イベント・レポート

月間3000万円がギフトされるアバターカラオケ「topia」、メタバースで広がるクリエイターエコノミー

SHARE:

本稿は起業家や投資家にトレンドを聞くオンラインイベントTokyo  Meetupの公開収録から。来年1月19日に開催するBRIDGE Tokyoは現在限定の無料チケットを配布中 メタバースという広大な(個人的には「インターネット」を語るのと同じ印象)話題を取り扱う場合、その輪郭をここだと決めてしまうよりも、本質的に多くの人たちが同意する最大公約数的な要素を見つける方が理解が進みやすい気がしています…

本稿は起業家や投資家にトレンドを聞くオンラインイベントTokyo  Meetupの公開収録から。来年1月19日に開催するBRIDGE Tokyoは現在限定の無料チケットを配布中

メタバースという広大な(個人的には「インターネット」を語るのと同じ印象)話題を取り扱う場合、その輪郭をここだと決めてしまうよりも、本質的に多くの人たちが同意する最大公約数的な要素を見つける方が理解が進みやすい気がしています。

本誌のメディアパートナー、VentureBeatも多数のメタバース考察を出していて、特に「Second Lifeに再来したメタバースの波:年間6億ドルを生み出す元祖・仮想世界(1)〜(3)」の記事はお気に入りです。この中にあって著者のDean Takahashiさんはメタバースの重要な要素を次のように記述しています。

「Second Life(2003年にデビューした仮想世界)の生みの親であるLinden Labは今でも健在だ。Linden LabはSecond Lifeで稼いだ仮想通貨を米ドルに換金できる 「Tilia Pay」 と呼ばれるクロスプラットフォームの決済システムを用意することで、現代におけるメタバースの役割を 果たそうと考えている。 これは、小説 「Snow Crash」「Ready Player One」 のように、すべての仮想世界が相互に接続された宇宙、メタバースにとって非常に重要な要素なのだ」。

現実世界と仮想世界をつなぐアバターのような存在がもうひとつの世界で仕事をし、そこで報酬を稼ぎ、そしてそれを現実世界に持って帰ってくるわけです。当然ですが、その稼ぎは現実世界で使えないといけません。Second Lifeにある決済プラットフォームTilia Payはそれを実現している、というわけです。

この仮想世界での経済活動は「クリエイターエコノミー」という文脈でも語られるようになりました。影響力のある個人が仮想世界で表現し、商品を紹介したり、ファンから支持してもらうことで経済が生まれるという流れです。

あるテーマについて投資家と起業家を招いて語る「Tokyo Meetup INTRO」では、先日、メタバースで広がるクリエイターエコノミーと題したセッションを実施しました。登壇してくれたのは博報堂DYベンチャーズの漆山乃介さん、博報堂ホールディングスの加藤薫さん、そしてアバターカラオケで急成長中のプラットフォーム「topia」を運営するアンビリアルの代表、前原幸美さんです。

ここではメタバースの現在地を整理しつつ、現在、topiaでどのような人たちが何を表現して経済活動を作っているのか、その実態を教えていただきました。

メタバースで広がるクリエイターエコノミー

まず、ざっくりとメタバースで起こっている経済活動の方向性について加藤さんから整理がありました。前述した通り、メタバースを定義することは広大なインターネットを語るような話になるので、ここでは特に経済活動に関する軸を整理していただいています。

メタバースに含まれる要素としてはソーシャルネットワークのような繋がり、Fortniteや Mincraftといったゲーム勢、身体的な体験を伴ったXR領域、そして既存の仮想空間で実施されているゲーム配信やライバー配信といったものがあります。現実世界と仮想世界のグラデーションで左右に対比し、縦にビジネスモデル、集客、モチベーションの三つで要素を整理したのがこちらの図です。

リアル世界(仮に実名の世界、としておきましょう)でのインターネットでは広告やコマースが経済活動として介在していました。ここでは注目(アイボール)を集めた人・企業がより大きな経済を作ります。自然とメガプラットフォーマーが成立し、Facebookや Twitterのような大きなインターネットが勝者になりました。これがリアルに根ざした世界観です。

メタバース(こちらを仮に仮想世界、もう一つの人格が存在する世界としましょう)ではそれが投げ銭や個人間売買に変化します。例えばRobloxでは子供たちがアイテムを作り、それを売買する世界が既に広がっています。注目を集めることで成り立っていた商売は、やや形を変えて「熱狂」という別の感情に移ります。目立っているから買うのではなく、共感したから参加する(結果的に何かを支払う)、という世界です。

重要なのはここで言うクリエイターとは、決して大きな影響力を持つインフルエンサーのような存在ではなく、普段何気なく会話している身近な存在が重要である、という点です。これを実現しているひとつのケースがtopia、というわけです。

ユーザーの半数以上が配信者

topiaは、ユーザーがカラオケやざつだんをしながら配信する、ファンコミュニティサービスです。2018年10月のサービス開始(β版)以来、毎月配信者(ライバー)が増加しており9月時点で5,000人を突破、ユーザーが利用する投げ銭アイテムなどの利用で、事業は月商3,000万円ほどに成長しているそうです。

特徴はやはりカラオケ配信です。ゲーム実況のMirrativなどと同様にトークに不安があっても作業配信系は間が持つという安心感がありますし、実際に離れて友人とカラオケするという文化的な慣れもあるため、敷居が低くなっています。

結果としてか配信者の比率もやや面白く、通常、こういったユーザー参加型の配信プラットフォームでは1割前後の人たちが配信者として存在し、それを視聴するその他ユーザーという構造になるのですが、topiaではMAUの半数以上が配信者としても参加しているそうです。利用平均時間は3時間ほどで、Z世代が多く利用しているとのことでした。

配信者と視聴者の比率が拮抗するということは、自然とコミュニティの形も変わります。前原さんは「スター型」と分析していましたが、一人のインフルエンサーに集まるその他多数、という構造ではなく、小さいけれど身近な存在を応援する多数のクラスターが発生しているようです。学園祭のようなノリと表現されていましたが、その辺りに心地よさがあるのでしょう。実際、topiaで得られた収益はそのままそのアプリ内でまた別の推しにギフトをするなど、このコミュニティの中で流通している割合が6割(出金するケースは3割)というお話でした。

参加者の半数が配信者でもあるtopia

クリエイターエコノミーと聞くとどうしてもプロのコンテンツを消費するその他多数、という図を想像してしまいます。もちろんその構造はそのままありますが、topiaのように手軽にもう一人の自分を作り、スマホひとつで仮想世界に送り込むことができるようになったことで、もう少し小さなクラスターに心地よい居所を見つけた人たちが増えているのかもしれません。

topiaでは今後、こういった小さなクラスターで生まれた楽曲を実際のカラオケ配信に載せる取り組みも進めているそうです。お店のカラオケで自分たちが推している友人の楽曲を歌う。そうすることで、またそのクリエイターに還元される仕組みを作る、そういう世界観を目指したいというお話でした。

セッションではそれ以外にも前原さん、漆山さん、加藤さんと一緒にtopiaで広がるクリエイターエコノミーに関する話題を提供していますので、ご興味ある方は今日、17時から配信開始するオンラインイベントTokyo  Meetupをチェックしてみてください。

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


「TOKYO STARTUP GATEWAY」第8期決勝が開催——宇宙での建築自由化技術、生理の可視化ウエアラブル、救急学習プラットフォームなどが入賞

SHARE:

東京都主催のビジネスプランコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY 2021」のファイナルが28日、都内で開催された。新型コロナウイルス感染防止の観点から今回はオンライン開催となった。 TOKYO STARTUP GATEWAY はテクノロジー、ソーシャルビジネス、地域課題解決などさまざまなジャンルにおいて、グローバルを見据えた起業家を「東京」から輩出しようというコンテスト形式のイベ…

東京都主催のビジネスプランコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY 2021」のファイナルが28日、都内で開催された。新型コロナウイルス感染防止の観点から今回はオンライン開催となった。

TOKYO STARTUP GATEWAY はテクノロジー、ソーシャルビジネス、地域課題解決などさまざまなジャンルにおいて、グローバルを見据えた起業家を「東京」から輩出しようというコンテスト形式のイベント。主催は東京都で、NPO法人 ETIC. が運営事務局を担当している。8回目を迎える今回は、2021年の4月からビジネスプランを公募。1,047件のプランが全国から集まり、それらの中から選抜された10名のファイナリストによるプレゼンテーションが行われた。

TOKYO STARTUP GATEWAY 2021 で、審査員を務めたのは次の方々だ。

  • 各務茂夫氏 東京大学 大学院工学系研究科 教授、日本ベンチャー学会 会長、アイセック・ジャパン会長)
  • 宇井吉美氏 aba 代表取締役兼  CEO
  • 佐別当隆志氏 アドレス 代表取締役社長
  • 高橋祥子氏 ジーンクエスト 取締役/ユーグレナ 執行役員
  • 山本典正氏 平和酒造 代表取締役社長

(本稿中の写真は、いずれも TOKYO STARTUP GATEWAY のライブ配信からのもの)

【最優秀賞】宇宙建築の自由と未来を創る技術 by 大西正悟氏

副賞:トロフィー、100万円

現在、宇宙において建造されている建築物の多くは、基本構造を地球上で作っておき、それを宇宙にロケットなどで打ち上げた後、組み合わせることで完成させている。しかし、Elon Musk 氏の SpeceX や Jeff Bezos 氏の Blue Origin といったスタートアップが現れる中で、有人宇宙飛行が一般化してくることは、おそらく明確な未来の姿だろう。

技術発達で輸送コストが下がることもあり、より多くの人を効率よく運ぶために宇宙船は大型化するだろうが、ここで問題になるのは宇宙船を受け入れる建築物だ。宇宙船を数数多く受け入れるためには、大規模な宇宙ステーションや宇宙基地が必要になる。大西氏のアイデアは、宇宙空間で壁をつなぎ合わせることで、より自由な宇宙建築を実現するシステムやサービスを提供だ。

【優秀賞】スマホと連携して生理を可視化するウェアラブルショーツ by 浅井しなの氏

副賞:トロフィー、50万円

浅井氏は、生理に対して悩みがあったことから、体験談を Tiktok で発信したところ、同じような悩みを持つ女性から大きな反響が得られたという。生理については、女性同士でも状況を誰かと比較したり情報共有したりする機会がないことから、仮に、自分の生理の状況が異常であったとしても、それに気付けない人が多いことがわかっている。情報発信しているメディアにリーチできていない人も多いことから、デバイスを使って知らせてくれる仕組みが必要と考え、この構想に至った。

日本で初めての生理用ナプキン「アンネナプキン」は、女性たちの行動様式に大きな変化を与えたことになぞらえ、浅井氏のプロジェクトには「リアンネ」という名がつけられている。給水ショーツのポケットにセンサーをつけることで、生理の状態を数値化・可視化する。生理の状態に異常が検知されれば、その状態がスマートフォンに通知されるというものだ。女性の中には婦人科に診てもらうことにハードルを感じる人も多いことから、症状に応じて婦人科をマッチングし、診察へ出向くのを後押しする機能も検討している。

【優秀賞】病院前救急医療プラットフォームで「救える命」を最大化する by 中村秀明氏

副賞:トロフィー、50万円

PECPET の中村氏によれば、救急隊員や救急救命士は、新しい知識を学習したり身に付けたりするために、主に当直明けの時間帯、従って、身体の疲れた眠い状態で研修を受けることを余儀なくされている。しかも、救急隊員や救急救命士は3交代制の24時間で運用されているため、全てのチームに情報を浸透させるためには、講師は同じ内容を3回レクチャーすることを余儀なくされ非効率だ。コロナ禍で対面研修も停止されたことから、救急隊員や救急救命士は研修を受ける機会を完全に失った状況だ。

病院前救急医療とは、患者が病院に運ばれてくる前、つまり、ドクターヘリや救急車などを使って、いち早く現場に急行し、治療を早く始めることで患者の死亡する可能性を下げ、後遺症が残る可能性を減らすための医療のこと。こうした医療に関わる救急隊員や救急救命士にとっては、とりわけ最新の医療技術を取り入れられた救急現場で、求められる知識や知見が変化するスピードも早い。救急隊員や救急救命士がいつでもどこでも学べるオンラインプラットフォーム「PISTEM」により、より質の高い医療提供への貢献を目指す。

【オーディエンス賞】途上国各地域の安全情報分析で「誰もが安心して過ごせる世界へ」 by 吉沢翔平氏

世界中には安全上の問題がある地域は少なくないが、そういった情報は集約されておらず、地元の人々の経験知によってのみ共有されていることが多い。事件や事故や自然災害のみならず、「この通りは街灯が少ないので、暗くなってからは避けた方がいい」とか、「この通りは段差が多いので歩きにくい」といった情報は、地元の人のみならず、外国からの渡航者にとっても有用だ。しかし、トラベルガイドはもとより、検索エンジンでリーチできる情報サイトなどでも入手することは困難な種類の情報と言える。

吉沢氏は以前、フィリピンのサンボアンガ滞在時に、武装勢力の蜂起に遭遇した経験から、地元の人が持つ安全情報を集約できないかと考えた。被害者らからのヒアリングをもとに、情報プラットフォームを構築し、地域の人々へ安心の提供を目指す。渡航客に対しては、安心して利用できるホテルやタクシーなどを紹介しマネタイズする。吉沢氏は以前、Team Emergensor という安全情報サービスを開発するプロジェクトで、マイクロソフトの「Imagine Cup 2018」に日本チームの一つととして採択され参加していた。

【レジリエンス賞】目指すのはマトリックスの世界。恐怖を腸内細菌で取り除く by 長崎恭久氏

腸内細菌と精神疾患には相関関係があることが近年明らかになっている。例えば、うつ病の人の腸内細菌叢(マイクロバイオーム)にはビフィズス菌や乳酸菌が少なくなるという研究データもある。腸には脳に次ぐ多くの神経細胞が存在し、感情にも深くかかわっているため「第二の脳」といわれ、腸内環境を整えることができれば、前向きな精神状態を作ることにも大きく貢献できる。食品大手出身の長崎氏は、これまでにも「幸せホルモン」と異名を持つ、セロトニン分泌を促進するビフィズス菌の研究などにも携わってきた。

国連が毎年発表している世界幸福度ランキングでは、フィンランドが4年連続で1位に輝いている。演繹的には、世界で最も幸福な人たちのマイクロバイオームを擬似的に再現することができれば、メンタルのベースアップを図ることができるかもしれない。長崎氏は、こうした国々の人々のマイクロバイオームを転写した、「恐怖と闘う腸内細菌」を実現するプロダクトを作ろうとしている。具体的には、マイクロバイオームの再現に有効な乳酸菌や栄養成分の入ったカプセルを販売するような方法を考えているようだ。


入賞には至らなかったものの、ファイナリストに残った他の参加者は次の通り。

  • 「子連れにいい場所」を一瞬で把握し利用するライフハックアプリ by 逢澤奈菜氏
  • Hello, I’m Dead! アカウントに死と共有を by 今吉勇揮氏
  • 出生前検査の専門家へのアクセスを身近に、正しい相談支援を by 西山深雪氏
  • 結婚に「運命」はもういらない。データマッチングで自己実現せよ by 毎床慶子氏
  • 着る運動神経でスポーツのできないをなくす by 宮澤留以氏

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


連続起業家が初回起業家に語る極意、〝試合〟に勝つための攻略法〜IVS 2021 Fall in 那須から

SHARE:

本稿は、11月17〜19日に開催された、IVS 2021 Fall in 那須の取材の一部。 イベント1日目の17日の午後には、5つ会場で合計14に及ぶパネルディスカッションやワークショップが進行された。本稿では、この中から、筆者の興味をひいたセッションのひとつ「強くてニューゲーム?連続起業家が語るスタートアップ裏攻略法」を、ポイントをかいつまんで簡単に紹介してみたい。このセッションのスピーカーは…

本稿は、11月17〜19日に開催された、IVS 2021 Fall in 那須の取材の一部。

イベント1日目の17日の午後には、5つ会場で合計14に及ぶパネルディスカッションやワークショップが進行された。本稿では、この中から、筆者の興味をひいたセッションのひとつ「強くてニューゲーム?連続起業家が語るスタートアップ裏攻略法」を、ポイントをかいつまんで簡単に紹介してみたい。このセッションのスピーカーは以下の通り。モデレータは、グロービス・キャピタル・パートナーズの代表パートナー高宮慎一氏が務めた。

(以下は発言の要旨をまとめたものであるため、言い回しなどは発言の通りでない場合があります。)

一度目の起業と比べ、二度目以降の起業はうまくできているか? 初回起業家より連続起業家は有利か?

Fril(フリル)は黒字だったので、VC から調達しなくても事業を回すことができていた。赤字を掘ってトップラインを伸ばすという経営を以前はしてこなかった。競合(メルカリのこと)が出てきて、自分のやってきたサービスがコモディティ化してくると、兵隊の数で試合が決まるということを学んだ。いかに資金を調達して、兵隊の数を確保して試合に勝つか、ということが重要。(堀井氏)

1回目の経験を2回目以降の事業に活かすことができているものはあまり無いかもしれない。採用はこういうことをするとミスする、といったようなことはわかる。また、毎度、起業をする毎に、知り合いから資金調達できるスキームができてきたことは非常にありがたい。

投資家にとっては、投資を検討している起業家が投資家を損させない気概をどの程度持っているか、イグジットの際に起業家がどう動くかは、気にはなることではあるがよくわからなかったりする。以前の起業で投資に参加していれば、それがわかるので投資をしやすいというのはあると思う。また、投資家と起業家は立場の違いから意見の相違が生じることもあるが、ブレずに合理的な判断に基づいた意見を出し合うことが重要。合理性があれば、互いの立場を理解し尊重しあえる。合理性なく「あの時は、あんなに仲良く一緒にやったのに」と言われると辛い。

前の事業を一緒したチームが、そのまま次の起業の時のチームに入ってくれると、前の組織での失敗を引き継ぐことができ、コミュニケーションの擦り合わせコストを減らせるのは大きい。(古川氏)

信頼をフックにして、人とお金を調達できるのは大きい。今の事業も半分くらいは以前の事業からのメンバーだし、VC との付き合いもあったので、スマートバンクで昨年10億円を調達した時には、プロダクトはまだ無かったが、ほぼピッチ資料だけで調達できた。投資家には信頼してもらえる分、プレッシャーも大きいが。信頼残高をフックにし、最初のひと転がしのところから、お金を使ってブーストができるのは大きい。足りないリソースは、だいたいお金で解決できる。フリルの頃はとにかく赤字が怖かったが、今はどれくらいお金が必要かを最初に見極めて、それを調達し勝負するということができる。

お金は集めるのが難しいが、使うのも難しい。調達する人と、事業にそれを張っていく人が会社の中で別の方がいいと思う。その方が調達した資金を積極的に事業に投資していけるから。エンジニアをはじめ、フリルの時の創業メンバーがそのままスマートバンクに入ってくれたので、会社のカルチャーが変わらなかったのは大きい。(堀井氏)

アメリカで VC に就職し、その日本支社を立ち上げる過程で日本の VC 各社に会っていたので、最初の起業をするときの資金調達もやりやすかった。VC の経験から投資契約書(タームシート)の内容も熟知していたので、自分の力で資金調達を実行することができた。ただ、ロケーションバリューの時にはエンジニアを採用するのに苦労したので、スマートラウンド起業の前には誘われていたグーグルに入社し、入社時の挨拶では、3年後にはグーグルのエンジニアを引き連れて辞め起業することを公言した。これは戦略的なものだった。

一度目の起業でイグジットしているので、今の事業からは給料をとっていないものの、仮に失敗しても生きていけるという心の余裕があるのはよい。また、複数回起業をしていると、多く失敗をしているし「この光景、前にも見たことがある」というデジャブで遭遇することがよくある。そういう点で経験は生かされる。また、起業家と投資家を経験した自分の場合は、その両方を経験していないとわからないペインポイントをサービスにしているので、すごく有利だった。(砂川氏)

一度目の起業に戻ってやり直せるとしたら、何をしたいか?

堀井翔太氏

自分の応援団をどれだけ作れるかを意識したい。応援団の人数で事業規模が決まるから。現在は数が増えたが、当時は100億円規模のファンドを持つ VC の数も限られていた。そういった VC を軒並みおさえていきたい(編注:VC は利益相反を避けるために、原則として同業は一社にしか投資しない。自社が投資を受けられれば、その VC は競合には投資しないことになり、自社が投資を受ける著名 VC 各社を味方につければ、必然的に競合が資金調達できる VC は選択肢が限られることになる)。(堀井氏)

もっとかわいくありたい。自分は性格が尖っているので敵を作りがち。スタートアップは、みんなに育ててもらうんだという感覚が必要。リソースも何も無いところから作っていくので、みんなに助けてもらってこそ、何かができるようになる。そのためにはかわいさが必要。しかし、人間はそんなに簡単には変われない。自分はかわいい人間にはなれないので、そういう皆に愛される人(COO の冨田阿里氏)にパートナーとして加わってもらった(砂川氏)

小さく成功したくらいでは喜ばず、逆に大きな挑戦に失敗しても笑ってくれるような株主を入れること。そうすると、チャレンジ量が多くなるので、よかったなと思う。以前の事業のとときは、なんとか形にしなくてはいけないというプレッシャーが大きかったので、事業としては小さくまとまってしまっていたかもしれない。大きな戦略を描くよりも戦術を考える方に社内の意識が向いてしまうと、うまくいかないように思う。(古川氏)

連続起業家から初回投資家へ。何をやるべきか、何をやるべきではないか。

砂川大氏

自分が初回起業家であっても、周りに連続起業家は多くいるだろうから、連続起業家から教わることが大事。コーチされる力、コーチする側にコーチしてあげたい、と思わせる力が必要。いわゆる「coachability」が備わっている人なら、初回起業家だからと言って、連続起業家よりも不利とは限らない。(砂川氏)

初回起業家が連続起業家を相手に戦うときは、その戦場を自分たちにとって有利な戦況にするのがセオリー。たとえば、連続起業家はお金を持っている場合は「彼らはお金で解決しようとしているけど、我々は顧客を大事にするという戦略です」みたいなポジションを取られると、連続起業家はやりづらくなる。同じ土俵で戦うのでなく、「これだったら負けない」という一番になれる要素を持っておき、常に有利な戦況を作ること。やるべきでないことは、その逆のこと。(古川氏)

チームの最初の10人の質を良好に保つこと。最初の10人は企業文化の土台になる人たち。特に黎明期は混沌としたり仕様が変わったりすることが続く時期なので、良い人を集めることに注力する。逆に自分が失敗したなと思うのは、事細かく仕様を作ったり、カスタマサポートに来たメールの返信を続けたりしたこと。自分の代わりになる人を早く採用し、早く権限を移譲すべきだった。マイクロマネジメントせず、一通り役割を任せられる形で人を採用し、起業家は採用か調達に集中して動けるようにすべきだ。(堀井氏)

連続起業家の立場から、初回投資家に「これやられたら嫌だなぁ」というのは何か。

(前述もしたが)国内のトップティア VC を先におさえられること。改めて起業して思うのは、特に C2C サービスは成長にどういうドライバが有効か、どういう優先順位で何を伸ばせばいいのか、最初は手探りで進めることになるが、こういうポイントは精通している人に話を聞いた方が早い。ボードメンバーに自分が戦っている領域に強い人に早く参画しもらうことが大事。特に、競合は精通した上で攻めてくる。今までは、痛手を追いながら自ら学んできたが、週に一度とかのペースで精通している人に業務委託で入ってもらうだけでも、相当無駄な遠回りを回避できる。競合に自分のプロダクトを完全コピーされて、資金を倍集められるのは最も嫌。(堀井氏)

怖いもの知らずの若者が一番怖い(言い換えれば強い)。我々はすでにいろいろ経験してしまっているから用心深く行動することがあるが、それがディスアドバンテージになる可能性はある。投資先の起業家で、結構な金額を資金調達したのに、それを全部、広告に突っ込んで、しかし、蓋を開けてみたら、結果、上手くいったいう事案があった。自分がスタートアップを始めた頃は一回失敗すると NG だったが、今はうまく失敗するとむしろプラスに働く(評価される)ので、恐れずに突っ走るのはアリだと思う。日本のスタートアップシーンの成長のためにも、他人のプロダクトの完全コピーはやめた方がいい。(砂川氏)

通常であれば、ニッチで張らなさそうな領域に、初回投資家が張って成功されたら非常に怖い。市場のメインセグメントではないが、あるターゲットを絞り込んでリソースを集中とかすると、それが正解だということもある。ビジネスモデルを完全コピーされて、行儀の悪いこと(競合優位のために相場より高い金額で需要を取り込み、結局、短期間のうちにその事業をやめてしまうようなこと)、戦略無しでやられて、それで早々に潰れられたりするようなことがあると非常に困る。市場が荒れる。(古川氏)

最初の起業の時、急に数字が伸びてきて成長するなと確信した瞬間は?

「Fril(フリル)」では、読者モデルの人が使ってくれて、ブログに書いてくれたらユーザ数が伸びて、また、読者モデルの人が使ってくれて、ブログに書いてくれたらユーザ数が伸びて、というのが連鎖して続いたことがある。(堀井氏)

ロケーションバリューが提供していた「おてつだいネットワークス(2011年にロケーションバリューから独立分社化、2012年にフルキャストホールディングスが買収)」は、「ワールドビジネスサテライト(テレビ東京)」でローソン本社店舗での実証実験風景が取り上げられ、それをまた別の放送局が取材してくれる、という連鎖が起こった。一局出る毎に採用者が増える事象が繰り返され、最終的には全国のファミリーマートでアルバイト要員欠員時の人材確保手段に採用するまでになった。(砂川氏)

スタートアップにとって、応援されることは大事ということだが、そのためには応援されるための人脈が必要。その人脈はどう築いたか?

古川健介氏

応援されている人の周りは 応援力の高い人が多い。自分の場合は、キングコングの西野亮廣氏に応援してくれるように口説きに行って、その結果、西野氏を応援している人が自分のプロジェクトを応援してくれるようになった。対照的に、斜に構えている人の周りには、斜に構えている人が多いと思う。(古川氏)

自分の場合は、穐田誉輝氏(クックパッド元代表執行役兼取締役)や馬場功淳氏(コロプラ創業者・代表取締役)といった、プロダクトを作る姿勢が自分と近い経営者が、メンター兼投資家として応援してくれた。「ゼロから作った実績があれば、またゼロから作れるよ」と言ってもらえたことはよく覚えている。自分とバックグラウンドが近い人を見つけて口説くのは大事。(堀井氏)

どうやったらベースが作れるかではなく、どうやったらそのキーパーソンを捕まえられるか。自分にかわいげがあれば、向こうから寄ってきてくれるようになる。(砂川氏)

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


#WebSummit 2021のピッチ・コンペティションは、AIで生地メーカーの繊維ロスを防ぐ「Smartex」が優勝

SHARE:

本稿は、WebSummit 2021 の取材の一部である。 リスボンで開催されていた WebSummit 2021 で、3日間に及ぶイベントのクライマックスとなるピッチ・コンペティション「PITCH」で、生地メーカーが不良品を限りなく0%に近づけられるソリューションを開発するポルトガルの Smartex が優勝した。本稿では優勝した Smartex を含む、ファイナリスト3チームを紹介する。 コン…

本稿は、WebSummit 2021 の取材の一部である。

リスボンで開催されていた WebSummit 2021 で、3日間に及ぶイベントのクライマックスとなるピッチ・コンペティション「PITCH」で、生地メーカーが不良品を限りなく0%に近づけられるソリューションを開発するポルトガルの Smartex が優勝した。本稿では優勝した Smartex を含む、ファイナリスト3チームを紹介する。

コンペティションには、世界中から千社に及ぶスタートアップがエントリし75社が参加を許され、や準決勝を経て決勝では勝ち残った3社が戦いに挑んだ。ピッチの審査条件は、プロダクトの可能性、ディスラプティブかどうか、財務面での評価、チーム構成、ピッチの品質の5点。聴衆の投票も25%の割合で(つまり4人目の審査員として)加算された。決勝はの審査員を務めたのは次の方々だ。

  • Reshma Sohoni 氏 —— Managing Partner, Seedcamp(イギリス・ロンドン)
  • Hanna Hennig 氏 —— CIO Simens(ドイツ・ミュンヘン)
  • Juan Pablo Ortega 氏 —— Co-founder, Rappi(メキシコ・メキシコシティ)

Smartex(ポルトガル・ポルト、中国・深圳、アメリカ・サンフランシスコ)

生地の丸編みの工程においては、繊維の歪み、縫い目が一定でないなどの不具合が生じることがある。通常は一連の工程が終わってから人の目による検査を行うため、不具合が見つかった時には修正ができず、そのピースを丸ごと廃棄に回さざるを得ない。Smartex では編機にカメラをつけ生地を編んでいる状態を常にモニタし、画像解析と人工知能により不具合が確認できた時、即座に編機を止めることができる。人が状態を修正し、そこから編機を再稼働巣るので、繊維ロスを最小限にとどめることができる。

従来の方法では、生地を編み上げた後、染色や仕上げの段階まで進んでから不具合が見つかることもあり、この場合、時間や水など多くの資源を浪費することになる。ポルトガルの Tintex Textiles での事例では、Smartex が初期段階で直接介入して不良品の生産を回避したことで、最大21,613リットルの水を節約できることがわかった。同社では、顧客が Smartex の技術を取り入れたことで、これまでに合計750万リットルの水と670億トンの生地を節約できたとしている。

LiSA(ドイツ)

LiSA は、企業がライブコマースを実施するのを支援するプラットフォームだ。ライブビデオ、リアルタイムの顧客交流、シームレスなオンラインショッピングを組み合わせ、ライブ配信中の商品購入、グループチャット、2人のモデレーターによる遠隔操作などの機能が搭載されている。スタッフやインフルエンサーが発信するライブストリームを、オンラインショップ形式に変換し、客は通常のオンラインショップのように、動画の中から欲しい商品を選び、ショッピングカートに入れることができる。

同社によると、中国ではすでに e コマースの売上の17%がライブストリームで行われており、アメリカではすでに250億米ドルの売上を上げているという。LiSA は、消費者のプロセスを簡素化することで、画面の向こう側にいるアシスタントに質問したり、情報を収集したりした瞬間に購入することができるようになる、といった体験で差別化しようとしている。小売業者にとっては、視聴者を収益化し、消費者との直接的な関係を築くことができるメリットが得られる。

Okra Solar(オーストラリア)

Okra Solar のミッションは、いまだに十分な電力供給を受けられない世界の11億人の人々に、クリーンで安価な信頼できる電気へのアクセスを提供することだ。同社のスマート・ソーラー・マイクログリッドとソフトウェアは、カンボジア、インドネシア、フィリピンなどの未電化地域に電力を供給してきた。マイクログリッドで最もコストがかかるのは太陽電池や蓄電池ではなく、配電と電力調整であることから、スマート IoT デバイスと連携させることで、発電された電力がその場所で消費されるよう工夫した。

電力が余ったときや、ある家が一定期間大きな電力を必要としたときだけ、ネットワークを通じてメッシュ内の近隣システム間で電力を共有する。同社では電力消費を管理するためのデバイスを作り、地元の電力会社にそのデバイスを販売し、需要家の家に設置してもらっている。Okra Solar のソフトウェアは、ソーラーシステムを制御するだけでなく、モニタリングシステムや請求書作成も行う。プラットフォームでは、ユーザは電力料金をいくら支払わなければならないのかがリアルタイムでわかるようになっている。

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


IVS「LaunchPad Entertainment」、ソーシャルEC「カウシェ」とスポーツギフティング「エンゲート」が同点優勝

SHARE:

25日午後、Infinity Ventures Summit(IVS)のスピンオフ・ピッチコンペティション「LaunchPad」のエンターテイメントに特化した「LaunchPad Entertainment」が開催され、ソーシャルコマースのカウシェとスポーツギフティングのエンゲートが同点優勝した。 LaunchPad の審査員を務めたのは、 亀山敬司氏 DMM.com 会長 金子好久氏 大和証券 …

25日午後、Infinity Ventures Summit(IVS)のスピンオフ・ピッチコンペティション「LaunchPad」のエンターテイメントに特化した「LaunchPad Entertainment」が開催され、ソーシャルコマースのカウシェとスポーツギフティングのエンゲートが同点優勝した。

LaunchPad の審査員を務めたのは、

  • 亀山敬司氏 DMM.com 会長
  • 金子好久氏 大和証券 専務取締役企業公開担当
  • 金子剛士氏 East Ventures パートナー
  • 高宮慎一氏 グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー
  • 国光宏尚氏 gumi 取締役会長
  • 松本真尚氏 WiL General Partner & Co-founder
  • 千葉功太郎氏 DRONE FUND 創業者/代表パートナー、千葉道場ファンド ジェネラルパートナー、慶應義塾大学 SFC 特別招聘教授
  • 川田尚吾氏 投資家/DeNA 共同創業者
  • 中馬和彦氏 KDDI ビジネスインキュベーション推進部長
  • 朝倉祐介氏 シニフィアン 共同代表
  • 本田謙氏 フリークアウト・ホールディングス 代表取締役社長 Global CEO
  • 矢澤麻里子氏 Yazawa Ventures Founder and CEO
  • Paul McInerney 氏 インキュベイトファンド 代表パートナー

副賞としてファイナリスト全チームに Freee 利用権5万円相当(Freee 提供)、クオリティスモールオフィス「H1O」6ヶ月無料利用権(野村不動産提供)、AMBI ライトプラン6ヶ月無料利用権(エン・ジャパン提供)、優勝から3位入賞者に Daiwa Innovation Network 優先登壇権(大和証券提供)が贈られた。

優勝チームに本当にかなう Amazon Wishlist (Amazon Web Service 提供)、テレシーアナリティクス49万円分と特別価格でのタクシー CM 放映権(TELECY 提供)、AMBI レギュラープラン12ヶ月無料利用権(エン・ジャパン提供)、株主優待カタログ掲載品全27品(大和証券提供)が贈られた。

登壇したのは以下の14社。

【1位タイ】カウシェ by カウシェ

オンラインのショッピング体験を、ソーシャルコマース化するプラットフォーム。友人や家族・知人などと一緒に購入する「シェア買い」をすることで最大で7割引きの特典が受けられる。コミュニケーションしながら友人と一緒に購入するという、ウィンドウショッピングの楽しさをオンラインで再現する。ユーザが周りに購入しようという呼びかけをシェアすることから、出店側にとっても PR 効果が見込める。

<関連記事>

【1位タイ】エンゲート by エンゲート

ポイントを購入し、お気に入りのアスリートやチームにデジタルギフトが送れるプラットフォーム。ギフトを受け取ったアスリートは、送ってくれたユーザにお礼のメッセージを返すことができる。また、一定のギフトを贈ったチームからは、ユーザはリワードとして、リアルなオリジナルアイテムを受け取ることもできる。新サービス「ギフティング NFT」をローンチする。

【3位】VARK by VARK

VARK は、一気通貫で必要な機能が提供できるバーチャルライブプラットフォームだ。アーティストは最寄りのモーションキャプチャースタジオに行くだけでライブ配信ができる。ファンは「Oculus Quest 2」を装着するだけで、会場にいるような臨場感でライブイベントを楽しむことができる。HMD が無くても各種 web サービスでも参加することが可能だ。

<関連記事>

【4位】Fanme by TORIHADA

「Fanme」は、SNS クリエイターのためのマネタイズプラットフォーム。同社は国内最大の TikToker の MCN「PPP STUDIO」を運営しており、クリエイターに広告など限られたマネタイズ手段しかなく、投稿内容の炎上などの課題の存在を認識。そこで、限定コンテンツ、サブスク、ギフト、オリジナルの ECショップやクラウドファンディングなどで、広告を使わずファンをマネタイズできる仕組みを開発した。

【5位】ジャングルBet by ジャングルX

アスリートファーストのスポーツベッティングプラットフォーム。アジア企業として初めて、イギリスのベッティングライセンスを保有する。特許取得の UI/UX により、ゲーム観戦を邪魔されずにベッティングを楽しむことができる。1ゲーム1回だけでなく、ゲーム中に複数回ベッティングが楽しめる「in-play betting」を開発。

<関連記事>


入賞しなかったものの、予選を通過し決勝に登壇した残り9社は次の通り。

Radiotalk by Radiotalk

話すことで食べていくトーカーを生み出すプラットフォーム。モバイルアプリだけで、収録配信またはライブ配信ができる。視覚が妨げられず耳だけの占有で盛り上がることができるため、移動中や家事・入浴中など、ユーザは〝ながら〟で可処分時間を消費してもらうのに向いている。Spotify、Amazon Music らと連携し、ポッドキャストとして配信する機能も実装している。

<関連記事>

セレブレイトメッセージ by クレイオ

憧れの有名人から動画メッセージが届くサービス。誕生日のお祝いメッセージなどに使える。SNS のフォロワー数を全部合計すると8,000万人以上。有名人にとっては、モバイルで音声を吹き込めるため、時間と場所を問わずに収益化できる。ユーザがオファーした内容を事務局がチェックして仮決済、キャストはそれを吹き込み、事務局がチェックして問題が無ければ本決済され動画メッセージがユーザに届く。

fansa by fansa

こちらもまた、有名人やアーティストから動画が届くサービス。誕生日にメッセージを話してもらったり、曲を歌ってもらったりすることができる。3 タップでリクエストしたい有名人やアーティストを選び、LINE で話してもらいたい内容をリクエストする。事務局を経由して、完成された動画はユーザに LINE で届けられる。

Mechu by ミーチュー

コロナ禍でリアルイベントを開催できなくなった多くのクリエイターがオンラインに移っている。しかし、オンラインイベントのプラットフォームでは、決済手数料、プラットフォーム手数料が非常に高い。ミーチューでは、クリエイターは決済手数料5%だけで利用できるため、ファンのお金がより多くクリエイターに届く。月額課金に加え、投げ銭や追加機能などにより収益性を高めている。

<関連記事>

pib/POTOFU/OFUSE by Sozi

クリエイターは一定の評価が得られないと、自身の作品を知らしめることができず、モチベーションの維持やマネタイズに繋がらない。Sozi は作品の公開、ファンの獲得、収益化に必要なプラットフォームを公開しており、クリエイターはそれらを共通 ID によって使うことで、創作活動をワンストップで支援してもらうことが可能になる。

バーチャルキャラクター技術 by アトラクチャー

人工生命を育成するプラットフォーム。人工生命の遺伝子をマーケットプレイスで買ってきて、それを仮想空間上で育成できる。B 向け、および C 向け双方のビジネスを展開している。人の赤ん坊と同じで、最初はどのように身体を動かして移動できるかわからないが、育成する過程でキャラクタが学習していき、成長していく様子を見守ることができる。バンダイナムコと共同研究中。

Leap Trigger by Graffity

AR ならではの体験は、身体を動かす体験だという結論にいきつき、スマホと身体を使って楽しめる AR ゲームを開発した。「Leap Trigger」は、自分自身がチャンピオン(ヒーロー)となり、バディと呼ばれるモンスターと共に戦うAR ヒーローシューターだ。友人と最大8人まで、対面リアルでも非対面オンラインでも楽しむことができる。アメリカでローンチしており、世界展開を図る。

ソトリスト by URAKATA

キャンプ人口は増えているが、ビギナー層にとって課題となるのは、安くないキャンプ道具の購入と、購入後の管理が大変だ。使用していない道具を無料で預かり清掃し、それをレンタルすることができるプラットフォームだ。必要な道具を気軽にレンタルし、清掃なしで返却することができる気軽さがウケている。借りる人にとっては、手軽な価格でさまざまな道具を試すことができる。

ウマスマ by ネオンテトラ

競馬ファンのための SNS。血統だったり、調教だったり、競馬の予想は初心者に難しい。上級者の予想に乗るのが最短コースだ。さまざまなユーザの予想内容やその結果を閲覧することができ、初心者は自分のお気に入りの上級者ユーザをフォローすることができる。予想を販売する機能もテスト中。IPAT と連携し、馬券を容易にオンライン購入することもできる。

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


“ざつだん”でスタートアップとつながる「BRIDGE Tokyo Meetup」はじめます

SHARE:

こんにちは BRIDGEの平野です。 4月にお伝えしたコミュニティ活動ですが、今日「BRIDGE Tokyo Meetup」として5月28日にオンラインで開催するミートアップのお知らせをさせていただきました。また、同時にこの活動に参加してくれるパートナー企業「BRIDGE Partners」の参加企業数が43社になったこともお伝えしております。 プレスリリース:完全オンライン“ざつだん”でスタート…

こんにちは BRIDGEの平野です。 4月にお伝えしたコミュニティ活動ですが、今日「BRIDGE Tokyo Meetup」として5月28日にオンラインで開催するミートアップのお知らせをさせていただきました。また、同時にこの活動に参加してくれるパートナー企業「BRIDGE Partners」の参加企業数が43社になったこともお伝えしております。

メンバーシップ「BRIDGE Members」の開始時にもお伝えしましたが、BRIDGEは創業時のコミュニティ活動を再開し、具体的にスタートアップとそこに関わるみなさんをつなぐ機能を回復させていきます。

その中心となるのがミートアップです。

BRIDGEではこれまでに大小様々なミートアップやイベントを通じて多くのスタートアップや投資家、そこに参加したい人たち、協業のきっかけを作ってきました。これをこの5月から完全オンラインで再開いたします。

「BRIDGE Tokyo Meetup」のテーマは「ざつだんでつながる」です。パートナー各社のみなさんには様々なノウハウや経験、そこでしか聞けない話題がたくさんあります。その内容を創業者やチームメンバーの方々と一緒に楽しむざつだんとして提供いたします。もちろん、参加者が話の輪に加わるのもOKです。

成長しているスタートアップに参加して新しい挑戦をしてみたい、自分でも起業しようと思っているけど、どうやって投資家とコミュニケーションしたらよいかわからない、協業先を探しているけど、カジュアルにつながる場所が欲しい。そういった方々にBRIDGEではゆるやかに、そしてしっかりとつながる場所を提供いたします。

イベントの情報は順次アップデートしていきます。ご興味ある方はイベントページをご確認ください。

BRIDGE Partners・特別PR協賛企業

改めてご参加いただいたパートナー各社のみなさんには御礼申し上げます。今、彼らが参加してくれているSlackではTokyo Meetupのざつだん企画をわいわいとアイデア出し合っています。今後はVCさんやスタートアップがオリジナルで主催するTokyo Meetupも企画していく予定です。数多くの接点を作り、BRIDGEをつながる場所にしていきます。

ざつだんミートアップを主催したいVCさんやスタートアップの方々はぜひBRIDGE Partnersへご参加ください。詳しい内容は今日のプレスリリースに記載させていただいているので、ご興味ある方はそちらをご覧いただければ幸いです。スタートアップやVC・CVCのみなさんの ご参加をお待ちしております。

「BRIDGE Partner」募集概要

  • 対象:(1)VC/CVC・スタートアップとの協業を積極的に実施している上場企業(2)外部出資を受けている未公開企業
  • 費用:(1)協賛プログラムへの参加が必要(2)無料
  • 応募方法: こちらのフォームから必要事項を記入の上お送りください。 5営業日以内に審査結果をお送りします
  • 留意事項:登録には審査が必要になります

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


北米テックカンファレンスCollision、地元トロント発カップルのための関係性向上アプリ「Couply」がピッチ優勝

SHARE:

Collision は北米を代表するテックカンファレンスで、一昨年からカナダ・トロントで開催されている。今年は昨年に続き、新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となり、4月21日(日本時間)から3日間にわたって、パネルディスカッション、プレゼンテーション、記者会見などが繰り広げられた。主催者発表で141カ国から38,000人が参加、スタートアップ1,200社が参加した。 Collision の「…

Collision は北米を代表するテックカンファレンスで、一昨年からカナダ・トロントで開催されている。今年は昨年に続き、新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となり、4月21日(日本時間)から3日間にわたって、パネルディスカッション、プレゼンテーション、記者会見などが繰り広げられた。主催者発表で141カ国から38,000人が参加、スタートアップ1,200社が参加した。

Collision の「PITCH」は、累積調達額300万米ドル以下のスタートアップにのみエントリが許される、〝駆け出しスタートアップ〟のためのピッチイベントだ。今年は予選の結果50社が PITCH に登壇し、地元トロントに拠点を置くカップルのための関係性向上アプリ「Couply」が優勝した。

本稿では優勝チームに準優勝の2チームを加えた3チームを紹介したい。審査員らは、プロダクトの可能性、ディスラプティブかどうか、財務面での評価、チーム構成、ピッチの品質の5点をもとに評価した。

決勝ラウンドの審査員を務めたのは次の方々だ。

  • Byron Deeter 氏(Bessemer Venture Partners パートナー)
  • Ariel Garten 氏(Muse 共同創業者)
  • Julie Calla 氏(KPMG パートナー)
  • Matt Garratt 氏(Salesforce Ventures マネージングパートナー)

Couply by Couply(カナダ)

Couply は2019年、起業家の Denesh Raymond 氏と Tim Johnson 氏により共同創業。テクノロジーを使って人間関係を改善するカップル向けの無料アプリウィ開発した。カップルのコミュニケーション能力を向上させることで、摩擦や口論のリスクを軽減することを目的としている。この理解力の向上は、人間関係の将来性を高め、より深い感情的なつながりを生み出すのに役立つ。機能は以下の通り。

  • 性格診断クイズで、お互いの理解を深めることができる。
  • プロフィールの興味や、プレゼントやデートの履歴に基づいて、デートやプレゼントのアイデアを提供する。
  • 誕生日、記念日、その他の特別な日のためのリマインダー。

新しい出会いのためのアプリはたくさんある一方、共同創業者の2人は恋人と別れたことがきっかけで、今ある関係性を向上または改善させるアプリが多くないことに気付き、Couply の開発に至ったという。実はこの種のアプリはアジアでは以前から、韓国の VCNC が手がける Between が有名で、日本でも事業展開している

Dondo by Crowdswap(コロンビア)

物々交換の技術をデジタルの世界に持ち込んだ中古品マーケットプレイス「Dondo」は、南米版のメルカリと呼べるだろう。2人以上の間の物々交換を手配するマッチングアルゴリズムを用いることで、2人の間の相互契約を不要にする方法を見つけた。物々交換には何人でも参加することができ、それぞれが欲しいものを手に入れることができる。

コロンビア国立大学の2人の学生により2018年ローンチ。彼らは Dondo を世に出す前、公道にできた穴を撮影し、市当局にその危険性を通知し修繕を促すアプリ「HuecosMed」をローンチし、Y Combinator の Fellowship に参加していた。Dondo のユーザは12万人、1日あたりの出品数は最大5,000件、累積取引高は170万米ドルに達している。

Beat by SalesBeat(アメリカ)

SalesBeat は、「歴史が繰り返されることはなく、消費財の販売は過去のデータに左右されるべきではない」という考えに基づいて「Beat」を開発。このアプリは、営業チームに最適な注文量を推奨し、在庫切れの状況が発生する可能性を大幅に減らし、セールスコンバージョンを向上させる。

SalesBeat の AI を活用したセールスインテリジェンスアプリ「Beat」は、消費者の意思決定を集約し、新たな販売機会やリストをリアルタイムで表示し、効果的なセールスアクションを実現する。2019年に設立された SalesBeat は、最大で30%の収益増加が可能としている。

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


Open Network Labが第22期デモデイを開催、不動産オーナー向けCO₂排出量可視化SaaS「EaSyGo」が最優秀賞を獲得

SHARE:

Open Network Lab は20日、Seed Accelerator Program 第22期のスタートアップを披露するデモデイを開催した。このバッチには日本の内外から合計134チームのエントリがあり、うち5チームが採択され3ヶ月間にわたってメンタリングや支援を受けた。 新型コロナウイルスの影響で、今回のデモデイはオンライン開催となった。 なお、採択5チームのうち、ステルスや要追加検証など…

Image credit: Open Network Lab

Open Network Lab は20日、Seed Accelerator Program 第22期のスタートアップを披露するデモデイを開催した。このバッチには日本の内外から合計134チームのエントリがあり、うち5チームが採択され3ヶ月間にわたってメンタリングや支援を受けた。

新型コロナウイルスの影響で、今回のデモデイはオンライン開催となった。

なお、採択5チームのうち、ステルスや要追加検証などの理由で1チームについては公開されず、4チームがデモデイでピッチした。デモデイの最後には、主要メンターやデモデイに参加した聴衆らによる審査投票でチームを表彰した。

審査員は次の方々。

  • 林郁氏(デジタルガレージ 代表取締役社長兼グループCEO)
  • 畑彰之介氏(カカクコム 代表取締役社長)
  • 村上敦浩氏(カカクコム 取締役)
  • 前川雅彦氏(DG ベンチャーズ 取締役)
  • 佐々木智也氏(デジタルガレージ執行役員)
  • 松田信之氏(デジタルガレージ オープンネットワークラボ推進部部長)

【Best Team Award】【Audience Award】EaSyGo by GOYOH

Image credit: Open Network Lab

ビルから排出される CO₂ のうち、オーナーが実態把握できるのは15%に過ぎず、テナントが排出する残りの85%についてはオーナーが把握できない。情報収集のツールや人材が無いため、収集できた情報をもとに分析したり、改善のためのアクションが取ったりすることがもできない。

Image credit: Open Network Lab

EaSyGo では不動産を起点とした人々や企業の活動による CO₂ 排出量を可視化し、収集された情報に基づき、専門家が最適なアクションを提案する。上場 REIT やリゾートホテルなどで PoC を実施中。当初は国内の不動産ファンドをターゲットにする。

【Special Award】nesto by NESTO

Image credit: Open Network Lab

NESTO は、ウェルビーイングの習慣化をサポートするコミュニティ・プラットフォームを運営。ホストたちが心や体を整えらるオンラインコミュニティ(リズム)を企画、会員は決まった時間にルーティーン参加、価値観の合う会員と交流することで暮らしのリズムを整えることができる。

Image credit: Open Network Lab

現在7リズムが展開されており、6ヶ月間で現在の参加ユーザ数は140人。ARPU が比較的高いにもかかわらずローンチから退会者は6名に留まっている。メインの集客チャネルは紹介で、オンボーディングに至るまでの入会ハードルが高いことなどが共感度の高さにも影響しているという。

<関連記事>

IMA by MACHINA

Image credit: Open Network Lab

MACHINA が開発する IMA は社内向けのメッセージ動画ツールだ。創業メンバーらは HR 業界出身者が多く、これまでに組織が成長する過程で、簡単にバラバラになってしまう事例を多く見てきたという。その理由は、多忙のあまり、ミッションや価値観が共有されず、互いの行動への感謝や賞賛が減ることで感情や価値観を共有する機会が減ってしまうからだ。

Image credit: Open Network Lab

コロナ禍においてリモートワークが増える中においても同じことが言える。また、テキストチャットでは感情が伝えにくく、Web 会議ではタスクや課題を中心とした情報のやりとりに終始しがちで、それ以外のコミュニケーションの手段が用意されていない。IMA では複数のツールを使わず簡単にメッセージ動画や音声を作成・配信できる。保存された動画は自動的に文字起こしもされる。

Nu-Credits by Nu-Credits

Image credit: Open Network Lab

貿易においては、全取引の80%で融資が利用されている。輸入者は輸出者に発注を行い、輸出者は銀行から融資を受けることで商品を輸出する。輸入者は商品を受け取ってから代金を輸出者に(あるいは輸出者に融資した銀行に)支払う。こうすることで、輸入者と輸出者は互いのリスクを最小化して貿易取引できるが、中小企業の場合、銀行が融資に応じてくれない。

Image credit: Open Network Lab

銀行が融資しないのにも理由がある。中小企業では財務情報、信用情報、決済履歴がデジタル化されておらず、与信に必要なデータ収集や不正リスク(データ改竄)の課題があるからだ。Nu-Credits ではブロックチェーンを使って不正リスクを排除し、さまざまなデータを収集することで、銀行向けに債権リスクを可視化する。債権回収をアセットマネージャーに売却する選択肢も提供する。


Open Network Lab プログラムディレクターの佐藤直紀氏によれば、今回の第22期の修了を受け、Open Network Lab は通算で129組のスタートアップを輩出したことになる。また、前回第21期までの輩出スタートアップの、次期資金調達達成率は57.2%、イグジット率は11.8%に達しているとのことだ。

第22期デモデイの開催とともに、第23期への応募受付が開始された。第23期への申込締切は、4月30日の正午となっている。

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


大手「30代社長」に見る新規事業づくりの可能性ーーデロイトトーマツベンチャーサポート斎藤氏

SHARE:

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 日本の共創・オープンイノベーションに関わるキーマンの言葉を紡ぐシリーズ、今回はデロイトトーマツベンチャーサポート(DTVS)の代表取締役社長、斎藤 祐馬さんに登場いただきます。2010年に同社立ち上げに参画し、2019年から現職に就任されています。 大手企業とスタートアップを「朝につなぐ」Mornin…

デロイト トーマツ ベンチャーサポート代表取締役社長、斎藤祐馬氏

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

日本の共創・オープンイノベーションに関わるキーマンの言葉を紡ぐシリーズ、今回はデロイトトーマツベンチャーサポート(DTVS)の代表取締役社長、斎藤 祐馬さんに登場いただきます。2010年に同社立ち上げに参画し、2019年から現職に就任されています。

大手企業とスタートアップを「朝につなぐ」Morning Pitchを2013年から開始し、毎週木曜日の朝7時から累計で1,700社以上の企業が登壇、毎回数百人を集める人気企画となりました。2010年代のスタートアップエコシステムはまだ若く、特に大手とスタートアップという枠組みは手探りの状態でした。Morning Pitchが朝7時という早朝に始まったのも、こういった企画への参加に体制を整えている企業は少なく、本気度さえあれば、「業務外」でも参加できる集まりとしたかったからだそうです。

企画開始から約8年、350回以上のステージを経て斎藤さんが掴んだ手応えと見えてきた世界観とはどのようなものだったのでしょうか。(文中の質問者はMUGENLABO Magazine編集部、文中敬称略)

若手企業内人材の「強み」

斎藤さんとの会話で確認できたのは大手企業の新規事業への取り組み、特に他社との協業による「オープンイノベーション」に対する考え方の変化です。新規事業は大きく分けて社内で作るか、他社を買ってくる(M&A)かのいずれかでした。ここに第三の手法として「協業」をもう少し先に進めたオープンイノベーションの誕生が2010年代のひとつの特徴です。

アクセラレーションプログラムのような短期集中型の企画や、Morning Pitchといったマッチングイベントが多数開催されたことでこの活動が広く認知されることになります。変化は携わる人々に反映されていきます。起業家や大手企業内の新規事業、ジョイントベンチャーなどに関わる人たちの数や質が上がってきたのが2014年頃からです。

やはり大手企業の人材の質は変わりましたよね

斎藤:私もNewsPicks NewSchoolで「大企業30代社長創出」という講座を実施しているのですが、特徴的な技術力を持つ方もいらっしゃるんですよ。伝統的な重工業のような企業の中のエースみたいな方たちがいらっしゃって、実際に起業されたんですが最初から高い評価が付くんですね。

起業なんて一度も考えたことなかったけど、企業の中で社長をやるということについては興味があって講座にやってきて、いざやることを考えたらこれは起業した方がいいなと考えられて起業された方もいます。それ以外にも元々海外で博士号を取っていてグローバルでも戦える研究者とか、そういう方って以前のスタートアップにはいなかったと思います。

2040年に時価総額トップ10を塗り替えられるかってひとつの大きな基準だと思うんです。米国では20年以上前から優秀な方が起業した結果としてGAFAMができたわけですから、日本でもこういったトップオブトップの方が起業し始めているので、10年後・20年後が楽しみですよね。

大手企業出身の人材の強みってどこにあると思いますか

斎藤:成功体験や経験があるのに大金を手にしているわけでもなくハングリー精神が強い、っていう状況が特徴的だと思うんです。大手企業の中で新規事業を経験したことがある人ってここに当てはまることが多く、構造的に経験があった上でハングリーでいられることが成功につながる鍵だと感じています。日本は上場しやすい環境なので創業者利益を得た結果、モチベーションを保ちづらくなることも多い。

起業の成功のポイントは事業と人と資金の三つだと思いますが、これを子会社社長で一定割合経験できるのも大きいですよね。資金面は確かに自分の持ち出しでやるわけではないので、自分で起業した場合、初めてのケースになるかもしれません。しかし、事業と人のところはとても近い。例えば一回100人の組織を作った経験があれば、スタートアップした後にも同じようなことが起こるわけです。確実に挑戦しやすくなると思います。

変化した大手企業のオープンイノベーションへの取り組み

人々の考え方が変化し、大手企業にいることがローリスクでなくなりつつある今、彼らのキャリアに新たな選択肢としての「起業」が生まれ始めています。そういった状況の中で、大手企業でのキャリアを捨ててスタートアップに挑戦する起業家たちが上場していったのはご存知の通りですが、大手企業出身で社内起業を成功させるケースも目立ち始めました。

例えばJR東日本とサインポストの合弁会社「TOUCH TO GO」の阿久津 智紀氏はJR東日本出身の30代社長ですし、三井住友フィナンシャルグループと弁護士ドットコムが出資した「SMBCクラウドサイン」代表の三嶋 英城氏も同じく30代で三井住友フィナンシャルグループ出身です。

ここで課題になるのが制度設計です。オープンイノベーション的な新規事業の作り方で必要なのは子会社の箱ではなく、起業家に匹敵する優秀な社内人材をいかにして発掘し、モチベーション高く打席に立たせ、時として適切に撤退する「ルール」が必要です。斎藤さんは自身の経験を含め、最初の一例目を作ることが大切と振り返ります。

こういった社内起業の場合、最初の制度づくりが大変そうですが何か型のようなものってありそうですか

斎藤:もちろん成功しやすい制度設計はあります。ただ、一番大事なのは最初の事例を創ることです。例えば我々もデロイトトーマツの社内ベンチャーとして一つの形を作ることができた面があり、その経験を基に社内新規事業制度を運用しているのですが、事例が明確だと公募の数も集まりやすく成功事例をインキュベーションしやすい構造になっています。

なので、最初の事例を創り切ることが何より重要だと思います。加えて、エコシステムって言葉があるじゃないですか。エコシステムの本質って『何か自分でもできるかも』って思わせることだと思うんですよ。スタートアップって俺も頑張ればなんとかなるっていう文化があると思うんです。これまで大手企業にはそのベースが薄かったけれど、今は以前より身近に存在するようになっています。

この動きを加速させるコツって何でしょうか

斎藤:ここ近年で事例がやっと出てきた感じで、2回目、3回目は早いですよね。1回目が大変なんですよ。デロイト トーマツの社内起業制度でも今、3つほど事業が立ち上がっていて事例が出てくるとどんどん優秀な人が集まる。一度でも身近な人が事業を作ると連鎖が起こるんですよね。

あと難しいのが資本政策やインセンティブの設計ですよね。100%子会社のままではどうしても一事業部門のような感じで終わってしまう。ストックオプションなどのインセンティブの設計も自由度が少ないですよね

斎藤:そうですね、本当に企業として大きくしていこうとなった時、親会社がリスクマネーを支えきれないケースが多いです。そうなると他の大手企業を巻き込んで資金を入れてもらうとか、提携するなどの動きが必要になる。外部資金が入れば、必然的にその株式の「出口」を必要とすることになりますから上場という選択肢が出てきます。

100%子会社でできるなら本体事業としてやればいいという考えもあり、最近は最初からジョイントベンチャーで始めるケースも多くなっていますよ。あと、先ほどお話した30代社長の集まりでもいろいろな企業の30代社長がやってきてノウハウの交換をしています。ストックオプションを持たせるにはどうしたらいいか、とか、そういうノウハウはこれまでにはあまりなかったんですよね。こういった具体的なノウハウをコミュニティやコンサルティング、政策立案支援など様々な方法で広げていきたいです。

もう少し大きな枠組みで、国の支援制度などもいくつか出てきていますよね。この辺りの制度設計で必要なものって何があるでしょうか

斎藤:国や行政には応援と規制の両側面がありますよね。スタートアップへの応援という視点では機運が高まってこの言葉自体がメディアにも出てくるようになりました。これはこの10年ですごい進捗だったと思います。一方で、規制についてはまだまだ物足りないですよね。スタートアップって規制が緩和されたその瞬間にどんどん生まれてくるという側面がありますが、そこがなかなか進んでいない。

これはスタートアップが輩出する政治家がもっと増えないと変わらない面もあります。フィリピンやインドネシアといった国ではユニコーン企業を作った起業家が大臣になり政治の世界へ転身するケースがありますが、国内でも実業家の方々が政治家になるようなルートがどんどんでき、社会を変えていくような流れを仕掛けていきたいと思います。

ありがとうございました

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


IVS 2021 Springのピッチコンペティション「LaunchPad」の優勝は、物流ラストワンマイルの非効率を解消する207が獲得 #IVS2021

SHARE:

本稿は、3月17〜19日に開催される、IVS 2021 Spring  の取材の一部。 19日夕、IVS では恒例となっているスタートアップ・ピッチコンペティション「LaunchPad」が実施され、物流ラストワンマイルの非効率を解消する「TODOCU サポーター」と「スキマ便」を開発する 207 が優勝を獲得した。なお、IVS の終盤には、IVS の主催者である Infinity Ventures…

本稿は、3月17〜19日に開催される、IVS 2021 Spring  の取材の一部。

19日夕、IVS では恒例となっているスタートアップ・ピッチコンペティション「LaunchPad」が実施され、物流ラストワンマイルの非効率を解消する「TODOCU サポーター」と「スキマ便」を開発する 207 が優勝を獲得した。なお、IVS の終盤には、IVS の主催者である Infinity Ventures が4月第4週に名称が変更されることを示唆する VTR が放映された。

LaunchPad の審査員を務めたのは、

  • 仲暁子氏 ウォンテッドリー 代表取締役 CEO
  • 千葉功太郎氏 千葉道場 ジェネラルパートナー
  • 木村新司氏  Gunosy 代表取締役会長 グループ最高経営責任者
  • 丸尾浩一氏 大和証券 専務取締役
  • 本田謙氏 フリークアウトホールディングス 代表取締役社長
  • 吉田浩一郎氏 クラウドワークス 代表取締役社長CEO
  • 堀新一郎氏  YJ キャピタル 代表取締役社長
  • 高宮慎一氏  Globis Capital Partners 代表パートナー
  • 根岸奈津美氏 STRIVE パートナー
  • 金子剛士氏 East Ventures パートナー
  • Joseph Chan/詹德弘氏 AppWorks/之初創投 パートナー
  • Tina Cheng/成之璇氏 Cheruvic Ventures/心元資本 パートナー

副賞としてファイナリスト全チームに Freee 利用権5万円相当(Freee 提供)、クオリティスモールオフィス「H1O」6ヶ月無料利用権とサテライトオフィス「H1T」オープンスペース無料利用権(野村不動産提供)、AMBI 12ヶ月無料利用権(エン・ジャパン提供)、優勝から3位入賞者に Daiwa Innovation Network 優先登壇権(大和証券提供)が贈られた。

優勝チームに本当にかなう Amazon Wishlist (Amazon Web Service 提供)、5万円分のカタログギフトとプロの社外コンサルタントによるメンタリング受講権(NTT ・ドコモベンチャーズ提供)、採用サービス120万円分(ウォンテッドリー提供)、富士通ゼネラル空気清浄機(富士通提供)、Freee 利用権10万円分(Freee 提供)、楽天ギフトカード10万円分(大和証券提供)、CM 放映料100万円とテレシーアナリティクス50万円分(TELECY 提供)が贈られた。

登壇したのは以下の15社。

【1位】TODOCU サポーター/スキマ便 by 207

物流におけるラストワンマイルの課題を2つのサービスで解決する207。「TODOCU サポーター」は、全国に20万人いる個人事業主の荷物配送員の作業効率化を支援する。あらゆる会社の異なるフォーマットの配送伝票をスキャンするだけで、AI-OCR とオペレータにより自動デジタル化。最適な配送ルート、受取人への事前問合せで在宅時間を確認し、再配達を減らして配達効率を9割改善する。

受取人⇄配達員はチャットでやりとりされるため、配達員が運転中に電話に出られない問題を解決、不在ボックスの有無など配達効率化情報は、配達人を問わず横断して共有するため、サービスが使われれば使われるほど効率向上につながる。こうして得られた知見により、ギグワーカーでも荷物配送ができる「スキマ便」を提供。配送拠点を増やすことで、更なる配送効率の底上げにつなげる。

【2位】QUOREA by efit

efit の「QUOREA」は、さまざまな投資商品の投資を自動化するロボット(自動運用アルゴリズム)を提供するサービスだ。個人投資家は、現在3,000超の選択肢から、自分の投資ポリシーにあった、または成績の良いロボットを選べる。投資商品サービスプロバイダ各社と API 連携で接続し、投資初心者は自分の口座の中で投資活動を自動化できる。

公開されているロボットもまた、ユーザが作成し公開している。過去チャートからパーツを選択し、どの条件で買うか売るかを指示するだけでロボットが出来上がる。ロボットの作成者に対しては、そのロボットを利用したユーザへの助言料の一部が収入となる仕組み。競争原理が働くため、ロボット作成者は互いに成績を競うことになる。ビットコインだけでなく、株式や ETF にも対応する。

【3位】WorldShopping BIZ by ジグザグ

国内 EC サイトには、推定で平均5%海外からのユーザが訪れている。一方、海外からのユーザは、訪問した EC サイトで購入したい商品があっても、名前や住所欄のかな入力ができない、サイトが海外発送に対応していない(または対応していてもオペレーションが複雑)、不正決済防止の観点からサイトが海外発行クレジットカードに対応しておらず購入できない、といった課題に直面する。

ジグザグの「WorldShopping BIZ」 は、既存の国内 EC サイトが JavaScript を1行挿入するだけで、海外からのユーザに対応できるようにするサービスだ。海外からのユーザには画面中にナビゲーションバーが表示され、購入時にはモーダルが立ち上がり買い物ができる。サイトは月額5,000円+初期3万円、ユーザは(商品代金+国内送料)の10%手数料を同社に支払う。物流や貿易事務は同社が代行する。

【4位】Turing Drive by Turing Drive(智慧駕駛)

Turing Drive(智慧駕駛) は、低速特定目的車向けの自動運転システムを開発している。自動運転の開発競争が激しい一般的な乗用車やトラックやバスといった商業車に比べ、低速特定目的車——ゴルフカート、宅配用バイクなど——は、それほどでもない。Turing Drive は、低速特定目的車メーカー向けに、SDK、ソフトウェア、ハードウェア(センサー、レーダー LiDAR など)を提供する。

ワンタイムと月額で料金を徴収するため、メーカーやユーザは自動運転を手軽に導入することができる。これまでに4つの車種の10台に、台湾内の10箇所でシステムを導入。昨年5月から、台北市内では深夜時間帯、専用バスレーンを Turing Drive を搭載した無人バスが走行・人を乗せる試験運転を実施。最大で34人が乗車可能なこのバスには、これまでに累計3,000人が乗車した。

【5位タイ】NEXT Stage ER by TXP Medical

TXP Medical は救急集中治療医が設立したスタートアップで、急性期医療現場の業務フローをデジタル化する病院システム「NEXT Stage ER」を開発している。外来問診、救急車、ドクターカー向けの各種アプリ(音声入力を使用)から情報を取り込み、そこから電子カルテ、救急台帳、紹介状作成などあらゆる医療管理上必要となる作業へ連携が可能となる。

従来、医療現場では電子カルテからレセプト(請求処理)や研究用レジストリを作成していたが、NEXT Stage ER から電子カルテ作成や必要業務への情報連携でき作業が簡素化される。これまでに大学病院11病院を含む全国36病院に導入されている。

<関連記事>

【5位タイ】イヌパシー by ラングレス

ラングレスは、自律神経解析から愛犬のこころを読み解くデバイス「イヌパシー」を開発。犬に装着したハーネス型ウエアラブルデバイスにより心拍を計測し解析、犬の精神状態によって「リラックス(緑)」「興奮(オレンジ)」「ストレス(紫)」「興味津々(白)」「ハッピー(虹)」の5種類の色に、ハーネスのライトを変化させる。

これまでに獣医やトレーナーと協力し200頭以上の犬の心拍を解析、国内で1,500人の飼い主(およびそのペット)がイヌパシーを使っている。精神状態を読み取り人間と犬のコミュニケーションに役立てる以外にも、スマートフォンと連携し犬の健康管理や未病の早期発見にも役立てられる。海外の国立大学や日本の研究機関にも心拍データを提供。小型化で猫にも適用可能にする計画だ。

<関連記事>


入賞しなかったものの、予選を通過し決勝に登壇した残り9社は次の通り。

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録