シールドを上げろ、カーク船長!
スタートレックのオリジナル TV シリーズと関連映画で船長 James T. Kirk 氏を演じたことで知られる93歳の俳優 William Shatner(ウィリアム・シャトナー)氏が今週、X(旧 Twitter)で最新音楽アルバム「Where Will the Animals Sleep」のジャケットを公開し、ファンから非難を浴びた。
You can pre-order my new children's album on Amazon: https://t.co/CFiRzv8Lpw pic.twitter.com/jfvJfopdKX
— William Shatner (@WilliamShatner) April 21, 2024
Shatner 氏は21日、ジャングルの中で様々な人種の子供たち、象、鳥に囲まれた彼の姿をデジタルで表現したジャケットの画像と、Amazon でこのアルバムの CD またはレコードを注文するためのリンクを投稿した。
ある X ユーザは、2023年に SAG-AFTRA と全米脚本家組合がハリウッドでストライキを起こしたことを引き合いに出し、「俳優や脚本家は、AI に対してストライキを起こしたばかりじゃないか。芸術家も自分の技術が好きな人間であり、AIに乗っ取られることを望んでいない。」と答えた。
Shatner 氏は激しい反論を投稿した。
Well sweetheart, the only image is of me and I approved it. That means your craycray hysteria argument is null. The actor’s union issue was that studios could take moving images of previous acting jobs and repurpose the moving images and put them into an AI program for use in… https://t.co/9Qn2xz4joE pic.twitter.com/sQpWKWPQFI
— William Shatner (@WilliamShatner) April 22, 2024
別のユーザは、「すべての AI は、技術者たちがお金を払わず、著作権や商標権を侵害し、お金を払い続けていない仕事に基づいて訓練されている」と反論した。
それに対して Shatner 氏はこう答えた。「著作権違反を指摘してもらえますか‽しないのならば(口チャックの絵文字)」。
https://twitter.com/WilliamShatner/status/1782216252808745224
生成 AI の著作権問題についてもっと知るために Shatner 氏に呼びかけた人の中には、Midjourney や Stable Diffusion を含む AI アートジェネレーター企業に対する集団訴訟の原告の一人であるビジュアルアーティストの Karla Ortiz 氏もいた。
Hello Mr. Shatner!
I am a plaintiff of an ongoing class action lawsuit concerning visual generative ai companies such as midjourney, stable diffusion, etc. The work of my peers and my own work was used without consent to build the models. They wouldnt work without our work-
— Karla Ortiz (@kortizart) April 23, 2024
Shatner 氏は、多くのアーティストが他のアーティストにインスパイアされ、オマージュを捧げていることを指摘し、反省していない。
https://twitter.com/WilliamShatner/status/1782218268893499862
「進歩を起こそう」と、彼はリプライヤーへの別の返答で意見を述べた。
Did the portrait artists of the 19th Century storm the house of Giroux over the development of the camera? And compared to cameras of today they are very antiquated so let progress happen. It’s clearly meant to be an AI in its simplest form because it’s a children’s album not… https://t.co/IvwQyhCQRU
— William Shatner (@WilliamShatner) April 21, 2024
最終的に、彼はアルバムのジャケットに選ばれた AI のアートワークを支持し、「私が承認した、それだけだ。終わりだ。先へ進もう。」と投稿した。
https://twitter.com/WilliamShatner/status/1782221986636378383
Shatner 氏は、Kanye West こと Ye 氏から Madonna 氏に至るまで、有名なエンターテイナーやアーティストの中で最新の人物でありつづけているだけでなく、「Late Night with Devils(仮題:悪魔と夜更かし)」の映画製作者や最新作「True Detective(邦題:トゥルー・ディテクティブ)」のショーランナーのような新進気鋭のインディーズ・クリエイターも AI ビジュアルを作品に導入している。
また、そうすることで批判されることも多い。しかし、AI の使用を非難されながら、それを認めなかったり、決まり文句に満ちた声明を発表したりする他のアーティストとは異なり、Shatner 氏は、多くの批判者を前にしても、反抗的な態度を崩さず、躊躇することなく、元の立場を貫くだけでなく、批判者と関わろうとする立派な姿勢を示した。
彼はもうカーク船長を演じてはいないかもしれないが、Shatner 氏は明らかにカークの冷徹で闘争的な精神の一部を保持している。また、スタートレックのように新しいテクノロジーを受け入れて架空のキャラクターを作り出す姿勢は、生みの親である Gene Roddenberry 氏も誇りに思うだろう。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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