Masaru IKEDA

Masaru IKEDA

1973年大阪生まれ。インターネット黎明期から、シンクタンクの依頼を受けて、シリコンバレーやアジアでIT企業の調査を開始。各種システム構築、ニッポン放送のラジオ・ネット連動番組の技術アドバイザー、VCのデューデリジェンスに従事。SI、コンサルティング会社などを設立。Startup Digest(東京版)キュレータ。

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初期コストゼロの店舗向け顧客エンゲージメント支援アプリ「toypo(トイポ)」、5,700万円を調達——福岡から事業拡大へ

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福岡を拠点に、店舗向け顧客エンゲージメント支援アプリ 「toypo(トイポ)」を運営するトイポは、アーリーステージで資金調達を完了したことを明らかにした。前回ラウンド(エンジェルラウンド相当と推定される)には TLM(現在の mint)と田中邦裕氏(さくらインターネット代表取締役社長)、今回ラウンド(シードラウンド相当と推定される)には FGN ABBA Lab ファンド、F Ventures、E…

Image credit: Toypo

福岡を拠点に、店舗向け顧客エンゲージメント支援アプリ 「toypo(トイポ)」を運営するトイポは、アーリーステージで資金調達を完了したことを明らかにした。前回ラウンド(エンジェルラウンド相当と推定される)には TLM(現在の mint)と田中邦裕氏(さくらインターネット代表取締役社長)、今回ラウンド(シードラウンド相当と推定される)には FGN ABBA Lab ファンド、F Ventures、East Ventures が参加し、両ラウンドを合計した累計調達額は5,700万円に達した。

toypo は、2020年1月にβローンチした飲食店やアミューズメント施設向けのエンゲージメント支援アプリだ。店舗単独のアプリではなく、WeChat(微信)のミニアプリ(小程序)のような「アプリの中の(店毎の)アプリ」の形をとる。会員証、スタンプカード、テイクアウト、事前注文、モバイルオーダーなどの機能を店舗は月額利用料だけで利用でき、顧客接点をデジタル化することで、効果的な販売促進や顧客満足度の向上を見込める。アプリのユーザは、お気に入りの店をまとめて管理し、お得な情報やサービスをアプリ1つで受けられる。

店舗用のダッシュボード
Image credit: Toypo

自社アプリを簡単に開発できるノーコードツールも出揃ってきたが、それでも店舗によっては、開発予算を十分にかけられなかったり、作った後の運用コストを捻出できなかったり、運用の中心となるべきマーケティング部門が無かったりする。このような店舗にとっては自社アプリを開発しても十分な効果を出せないし、予算が不十分だとアプリの品質も下がってしまう。一方で、店舗側にはアプリを出す出さないに関わらず効果的なマーケティングの実施ニーズがあり、toypo は彼らをターゲットとすることに成功した。

トイポの創業者で代表取締役の村岡拓也氏は、高校時代から「もっとお店を便利に使えたらいいのに」と、このアプリのアイデアを温めていたという。2019年4月に22歳で起業後は、福岡市内で飲食店を間借りし、自前で黒カレーランチの店を経営することを通じて飲食店のニーズを模索した。toypo では、店は基本無料で利用開始でき、客が2回目以降(すなわちリピーター)アプリを開いたときから店に利用料がカウントされる。この導入ハードルを下げたモデルが功を奏し、数十店舗で合計1万人ほどの客が利用しているという。

toypo のフォーカスは、店舗にとって費用対効果を高める一方、企画や運用のための負荷を下げることにある。飲食店はもとより、最近ではサウナーにとっての聖地の一つである「ウェルビー福岡」も toypo の導入を決めた。toypo のインターフェイスとサービスモデルの受け入れやすさは、同サービスが有料化された昨年10月以降、利用をやめた店舗が存在していない状況からも窺い知ることができる。同社では調達した資金を使って、toypo の開発強化に加え、福岡以外への事業展開を積極化するとしている。

<参考文献>

Kepple Africa Ventures、アフリカのスタートアップ93社に投資し1号ファンドをクローズへ

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Kepple Africa Ventures は29日、同社が2018年12月に開始したアフリカ向けスタートアップ向けの1号ファンドが、アフリカのスタートアップ93社への投資を完了し、まもなくクローズを迎えることを明らかにした。同社は並行して、2号ファンドの組成準備を進めているものと見られる。最終的な1号ファンドの規模は13億円で、東アフリカはケニア、西アフリカはナイジェリアという、サブサハラアフ…

Kepple Africa Ventures のジェネラルパートナー:左から 山脇遼介氏(ケニア)、品田諭志氏(ナイジェリア)、神先孝裕氏(日本)
Image credit: Kepple Africa Ventures

Kepple Africa Ventures は29日、同社が2018年12月に開始したアフリカ向けスタートアップ向けの1号ファンドが、アフリカのスタートアップ93社への投資を完了し、まもなくクローズを迎えることを明らかにした。同社は並行して、2号ファンドの組成準備を進めているものと見られる。最終的な1号ファンドの規模は13億円で、東アフリカはケニア、西アフリカはナイジェリアという、サブサハラアフリカでは最も市場が大きい2カ国を中心に活動し投資先は11カ国に達した。

1号ファンドの LP は明らかになっていないが、日本でスタートアップをイグジットした個人投資家が多いと見られる。日本の起業家がスタートアップの成功を通じた獲得して資金を、アフリカのシードスタートアップや起業家の育成へ還流する、国・大陸を超えた Founders Fund 的な位置付けを持つファンドと定義することができるだろう。ファンドのカテゴリはリープフロッギングにとどまらない、成長著しいアフリカの社会ニーズを取り扱った事業がほとんどだ。

投資先の7割は、ナイジェリアとケニア、そして、その周辺諸国。他には、エジプトが5社、それ以外に南アフリカなどだ。投資したスタートアップの中でも、最も成長が著しいところでは、時価総額がこの2年半で約17倍にまで伸びた。当初は5年ほどかけて投資することを考えていたが2年半で完了した。スタートアップはイグジットを急ぐ必要もなく、セカンダリ取引も増えてきているので、長い目で成長を見守っていける状況が整ってきた。(ジェネラルパートナー 品田諭志氏)

品田氏が最も成長著しいと評したスタートアップは、デジタルバンクの TeamApt のことだろう。ナイジェリアに拠点を置き、1,500万人と10万社を顧客に擁するこのスタートアップは、事業者・消費者を問わず、銀行口座を持たないユーザにその代替手段を提供するのが特徴だ。また、インディペンデントレーベルの多いアフリカで、8万人のアーティストをネットワークすることに成功したアフリカ版 Spotify の「Mdundo」は昨年デンマークで上場、600万米ドルを調達した。

Kepple Africa Ventures が出資した後、オープンイノベーションの可能性の観点から、日本の事業会社が戦略的にフォローオン出資する事例も出始めた。ゲームスタジオからゲーム配信プラットフォームにピボットした Carry1st(南アフリカ)はアカツキが出資、遠隔医療などを提供する Africa Health Holdings(ガーナ)にはエムスリーが、昆虫プロテインの nextProtein(チュニジア)にはオークファンが、エンジニア育成事業等を展開する Decagon(ナイジェリア)にはユナイテッドが出資した。

同社では VC としてリスクをとってシードやアーリーのステージで投資し、その後、投資先が成長し、日本の事業会社への紹介を通じて直接投資する事例を出てきたことで、「アフリカと日本を繋ぎ、日本の事業会社がアフリカのイノベーションを自社に取り込める環境を提供できるようになった」として、1号ファンドの果たした意義を評価している。Kepple Africa Ventures では今後も、アフリカのスタートアップへの投資を拡大する計画だ。

日本からアフリカのスタートアップへ投資を行うファンドは増えつつあり、UNCOVERED FUNDサムライインキュベートDouble Feather PartnersAsia Africa Investment & Consulting(AAIC) などが投資活動を活発化させている。

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SYNQA、自社サイトでのNFT運営を簡単実現できるAPI&SDK「Opn.Mint」をβローンチ

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東南アジアに拠点を置くフィンテック企業 SYNQA(旧 Omise Holdings)は、同社子会社の OPN が「Opn.Mint」をβローンチしたことを明らかにした。Opn.Mint では、ユーザが構築した自社サイトに API や SDK を組み込むことで簡単に NFT を販売することができる。 OpenSea のユニコーンクラブ入り、Animoca Brands の年内 IPO、Dapper…

「Opn.Mint」
Image credit: Opn

東南アジアに拠点を置くフィンテック企業 SYNQA(旧 Omise Holdings)は、同社子会社の OPN が「Opn.Mint」をβローンチしたことを明らかにした。Opn.Mint では、ユーザが構築した自社サイトに API や SDK を組み込むことで簡単に NFT を販売することができる。

OpenSea のユニコーンクラブ入りAnimoca Brands の年内 IPO、Dapper Labs が運営する「CryptoKitties」や「NBA TopShot」の人気ぶりが象徴するように、NFT 市場は急成長している。SYNQA では Omise Payment や 旧 OMG.Network などブロックチェーン開発に従事してきた経緯から、NFT 環境構築に関する要望が多く寄せられ、Opn.Mint の構築に至ったという。

SYNQA は2015年に創業(その前身となる決済プラットフォームとしての「Omise」は、 CEO の長谷川潤氏と COO の Ezra Don Harinsut 氏によって2014年に事業を開始)。2017年に Ethereum と連動する仮想通貨とスケーリングネットワーク「OmiseGO(略称:OMG、後に OMG Network)」を発表、この事業は昨年12月、香港拠点の仮想通貨店頭取引企業 Genesis Block の投資部門 Genesis Block Ventures(GBV)により買収された(買収額は非開示)。Genesis Block と OMG Network は、分散型金融(DeFi)セクター向けの「レンディングとトレーディングのプラットフォーム」を構築する計画中としている。

OMG Network の売却に先立ち、SYNQA は事業子会社として OPN を昨年3月に設立。以降、企業が自社アプリに e ウォレット機能を簡単に追加できるソリューション、ブロックチェーンを活用した ID 管理システム、カストディサービスなどを開発してきた。昨年末には、トヨタファイナンシャルサービスと「TOYOTA Wallet」のプラットフォーム構築で連携強化したことを明らかにしていた。Opn.Mint は、OPN が開発するブロックチェーン関連サービスの中の新プロダクトの一つで、SYNQA および OPN では他社の事業買収などを足掛かりとして、Opn.Mint 以外にも複数のブロックチェーン関連サービスを開発中とみられる。

Opn.Mint では、Stripe や決済ネットワークとしての OMG(当時)でも特徴の一つとされた Restful API を NFT 分野に採用しており、ユーザは訪問中の web サイトを離脱することなく NFT を購入可能で、この仕組みの実現に必要なバックエンドは OPN が提供する。Blockchain agnostic (マルチチェーン)に対応しており、NFT で一般的な Ethereum のみならず、さまざまなブロックチェーンに対してデプロイができる。「White-label NFT」と呼ばれるこの分野には、国内では Mint、海外では NiftyKit をはじめ数多くのプレーヤーが存在している。

ネットスーパー立ち上げ・サプライチェーン最適化支援の10X、シリーズBで15億円を調達

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チェーンストア e コマースの垂直立ち上げプラットフォーム「Stailer(ステイラー)」を展開する 10X は28日、シリーズ B ラウンドで約15億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、DCM Ventures と ANRI。両社はともに昨年5月に実施された 10X のシリーズ A ラウンドに参加しており、それに続くフォローオンでの出資だ。 10X は2017年、メルカリ出身の矢…

「Stailer」
Image credit: Stailer

チェーンストア e コマースの垂直立ち上げプラットフォーム「Stailer(ステイラー)」を展開する 10X は28日、シリーズ B ラウンドで約15億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、DCM Ventures と ANRI。両社はともに昨年5月に実施された 10X のシリーズ A ラウンドに参加しており、それに続くフォローオンでの出資だ。

10X は2017年、メルカリ出身の矢本真丈氏(現 CEO)や石川洋資氏により創業。当初は10秒で献立を作成するアプリ「タベリー」を運営していたが、昨年、小売・流通事業者向けのネットスーパー立ち上げサービス「Stailer(ステイラー)」をローンチし、主軸事業をピボットした(タベリは、2020年9月にサービスをシャットダウン)。

Stailer は、スーパーやドラッグストアなど小売チェーンが、自社におけるシステム開発を最小限にとどめてネットスーパー事業を立ち上げられるプラットフォームだ。事業者はイニシャルコストを抑えることができ、流通や運用のフローなどで必要になる微修正も吸収できるため、参入のためのハードルが少なく導入がしやすいメリットがある。

この Stailer をベースにしたネットスーパーの仕組みは、昨年のサービス開始時の段階では、イトーヨーカドのみに導入が決定されていたが、その後、広島のスーパーであるフレスタ、首都圏や関西で事業展開するライフ、岩手県や東北6県で事業展開する薬王堂などのネットスーパー基盤への採用も始まっている。

Stailer は当初、ネットスーパーの UI/UX やカスタマーエンゲージメントを高めるためのサービスという位置付けだったが、既存の小売・流通事業者がネットスーパーを立ち上げる際には、サプライチェーンを立ち上げることも難しいことがわかり、現在ではネットスーパーの立ち上げ全般を包括的に支援する体制に変化しつつある。

ネットスーパーの場合、例えば、今日オーダーを受けて明日品物を届けるには、明日の在庫や価格を扱える必要があったり、各店舗の需要予測や供給予測が行える必要がある。既存のスーパーは、店頭販売だけではそのようなデータを持っていないことも多く、プロダクト側でサポートする必要がある。(矢本氏)

事実、購買客向けの UI/UX としての機能に加え、Stailer にはモバイルアプリ決済、積荷管理、ルーティング、在庫管理、ピックパック、CRM 、受注管理など、ネットスーパーに関連する多数の機能が備わることになった。事業者に対する多面的な支援が可能になったことで、直近の薬王堂ではネットスーパー着手から3ヶ月で、325店舗への導入拡大に成功した。

一般的なネットスーパーは、既存店舗を中心に商圏を拡大する形で運用されているため、地域によってはサービス提供エリアの範囲外となることもあるし、キャパシティを超えると速やかな配達ができなくなるなど、必ずしもデリバリに最適化されたロジが組まれているとは限らない。10X では複数の小売・流通事業者の基盤となっていることから、将来はそのような制約を超越したネットワークの構築にも取り組んでいきたいとしている。

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多言語化サービス提供のWOVN、TybourneやMPowerらから36億円を調達——累積調達額は54億円に

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Web サイト多言語化ソリューション「WOVN.io(ウォーブン・ドットアイオー)」を提供する Wovn Technologies(以下、WOVN)は28日、直近のラウンドで約36億円を調達したことを明らかにした。2019年5月に実施した(発表は6月)14億円の調達に続くもので、ラウンドステージは、シリーズ F 相当と見られる。今回ラウンドを受けて、WOVN の累積調達額は約54億円に達した。 こ…

2019年に開催された WOVN のイベント「GLOBALIZED」
Image credit: WOVN

Web サイト多言語化ソリューション「WOVN.io(ウォーブン・ドットアイオー)」を提供する Wovn Technologies(以下、WOVN)は28日、直近のラウンドで約36億円を調達したことを明らかにした。2019年5月に実施した(発表は6月)14億円の調達に続くもので、ラウンドステージは、シリーズ F 相当と見られる。今回ラウンドを受けて、WOVN の累積調達額は約54億円に達した。

このラウンドは、香港の Tybourne Capital Management(以下、Tybourne)がリードインベスターを務め、MPower Partners Fund(以下、MPower)、Eight Roads Ventures Japan、インキュベイトファンド、凸版印刷(東証:7911)、SMBC ベンチャーキャピタルと、名前非開示のアメリカのロングオンリー型機関投資家(独立系資産運用会社)が参加した。

今回参加した投資家のうち、Eight Roads Ventures Japan、インキュベイトファンド、SMBC ベンチャーキャピタルは、過去のラウンドに続くフォローオンでの参加。

リードインベスターを務めた Tybourne は日本の非上場企業への出資を積極化させつつあり、先ごろユニコーンとなった日本の BNPL スタートアップ Paidy のシリーズ C および D ラウンドへ参加したのは記憶に新しい。今回は、WOVN の持つ「Localize the Internet」の市場性が評価された。

MPower は今年5月にローンチしたキャシー松井氏(ウーマノミクス提唱者、ゴールドマン・サックス証券元副会長)、村上由美子氏(元 OECD 東京センター所長)、関美和氏(ファクトフルネスの翻訳者、元ファンドマネージャー)らによるグロースファンドだ。WOVN では以前から関氏と親交があり、今回の出資では ESG 観点での多言語化が評価された。

WOVN は2014年に MVP(実用最小限製品)をローンチ、Java Script 1行をウェブサイトに挿入することで、多言語対応できる機能を提供してきた。2017年にエンタープライズ対応を充実させた「WOVN.io PRIME」を公開し標準機能を実質無料化。2018年にモバイルアプリ多言語化 SDK「WOVN.app」、2019年にオンラインストレージでの文書多言語化「WOVN Workbox」、2020年にあらゆるサービスに多言語環境化する「WOVN.api」をローンチした。

コロナ禍においてインバウンド需要は激減した一方、海外からの流入をオンラインで取り込んだり、オンラインでの市場進出に取り組んだりする動きは企業において活発化している。WOVN では調達した資金を、VUCA(予測が困難な現代)とされる環境下において、クライアント企業へ付加価値の高い多言語化ソリューションを提供していくための社員の育成とスキル強化、採用強化、マーケティング・販促活動の強化、Web サイト・アプリ多言語化以外の新事業ドメインへ拡張するための新規事業開発などに用いるとしている。

シンガポール発の人事分析スタートアップPanalyt、3.3億円をシード調達——本社機能を日本に移転へ

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シンガポールに拠点を置く人事分析(People Analytics)スタートアップの Panalyt(パナリット) は28日、シードラウンドで約3.3億円を調達したことを明らかにした。このラウンドには、D4V、千葉道場ファンド、Headline Asia、坂部雅之氏(プレイド)と、名前非開示の個人投資家複数が参加した。同社は新たに日本法人を設立し、まもなく本社機能をシンガポールから日本に移転する予…

Panalyt のメンバー(一部)。右から3人目が日本法人代表を務める小川高子氏。
Image credit: Panalyt

シンガポールに拠点を置く人事分析(People Analytics)スタートアップの Panalyt(パナリット) は28日、シードラウンドで約3.3億円を調達したことを明らかにした。このラウンドには、D4V、千葉道場ファンド、Headline Asia、坂部雅之氏(プレイド)と、名前非開示の個人投資家複数が参加した。同社は新たに日本法人を設立し、まもなく本社機能をシンガポールから日本に移転する予定だ。

Panalyt は2017年、Apple や Uber のアジア太平洋部門で人事担当の責任者を務めた Daniel J. West 氏により創業。人事データを活用した人事意思決定は、Apple や Uber など先駆的な企業やエンタープライズでは当然のように行われてきたが、同じようなプロセスは経営規模の大小を問わず、どんな企業においても必要との考えから、これを可能にするプラットフォームを構築するスタートアップとして Panalyt の事業に着手した。

Panalyt は、複数の人事関連システムから集めたデータを統合・分析し、経営層が意思決定に必要なインサイトを与えてくれるプラットフォームだ。日本においては、以前、Google の日本オフィスやアメリカ本社で人事業務に従事した小川高子氏が Panalyt に参画し、2019年に日本法人 Panalyt Japan を設立し業務を推進してきた。

ビジネスにおいてはヒト・モノ・カネが重要と言われるが、特にヒトの部分のデータの分析を元にした経営が遅れている。モノやカネの世界で出来ていることを、ヒトの世界でもできるようにしたい。我々は Panalyt のことを「人材のための財務諸表」と呼んでいるが、この表現が CFO をはじめとする経営層には刺さっている。

人事部には社員の人事データにあふれているが、それらはバラバラに存在していることが多い。そういったデータを統合して、会社の中でいったい何が起きているかをワンストップで見られるツールがこれまでは無かった。Panalyt ではさまざまなツールからデータを吸い出し、クレンジングし、分析することで、データの可視化を一括サポートする。(小川氏)

Image credit: Panalyt

Panalyt と、企業が人事データを保有するさまざまなシステムとは、導入時にデータエンジニアがデータマッピングをするだけで連携される。この際に各システムのデータフォーマットに対し Panalyt が条件を合わせてデータ取得するため、連携する人事関連システムには、ほぼ制約が無いとみられる。これまで使っていた人事関連システムはそのまま使い続けてもらい、ユーザに行動変容を求めることなく、意思決定が必要な局面にのみ Panalyt を使ってもらえることは最大の利点の一つだと小川氏は強調した。

日本では、人材不足に起因する人材配置の最適化に対する高い需要と、人事分析に必要なデータアナリストの不足などの社会背景から、この分野における潜在的な需給ギャップが大きい。Panalyt がシンガポールのスタートアップでありながら、ユーザに日本企業が多いのはそんな理由からだ。同社では、人事分析の浸透までに時間を要する東南アジアよりも、日本市場においての方が潜在的な事業機会が大きいと判断し、今回、日本への本社機能移転を決めたという。同様の理由から、今回ラウンドの投資家の多くも日本の企業や個人が占めた。

Panalyt は英語、スペイン語、日本語で利用できる。人事分析の市場はアメリカにも存在するが相応に競合が存在するなどの理由などから、当面は日本を中心としたアジア太平洋地域での事業に集中する計画だ。まずは、「人事データのワンストップ統合という分野では競合がいない(小川氏)」日本市場でのドミナントプレーヤーを目指し、将来は、オーストラリアやインドといった市場への進出の可能性も考えられるだろう、とのことだった。

ベルリン発BaaSのSolarisbank、シリーズDで1.9億ユーロ調達しユニコーンに——競合の英Contisを買収

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<ピックアップ > Solarisbank raises EUR190m; buys Contis ベルリンを拠点とする BaaS(Banking as a Service)スタートアップの Solarisbank は、シリーズ D ラウンドで1.9億ユーロ(約246億円)を調達した。このラウンドで同社の時価総額は14億ユーロ(約1,820億円)に達し、ユニコーンクラブ入りが確実となった。このラウ…

Solarisbank のチーム。2018年に開催された「Money 20/20」で。
Image credit: Solarisbank

<ピックアップ > Solarisbank raises EUR190m; buys Contis

ベルリンを拠点とする BaaS(Banking as a Service)スタートアップの Solarisbank は、シリーズ D ラウンドで1.9億ユーロ(約246億円)を調達した。このラウンドで同社の時価総額は14億ユーロ(約1,820億円)に達し、ユニコーンクラブ入りが確実となった。このラウンドはスイスの Decisive Capital Management がリードし、Pathway Capital Management、CNP(Groupe Frère)、Ilavska Vuillermoz Capital に加え、Yabeo Capital、BBVA、Vulcan Capital、HV Capital も参加した。

このラウンドの直前のラウンドは、日本のグローバル・ブレインなども参加する形で2020年6月に実施され、その際の時価総額が3.6億米ドルだったことからすると、1年間で時価総額は5倍に跳ね上がったことになる。CEO の Roland Folz 氏は今回調達した資金の使途について、ヨーロッパ地域のサービス拡大に加え、初めてアジアへの進出に着手するためだとしている。なお、同時に、同社はアメリカに進出する計画が無いことを明らかにしている。なお、競合にあたるイギリスの Contis を買収したことも明らかになった。買収後の SolarisBank の売上高は数億ユーロ(数百億円)に達する見込みだ。

Solarisbank は、5年前にベルリンのスタートアップインキュベータ finleap から輩出された。現在、いわゆる「組み込み型(または埋め込み型)金融」は人気を集めており、この分野では、今月初めに資金調達を発表したイギリスの Railsbank、今年初めに時価総額25億米ドルで大規模調達を実施したイスラエルの Rapyd の他、Unit、FintechOS、10x といった有名スタートアップが存在する。日本国内ではインフキュリオンが NTT データと提携し、金融機関向けの BaaS 提供を始めている。インフキュリオンは昨年、BaaS の機能拡大の一環として、Kyash から Kyash Direct(当時の呼称)を事業譲受した

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via FinExtra

全国の動物病院と連携、犬や猫の健康を見守るウエアラブルデバイス「PetVoice」がマクアケに登場

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家でペットを飼っていて、様子がおかしい、病気かもしれないというときには、動物病院に連れて行くことになる。明らかな症状が認められる場合、獣医は適切な診断を行え、それに応じた治療や投薬を施すことになる。しかし、厄介なことに、動物は人間のように身体のどのあたりが不調、などと声をあげてくれるわけではない。獣医は家での様子を飼い主に尋ね、さまざまな病因の可能性を推測するが、責められるのを恐れた飼い主が正直に…

家でペットを飼っていて、様子がおかしい、病気かもしれないというときには、動物病院に連れて行くことになる。明らかな症状が認められる場合、獣医は適切な診断を行え、それに応じた治療や投薬を施すことになる。しかし、厄介なことに、動物は人間のように身体のどのあたりが不調、などと声をあげてくれるわけではない。獣医は家での様子を飼い主に尋ね、さまざまな病因の可能性を推測するが、責められるのを恐れた飼い主が正直に応えてくれなかったり、伝えられる情報が正確でなかったりすることもしばしばだ。

自身も保護猫を飼う深田篤氏(現 CEO)が、声なきペットの声を可視化しようと「PetVoice」を着想したのはそんな理由からだ。深田氏は、以前はソニーで Xperia の開発に従事していた大城啓吾氏(現 CTO)とクラウドワークス上で出会い、首輪に装着するだけで犬や猫の体温、垂直・水平方向の移動量を計測できるウエアラブルデバイス開発にこぎつけた。犬や猫の健康状態は直腸温を用いて判断することが多いが、PetVoice では首輪のデバイスから直腸温を推定できるアルゴリズム(特許出願中)を実装しているという。

ウエアラブルデバイスである「PetVoice Core」と据え置き型「PetVoice Home」の2つで構成されたシステムは BLE(BlueTooth)で接続されており、Core で取得されたデータは Home から WiFi 経由でクラウド上にアップロードされる。クラウドに上がったデータは、飼い主やかかりつけ獣医がダッシュボードで確認することができる。Home は Core の充電の機能を持っているほか、室温や湿度のモニタ、エアコンのリモコン制御もでき、留守中のペットのために遠隔操作も可能だ。

トイレの回数、食事の状態、水飲み回数などの行動が見える化される。関節炎であれば活動量に変化が見られるし、皮膚病であれば毛繕いが増えるし、病気を患っている場合に見られる多くの行動変化を捕捉することが可能だ。(深田氏)

PetVoice では多くのペット飼い主にサービスを使ってもらうため、月額1,500円とサブスクでエントリハードルを下げた(衛生上の理由から、ペットの身体に直接触れるウエアラブルデバイスを入れるための首輪のみ買い切りとなる)。全国の動物病院と提携し、診療や治療後のペットの行動観察をフォローするためのツールとして、飼い主に紹介してもらうことで普及を図る。動物病院は日本全国に12,000軒あるが、うち150軒はすでに PetVoice を取り扱っていて、さらに150軒が PetVoice の活用に関心を占めているため、統計上、PetVoice は全国の動物病院の2.5%(40軒に1軒)にリーチできていることになる。

PetVoice は今日13時からマクアケでの資金調達を開始したが、開始から約1時間を経過した本稿執筆段階で、すでに目標額の2倍額を突破している。このクラウドファンディングのキャンペーンでは、PetVoice を(サブスクではない)売り切り型でデバイスやサービスを永年利用できるメニューを割引価格で提供している。マクアケでのキャンペーン終了後は、動物病院・獣医経由でのサブスク展開に加え、PetVoice 自社サイトでの直接販売も始める計画だ。

モバイルオーダーPOS「ダイニー」運営、シリーズAで3.5億円を調達——GCP、Coral、ANRIから

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モバイルオーダー POS「ダイニー」を開発・提供する dinii は27日、シリーズ A ラウンドで約3.5億円を調達したことを明らかにした。このラウンドはグロービス・キャピタル・パートナーズがリードインベスターを務め、に参加したのは、Coral Capital と ANRI が参加した。これは、ANRI や個人投資家複数(名前非開示)らが参加した2019年8月のシードラウンドに続くものだ。今回の…

「Dinii」
Image credit: Dinii

モバイルオーダー POS「ダイニー」を開発・提供する dinii は27日、シリーズ A ラウンドで約3.5億円を調達したことを明らかにした。このラウンドはグロービス・キャピタル・パートナーズがリードインベスターを務め、に参加したのは、Coral Capital と ANRI が参加した。これは、ANRI や個人投資家複数(名前非開示)らが参加した2019年8月のシードラウンドに続くものだ。今回の調達を受けて、これまでの累積調達額は約4.8億円に達した。

dinii は2018年6月、現在 CEO の山田真央氏が東京大学在学中、飲食店でのアルバイト経験をもとに起業。お客が飲食店を訪れた際スマホを QR コードをかざすと、LINE 経由でメニューをオーダーできる画面が立ち上がる仕組みを開発している。スマホから注文されたデータはそのまま飲食店のキッチンに届き会計にも反映されるため、ホール係の稼働は注文された品物を届ける機会の最小限度で済む。究極的にはお店は紙やタブレットのメニューを置く必要もなくなるが、メリットはむしろホスピタリティの向上にあるという。

言うまでもなく、この種のサービスはコロナ禍で非接触が求められるトレンドが追い風になった。ダイニーが公開されたのは2018年なので、新型コロナウイルスが感染拡大する随分前から着手していることになるが、山田氏によれば、開始当初は飲食店に紹介しても、「モバイルオーダーなんて、接客の放棄だ」とか「飲食業を舐めているのか」と言われ、剣もほろろの時期が続いたという。しかし、時勢が変われば常識も変わるものである。今や、居酒屋・焼肉屋チェーンをはじめ、全国各地の飲食店に引っ張りだこだ。

Image credit: Dinii

山田氏によれば、ダイニーの開発にあたっては特に UI/UX の研鑽に注力しているそうだ。モバイルオーダーの画面はお店の顔、ここの使い勝手が悪いと、店の看板に泥を塗ってしまうことになる。店員に代わってオーダーを取るインターフェイスという位置付けなので、その出来栄え次第で客単価の良し悪しに跳ね返ってくる。また、山田氏によれば、モバイルオーダーの裏側では店舗のバックエンドシステムである POS も作り込んでおり、さらに、来店客がオンライン会員化できてしまう CRM の仕組みも売りだという。

ダイニーは店舗の業務を効率化し、非接触であるため客ウケもよく、また、日銭商売である飲食店にとってはありがたいサブスク型の SaaS モデルであるため、導入を妨げる要素は少ない。しかし、すでに店舗に POS が導入されている場合は競合になってしまうため、その POS のリースアップを待つか、または、POS が未導入の店舗に拡販を行っていく必要がある。dinii の成長の課題は、このあたりにありそうだ。同社では今回調達した資金を使って、事業成長と機能向上のための人材確保を強化するとしている。

東南アジアのECエネイブラーiStoreiSend、KURONEKO Innovation Fundから資金調達

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マレーシアとシンガポールを拠点に、e コマース向けのフルフィルメントをサービスを提供するスタートアップ iStoreiSend は26日、KURONEKO Innovation Fund(GP: グローバル・ブレイン、LP: ヤマトホールディングス)から資金調達したことを明らかにした。調達額は非開示。本ラウンドは同社にとって、今年1月に実施した Gobi Partners と「EasyParcel…

左から:共同創業者の Tommy Yong 氏、共同創業者 兼 CEO Joe Khoo 氏
Image credit: iStoreiSend

マレーシアとシンガポールを拠点に、e コマース向けのフルフィルメントをサービスを提供するスタートアップ iStoreiSend は26日、KURONEKO Innovation Fund(GP: グローバル・ブレイン、LP: ヤマトホールディングス)から資金調達したことを明らかにした。調達額は非開示。本ラウンドは同社にとって、今年1月に実施した Gobi Partners と「EasyParcel」からの調達(550万米ドル)に続くものだ。

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iStoreiSend は2015年11月、Joe Khoo 氏と Tommy Yong 氏の2人のマレーシア人起業家により創業。2人は小学校の時代から20年来の幼馴染だという。e コマースが急成長を続ける中、物流、決済、カスタマーサービスなど中小企業が事業拡大する上で課題解決になる方法を考え、e コマースエネイブラー/フルフィルメント事業に着手することにしたという。

同社は現在、マレーシア、シンガポール、インドネシアで、EC サイト構築・運営から受注管理、倉庫作業、配送までを自社システムで統合・管理できるフルフィルメントサービスを提供している。まもなくタイとフィリピン、来年にはベトナムへの進出する計画だ。現在、30以上の外資系日用消費財(FMCG)ブランド、約300の現地 D2C ブランドと取引関係にある。

iStoreiSend は特に、D2C を始めとした海外ブランドが東南アジアで事業展開する上での、さまざまなサービス提供を強みとしている。今回の KURONEKO Innovation Fund からの調達を戦略的出資と位置付け、同社ではヤマトホールディングスを通じて、日本のブランドの東南アジア進出なども支援していきたい考えだ。

この分野は、昨年インドネシアの SIRCLO がフルフィルメントソリューションの ICUBE と合併、フィリピンでは今年5月、Great Deals がシリーズ B ラウンドで3,000万米ドルを調達するなどホットな領域だ。タイの aCommerce は年内の IPO で2億米ドルの調達と目指しているとされる。

マーケティングなど単一機能に傾倒したエネイブラーが増えている中、iStoreiSend ではすでに4カ国に29の倉庫を保有するなど、豊富なオペレーションリソースを武器に東南アジアへのブランド進出を強力にサポートしていきたい、としている。

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