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ブラジルのHoobox Robotics、IntelのAIカメラと表情認識を組み合わせ車椅子ユーザの移動をサポートするキット「Wheelie」を発表

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表情で車椅子を操作できる AI システムを搭載した Wheelie を使い始めると面白いことが起こる、と Hoobox Robotics の CEO である Paulo Gurgel Pinheiro 氏は言う。 車椅子を前進させるためにはキスの表情をします。ユーザがキスの表情をしてはじめて車椅子が動き出します。ユーザはこれに喜びを感じて笑顔を浮かべます。ただ、笑顔は停止のサインでもあるので、車椅…

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表情で車椅子を操作できる AI システムを搭載した Wheelie を使い始めると面白いことが起こる、と Hoobox Robotics の CEO である Paulo Gurgel Pinheiro 氏は言う。

車椅子を前進させるためにはキスの表情をします。ユーザがキスの表情をしてはじめて車椅子が動き出します。ユーザはこれに喜びを感じて笑顔を浮かべます。ただ、笑顔は停止のサインでもあるので、車椅子は止まってしまいます。

Wheelie キットでは Intel RealSense 3D カメラを使って表情による電動車椅子の操作を可能にしている。このアイデアはブラジルの大学で Pinheiro 氏などが行った調査から生まれた。現在、米国で60人が最初のテストに参加している。

Pinheiro 氏によると、ユーザの1日の移動距離は平均約0.5マイルで、システムが受信するサインは400以上になるという。

Wheelie はもともと、顔または首より下を動かすことができない人たちに向けて開発されており、鼻または額にしわを寄せる、キス、ウィンク、眉を上げるなど、最大で10種類の表情を認識することができる。

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前進、バック、右折、左折にどのような表情を割り当てるかは、ユーザごとに設定することができる。

ユーザの大半は前進のサインとしてキスを設定します。ポジティブな表情ですし、何より簡単に覚えられますからね。ほとんどの人は、バックに舌を出す表情を設定しています。ただ、停止に関してはたいてい笑顔を設定していて、はにかみ笑いや満面の笑み、半笑いになることもあります。理由はわかりませんが、ユーザは笑顔で車椅子を止めるのが好きなようです。

他にも顔または首より下を動かせない人に向けて開発された車椅子はあるが、ほとんどの場合人体に取り付けられたセンサーを使っている

Wheelie の初期の所見と今後の計画は、12月3日に行われた国際障害者デーと、モントリオールで行われた NeurIPS の初日にて発表されている。

表情認識システムと、けいれんやせん妄を検知するセンサーは、サンパウロの Albert Einstein 病院でのテストにも使用されていると Pinheiro 氏は言う。

もし現在、表情認識システムの企業を経営しているなら、表情認識だけでは十分とは言えません。人間の行動も検知できるようにする必要があります。将来的には、多くの医療機器とヘルスケアアプリケーションになんらかの表情認識ソフトウェアが搭載され、表情を検知して、人間の行動を予測するようになります。

Wheelie は RealSense カメラだけでなく、OpenVINO コンピュータービジョンツールキットと Core プロセッサも使っている。Hoobox は Intel AI for Social Good イニシアチブのサポートを受けている。

社会貢献活動のために Intel が4月に立ち上げた AI for Social Good イニシアチブは、様々な問題の解決に取り組むスタートアップやプロジェクトをサポートしている。これまでのところ、中国の万里の長城の保護活動をサポートしている。また、自動化された温室で誰がもっとも効率的にきゅうりを栽培できるかというコンテストにも参加しており、これには Microsoft とTencent も参加している。

このイニシアチブを統括している Anna Bethke 氏は VentureBeat との電話インタビューで次のように語った。

National Spinal Cord Injury Statistics Center によると、米国では約28万8,000人に脊髄損傷があり、毎年約1万7,700人が新たにこの損傷を負っています。また、こうした損傷を持つ人たちにとって、身体を動かせることがクオリティ・オブ・ライフに大きな影響を与えることが様々な研究から明らかになっています。彼らは移動のために電動車椅子や介護士に頼る場面が多くなっています。

人工知能を使って障害を持つ人たちの自立を支援しようとしているのは Hoobox だけではない。

自律システムを搭載した車椅子が今年の夏に日本とシンガポールでデビューを飾った。一方、香港大学の Ming Liu 氏と IEEE Robotics and Automation Society は、既存の電動車椅子を改良して起伏の激しい路面でも走行できる方法を模索している。Liu 氏の研究室では様々なセンサーやコンピュータービジョンを使って、自動で階段を上ることができるシステムを開発した。

ロボット工学の知識を持った多くのスタートアップや企業が、移動の自由度を広げるための外骨格の開発に取り組んでいる

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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