで、利益を生む事業に成長した」と述べた。また、Shroder 氏は TechCrunch の取材に応じ、Binance US が2~3年後にアメリカでの IPO を目指していることを明らかにした。

Binance US は、アメリカで最大のデジタル資産取引所の1つとして頭角を現している。CoinMarketCap によると、Binance US のプラットフォームは24時間取引高が3億600万米ドルに達している。これに対し、競合である FTX US の24時間取引高は1億9,700万米ドル、Coinbase の24時間取引高は30億米ドルとなっている。

【via Tech in Asia】 @Techinasia

【原文】

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フェムテック特化VCのSteelSky Ventures、7,200万米ドルを調達し1号ファンドを最終クローズ

<ピックアップ> SteelSky Ventures Raises $72M for Its Inaugural Fund to Invest in Women’s Health 重要なポイント:女性の健康に特化したアメリカのベンチャーキャピタル SteelSky Ventures は3月23日、1号ファンドの資金調達を最終クローズしたと発表した。運用資産は7,200万米ドルで、現在、女性の健康へ…

Image credit: SteelSky Ventures

<ピックアップ> SteelSky Ventures Raises $72M for Its Inaugural Fund to Invest in Women’s Health

重要なポイント:女性の健康に特化したアメリカのベンチャーキャピタル SteelSky Ventures は3月23日、1号ファンドの資金調達を最終クローズしたと発表した。運用資産は7,200万米ドルで、現在、女性の健康へのアクセスやケアの向上に特化した世界最大のベンチャーキャピタルファンドとなっている。

詳細:SteelSky Ventures は、連続起業家かつ投資家で女性のヘルスケアの熱心な支持者である Maria Toler Velissaris 氏によって設立された。Velissaris 氏はエンジェル投資家として、女性のヘルスケア分野における資金調達のギャップを発見し、黎明期である一方成長を続けるこの分野に資本参加するためファンドを立ち上げた。

  • 同氏は現在までに20社以上の女性主導の企業に投資し、数多くのヘルスケア関連の役員も務め、2020年にはBusiness Insiderの List of Rising Stars in Venture Capital にも選出されている。
  • Velissaris 氏は今回の1号ファンドクローズに際し、次のようにコメントしている。

女性の健康・ヘルスケアは非常に大きな成長が期待できる分野であり、SteelSky は次の10億米ドル規模となるパイプラインも構築しています。私たちは世界中の女性の健康やヘルスケアを大きく前進させる企業や起業家に投資できることを誇りに思います。

  • 同社の投資先は、現状社会的地位が低いとされるコミュニティを支援する企業を主としている。合計すると4,000万人以上の人々に必要なヘルスケアサービスを提供している。
  • 投資先の具体例としては、十分な医療サービスを受けれていないコミュニティに在宅の妊産婦ケアを提供する Cayaba Care、骨盤底の健康や妊娠、産後ケアに特化したデジタルファーストの理学療法プラットフォーム「Origin」、低所得者層も含め包括的に女性向けヘルスケアを遠隔で提供する Twentyeight Health、処方薬や救命医療品へのアクセスを農村部に広げるドローン配送プラットフォーム「Zipline」などが挙げられる。

背景:同社プレスリリースによると、米国では医療費の80%が女性であるにもかかわらず、女性の健康やヘルスケア分野は歴史的に資金不足として見過ごされてきた。この分野への投資が不足していたことは、特にメディケイド(アメリカの低所得者に対する公的医療保険制度)加入者や保険非加入の女性が必要なときに適切な医療を受けられない状況を招いている。

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執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:池田 将

via FemTech Insider

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5億ドル評価で買収、モバイル店舗作成アプリ「Ecwid」とは?/GB Tech Trend

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本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事からの転載 今週の注目テックトレンド GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。 プラットフォームに依存しない形で、誰もが自分のアイデアを形にして商品化する「マイクロ起業」が欧米で盛んな印象です。 従来、事業化まで足を踏み入れ…

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

今週の注目テックトレンド

GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

プラットフォームに依存しない形で、誰もが自分のアイデアを形にして商品化する「マイクロ起業」が欧米で盛んな印象です。

従来、事業化まで足を踏み入れなかった個人クリエイターが、SNSなどで自分を売り込み顧客を集め、商品を売り、事業化する「パッションエコノミー」や「マイクロ起業家」がここ数年のトレンドとなっています。

その上で、オンライン上で商品を売るための機能を提供するEC SaaSの領域に注目が集まっています。事務所やスタジオに所属すると手取りが大幅に減るため、自分で集客して収益を最大化させたくなるのは当然の成り行きです。

こうしたクリエイターや中小事業者は、比較的自由度高く扱えるECサイトビルダーを求めています。Shopifyが好例で、誰でもECを立ち上げられたりたくさんのテンプレートから選べる体験は、パッションエコノミー文脈で活躍するEC事例の先駆と言えるでしょう。ただ、モバイル体験には今ひとつ欠けている点があると評価されているようです。

そこで登場したのが「Ecwid」です。同社はモバイルECに特化したサイトビルダーを開発したスタートアップなのですが、小売向けのコマースプラットフォームを展開するLightspeedに昨年10月に買収されています。TechCrunchが伝えるところによると株と現金の組み合わせで、トータル5億ドル規模の買収額となるようです

Ecwidは既存ウェブサイトとの統合機能を提供している点や、AmazonやGoogleなどの主要マーケットプレイスへのアクセス、POS管理、InstagramやFacebookなどのソーシャルメディアチャンネルでの広告・販売機能まで、幅広い機能とチャネルを一挙に持てる点に強みがあります。

料金体系は4パターンあり、販売手数料は0円。SaaS利用料として12.5ドル/月から定額で支払う点も中小事業者に人気です。

Ecwidでは、175カ国以上で150万人以上の中小企業が同社のプラットフォームを利用しており、約60の言語をサポートしています。新規顧客登録数は2018年から2019年の間に倍増し、2020年の第2四半期には2019年の同時期と比較してさらに300%急増しているそうです

Shopifyと比較して圧倒的な差別化を図れているわけではありませんが、「マイクロ起業家にターゲットをあわせている点」「モバイルECに特化して幅広い機能提供している点」などが成長を押し上げているように感じます。

日本では「BASE」がまさにEcwidの市場ポジションにいるように感じますが、EcwidがShopifyに挑んでいるように、モバイルEC体験に特化して、高いユーザー価値を提供できるスタートアップが登場すれば、BASEの後に続く新たなモバイルECプラットフォームが、あるいは日本でも登場するかもしれません。

国内のEC市場はまだ伸び代が大きく、とても一社で寡占できるものではないでしょう。ちょっとした差別要素を持っているだけでも一定数のユーザーを集めてしまうプレイヤーは続々と現れるはずです。日本のECスタートアップ勢力図が、モバイル体験とパッションエコノミー(個人クリエイターの登場)を軸にどう変わっていくのか、引き続き注目です。

3月8日〜3月21日の主要ニュース

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リプロダクティブ・ヘルスのNoula Health、140万米ドルをプレシード調達——少数派のラテン系女性起業家によるスタートアップ

<ピックアップ> Scoop: Reproductive health startup readies for delivery 重要なポイント:リプロダクティブ・ヘルスのスタートアップ Noula Health は10日、Muse CapitalとPrecursor Ventures がリードした140万米ドルのプレシードラウンドを完了した。 このラウンドには、Crista Galli Vent…

Image credit: Noula Health

<ピックアップ> Scoop: Reproductive health startup readies for delivery

重要なポイント:リプロダクティブ・ヘルスのスタートアップ Noula Health は10日、Muse CapitalとPrecursor Ventures がリードした140万米ドルのプレシードラウンドを完了した。

  • このラウンドには、Crista Galli Ventures、Visible Hands VC のほか、Motherly の創業者兼 CEO Jill Koziol氏、ハイブリッドプライマリーケアクリニック Carbon Health のプロダクトディレクター Alex Cohen  氏といったエンジェル投資家が参加した。

詳細:Noula Health は2021年、アメリカ・ニューヨークで Noelle Acosta 氏が創業。Acosta 氏は、2021年8月に1億1,000万米ドルの調達を発表した女性向けヘルスケア Maven Clinic で約2年間にわたり事業開発を率いた後、自身のベンチャーを立ち上げた。

  • Noula Health が提供するサービスは妊婦や妊娠を考える人向けのバーチャルケア・プラットフォームで、具体的にはホルモン値などの自宅診断キットやヘルスコーチングへのアクセス、個々人に合わせた栄養素やライフスタイルのアドバイスが含まれる。
  • 同社 CEO の Acosta 氏によると、栄養に関するアドバイスはユーザーの文化的背景を考慮したものになるという。また自宅での検査結果は、同社パートナーを通じて医師が確認する。
  • Noula Health はこの春からサービスを開始し、英語とスペイン語で提供する予定だという。
  • 今回の資金調達に際し、Acosta 氏は次のようにコメントしている。

Noula は、女性や出産を迎える夫婦を支援するために設計されています。私たちはただ求められたときだけ反応するだけではなく、積極的な関わりでそれぞれに最適化されたバースプランのパートナーになりたいと願っています。

背景:ProjectDiane の2020年のレポートによると、Acosta 氏は100万米ドル以上を調達した100人未満のラテン系女性創業者の一人となる。

  • 女性の健康を専門とするヘルステック戦略家の Shereese Maynard 氏は「女性のデジタルヘルスのスタートアップについて私に相談に来るのは、たいてい白人男性です。そのため今回の案件で私がまず思ったことは『良かった! 少しは状況が前に進んでいるのかもしれない』ということです」とコメントしている。

<関連記事>

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:池田 将

via  Axios

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