【5人に1人が75歳以上の超高齢社会-“2025年問題”解決に向けてカーブスコーチができること】運動を通じて健康寿命を延ばし、肉体的にも精神的にも元気な高齢者を増やして、日本の未来を明るくしたい

団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となることで、さまざまな問題が生じると懸念されている「2025年問題」――。国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上の超高齢社会を迎える一方で、少子化には歯止めがかからず、このままでは医療費や介護費などの負担が増大し、社会保障制度が維持できなくなるとも言われています。

出典:国立社会保障・人口問題研究所「令和3年度社会保障費用統計」、厚生労働省統計

「女性だけの30分フィットネス カーブス」は、1回30分で女性の健康に必要な3つの運動「筋力トレーニング」「有酸素運動」「ストレッチ」ができる、国内最多のフィットネスクラブチェーンです。
2005年の創業以来、「病気と介護の不安と孤独のない、生きるエネルギーがあふれる社会をつくる」ことを旗印に、それまであまり運動をしてこなかった50歳以上の女性を中心に会員数を伸ばしてきました。その背景には、一人でも多くの人に健康の大切さ、運動の大切さを知ってもらい、運動を続けることで将来の病気や介護を予防し、それにより「超高齢社会の問題解決に貢献する」という経営理念があります。
今回は、その理念に共感してカーブスコーチの道を選んだという北島さん(34歳)に、仕事を通じた社会問題解決への思いをインタビューしました。

-北島さんが高齢化社会の問題に興味を持ったきっかけを教えてください。

大学で専攻したのが「生涯スポーツ」で、そこで「運動はアスリートだけでなく、幼児から高齢者まで、あらゆる年代で生涯にわたって取り組むべきもの」ということを学びました。

仕事で意識するようになったのは27歳のとき、人から笑顔がもらえて、自分も笑顔になれる仕事がしたくて、ITの法人営業から転職をしたのがきっかけでした。もともとは、中高生時代にサッカーや柔道をやっていて、その経験からアスリート向けのスポーツトレーナーになりたいと思っていました。
はじめは、パーソナルトレーナーの仕事を探したのですが、顧客の要望に合わせる仕事は時間の融通が利きにくいところが難しいと思いました。また実際に見学もしましたが、自分がやりたいこととも違うように感じました。そんなとき、人から紹介されたのがカーブスでした。

その時まで、カーブスのことは知りませんでしたが、知れば知るほど「ここで働きたい」と思うようになりました。日曜祝日がお休みで、営業時間も決まっているのでワークライフバランスが取りやすいということもありますが、それ以上にくぎ付けになったのがメンバー(会員)さんの笑顔でした。
カーブスで運動を始めたことで「健康診断の数値がよくなった」とか、「足腰がしっかりして歩くのがラクになった」など、色々な成果の声を聞いて、大学時代に学んだ高齢者の健康寿命や生涯にわたる運動の大切さが頭のなかによみがえってきました。
そして、「運動を通じて社会問題の解決を実現する」というカーブスの理念を知り、自分がやりたいことは「これだ」と思ったのです。

-具体的には、どのように感じたのでしょうか。

運動にかかわる仕事がしたいと思ったとき、若いアスリートや運動が得意な人に教えたいのか自問自答し、そうではないことに気づきました。何歳になっても「健康でありたい」というのは、人間の根源的な願いです。それに対し、運動でアプローチできることはわかっています。運動が苦手な人にこそ運動を始めてもらい、続けてもらうことで、健康な人を増やすことができます。さらに少子高齢化が続くと言われている世の中で、健康な人が増えれば、医療費や介護費の削減にもつながります。そういう仕事なら、やりがいも大きいだろうと思いました。

-実際に働いてみて、社会問題の解決につながっていると感じるのはどのようなときですか。

カーブスで働いていると、メンバーの方から「できなかったことができるようになった」というお喜びの声をよくいただきます。逆に言えば、病気があるから…、体に痛みがあるから…などという理由で、やりたいことをあきらめてしまっている方が多いということでもあります。
カーブスのメンバーさんは高齢の方でも趣味を楽しんだり、旅行に出かけたり、アクティブな方が少なくありません。「健康寿命を延ばす」というのは、こういうことなんだろうなと感じています。

実は、新型コロナウイルスの問題で、そのことを深く考える機会がありました。感染予防のために休会をされていた方が数ヵ月ぶりに来店されたとき、それまでとはまったく違う姿に驚きました。体力が落ちただけでなく、気力まで落ちて、まるで別人のようでした。
コロナ禍では、そのような方が少なからずいらっしゃいましたが、なかでもつらい記憶として残っているのが、80代の元メンバーの方です。もともと病気も怪我もなく、元気にカーブスに通ってくださっていたのに、カーブスを休会されていた2ヵ月のあいだに歩けなくなってしまったのです。そして、そのまま戻って来られることはありませんでした。
休会中に歩けなくなった方はほかにもいて、代わりに退会手続きに来られたご家族から、「これまでよくしてくれてありがとう」と言われたときは、何とも言えない気持ちになりました。

-これからの超高齢社会に向けて、どのような気持ちで仕事に取り組んでいきたいと考えていますか。

コロナ禍での経験を通して感じたことは、やはり運動は一生涯続けることが大事だということです。とくに高齢になるほど、運動習慣が途絶えることで認知症を発症したり、寝たきりになったり、要介護になるリスクが高まります。そうなると、ご本人にとってよくないだけでなく、ご家族にも影響が及びます。また医療費や介護費が増え続けることは、社会全体にとっても大きな負担になります。そうならないためにも、一人でも多くの方に運動を始めてもらい、続けてもらうことが大切だと思っています。

健康寿命を延ばすためには、筋肉を衰えさせない運動(筋力トレーニング)が必要です。とはいえ、運動が苦手な方、高齢の方が、自分で筋トレを習慣にすることは簡単なことではありません。メンバーの方からは「コーチの声かけや励ましがあるから続けられる」とよく言われます。だからこそ、私たちカーブスコーチが必要なのだと自負しています。
肉体的にも精神的にも元気な高齢者を増やすことは、日本の未来を明るくすることにつながります。その使命を胸に、これからもメンバーさんが運動をずっと継続できるように、精いっぱいのサポートを続けていきます。