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ネコの見守りデバイス&サービス開発のRABO、プロダクト第2弾「Catlog Board」を発表

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ネコの首に装着できるウェアラブルデバイスとアプリからなるソリューション「Catlog(キャトログ)」を開発する RABO は5日、ネコのトイレの下に挿入することで、猫の体重と尿量・回数を自動で記録するデバイス「Catlog Board(キャトログボード)」を発表した。本日からクラウドファンディングを開始し、商品発送は2021年7月となる予定。一般販売予定価格は1台8,800円(税抜)。 Catlo…

ネコの首に装着できるウェアラブルデバイスとアプリからなるソリューション「Catlog(キャトログ)」を開発する RABO は5日、ネコのトイレの下に挿入することで、猫の体重と尿量・回数を自動で記録するデバイス「Catlog Board(キャトログボード)」を発表した。本日からクラウドファンディングを開始し、商品発送は2021年7月となる予定。一般販売予定価格は1台8,800円(税抜)。

Catlog Board はネコの体重と尿量など排泄物の量やトイレの回数を自動記録し、体重変化や泌尿器系のトラブルのサインを検知するボード型デバイス。発売済の首輪型ウエアラブルデバイス「Catlog ペンダント」でも行動変容から健康上の懸念を検知することは可能だが、Catlog Board と合わせ排尿の様子をダブルで検出することで、多飲多尿の兆候をより高い精度で観測できる。

具体的には、ネコの水飲み回数を首輪型デバイスで、体重・尿量・尿回数を今回発表のボード型デバイスで検出することで、ネコの健康管理に加え、腎臓病などの早期発見に役立てられる可能性があるとしている。多頭飼いにも対応し、複数ネコが1つのトイレを共有した場合でも AI がどのネコかを自動識別し、Catlog ペンダント と Catlog Board が通信することで識別精度を上げる。

ネコは神経質な動物であるため、トイレの形状や大きさが変わるだけでも排泄をしなくなる(実際には、別の場所で粗相するようになってしまう)。このため、RABO では、従来のトイレを維持したままデータが取得できるよう、Catlog Board をトイレ下に挿入する形を採用した。水分を扱うトイレに近い場所であることから、電源コードはつけず、バッテリで3ヶ月程度稼働するようにした。

Catlog ペンダントや Catlog Board から収集されたデータは、一元的に Catlog のモバイルアプリで見られるようになる予定。現在は「食事」「運動」「睡眠」など6種類に行動を分類しており、今月中には新たに「水飲み」もリリースも行動検知できるようにする予定。RABO では現在、「嘔吐」など異常行動の検知もできるように現在開発を進めているという。

Catlog ペンダント、Catlog Board と続き、今後、さらなるハードウェア展開を加速する可能性も想像できるが、RABO では蓄積された膨大なビッグデータによる診療や予防医療領域、あらゆるネコに必要なモノの選択に連携していく計画としている。Catlog を利用するユニーク猫数は2020年1月現在1,000匹超で、記録された行動データの累積は3億件を突破。

RABO は、愛猫家であり、東京海洋大学大学院の博士前期課程でバイオロギング(行動生態計測)を研究していた伊豫愉芸子(いよ・ゆきこ)氏らにより2018年に設立されたスタートアップ。2019年4月にシードラウンド、2020年1月に直近ラウンドを実施し、これまでに累積で1億数千万円を調達している。

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【新・Apple Watchレビュー】睡眠に入るためのルーティーンを教えてくれる(3/3)

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スリープトラッキング機能より「Wind Down」 (前回からのつづき)実際のところ、スリープトラッキング機能についてはそこまで感動するものではない。ただ、付随機能である「Wind Down」は眠りにつくための様々なアプローチを提供してくれる。同機能により「Do Not Disturb」機能を徐々に開始し、眠りへと導く仕組みが提供される。 Wind Downではショートカットを作成可能で、音楽のプ…

スリープトラッキング機能より「Wind Down」

(前回からのつづき)実際のところ、スリープトラッキング機能についてはそこまで感動するものではない。ただ、付随機能である「Wind Down」は眠りにつくための様々なアプローチを提供してくれる。同機能により「Do Not Disturb」機能を徐々に開始し、眠りへと導く仕組みが提供される。

Wind Downではショートカットを作成可能で、音楽のプレイリストやポッドキャスト、読書、ヨガや瞑想など、ユーザーが睡眠に入るためのリラックス用途に応じた行動を促してくれる。ショートカットはロック画面に表示されるため、シームレスなアクセスが可能となる。これら機能は、実質OSレベルの統合で実装されており、スリープトラッキング機能がユーザーの睡眠管理体験に多く関与してくる可能性があることを示している。つまり、スリープトラッキングが仮に実装されていなかったとしてもWind Downは単体で必要性を感じる機能であったのだろう。

今後の期待

スリープトラッキングは、長年スマートウォッチユーザーのウィッシュリストに入っており、ついにwatchOS 7でAppleが実装するに至った。しかし実際のところ、現状においてライフスタイルが直接的に向上するまでの実用性とまでは言えない結果となった。筆者は1週間かけてスリープトラッキング機能を試してみたものの、睡眠管理されることへのプレッシャーからいつも通りのルーティーンへ戻ることを決めた。

とはいえ、Appleは現時点の機能はあくまでバージョン1.0と捉えているはずであり、今後の更なる開発によりUXが劇的に改善される可能性は高い。心拍数がわかるような、より実用的かつ相互の関連性が参照可能なデータを導入することで、例えばユーザーが夜中に目覚めている根本的な原因を追究できるかもしれない。こうした機能の実現は、周囲の騒音測定や睡眠を共にする人物・動物がいるのかなどもデータ同期が必要となるだろう。しかしそれと同時に、プライバシーに対する懸念が集まることが予想されるためAppleは慎重な姿勢を見せていると思われる。

もし既にApple Watchを持っている、もしくはスリープトラッキング機能を試すため購入を検討しているのなら、現時点における同機能への期待は低く設定しておくべきだ。しかしもちろん、特定のユーザーにとっては大いに役立つことも期待できるため、試してみる価値はある。少なくとも、Appleが機能をリリースしているということは何かしらの発見体験が得られることは間違いない。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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【新・Apple Watchレビュー】寝たかどうかを正確に判断(2/3)

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睡眠データの有用性 (前回からのつづき)スリープトラッキングアプリのUIは至ってシンプルだ。好みの就寝ルーティーンを設定すれば、該当する時間に間でトラッキングをしてくれる。トラッキングスケジュールは、平日の1日ごとに設定するか平日と週末のどちらかをまとめて設定することが求められる。 Apple Watchが収集するデータが正しいと想定すると、ディスプレイに表示されるデータは非常に細かく集計されてい…

睡眠データの有用性

(前回からのつづき)スリープトラッキングアプリのUIは至ってシンプルだ。好みの就寝ルーティーンを設定すれば、該当する時間に間でトラッキングをしてくれる。トラッキングスケジュールは、平日の1日ごとに設定するか平日と週末のどちらかをまとめて設定することが求められる。

Apple Watchが収集するデータが正しいと想定すると、ディスプレイに表示されるデータは非常に細かく集計されていることが分かる。タイムスタンプは就寝時間と起床時間を表しており、バーチャートは過去14日間の比較を目的としている。さらに詳細が気になる場合は、Healthアプリより「平均就寝時間」・「平均睡眠時間」を確認することもできる。

ただ、一晩寝ただけだと情報量があまりにも少なく驚くだろう。Healthアプリは、水色の就寝時間と濃い青で実際の睡眠時間を重ねたバーのみが表示されているだけだ。深い眠りだったのか、レム睡眠なのかなどについての情報かどうか、心拍数や他の情報を比較することもできない。

同社によれば、あまりにも多くの情報を提供することは今まで以上に睡眠に対する不安要素を作り出す可能性があり、機能に制限をかけているとしている。しかし、現状においては不便さの方が勝る結果となった。

驚くほどの正確さ

最もポジティブな要素として挙げられるのは、確かに機能としては少ないものの示すデータの正確性だろう。Watchは動きの情報、手首の位置、心拍数などのセンサーデータを基に、単に就寝準備に入った状態と睡眠状態を区別することに成功している。眠りに落ちるまでに要した時間は水色のバーと、濃い青のギャップで分ごとに示されている。筆者の2人の友人と子供の様子も同じように計測されていた。

筆者の子供の睡眠バーを観察すると、一定期間で睡眠の短い中段が計測されていることが分かった。こうした繊細なデータトラッキングは、将来的に行き過ぎたデータの利用だと捉えられることをAppleは懸念しているのかもしれない。しかし究極的には、ユーザーがどれだけ情報を得たいかのコントロールをすることが可能であれば特に問題であるとは言えない。現状はただ、睡眠データが反映されたものを受け取るだけだが将来的には変わる可能性がある。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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【新・Apple Watchレビュー】待望のスリープトラッキング、その体験は・・(1/3)

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朝目覚めた瞬間から最高のパフォーマンスを発揮したいと考えているエグゼクティブや、家族のために夜のルーティンをより良いものにしたいと考えている親なら、おそらくウェアラブルデバイスによるスリープトラッキングについて聞いたことがあるだろう。睡眠をモニタリングすることによって健康と生産性を向上させてくれるスリープトラッキングは急速に普及している。今月、AppleはwatchOS 7の無料アップデートで数千…

watchOS 7のスリープトラッキング機能を搭載した「Apple Watch Series 6」
Image Credit: Jeremy Horwitz/VentureBeat

朝目覚めた瞬間から最高のパフォーマンスを発揮したいと考えているエグゼクティブや、家族のために夜のルーティンをより良いものにしたいと考えている親なら、おそらくウェアラブルデバイスによるスリープトラッキングについて聞いたことがあるだろう。睡眠をモニタリングすることによって健康と生産性を向上させてくれるスリープトラッキングは急速に普及している。今月、AppleはwatchOS 7の無料アップデートで数千万台のApple Watchにこの機能を追加した。またFossilも8月にGoogle Wear OSの腕時計の一部にこの機能を追加した

一方、研究者やウェアラブル開発者が数年に渡って取り組んだにもかかわらず、有意義なスリープトラッキングは現実というよりも夢に近い状態のままだ。watchOS 7のパブリックベータ版のスリープトラッキング機能を試用した上で、先週、筆者は完成版をテストしてみた。それに伴ってウォッチの充電ルーティンを変え、毎晩着用したまま眠り、毎日スマートフォンでインサイトを確認した。このテストを通して非常に価値のあるソリューションの核となる部分を体験できたが、ごく初期のApple Watchのように中途半端で完璧なものとは言えなかった。

さしあたり、筆者は忙しいビジネスパーソンが現状のスリープトラッキングアプリで貴重な時間を無駄にすることは正直おすすめできない。競合によるソリューションも同じくだ。最新の素晴らしいApple Watchでさえ、ユーザーが有益なインサイトを手に入れることはほとんど望めないし、日中にウォッチを充電しなければならないという不便さもある。

ユーザーが何年もかけて「ナイトスタンドモードで置いておく」システムを受け入れ始めたにもかかわらずだ。ともかく分かったのは、多くのユーザーはスリープトラッキングを使う前に、もっと完成度の高いソフトウェアとハードウェアを待ったほうがよいだろう。しかし、もしもこの機能をすぐに試したいのなら、追加料金なしでテストすることはできる。

筆者がテストで分かったことを紹介したい。

バッテリーの寿命が相変わらずのネック

2015年に最初のApple Watchが登場して以来、Appleは18時間おきに充電するというバッテリー寿命の保証内容を変えていない。もし長電話をしたり、データ使用量が多かったり、長時間のジョギングやワークアウトをトラッキングしたりすれば実際の使用可能時間はずっと短くなる。一方で、最新のApple Watchは新機能を削除するか、ごく軽い使い方しかしないのなら、実は18時間以上もつ。いずれにしてもAppleのガイドラインはシンプルだ。毎朝Apple Watchを腕にはめること、日中はバッテリーの心配がいらないこと、そして毎晩充電すること、この繰り返しだ。

スリープトラッキングでは当然、ユーザーが一晩中ウォッチを身に着けなければならない。この機能の追加に5年もの準備期間があったと考えれば、Appleは数日間の連続使用を可能にするために筐体を大きくしたり、より電気効率を良くすることができたはずだ。競合の中にはその道を選び、連続使用可能時間で差別化を図る者もいる。Appleはそうする代わりにデザインで妥協しないことを選んだ。最近はシャワータイムの間だけ充電すればよいというアイデアが浮上している。

もし充電していなくて就寝時にバッテリー残量が30%未満だと、スリープトラッキングには支障が出る。この機能は基本的なバックグラウンドプロセスとは言えず、一晩中トラッキングするには多くのバッテリーを消費する。Apple Watchのバッテリー寿命にどのくらいの影響があるのか分からないが、スリープトラッキングのせいで充電池がこれまでより早く劣化し、修理や早期交換の必要性が高まるかもしれない。

特に当初はスマートウォッチの着用率が減少していたこともあり、Appleは数千万人の人々に夜間の充電を習慣づけさせることに成功した。よって、今は信じがたいが、これはユーザーの何割かを日中に充電するやり方に変更させるチャンスかもしれない。だが、思うに夜間に睡眠データをとるだけのために、日中の受動的使用という楽しみを中断して腕からウォッチを取り外し、充電しなければならないのはスリープトラッキング最大の弱点ではないだろうか。毎日面倒な思いをすることとデータの有用性を天秤にかければ、この煩わしさに耐えうるほどスリープトラッキングに価値があるとは思えない。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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Apple、9月15日のイベントは「Apple WatchとiPadがメイン」と発表(更新済)

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今年のiPhoneのローンチは数週間遅れそうだが、Appleは今月中に毎年恒例の秋のイベントを行う予定だ。同社は9月8日、メディアイベントを9月15日に開催することを発表した。これは例年のiPhoneおよびApple Watchの発売日から約1週間遅く、新デバイスの発売は10月になると見込まれている。しかし、このイベントにはiPhoneの新機種は盛り込まれておらず、Apple WatchとiPad…

Image Credit: Apple

今年のiPhoneのローンチは数週間遅れそうだが、Appleは今月中に毎年恒例の秋のイベントを行う予定だ。同社は9月8日、メディアイベントを9月15日に開催することを発表した。これは例年のiPhoneおよびApple Watchの発売日から約1週間遅く、新デバイスの発売は10月になると見込まれている。しかし、このイベントにはiPhoneの新機種は盛り込まれておらず、Apple WatchとiPadの新モデルをフィーチャーしたイベントになりそうだ。

同社の世界開発者会議、WWDC20と同じく、このイベントは対面ではなくバーチャルで開催され、全世界にライブ配信される。Apple.comでの配信のスタートは太平洋時間午前10時(日本時間9月16日午前2時)で、ブラウザやiOSのTVアプリ、tvOSデバイスで視聴することができる。

センサーとバッテリーが向上したApple Watch Series 6はこのイベントで披露されると期待されている。一方iPad Airはデザインが一新されるようだ。一説にはApple Watch Series 3からSeries 5への交換も発表するらしい。ただし心電図機能は搭載されない。不確定だがApple TV 4K+や、Apple Silicon搭載のMac、あるいは紛失防止トラッカーの「AirTag」からヘッドホンの「AirPods Studio」まで多くのアクセサリ類も発表されるかもしれない。

中には10月のイベントまで保留になる製品や、年内には発売されないものもありそうだ。iPhone 12シリーズは主力サイズ2機種と上位2機種の計4機種が9月のイベントで発表されると見られていた。差別化のポイントはカメラ、ボディの素材、高速通信技術の5Gへの対応などだ。iPhoneの新機種は新型コロナウイルスの影響で生産が遅れ、販売数が限定される可能性があるが、年内には広く入手できるようになると予想されている。

同イベントではiOS、iPadOS、tvOS14、watchOS7、macOS Big Surといった6月のWWDCで正式発表されたOS群の発売日も発表されるだろう。昨年のイベントでは、Appleは結果的に数週間遅れてしまったmacOS Catalinaを除き、すべてのOSについて確定リリース日を発表している。

VentureBeatはイベントのライブ配信を視聴し、Appleからの主要な発表をすべて確かめるつもりだ。

太平洋時間9月8日8時50分更新:このイベントの焦点がiPhoneではなくApple WatchとiPadであると予想される点を更新した。上のロゴはAppleのイベント特設サイトに掲載されていたもの。同社は後に、WatchとiPad Airを暗示する「Time Flies(光陰矢の如し)」というキャッチフレーズを発表した。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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nnfとアシックス、履いて走るだけでコーチを受けられるスマートシューズ「EVORIDE ORPHE」を発表——Makuakeで事前予約を開始

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no new folk studio(nnf)とアシックス(東証:7936)は、両社が持つそれぞれの技術を集めたセンサー搭載ランニングシューズ「EVORIDE ORPHE(エボライドオルフェ)」のリリースを発表した。 この製品は、アシックスのランニングシューズ「EVORIDE」のインナーソールに、nnf が開発したセンサーモジュール「ORPHE TRACK」を搭載したもの。両社は今年初め CES …

Image credit: ASICS / no new folk studio

no new folk studio(nnf)アシックス(東証:7936)は、両社が持つそれぞれの技術を集めたセンサー搭載ランニングシューズ「EVORIDE ORPHE(エボライドオルフェ)」のリリースを発表した。

この製品は、アシックスのランニングシューズ「EVORIDE」のインナーソールに、nnf が開発したセンサーモジュール「ORPHE TRACK」を搭載したもの。両社は今年初め CES 2020 に試作品を出品していたが、これが実用販売されることになる。

本日から10月18日まで Makuake でクラウドファンディングが実施され、製品は2020年11月以降出荷される予定。12月からはアシックスの一部直営店やアシックスオンラインストアでの販売も計画されている。

Image credit: ASICS / no new folk studio

EVORIDE ORPHE は、履いて走るだけでランニング中の足の動きをデータ化し、ランナーの走り方の特徴を可視化することで目標達成をサポートするスマートシューズ。ミッドソール(甲被と靴底の間の中間クッション材)内部にセンサーを搭載している。

走行中の距離、ラップタイム、ペース、ストライド(歩幅)、ピッチ、着地エリアや時間、接地角度、着地衝撃などのデータを取得し、それらのデータとアシックススポーツ工学研究所の知見を組み合わせ、走り方の評価スコアを算出する。

ランナーの足運びの特徴や改善ポイントを可視化できるほか、パーソナライズされたアドバイスやおすすめトレーニングメニューを提供。ランニング中にリアルタイムで音声コーチングを受けることも可能だ。

no new folk studio は今年1月、アシックス・ベンチャーズから資金調達したことを明らかにしていた(調達金額は非開示)。アシックスはまた、2016年にフィットネス・トラッキングアプリの「Runkeeper」を買収している

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ウェアラブル搾乳ポンプ「Willow」のCEOに元Airbnbの女性幹部が就任、母の経験伝える

ピックアップ:How Airbnb exec Laura Chambers landed her first CEO job at femtech startup Willow just as the pandemic hit ニュースサマリー:元AirBnB、eBayの幹部で3児の母でもあるLaura Chambers氏が、6月16日、搾乳器を製造販売するWillowのCEOに就任した。 詳細情…

画像出典:Willow

ピックアップ:How Airbnb exec Laura Chambers landed her first CEO job at femtech startup Willow just as the pandemic hit

ニュースサマリー:元AirBnB、eBayの幹部で3児の母でもあるLaura Chambers氏が、6月16日、搾乳器を製造販売するWillowのCEOに就任した。

詳細情報:Willowは2014年カリフォルニア州にて設立。動作音のないのウェアラブル搾乳ポンプを開発・販売している。従来の搾乳器にある長いチューブやコード、ボトルが付随しないオールインワン型のため、母親はどこでも搾乳を行えることが特長。ワーキングマザーが増え、マルチタスクがより求められる時代に、搾乳を手軽にすることで母親たちが母乳育児を続けることを支援している。

  • 同社の収益は2018年から2019年にかけて前年比140%増となり、2020年も前年比50%近くまで伸びることが予想されている。
  • Amazon、buybuybaby.com、Babylistなどの主要なオンライン小売チャネルでの取引を大幅に拡大し、ユーザー数は現在7万人程度で2018年から2019年にかけて120%増加したという。
  • 同社プレスリリースによると、直近では2019年12月に2,000万米ドルを調達し、累計1億米ドルを調達している。
  • 今回CEOに就任したChambers氏は2018年7月〜2020年6月まで、AirBnBで2年間従事し、ホストのコミュニティ部門のゼネラルマネージャーを務めていた。Willowの共同創業者で会長のJosh Makower氏からの打診を受け、自身の母親としての経験からCEO就任を決めた。Chambers氏は、同プレスリリースで下記の声明を発表している。

「母」という経験は素晴らしいものですが、時に信じられないほど困難です。私はこの8年間、管理職であると同時に母親でもあり、常にそうした振れ幅の中で生きる母親たちをサポートしたいという使命感を抱いていました。母親には、イノベーションと素晴らしいデザイン、そして大切なものを守るためのテクノロジーソリューションが必要です。

背景:BabyTechマーケット価値としては、Forbesが昨年5月に460億ドルと試算しているものがある。この中で、2013年から同マーケットのスタートアップに対して投じられた資金は5億ドルに到達している。

執筆:理沙子(Risako Taira)/編集:増渕大志

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8億人の老眼を救う、モジュール式眼内レンズ「Atia Vision」の可能性

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Video Credit:Atia Vision ピックアップ:Atia Vision Closes Second Tranche of $20M in Series D Financing ニュースサマリ:老眼矯正用の眼内レンズを開発する「Atia Vision」は5月19日、シリーズD2,000万ドルの第2トランシェを終了した。本シリーズはCorporant Asset Managementが…

RPReplay_Final1590531176 2Video Credit:Atia Vision

ピックアップ:Atia Vision Closes Second Tranche of $20M in Series D Financing

ニュースサマリ:老眼矯正用の眼内レンズを開発する「Atia Vision」は5月19日、シリーズD2,000万ドルの第2トランシェを終了した。本シリーズはCorporant Asset Managementが主導し、Capital Partnership(TCP)、AMED Ventures、Shangbay Capitalが参加した。

同社は2012年にカリフォルニア州キャンベルで創業。眼科市場の最大セグメントである白内障および老眼の視野回復を目的とした眼内レンズを開発する。

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Image Credit:Atia Vision

話題のポイント:人間であれば避けて通れない道、それが老眼と白内障です。老化と共に水晶体に支障が生じることで視界が霞んだり、近くが見えなくなるこの2つの病気は、世界中で白内障が6,520万人、老眼が8億2,600万人の未治療患者がいると言われています(WHO調べ)。

一度発症すると自己治癒、薬の投与での回復は叶わず、手術による治療以外に治す方法はありません。ただし、白内障の手術は日本で年間140万件、世界中で2,000万回件行われる比較的ポピュラーなものであり、麻酔も目だけの局所麻酔、日帰りの手術が可能であることからも手術件数が多い病気です。

白内障手術では濁った水晶体を取り除いて代わりの眼内レンズ(IOL)を挿入します。眼内レンズは主に単焦点レンズ、多焦点レンズ、非点収差補正レンズの3種類。それぞれ一長一短があって絶対的に良いものがないため生活様式に合わせてレンズを選択する必要があります。言い換えると、術後は多少のデメリットを抱えて元の状態に戻ることはないということです。

40歳の6人に1人、70歳を超えると2人に1人の割合で水晶体に障害を持つ現状を踏まえると、自分が罹らないと考える方が不自然です。人生100年と言われる時代、手術をしても元の状態に戻れずに副作用(ハロー、グレアなど)を抱えて数十年生きていくのは不便すぎますが、これが現在の妥協点です。

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Image Credit:YourSightMatters

今回取り上げたAtia Visionは眼内レンズに新しい選択肢を生み出すスタートアップです。遠くから近くまで、完全な視野の回復を目的としたモジュラー老眼矯正眼内レンズを開発しています。

そもそも水晶体と眼内レンズの決定的な違いは屈折率を柔軟に調整できる点です。物体との距離に応じて厚みを変えることができる水晶体は、近ければ厚くして屈折率を上げ、遠ければ薄くすることで屈折率を下げて焦点を合わせています。

つまり、目が物を見る時に水晶体を操作する筋肉の動きを利用して屈折率を変えられる、そんな便利な眼内レンズがあれば水晶体を代替できるわけです。Atia Visionはこんな机上の空論のようなコンセプトを実現しようとしています。

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Image Credit:Atia Vision

モジュラー老眼矯正眼内レンズはBase LensとFront Opticの2つで構成されています。Base Lensが目の自然な動的調節メカニズムを模倣しているため屈折率調整の役割を持ち、Front Opticは患者ニーズに沿う機能を持たせることが可能な設計です。実際、公表されている実験値からは焦点をシームレスに合わせられる様子が観測されています。

とりわけ、Base Lensの完成はAtia Visionを未解決者が9億人もいる市場で不動のポジションを確立するのに最も重要な成功となるでしょう。いわばBase Lensは「眼のプラットフォーム」です。

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Image Credit:Atia Vision

Base Lensは基本的には一度臨床試験をパスすれば開発する必要はなくなり、患者の数だけ作り続ければよくなります。変数を持つFront Opticの技術開発に集中しつつ、Base LensとFront Opticの標準規格を設けることでサードパーティの参加を促し、トータル販売価格が低い製品を生み出すことが可能です。

実は視力障害の有病率は所得地域で格差があり、低中所得地域の有病率は高所得地域の4倍と推定されています。特にアフリカの近見障害率は80%を超えます。機能面の充実だけでなくAndroidと同様にサードパーティを巻き込むことで廉価版を安く販売する戦略を取れれば、多くの人の課題を解決しつつ、薄利多売を避けて収益構造が強固としていけます。

もちろん、医療品であり保険適用の有無も絡むため従来のデバイスと全く同じやり方が適用できるわけではありませんが、Base Lensはビジネス戦略を強気に攻めれる大きな武器となるでしょう。

現在はヒト初回投与試験(FIH)の生体適合性および前臨床試験に臨んでいる段階だそうです。製品として市場に登場するのはまだ先になる見込みで、今回の資金調達はこの初期試験に使用される予定です。

日本では2007年に多焦点眼内レンズは承認され、2020年4月から眼鏡装用率軽減を目的とした多焦点眼内レンズの使用は厚生労働省が定める選定療養となりました。レンズ代が自己負担で変わりはないのですが、大きな進歩だと言えます。

超高齢化社会を迎え、経済発展が乏しくなった日本はこれ以上の医療費増加は避けなければいけないものの、国民の生産性にも関わる眼の問題をどこまでフォローできるのか。眼内レンズマーケットが2022年までに55億ドルに到達すると言われる中、Atia Visionが両方を一気に解決してくれることを期待して今後も注目していきたいと思います。

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ARを目に入れられるコンタクトレンズ開発Mojo Vision、5,100万米ドル超を調達——日本からはKOIFが出資、アプリストア構築で用途は未知数か

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シリコンバレー・サラトガに本拠を置く Mojo Vision はシリーズ B1 ラウンドの一部として5,100万米ドル超を調達したことを明らかにした。この調達を受けて、同社の創業以来の累積調達金額は、1億5,900万米ドルとなった。 このラウンドに参加した投資家は次の通り。 New Enterprise Associates(NEA) …… リードインベスター Gradient Ventures …

Image credit: Mojo Vision

シリコンバレー・サラトガに本拠を置く Mojo Vision はシリーズ B1 ラウンドの一部として5,100万米ドル超を調達したことを明らかにした。この調達を受けて、同社の創業以来の累積調達金額は、1億5,900万米ドルとなった。

このラウンドに参加した投資家は次の通り。

  • New Enterprise Associates(NEA) …… リードインベスター
  • Gradient Ventures
  • Liberty Global Ventures
  • Struck Capital
  • Dolby Family Ventures
  • Motorola Solutions Venture Capital
  • Fusion Fund
  • Intellectus Partners
  • KDDI Open Innovation Fund(KOIF)
  • Numbase Group
  • InFocus Capital Partners …… ほか

今回の調達に伴い、NEA のパートナー Greg Papadopoulos 氏が Mojo の取締役会に加わった。昨年3月に実施した1度目のシリーズ B1 ラウンドでは、Google の Gradient Ventures、LG 電子、Kakao Ventures、スタンフォード大学のアクセラレータ兼ファンド StartX らも参加していた。次のシリーズ B2 ラウンドの可能性に関する BRIDGE の質問に対し、Mojo Vision は「将来の調達の可能性について言えることはない」とした。

2015年に設立された Movo Vision は、その後、約3年間はステルスモードにあった。どのようなプロダクトを開発しているのかが明らかになり始めたのは、2018年11月に実施したシリーズ A ラウンド以降のことだ。Mojo Vision の CEO Drew Perkins 氏は Mojo Vision 以前、光通信機器メーカー Infinera、通信量向上技術開発の Gainspeed を創業した人物として知られる(Infinera は2007年に上場、Gainspeed は2016年に Nokia により買収)。

Mojo Vision が開発するのは、簡単に言えば、AR を実現するスマートコンタクトレンズ。AR と言えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)か、AR グラスを使うものと相場が決まっている中で、究極的なウエアラブルデバイスというわけだ。身につけるというより、身体の中に入れる装着方法を取る以上、FDA(アメリカ食品医薬品局)の認証を取る必要があり、市場アクセスを簡素化する「Breakthrough Devices Program」に参加しているが、まだ認証を得ていない段階だ。

インタビューは Zoom で実施。上部左から:筆者、広報担当 Brian Mast 氏、プロダクト&マーケティング担当 SVP の Steve Sinclair 氏、CEO の Drew Perkins 氏。「Mojo Lens」開発のタイムラインについて、Sinclair 氏が説明してくれた。

今年の CES 2020 で公開された開発中プロトタイプでも話題を呼んだように、公の場でも次第にその姿を明らかにしつつあるが、商品化され市場に投入されるまでの道のりはまだ程遠い。プロダクト&マーケティング担当 SVP の Steve Sinclair 氏が示してくれたタイムラインにあるように、画素数 14,000ppi の LED ディスプレイに加え、視点捕捉や電源供給など数々の機能課題を解決する途上にある。

Mojo Vision は、シリコンバレーにある視覚障害者の QoL 向上を目指す非営利組織 Vista Center for the Blind and Visually Impaired とも提携関係を結んでいるが、このデバイスのユースケースは視力を補うなどの医学的用途に閉じたものではない。すべての消費者にとってのデバイスにするため、「競争力があり、許容可能な(competitive and affordable)」価格を目指すという。さまざまなユースケースに対応すべく、Mojo Lens 上で動くアプリのマーケットプレイスも構築予定だ。

Vista Center は、我々が向かうべき方向を目定めるのを手助けてくれる。今後も、世界中の似たような組織と手を組む可能性はある。(Sinclair 氏)

Sinclair 氏はまた、KOIF からの戦略的出資については、具体的にどのような PoC などを実施するかを語るのには時期尚早とした。

Image credit: Mojo Vision

Mojo Lens はその商品性格上、日本でも市場投入においては、アメリカの FDA に相当する PMDA(医薬品医療機器総合機構)からの認証が前提になると見られるが、KDDI ∞ Labo のパートナー連合に参加する企業の力を借りて、これを実現するかもしれない。また、自由視点映像システム開発の韓国 ESM Lab への出資に見られるように、来るべき 5G 時代を担うスタートアップとの協業にも積極的で、Mojo Lens と 5G の掛け合わせについても可能性を感じ取ることができる。

tech savvy な日本の消費者に、将来、我々のプロダクトを届けられることを楽しみにしている。(Sinclair 氏)

Mojo Vision が市場で流通する商品を出荷開始する時期は未だ不透明だ。Perkins 氏のこれまでの事業実績に裏打ちされる形で資金調達を実現した戦略投資家とは、長期にわたる関係性を重視したものが多い、とのことだった。

この分野では、Samsung が特許を申請していることが2016年に確認されているが、実現に向けて開発が進んでいるかどうかは定かではない。3月には、ロサンゼルス郊外に本拠をおく InWith がコンタクトレンズメーカー大手ボシュロムと技術実装において協業していることが明らかになった

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仮想空間で文字入力はどうなる?ーーFacebookが「PinchType」で示したその方法とは

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ピックアップ:Facebook Researchers Present ‘PinchType’ Typing System For Hand Tracking ニュースサマリ:Facebook Reality Labsは4月25日、「PinchType」というVR/AR向けの仮想キーボードを発表した。標準のQWERTYキーボードを対象に、親指と各指をつまむように合わせる動作を認識して入力する手法を…

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Video Credit:ACM SIGCHI

ピックアップ:Facebook Researchers Present ‘PinchType’ Typing System For Hand Tracking

ニュースサマリ:Facebook Reality Labsは4月25日、「PinchType」というVR/AR向けの仮想キーボードを発表した標準のQWERTYキーボードを対象に、親指と各指をつまむように合わせる動作を認識して入力する手法を新たに開発した。

PinchTypeのプロトタイプでユーザーテストを実施したところ、平均タイピング速度が毎分12ワードをわずかに超える結果となった。比較として、QWERTYキーボードの平均は毎分40ワード、スマートフォンでは毎分35ワードであった。ただし従来のVR/AR向け仮想キーボードと比較すると、快適さで上回る結果を示している。

話題のポイント:今回、Facebookが発表したVR/ARのテキスト入力方法であるPinchTypeは「文字群に触れる」という点がユニークです。

26文字のアルファベットを左右の親指を除く8本の指に割当てて、どの指と親指を合わせるかで入力します。左の小指には「Q、A、Z」、右の中指には「I、K」といった具合です。以下の動画を見てていただければイメージできると思います。従来のキーボード入力で担当している指にアルファベットを割り当てているため習得コストは低いでしょう。

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Video Credit:ACM SIGCHI

仮に「BRIDGE」という文字を入力するとしましょう。その場合「左の人差し指>左の人差し指>右の中指>左の中指>左の人差し指>左の中指」の順にそれぞれの指を親指と合わせるだけで済みます。

ご覧の通り、何れかの指を親指と合わせる時、割り当てられたアルファベットのどれを入力したいかを指定する必要ありません。「BRIDGE」の最初の二文字のB、Rはどちらも左の人差し指が該当しますが、連続で親指に触ることでB、Rと自動で認識する仕組みとなっています。

この文字群を触るだけで入力ができてしまう妙手を支える技術は「言語モデル」と呼ばれるものです。単語同士や文書同士の関係について定式化したもので、自然言語処理の分野でよく用いられます。

残念ながら具体的にどのような定式で動かしているのかは公表されていませんが、公開された動画を見るに、選択された文字群の順番だけでなく、文章全体からワードの予測を行っていることが伺えます。ワード予測精度は自然言語処理に強みを持つFacebookがレバレッジをかけられる要素であると同時に、このテキスト入力方法が普及するかの生命線であることは言うまでもありません。

スマホの予測変換に身を委ねてテキスト交換をすることを想像してもらえればシステムを試すまでもストレスを感じれるはずです。今はまだない高いレベルの予測が必要となります。

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Image Credit:Oculus

そしてもう一つの生命線が「ハンドトラッキング」です。要は手がどのように動いているかを把握する技術のことですが、これまで十分堅牢な把握をカメラ単体で実現できたことはありません。

Facebookはスタンドアローン&カメラ単体、もしくはそれに準ずるハンドトラッキングに強いこだわりを見せています。ハットマウントディスプレイ(HMD)の煩わしさである価格・重量・PC接続を取り除くことを第一優先として、グローブ装着、深度センサーの組込みを採用しない戦術を取ってきました。

2016年のOculus Connect 3のグローブによるトラッキング技術の確立に始まり、2018年の開発者カンファレンスF8ではグローブで正確な手の動きをAIで学習してグローブレスなハンドトラッキングを発表しました。

そして2019年12月に初めてOculus Questにハンドトラッキングが導入され、完全な状態とは言えないものの確実にマイルストーンを達成し続けています。それも公言していた計画を1年近く前倒しのペースで進行しています。

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Oculus Connect 3でグローブによるハンドトラッキングに関する発表の様子ーーImage Credit:Oculus

引き続きハンドトラッキングの精度向上に取り組みつつ、次にFacebookが興味を示している「カメラに写らない場所での手の動きを如何に捉えるか」という課題と、言語モデルが成熟するタイミングが重なった時、彼らの社史の見出しを手にするほどのデバイスと一つの入力インターフェイスの答えが生まれることになるでしょう。

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期待値を込めて執筆している部分もありますが、現在のレーザーポインターで壁に貼ってる文字が書かれた紙を一文字づつ指すような体験では、ユースケースを広げるのが難しいのは明確です。5Gで通信量の制限が解除されてやってくるユースケースを広げる時期までに、足かせにならない答えを見つけなければなりません。

余談ではありますが、日本のテキスト入力はこれまで先鋭的だったと感じます。ガラパゴスだと揶揄されることもあるフリック入力、ガラケーのトグル入力。子音の「あかさたなはまやらわ」をキーとして、母音を指の動きに適応することで濁点・半濁点を含む83文字をたった11マスに閉じ込めた発想は卓越していました。

まさしく発音が豊富だからこそ生まれた日本が誇るべき創意の賜物です。VR/ARに片足を入れた今、もう一度世界に見せつける時がきたのではないでしょうか。

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