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Masaru IKEDA

Masaru IKEDA

1973年大阪生まれ。インターネット黎明期から、シンクタンクの依頼を受けて、シリコンバレーやアジアでIT企業の調査を開始。各種システム構築、ニッポン放送のラジオ・ネット連動番組の技術アドバイザー、VCのデューデリジェンスに従事。SI、コンサルティング会社などを設立。Startup Digest(東京版)キュレータ。

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農産物流通特化型SaaS「nimaru」運営のkikitori、JAグループと資本業務提携——まずは湘南農協に導入

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農産物の流通現場向け SaaS「nimaru(旧称:bando)」を運営する kikitori は14日、JA グループ(全国の農協グループとその関連組織)と業務提携したことを明らかにした。また、同社は、農林中金イノベーション投資事業有限責任組合(GP:グローバル・ブレイン、LP:農林中央金庫)から3,000万円を資金調達したことも明らかにしている。 2015年に創業した kikitori は、国…

Image credit: Kikitori, JA Group

農産物の流通現場向け SaaS「nimaru(旧称:bando)」を運営する kikitori は14日、JA グループ(全国の農協グループとその関連組織)と業務提携したことを明らかにした。また、同社は、農林中金イノベーション投資事業有限責任組合(GP:グローバル・ブレイン、LP:農林中央金庫)から3,000万円を資金調達したことも明らかにしている。

2015年に創業した kikitori は、国産青果における既存の市場流通を DX(デジタルトランスフォーメーション)支援するスタートアップだ。国産青果の約8割を担う既存の市場流通において、卸売事業者や仲卸業者といった既存流通の業務効率化を狙い、これらの事業者間の需給調整の連絡を、従来の電話によるやりとりからモバイルをインターフェースとした SaaS へのシフトを促している。

kikitori では個人の生産者(農家)に対して nimaru のサービスを提供しており、その情報を受け取る卸売事業者や仲卸業者などからは業務が効率化するとして評価を得てきた。しかし、生産者から市場に届けられる青果の約6割が農協を通じてのものであるため、農協から来る情報についても nimaru 上でデジタルデータとして受け取りたいとのニーズがあった。

Image credit: Kikitori

kikitori は昨年、JA グループの AgVenture Lab による指名型アクセラレータプログラム「Plant & Grow」第1期に採択。第1期では生産・流通現場の「見える化・データ化」がテーマに設定され、kikitori では各地の農協と協業する場合の試みとして、2月から湘南農協に nimaru を導入する。この導入に当たっては nimaru は一部機能がカスタマイズされ、生産者→農協→市場の情報フローが一気通貫化される見込みだ。

生産者〜卸売事業者・仲卸業者をつなぐ存在であるが(上図)、両端の双方をユーザとして増やすことが事業のスケールアップにつながる。nimaru を使う生産者を増やす → その生産者と取引のある卸売事業者・仲卸業者が nimaru を使う → その卸売事業者・仲卸業者と取引のある別の生産者が nimaru を使う、という上昇スパイラルを描いていて、農協との連携はこの最初の生産者ユーザの獲得に大きく寄与することが期待できる。

日経によると、nimaru は10の青果物市場で導入されており、2021年に50市場に広げる計画。

kikitori は昨年5月、シードラウンドで Coral Capital から5,000万円を調達している。

ネイルシールブランド運営の韓国Gelato Lab、日本での売上好調でKOSDAQ上場へ

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<ピックアップ> 브랜드엑스, 자회사 ‘젤라또랩’ 코스닥 상장 추진 ネイルシールを手がける韓国スタートアップ Gelato Lab(젤라또랩)の親会社である BrandX Corporation(브랜드엑스코퍼레이션)は、日本国内での販売好調を主な理由として、Gelato Lab を韓国 KOSDAQ 市場に上場させる考えであることを明らかにし、その手続きに入った。G…

<ピックアップ> 브랜드엑스, 자회사 ‘젤라또랩’ 코스닥 상장 추진

ネイルシールを手がける韓国スタートアップ Gelato Lab(젤라또랩)の親会社である BrandX Corporation(브랜드엑스코퍼레이션)は、日本国内での販売好調を主な理由として、Gelato Lab を韓国 KOSDAQ 市場に上場させる考えであることを明らかにし、その手続きに入った。Gelato Lab は設立から3年で IPO を果たすことになる。

Gelato Lab は、韓国のモバイルコマース大手 TMON(티몬、旧称:Ticket Monster)の社内ベンチャーとして立ち上がり、2017年11月にスピンオフ。韓国ヨガウェアブランド「Xexymix(ゼクシィミックス)」の運営で知られる BrandX が昨年11月に Gelato Lab の株式59.34%を取得していた。

Gelato Lab は、ネイルのトレンド情報を収集しオンデマンドでデザインしたネイルシールを販売する「Gelato Factory」、韓国国内1万軒以上のネイルショップと提携したネイルアート検索プラットフォーム「Gelato」を展開。日本には2019年6月に進出し、自社サイトから84%を売り上げるほか、マツモトキヨシ、ロフト、ドン・キホーテの500以上の店舗でもオフライン販売している。

日本ではネイルアートと言えば、チップかジェルを使うのが主流だったが、そこにシールという新しい手法を持ち込んだことで主に10代から支持を得た。日本での売上額は10億円に達する勢いだ。Gelato Lab は韓国や日本を中心に、2020年は2019年の2倍以上の売上を目指しており、今までに増して自社サイトでのオンライン販売を強化する計画することで利益率を高める計画だ。

Gelato Lab は、2019年9月に東京で開催された Startup Alliance(스타트업 얼라이언스)のデモデイにも参加していた。

via Fashonbiz

価格戦略支援SaaS「Pricing Sprint」運営、プレシリーズAで1億円を調達——STRIVE、East V、CACから

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B2B SaaS や B2C サブスク事業者などを対象に、価格戦略や価格決定を支援する SaaS「Pricing Sprint」を提供するプライシングスタジオは11日、プレシリーズ A ラウンドで約1億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、STRIVE、East Ventures、CyberAgent Capital(CAC)。 プライシングスタジオは2019年6月にエンジェ…

Incubate Camp 13th でピッチするプライシングスタジオ代表取締役 CEO の高橋嘉尋氏
Image credit: Masaru Ikeda

B2B SaaS や B2C サブスク事業者などを対象に、価格戦略や価格決定を支援する SaaS「Pricing Sprint」を提供するプライシングスタジオは11日、プレシリーズ A ラウンドで約1億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、STRIVE、East Ventures、CyberAgent Capital(CAC)。

プライシングスタジオは2019年6月にエンジェルラウンド(East Ventures が参加)、2019年9月に シードラウンド(East Ventures と CAC が参加)を実施している。同社は過去ラウンドの個別の調達額を明らかにしていないが、同社 web サイトに記載された資本金額などから推定すると、今回の調達を受けて累積調達額は2億円以上に達したとみられる。

プライシングスタジオは GREE や Parasol 出身の高橋嘉尋氏(代表取締役 CEO)、サイカや ABEJA 出身の相関集氏(取締役 COO)らにより2019年6月に創業(設立当初の社名は、Best path Partners)。企業の価格戦略や価格決定を支援する Pricing Sprint を提供している。創業当初は飲食業向け価格支援サービスと並走させていたが、コロナ禍の社会変化を受け Pricing Sprint に事業シフトした。

サブスクサービスでは価格戦略は大きな部分を占める。顧客にとっては、煩雑な稟議プロセスを経なくても現場判断で導入できるメリットはあるが、料金にはシビアにならざるを得ない。提供側にとっては、同業の競合や既存サービスを意識しながら、機能の充実や利便性と同時に、価格の優位性を常に保ち続ける必要があるだろう。

<参考文献>

「Pricing Sprint」
Image credit: Pricing Studio

社内に価格戦略に精通したチームや人材を持たない企業の場合、この種の業務は戦略コンサルティングファームに外部委託され、その多くは億単位の金額で発注がなされている。プライシングスタジオの独自推計によれば日本における価格戦略の市場規模は624億円、しかし、戦略コンサルに1億円を支払えない価格戦略の潜在需要が390億円あると同社では見積もる。

Pricing Sprint が提供するのは、戦略コンサルティングファーム水準の、価格決定のための情報収集・分析の支援。仮に価格を上げたときに、どの水準でどのようなお客さんが離れてしまうのか、ということも手に取るようにわかる。(高橋氏)

価格戦略のベースとなる情報収集は既存ユーザへの調査が中心になるため、あまりに駆け出しのスタートアップの SaaS が Pricing Sprint でメリットを享受するのは難しい。髙橋氏によれば、Pricing Sprint の分析結果をもとに価格戦略でインパクトを出せるのは、ARR(年間経常収益)が2億円以上というのが目安になるという。

チームメンバー(一部)。左から2人目が取締役 COO 相関集氏、3人目が代表取締役 CEO の高橋嘉尋氏。
Image credit: Pricing Studio

Pricing Sprint では、得られた情報をもとにした価格戦略の分析や提案は、今のところ、AI などで完全自動化されているわけでなく、プライシングスタジオの専任スタッフにより行われている。つまり、分析フェーズは戦略コンサルなどと同じく人海戦術になるわけで、戦略コンサル同等のサービスを戦略コンサルより安いコストでなぜ提供できるのか、スケーラビリティなどに疑問は残る。

この点については、業界を固定した事業拡大により、知見を効率的に活用できるためコスト削減が可能、とのことだ。確かに、顧客の多くが B2B SaaS や B2C サブスクであれば、さまざまなパラメータの情報収集も自動化しやすい。ローンチから3ヶ月で、マネーフォワード、ノーコード EC の Appify、お菓子サブスクの Snaq.me、マッチングサービスの Parasol ら9社が Pricing Sprint を導入している。

情報収集の多くを自動化し、業界を固定することでパターン化できるため、高品質なサービスを提供できる。気がついたら毎月の価格分析が自動的に終わっていて、それがマーケティングに自動的に反映されている、といった SaaS ならではの可能性を提供できるのではないか。(高橋氏)

プライシングスタジオでは、当面は B2B SaaS や B2C サブスクなどを対象に事業展開し、その後、リアル店舗のサービスや小売サービスにも拡大していきたい考え。また、アメリカやシンガポールといった海外市場への拡大も視野に入れている。

同社は昨年10月、インキュベイトファンドが主催した年次合同合宿「Incubate Camp 13th」に採択された。

自宅シェア「unito」とライドシェア「nearMe.」、コロナ禍の受験生向けに空港送迎付きホテル宿泊プランを提供

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家をシェアして家賃を節約するサービス「unito(ユニット)」を提供する Unito と、オンデマンド型乗合タクシーサービス「nearMe.(ニアミー)」を運営する NearMe は8日、共同で「受験生応援プラン」を販売開始した。このプランは東京で大学入学試験を受ける受験生を対象に、3泊4日間のホテル宿泊と空港〜ホテル間の送迎を包括したサービス。都内近郊で希望エリアにあわせてホテルが提案される。料…

Image credit: Unito / NearMe

家をシェアして家賃を節約するサービス「unito(ユニット)」を提供する Unito と、オンデマンド型乗合タクシーサービス「nearMe.(ニアミー)」を運営する NearMe は8日、共同で「受験生応援プラン」を販売開始した。このプランは東京で大学入学試験を受ける受験生を対象に、3泊4日間のホテル宿泊と空港〜ホテル間の送迎を包括したサービス。都内近郊で希望エリアにあわせてホテルが提案される。料金は税込で49,500円。

緊急事態宣言が発出された現在、地方の受験生が首都圏の大学をあきらめ、志望校を地元の大学に変更するケースが相次いでいる。そんな中、一定の安心安全を担保した形で受験生が試験に臨める環境を提供しようとする動きがいくつか現れ始めた。ホテルニューオータニは来週から、部屋に空間除菌脱臭機、。加湿機、LED デスクスタンドを揃えた「受験生サポートプランPremium」を販売開始。民泊代行サービスのスマミンは、貸切部屋、宿までの送迎、試験会場へのアクセス案内をセットにした「GO!KAKU」を提供している。

2017年1月に設立された Unito は、昨年から住んだ分だけ家賃を支払いたい人向けの居住サービス unito を提供。昨年2月昨年12月のラウンドを含め、これまでに明らかになっているだけで約2億1,500万円を調達している(デットファイナンスを含む、ラウンドステージは不明)。

NearMe の設立は2017年7月で、タクシー相乗りアプリ nearMe. を2018年6月に公開。KEIKYU ACCELERATOR PROGRAM 第2期、JR 東日本スタートアッププログラム第3期Plug and Play Japan「Batch 2」に採択された。これまでにプレシリーズ A およびシリーズ A ラウンドを通じて約8億円を調達している。

韓国Starstech(스타스테크)、ヒトデ由来の融雪剤で日本進出——蒸留水より金属を腐食させない効果

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<ピックアップ> 스타스테크 친환경 제설제 ECO-ST1, “증류수보다 부식 적어” 韓国スタートアップの Starstech(스타스테크)は先週、同社が開発したヒトデ由来の融雪剤「ECO-ST1」が北海道立総合研究機構で鋼材腐食試験を受け、蒸留水よりも腐食させにくいという結果が得られたと明らかにした。融雪剤で使われる塩化カルシウムは、車両の腐食や道路へのダメージ、環…

Image credit:Starstech

<ピックアップ> 스타스테크 친환경 제설제 ECO-ST1, “증류수보다 부식 적어”

韓国スタートアップの Starstech(스타스테크)は先週、同社が開発したヒトデ由来の融雪剤「ECO-ST1」が北海道立総合研究機構で鋼材腐食試験を受け、蒸留水よりも腐食させにくいという結果が得られたと明らかにした。融雪剤で使われる塩化カルシウムは、車両の腐食や道路へのダメージ、環境汚染だけでなく、呼吸器疾患や皮膚病誘発などの環境と人体に有害を及ぼすことが知られている。ECO-ST1 は、そんな塩化カルシウムの代替を目指すものだ。

腐食実験では、蒸留水が 9.2mdd(mdd は腐食速度を表す単位、1日における体積あたりの質量減少量を表す)、塩化ナトリウムが 23.8mdd、塩化カルシウムが 34.7mdd であるのに対し、ECO-ST1 は 3.1mdd を示したという。日本では地方自治体が使用を認める融雪剤は、東京で20mdd 以下、札幌で13mdd 以下を満たす必要があるが、今回の実験で ECO-ST1 がいずれの条件も満たせることがわかった。Starstech では積雪の多い新潟県での小売販売のほか、日本の高速道路運営会社とも契約を協議中だとしている。

ECO-ST1 はこれまでに、アメリカ、EU、日本、ロシアの4カ国に中核特許を登録しており、アメリカでは環境保護庁(EPA)や業界団体 Pacific Northwest Snowfighter から認証を受け次第、直ちに製品を輸出する予定。すでに日本、カナダ、EU には輸出を始めていて、EU ではスロバキアに現地法人を開設しており、今後、ヨーロッパ全土に ECO-ST1 を供給できる合弁工場を設立する予定だ。2017年11月に設立された Starstech は、これまでに22億5,000万ウォン(約2.1億円)以上を調達している。

via  Chemical News(케미컬뉴스)

<参考文献>

Spiber、事業価値証券化で250億円を調達——米国での人工タンパク質量産体制構築などで

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。 Spiber(スパイバー)は、山形県鶴岡市を拠点に植物由来の人工タンパク質繊維素材「Brewed Protein(ブリュード・プロテイン)」を開発するスタートアップだ。同社は12月30日、「事業価値証券化(value securitization)」により250億円の資金を調達したと発表した。この調達方法は、同社の有…

Brewed Protein
Image credit: Spiber

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。

Spiber(スパイバー)は、山形県鶴岡市を拠点に植物由来の人工タンパク質繊維素材「Brewed Protein(ブリュード・プロテイン)」を開発するスタートアップだ。同社は12月30日、「事業価値証券化(value securitization)」により250億円の資金を調達したと発表した。この調達方法は、同社の有形資産や無形資産を担保に幅広い投資家から資金を募るもので、金融機関からの借り入れに頼らず、第三者割当増資によって株式の希薄化が生じないメリットもある。

今回ラウンドのアレンジは三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券が務めた。三菱 UFJ 銀行が当初貸付人兼クレジット投資家として参画しているが、それ以外の投資家の名前は明らかにされていない。スパイバーは、アメリカの穀物メジャー Archer-Daniels Linseed Company(ニューヨーク証取:ADM)と9月に協業契約を結んでおり、今回の資金は数年先を予定しているアメリカでの Brewed Protein の量産体制構築や新素材の研究開発などに充てる。

Spiber は、山形県鶴岡市にある慶應大学先端生命科学研究所からスピンオフする形で、2007年に設立されたスタートアップ。創業からこれまでに、推定で350億円以上を調達している。2019年4月には、タイ東部のラヨーン県に世界最大規模の構造タンパク質発酵生産拠点を整備するため、三菱UFJ銀行、山形銀行、荘内銀行、鶴岡信用金庫が参画したシンジゲート方式による実行可能期間付タームローン契約(デットファイナンス)で50億円を調達した。報道によれば、同社の現在の時価総額は1,115億円超。

Spiber は地球上で最も強靭と言われるクモの糸に着目し、これを人工合成した繊維素材「QMONOS(クモノス)」を開発。ただ、クモの糸のタンパク質フィブロインは強靭ではあるものの水に濡れると超収縮が起こるため、これを元にした QMONOS を使った製品は、水に濡れた際の寸法安定性を保つことが難しかった。Spiber ではフィブロイン遺伝子から超収縮を生み出すアミノ酸配列の特徴を推定し、それを取り除くことで高い寸法安定性を示すタンパク質繊維を開発。QMONOS を Brewed Protein に改称した。

Brewed Protein は、植物由来の糖類(グルコースやスクロース)から微生物発酵により生産され、石油由来の原料を必要としない。アパレル分野では脱マイクロプラスチック脱動物由来の材料ニーズ、輸送分野における軽量化ニーズ、医療分野における人工毛髪の基幹素材として注目を集めている。

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網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA」開発のQDレーザ、東証マザーズ上場へ

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※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。 網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA」シリーズを開発する QD レーザは28日、東京証券取引所に提出した上場申請が承認されたと発表した。同社は2021年2月5日、東証マザーズ市場に上場する予定で、 SMBC 日興証券が主幹事を務める。証券コードは6613。945万1,800株を公募し、410万7,600株を売り…

「RETISSA Display II」
Image credit: QD Laser

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから。

網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA」シリーズを開発する QD レーザは28日、東京証券取引所に提出した上場申請が承認されたと発表した。同社は2021年2月5日、東証マザーズ市場に上場する予定で、 SMBC 日興証券が主幹事を務める。証券コードは6613。945万1,800株を公募し、410万7,600株を売り出す。なお、オーバーアロットメントは203万3,900株。

想定発行価格は275円で、これに基づく時価総額はおよそ95.1億円になる。価格の仮条件は1月20日に決定し、ブックビルディング期間は1月21日から1月27日を通して実施される。最終的な公開価格決定日は1月28日。有価証券報告書によると、同社の2020年3月期における売上高は7億5,663万円で、経常損失は12億2,574万円、当期純損失は12億4,017万円。

QD レーザは、富士通研究所で量子ドットレーザを研究していた菅原充氏(QD レーザの創業者で現代表取締役)がスピンオフする形で2006年に設立。同社の技術はフレームの内側に内蔵したレーザプロジェクタから、装着者の網膜に直接映像を投影するもので、全盲ではないものの、ぼやけた世界の中で暮らしている視覚障害者(ロービジョン)の生活の質(QoL)を上げられる可能性がある。また、AR(拡張現実)やスマートグラスなどへの応用にも期待される。

株式の保有比率は、富士通(同社の「グローバルイノベーションファンド」3つを通じ、合計26.64%、東証:6702)を筆頭に、東京センチュリー(13.02%、東証:8439)、三井物産グローバル投資(12.45%)、アクサ生命(6.80%)、代表の菅原氏(5.17%)、Beyond Next Ventures(2.67%)、第一生命(2.67%)、リアルテックファンド(2.66%)、DG Ventures(2.36%)、Nikko-SBI Innovation Fund(2.36%)が続いている。

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インフキュリオン、今年の日本のフィンテック業界を総括する10大ニュースを発表

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<29日午前10時更新> 文中の66%は、QR コード決済のコロナ禍前後の増分のため、該当箇所を訂正線で削除。 各種フィンテックサービスを提供するインフキュリオンは29日、2020年の日本におけるフィンテック業界を総括する10大ニュースを発表した。 これは2014年11月に開設された同社のオウンドメディア「Infcurion Insight」で、同社メディア&ラボ事業部マネジャー森岡剛氏が昨年の同…

<29日午前10時更新> 文中の66%は、QR コード決済のコロナ禍前後の増分のため、該当箇所を訂正線で削除。

各種フィンテックサービスを提供するインフキュリオンは29日、2020年の日本におけるフィンテック業界を総括する10大ニュースを発表した。

これは2014年11月に開設された同社のオウンドメディア「Infcurion Insight」で、同社メディア&ラボ事業部マネジャー森岡剛氏が昨年の同シリーズに引き続き執筆したもの。フィンテックに特化した視点から、その年の出来事が簡潔にまとめられているのが特徴だ。

今年のレポートの目次を見てみると、

  1. 消費と金融のデジタルシフト
  2. 勢いづいた行政 DX、その中核には決済と金流
  3. キャッシュレス決済が中小規模へ本格普及
  4. API 連携の新ビジネスモデル・BaaS(Baking as a Service)が始動
  5. 金融の利用チャネルを広げる新仲介法制が成立
  6. 送金と決済の手数料に脚光 インフラの在り方が論点に
  7. 日本版・中銀デジタル通貨 CBDC の検討加速
  8. 地域通貨とデジタル商品券の広がり
  9. 事業ツールとしての法人カード登場
  10. 不正送金 新型サービスが標的
  • (番外)新たな提携関係に見る国内フィンテックエコシステムの成長

……の11項目。昨年に比べると、日本独特の商習慣や消費税、政府主導のキャッシュレス化の影響を受けたものが多いようにみられる。

インフキュリオンが昨日発表した決済に関する動向調査では、同社が QR コード決済の利用率が調査開始以来初めて50%を超え66%に達したことが明らかになった。新型コロナウイルス感染拡大に伴う現金忌避・接触忌避が影響していると見られ、この流れは、新型コロナウイルス感染が今後落ち着いたとしても現金決済に回帰することが考えにくい、不可逆な消費者行動の変化として捉えられるだろう。

今年の例に倣えば、インフキュリオンは新年年初にその年の市場予測も行うとみられ、こちらにも期待したい。

インフキュリオンは今年4月、金融機関向けの BaaS 提供で NTT データと資本業務提携。10月には、Kyash からカード即時発行プラットフォーム「Kyash Direct」を事業譲受し、のちに「Xard(エクサード)」に改称した。

F Ventures、学生向け起業啓蒙イベント「第3回TORYUMON ONLINE」を開催——賃貸物件の現・新入居者を繋ぐ「RoomPa」が優勝

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福岡を拠点とするシード向けベンチャーキャピタルである F Ventures は19日、学生向け起業啓蒙イベント「TORYUMON」を開催した。オンライン開催としては3回目、オフラインイベントと合わせた通算では13回目の開催となる。イベント終盤に開かれたピッチコンペティションでは5社が登壇した。この5社は F Ventures が今年始めた、U25 起業家と起業家予備軍のコミュニティ「TORYUMO…

福岡を拠点とするシード向けベンチャーキャピタルである F Ventures は19日、学生向け起業啓蒙イベント「TORYUMON」を開催した。オンライン開催としては3回目、オフラインイベントと合わせた通算では13回目の開催となる。イベント終盤に開かれたピッチコンペティションでは5社が登壇した。この5社は F Ventures が今年始めた、U25 起業家と起業家予備軍のコミュニティ「TORYUMON ZERO」から輩出されたスタートアップだ。賃貸不動産の現入居者が物件を次の新しい入居者に紹介できる「RoomPa」が優勝した。

審査員を務めたのは、次の皆さん。

  • 堤達生氏(STRIVE 代表パートナー)
  • 一戸将未氏(ジェネシア・ベンチャーズ アソシエイト)
  • 安喜理紗氏(iSGS インベストメントワークス インベストメント・マネージャー)
  • 両角将太氏(F Ventures 代表パートナー)

【最優秀賞】RoomPa by Amufi

副賞:10万円

賃貸不動産を契約する場合、これまでの方法では、物件検索サイトで物件を探す → その物件を取り扱う客付け不動産会社(仲介会社)へ出向く → その物件を管理する元付け不動産会社(管理会社)へ行って内見・条件が折り合えば契約、というプロセスを経ることになる。世の中には内見ありきの物件探しが多数を占めるが、これは契約までに時間がかかり、コロナ禍においては物件探しもなるべく人との接触を少なくしたい、と考えるのが人情だ。

RoomPa(ルムパ)」は、賃貸不動産の現入居者と新入居者を直接つなぐプラットフォームだ。現入居者から部屋の様子を写真投稿され、潜在的新入居者は物件探しをスムーズに行える。契約は仲介会社・管理会社を経るが、検索・内見・検索までを同一プラットフォーム上で完結でき、市場にまだ出ていない物件情報が入手できるのが特徴。元入居者は新入居者の制約時に、家賃の25%を紹介インセンティブとして受け取れる。不動産オーナーにとっても、次の入居者が早く見つかる、家賃を下げなくていい、などのメリットがある。

【GMO ペパボ賞】【TORYUMON 賞】Univ! by ユニビー

副賞:GMO「SUZURI」優待券5万円分、博多西洋和菓子「博多通りもん」

コロナ禍においては、大学で講義はいうまでもなく、部活やサークル活動などさまざまなキャンパスライフがオンライン化を余儀なくされている。しかし、キャンパスライフのオンライン化に最適なアプリがまだ無いと考えたユニビーは、今年6月に大学専用 SNS「Univ!」をローンチした。ユニビー代表の植松風登氏が在籍する京都大学を皮切りに、ローンチから半年間で関西の大学を中心に105団体1,650人の大学生が利用しているという。

在学している大学や名前からユーザ検索機能、サークルや部活の情報を探せるコミュニティ検索機能などを提供。コミュニティのチャット機能に注力しており、LINE や Slack より使いやすい UI を目指す。学年やクラスなどを指定することで、自動的にクラスメートが同じトークルームに入るような体験も提供可能で、オフライン講義の擬似的環境も作り出すことができる。大学生むけの細かいターゲティングによる広告配信や、全学向け SNS 機能の提供などでマネタイズを目指す。

以下はファイナリストに残りつつも、入賞とならなかったチーム。

obousan by 葛上海翔氏

江戸時代から寺と消費者をつなぐ檀家制度が存在するが、消費者が住んでいる地域に根ざしたコミュニティを元にしたこの制度は、地方の村から都市へと人が移動するにつれ崩壊しつつある。約3割の寺の収入は年間300万円以下、そして約半数の寺は住職のいない「無住寺院」となっているのが現状だ。檀家が少なくなることでデメリットがあるのは寺だけではない。檀家である消費者にとっても、生活拠点を移すことなどを契機に、寺の檀家を離れる際に支払う離檀料が高額になってしまう。

obousan は寺から檀家制度を廃止し、代わりに、一家の墓を移動する際の遺骨の移動市場のプラットフォームを構築することで、寺の資金獲得を支援する。葛上氏によれば、檀家制度をやめたことで、檀家は寺と関係構築をするためにお布施をする機会が増え、結果的に収入が4倍になった寺もあるいう。年間11億件に及ぶとされる遺骨の移動市場について、葛上氏は3,300億円の SOM(獲得可能な市場規模)があると見積もる。obousan では現在、僧侶50人に協力してもらい、サービスの開発を進めている。

zeehaa by showcase

showcase は、1日5分間の自宅でのフィットネス体験を支援するアプリ「zeeha」を開発、iOSAndroid 向けに提供している。2014年の設立から5年後の2019年にユニコーン入りした中国のフィットネスアプリ「Keep」をベンチマーク。フィットネス動画をフリーミアムで提供し、将来は、プロテイン販売、オフラインジムとの提携による通い放題サービス、ヨガマットのサブスクレンタルサービスなどで、フィットネスにおける第一想起を狙った経済圏確率を目指す。

高品質なフィットネス内容を指導・動画配信できるインストラクター20名ほどを獲得しており、彼らのファンのほか、フィットネスの強度別、世代別などで、適切なフィットネス内容をユーザにレコメンドする機能を付加し、既存の YouTube や他のフィットネスアプリとの差別化を図る。代表の二村祐介氏は、日本ではどの事業者がどのレベルのコンテンツを提供しているか認知されていないため、料理レシピ動画サイトなどと同様、当初はフリーミアムでユーザがサービスを容易に覗ける環境を作ることが重要だと強調した。

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スタディチェーン by スタディチェーン

日本の受験市場は9,800億円規模で、毎年90万人の受験生が塾などに通っている。しかし、スタディチェーン代表の竹本明弘氏の説明によると、その約3分の2に相当する62万人の受験生が、塾だけではモチベーションを維持できない、と回答しているという。この課題を解決するために、大手塾では、武田塾がコーチング(勉強そのものを教えるのではなく、勉強の仕方を教える)で、また、東進ハイスクールなどは同じ志望校を目指す受験生同士のコミュニティ形成で成果をあげている。

スタディチェーン」は、こういったコーチングと受験生コミュニティの両方を取り入れたオンライン塾だ。毎日勉強した内容をチャットで報告してもらう進捗管理でコーチがフィードバック、また、受験生が自分が立てた目標に対して、努力や実力を見える化できるダッシュボードを提供する。コミュニティではその人の勉強記録を投稿し、同じ志望校を目指す受験生同士が「いいね」することができ、月に2回は Zoom でのディスカッション機会を設定。9割以上の人が偏差値5〜10以上アップに結びついたという。

メンタルヘルスケアのエモル、モバイルアプリ「emol」を正式ローンチ——AIがデジタルセラピーをレクチャー

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エモルは25日、メンタルヘルスケアに特化したチャットボットアプリ「emol(エモル)」を正式ローンチしたことを明らかにした。emol はバージョン 0.9.4 として昨年12月にβローンチ。以降、約1年をかけてダウンロード数は24万件に達したことも明らかにした(現在、利用できるのは iOS のみ)。 emol は個人のメンタルヘルスに関連する課題を、カウンセラーや産業医といった人間ではなく、AIと…

Image credit: Emol

エモルは25日、メンタルヘルスケアに特化したチャットボットアプリ「emol(エモル)」を正式ローンチしたことを明らかにした。emol はバージョン 0.9.4 として昨年12月にβローンチ。以降、約1年をかけてダウンロード数は24万件に達したことも明らかにした(現在、利用できるのは iOS のみ)。

emol は個人のメンタルヘルスに関連する課題を、カウンセラーや産業医といった人間ではなく、AIと会話することで解決していくサービス。サポート AI のキャラクタ「ロク」とチャットで会話をすることで、CBT(認知行動療法)や ACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)に基づいた簡易のカウンセリングやコーチング、雑談などを行える。

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今回ローンチされた eml の正式版(バージョン 1.0.0)では、1週間〜3週間程度のセルフケアセッションを AI からレクチャーを受けながら進めていくことで、認知行動療法をベースとした心のケア方法について学びながらケアを実践できるデジタルセラピー機能を提供。マインドフルネスの音声ガイダンスや、レクチャー動画、呼吸法の実践、カード形式での選択、ミニゲームなどが楽しめる。

また、アプリ上にはメンタルヘルスケアのコンテンツや商品を取り扱う「emol town」を開設している。emol town ではすでに、今秋発表した第一生命の商品提案 DX 化に向けた PoC の一環で、AI がユーザの悩みに合わせて保険のレコメンドを行うサービスを始めている。今後、emol のデジタルセラピープログラムと、Rosy Tokyo との提携によるメディカルハーブを提供する。

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エモルは2014年、現 CEO の千頭沙織氏により創業(創業当時の社名はエアゼ)。喜怒哀楽など感情を記録し、AI ロボットと記録し、過去の感情を振り返ることで、よりポジティブなメンタル状態を支援するアプリ「AI 感情日記 emol(エモル)」を2018年4月にローンチ。今年5月には、従業員向けメンタルケアプラットフォームの「emol work」を正式ローンチした

昨年12月には、シードラウンドで2,000万円を資金調達している。