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「EC化率7%」の潮目と変化

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ここ最近、取材などをを通じて改めて気になったキーワードがあります。それが「EC化率」です。 ざっくり国内の個人向け電子商取引の市場規模は19兆円あり、この内訳が物販(10兆円)サービス(7兆円)デジタル(2兆円)になっています。この物販というのはリアルに店舗で販売しているモノもありますので、その全体に対する電子商取引の割合を「EC化率」としているわけです。 これが現在、約7%(正確には6.76%)…

国内電子商取引市場規模(BtoC及びBtoB)・2020年7月、経済産業省

ここ最近、取材などをを通じて改めて気になったキーワードがあります。それが「EC化率」です。

ざっくり国内の個人向け電子商取引の市場規模は19兆円あり、この内訳が物販(10兆円)サービス(7兆円)デジタル(2兆円)になっています。この物販というのはリアルに店舗で販売しているモノもありますので、その全体に対する電子商取引の割合を「EC化率」としているわけです。

これが現在、約7%(正確には6.76%)で、項目としては食品、生活家電、書籍、化粧品、雑貨、衣類、自動車、事務用品、その他の9項目に分かれています。割合が大きいのが食品と衣類、家電でおおよそそれぞれ1.9兆円ずつある感じです。

調査の推計によると国内における物品購入の総額は149兆円あるとされていて、これは横ばいだそうです。一方、電子商取引の市場は年次で8%(2018年から2019年)の成長で伸びていっています。

利用するユーザーの環境もインターネット化率はここ数年70%から80%台だったのが2019年になって90%近くまで一気に上がっています。利用端末の割合はやはりスマートフォンで63%がここからのアクセスになっています。

つまり、まとめるとこうなります。

  • 私たちは年間で149兆円のモノを買っている
  • ECで購入しているのは19兆円、年8%成長
  • 物販が10兆円、サービスが7兆円、デジタルが2兆円
  • 物販にはリアル販売もあり全体からのEC化率は7%
  • 6割を超える人たちがスマホでアクセス

このEC化率に関するレポートは2003年から発行されていて、あらゆる国内インターネットサービスに関わる人たちの基本的な指標になっている情報です。なので新鮮味はなく毎年「伸び代大きいよね」ぐらいの感想しか持っていなかったのですが、ここ数カ月、この7%にインパクトを与えるのではなかろうかという出来事がいくつか続きました。

  • 全産業デジタル化への波(DX)
  • BASE躍進とメルカリShops
  • スニダンとatama plusへの海外資金流入

市場の変化と資金の流れの二点で軽く考察してみます。

鍵を握る「SMB」と「食料品」

メルカリがECプラットフォーム参入ーーソウゾウが1900万人リーチの「Shops」開始へ

ビッグバンは言わずと知れたコロナ禍です。様々な数字が出ていると思うのですが、例えばここ最近で話題になったメルカリShopsの立ち上げ背景に大きく変化したユーザー動向というものがありました。メルカリは新型コロナウイルス感染症の拡大以降、在宅時間の増加から月間利用者数が約250万人増加しているそうです。

一方、販売側の小規模事業者はコロナという突然の出来事にオンライン化を模索し、その数字が2020年前半のBASEの数字に表れています。同社の四半期のGMV(流通総額)は2020年通期で951億円、2021年1Qが257億円という結果です。2020年1Qが125億円でその次の2Qが310億円と跳ね上がり、その後は250億円前後で推移するという状況になっています。

BASE決算における2020年の1Qから2QへのGMV跳ね上がりはそれを反映させたものです。BASEのIRで6月時点のショップ数が150万店、ここ直近では50万店舗が増加するなど、コロナ禍における小規模事業者のオンライン化が如実に現れた結果になっています。

「BASE(ベイス)」のネットショップ開設数が150万ショップを突破 直近1年で50万ショップが新規開設!

参考までにメルカリは2021年3QだけのGMVで2086億円、ユーザー数は1904万人に到達しています。国内における個人間売買の市場は1.7兆円(2019年)で、9.5%の成長率です。

これらの数字の動きはちょうどコロナ発生と前後しているのでイコール物販の方々がECを始めたものと考えてよいでしょう。消費者側はいわゆる巣ごもり需要です。

この特徴的な動きの中にあって注目すべき数字が、物販系ECのカテゴリとそれぞれのEC化率です。前述した通り10兆円は9項目に分類されるのですが、中でも食料品のEC化率(1.8兆円で2.9%)の低さは際立っています。

当然ながらこの数字の低さは随分前から注目されており、楽天と西友が2018年からネットスーパーを開設していますし、Amazon  Fresh(2017年開始)、この分野の国内草分けとして粛々と準備してきたオイシックス・ラ・大地は2021年1月にコロナ禍を理由とした上方修正を発表しています。幅広い小売のデジタル化を支援する10Xなどもこの流れとみてよいと思います。

ただ、ここにはこれまで伸びなかった理由として人口一人当たりのリアル店舗数が挙げられていて、要は歩けばコンビニ・スーパーあるよね、というアレです。

国内における20人以下の小規模事業者の数は305万者です。中小企業全体で約360万者で、このボリュームゾーンの解像度を上げて、どの業種にどのような課題が発生しているのかを調べてみるとチャンスが隠れているかもしれません。また、3%を切っている食品EC化率がどのように推移するのか、こちらも数字が大きいだけに全体のEC化率の向上に寄与する割合は大きそうです。

毎日発表される億ドル調達と海外資金

評価額240億円、スニダンは62億円調達してアジア戦へーーライバル・モノカブも買収

EC化率の話題と並んで、今後のパラダイムを大きくシフトさせる予兆を感じたのが海外資金の流入とグローバルで発生しているイノベーションへの資金流入です。

7月にはatama plusとスニーカーダンクを運営するSODAがそれぞれ50億円超の資金を調達しました。金額もさることながら、注目は出資者です。詳細はそれぞれの記事に記載しているのでそちらを参照いただきたいのですが、共に国内市場だけを期待していないことが明言されています。

元々、国内で実績ある投資家と話をした際、なぜ海外資金が流入しづらいのかを聞いたことがあるのですが、単純に時価総額の問題だそうです。国内は人口の面でもある程度需要があるので一定規模の市場(TAM)が期待できますが、グローバルではやはり見劣りします。彼らのアップサイドはAppleなので、どこまでそこに近づく案件に投資できるかが勝負になります。

これは2021年のグローバル投資額のリサーチ(CrunchBase調べ)なのですが、2021年の上半期だけで日本円にして約32兆円の資金がイノベーションに流入しています。評価額10億ドルの「ユニコーン」は上半期だけで250社誕生し、その総数は900社以上に上るそうです。ここでランキングに並ぶテマセク系やT. Rowe Price、ソフトバンク系は前述のスタートアップに投資しています。

Global Venture Funding Hits All-Time High In First Half Of 2021, With $288B Invested

2020年から2021年は反動があったのかもしれませんが、前年同期比で投資額が跳ね上がっている様子がよくわかります。現在も増資の話題をチェックしているのですが、日本円にして数百億円から数千億円が「毎日」発生している状況です。

2007年にiPhoneが生まれ、そこからおおよそ7年周期でモバイル・スマホシフトという大きなパラダイムシフトが発生しました。ゲームやソーシャルメディアが発達し、その後、SaaSブームで様々な業務がデジタル化されていきます。そして7年後の2021年、パンデミックの収束を前に徐々に数字や消費者の動きが顕在化してきているのが今だと思います。

かつてスマホシフトの際、メーカーの部品調達を調べて確実にガラケーからスマホに移行すると確信し、スタートアップの事業を仕込んだ起業家がいました。こういう潮目の変化は微妙なところから始まりますが、今回は別格です。それだけにどこにどのような動きが潜んでいるのか、現場も含めて解像度を上げることが求められます。

アップデートが進む「営業電話」解析スタートアップ/GB Tech Trend

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事からの転載 グローバルテックニュースでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。 今週の注目テックトレンド 営業オペレーションが、AIによって大きくアップデートされようとしています。なかでも大きな動きがあるのが営業電話の分野です。 ニュースレターの購読 …

ZoomInfoによる買収が発表されたChorus.ai。Image Credit: Chorus.ai。

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

グローバルテックニュースでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。
今週の注目テックトレンド

営業オペレーションが、AIによって大きくアップデートされようとしています。なかでも大きな動きがあるのが営業電話の分野です。

従来、企業の電話オペレーターを揃えた部門は顧客との会話を記録しています。しかし、せっかく内容を記録しても活かしきれないという問題がありました。そこで登場したのが、先日5.75億ドルでの買収が発表された「Chorus.ai」です。WebEx、Zoom、Join.Meに代表されるオンライン・ミーティングサービスと連携し、AIを通じて営業電話の自動書き起こし、解析、要点ハイライトの3つの機能を提供します。

これまでただの記録として流れてしまっていた録音データをより効率的に活かすのがChorusです。たとえば営業成績の高い人のデータが集まれば、それらをある種の「公式」として採用することができます。企業の有望な人材のフォーマットを新人に教え込むことで、人材育成をより効率的かつ効果の最大化を図ることができます。

さて、Chorusの買収をしたのが「ZoomInfo」です。同社は2020年6月に上場している営業SaaSツールを開発する企業です。しばしば「Salesforceキラー」と例えられます。

ZoomfInfoは顧客管理ツールですが、その強みは顧客情報の更新性にあります。ウェブ上からクローリングして構築された人事情報データベースと、顧客情報を紐づけて常に最新のステータスが確認できる仕組みになっています。企業データ数は1,400万を超えているそうです。あらゆる人の最新動向がわかることで、どの優先順位でコンタクトを取るべきか判断できるといったSalesforceにはない、痒い所に手が届く機能を実装しています。

Salesforce同様に収益モデルはサブスクリプションです。そのためChorusを買収することで、顧客とのやり取り、そのもののデータもZoomInfoへ連携しようとしていると推察されます。仮に顧客との営業電話データも獲得することができれば、各顧客の人となりや考え方までも分析できるようになるはずです。そうすればより高精度な顧客コンタクトリストの提案が可能となり、他社と大きく差をつけることができます。

ただし、Chorus.aiには大手競合としてSequoiaが出資する「Gong.io」がいます。彼らも急成長中のユニコーン企業でSalesforce Venturesが出資していることから、ZoomInfoと同じく音声AI企業の買収へと動くかもしれません。

いずれにせよ、HR市場では数年以内に大型買収か上場案件が加速することは間違いないでしょう。日本でも同様の動きが見られるかもしれません。

今週(7月19日〜7月25日)の主要ニュース

米オンデマンドデリバリのGopuff、新たに10億米ドルを調達——時価総額は150億米ドルに

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<ピックアップ> Gopuff scooped up another billion-dollar investment. It’s now valued at $15B アメリカ・フィラデルフィアを拠点とするオンデマンドデリバリ・スタートアップの Gopuff は7月30日、10億米ドルの調達を明らかにした。これは同社にとって、今年3月に実施した11.5億米ドルの調達(シリーズ G ラウンド)に…

2017年3月、SXSW でオースティンの街を歩いていた goPuff 3人娘。
Image credit: Masaru Ikeda

<ピックアップ> Gopuff scooped up another billion-dollar investment. It’s now valued at $15B

アメリカ・フィラデルフィアを拠点とするオンデマンドデリバリ・スタートアップの Gopuff は7月30日、10億米ドルの調達を明らかにした。これは同社にとって、今年3月に実施した11.5億米ドルの調達(シリーズ G ラウンド)に続くもので、今回の調達を受けて時価総額は150億米ドルに達した模様。フィラデルフィア発の新参ユニコーン3社の中で先頭を走る存在となった。

本ラウンドに参加したのは、Blackstone の新規事業系投資プラットフォーム「Horizon」、Guggenheim Investments、Hedosophia、MSD Partners、Adage Capital らが新規に参加、既存の投資家である Fidelity Management and Research Company、ソフトバンク・ビジョン・ファンド1、Atreides Management、Eldridge に加わった。

Gopuff は2013年、共に地元ドレクセル大学の卒業生である Rafael Ilishayev 氏と Yakir Gola 氏により創業。昨年、イギリスのラストマイルデリバリ Fancy、企業向け物流ソフトウェア rideOS など複数企業をを戦略的買収し、移動式キッチンで食事を料理・提供する「Gopuff Kitchen」をローンチした。この分野では、日本ではレキピオが累計2億円超を調達している

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via Technical.ly

世界50カ国での人材獲得を支えるHR管理サービス「Remote」、新たなユニコーン企業として急成長中/GB Tech Trend

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事からの転載 グローバルテックニュースでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。 今週の注目テックトレンド コロナ禍において働き方は大きく変わり、オンラインでの人材獲得が一般的となりました。特に採用する地域についてはリモートワークが普及したおかげで、国内…

1億ドルの調達とユニコーン企業へと成長した「Remote」。Image Credit: Remote。

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

グローバルテックニュースでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

今週の注目テックトレンド

コロナ禍において働き方は大きく変わり、オンラインでの人材獲得が一般的となりました。特に採用する地域についてはリモートワークが普及したおかげで、国内においても選択の幅が広がっていると思います。

一方、国をまたいでで従業員やフリーランスを獲得するとなると、税金や契約書類、給与計算に至るまであらゆる項目がバラバラで、多国籍企業になればなるほど管理の難易度が高まります。それゆえに管理コストをまかなえる大企業でしか世界中から人材を獲得できずにいました。そこで登場したのが「Remote」です。

Remoteは社員の属性を問わず(正社員や契約社員)、リモートで働く人の入社手続き、給与計算、福利厚生などを管理するツールを提供しています。7月には1億5000万ドルの調達に成功し、10億ドルの企業評価と共にユニコーン企業入りも果たしています。

Remoteは現在、世界50カ国でのサービスを展開しています。今回の調達で福利厚生やエクイティ、ビザサポート、従業員のリロケーションなどの分野も強化およびカバーする予定で、リモート人材を獲得するためのフルスタックサービスとして市場でのさらなる成長を目指します。

新しい人材を世界中から採用するとなると、現地法人の立ち上げや、現地の法律・税務に精通した人を雇う必要がありました。こうしたグローバル人材獲得のバックエンドコストをSaaSのアプローチから解決しようというわけです。同社は元々、世界各国のエンジニアを採用するプラットフォームに重きを置いていましたが、今では職種を問わずグローバルチーム組成を手軽に行える採用インフラになっています。

スポットで依頼するクラウドソーシングなどと異なり、長期コミットが求められる開発仕事はやはりある程度のチームビルディングが必要になります。用意される予算も桁が違ってきますし、B2B事業として成立させやすい領域です。

類似するプラットフォームとして、アプリの外注開発を請け負う「Engineer.ai」や「Gigster」らに代表されるサービスは、世界中から集められたリモート・エンジニアチームによって開発チームを構築できるようになっています。

企業が個人のエンジニアを探し出して採用するような形ではなく、プロジェクトを丸ごと開発企業に投げてしまい、その裏側ではオンデマンドに組成されたリモートワーカー達によって開発されるといった流れができつつあるのです。

今週(7月12日〜7月18日)の主要ニュース

バーチャル教室「Class for Zoom」開発、ソフトバンクらから1億米ドル超をシリーズB調達——ユニコーン目前、日本などにも事業拡大へ

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<ピックアップ> Class Technologies is eyeing unicorn status with a $105M, SoftBank-backed Series B ワシントン拠点のスタートアップ Class Technologies は、ソフトバンクの支援を受けた1億500万ドルのシリーズ B ラウンドを発表した。昨年の創業以来、同社は1億6,000万米ドルを調達しており、今年…

Image credit: Class Technologies

<ピックアップ> Class Technologies is eyeing unicorn status with a $105M, SoftBank-backed Series B

ワシントン拠点のスタートアップ Class Technologies は、ソフトバンクの支援を受けた1億500万ドルのシリーズ B ラウンドを発表した。昨年の創業以来、同社は1億6,000万米ドルを調達しており、今年に入って、春以降2回目の調達となる。同社は、教師が Zoom を使って出席を取ったり、試験を監督したり、生徒と1対1で話したりする作業を可能にするエドテックプラットフォームだ。

このラウンドは、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2 がリードインベスターを務め、GSV Ventures、Emergence Capital、Maven Partners、Owl Ventures、Insight Partners、SWAN & Legend Venture Partners、Revolution’s Rise of the Rest Fund、Learn Capital、Reach Capital、Slow Ventures、Sound Ventures、Chimera Investment、Daher Capital、マドンナや U2 の元マネジャーとして知られる Guy Oseary 氏、Zoom の初期投資家として知られるベンチャーキャピタリスト Bill Tai 氏、有名フットボール選手の Tom Brady 氏らが参加した。

CEO の Michael Chasen 氏は、同社が前四半期比で約4倍の成長を遂げ、今回の増資で時価総額は8億4,400万ドルに達し、ユニコーンの地位に近づいていることを確認した。今夏の調達では、ヨーロッパ、中東、ブラジル、カナダ、日本、中国など、拡大したい地域に Class のメンバーを増やすことが第一の目標だとしている。また、将来的には市場や国に特化した製品を提供する可能性もあると Chasen 氏は語っている。

via Technical.ly

ブロックチェーンゲーム開発のAnimoca Brands、豪ゲーム開発のBlowfish Studiosを38億円超で買収

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Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから。 香港に拠点を置くブロックチェーンゲーム企業の Animoca Brands は、オーストラリアのインディーゲーム開発会社 Blowfish Studios を、いくつかの条件を含む現…

Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから


香港に拠点を置くブロックチェーンゲーム企業の Animoca Brands は、オーストラリアのインディーゲーム開発会社 Blowfish Studios を、いくつかの条件を含む現金と株式による取引で、総額3,500万豪ドル(約38.4億円)で買収した。

Animoca Brands は、契約一時金として900万豪ドル(約10億円)を支払う。400万豪ドル(約4.4億円)が現金で支払われ、残りは相当の株式が提供される。Blowfish Studio の創業者 Benjamin Lee 氏と Aaron Grove 氏が買収後2年間働き続ければ、さらに100万豪ドル(約1.1億円)の現金と500万豪ドル(約5.5億円)相当の株式が提供される。

また、Blowfish Studiosが2022年および2023年までに一定の収益目標を達成した場合、さらに2,000万豪ドル(約21.9億円)が提供される可能性がある。

Blowfish Studios のゲームのひとつ「Siegecraft Commander」
Image credit: Blowfish Studios

2010年に設立された Blowfish Studios は、PC、モバイルデバイス、PlayStation 5、Xbox One、Nintendo Switch などの各種コンソール向けにゲームをリリースしている。現在、「Qbism」、「Siegecraft」、「Morphite」、「Projection: First Light」、「Storm Boy」など33本のゲームをリリースしている。

Animoca Brands の共同創業者兼会長の Yat Siu 氏は、自社と Blowfish Studios が持つような AAA タイトル(大ヒットゲーム)とブロックチェーン技術の組み合わせは稀だと言う。彼は、両スタートアップが多くのプロジェクトに取り組んでいて、近日中に発表される予定だと付け加えた。

この買収後、Blowfish Studios の現在の経営陣は引き続き会社を運営し、Animoca Brands と協力して、ブロックチェーン連携、Play-to-earn 機能、製品の発売、さらには FT(代替性トークン)と NFT(非代替性トークン)に関する取り組みを調整する。

今回の取引に先立ち、Animoca Brandsは最新の資金調達ラウンドで8,880万米ドルを調達し、ユニコーンとなった(編注:その後。さらに5,000万米ドルの調達が報道された)。香港を拠点とする同社は、「The Sandbox」などのオリジナルゲームを制作するほか、Axie Infinity の生みの親である Sky Mavis や、CryptoKitties の生みの親である Dapper Labs など、複数のブロックチェーンゲーム企業に投資・提携している。

【via Tech in Asia】 @Techinasia

【原文】

中小ECの脱Amazonを実現する「フルフィルメント民主化」、日本でも広まるか/GB Tech Trend

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事からの転載 グローバルテックニュースでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。 今週の注目テックトレンド 6月29日に「ShipBob」が2億ドルの大型資金調達を発表するなど、ECを支えるフルフィルメント・システムの外注が進みつつあります。 ニュースレ…

2億ドルの調達を果たしたShipBob。Image Credit: ShipBob。

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

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今週の注目テックトレンド

6月29日に「ShipBob」が2億ドルの大型資金調達を発表するなど、ECを支えるフルフィルメント・システムの外注が進みつつあります。

TechCrunchによれば、同社は500以上のECプラットフォーム企業と提携しており質の高いフルフィルメント体制を構築できるバックエンドシステムを提供しています。すでに黒字化も達成しているそうです。

ShipBobは米国・カナダ・ヨーロッパ・オーストラリアの約20拠点で倉庫を運営しており、顧客EC業者がこれら倉庫を利用して商品の保管・配送することができる一貫したフルフィルメント・サービスを販売しています。加えて、Amazonを筆頭に、WalmartやShopify、BigCommerce、Wix、Square、Squarespaceを含むパートナーと提携し、これらのプラットフォームを利用する業者向けにサービス提供してます。顧客が購入ボタンを押した後に発生する、注文書の処理から物流業者手配まで、ほぼ全ての処理を担っているのがShipBobです。

ShipBob以外に、ヨーロッパを拠点とする「Byrd」も1,900万ドルの調達に直近漕ぎ着けています。同社はオーストラリアを拠点としてイギリス、ドイツ、オランダ、フランスにも拡大をしています。こちらの記事によると、15のフルフィルメント・センターと200以上の顧客企業を保有しているそうです。

いずれの場合にも、中小EC企業のフルフィルメント・ニーズを支えています。こうした零細企業はAmazonのマーケットプレイスに頼らざるを得ない事情がありました。というのも、自社ECサイトやその他プラットフォーム上で商品販売する選択肢は常にありますが、Amazonが展開する圧倒的なフルフィルメント力によって全く競合優位性を維持できていなかったのです。

Statistaによると、Prime会員の実に79%もの人が無料配達サービスを理由に会員サービス継続をしているというデータもあります。とはいえ、ここに来て急に一般顧客ニーズを満たすべく、Amazon同様のフルフィルメントを事業者らが構築できるわけもありません。

逆に言えば企業データを独占しているAmazon依存から脱却するためにも、強力なフルフィルメントを手軽に利用できるニーズというものは強くあったのです。「フルフィルメントの民主化」というニーズを一身に受けているのがShipBobやByrdというわけです。

実は以前にも米国で反Amazonの旗手として登場したフルフィルメント企業がありました。それが「ShopRunner」です。顧客は年間79ドルを支払えば、ShopRunnerの提携ECでショッピングをする際、2日以内の配達・返品無料サービスを受けられます。決済時にクレジットがなくとも分割払いを選択できる「Affirm」のように、APIを繋いでおけば配達指定ページにオプションが表示される具合です。同社はFedexによって買収されています。

ここまで説明してきた市場動向を日本で聞くことはありませんが、いずれはやってくることでしょう。たとえば「BASE」や「STORES」と連携してくるフルフィルメント・プレイヤーが登場するかもしれません。

今週(7月5日〜7月11日)の主要ニュース

スーパーの中に現れた、子供たちの集まるデジタルな公園とは——イトーヨーカドーとプレースホルダの挑戦

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 課題とチャンスのコーナーでは、毎回、コラボレーションした企業同士のケーススタディをお届けします。 ニュースレターの購読 注目すべき記事、世界のスタートアップシーンの話題、BRIDGE 主催のイベントに関する情報をお届けします! Sign Up スーパーマーケットでおもちゃを買ってもらうのが楽しみだった…

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

課題とチャンスのコーナーでは、毎回、コラボレーションした企業同士のケーススタディをお届けします。

スーパーマーケットでおもちゃを買ってもらうのが楽しみだった体験は、多くの人にとって、子供の頃の懐かしい思い出です。しかし、おもちゃ売り場にも e コマースの波は押し寄せています。STEM やデジタルリテラシーの教育も求められるようになる中で、子供たちに提供するエンターテイメントのカタチや届け方も変化してきています。

全国にショッピングモールやスーパーマーケットを展開するイトーヨーカドーですが、流通・小売大手の中ではいち早くオムニチャネルの開拓に着手したセブン&アイグループの主軸企業ということもあってか、子供向けのエンターテイメントのあり方については、新しいアプローチを始めています。組んだ相手は、デジタル技術を使った次世代型テーマパーク「リトルプラネット」を運営するプレースホルダでした。

プレースホルダは2016年に設立された、プロジェクションマッピングや AR を使った体験型アトラクションを企画・開発するスタートアップです。これまでに、KDDI Open Innovation Fund のほか、TBS テレビを傘下に持つ東京放送ホールディングス、みずほキャピタル、インキュベイトファンド、映像大手 IMAGICA GROUP の OLM Ventures から資金を調達しています。

イトーヨーカドーは2021年4月、大和鶴間店(神奈川県大和市)で子供関連売り場をリニューアルし、コンセプトフロア「TOYLO PARK(トイロパーク)」を誕生させました。ここでは、プレースホルダが「リトルプラネット」で培ったノウハウを生かし、デジタルキッズパーク「TOYLO PARK powered by リトルプラネット」をおもちゃ売り場に融合させるという、新たな試みが行われています。。このプロジェクトに関わられた、イトーヨーカ堂の山幡耕司さんと、プレースホルダの鈴木匠太さんにお話を伺いました。

TOYLO PARK powered by リトルプラネット

目指したのは「公園に勝てる場」の創出

スーパーマーケットの子供向け商品と言えば、おもちゃ、ランドセル、文房具、などなどですが、e コマースの拡大に伴い、リアル店舗の商売は日に日に難しくなってきています。

物販に固執していては、マーケットから取り残されてしまう。そんな考えから、リアル店舗ならではの体験を子供たちに届けられないかと考えました。子供たちは遊ぶのが大好きですから、本来、子供関連売り場にとっての最大の競合は「公園」だと認識しています。その公園の魅力を取り入れ、公園に勝てる場を創り出すにはどうすればよいかを考え続けました。(イトーヨーカドー 山幡さん)

公園の他に、子供たちの大好きなものといえばおもちゃです。おもちゃと公園がある空間は、必然的に公園を超えるものになるはず。TOYLO PARK は、おもちゃ売り場と「リトルプラネット」を掛け合わせる形で誕生した、近未来のファミリー向けコンセプトフロアです。「モノ」だけでなく「コト」を提供することで、子供たちが体験のできる環境を用意。この体験の提供でマネタイズにも成功しています。

TOYLO PARK として、子供関連売場の面積を1.3倍拡大しましたが、それに対し売上は3倍へ伸長。オープン後は、業界関係者、特に同業者の視察が後を絶たない状態が続きました。お客様からは、「楽しい!!」「大人も楽しめる」といった声を非常に多くいただいています。(イトーヨーカドー 山幡さん)

ここで、山幡さんに聞いた興味深いエピソードをご紹介したいと思います。スーパーマーケットで親におもちゃを買ってもらった子供は、おもちゃを開封して遊びたい一心で、早く家に帰りたいと親にせがみます。一方、TOYLO PARK内のキッズパーク を体験した子供は、家に帰りたくないと言うそうです。滞留時間が延びれば、親は他の売り場で買い物を続けるかもしれません。子供が「また、TOYLO PARK へ行きたい」と言えば、その親子にとって、他のスーパーよりイトーヨーカドーに足を運ぶ、強いインセンティブになります。

共創から生まれた、「モノ(物販)」と「コト(体験)」の融合

イトーヨーカドーが TOYLO PARK の構想を具現化する中でプレースホルダが手を組むきっかけとなったのは、プレースホルダが全国8 ヶ所(2021年7月時点)に常設展開する「リトルプラネット」のキラーコンテンツ「SAND PARTY!」の存在です。「従来の公園を超える、未来の公園」を探していた山幡氏は、この AR を使った砂場を初めて紹介された時に「これだ」と確信を得たそうです。

プレースホルダは2019年から「リトルプラネット」のライセンスパートナーシップ(フランチャイズ)展開を始めており、各社と連携は経験していましたが、それらは大型ショッピングモールの中にテナントして出店する形式をとっていて、店舗の外観デザインや設計はプレースホルダが包括的に取りまとめるというものでした。

対照的に、TOYLO PARK はイトーヨーカドーが新たな事業形態を模索するコンセプトフロアで、すでに定められた空間の一部にパークとして設置するという初めてのモデルケースでした。直営パークでもライセンスパークでもない初の試みに、共創ならではの難しさと可能性を感じたと、プレースホルダの鈴木氏は昨年の出店準備を振り返ります。

TOYLO PARK のデザインやコンセプトを壊さずに、多くの関係各社とも連携しながら、リトルプラネットの魅力を来店者に伝えるという挑戦は難しいものでした。ただ、こうしたコンセプトフロアの中で自社のコンテンツを最大限に活かすという経験は滅多にできることではありません。設計やデザイン、運営面において貴重な経験になりました。(プレースホルダ 鈴木さん)

TOYLO PARK powered by リトルプラネット

プレースホルダにとっては、これまでのデジタル技術を使ったテーマパークというだけでなく、子供関連売り場の一部に併設という初めてのケースとなったことで、「コト(体験)」だけでなく「モノ(物販)」と「コト」を融合することで生まれる新たな可能性を確認することができました。物販と関連づけられることから、メーカーからの協力も得られやすくなっています。

リトルプラネットでは昨年より三菱鉛筆様に公式サポーターとなっていただき、アトラクションで使用する色鉛筆「ポンキーペンシル」の物品協賛やアトラクション内コラボなどを行っています。こうしたメーカー様を巻き込んだ施策もさらに推進していきたいと考えています。例えば、おもちゃ売り場で販売する商品を実際にリトルプラネットで試遊できるなど、新たな子ども売り場作りに取り組んでいきたいです。(プレースホルダ 鈴木さん)

今後は、おもちゃ売り場とリトルプラネットのシナジー効果を高めていきたいとのことです。新型コロナウイルスが収束すれば、本格的な集客が可能になり、TOYLO PARKのキッズパークで体験をしたエンターテイメント関連のおもちゃを購入して家に持ち帰ったり、購入したおもちゃを使ってキッズパーク内で遊べたり、リアルとバーチャルの掛け合わせで、さらなる売上伸長に期待が持てます。

「TOYLO PARK powered by リトルプラネット」は、初拠点がオープンしてまだ数ヶ月であることやコロナ禍にあることなどから、イトーヨーカドーとプレースホルダ両社にとって事業的成果を評価をするには時期尚早です。うまくいけば、この構想は横展開され、日本中のイトーヨーカドーで、子供たちが「AR 砂場」に目を輝かせ歓声をあげている姿を目にできるようになるでしょう。

編集部では引き続き共創の取り組みをお伝えしていきます。

インドの小規模店舗向けQRコード決済スタートアップBharatPe、3.5億米ドル調達へ——まもなくユニコーンに

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<ピックアップ> BharatPe in talks to raise $350 million フィンテックスタートアップ BharatPe がインドの次のユニコーンになる可能性が高い。時価総額20億米ドル以上で約3.5億ドルの投資を行う可能性が高いと、この件を知る2人の人物が語ったと Mint が伝えた。このラウンドには、Tiger Global が1億米ドルを出資するとされ、既存の投資家であ…

<ピックアップ> BharatPe in talks to raise $350 million

フィンテックスタートアップ BharatPe がインドの次のユニコーンになる可能性が高い。時価総額20億米ドル以上で約3.5億ドルの投資を行う可能性が高いと、この件を知る2人の人物が語ったと Mint が伝えた。このラウンドには、Tiger Global が1億米ドルを出資するとされ、既存の投資家である Coatue Management と Ribbit Capital も参加する見込み。同社の既存投資家には、Insight Partners、Steadview Capital、Beenext、Amplo、Sequoia Capital などがいる。

BharatPe は、今回の資金調達のため投資家との交渉を進めている。この資金調達は、Centrum Group と共同で進めている、経営難に陥った Punjab and Maharashtra Cooperative Bank(協同組合銀行)の買収計画に沿ったもので、BharatPe 共同創業者の Ashneer Grover 氏は、BharatPe が今後2年間で、同協同組合銀行に2.5〜3億米ドル相当を出資する予定であると述べていた。

BharatPe は、オフライン店舗がデジタル決済を受け入れ、運転資金を確保できるようにするためのサービスを提供している。インターネットが通じていない小規模店舗は、Paytm をはじめ複数種類のデジタル決済を簡単に受け入れられるようになる。同プラットフォームはインド決済公社が銀行間取引のために開発した決済システム「Unified Payments Interface(UPI)」を使った、QR コードと POS マシンで構成されている。

via Mint

韓国のAI-OCRスタートアップAKUODIGITAL、数年以内の東証マザーズ上場を目指す

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<ピックアップ> 악어디지털, 주간사 다이와증권과 일본 IPO 추진 韓国の AI-OCR スタートアップ AKUODIGITAL(악어디지털)は、日本の大和証券と IPO に関する主幹事契約を締結したことを明らかにした。数年以内の東証マザーズへの上場に向けて準備を始める。AI-OCR をめぐっては、日本では業界1位 AI inside が2019年12月に上場しているが(時価総額は、本稿執筆…

Image credit: Akuodigital

<ピックアップ> 악어디지털, 주간사 다이와증권과 일본 IPO 추진

韓国の AI-OCR スタートアップ AKUODIGITAL(악어디지털)は、日本の大和証券と IPO に関する主幹事契約を締結したことを明らかにした。数年以内の東証マザーズへの上場に向けて準備を始める。AI-OCR をめぐっては、日本では業界1位 AI inside が2019年12月に上場しているが(時価総額は、本稿執筆段階で約433億円)、AKUODIGITAL ではこの上場で AI inside と肩を並べたいと考えているようだ。

AKUODIGITAL は、韓国唯一の AI-OCR スタートアップで、AI-OCR や RPA をベースに、ドキュメント回収、スキャン、電子化、原本保管・破棄までの全過程をワンストップで提供する BPO サービスを展開。社会課題に向き合う ESG 投資への関心の高まりに合わせ、大企業や公共機関でペーパーレス化が加速しており、AKUODIGITAL にとっては事業の持続的な成長が期待できる。

AKUODIGITAL は2014年1月の創業。今年5月に実施したシリーズ B ラウンドでは Capstone Partners、KDB Capital、KB 証券などから資金調達を受け、累積調達金額は約10億円規模に達した。日本の投資家からは、これまでにコロプラネクストからマイナー出資を受けている。日本では、企業向けデータマネジメントサービス大手 AOS データなどと販売代理店契約を結び、OEM 販売などで市場攻勢に拍車をかけている。

via VentureSquare(벤처스퀘어)