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Masaru IKEDA

Masaru IKEDA

1973年大阪生まれ。インターネット黎明期から、シンクタンクの依頼を受けて、シリコンバレーやアジアでIT企業の調査を開始。各種システム構築、ニッポン放送のラジオ・ネット連動番組の技術アドバイザー、VCのデューデリジェンスに従事。SI、コンサルティング会社などを設立。Startup Digest(東京版)キュレータ。

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東大IPCが〝東大版ビズリーチ〟を開設、投資先の人材発掘・調達を支援

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東京大学協創プラットフォーム開発(東大 IPC)は19日、同社の投資先や支援先スタートアップの人材発掘や人材調達を支援するプラットフォームを開設したことを明らかにした。このプラットフォームは一般には公開されていないため、機能やインターフェイスの詳細は明らかになっていないが、東大 IPC 周辺の起業志望者、CxO 志望者、エンジニア、副業志望者などに自らのプロファイル情報を入力してもらい、スタートア…

東大 IPC のウェブサイト
Image credit: UTokyo IPC

東京大学協創プラットフォーム開発(東大 IPC)は19日、同社の投資先や支援先スタートアップの人材発掘や人材調達を支援するプラットフォームを開設したことを明らかにした。このプラットフォームは一般には公開されていないため、機能やインターフェイスの詳細は明らかになっていないが、東大 IPC 周辺の起業志望者、CxO 志望者、エンジニア、副業志望者などに自らのプロファイル情報を入力してもらい、スタートアップ側から人材にアプローチできることから、関係者間では〝東大版ビズリーチ〟と形容されているようだ。

プラットフォームの開発にあたっては、ソーシャルリクルーティングツール「DISCOVER」を開発した SI-er レぺリオが協力。また、東大 IPC は事業運営にあたり、東京大学産学協創推進本部のスタートアップ支援プログラム「東京大学 FoundX」のオンラインスクール「FoundX Online Startup School」未踏とも連携する。支援対象となるのは、東大 IPC が運営する起業支援プログラム「1st Round」から輩出されたスタートアップ。なお、1st Round 第4期参加を希望するスタートアップが募集されている(応募締切は11月25日)。

日本では、VC がスタートアップの人材調達を支援する動きが活発化しつつある。アマテラスは、VC 向けに出資先スタートアップのリクルーティングが可能となる新サービス「VC テラス」を提供。また、インキュベイトファンドは、投資先向けの採用支援 SaaS「TalentCloud」を活用した「IF Talent Network」を運営している。グローバル・ブレインは昨年、採用支援子会社「GBHR」を設立し、投資先の人材調達を支援している。近年、アメリカでは多くのシード VC が出資先スタートアップを支援する HR 担当者を社内に置くようになっている

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韓国のカーシェアリングスタートアップSoCar(쏘카)、600億ウォン(約55億円)を調達しユニコーン入り

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<ピックアップ> 쏘카, 600억원 규모 투자 유치…모빌리티 분야 유니콘 韓国のカーシェアリングスタートアップ  Socar(쏘카) は16日、SG Private Equity(에스지프라이빗에쿼티)と Songhyun Investment(송현인베스트먼트)から600億ウォン(約55億円)を資金調達したことを明らかにした。現地報道によれば、これを受けて、SoCar の評価額は10億米ド…

Image credit: SoCar(쏘카)

<ピックアップ> 쏘카, 600억원 규모 투자 유치…모빌리티 분야 유니콘

韓国のカーシェアリングスタートアップ  Socar(쏘카) は16日、SG Private Equity(에스지프라이빗에쿼티)と Songhyun Investment(송현인베스트먼트)から600億ウォン(約55億円)を資金調達したことを明らかにした。現地報道によれば、これを受けて、SoCar の評価額は10億米ドルを超え、晴れてユニコーンクラブ入りをしたとみられる。

Socar は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、通勤・出張・旅行などの移動需要の急激な減少を受け、経営存続の危機を迎えた。今年3月には、韓国国会での旅客運輸法改正に伴い、子会社である VCNC が提供していたベーシックサービス「Tada(타다)」がサービス中断を余儀なくされ、莫大な損失を記録することとなった。

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SoCar はサブスク「SocarPass」、長期利用「SocarPlan」や「SocarPairng」、企業向け「SocarBusiness」で事業を強化。これが会員数600万人突破、SocarPass 累積登録者数30万人などの成果につながったという。

VCNC は、Tada(타다)ベーシックサービス中断の後、プレミアムサービスの「Tada Premium」、予約型サービスの「Tada Air(空港送迎)」「Tada Golf(ゴルフ場送迎)」「Tada Private(貸切)」などで事業を再構築し活路を模索してきた。VCNC は韓国国土交通部から事業免許を取得し、フランチャイズタクシー事業や代行運転仲介事業など新サービスを年内に正式発表する計画だ。

via Platum(플래텀)

道路点検AIを開発するUrbanX、シードラウンドで8,000万円を調達——東大IPCとANRIから

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道路点検 AI を開発するアーバンエックステクノロジー(以下、UrbanX)は15日、シードラウンドで8,000万円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、東京大学協創プラットフォーム開発(東大 IPC)と ANRI。 UrbanX は、東京大学生産技術研究所特任研究員の前田紘弥氏が今年4月に設立したスタートアップ。都市空間のリアルタイム・デジタルツイン構築でスマートな都市経営の…

Image credit: UrbanX Technologies

道路点検 AI を開発するアーバンエックステクノロジー(以下、UrbanX)は15日、シードラウンドで8,000万円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、東京大学協創プラットフォーム開発(東大 IPC)と ANRI。

UrbanX は、東京大学生産技術研究所特任研究員の前田紘弥氏が今年4月に設立したスタートアップ。都市空間のリアルタイム・デジタルツイン構築でスマートな都市経営の実現を目指している。

現在は、スマートフォンやドライブレコーダー(ドラレコ)にコンピュータビジョンや振動検知を備えたエッジ AI を搭載し、道路の損傷検出を行い、必要に応じてクラウドへ該当箇所の画像をアップロードし、道路の所轄官庁や自治体へ報告する実証実験を行なっている。これまで道路の損傷確認業務は人が定期的に巡回することで行われていたが、これを AI に置き換えることで業務効率化を図ろうというものだ。

Image credit: UrbanX Technologies

京都市の「みっけ隊」、奈良市の道路損傷等通報システム、埼玉県の道路損傷通報システムのように、一部自治体では市民から損傷箇所の通報を受けて業務効率化に役立てようとする動きが既に始まっている。UrbanX の技術は、今のところ行政の業務効率化にスポットを当てているが、将来的には、一般市民がドラレコなどに導入することで「SETI@home」のような集合知(Wisdom of Crowds)ソリューションに発展できる可能性もあるだろう。

どの程度の損傷があれば修復するかの基準は、国道や自治体道の違い、また、所轄官庁や各自治体の予算などによっても違う。(撮影している際の)走っている道路の位置情報から、その道路を管轄する官庁や自治体の基準に合わせてレポートするかどうかも、学習して最適化していく機能を備えている。(前田氏)

UrbanX の技術が導入されているのはまだ公用車のみだ。前田氏によれば、将来的には一般ドライバにまで利用を広げることを目指しているが、撮影した画像のプライバシーなどの課題を解決する必要があり、まだ少し先のことになりそうだ。また、道路損傷を報告したドライバへのモチベーションの設計、そうした施策を導入するための予算確保やビジネススキームも考える必要があるだろう。

UrbanX は、2020年に東大 IPC の起業支援プログラム「1st Round」の第2期(web サイト上には、これまでに3回開催した 1st Round の名前がついていなかった頃の起業支援プログラムからを通算でカウントし第五回と記されている)に採択。また、「ドライブレコーダー型路面性状検査システムの開発」で、2020年度未踏アドバンスト事業実施プロジェクトに採択された。

リテールテックのフェズ、広告×販促×店頭施策を連動する一気通貫型プラットフォーム「Urumo OMO」を正式ローンチ

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広告・マーケティングと、営業・販売促進というのは、別々に施策が打たれることがしばしばだ。論より証拠、これらそれぞれの役割を担う部署は、企業の中で分かれて存在することが多い。しかし、この状況にも変化が訪れるかもしれない。D2C(direct-to-consumer)プラットフォームの台頭で、製造ノウハウを持たないブランドやインフルエンサーがモノを売れるようになった。深夜帯に放映されるテレビ局自社制作…

Image credit: Fez

広告・マーケティングと、営業・販売促進というのは、別々に施策が打たれることがしばしばだ。論より証拠、これらそれぞれの役割を担う部署は、企業の中で分かれて存在することが多い。しかし、この状況にも変化が訪れるかもしれない。D2C(direct-to-consumer)プラットフォームの台頭で、製造ノウハウを持たないブランドやインフルエンサーがモノを売れるようになった。深夜帯に放映されるテレビ局自社制作通販番組に象徴されるように、メディアは広告ではなく自ら商品を売るようになってきている。

今日紹介するフェズは、売上を伸ばすという一つの目標に対して、複数の部門が担当する施策を横断的かつ一元的に管理できるプラットフォームだ。同社は14日、逆算型 OMO(Online merges with Offline)プラットフォームの「Urumo OMO」を正式ローンチした。OMO については BRIDGE の読者も聴き慣れた言葉と思うが、逆算型とは何だろうか?

従来型のマスマーケティングでは、商品の存在を潜在顧客に認知してもらうことから始め、最終的に来店してもらい購入してもらうことを目指す。この手法の首位の座に君臨するのがテレビ CM であるわけだが、消費行動が多様化する中でマスマーケティングは必ずしもコストパフォーマンスがいいとは言えない。対して、OMO 型のマーケティングでは、最初の来店・購入を促し、それが顧客にとっての最初の商品とのタッチポイントとなって認知を深めていく。

Image credit: Fez

OMO 型マーケティングが求められる背景には、商品を作るメーカー、販売する小売業者、購入する消費者間の大きなニーズのギャップがある。メーカーはなるべく高い価格で自社商品を店頭に大量に置いてもらいたい、小売業者は複数メーカーの商品の中から売れ筋のみを選んで置きたい、そして消費者は広告に翻弄され、自分の欲しいものを手に入れられないインフォメーションオーバーロードがここでも起きているわけだ。

Urumo OMO では、ID-POS に代表される購買データ、店頭データ、ユーザの位置データを掛け合わせ分析・戦略立案。各店舗の商圏にいる潜在顧客に対してオンライン広告を流し、それを見て来店した顧客に対して、商品を店頭で手にとってもらえる体制を整える。実際にどのユーザがどの商品をどれだけ購入したか購買データと付き合わせ、これら一連の PDCA サイクルを回すことで最適解を導き出すというアプローチをとる。

Image credit: Fez

こうしたリテールテックを持ち込む対象としてフェズが選んだのは、FMCG(日用消費財)、中でも、トイレタリーや化粧品といった分野だ。代表取締役の伊丹順平氏はフェズを創業する前、P&G ジャパンで大手流通を担当し、その後、Google で消費財メーカーやリテール業界を担当。FMCG メーカーのニーズと、リテールが抱える課題の両方を身近に体感したことが、この事業の設立につながったという。Urumo OMO を使ったセールスリフト(購買向上)の壮大な実験には、複数のドラッグストアが参加している。

厚生労働省傘下の労働政策研究・研修機構が発表したデータによれば、2018年現在、就業者人口6,642万人のうち1,072万人は小売業界、つまり、リテールに従事している。インターネットが普及したとはいえ、小売全体に占める EC の割合は6.76%(経済産業省のデータ)に留まっている。伊丹氏は、データを活用したセールスリフトでオフラインリテールを伸ばすことは、労働人口低下や働き方改革が叫ばれる昨今、社会全体の生産性向上にも大きく寄与するだろう、と期待を込めた。

フェズのチーム。最前列右から4番目が代表取締役の伊丹順平氏。
Image credit: Fez

フェズは8月、ニッセイ・キャピタルと Incubate Fund US から6.3億円の調達を発表している。

この分野では、対象バーティカルが FMCG ではないが、ファッション提案 O2O サービス「FACY(フェイシー)」を運営するスタイラーが中国のテック大手 Tencent(騰訊)と組んで OMO 領域に進出することを明らかにしている。

「Meety」がコロナ禍でピボット、企業の〝なかのひと〟と繋がれるカジュアル面談プラットフォームに

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東京を拠点とするスタートアップ Meety は14日、カジュアル面談プラットフォーム「Meety」をβローンチした。Meety は昨年11月に企業の人材採用に特化したミートアップ掲載プラットフォームとしてローンチしていたが、コロナ禍で直接対面でのミートアップが抑制される中、事実上のピボットとなる。 Meety はミートアップ掲載プラットフォームとして、サービス開始4ヶ月目となる今年2月時点で登録企…

Image credit: Meety

東京を拠点とするスタートアップ Meety は14日、カジュアル面談プラットフォーム「Meety」をβローンチした。Meety は昨年11月に企業の人材採用に特化したミートアップ掲載プラットフォームとしてローンチしていたが、コロナ禍で直接対面でのミートアップが抑制される中、事実上のピボットとなる。

Meety はミートアップ掲載プラットフォームとして、サービス開始4ヶ月目となる今年2月時点で登録企業数が120社を突破していたが、2月後半からの新型コロナウイルス感染拡大に伴うイベント自粛の影響でイベント掲載数は激減。Meety 代表取締役の中村拓哉氏は、ミートアップのオンライン化も考えたが、採用につながる方法としては不向きとの判断に至ったという。

採用目的のミートアップでは、「◯◯さんは今キャリアをどうお考えですか?」といった、参加者の転職意欲を把握するための質問を企業はしたい。以前のミートアップの時は、そんな質問を軽食を交えた交流の場で行っていた。ミートアップがオンライン化されると、1:多の環境になるため、そのような質問をしづらく、採用には不向きと考えた。

Image credit: Meety

ユーザヒアリングなど半年以上にわたる試行錯誤を経て、Meety がようやく辿りついたのが企業の〝なかのひと〟と繋がれる直接繋がれるカジュアル面談プラットフォームだ。カジュアル面談では転職サイトやスタートアップ各社が先行するが、依然として定義が曖昧であるゆえ、企業と参加者の間で期待感のズレが散見されるため、Meety では〝なかのひと〟を際立たせる C2C のモデルを採用したという。

Meety ではまた、カジュアル面談をとことんカジュアルにするため、求人・求職だけにフォーカスしない話題の場を提供する工夫も取り入れている。〝なかのひと〟が「私の話せること」というお題目を提示し、参加者にそれを選んでもらって会話を弾ませることも可能だ。「気になる」を送り双方がマッチングできる点は、さながら男性と女性のマッチングアプリを彷彿させる。

compass や Peatix などミートアッププラットフォームを見ると、カジュアル面談の勉強会とかいっぱい開かれている。企業や参加者らからヒアリングしながら、カジュアル面談の事故りそうな点を徹底的に潰していったら、今の Meety の形になった。10月上旬の段階で100人くらいの先行ユーザ(参加者)が使ってくれていて、反応は悪くなさそうだ。(中略)

転職市場は売り手の市場ではあるけど、候補者ファーストの市場になっているかどうかは疑問。定義が曖昧なもの(カジュアル面談)を企業が運用すると、企業によって使い方や対応が分かれてしまう。〝なかのひと〟と参加者(候補者)をつなぐプラットフォームにしたのは、そんな理由からだ。(中村氏)

Image credit: Meety

「〝なかのひと〟と参加者をつなぐ」と表現するとリファラル採用への近似をイメージさせるが、リファラル採用は個人が持つ友人ネットワークの人数が上限になってしまうため、リファラル採用を目指すことはしないと中村氏は言い切る。むしろベンチマークしているのは、ビジネスパーソンのマッチングアプリ「Yenta(イェンタ)」やカジュアル募集ができる「bosyu.me」などだ。

C2C なアプローチから始めるものの、Meety では今後、企業向けのサービスメニューを充実していきたいとしている。採用プロセスに載った候補者を扱う ATS(採用管理システム)は国内にも複数存在するが、採用プロセスに載る前段階の候補者をフォローアップ・管理するツールはまだ無いため、カジュアル面談の運用やタレントプールを管理できる TalentCRM を一元化した機能の実装を計画しているようだ。

Incubate Fund USが約20億円を集めファイナルクローズ、米B2B中心に11社への投資実行が明らかに

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Incubate Fund US は13日、第1号ファンドの資金調達をファイナルクローズしたことを明らかにした。調達規模は約20億円に達しており、当初募集予定額10億円の約2倍までオーバーサブスクライブしたことになる。このファンドに出資したのは、次の個人投資家、事業会社、ファンドなど(一部非開示を含む)。 谷家衛氏(個人投資家) Google の VP(氏名は非開示) 石塚亮氏(メルカリ創業者、個…

Incubate Fund US GP 野津一樹氏

Incubate Fund US は13日、第1号ファンドの資金調達をファイナルクローズしたことを明らかにした。調達規模は約20億円に達しており、当初募集予定額10億円の約2倍までオーバーサブスクライブしたことになる。このファンドに出資したのは、次の個人投資家、事業会社、ファンドなど(一部非開示を含む)。

  • 谷家衛氏(個人投資家)
  • Google の VP(氏名は非開示)
  • 石塚亮氏(メルカリ創業者、個人投資家)
  • 金田修氏(遊仁堂 CEO)
  • Incubate Fund
  • ラクスル(東証:4384)
  • クラウドワークス(東証:3900)
  • ブイキューブ(東証:3681)
  • キャナルベンチャーズ(日本ユニシスの CVC)
  • Bonds Investment Group
  • CARTA HOLDINGS(東証:3688)
  • セプテーニ・ホールディングス(東証:4293)
  • ユナイテッド(東証:2497)
  • 電通
  • FUJI STARTUP VENTURES

Incubate Fund US は、Google アメリカ本社で社内スタートアッププログラムなどに従事した後、主にシリコンバレーを中心に活動していた野津一樹氏が昨年組成。その際には、SaaS、HR、小売、マーケティング、マーケットプレイスなど「B2B × ソフトウェア」にフォーカスし、1ショットあたりのチケットサイズを50万〜100万米ドルに想定することを明らかにしていた。

Incubate Fund US は既に北米を中心に11社に投資実行済であることから、概ねファンド総額の約半分程度を投資実行したことが推測できる。同ファンドは、野津氏と同じく〝Xoogler(ズーグラー、Google 出身者に対する愛称)〟が立ち上げたファンド Vela Partners と連携したことで、キャリー(成功報酬)を共有できる体制を整え、ディールソースの効率化に成功している。

Incubate Fund US 投資先11社のうち、公表されている一部スタートアップは次の通り。

  • CloudNatix …… Google の Director で「Kubernetes」などのベースとなるコンテナ技術を発明した Rohit Seth 氏、特別チーム「Borg」のテックリードだった Kenji Kaneda氏 などによるスタートアップ。クラウド横断でコストやパフォーマンスを最適化する SaaS を開発。
  • Cerby …… Ooyala などの創業メンバーであり、総額約4億米ドルを調達したシリアルアントレプレナー Belsasar Lepe 氏
    が率いる 「シャドーIT」領域のSecurity SaaS(当初は、ソーシャルメディアがターゲット)。
  • Lumi Labs …… Marissa Mayer 氏率いるスタートアップ。ステルスのためプロダクトは現時点で非公開。
  • WaveOne …… Facebook AI Research(FAIR)創立者の一人で、特許を個人で70以上も持ち、ハーバード大学などでフェローも務めトップエンジニア創業者2人が立ち上げた〝動画界のTwillio〟。サンマイクロシステムズ創業者で、Khosla Ventures GP の Vinod Khosla 氏もアドバイザーとして参画。
  • フェズ …… 甲子園球児、P&G を経て Google のセールスチームでトップセールスだった伊丹順平氏が率いるリテールテックのスタートアップ。既にドラッグストア中心に POS データを保有しており、OMO を実現し、実際に売上が上がるセールスリフトの概念を市場に提唱している。

Incubate Fund US は、野津氏もコミュニティリードの1人として参加する Xoogler のコミュニティを通じて、さまざまな投資家や起業家との連携を図っている。2015年に創設された Xoogler のコミュニティは、全世界で5,000人以上がアクティブに活動するネットワークで、Google を卒業した Xoogler と現役 Googler との交流も盛んなことでも知られる。

野津氏によれば、新型コロナウイルスの影響は少なからず北米のスタートアップ資金調達に影響を与えているが、件数ベースでは、レイターステージでは前年比で3割程度鈍化したのに対し、シードステージでは1割程度にとどまっているそうだ。また「スタートアップに価値を与えられない  VC が減ったことで、VC とスタートアップがよりよい相手を見つけやすい状況になっている」とも指摘した。

制作会社探しの総合コンシェルジュ目指すユーティル、Web制作の次は動画制作会社紹介サービスに進出

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約2年前に「Web 幹事」というサービスを紹介した。Web 制作をどの会社に依頼していいのかわからない中小企業向けに、要件に合わせて最適な制作会社を紹介してくれるというサービスだ。このサービスを展開するユーティルは13日、サービス対象を動画制作に拡大した「動画幹事」を正式リリースした。全国の動画制作会社1,300社超の中から最適な発注先を紹介してくれる。 ユーティルは、以前 JAFCO でネット宅…

「動画幹事」
Image credit: Utill

約2年前に「Web 幹事」というサービスを紹介した。Web 制作をどの会社に依頼していいのかわからない中小企業向けに、要件に合わせて最適な制作会社を紹介してくれるというサービスだ。このサービスを展開するユーティルは13日、サービス対象を動画制作に拡大した「動画幹事」を正式リリースした。全国の動画制作会社1,300社超の中から最適な発注先を紹介してくれる。

ユーティルは、以前 JAFCO でネット宅配クリーニング「リネット」のホワイトプラスをはじめ、スタートアップへの投資を担当していた岩田真氏らにより2015年4月に設立。もともとは Web 制作の受託で事業を開始したが、Web 制作業界の多重請負構造や発注側担当者の知識不足から、適切な制作会社に適切な価格で依頼できていない課題を解決すべく、コンシェルジュ事業にピボットした。

「一括見積サイト」という言葉があるが、我々はこの言葉は捨てることにした。お客様に感謝されるのは、最初に相談を受ける部分だからだ。業界的には相場はこれくらいだけど、あなたの会社の予算はこれくらいだから、これくらいの乖離がある。このくらいのレベルの会社に頼むなら、このくらいの予算は必要ですね、という相談に載っている。「suumo」 や「ほけんの窓口」に近いと思う。(岩田氏)

この分野で先行する企業は複数ありユーティルは後発だが、業界トレンドや月当たりの相談数、制作会社の反応から、おそらく「Web 制作の分野では国内ナンバーワンを取れたように思う」というのが岩田氏の見立てだ。

Web 幹事の単月黒字化は今年達成できたので、動画幹事を皮切りに、それ以外にもカテゴリを増やしていきたい。(岩田氏)

意外に自動化されている〝コンサルコマース〟の裏側

打ち合わせするユーティルのメンバー
Image credit: Utill

Google に象徴されるように、とかく入手できる情報を可能な限り多く集めて提示するサービスが贔屓されがちだが、選択肢が多すぎることはストレスを招くこともある(インフォメーションオーバーロード)。これと対極的に、ユーティルでは見込客から相談を受けることで、得られた情報をもとに最適解に選択肢を減らして提示することが好意的に受け入れられているといい、岩田氏はこれを「コンサルコマース」と呼んでいる。

Web 幹事はβ運用中も全ての相談をオンラインで行っていたため、新型コロナウイルスの経済的影響をほぼ受けていない。むしろ相談件数は落ちておらず、そこからの成約件数も落ちていないという。オンラインでのリード獲得やインサイドセールスなど、非接触型営業の重要性が高まる昨今、普通に考えれば、Web 制作や動画制作の需要も高まるはずだ。

あらゆるサービスの最適な営業活動をパターン化できるのではないか。例えば、中小企業が他社から勧められて大きなサービスを導入を試みたとする。でも導入が重すぎて3ヶ月位したらあきらめがちだから、そのタイミングで、ウチが中小企業にフィットしたサービスを提案できたら、話が決まりやすいとか。(発注や導入の際も)この点が失敗しやすいから注意しましょう、みたいな進言もできるようになる。(岩田氏)

Web 幹事では制作会社のデータベースを充実させ、ヒアリング項目などをもとに顧客と制作会社のマッチング制度を高めることに成功しており、ユーティルではこのノウハウを動画幹事にも横展開する。マッチングの自動化が進んでいることで、コンシェルジュ担当者(カスタマーサクセス)は、1人あたり月間150件以上の商談が実現できているという。ユーティルでは今後、こういったコンシェル担当者の拡充を図る計画だ。

ユーティルでは、カスタマーサクセスに営業としてのスキルの高さは求めていない。むしろ、お客様に提供すべき情報をちゃんと伝えることで、高得点の発注を決めていこう、というスタンスだ。お客様と制作会社のマッチング制度は、まだまだ高められると思う。(岩田氏)

ユーティルは2017年、シードラウンドで5,700万円を調達している(エンジェル投資家からの出資に加え、金融機関からの融資を含む)。

スポーツエンタメアプリ「Player!」運営、新型コロナ追い風にスポーツ界のDX推進——3社から資金調達も

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スポーツエンターテイメントアプリ「Player!」を開発する ookami は12日、直近のラウンドで山口キャピタル、三菱 UFJ キャピタル、アカツキ(Heart Driven Fund、東証:3932)から資金調達したことを明らかにした。調達金額は明らかにされていないが、関係者らの情報を総合すると数億円程度と見られる。このラウンドは同社にとって、2018年6月に実施したシリーズ B ラウンドに…

Ookami のチームメンバー。左から3人目が、代表の尾形太陽氏。
Image credit: Ookami

スポーツエンターテイメントアプリ「Player!」を開発する ookami は12日、直近のラウンドで山口キャピタル、三菱 UFJ キャピタル、アカツキ(Heart Driven Fund、東証:3932)から資金調達したことを明らかにした。調達金額は明らかにされていないが、関係者らの情報を総合すると数億円程度と見られる。このラウンドは同社にとって、2018年6月に実施したシリーズ B ラウンドに続くものだ。

ookami は2014年4月の設立。2015年4月にモバイルアプリ「Player!」を iOS 向けにリリースし、スポーツニュースの配信プラットフォームから、スポーツゲームをライブで伝え、ゲームの途中経過や結果とともに、同じゲームを実況観戦する他ユーザと思いをリアルタイム共有できるスポーツ SNS へとピボットした。

「Player!」
Image credit: Ookami

コロナ禍で多くのスポーツイベントが規模縮小や無観客への転換を余儀なくされる中、この流れは Player! にとっては追い風となっている。Player! の月間利用者数はのべ400万人超で、年間約2万試合のスポーツイベントの情報を収集・共有。Player! 上での広告掲載を通じた収益化に取り組んできた同社だが、今回調達した資金を使い、収入減に悩むスポーツチームの収益化支援に乗り出す。

新常態では現地に出向くのが難しくなるので、オンライン上に楽しめる場所を作らないといけない。直接ユーザとコミュニケーションが取れる Player! の特徴を生かして、スポーツのスポンサリングをデジタル化する動きも支援できると思う。(ookami 代表 尾形太陽氏)

新型コロナはお金の流れを変えつつある。リアルのスポーツイベントの露出が減った分、そこに流れていたスポンサーフィーが新たな行き場を探している。一方で、スポーツチームは観客からの入場料収入や協賛金収入の道が閉ざされ、存亡の危機に追い込まれた団体も少なからずあると聞く。Player! はデジタル体験を介して、新たなお金のフローを作ることを目指す。

スポーツチーム向けリアルタイムデータ管理ツール「PLAYER! Admin」
Image credit: Ookami

スポーツチームにファンをエンゲージメントする企画を Player! で展開してもらい、投げ銭やギフティングのような形でファンからチームにお金を入れてもらう活動が、浦和レッズ鹿島アントラーズとの間で始まっている。ookami はパーセンテージで手数料収入を得るのではなく、チームに対し月額定額料で SaaS 利用してもらうことで、チームが収益を得やすくしているという。この SaaS には、チームのウェブサイトやソーシャルメディアへのアクセスを一元的に管理・最適化できる機能も追加される予定だ。

今回のラウンドに参加した投資家のうち山口キャピタルとは業務提携を伴っており、親会社の山口フィナンシャルグループ(東証:8418)との関係をもとに ookami は Player! を通じたスポーツによる地方活性化施策の開発に取り組む考え。また、投資家の一つであるアカツキは2018年末から東京ヴェルディの経営に参画しており、Player! を通じて何らかの取り組みが繰り広げられることが期待される。

「Okinawa Startup Program 2020-2021」が発表、大同火災・JTB沖縄・琉球放送が加わり全8社でスタートアップ支援

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沖縄を代表する大企業が共同でスタートアップを支援するプログラム「Okinawa Startup Program」は今週、今年から来年にかけて運営・開催されるプログラムの要旨を明らかにし、参加スタートアップの募集を開始した。 2016年に琉球銀行(東証:8399)が始めたこのプログラムは、主催者に2017年から沖縄タイムス、2018年から沖縄セルラー(東証:9436)、沖縄電力(東証:9511)、日…

沖縄を代表する大企業が共同でスタートアップを支援するプログラム「Okinawa Startup Program」は今週、今年から来年にかけて運営・開催されるプログラムの要旨を明らかにし、参加スタートアップの募集を開始した。

2016年に琉球銀行(東証:8399)が始めたこのプログラムは、主催者に2017年から沖縄タイムス、2018年から沖縄セルラー(東証:9436)、沖縄電力(東証:9511)、日本トランスオーシャン航空が加わった。今年からは、沖縄の損害保険会社である大同火災JTB 沖縄琉球放送(RBC)も加わり、沖縄を代表する大企業8社が力を合わせることで、各社が持つリソースとネットワークを相互活用し、スタートアップの事業拡大に向けた支援を強化する。

このプログラムには例年、沖縄県内外はもとより、近接する韓国や台湾から日本市場進出を試みるスタートアップが参加してきた。参加スタートアップのソーシングにあたっては、STARTUP Lab LagoonFROGSアントレプレナーシップラボ沖縄の各起業家支援機関に加え、今年は韓国チェジュ革新成長センターの協力を得る(昨年は、台湾科技部が運営するスタートアップハブ Taiwan Tech Arena=台湾科技新創基地の協力を得ていた)。

このプログラムに参加するスタートアップの募集は、10月1日〜31日の間、Okinawa Startup Program の Web サイトで受け付けられ、プログラム期間中の成果を披露するデモデイは、来年2月27日に開催される予定(例年は、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で開催されるが、今回はオンライン開催かオフライン開催かは未定。2019-2020 のプログラムでは、デモデイは無観客のオフライン開催となった)。

Okinawa Startup Program の過去のプログラムに参加したスタートアップ35社のうち、人材管理クラウド開発のサイダス、ソーシャル EC プラットフォーム「temite(テミテ)」を運営する EC-GAIN、貨物車両と荷主をつなぐマッチングプラットフォーム「PickGo(ピックゴー)」を運営する CBcloud、沖縄発の運転代行マッチングプラットフォーム「AIRCLE(エアクル)」を運営する Alpaca.Lab は、琉球銀行の「BOR ベンチャーファンド」から、それぞれ資金調達したことが明らかになっている。

アプリコット・ベンチャーズとSpready、創業期スタートアップのユーザヒアリングを支援

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アプリコット・ベンチャーズは1日、組織と人をつなぐ SNS を運営する Spready の協力を得て、創業準備中や創業期の起業家向けにユーザヒアリング支援プログラム「DIVE supported by Spready(以下、DIVE と略す)」を提供すると発表した。最大3社の採択社に対し、1ヶ月間のユーザヒアリング候補先の紹介とサポートプログラムを提供する。 アプリコット・ベンチャーズでは、これま…

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アプリコット・ベンチャーズは1日、組織と人をつなぐ SNS を運営する Spready の協力を得て、創業準備中や創業期の起業家向けにユーザヒアリング支援プログラム「DIVE supported by Spready(以下、DIVE と略す)」を提供すると発表した。最大3社の採択社に対し、1ヶ月間のユーザヒアリング候補先の紹介とサポートプログラムを提供する。

アプリコット・ベンチャーズでは、これまでにも「FLAP」のような起業家支援プログラムを運営しているが、同プログラムに参加する起業家などにどのような支援が欲しいかをヒアリングしたところ、ユーザのヒアリング機会の提供の声が多かった。同社では社内ネットワークに加え、3,000人の登録者を持つ Spready に協力を求め、DIVE を展開することとなった。

VC やアクセラレータのスタートアップ支援内容が多様化する中で、ユーザヒアリングの支援をメニューに加える事例は海外でも散見されるようになった。ユーザヒアリングは初期にあるスタートアップのプロダクトマーケットフィット(PMF)に重要な役割を果たすだけでなく、参加したユーザはクローズドでのβ運用期のユーザになってくれる可能性も高く貴重な存在だ。

募集の対象となるのは、法人設立後6ヶ月以内か、今後6ヶ月以内に法人設立を予定しているスタートアップで、エクイティによる資金調達をしていない IT 関連んスタートアップが対象。また、必須条件ではないが、簡易的な提案資料やサービス紹介ページ、デモプロダクトのいずれかを用意していることが望ましいとしている。今月19日まで募集され、ヒアリング実施は11月の1ヶ月間。

アプリコット・ベンチャーズは DIVE の実施にあたり、採択されたスタートアップに対して、投資を受けることの是非や他プログラムへの参加は求めない。また、アプリコット・ベンチャーズと Spready は、DIVE のサービスを採択スタートアップに対して完全無償で提供する。サービス立ち上げ時のユーザヒアリングに Spready が使われた事例としては、飲食店〜サプライヤーマッチングのクロスマートなどがある。

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