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シンガポールのAIスタートアップViSenzeが、楽天ベンチャーズらのリードによるシリーズBラウンドで1,050万米ドルを調達

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e コマースおよびデジタルビジネス向けビジュアルテクノロジーを開発する人工知能(AI)企業 ViSenze は、楽天ベンチャーズのリードによるシリーズ B ラウンドを1,050万米ドルの調達でクローズした。ともにラウンドをリードしたのはクロスボーダー投資会社の WI Harper Group と、アメリカやアジアでアーリーステージテクノロジースタートアップに投資する VC の Enspire Ca…

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e コマースおよびデジタルビジネス向けビジュアルテクノロジーを開発する人工知能(AI)企業 ViSenze は、楽天ベンチャーズのリードによるシリーズ B ラウンドを1,050万米ドルの調達でクローズした。ともにラウンドをリードしたのはクロスボーダー投資会社の WI Harper Group と、アメリカやアジアでアーリーステージテクノロジースタートアップに投資する VC の Enspire Capital だ。

Singapore Press Holdings の投資部門 SPH Media Fund、Alibaba(阿里巴巴)の元 CTO である John Wu (吴炯)氏が設立したアジアの代替資産管理会社 FengHe Fund Management(風和投資管理)、Raffles Venture Partners、Phillip Private Equity と UOB Venture Management もこれに参加した。

資金は既存の画像認識テクノロジーへのさらなる投資、同社の国外事務所増員と拡大に使われる予定だ。機械学習とコンピュータビジョン研究開発チームを拡大するほか、アメリカおよびインド事務所の成長、イギリスと中国の新事務所設立に新たな資金が費やされる。

楽天ベンチャーズのマネージングパートナー Saemin Ahn(안세민)氏は次のように話している。

ViSenze は e コマース市場に AI テクノロジーを持ち込むことで多大なマーケットトラクションを獲得しました。持ち前のイノベーション DNA でショッピング体験をより簡単にするデジタルコンテンツプラットフォーム向けの新しいソリューションを開発しています。ビデオコマース向け新ソリューションにも大きな可能性を感じています。引き続き ViSenze に投資し、シリーズ B ラウンドをリードできたことを非常に嬉しく思っています。

ViSenze は e コマースビジネス、小売、コンテンツパブリッシング業界を対象にアドバンストビジュアル検索および画像認識ソリューションを開発している。機械学習とコンピュータビジョンを組み合わせたテクノロジーを基に、ViSenze は オンラインショッピングの消費者が e コマースプラットフォームで写真をアップロードするなどして閲覧・検索したり、ソーシャルメディアやビデオネットワークなどのコンテンツパブリッシャープラットフォームを利用したりする際、瞬時にビジュアル的に類似した商品を勧めてくれる。

同社のソリューションは大手 e コマース企業の楽天、ASOS、Myntra(Flipkart の子会社)や Lazada などがエンゲージメント率とコンバージョン率アップのために採用している。ブランドは ViSenze を使って画像をエンゲージメントに取り込み、パブリッシャーは ViSenze で自社のビジュアルメディアアセットをマネタイズする機会を生み出している。

ViSenze によると、過去12ヶ月間の収益成長率は300%を超えたという。

同スタートアップはサンフランシスコ、ニューデリーとシンガポールに事務所を構えている。シンガポール国立大学と中国の清華大学が共同で設立した著名な研究センター NExT のスピンオフだ。

ViSenze の共同設立者で CEO の Oliver Tan 氏はこう語る。

オンライン検索は私たちの生活の重要な一部となっていますが、ビジュアルショッパーの大多数が、キーワード検索は今のビジュアルウェブの世界では不十分だと言っています。私たちはオンラインユーザが情報を探す方法やオンラインで商品を購入する方法を簡素化することでこの問題を解決したいと思っています。

オンラインショッピングにおいては商品のビジュアル的特徴を詳細にとらえ、購入者が探しているものを販売している商品とマッチさせるようビジュアルショッピング AI を訓練しています。弊社研究開発チームによる継続的な検索品質の向上とイノベーションにより、弊社小売業クライアントのコンバージョン率は最高で70%増加しました。

同社は現在、ビジュアルコンテンツサイト用に発見主導型のショッピングソリューションを準備している。このソリューションでは、ショッピングに興味を持たせるビジュアルコンテンツサイトと求められている商品のギャップに焦点をあてている。

ViSenze は2014年に楽天ベンチャーズがリードし Walden International(WI)、UOB Venture Management(UOBVM)を新たな投資家として迎えたシリーズ A で350万米ドルを調達している

【via e27】 @E27co

【原文】

楽天台湾「ViSenze」、ファッションコマースでの画像検索機能は有望だが、まだ改善の余地あり

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文字入力の検索は過去のことだ。AppleやGoogleが競争を繰り広げているように、今や音声や画像認識の時代である。 この大手テクノロジー2社が激しく競争している中、ViSenzeというシンガポールのスタートアップ(NUS、シンガポール国立大学リサーチプロジェクトのスピンオフ)が検索分野に参入してきた。eコマースプレイヤーのRakutenおよびClozetteと提携して、服のタイプ、スタイル、色、…

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文字入力の検索は過去のことだ。AppleやGoogleが競争を繰り広げているように、今や音声や画像認識の時代である。

この大手テクノロジー2社が激しく競争している中、ViSenzeというシンガポールのスタートアップ(NUS、シンガポール国立大学リサーチプロジェクトのスピンオフ)が検索分野に参入してきた。eコマースプレイヤーのRakutenおよびClozetteと提携して、服のタイプ、スタイル、色、模様のファッションアイテム付きの画像のアップロード、検索結果の確認ができるようになった。

Fashion Finderは次の2つのサイトで利用できる。1つは楽天とシンガポールのファッションコミュニティーClozetteとのジョイントベンチャーである www.oshare.com.tw で、もう1つは www.rakuten.com.tw/event/funsearch だ。

ViSenzeによれば、この技術は他にも応用ができるという。車や電化製品のウェブサイトに役立つだろうし、広告主は検索結果のページを視覚的に訴える広告とマッチさせることができる。例えばサングラスを探しているユーザは、似た形、モデル、色のサングラスの広告を閲覧することができるといった具合だ。

この技術はGoogleの画像検索の特徴を連想させるだろう。画像認識のビジネスをしているスタートアップとしては他にGraymaticsがあり、同技術を広告とフィルタリングに応用している。ここでは、画像と検索語句の関連性がポイントだ。ViSenzeが成功するか否かは有用な検索結果を提供する能力がどの程度あるかにかかっている。

しかし、検索ユーザの意図を測定するのはとても困難であろう。買い物客の中には既に欲しいものが決まっている人もいれば、とりあえず検索をかけて何が出てくるのかを見てみようとする人もいるからだ。特に女性は後者の傾向の方が強いだろう。

筆者はこの技術をちょっとテストしてみることにした。

最初に気づいたのは、Googleの画像検索やGmailで採用されているのと同じドラッグアンドドロップ機能がないことである。現在、Fashion FinderはURL検索と画像のアップロードのみ可能だが、その方法はややこしい。

それからインターネットからの画像をもとに検索エンジンを試してみた。これがその結果だ。(赤い縁取りがしてあるのが検索入力に使用した画像だ。)

      検索結果#1:確かに背景から前景まで全体が写った複雑な写真だが、ViSenzeの技術を試すにはこれ以上のものがあるだろうか?そのうえ、今日のコーデ(Outfit of the Day=OOTD)のような写真をアップロードしたいユーザもいるだろうから、そのような写真を適切に認識できるだけの技術が必要になってくる。検索結果を見てみると、写真のバッグを認識しているのでアルゴリズムは正常に機能しているが、検索結果はどちらかといえば、元の画像とは違っていた。

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      検索結果#2:ハードルを下げる意味で、対象物がはっきりするような背景がぼけた写真を使ってみた。しかし、なぜか検索エンジンの検索結果は、ストライプの格好ばかりだった。使用した写真に写っている影の帯に原因があるのかもしれない。

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      検索結果#3:背景が雑然としていたので、クロースアップ画像で試してみた。検索エンジンはTシャツにベストを合わせた格好を認識することができたが、検索結果は違うスタイルの組み合わせになってしまった。検索結果には似たようなベストさえもなかった。

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      検索結果#4:もっとシンプルな格好を試してみた。今回は画像の色合いを認識し、面白い検索結果が出た。ただ、なぜ女性の服が含まれていたのだろう?

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      検索結果#5:複雑なものは外し、白の背景にシンプルなブラウスで試してみた。今回Fashion Finderの混乱も少なく色合いはちゃんと認識できていたが、検索結果にはまだ違ったスタイルのものが含まれていた。

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      検索結果#6:ショッキングピンクのバッグの写真で検索すると、ショッキングピンクのバッグがたくさん見つかった。これは非常に簡単だった。

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      検索結果#7:このタイプのストライプのシャツはうまく認識できていた。検索結果の右上の女性用のシャツ以外は一致していた。

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多くの検索を行った結果、同社の技術的な弱点は理解できた。同検索エンジンは、OOTD画像のように一体感のある複雑な組み合わせのものは苦手としているが、その代わりに、シンプルでコントラストが強く1点に的を絞った画像には向いているようだ。

今のところ同検索エンジンはユーザ行動に関しては把握することができていない。おそらく「発見するための」検索と「具体的な」検索を切り替える機能をつけるといいのかもしれな。また、色、テクスチャー、スタイル、さらには性別などで優先順位をつけたりフィルターをかけたりする機能も役に立つだろう。

とにかく、ユーザから寄せられるフィードバックにより技術は改善されることになるだろう。ことによるとユーザは関連性などはまったく気にしないかもしれないが。

しかし当面の対策として、RakutenあるいVizSenseは、この技術の限界を回避するためのユーザガイドを作ることを考えた方がいいだろう。

【via SGE.io】 @SGEio

【原文】