ベルリンを拠点に活動するスタートアップ Xyo は、リアルの世界の興味をもとに、今まで知らなかったモバイルアプリをレコメンドしてくれるサービス「Apps for Me」をリリースした。 Apps for Me は、自分の Facebook の友人の 「いいね」の情報を元に、独自のアルゴリズムでアプリのレコメンデーション・リストを作り出してくれる。既存のアプリストアのカテゴリは数が多くて探すのに時間…
ベルリンを拠点に活動するスタートアップ Xyo は、リアルの世界の興味をもとに、今まで知らなかったモバイルアプリをレコメンドしてくれるサービス「Apps for Me」をリリースした。
Apps for Me は、自分の Facebook の友人の 「いいね」の情報を元に、独自のアルゴリズムでアプリのレコメンデーション・リストを作り出してくれる。既存のアプリストアのカテゴリは数が多くて探すのに時間が必要だったが、Apps for Me 上では、iPhone / iPad / Android / Windows Phone のそれぞれのプラットフォーム毎にカテゴリが数少なく絞り込まれており、ユーザがおそらく入手したいと考えるアプリに、短い時間でたどり着けるように設計されている。キーワード検索も可能なので、具体的な言葉が頭に浮かべばそれで検索することもできる。さらに、Facebook 上の友人に、その人の興味に合ったアプリをお薦めすることもできる。
Apps for Me のアプリのレコメンド機能は、クローズドベータ版として3週間前に公開し、多くの初期ユーザに利用してもらっていることがわかっています。電子書籍アプリを探そうとして、アプリの検索結果と共に友人の顔が表示されれば、人間関係をもとにして、アプリに対する興味も増大するでしょう。こうすることで、私たちはユーザが新しいアプリを見つけられる、ロングテールのアプリストアを実現できるわけです。
インターネットの利用がモバイルに進むのにつれ、検索ボックスにキーワードを入れていた時代から、レコメンデーション・ウェブの時代へと移行するでしょう。したがって、将来は「Google(従来検索型)」から「Google Now(レコメンド型)」になっていくわけです。この流れの中で、我々は Apps for Me でモバイル界の新しいレコメンド・サービスをリードしたいと考えています。
Apps for Me を開発したスタートアップ Xyo は2012年8月に創業した。これまでにシリコンバレーのシリアルアントレプレナー Rick Thompson が率いる Signia Venture Partners や、モバイルゲームデベロッパ Flaregames の CEO Klaas Kersting らから出資を受けている。
インタビューの一つは、カール・リープクネヒト通り(Karl-Liebknecht-Straße)の、できたばかりの場所で実施した。「ゴルトノイン(Goldneun)」というレストラン・バーで、建物内にシアターや複数のクラブルームがあり、ベルリンの起業家が集まる場所だ。Altes haus Ungarn(ドイツ語で、古いハンガリーの文化研究所)と呼ばれている。残念ながら、屋外からはこの場所の素晴らしさがわかりにくいのだが、屋内に入ると、あごが外れる位の素晴らしい体験を得られるだろう。最近開店したばかりなので、店内の随所で内装工事の真っ只中だったが、近日には、素晴らしい人々を引きつけ魅了する雰囲気が感じ取れるだろう。
前出の Stefanie の友人の Sara が、インタビューの準備を万全にして、我々に気を遣ってくれたことに感謝したい。彼女はここで、2人の素晴らしい人々に我々を紹介してくれた。
その一人は、ベルリン・スタートアップ・アカデミー(BSA)の創立者 Christoph Räethke で、彼は BSA とアクセラレータ・プログラムの概要を語ってくれた(彼とはもっと話をしたかった)。BSA は最初のアクセラレータ・プログラムを10月27日に開始し、2013年3月22日に終了する予定だ。10社から来ている起業家志望者に対し、毎週15〜20時間のセッションを実施している。プログラム参加者は、ビジネスモデルを確立し、投資家へのピッチの腕を磨くべく、新旧20人からなる起業家にメンターされている。Chriestof は、たとえ起業家でなくとも、Goldneun が提供するネットワーキングの機会からメリットを享受できるだろうと付け加えた。
ともあれ、この週の始まりに、彼の話を聞いて、我々は面白いと思っていた事柄の背景が明らかになり、ベルリンという街が、会社を設立する上で、ヨーロッパで最良のポジションを確立させつつあることがわかった。Sprechen die Deutsche?(ドイツ語は話せますか?) もしそうでなくても、心配はご無用。私の経験から言って、ドイツ人は期待以上に滑らかな英語を話してくれる。特に、テックシーンに居る人たちは。
友人の一人で、以前バーレーンの電子政府カンファレンスで会った Stefan Gehrke は、ベルリン、ドイツ、クールなスタートアップについて多くのことを語ってくれた。彼は、自身も使っている素晴らしいカーシェアリング・アプリ「Drive Now」について教えてくれた。彼によると、このサービスはローンチしてまだ6ヶ月だが、ベルリンの街じゅうの人がつかっているそうだ。彼は自分のアプリで mini を予約したのだが、我々がその車を見つけたとき、一人の女性が同じその車のドアを必死に開けようとしていた。どうやら、彼女は自分の方が先に予約できたと思っていたようだ。
ともあれ、ヨーロッパは、言葉の違いにもめげず、国境を越えて、スタートアップ・コミュニティ同士の横の連絡が密接に行われているようだ。相互に乗り入れて、互いの都市でハッカソン・イベントを開催するなど、人材の交流が盛んである。そして、これは政府支援の賜物だが、ヨーロッパの随所で、韓国スタートアップの存在感が際立っていることには、ことごとく感心させられた。先日、海南島で開催された Open Web Asia のパネルディスカッションでも、スタートアップ・シーンの隆盛に政府が関与することについては賛否両論が出たが、私の知る限り、日本の場合、中央政府のスタートアップ支援の動きは皆無である。政権交代を機に、なんとかしてもらいたいところだ。