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SaaS統制プラットフォーム開発のイエソド、プレシリーズAラウンドで2億円を調達——DNX VenturesとANRIから

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各種 SaaS のアカウント発行・権限設定を自動化するクラウドプラットフォーム「YESOD(イエソド)」 を開発・提供するイエソドは17日、プレシリーズ A ラウンドで2億円を調達したと発表した。同社にとって、初めてのベンチャーキャピタルからの調達となる。 イエソドは2018年9月、竹内秀行氏(現在 CEO)らにより創業。竹内氏は東京工業大学大学院在学中に2社を起業、その後、ユーザベース(東証:3…

イエソドのコアメンバー。中央が創業者で CEO の竹内秀行氏。
Image credit: Yesod

各種 SaaS のアカウント発行・権限設定を自動化するクラウドプラットフォーム「YESOD(イエソド)」 を開発・提供するイエソドは17日、プレシリーズ A ラウンドで2億円を調達したと発表した。同社にとって、初めてのベンチャーキャピタルからの調達となる。

イエソドは2018年9月、竹内秀行氏(現在 CEO)らにより創業。竹内氏は東京工業大学大学院在学中に2社を起業、その後、ユーザベース(東証:3966)で SPEEDA、NewsPicks、FORCAS の基礎開発に携わった人物だ。現在は、ユーザベースのグループ各社のチーフテクノロジスト、UB Ventures のテクノロジーパートナーを兼任する。竹内氏は以前、Excel 上でデータ可視化を実現するオープンプロジェクト「E2D3」に携わり、「Microsoft Innovation Award 2015」を受賞している

企業で SaaS の導入が進むにつれ、SaaS 間連携もさることながら、SaaS のアカウント管理が煩雑化しつつある。社員の入・退社、部署の異動、社内組織の新設や統廃合などに伴い、社内の情報リソースへの可否を適宜制御することが求められる。従来の形、あるいは、比較的大きな企業のように、オンプレで社内の IT サービスが構成されていれば、ERP や LDAP・Active Directory(AD)などで制御可能かもしれないが、SaaS 環境でこれを制御するのは難しい。

一方、特に SaaS の恩恵に預かりやすいとされるのは、そのアジャイルさや導入の簡易さから、システム部門を持たずに急成長を遂げるスタートアップや中小企業だ。彼らは社内システムの管理に特化した部門を社内に持たないことが多く、かくして SaaS のアカウント管理は、総務や人事の担当者の業務範疇となることが多い。1社平均23のアプリケーション(2018年、Cloud Usage: Risks and Opportunities Report)使われている中、適切な SaaS アカウントの権限管理は、社内管理の重荷となっている。

「YESOD」のダッシュボード。
Image credit: Yesod

この問題を解決するのが YESOD だ。国内の主要 SaaS に対応し、企業内の部署や職位に応じた社員毎の SaaS アカウント管理を一元化することができる。特に興味深いのが権限管理の時系列管理や変更反映の未来予約ができる点だ。例えば、4月1日の入社日をもって多数の社員が入社する場合、そのタイミングで一気に SaaS アカウントの権限を変更反映するには作業的に無理を伴う。未来予約の機能によって、作業担当者は予め作業を進めることができる。

YESOD を使えば、時を振り返ってアカウント権限の反映状態のスナップショットも記録されるため(ロールバックも可能)、企業運営で求められる内部統制やセキュリティ管理の評価制度、例えば、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)や J-SOX(内部統制報告制度)の導入にも有効に働くだろう。竹内氏は、これまで Excel や Google Spreadsheet などで管理されていた SaaS アカウント管理をクラウド化することで、企業の内部統制やセキュリティ管理業務の効率化に貢献したいと意気込む。

提供する機能において、混同されがちなのが「Anyflow」や「Hexalink(開発元のビーテクノロジーには昨年、DNX Ventures がシード出資している)」といった SaaS インテグレーションツール、あるいは、iPaaS と呼ばれるツール類だが、竹内氏によれば、YESOD は SaaS 間同士の業務連携ではなく、アカウント管理や権限管理にフォーカスしているため、サービスとして競合することはないとのことだった。サービスが利用されるタイミングやシーンもそれぞれで違ってくるかもしれない。

イエソドでは今後、IT 投資に理解のある中小企業への営業を強化したい考えで、今回調達した資金を使って、エンジニアやコンサリティングセールスのための人材を増員したい考え。スキームが整えば、将来、多数の企業顧客を抱える SI-er などとの協業で拡販を加速できる可能性もあるだろう。

<参考文献>