Masaru IKEDA

Masaru IKEDA

1973年大阪生まれ。インターネット黎明期から、シンクタンクの依頼を受けて、シリコンバレーやアジアでIT企業の調査を開始。各種システム構築、ニッポン放送のラジオ・ネット連動番組の技術アドバイザー、VCのデューデリジェンスに従事。SI、コンサルティング会社などを設立。Startup Digest(東京版)キュレータ。

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執筆記事

パーソナライズD2CサブスクのSparty、ヘアケア・スキンケアに続きボディメイク事業に参入

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ヘアケアブランド「MEDULLA(メデュラ)」、スキンケアブランド「HOTARU PERSONALIZED(ホタル パーソナライズド)」などを展開するパーソナライズ D2C サブスクリプションスタートアップの Sparty は22日、サプリメントとダイエットプログラムからなるボディメイクサービス「Waitless」をローンチした。髪や肌の健康に加え、身体全体の健康に対し、パーソナライズ D2C サ…

Image credit: Masaru Ikeda

ヘアケアブランド「MEDULLA(メデュラ)」、スキンケアブランド「HOTARU PERSONALIZED(ホタル パーソナライズド)」などを展開するパーソナライズ D2C サブスクリプションスタートアップの Sparty は22日、サプリメントとダイエットプログラムからなるボディメイクサービス「Waitless」をローンチした。髪や肌の健康に加え、身体全体の健康に対し、パーソナライズ D2C サブスクでアプローチする。

Waitless では、チャット形式で生活習慣やダイエット目標など約20の質問に回答することで、食事・運動・サプリメントの3つの観点からパーソナライズされたメニューが提示されるのが特徴。Sparty が栄養士などと共同開発した食事レシピ100通り、運動動画コンテンツ100通り、サプリメント5通りなどの組み合わせにより、約9万通りのバリエーションの中から最適な選択肢が提示され、それらが自宅に届けられる。LINE によるサポートのほか、進捗状況のフィードバックを次回処方にも反映する。

(画像の一部を加工しています)
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サプリメントは「THE DAY」と題されたベース処方された乳酸菌サプリメントと、前出の質問回答に応じて5種の中からパーソナライズ処方されたサプリメントの2つの組み合わせで提供される。減量トレーニングを支援するブラックジンジャー抽出物が配合された「DANCING QUEEN」、活動と休息のバランスに着目してラフマ葉抽出物と GABA が配合された「SWEET NIGHT」など、用途や目的に特化した成分構成となっている。

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また、Sparty では D2C 事業とは別に、セルフフィットネスやエステ、パーソナライズトレーニングを受けられるジムを表参道ヒルズ裏のビル内に開設し5月にオープンする予定。Netflix 配信番組「バチェロレッテ・ジャパン」シーズン1 で注目を集めた起業家・黄皓氏が協力しており、ジムには黄氏が事業展開するスマート鏡「ミラーフィット」が配備されている。前出の運動動画コンテンツにも、黄氏の定額制パーソナルジム「BESTA」所属のトレーナーらが多数出演しているそうだ。

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Sparty は2017年5月、博報堂や大手通信メーカー出身の深山陽介氏により設立。2018年3月、ジンズホールディングス(東証:3046)、XTech Ventures、アカツキ(東証:3932)から、その後、同社が商品生産を委託するサティス製薬やアイスタイル(東証:3660)から資金を調達。昨年1月、丸井グループ(東証:8252)、XTech Ventures、アカツキ、ジンズホールディングスから6億円の資金調達を発表し、D2C ブランドでありながら、マルイの商業施設などに実店舗も積極展開している。

レンタルプラットフォーム運営TENT、プレシリーズAで1.1億円を調達——15th Rock、セゾン、JR東などから

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レンタルプラットフォームを運営する TENT は22日、プレシリーズ A ラウンドで約1.1億円を調達したことを明らかにした。このラウンドのリードインベスターは 15th Rock Ventures が務め、セゾン・ベンチャーズ、JR 東日本スタートアップ、名前非開示の1社が参加した。これは TENT にとって、2018年7月に実施した Framgia Holdings(当時、現在の Sun*)、…

TENT の皆さん。左から2人目が、創業者で代表取締役の松田基臣氏
Image credit: Tent

レンタルプラットフォームを運営する TENT は22日、プレシリーズ A ラウンドで約1.1億円を調達したことを明らかにした。このラウンドのリードインベスターは 15th Rock Ventures が務め、セゾン・ベンチャーズ、JR 東日本スタートアップ、名前非開示の1社が参加した。これは TENT にとって、2018年7月に実施した Framgia Holdings(当時、現在の Sun*)、白砂晃氏(フォトクリエイト 取締役会長)からの数千万円の調達(エンジェルおよびシードラウンド)に続くものだ。

TENT は2017年7月、LPO ツールや ASP サービスの立ち上げに従事してきた松田基臣氏が、趣味だったアウトドアに事業可能性を感じ創業。社名がそうであるように、もともとはテントやアウトドア商品のレンタルサービス「TENTAL」を中心に事業展開してきたが、2019年には、商品カテゴリを増やすべく、他事業者もレンタル事業に参加できるプラットフォーム「カウリル」をローンチした。消費者が購入に先立ち商品を試せる「Rent to Own」機能や、事業者がレンタル商品の運用を任せられるフルフィルメント機能も特徴的だ。

Image credit: Tent

今年4月にはリユース大手のブックオフと提携、スポーツ用品やアウトドア用品を中心に扱う10店舗で、前出の Rent to Own ができるサービス「BOOKOFF レンタル」を開始した。カウリルの仕組みを活用することで、店頭でのマーケティングやプロモーションを兼ねたレンタル需要の醸成、消費者の購入前試し利用ニーズをマッチングさせた新市場の開拓に寄与しているという。また、ゴルフ用品販売大手の有賀園ゴルフとも、ゴルフ用品のレンタルなどで事業提携している。

TENT では調達した資金を使って、RFID を活用したレンタル専用の在庫管理システム「ZAIKA」の開発を強化する。この仕組みを使えば、出庫(レンタル)されたもの、戻ってきたもの、回収率、在庫商品1個当たりの利用回数などを一元的に管理・可視化でき、例えば、レンタル事業の知見が無かったメーカーや小売事業者に対しても、レンタル事業への参入ハードルを下げることができる。最近のサブスクリプションサービスへの期待感の高まりから、TENT ではカウリルへのサブスクリプション機能の実装も進めているとのことだ。

左から:TOUCH TO GO 代表取締役社長 阿久津智紀氏、TENT 代表取締役 松田基臣氏、JR 東日本スタートアップ 代表取締役社長 柴田裕氏
Image credit: JR East Startup

TENT によれば、今回ラウンドに参加した出資者のうち、15th Rock Ventures は、TENT が単なるレンタル事業ではなく、データを活用したプラットフォームビジネスへの成長戦略を描いている点を評価したという。また、セゾン・ベンチャーズは、レンタルやシェアリングビジネスの事業可能性を評価した。JR 東日本スタートアップとは同社の協業プログラムを通じて、TENT が GALA 湯沢でのグランピング社員研修サービスの実証実験に参加しており、今回の出資参加はこれを念頭に置いたもののようだ。

安価ながらも高反発・高機能マットレスを開発、寝具D2C「NELL」が1億円超を調達——ANOBAKA、TLM、個人投資家複数から

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寝具 D2Cブランド「NELL」を開発・運営する D2C スタートアップ Morght は、シードラウンドで1億円超を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、ANOBAKA と TLM のほか、以下の個人投資家が参加した。 野口卓也氏(バルクオム 代表取締役 CEO) 井戶義経氏(アンカー・ジャパン 代表取締役) 武永修一氏(オークファン 代表取締役) 成田修造氏(クラウドワークス…

左から:ANOBAKA 萩谷聡氏、Morght 土井皓貴氏、TLM 岡澤雄介氏
Image credit: Morght

寝具 D2Cブランド「NELL」を開発・運営する D2C スタートアップ Morght は、シードラウンドで1億円超を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、ANOBAKA と TLM のほか、以下の個人投資家が参加した。

  • 野口卓也氏(バルクオム 代表取締役 CEO)
  • 井戶義経氏(アンカー・ジャパン 代表取締役)
  • 武永修一氏(オークファン 代表取締役)
  • 成田修造氏(クラウドワークス 取締役副社⻑)
  • 島田大介氏(インサイトコア 代表取締役)
  • 坂本達夫氏(Smartly.io 日本事業責任者)
  • 伊神潤氏(blitz 代表取締役)
  • ⻄尾健太郎氏(ゲームエイト 代表取締役)
  • 高原克弥氏(Branding Engineer 代表取締役COO)
  • その他、名前非開示の個人投資家4名

Morght は2018年5月、Branding Engineer 出身の土井皓貴氏らにより設立。土井氏は高校在学中にスターンフォード大学に短期留学した経験からスタートアップ文化に影響を受け、大学に進学せず起業を志した人物だ。Morght は当初エンタメ系のアプリ開発に傾倒していたが目立った成長を出せず、日本人の睡眠の質の向上で社会や経済にインパクトが出せる寝具分野にピボット。2020年に D2C 寝具ブランドとして NELL をローンチした。

「NELL」のマットレス
Image credit: Morght

シモンズに代表されるハイエンドなマットレスは、ポケットコイルが多用されていて反発力もあるが、その分、どうしても高価なものになってしまう。一方、SPA 型の家具や雑貨量販店で販売されているマットレスは安価であるが、柔らかさを訴求したものが多く、人によっては寝返りが打ちにくい、ひいては、肩こりや腰痛の原因になってしまう。Morght は独自開発したマットレスを圧縮梱包し D2C モデルで届けることで、安価ながらもハイエンドなユーザ体験の提供を目指す。

NELL のマットレスはサステナブルな素材が13層に及ぶ構造で編み上げられており、耐久性の良さから10年以上に及ぶ保証が付蹴られている。腰痛や肩こりに悩むユーザへの訴求、インフルエンサーを通じたマーケティング戦略が功を奏し、最近では在庫切れを起こすこともしばしばだ。

土井氏によれば、事業は既に単月では黒字化しており、今後は調達した資金を使って、枕やフレームなどのプロダクトラインの拡充、睡眠アプリの開発、エステやジムなどオフラインビジネスとの提携で D2C 寝具のタッチポイントの拡充にも力を入れていく。

この分野では、2014年にニューヨークで創業し「夜のライフスタイルブランド」と称され、のちにユニコーンとなったマットレス D2C スタートアップ Casper は有名。同社は2020年1月、ニューヨーク証取に上場を果たした

ウェルビーイング習慣化コミュニティプラットフォーム「Nesto」運営、ガイアックスやDGなどから1億円をシード調達

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ウェルビーイングを習慣化するコミュニティプラットフォーム「Nesto(ネスト)」を運営する Nesto は21日、シードラウンドで1億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、ガイアックス(名証:3775)、DG ベンチャーズ、ヘッドハンティング企業コンコードエグゼクティブグループの投資部門であるコンコードベンチャーズ、web サービスやアプリ開発のイロドリのほか、名前非開示の企…

左から:Nesto CXO の 横山詩歩氏、CEO の藤代健介氏、CFO の高橋理志氏
Image credit: Nesto

ウェルビーイングを習慣化するコミュニティプラットフォーム「Nesto(ネスト)」を運営する Nesto は21日、シードラウンドで1億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、ガイアックス(名証:3775)、DG ベンチャーズ、ヘッドハンティング企業コンコードエグゼクティブグループの投資部門であるコンコードベンチャーズ、web サービスやアプリ開発のイロドリのほか、名前非開示の企業や個人投資家複数。調達金額には一部デットが含まれる。

Nesto は2020年3月、アーティストで起業家の藤代健介氏(CEO)、元 Voyagin の高橋理志氏(CFO)、Central Saint Martins College of Art and Design 出身でデザイナーの横山詩歩氏(CXO)らにより共同創業。生活習慣を共有できるホストがコミュニティ(Nesto では「リズム」と呼んでいる)を企画し、会員が参加できるプラットフォームを運営している。

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2021年3月にサービスを正式ローンチした Nesto は、今月までにリズムの数で11にまで拡大。昨日、高橋氏が Open Network Lab デモデイのピッチで明らかにしたアップデイトでは参加ユーザ数は140人に増加しているという(ピッチは約2週間前に収録されたものであるため、現在までに参加ユーザ数はさらに増加している可能性がある)。

Nesto は大資本を必要とする事業ではないかもしれないが、NPO や任意団体ではなく、プラットフォームビジネスとして、また、スタートアップとして立ち上がった背景については、先月のインタビュー記事に詳述した通りだ。スタートアップにとって、広く投資家から資金を募れることが社会の公器としての存在を確かめるステップとなるが、Nesto はその最初の関門をくぐり抜けたことになる。

「Nesto」のリズム(クリックして拡大)
Image credit: Nesto

今回の Nesto の資金調達は CFO である高橋氏が担当したが、BRIDGE とのインタビューでその難しさを語ってくれた。

類似業界がそもそもない、競合もいない状態。いろんな VC をまわって話をすると、担当者は Nesto のコンセプトにすごく共感してくれたが、彼らが投資委員会や LP に対して、スタートアップ的な(ホッケースティックを描くような)スケーラビリティを説明するのはなかなか難しかったかもしれない。

これは(髙橋氏が以前創業し楽天に売却した)Voyagin を始めた時と同じ経験。自分のやることは、世の中から3年早いと思っている。ウェルビーイングで日常のパフォーマンスが上がる、ウェルビーイングで満たされたい、といった市場はまだ顕在化されていないが、そんな中でも、今回のラウンドでは〝志マネー〟が集まった。(高橋氏)

現状、ウェルビーイングを営むスタートアップ各社のビジネスモデルは、B2B2E(business to business to employee)のような、企業における従業員の労働環境改善や福利厚生を文脈に資金調達していることが多いように思える。それと対照的に Nesto では、サービスを使うユーザが自ら選んでくれることで世の中が変わるとの考えから、あくまで C 向けサービスにこだわるようだ。

言葉が変わると習慣が変わり、習慣が変わると人生が変わり、人生……つまり、人が変わると世の中が変わるということだと思う。距離や組織を超えて、同じ習慣を共有したいという人が集まるということは、必然的に感性が似ている人たちが集まることになる。現在は40〜50代を中心に、高学歴・高所得で自分の感性を磨いていきたい、というユーザが集まってくれている。(高橋氏)

Nesto は Open Network Lab の Seed Acceleration Program の第22期に採択され、昨日のデモデイで審査員特別賞を受賞したばかりだ。DG ベンチャーズからの出資は、Open Network Lab への採択を受けてのものと見られる。Nesto は今回調達した資金を使って、プロダクト開発、マーケティングやプロモーション、社内体制を強化するとしている。

3Dプリンタで建設業をDXするPolyuse(ポリウス)、8,000万円をシード調達——Coral、STRIVE、池森VS、吉村建設工業から

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建設業向け 3D プリンタ事業を開発・展開する Polyuse(ポリウス)は21日、シードラウンドで8,000万円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、Coral Capital、STRIVE、ファンケル創業者の池森賢二氏が率いる池森ベンチャーサポート、京都の吉村建設工業。建設業向け 3D プリンタ「ASHIGARU」を中心に建設業向けの DX 事業の開発を加速する。 Polyuse …

Polyuse のチーム
Image credit: Polyuse

建設業向け 3D プリンタ事業を開発・展開する Polyuse(ポリウス)は21日、シードラウンドで8,000万円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、Coral Capital、STRIVE、ファンケル創業者の池森賢二氏が率いる池森ベンチャーサポート、京都の吉村建設工業。建設業向け 3D プリンタ「ASHIGARU」を中心に建設業向けの DX 事業の開発を加速する。

Polyuse は2019年6月、岩本卓也氏(代表取締役 COO)、松下将士氏(取締役 CTO)、伊勢崎勇人氏(代表取締役 CPO、一級建築士)、大岡航氏(代表取締役 CBO)らにより創業。土木、外構、インテリア、エクステリアなどの分野をターゲットに、3D プリンタや先端技術を活用した施工期間の短縮、人員の最適化などで、人的資源の再構築から建設業の変革を狙う。

3K(きつい、汚い、危険)と呼ばれる建設業界では労働人口の減少が顕著で、専門職種が80以上に分かれる業界でありながら、一人の担当者が複数の工程を兼務するなどして、これまで乗り切ってきた。結果的に工期が長くなってしまうなどの弊害が生まれ、また、5年間の猶予が与えられていた労働時間の上限規制は、2024年からは建設業にも適用が始まる予定だ。

そんな中で、現場職人が担ってきた工程の一部を 3D プリンタを使って自動化し、工期を圧縮できないかと考えたのが Polyuse の 建設業向け 3D プリンタ事業だ。同社によれば、建設業向け 3D プリンタを手がける企業は世界に70社ほど存在するが、オペレーションの提案や建設現場との密な連携が無しでは、この仕組みが浸透していく可能性は高くないという。

Polyuse の建設業向け 3D プリンタ「ASHIGARU」
Image credit: Polyuse

施工部分によっては既存工法の方が安い部分もあるし、こうオペレーションした方がいいということもある。当社のプラットフォームでは、例えば、この部材を 3D プリンタで作れば、工期や製造コストがこれくらい安くなります、というのを提示する。現在は研究開発から PoC へと進めている状況だ。(岩本氏)

岩本氏らによれば、この事業を成り立たせるには、建設の業界知識、ハードウェア、ソフトウェア、マテリアル、事業開発の全てに精通している必要があるため、参入障壁は必然的に高いものになるという。日本の建築基準法にも合致する必要があるため、海外勢の日本市場を阻み、国内競合もあまり見当たらないのは、おそらくそんな背景からだ。

産業用ロボットしかり、自動運転しかり、新技術を社会実装するには法律を変える必要も生じる。建設業界においても同様で、技術開発とともに、政府や議員へのロビー活動も必要になるだろう。多くの大企業経営者らとのパイプを持ち、自身も数々の規制と戦ってきた池森氏の起業支援会社が本ラウンドの投資家に名を連ねているのには、そんな文脈が感じ取れる。

Polyuse では現在開発済の 3D プリンタのβ版を、建設会社らで構成されるコンソーシアムに提供、現場のニーズをヒアリングしながらプロダクトの完成度を高めていきたい考え。同社では調達した資金を使い、ハードウェア、ソフトウェア、素材、ビジネス開発、広報・マーケティング、バックオフィスの人材募集の強化に着手する

Open Network Labが第22期デモデイを開催、不動産オーナー向けCO2排出量可視化SaaS「EaSyGo」が最優秀賞を獲得

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Open Network Lab は20日、Seed Accelerator Program 第22期のスタートアップを披露するデモデイを開催した。このバッチには日本の内外から合計134チームのエントリがあり、うち5チームが採択され3ヶ月間にわたってメンタリングや支援を受けた。 新型コロナウイルスの影響で、今回のデモデイはオンライン開催となった。 なお、採択5チームのうち、ステルスや要追加検証など…

Image credit: Open Network Lab

Open Network Lab は20日、Seed Accelerator Program 第22期のスタートアップを披露するデモデイを開催した。このバッチには日本の内外から合計134チームのエントリがあり、うち5チームが採択され3ヶ月間にわたってメンタリングや支援を受けた。

新型コロナウイルスの影響で、今回のデモデイはオンライン開催となった。

なお、採択5チームのうち、ステルスや要追加検証などの理由で1チームについては公開されず、4チームがデモデイでピッチした。デモデイの最後には、主要メンターやデモデイに参加した聴衆らによる審査投票でチームを表彰した。

審査員は次の方々。

  • 林郁氏(デジタルガレージ 代表取締役社長兼グループCEO)
  • 畑彰之介氏(カカクコム 代表取締役社長)
  • 村上敦浩氏(カカクコム 取締役)
  • 前川雅彦氏(DG ベンチャーズ 取締役)
  • 佐々木智也氏(デジタルガレージ執行役員)
  • 松田信之氏(デジタルガレージ オープンネットワークラボ推進部部長)

【Best Team Award】【Audience Award】EaSyGo by GOYOH

Image credit: Open Network Lab

ビルから排出される CO2 のうち、オーナーが実態把握できるのは15%に過ぎず、テナントが排出する残りの85%についてはオーナーが把握できない。情報収集のツールや人材が無いため、収集できた情報をもとに分析したり、改善のためのアクションが取ったりすることがもできない。

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EaSyGo では不動産を起点とした人々や企業の活動によるCO2排出量を可視化し、収集された情報に基づき、専門家が最適なアクションを提案する。上場 REIT やリゾートホテルなどで PoC を実施中。当初は国内の不動産ファンドをターゲットにする。

【Special Award】nesto by NESTO

Image credit: Open Network Lab

NESTO は、ウェルビーイングの習慣化をサポートするコミュニティ・プラットフォームを運営。ホストたちが心や体を整えらるオンラインコミュニティ(リズム)を企画、会員は決まった時間にルーティーン参加、価値観の合う会員と交流することで暮らしのリズムを整えることができる。

Image credit: Open Network Lab

現在7リズムが展開されており、6ヶ月間で現在の参加ユーザ数は140人。ARPU が比較的高いにもかかわらずローンチから退会者は6名に留まっている。メインの集客チャネルは紹介で、オンボーディングに至るまでの入会ハードルが高いことなどが共感度の高さにも影響しているという。

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IMA by MACHINA

Image credit: Open Network Lab

MACHINA が開発する IMA は社内向けのメッセージ動画ツールだ。創業メンバーらは HR 業界出身者が多く、これまでに組織が成長する過程で、簡単にバラバラになってしまう事例を多く見てきたという。その理由は、多忙のあまり、ミッションや価値観が共有されず、互いの行動への感謝や賞賛が減ることで感情や価値観を共有する機会が減ってしまうからだ。

Image credit: Open Network Lab

コロナ禍においてリモートワークが増える中においても同じことが言える。また、テキストチャットでは感情が伝えにくく、Web 会議ではタスクや課題を中心とした情報のやりとりに終始しがちで、それ以外のコミュニケーションの手段が用意されていない。IMA では複数のツールを使わず簡単にメッセージ動画や音声を作成・配信できる。保存された動画は自動的に文字起こしもされる。

Nu-Credits by Nu-Credits

Image credit: Open Network Lab

貿易においては、全取引の80%で融資が利用されている。輸入者は輸出者に発注を行い、輸出者は銀行から融資を受けることで商品を輸出する。輸入者は商品を受け取ってから代金を輸出者に(あるいは輸出者に融資した銀行に)支払う。こうすることで、輸入者と輸出者は互いのリスクを最小化して貿易取引できるが、中小企業の場合、銀行が融資に応じてくれない。

Image credit: Open Network Lab

銀行が融資しないのにも理由がある。中小企業では財務情報、信用情報、決済履歴がデジタル化されておらず、与信に必要なデータ収集や不正リスク(データ改竄)の課題があるからだ。Nu-Credits ではブロックチェーンを使って不正リスクを排除し、さまざまなデータを収集することで、銀行向けに債権リスクを可視化する。債権回収をアセットマネージャーに売却する選択肢も提供する。


Open Network Lab プログラムディレクターの佐藤直紀氏によれば、今回の第22期の修了を受け、Open Network Lab は通算で129組のスタートアップを輩出したことになる。また、前回第21期までの輩出スタートアップの、次期資金調達達成率は57.2%、イグジット率は11.8%に達しているとのことだ。

第21期デモデイの開催とともに、第23期への応募受付が開始された。第23期への申込締切は、4月30日の正午となっている。

長距離量子暗号通信技術開発のLQUOM(ルクオム)、インキュベイトファンドからシード資金を調達

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長距離量子暗号通信を使った事業開発を行うスタートアップ LQUOM(ルクオム)は19日、シードラウンドでインキュベイトファンドから資金調達したと発表した。調達金額は明らかにされていない。同社では、長距離量子暗号通信の実現に必須となる量子中継器の開発及び事業化を進めるとしている。 LQUOM は、量子技術の研究で知られる横浜国立大学堀切研究室の新関和哉氏が2020年1月に設立したスタートアップ。同研…

通信波長とメモリ波長の変換
Image credit: Lquom

長距離量子暗号通信を使った事業開発を行うスタートアップ LQUOM(ルクオム)は19日、シードラウンドでインキュベイトファンドから資金調達したと発表した。調達金額は明らかにされていない。同社では、長距離量子暗号通信の実現に必須となる量子中継器の開発及び事業化を進めるとしている。

LQUOM は、量子技術の研究で知られる横浜国立大学堀切研究室の新関和哉氏が2020年1月に設立したスタートアップ。同研究室の准教授である堀切智之氏をテクニカルアドバイザーに迎え、絶対的な安全性を保証する長距離量子暗号通信の研究開発を行い、早期の社会実装を念頭に事業開発に傾注している。LQUOM の社名は、Long-distance Quantum Communications に由来する。

インターネットをはじめ既存のコンピュータ環境下では。RSA 暗号が多用されている。量子コンピュータが現実化しつつある中で、RSA 暗号を使ったセキュリティは将来、簡単に解けてしまう可能性がある。我々が現在使っているコンピュータと対照的に量子コンピュータでは0と1の量子力学的重ね合わせ状態を導入することで,超高速に計算を行えてしまうからだ。

量子コンピュータの利用が常態化した状態においても、セキュリティ確保のために注目される技術が長距離量子暗号通信だ。長距離量子暗号通信の実現には、その通信を中継する量子中継器が必要不可欠で、LQUOM ではそれに必要な量子光源、量子メモリ、インターフェース技術(波長変換)の開発が必須だ。

LQUOM では横浜国立大学と共同研究契約を締結、今後、堀切研究室の学生をエンジニアとして採用するほか、海外の著名研究者を招聘する予定。ハードウェアやソフトウェア面から技術実証に着手し、将来は、メーカー大手へのライセンスなどで、通信事業者、防衛産業、研究産業などに長距離量子暗号通信の広範な社会実装を目指す。

この分野では、通信各社の支援を受ける Quantum Xchange、韓国 SK テレコムが買収したジュネーブ大学発の ID Quantique などが存在する。前者はアメリカで量子暗号通信ネットワークを整備、または、後者はセキュリティ機器(量子暗号通信・乱数発生)や光学実験機器(バイオ・近赤外分光研究など)を開発している。

LQUOM は量子中継器の開発を目指す点で、既存のスタートアップとはアプローチが大きく異なるという。量子通信の通信距離は現時点で数十km程度にとどまっており、社会実装に必要な数百km以上の長距離通信が実現されるまでには至っていない。LQUOM では量子中継器の実現により、本格的な長距離量子暗号通信の実現を目指す。

東大IPCの起業支援「1st Round」に筑波大、東京医科歯科大、東工大が参画——AOIファンドは240億円超に増資

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東京大学協創プラットフォーム開発(東大 IPC)は19日、同社が運営する起業支援プログラム「1st Round」に筑波大学、東京医科歯科大学、東京工業大学が参加することで合意したと発表した。これまでの東京大学に加えこれらの大学が参加することで、国立在京4大学が 1st Round に参加することになる。 1st Round は2019年にスタートした起業支援プログラムで、2017年から展開していた…

東大 IPC の皆さん
Image credit: UTokyo IPC

東京大学協創プラットフォーム開発(東大 IPC)は19日、同社が運営する起業支援プログラム「1st Round」に筑波大学、東京医科歯科大学、東京工業大学が参加することで合意したと発表した。これまでの東京大学に加えこれらの大学が参加することで、国立在京4大学が 1st Round に参加することになる。

1st Round は2019年にスタートした起業支援プログラムで、2017年から展開していた「起業支援プログラム」が前身。スタンフォード大学出身者向けアクセラレータ「StartX」をベンチマークとして、起業を目指す卒業生・教員・学生などのチーム、資金調達を実施していない大学関連のシードベンチャーに対し、各社最大1,000万円の活動資金、ハンズオン支援を6ヶ月間提供。

採択スタートアップは、プログラムには毎回迎えられるパートナーから、PoC や協業の模索、事業化に向けてのさまざまなリソース支援を受けられるのが特徴。通算で5期目となる今バッチには、芙蓉総合リース、JR 東日本スタートアップ、三菱重工、三井住友海上、ピー・シー・エー、三井不動産、日本生命、トヨタ自動車、ヤマトホールディングス、安川電機がパートナーに迎えられた。

1st Round からは累計34社のスタートアップが輩出。今年に入って、1月に完全自動栽培の HarvestX(第3期出身)、3月に建機の自動運転とテレワークを実現する ARAV(第3期出身)、今月は省電力マルチホップ無線通信技術開発のソナス(第4期出身)がそれぞれ、東大 IPC のファンドなどから資金調達したのは記憶に新しい。プログラム輩出チームの VC 資金調達成功率は90%に達している。

新しくなった「1st Round」の枠組み
Image credit: UTokyo IPC

また、東大 IPC は昨年5月に組成を発表したオープンイノベーションに特化したファンド「AOI ファンド(AOI は、Accelerating Open Innovation の略)」を大幅に増資したことも明らかにした。組成発表時には27.5億円だったが、240億円超にまで増資したことも明らかにした。民間 LP には、従来からの三菱 UFJ 銀行や三井住友銀行に加え、SBI グループ、ダイキン工業、日本政策投資銀行グループ、博報堂、芙蓉総合リース、三菱地所が新たに参加した。

これまでに、AOI ファンドから出資を受けているスタートアップ6社(開示分のみ)は次の通り。

  • ファイメクス …… タンパク質分解誘導を機序とする新規医薬品の研究開発(武田薬品工業のカーブアウト)
  •  Onedot/万粒 …… 中国市場で育児メディア「Babily」運営および企業の中国デジタル戦略・越境EC等のデジ タルマーケティング支援を展開(ユニ・チャーム と BCG Digital Ventures からのカーブアウト)
  • BIRD INITIATIVE …… DX による自社課題の解決に向けたコンサルティング、R&D機能の拡張に向けたプロトタイ プサービス等を提供(日本電気らと JV 設立)
  • アーバンエックステクノロジーズ …… 道路点検等、都市インフラのリアルタイムデジタルツインの構築
  • HarvestX …… 農業機器の開発・販売、果菜類の植物工場における完全自動栽培を目指す
  • ARAV …… 自動運転技術による協調無人施工建機、遠隔地にある建機のリアルタイム操作システムの提 供、建機を含む現場の状況管理クラウドサービスの提供

東大 IPC では、1st Round に東大以外の大学が参加したことを受け、これらの大学出身のスタートアップへの出資も積極化する方針。またファンド規模が大型化したことにより、チケットサイズも数千万円のシード投資から20億円を超える大型投資にまで対応できるようになったとしている。

社労士向け業務DXのKiteRa、3億円を資金調達——コモディティ化する人事・労務業務を効率化

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KiteRa は19日、直近のラウンドで3億円を調達したと発表した。ポストシードもしくはプレシリーズ A ラウンド相当と見られる。このラウンドに参加したのは、XTech Ventures、DIMENSION、三井住友海上キャピタルと名前非開示の個人投資家。調達金額には、日本政策金融公庫からのデットが含まれる。 KiteRa にとっては、2019年12月のシードラウンドに続く資金調達。ライフタイムベ…

KiteRa のチームメンバー。後列左端が CEO 植松隆史氏、右端が COO 藤田智人氏。
Image credit: Kitera

KiteRa は19日、直近のラウンドで3億円を調達したと発表した。ポストシードもしくはプレシリーズ A ラウンド相当と見られる。このラウンドに参加したのは、XTech Ventures、DIMENSION、三井住友海上キャピタルと名前非開示の個人投資家。調達金額には、日本政策金融公庫からのデットが含まれる。

KiteRa にとっては、2019年12月のシードラウンドに続く資金調達。ライフタイムベンチャーズは前回ラウンドに続くフォローオンでの参加となる。

KiteRa は2019年4月、大手化学メーカーでの人事労務担当を経て、株式公開のための内部統制整備に長年従事してきた社会保険労務士(社労士)の植松隆史氏(現 CEO)と、SI-er や大手不動産会社でアプリ開発やプロジェクトリードの経験を持つ藤田智人氏(現 COO)により共同創業。就業規則や社内規程を自動作成するクラウド「KiteRa(キテラ)」を開発・提供している。

法律で定められた社労士の業務は、1号業務(行政機関に提出する書類の作成や当事者の代理人業務)、2号業務(労働社会保険関係法令に基づく帳簿書類)、3号業務(労務管理や社会保険に関する相談に応じ、または指導をすること)に分けられる。このうち、1号業務と2号業務は社労士の独占業務ではあるが、サービスがコモディティ化しているのが現実だ。

これまでも1号業務や2号業務は価格勝負だった側面があるが、SmartHR や MoneyForward といった SaaS の台頭で、企業は人事労務作業の多くを社内で簡単に処理できるようになり、この流れには拍車がかかっている。いずれ、これらの業務は社労士が飯を食っていける部分ではなくなるだろう。

社労士にとって、むしろ差別化を図れるのは3号業務。3号業務は社労士の独占業務ではないが、コンサルティング、評価制度づくり、人事・労務相談、労務管理の仕組みづくりなど、顧問先企業に大きな付加価値を提供することができる。社労士がコモディティ化する1号や2号業務を効率的に処理し、3号業務にリソースを集中できるよう KiteRa の開発・提供を始めた。(植松氏)

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「KiteRa」
Image credit: Kitera

もともとは企業の人事・労務担当も直接のターゲットに捉えていたそうだが、企業と社労士では求められる機能が異なるため、KiteRa では昨年4月頃から社労士向けの機能を充実させることに開発リソースを集中。新型コロナ感染拡大の影響で、社労士が顧問先とのやりとりをオンライン化することに抵抗感が無くなり、KiteRa は「社労士全体の DX の波に乗れた(植松氏)」と言う。

現時点で KiteRa が提供可能なのは、就業規則や社内規程のオンライン作成機能が中心だ。主に次のような機能が提供されている。

  1. 作成機能……社労士の顧客企業は、設問に答えるだけ効率的に作成が可能。最新の法律に準拠し、就業規則以外も作れる。企業の実情(週休2日、フレックスタイム、専門業務型裁量労働制など)にあわせて内容はカスタマイズできる。
  2. 編集機能……オンラインブラウザ機能。条項単位での編集が可能で、自動採番や編集時の参照元・先の自動変更などもサポート。
  3. 履歴・差分管理機能
  4. 社労士向け情報提供……KiteRa 社内で有資格者がいるので最新の状況を把握可能、労働法改正に伴う情報、通達や判例が出た場合はその解説とサンプルとなる規定も条文配信する。
  5. 顧問先管理機能……社労士は、顧問先企業にアカウントを権限付与できる。

KiteRa は当面、社労士向けのサービス提供に特化するが、一方で大企業の人事労務部門からの問い合わせも少なくなく、こういったニーズに合わせたサービス開発についても、今夏あたりから着手したい考えだ。大企業ではそもそも規定の数が多く、グループ会社が存在したり、多店舗展開したりしている場合は、それらの規約を SaaS で一元的に管理したいというニーズがあるそうだ。

シングルサインオンやワークフロー連携なども必要になるかもしれないし、大企業では求められる機能が(社労士向けと)違ってくる。現在の KiteRa のまま(大企業に)提供すると不満足になるので注力していないが、今夏あたりからは大企業向けの課題検証などもやっていきたい。(植松氏)

同社では今回調達した資金を使って、現行サービスの機能拡充及び人材の獲得を行うとしている。

SOP基盤や販促基盤運営のスタディスト、31VENTURESやシンガポールPavilion Capitalなどから18.5億円を調達

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから ビジュアル SOP(標準作業手順書)マネジメントプラットフォーム「Teachme Biz(日本サイト / グローバルサイト)」や、販促 PDCA マネジメントプラットフォーム「Hansoku Cloud」を運営するスタディストは19日、直近のラウンドで18億5,000万円を調達したことを明らかにした。 このラウンドに参…

スタディスト代表取締役 鈴木悟史氏
Image credit: Studist

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

ビジュアル SOP(標準作業手順書)マネジメントプラットフォーム「Teachme Biz(日本サイトグローバルサイト)」や、販促 PDCA マネジメントプラットフォーム「Hansoku Cloud」を運営するスタディストは19日、直近のラウンドで18億5,000万円を調達したことを明らかにした。

このラウンドに参加したのは、既存投資家の DNX Ventures、日本ベンチャーキャピタル、Salesforce Ventures に加え、三井不動産とグローバル・ブレインが共同で運営する「31VENTURES-グローバル・ブレイン-グロースI事業」、シンガポール政府傘下 Temasek Holdings の PE ファンドである Pavilion Capital、博報堂 DY ベンチャーズ。

スタディストにとって、今回の資金調達は2019年4月のシリーズ C ラウンドに続くものだ。同社は今回のラウンドステージを明らかにしていないが、通算で5回目の外部からの資金調達となる。公開されている限りにおいて、同社の累積調達金額は約32億円。INITIAL は、前回ラウンド時点での時価総額を約68.5億円と推定していた

スタディストは2010年3月に創業。資格・経験や感覚的なノウハウに依存しない職業が約9割との調査結果をもとに、これらが何らかの形で「仕組み化」可能との判断から Teachme Biz の開発に着手、2012年末に正式ローンチした。製造業・小売業・飲食業などに多く利用され、今年3月時点でアカウント数は31.8万件超、登録された SOP 数は52万件超に達した。

昨年11月には、新たなプロダクトラインとして「Hansoku Cloud」をローンチ。このサービスを使うと、小型スーパーやドラッグストアなどチェーン展開する小売業で、本部から店舗への指示内容が一元化できる。新商品の陳列などに関する営業指示を、文字だけに依存しないわかりやすい説明で指示されるため店舗の負担が軽減され、店舗実現率(依頼事項が実際に店頭での具現化される率)が向上する。

これまで SaaS としてのサービス提供に特化したスタディストだが、昨年8月から大手企業を中心に累計12社で PoC 展開している Teachme Biz の導入コンサルティングサービスを今後強化する。コンサルティングは労働集約的な事業になることが多いが、スタディストではすでに SaaS 事業が確立していることから、SaaS への流入ユーザを増やす効果が期待される。

今回新たに資金調達した投資家のうち三井不動産とは、同社グループや同社のオフィスやショッピングモールに入居する企業向けに Teachme Biz を紹介し、彼らの生産性向上に寄与したい考えだ。

また、スタディストはかねてからタイを中心とする東南アジアに進出しており、この地域での Teachme Biz 導入企業は概ね70社に達している。Pavilion Capital を投資家に迎えたことで、同社や親会社の Temasek Holdings の投資先を中心に、スタディストはタイ、マレーシア、香港、ベトナムなどで Teachme Biz のさらなる顧客獲得を強化したい考えただ。

さらに、スタディストでは今年6月、Hansoku Cloud をベースにした新サービスをメーカー向けにローンチする予定。詳細は明らかになっていないが、メーカーが新商品を直接小売店に紹介し、店頭をマーケティングツールとして利用できる仕組みではないかと考えられる。博報堂のクリエイティブ部門はメーカー各社と強い繋がりがあるため、今回、同社傘下のファンドから資金調達を受けた。