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低所得者層の意図しない妊娠を遠隔医療で防ぐ「Twentyeight Health」

ピックアップ:Twentyeight Health is a telemedicine company expanding access to women’s health and reproductive care ニュースサマリー:ニューヨークを拠点とし、女性の健康のための遠隔医療サービスを展開するTwentyeight Healthは10月14日、シードラウンドにて510万ドルの…

画像出典:Twentyeight Health 公式ウェブサイト

ピックアップ:Twentyeight Health is a telemedicine company expanding access to women’s health and reproductive care

ニュースサマリー:ニューヨークを拠点とし、女性の健康のための遠隔医療サービスを展開するTwentyeight Healthは10月14日、シードラウンドにて510万ドルの資金調達を実施したと発表した。同ラウンドにはリード投資家としてThird Primeが参加し、Town Hall Ventures、SteelSky Ventures、Aglaé Ventures、GingerBread Capital、Rucker Park Capital、Predictive VCなどのベンチャーキャピタルのほか、Stu Libby氏、Zoe Barry氏、Wan Li Zhu氏などのエンジェル投資家も参加している。同社資金調達総額は660万ドルとなった。

詳細な情報:同社は、元コンサルタントで自身も保険問題で2年間産婦人科の診療が受けられなかった経験を持つ創業者Amy Fan氏が2018年後半にニューヨークにて設立。ゲイツ財団で発展途上国の家族計画、マラリア、HIVなどの医療アクセスの改善を主導していた共同経営者・Bruno Van Tuykom氏と出会い、十分な医療サービスを受けることができない低所得者層の女性に向けた遠隔医療サービスとして設立された。

  • 同社はメディケイド(米国の低所得者に対する公的医療保険制度)加入者や保険に加入していない低所得者層の女性が、十分な医療ケアを受けられない状況を問題視している。人種や所得階層、健康保険の種別に関わらず人々を包括する質の高いリプロダクティブ・ケアを提供することをミッションとして掲げる。同社プレスリリースによると2020年には顧客基盤が5倍に拡大し、これを受けてFan氏はAlleywatchの取材において「私たちのサービスに対するニーズがあることを実感しています」とコメントしている。
  • 同社サービスへの登録は、まずオンラインで問診票に記入し、24時間以内に米国の理事会認定医師がレビューすることで完了する。顧客は100以上のFDA承認ブランドの避妊薬、パッチ、リングなどの中から適したものを1〜3営業日以内に受け取ることができる。また、継続的なケアを行うため、医師とのフォローアップのメッセージは無制限で、処方箋の更新や副作用への対処などについて相談することができる。
  • 同社サービスは現在、フロリダ州、メリーランド州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ノースカロライナ州、ペンシルベニア州で提供されている。今回調達した資金は、米国全土でのサービス拡大を継続するために活用されるという。
画像出典:Twentyeight Health 公式ウェブサイト

背景:同社共同設立者・Tuykom氏はプレスリリースで、「今日、低所得者層の女性は米国の平均的な女性よりも3倍以上意図しない妊娠をする可能性が高く、そのうえ全国の医師の3分の1近くがメディケイドの新規患者を受け入れていない」との声明を発表している。さらにCOVID-19の大流行により対面での医療行為の予約が制限されていることも、この問題を増大させているという。日本においては、内閣府が10月8日の男女共同参画に関する専門調査会で、緊急避妊薬を処方箋なしで購入できるよう検討する方針を打ち出している。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

AIが「未成年の顔」を検知、デートアプリ大手が顔認証バッジを採用

ピックアップ:The Meet Group Launches Profile Verification on MeetMe ニュースサマリ:米国マッチングアプリ大手のMeetGroupは9月、AIを活用し顔認証バッジを展開することを発表している。FaceTecの3Dセルフィーテクノロジー検証バッジにより、ボットの登録を阻止し、何百万ものユーザーの信頼性の保証に動き出した。このバッジは9月後半よりM…

Image credit: Business Wire

ピックアップ:The Meet Group Launches Profile Verification on MeetMe

ニュースサマリ:米国マッチングアプリ大手のMeetGroupは9月、AIを活用し顔認証バッジを展開することを発表している。FaceTecの3Dセルフィーテクノロジー検証バッジにより、ボットの登録を阻止し、何百万ものユーザーの信頼性の保証に動き出した。このバッジは9月後半よりMeetMeで公開され、今後数カ月以内にSkoutとTaggedで公開される。

  • 認証バッジは物理的にカメラの前に存在したことを確認した後に有効化され、メンバーのプロフィールに表示される。バッジの採用が増えると、チャットで写真を送る等の制限が解除される仕組み。
  • FaceTecは3D年齢推定を提供しているので、未成年のアカウントにフラグをつけ、未成年の利用を遠ざけることにも繋がる。
  • MeetGroupはより安全なデートへの取り組みの一環として他にも、テキストパターンと年齢検出エンジンを利用し未成年が関与しないようにマイクロソフトと協力をしたり、悪意ある人物のデバイスをブロックするDeviceCheck実装を施策として行っているほか、機械学習アルゴリズム等を利用して、不正な動画・写真・テキストを検出する取り組みを一層強化している。

背景:Meet Groupは、MeetMe、Skout、Tagged、LOVOO、GROWLrを含む5つのアプリにまたがる出会い系コミュニティを運営している。毎日数百万人に対してデートサービスを提供し、1日あたり7,000万件のチャットが送信されている。

執筆:國本知里/編集:岩切絹代・増渕大志

Incubate Fund USが約20億円を集めファイナルクローズ、米B2B中心に11社への投資実行が明らかに

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Incubate Fund US は13日、第1号ファンドの資金調達をファイナルクローズしたことを明らかにした。調達規模は約20億円に達しており、当初募集予定額10億円の約2倍までオーバーサブスクライブしたことになる。このファンドに出資したのは、次の個人投資家、事業会社、ファンドなど(一部非開示を含む)。 谷家衛氏(個人投資家) Google の VP(氏名は非開示) 石塚亮氏(メルカリ創業者、個…

Incubate Fund US GP 野津一樹氏

Incubate Fund US は13日、第1号ファンドの資金調達をファイナルクローズしたことを明らかにした。調達規模は約20億円に達しており、当初募集予定額10億円の約2倍までオーバーサブスクライブしたことになる。このファンドに出資したのは、次の個人投資家、事業会社、ファンドなど(一部非開示を含む)。

  • 谷家衛氏(個人投資家)
  • Google の VP(氏名は非開示)
  • 石塚亮氏(メルカリ創業者、個人投資家)
  • 金田修氏(遊仁堂 CEO)
  • Incubate Fund
  • ラクスル(東証:4384)
  • クラウドワークス(東証:3900)
  • ブイキューブ(東証:3681)
  • キャナルベンチャーズ(日本ユニシスの CVC)
  • Bonds Investment Group
  • CARTA HOLDINGS(東証:3688)
  • セプテーニ・ホールディングス(東証:4293)
  • ユナイテッド(東証:2497)
  • 電通
  • FUJI STARTUP VENTURES

Incubate Fund US は、Google アメリカ本社で社内スタートアッププログラムなどに従事した後、主にシリコンバレーを中心に活動していた野津一樹氏が昨年組成。その際には、SaaS、HR、小売、マーケティング、マーケットプレイスなど「B2B × ソフトウェア」にフォーカスし、1ショットあたりのチケットサイズを50万〜100万米ドルに想定することを明らかにしていた。

Incubate Fund US は既に北米を中心に11社に投資実行済であることから、概ねファンド総額の約半分程度を投資実行したことが推測できる。同ファンドは、野津氏と同じく〝Xoogler(ズーグラー、Google 出身者に対する愛称)〟が立ち上げたファンド Vela Partners と連携したことで、キャリー(成功報酬)を共有できる体制を整え、ディールソースの効率化に成功している。

Incubate Fund US 投資先11社のうち、公表されている一部スタートアップは次の通り。

  • CloudNatix …… Google の Director で「Kubernetes」などのベースとなるコンテナ技術を発明した Rohit Seth 氏、特別チーム「Borg」のテックリードだった Kenji Kaneda氏 などによるスタートアップ。クラウド横断でコストやパフォーマンスを最適化する SaaS を開発。
  • Cerby …… Ooyala などの創業メンバーであり、総額約4億米ドルを調達したシリアルアントレプレナー Belsasar Lepe 氏
    が率いる 「シャドーIT」領域のSecurity SaaS(当初は、ソーシャルメディアがターゲット)。
  • Lumi Labs …… Marissa Mayer 氏率いるスタートアップ。ステルスのためプロダクトは現時点で非公開。
  • WaveOne …… Facebook AI Research(FAIR)創立者の一人で、特許を個人で70以上も持ち、ハーバード大学などでフェローも務めトップエンジニア創業者2人が立ち上げた〝動画界のTwillio〟。サンマイクロシステムズ創業者で、Khosla Ventures GP の Vinod Khosla 氏もアドバイザーとして参画。
  • フェズ …… 甲子園球児、P&G を経て Google のセールスチームでトップセールスだった伊丹順平氏が率いるリテールテックのスタートアップ。既にドラッグストア中心に POS データを保有しており、OMO を実現し、実際に売上が上がるセールスリフトの概念を市場に提唱している。

Incubate Fund US は、野津氏もコミュニティリードの1人として参加する Xoogler のコミュニティを通じて、さまざまな投資家や起業家との連携を図っている。2015年に創設された Xoogler のコミュニティは、全世界で5,000人以上がアクティブに活動するネットワークで、Google を卒業した Xoogler と現役 Googler との交流も盛んなことでも知られる。

野津氏によれば、新型コロナウイルスの影響は少なからず北米のスタートアップ資金調達に影響を与えているが、件数ベースでは、レイターステージでは前年比で3割程度鈍化したのに対し、シードステージでは1割程度にとどまっているそうだ。また「スタートアップに価値を与えられない  VC が減ったことで、VC とスタートアップがよりよい相手を見つけやすい状況になっている」とも指摘した。

ローコード市場は520億米ドル規模へ、2700億円評価のAirtableとは何者か(2/2)

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(前回からのつづき)Airtableと連携できるサービスやアプリは1,000を超える。たとえばAsana、Dropbox、Box、Facebook、GitHub、LinkedIn、Slack、Stripe、SoundCloudなどだ。ZapierやIFTTTのようなワークフロー自動化サービスはつなぎの役割を果たし、SlackのメッセージやSMS、eメールをトリガーとしてAirtableのデータベー…

(前回からのつづき)Airtableと連携できるサービスやアプリは1,000を超える。たとえばAsana、Dropbox、Box、Facebook、GitHub、LinkedIn、Slack、Stripe、SoundCloudなどだ。ZapierやIFTTTのようなワークフロー自動化サービスはつなぎの役割を果たし、SlackのメッセージやSMS、eメールをトリガーとしてAirtableのデータベースに入力することを可能にする。

Airtableプラットフォームの新機能「Marketplace」では、コミュニティによって構築されたJavaScriptベースのアプリをインストールしたり、独自の機能を作成したりすることができる。9月第3週にリリースされた「Automations」では、eメール、メッセージアラート、レポート、およびタスク作成のトリガーを設定することにより、反復プロセスを自動化できる(AutomationsはG Suite、Microsoft Teams、Facebook、Twitter、Slack、Jiraなどと連携可能)。

最後に、「Sync」を使用すると、Airtableに保存されているカスタマイズされたビューとデータフィールドの一部(またはすべて)を他のチームや組織と共有できる。

「Marketplaceでは、コミュニティの開発者らが作成したアプリを共有できます。AIや機械学習に対応したツールが人気となるのではないかと期待しています。たとえば、GoogleのCloud Vision APIを活用するカスタムアプリを顧客企業のAirtable内に直接インストールしてAIや機械学習の機能を提供できます。

顧客はそのアプリを使用して、画像を数千のカテゴリにすばやく分類し、画像内の個々の顔やオブジェクトを検出し、画像カタログにメタデータを構築して、不快なコンテンツのモデレーションから画像の感情分析による新しいマーケティングシナリオの有効化まで、すべてを行うことができます(Liu氏)」。

Gartnerの予測によると今後3年間でプロの開発者の4倍もの「市民開発者」が誕生し、5億種ものビジネス用アプリやサービスが生み出されるだろう。ローコード市場は520億米ドルに急成長すると見込まれている。Airtableの競合にはGoogle、Microsoft、Amazonは言うまでもなく、Zoho、Smartsheet、そしてTablePlusやRetoolといったスタートアップがいる。サンフランシスコを拠点とする同社はカリフォルニア州マウンテンビューおよびテキサス州オースティンに新オフィスを構え、162名を新規採用し、トータルで280名の従業員をかかえている。

シリーズDラウンドはThriveがリードし、既存投資家のBenchmark、Coatue、Caffeinated Capital、CRV、および新規投資家のD1 Capitalが参加した。このラウンドにより、Airtableの調達総額は3億5,000万米ドル超となった。

※本稿は提携するVentureBeat記事の抄訳です

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

「ローコード」の衝撃、2700億円評価のAirtableとは何者か(1/2)

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噂通り、Airtableは本日(9月14日)1億8,500万米ドルの資金調達を発表した。評価額は前回の評価額11億米ドルの2倍以上、25億8,500万米ドルとなった。同社の成長は加速中だ。Netflix、HBO、Condé Nast、Time、IBM、Robinhood、Equinoxが名を連ねる顧客ベースは2018年11月には8万人だったのが20万人にまで増加している。 IDCの推計によると、コ…

Airtableのサンフランシスコオフィス
Image Credit: Airtable

通り、Airtableは本日(9月14日)1億8,500万米ドルの資金調達を発表した。評価額は前回の評価額11億米ドルの2倍以上、25億8,500万米ドルとなった。同社の成長は加速中だ。Netflix、HBO、Condé Nast、Time、IBM、Robinhood、Equinoxが名を連ねる顧客ベースは2018年11月には8万人だったのが20万人にまで増加している。

IDCの推計によると、コーディングの方法を知っている人口は世界全体の0.5%にすぎない。一方、業界はパンデミックによって引き起こされた問題を解決してくれる「特化型ソフトウェア」へとシフトしようとしている。Airtableはこのニーズを満たすプラットフォームを提供し、ユーザ自身が職場で使うアプリをほぼコーディングせずに開発できるよう支援することを目指している。いわゆる「ローコード」だ。

CEOのHowie Liu氏はVentureBeat宛のeメールでこう述べた。

「Airtableは、誰でも自分に必要な特製のアプリを作り上げられるようにします。自分で自分のアプリを作るというアプローチによって、既製品のツールやプロジェクト管理サービスを使うよりも自由にカスタマイズできるようになります」。

同社の共同設立者たちがプロダクトを世に出す前の2015年、元Stack OverflowのエンジニアのEmmett Nicholas氏、Google MapsのマネージャーのAndrew Ofstad氏、シリアルアントレプレナーのLiu氏が大事にしていたモットーは「すべてをオーガナイズする」ことだった。Excelのスプレッドシートに似たインターフェイスはドラッグ・アンド・ドロップで操作でき、付属のSDK(ソフトウェア開発キット)でプラットフォーム上にアプリを構築することができる。

Airtableに行や列を挿入・削除する際はほぼジェスチャーで操作することができる。またシェアリングツールも組み込まれており、互いにカレンダー、ギャラリー、カンバンといったビューを共有して共同作業することも可能になる。

Airtableには添付ファイル、テキスト、チェックボックス、バーコード、アルゴリズムなどさまざまなものを埋め込んだり、テーブル間のレコードを自動的にリンクさせてグラフ表示させたりすることもできる。また、「ブロック」やテーマ、カテゴリー、ユースケース別に分類されたテンプレートを使って容易に取り組むことができる。

ブロックは約30〜40個の「ミニアプリ」の集まりで、コンピュータービジョンを使って画像の中から自動的に対象物を検出するクラウドビジョンのようなものから、サードパーティ製のAdobe XD用ブロックに似たものまであり、Airtableの機能を拡張してくれる。

Airtableによると、第一線で働く医療従事者に食事を提供するFrontline Foodsは、病院などの施設と地元レストランをマッチングするカスタムアプリを構築した。このアプリは食事が最も求められている地域をリアルタイムで表示し、移動時間やコストを削減するのに役立っている。そして、より新鮮な食物を配達することでコミュニティを支えている。(次につづく)

※本稿は提携するVentureBeat記事の抄訳です

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

ゲーム中にプレーヤー同士が映像・音声で繋がれるアプリ「Bunch」、シリーズAで2,000万米ドルを調達——日本市場進出へ

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ニューヨークとトロントを拠点とする Bunch は、モバイルゲーム中にプレーヤー同士が繋がれるアプリ「Bunch( iOS / Android )」を開発するスタートアップだ。同社は17日、2,000万米ドルを調達しシリーズ A ラウンドをクローズしたことを明らかにした。このラウンドはアメリカの VC 大手 General Catalyst がリードし、複数のゲームデベロッパや VC 各社が参加し…

Image credit: Bunch

ニューヨークとトロントを拠点とする Bunch は、モバイルゲーム中にプレーヤー同士が繋がれるアプリ「Bunch( iOS / Android )」を開発するスタートアップだ。同社は17日、2,000万米ドルを調達しシリーズ A ラウンドをクローズしたことを明らかにした。このラウンドはアメリカの VC 大手 General Catalyst がリードし、複数のゲームデベロッパや VC 各社が参加した。投資家は次の通り。

<ゲームデベロッパ>

  • Electronic Arts
  • Krafton(PUBG)
  • ミクシィ(東証:2121)
  • Take-Two Interactive Software
  • Ubisoft
  • Supercell
  • Riot Games
  • Miniclip
  • コロプラ(東証:3668)傘下のコロプラネクスト     など。

<VC>

  • LVP
  • Northzone
  • Streamlined Ventures
  • Konvoy Ventures
  • OneTeam Ventures
  • Velo Partners
  • Golden Venture Partners
  • Alven Capital Partners     など。

なお、この調達と合わせ、リードインベスターである General Catalyst のマネージングディレクター Niko Bonatsos 氏が Bunch の取締役に就任する。Bunch は2017年の創業来、4回にわたるシードラウンドで800万米ドル(Crunchbase によれば790万米ドル)を調達しており、今回の調達を受けて累積調達額は2,800万米ドルに達した。

Bunch の創業者3人。左から:Jason Liang 氏、Selçuk Atlı 氏(CEO)、Jordan Howlett 氏
Image credit: Bunch

Bunch はマルチプレイヤーモバイルゲームを複数人で同時に楽しみ合えるアプリだ。同じゲームに参加するプレイヤー同士が、離れていてもビデオチャットまたはボイスチャットで繋がることができ、「モバイルゲーム版の Discord」の異名を持つ。

ゲームデベロッパが Bunch を自社ゲームに組み込めば、この体験をユーザに提供することが可能になる。Bunch はこれまで欧米のゲームデベロッパ作品とのインテグレーションに注力してきたが、今回、ミクシィとコロプラネクストが投資家に加わったことで、日本のゲームデベロッパ各社とのインテグレーションを強化するとみられる。

Bunch の CEO で共同創業者の Selçuk Atlı 氏は、次のようにコメントしている。

マルチプレイヤーゲームは新しいソーシャルネットワークだ。(中略)

それぞれのゲームは切り離された島のようなものだが、Bunch ではプレイヤーが好きなゲームの中や外で友達と繋がれる方法を提供する。そして、General Catalyst や世界中の人気ゲームメーカー各社と手を組めたことを大変嬉しく思う。

今回のシリーズ A ラウンドは、2020年3月初めから Bunch が大きく成長し、月間アクティブユーザ数が以前の50倍超に増えたのを受けてのものだ。ユーザ増加と合わせ、Bunch のユーザ層は以前に比べニッチではない存在となり、Z 世代(1990年代中盤以降生まれ)のやや男性が多かった状態から、ミレニアル世代の女性6割の状態へ変化したという。この背景には、新型コロナウイルス感染拡大で外出できない状態が続き、ゲームを通じて、人と人との繋がりを欲するユーザが増えたことが多分に影響しているだろう。

以下は、Atlı 氏が参加した SLUSH 2019 でのパネルセッションの録画。

米従業員の8割が精神課題抱えるーーコロナ禍で拡大、遠隔メンタルヘルスケア「Lyra Health」

ピックアップ:Lyra Health Hits $1.1 Billion Valuation, As Coronavirus Boosts Need For Teletherapy 重要なポイント:COVID-19を背景にLyra HealthとNational Alliance of Healthcare Purchaser Coalitionsが2020年7月に発表した最新の調査によると、米国…

画像出典:Lyra Health 公式ホームページ

ピックアップ:Lyra Health Hits $1.1 Billion Valuation, As Coronavirus Boosts Need For Teletherapy

重要なポイント:COVID-19を背景にLyra HealthとNational Alliance of Healthcare Purchaser Coalitionsが2020年7月に発表した最新の調査によると、米国の従業員の83%がメンタルヘルスの問題を抱えていることが明らかとなっている。

ニュースサマリ:従業員向けの遠隔メンタルヘルスケアサービスを提供するLyra Healthは、1億1,000万米ドルのシリーズDラウンドの調達を完了したことを2020年8月25日に発表した。今回の調達はAdditionが主導し、Adams Street Partners、Starbucksの元CEO、Howard Schultz氏、Casdin Capital、Glynn Capital、Greylock Partners、IVP、Meritech Capital Partners、Providence Ventures、Tenaya Capitalなどの既存の投資家が参加した。3月に完了した7,500万米ドルのシリーズCラウンドに続く調達となり、同社はこれまでに約2億7,500万米ドルを調達している。

詳細情報:Lyra Healthは2015年にカリフォルニア州にて設立。Facebookの元CFOであったDavid Ebersman氏が「人々が質の高いヘルスケアを迅速に見つけられるよう支援する」ことを目的に、共同設立者兼CEOとして創業した。

  • Lyraは企業の従業員と、セラピストやメンタルヘルスコーチなどをつなぐデジタルプラットフォームを提供している。契約企業の従業員は、1対1のビデオセッションや、認知行動療法(CBT)をベースとしたチャットエクササイズ、進捗状況の定期的なモニタリング等を遠隔で受けることができる。
画像出典:Lyra Health 公式ホームページ
  • 同社の臨床製品担当ディレクターであるAnita Lungu氏が率いたJournal of Medical Internet Researchで発表された研究によると、385人の患者を対象に5回のセッションを行った後、不安や抑うつ症状が減少したことが記録されている。さらに同研究においては、Lyraの遠隔療法モデルが標準的な治療より12~16週間早く結果を出す可能性があることも示唆しているという。
  • 8月25日発表の同社プレスリリースによると、これまでに約150万人の会員がいる同社ではCOVID-19以降80万人以上の新規会員が増加し、さらに2020年8月末までに累計100万回のセッション提供を突破する予定だという。
  • Forbesの記事によると、Adams Street Partnersのパートナー・Thomas Bremner氏は同社サービスについて、以下のようにコメントしている。

2,800億米ドル規模の行動医学市場における最大の課題の一つはアクセシビリティです。テクノロジーを活用し、メンタルヘルスケアのスケーラビリティを促進する必要がある一方、個別化や人間的なケアを失ってもいけません。Lyraの優位性の1つがその”Blend Care”です。

背景:NAMI(National Alliance on Mental Illness)によると、米国では5人に1人が精神的不調を抱えており、中でも不安障害とうつ病が最も一般的な2つの症状となっている。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

イーロン・マスク氏のNeuralink、チップを脳に埋め込んだ豚を使い技術開発の進捗状況を披露

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カリフォルニア州フリーモントにある Neuralink 本社からオンラインでストリーミングされたカンファレンスの中で、Elon Musk 氏が出資する同社の科学者たちが進捗状況のアップデートを行った。今から1年以上前、ブレイン・マシン・インターフェースを作ることを目標に2016年に設立された Neuralink はそのビジョン、ソフトウェア、移植可能なハードウェア・プラットフォームを最初に明らかに…

Neuralink の外科手術ロボットのコンセプトイメージ
Image Credit: Woke Studios

カリフォルニア州フリーモントにある Neuralink 本社からオンラインでストリーミングされたカンファレンスの中で、Elon Musk 氏が出資する同社の科学者たちが進捗状況のアップデートを行った。今から1年以上前、ブレイン・マシン・インターフェースを作ることを目標に2016年に設立された Neuralink はそのビジョン、ソフトウェア、移植可能なハードウェア・プラットフォームを最初に明らかにした。この日議論されたことのほとんどは驚くべきものではなかったが、新型コロナウイルスの感染拡大が Neuralink の目標に向かって歩みを進めることを妨げていないことを明らかにしてくれた。

Neuralink のプロトタイプは、一度に多くのニューロンからリアルタイムの情報を抽出することができる、と Musk 氏はストリーミングで繰り返し述べた。ライブデモでは、豚の脳からの読み取った値が画面に表示された。豚が鼻で物体に触れると、Neuralink の技術(2ヶ月前に豚の脳に埋め込まれた)によって捕捉されたニューロンがテレビモニター上に視覚化された。それ自体は斬新ではないものの(KernelParadromics など多くの企業も、頭蓋骨の中にある脳読み取りチップを開発している)、Neuralink はミシン式の手術ロボットを使って、組織に挿入された曲げ折り可能なセロハンのような導電性ワイヤーを活用してい点でユニークだ。Musk 氏によると、7月に「Breakthrough Device」の指定を受け、FDA(米国食品医薬品局)と協力して麻痺者を対象とした将来の臨床試験に取り組んでいるという。

Neuralink の共同創立者である Tim Hanson 氏と Philip Sabes 氏は、ともにカリフォルニア大学サンフランシスコ校出身で、カリフォルニア大学バークレー校教授の Michel Maharbiz 氏と共同でこの技術を開発した。Musk 氏はこの日デモしたバージョンを「V2」と呼んでおり、昨年発表されたものよりも改善されている。Musk 氏は、全身麻酔を使わずに1時間以内に人間の脳内に埋め込むことがいつか可能になると確信している。彼はまた、患者が Neuralink のアップグレードや使用中止を希望する場合は、簡単に除去することができ、永続的な損傷を残すこともない、とも語った。

V2

Neuralink はミシンのデザインに関し、サンフランシスコに拠点を置くクリエイティブデザインコンサルタント会社 Woke Studios と協業した。Woke は1年以上前に、Neuralinkが2019年に発表した耳の後ろに配置するコンセプトモデルで Neuralink と協業を始め、2社はその後まもなく手術用ロボットのために再提携した。

Woke のヘッドデザイナーである Afshin Mehin 氏は、このマシンで脳の全体を見ることができると VentureBeat に電子メールで語った。

デザインのプロセスは、Woke Studios のデザインチーム、Neuralink の技術者、手術そのものについてアドバイスを与えてくれる一流の外科コンサルタントとの緊密なコラボレーションだった、

我々の役割は、特に、手術を行うことができる既存の技術を活用し、医療アドバイザーからのアドバイスや、この種の機器の医療基準に照らし合わせて、脳移植を行うことができる、威圧感のないロボットを作成することだった。(Mehin 氏)

マシンは3つのパーツで構成されていル。自動化された手術器具と脳スキャンカメラとセンサーを収容する「マシン頭部」に患者の頭蓋骨を固定する。最初に装置が頭蓋骨の一部を取り除き、術後に元の位置に戻す。その後、コンピュータビジョンのアルゴリズムは、血管を避けながら、5ミクロンのワイヤーと絶縁体の束を含む針を脳内に6ミリ誘導する。(Neuralink によると、このマシンは技術的には任意の長さに穴を開けることができるそうだ)。これらのワイヤー(人間の髪の毛(4〜6μm)の直径の4分の1)は、異なる場所と深さで一連の電極にリンクする。最大容量では、マシンは毎分192個の電極を含む6つのスレッドを挿入することができる。

マシンの頭部の周りに磁石で取り付けられバッグは一回使い切りによって無菌性を維持し洗浄が可能、また内側のファサード取り付けられたウイングにより、挿入中に患者の頭蓋骨が所定の位置に保つ。マシンの「本体」は全体構造の重量を支えるべくベースに取り付けられているが、本体にはシステム動作を可能にする他の技術を内包している。

Mehin氏 は、プロトタイプが診療所や病院で使用されるかどうかについての質問には答えなかったが、このデザインが広範囲 での使用を意図したものであると指摘した。

エンジニアとして、我々は何が可能かを知っているし、設計の必要性をわかりやすく伝える方法を知っている。また、Neuralink のチームは、我々が実行可能で非常に複雑な回路図を送ることができる。我々は、これが研究室の外でも、あらゆる数の臨床環境でも通用する設計であると考えている。

Link

昨年 Neuralink が詳述したように、試験用に設計された最初の脳内インターフェース「N1(別名「Link 0.9」)には、ASIC(特定用途向け集積回路)、薄膜、密閉基板が含まれており、最大1,024個の電極と繋ぐことができる。最大10個の N1/Link インターフェースを脳半球に配置でき、最適の状態では、少なくとも4つの脳の運動野と1つの体性感覚野に配置することができる。

Musk 氏は、2019年に示されたコンセプトと比較して、インターフェースが劇的に簡素化されたと語った。もはや耳の後ろに置く必要はなく、大きなコインサイズ(幅23ミリ、厚さ8ミリ)になり、電極が必要とするすべての配線はデバイス本体の1センチ以内に収まった。

ニューラルチップのプロトタイプを手にする Elon Musk 氏
Image credit: Neuralink

デモの間、チップをインプラントされた豚(名前は Gertrude)は、檻の中でハンドラーと戯れていた。その隣の檻には、別の豚が2頭いて、そのうちの1頭にはチップがインプラントされ後に除去された。3頭目の豚は比較対象のためのもので、チップはインプラントされ他ことがない。豚は硬膜と頭蓋骨の構造が人間に似ており、ランニングマシンの上を歩くように訓練することができ、その他の実験に役立つ活動を行うことができる、と Musk 氏は説明した。Neuralink がマウス、サルに続いて、3番目にインプラントを受ける動物として豚を選んだのはそういう理由からだ。

電極は、検出された神経パルスを、人間に埋め込まれた現在のシステムよりも約15倍優れた、最大1,536チャンネルの情報を読み取ることができるプロセッサに中継する。これは科学研究や医療用途の基準を満たしており、ベルギーの競合 Imec の技術「Neuropixels」よりも潜在的に優れており、何千もの別々の脳細胞から一度にデータを収集することができる。Musk 氏によると、Neuralink の商用システムは、96本のスレッドを介して1アレイあたり最大3,072個の電極を搭載する可能性があるという。

インプラントからのデータを使い、AI が豚の四肢の動きを予測
Image credit: Neuralink

インターフェイスには、慣性計測センサー、圧力センサー、温度センサー、電磁誘導で充電可能な1日間持続可能なバッテリー、デジタルビットに変換される前に神経信号を増幅してフィルタリングするアナログピクセルが含まれている(Neuralink は、アナログピクセルは、既知の技術状態の少なくとも5倍の大きさであるという)。1つのアナログピクセルは、10ビットの分解能で毎秒2万サンプルの神経信号を捕捉することができ、その結果、記録された1,024チャンネルごとに200Mbpsの神経データを得られる。

信号が増幅されると、それらは、神経パルスの形状を直接的に特徴づけるオンチップのアナログ/デジタル変換器によって変換され、デジタル化される。Neuralink によると、N1/Linkが入力された神経データを計算するのにかかる時間はわずか900ナノ秒だという。

2019年のカンファレンスで披露された、Neuralink のセンサー「N1/Link」
Image credit: Neuralink

N1/Link は、皮膚越しに Bluetooth で最大10メートル離れたスマートフォンにペアリングされる。Neuralink によれば、インプラントは最終的にアプリで設定可能になるそうで、患者はボタンを制御し、コンピュータのキーボードやマウスにスマートフォンからの出力をリダイレクトすることができるようになるかもしれない。この日のカンファレンスで再生されたビデオの中で、N1/Link は 高精度 で豚の四肢の位置を予測するアルゴリズムに信号を供給する様子が映し出された。

Neuralink の高尚な目標の一つは、四肢麻痺者が毎分40語でタイピングできるようにすることだ。最終的には、Neuralink のシステムが、人間が人工知能ソフトウェアと連携することを可能にする、Musk 氏の言う「デジタル超知能(認知)層(digital super-intelligent [cognitive] layer)」を作るために使われることを彼は期待している。彼によれば、1つの N1/Link センサーで何百万ものニューロンに影響を与えたり、書き込んだりすることができるという。

潜在的な障害

高解像度のブレイン・マシン・インターフェース(BCI)は、予想通り複雑で、神経活動を読み取って、どのニューロン群がどのタスクを実行しているかを特定できなければならない。埋込型の電極はこれに適しているが、昔からハードウェア上の制約から、電極が脳の複数の領域に接触したり、干渉する瘢痕組織(治癒過程の組織)を生成したりする原因となっていた。

しかし、小さな生体適合性電極の出現により、傷跡を最小化し、細胞群を正確にターゲットできるようになった(耐久性については疑問が残るが)。そして以前と変わらないのは、それぞれの神経プロセスについての理解が不足していることである。

Neuralink の機能
Image credit: Neuralink

前頭前野や海馬などの脳領域で脳活動が分離されることは稀だ。その代わり、脳活動は脳のさまざまな領域にまたがって起こるので、部位特定が難しい。さらに、神経の電気的インパルスを機械で読める情報に変換するという問題があるが、研究者たちはまだ脳のエンコーディングを解明できていない。視覚中枢からのパルスは、音声を形成するときに発生するものとは異なり、信号の発生源を特定することが困難な場合もある。

また、Neuralink は、臨床試験のためのデバイスを承認すべく規制当局を説得する必要がある。ブレイン・コンピューター・インターフェースは医療機器とみなされ、FDA からのさらなる同意が必要で、これを得るには非常に手間がかかる可能性がある。

おそらくこれを見越してか、Neuralink はサンフランシスコに独自の動物実験施設を開設することに関心を示しており、同社は先月、電話やウェアラブルの経験を持つ候補者の求人情報を公開した。Neuralinkは2019年、動物の手術を19回行い、約87%の時間でワイヤーの配置に成功したと主張している。

これからの道のり

これらのハードルは、90人以上の従業員を擁し、Musk 氏からの少なくとも1億米ドルを含め、1億5,800万米ドルの資金援助を受けている Neuralink を落胆させてはいない。しかし、STAT News が「混沌とした社風」と題した記事が、この課題を悪化させている可能性がある。Neuralink のスポークスパーソンは、New York Post の問い合わせに対してこの記事に回答し、STAT の調査結果の多くは「部分的または完全に虚偽のもの」であると述べた。

Neuralink は、電極を挿入するには、最初は頭蓋骨に穴を開ける必要があると考えているが、近いうちにはレーザーを使用し、一連の小さな穴で骨に穴を開けることを期待している。

これは、一見するとそれほど遠い話ではないように思えるかもしれない。コロンビア大学の神経科学者は、脳波を認識可能な音声に変換することに成功した。カリフォルニア大学サンフランシスコ校のチームは、脳を利用して人間の発声をシミュレートできる仮想の声道を構築した。2016年には、脳インプラントによって、切断手術を受けた人が義手の指を自分の考えで動かせるようになった。また、実験的なインターフェースにより、サルが車いすを操作したり、頭の中だけで1分間に12文字を入力したりすることが可能になった。

私は、発売時には、この技術はおそらく……かなり高価なものになるだろうと思う。しかし、価格は急速に下がるだろう。

手術を含めて……価格を数千ドル程度に抑えたい。レーシック(目の手術)と同じようなことが可能になるはずだ(Musk 氏)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

日本からメキシコに戻った起業家Oscar Noriega氏、Snapchatの支援を得てARミニゲームの一大プラットフォーマーを目指す

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読者の中には、以前 BRIDGE で取り上げた「Unda(または改称後の VideoSelfie)」というアプリを覚えている人がいるかもしれない。その名の通りセルフィー動画を撮影・加工・共有できる短編動画アプリで、この分野では、2008年〜2009年に流行った Seesmic を第一世代、Tiktok を最新の世代とするならば、ちょうどその中間の時期に市場の席巻を狙っていたと言っていい。 このアプ…

インタビューに答えてくれた Oscar Noriega 氏
Image credit: Masaru Ikeda

読者の中には、以前 BRIDGE で取り上げた「Unda(または改称後の VideoSelfie)」というアプリを覚えている人がいるかもしれない。その名の通りセルフィー動画を撮影・加工・共有できる短編動画アプリで、この分野では、2008年〜2009年に流行った Seesmic を第一世代、Tiktok を最新の世代とするならば、ちょうどその中間の時期に市場の席巻を狙っていたと言っていい。

このアプリを作った Pocket Supernova は、メキシコ人と日本人を両親に持つ Oscar Noriega 氏が共同創業者の2人と東京で設立したスタートアップだ。2013年にアメリカの 500 Startups のアクセラレーションプログラム第6期に採択され、2014年に East Ventures、KLab Ventures(当時)、CyberAgent Ventures(当時)からシード資金を調達。2015年には B Dash Camp 2015 Spring in Fukuoka で審査員特別賞を獲得した。筆者は彼とよく六本木界隈で出会したものだ。

日本のスタートアップシーンでもいくつかの足跡を残した Noriega 氏だが、2017年頃、自身のもう一つの原点であるカリフォルニアやメキシコに活動の場を戻した。我々が知る彼は2013年の来日以降のことだが、メキシコでは学生時代から複数のスタートアップを立ち上げた連続起業家としての顔を持つ。最初のスタートアップ Atomix.vg はラテンアメリカ有数のゲームニュースサイトに成長し Prowell Media に売却。2009年には、世界ブランドにデジタルマーケティングを支援してきた SCLBits を創業している。

AR ゲームの可能性

Google が提供するスマートフォン向け AR 開発フレームワーク「ARCode」と、Apple が提供するスマートフォン向け AR 開発フレームワーク「ARkit」を足すと、今年中には累積42億5,600万台のスマートフォンが AR に対応することになる(ARtillry Intelligence 2017年の予測)。2020年単体の増分だけで見てみると、新型コロナウイルス感染拡大に伴う売上落ち込みを加味していないが、世界中で新規出荷されるスマートフォンの2台に1台は AR に対応したモデルという計算になる。もはやスマートフォンは、AR のためのデバイスとさえ言っていい。

「Fanta Terror House」
Image credit: Wabisabi Design

AR ゲームの可能性はこれまでにも、Pokémon Go を世に出した Niantic が証明している。Niantic は、Google Earth の前身である Keyhole を生み出した John Hanke 氏が Google で立ち上げた社内ベンチャー。Pokémon Go のヒットの裏には、ポケモンが持つキャラクタ力、Niantic の絶大なる技術力やマーケティング力があったわけだが、駆け出しスタートアップがロールモデルとするには、いささか手にしている武器の数と種類が違い過ぎる。

一方、AR ゲームは高いユーザエンゲージメント力を持つため、ブートスラップモードの AR ゲームデベロッパにとっては、有名企業から AR ゲームの開発を請け負うビジネスモデルが確立しつつある。ロサンゼルスやメキシコに拠点を移した Noriega 氏は2018年に AR ゲームデベロッパ Wabisabi を設立。炭酸飲料ファンタのラテンアメリカ向けマーケティング施策の一環で、 Facebook 上のソーシャル AR ゲーム「Fanta Terror House」を世に出したところ、1週間でユーザを100万人獲得する快挙を達成した。

Fanta Terror House で AR ゲームの可能性を確信した Noriega 氏は、かくして本格的に AR ゲームの自前タイトルの開発に着手することになる。

ミニゲームの可能性

新たなゲームを開発してユーザを獲得するには、大きなマーケティングコストが必要になる。多くの競合がひしめくアプリストアの中で見つけてもらい、ダウンロードを促し、多くのユーザに定常的にゲームを楽しんでもらうまでもっていくのは一苦労だ。そこで昨今、注目を集めるのがミニアプリやミニゲームといった仕組み。ランタイム部分をソーシャルネットワーク側に依存できるので、アプリ単体の容量を比較的小さくできるのが「ミニ」の名で呼ばれる所以だ。

ミニアプリやミニゲームでは、ゲームデベロッパは既存のソーシャルネットワークのユーザベースを活用できるため、ユーザ獲得コストを抑えてスタートダッシュできるメリットがある。Facebook、Instagram、WeChat(微信)、LINE など、多くのユーザを擁する大手ソーシャルネットワーク上ではこういった動きが顕著だ。なかでも興味深いのは Snapchat の動向。Snapchat を運営する Snap は Instagram に Stories 機能が追加された際には株価下落に苦しむも、その後、AR に舵を切ったことで復活を遂げた。

Snap は昨年、サードパーティーが開発した数々のミニゲームや、Snapchat が持つ機能をミニアプリに開放し連携を許容する施策「Snap Games」を発表している。Snapchat を代表する機能の一つオリジナルアバター機能「Bitmoji」がサードパーティーのミニゲームで利用できるようになったのも記憶に新しい。そしてこうしたサードパーティーを巻き込む原動力の一つとなっているのが Snap が2018年に立ち上げたアクセラレータプログラム「Yellow」だ。

Snap は今年2月、Snap の第3期採択スタートアップ10社を公表。今年5月には採択各社に対して、15万米ドルずつ出資を実行したことが明らかにされた。そして、Oscar 氏が2018年に設立した AR ゲーム開発に特化したスタートアップ Wabisabi もまた、この採択された10社のうちの一つである。

Snap のアクセラレータ「Yellow」第3期採択のスタートアップ。前列最左が Oscar Noriega 氏。後列中央は Snap CPO 兼 Yellow ディレクターの Michael(Mike)Su 氏。
Image credit: Yellow

AR ゲームデベロッパにとっての Snapchat の魅力と課題

Snapchat をミニゲームのプラットフォームに選んだ時、ゲームデベロッパにとっての魅力は Snapchat の持つユーザベースの大きさだ。Snap が今年2月に発表したところでは、2019年第4四半期のデイリーアクティブユーザは2億1,800万人。新型コロナウイルス感染拡大からの巣篭もり消費が増えたことで、この数字はさらに伸び続けているものとみられる。

しかし、まだ解決できていない問題がある。Snap Games、すなわち、Snapchat と連携可能なサードパーティーが開発した AR ミニゲームアプリは、Google Play か iOS AppStore からダウンロードすることになる。ユーザから AR ミニゲームアプリを見つけてもらうにはまだ苦労を伴うのだ。そこで Wabisabi が Yellow への参加を通じてたどりついたのは、AR ゲームのためのプラットフォームというアイデアだった。

ARKD Games は、AR ミニゲームのためのプラットフォームだ(現在は iOS のみで、Android 向けは準備中)。AR ミニゲームを一つにまとめた場所を作りたくて、これを開発した。PC ゲームを集めたコミュニティ「Steam」の AR ミニゲーム版と思ってもらえばいい。(Noriega 氏)

ARKD Games は、複数の AR ミニゲームを備えた ARKD=アーケード(日本語で言う複数のゲームが楽しめるゲームセンターを、英語では amusement arcade と表現する)を目指している。現時点では Wabisabi が自社開発した AR ミニゲームを複数公開しているが、今後、他のサードパーティーの AR ミニゲームアプリデベロッパにも参加を促し、彼らのゲームタイトルも ARKD Games 上で楽しめるようにしていきたいという。まさに AR ミニゲームの Steam だ。

「ARKD Games」
Image credit: Wabisabi Design

アプリストアは競合?

ARKD Games の今後の展開について、Noriega 氏は次のように語ってくれた。

現在は、2つのことを進めている。ARKD Games 上でゲームを公開し、レベニューシェアすることに参加してくれるゲームデベロッパとの提携を増やすこと、そして、この AR ミニゲームのカタログを作り続けるための資金調達だ。我々の自らのタイトルを公開しているのは、他のデベロッパにインスピレーションを与え、一緒にやろうというモチベーションを持ってもらうためのものだ。

このところ、アプリ内課金を iOS AppStore を経由しないようにしたことを発端に、Apple と Epic Games の対立が激化している。有料アプリ本体の課金以上に、アプリ内課金の決済プラットフォームであり続けることは、アプリストアにとって重要な収入源を確保する上で譲れない部分ということなのだろう。

ARKD Games が同じような対立の図式にハマる可能性はあるのだろうか? まず、AR ミニゲームのカタログプラットフォームは、Wabisabi がそれを作る前に Snap が作っていてもよかったように思うが、Wabisabi が Yellow に採択されたという事実からは、Snap は Wabisabi がそうすることを半ば公に認めたと考えられる。

将来、ARKD Games においても、AR ミニゲームのダウンロード時課金や AR ミニゲーム内の課金が Google Play や iOS AppStore を完全に介さずに行われるようになったら、Google や Apple がどのような対応を見せるのかはわからない(現在はアプリストアを介しているようだ)。しかし、Snap という非常にユーザーエンゲージメントの強いプラットフォームを味方につけている Wabisabi にとっては、強気の戦略を描ける可能性はある。

かねてから、スマートフォンの OS のアプリストアがバンドルされている事態については、日本やヨーロッパで関係当局が独禁法違反の可能性を指摘するなど、その圧倒的な支配力の強さが問題となっている。ARKD Games が AR ミニゲームのプラットフォームになれるかどうかを占うには、さまざまな文脈から面白い時期と言えるだろう。

<参考文献>

DX時代、注目高まるAIチャットボット

ピックアップ:Napier Park Financial Partners invests in Kasisto as oversubscribed round closes at $22 million. ニュースサマリー:金融業界に特化した対話型AIチャットロボットを開発するKasistoは、顧客対応をチャットボットで自動化させるDXプラットフォームだ。小売りの取引からコーポレートバンキング、…

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ピックアップ:Napier Park Financial Partners invests in Kasisto as oversubscribed round closes at $22 million.

ニュースサマリー:金融業界に特化した対話型AIチャットロボットを開発するKasistoは、顧客対応をチャットボットで自動化させるDXプラットフォームだ。小売りの取引からコーポレートバンキング、ウェルスマネジメントの領域までカバーしたもので、同社はこれまでに2200万ドルを調達しており、今年2月にはシリーズBで700万ドルの資金調達を実施している。同社プロダクト特徴には、金融の知見があらかじめパッケージ化されていることが挙げられる。

重要なポイント:チャットボットは、コスト削減をするような守りの改善のためのツールである一方で、カスタマイズや即時対応によりチャットボットが売上高を増やしていくような攻めの側面も期待されている。例えば、ECでのチャットボットの活用による成約の実現の確度を上げることが想定されている。MARKETS AND MARKETSのレポートによると、対話型のAI市場は2020年の48億米ドルから2025年の139億米ドルへ、CAGRで21.9%成長すると予測されている。

詳細情報:Kasistoは、2015年から2018年にかけて284%成長し、デロイト社の2019年のTechnology Fast 500にも選定されるなど、今年5月にはFast Companyの選ぶ「最もイノベーティブなAI企業10社」に選定されるなど認知も高めている。

  • 2016年10月には、銀行や事業者向けのチャットボットサービスを大手クレジットブランドMastercardと共同開発する計画を発表した。Mastercard KAIという銀行用のMastercard botを提供し、Mastercard社のサービスをFacebookのMessengerなどのメッセージングプラットフォームで活用可能にすることで、顧客が日常の中で金融情報へのアクセスや意思決定を行えるようにすることを目指す。
  • Napier Park Financial Partnersのパートナー兼プライベート投資の共同責任者であるManu Rana氏は「Kasisto社のプロダクトの品質と導入の容易さ、同社の顧客の熱意、同社の持つデータの広さと深さに感銘を受けている」と述べ、世界の金融業界における同社の拡大をサポートするのを楽しみにしていると期待をにじませた。
  • IDCのAIソフトウェアプラットフォーム担当リサーチディレクターのDavid Schubmehi氏は、会話型AIの市場が急速な成長を続けるのは、関連技術が成熟しつつあり、組織がチャットボットを活用した顧客サービスの価値を認識し始めているからだと述べた。
  • IBMのレポートによると、初歩的な問い合わせ対応を自動化することによりカスタマーサクセスのコストを30%削減できるなど、顧客対応でのコスト削減がチャットボット利用の最大のメリットの一つとしている。

背景:チャットボットの普及が近年進んできた背景として、チャットボットの開発が民主化されてきたことが一因として挙げられる。実際に、米ChatfuelやパキスタンのBotsifyといった企業や、IBMやMicrosoft、Googleといった大手IT企業各社もチャットボット開発を容易にするツールを提供し始めている。

執筆:國生啓佑/編集:岩切絹代・増渕大志