Masaru IKEDA

Masaru IKEDA

1973年大阪生まれ。インターネット黎明期から、シンクタンクの依頼を受けて、シリコンバレーやアジアでIT企業の調査を開始。各種システム構築、ニッポン放送のラジオ・ネット連動番組の技術アドバイザー、VCのデューデリジェンスに従事。SI、コンサルティング会社などを設立。Startup Digest(東京版)キュレータ。

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執筆記事

UMed、Coral Capitalから5,000万円をプレシード調達——在宅医療起点に、地域の医療資源最適化を目指す

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ヘルスケアスタートアップの UMed は24日、プレシードラウンドで5,000万円を調達したと明らかにした。このラウンドに参加したのは Coral Capital。 UMed は2020年3月、日本赤十字社医療センター出身の牧賢郎氏(現 UMed 代表取締役医師)、投資コンサルティングファーム YCP 出身の李龍珠氏(現 UMed 代表取締役)、Microsoft Japan や Amazon J…

UMed の創業メンバー。左から:牧賢郎氏(現 UMed 代表取締役医師)、李龍珠氏(現 UMed 代表取締役)、カカール明良氏(現 UMed CTO)
Image credit: UMed

ヘルスケアスタートアップの UMed は24日、プレシードラウンドで5,000万円を調達したと明らかにした。このラウンドに参加したのは Coral Capital。

UMed は2020年3月、日本赤十字社医療センター出身の牧賢郎氏(現 UMed 代表取締役医師)、投資コンサルティングファーム YCP 出身の李龍珠氏(現 UMed 代表取締役)、Microsoft Japan や Amazon Japan 出身のカカール明良氏(現 UMed CTO)により共同創業。

病院・クリニック・訪問看護ステーションなど医療機関の情報連携をシームレスにすることで、地域における医療資源の分配を最適化することが目標。当初は在宅医療をサポートする医療サービスや IT サービスの開発から着手し、地域において医療の担い手の力を最大限に発揮してもらえるシステムや環境づくりを目指す。

医療の地域包括連携においては、地方自治体の協力が必須となる。UMed ではまず東京・渋谷区などで実証実験を行い、病院・クリニック・訪問看護ステーション・患者を繋いだ仕組みのモデルケースを全国で複数展開したい考え。そこからさらにサービスを面展開し、いずれは東南アジア、アフリカ、インドなど、医療サービスが発展途上にある市場への海外進出も視野に入れる。

UMed では昨年、医師向けのアルバイト紹介サービス「Match for Doctor」をローンチしていた(現在はサービスを終了)。

<参考文献>

Naver、買収した小説創作SNS「Wattpad」をウェブトゥーン事業と統合——世界展開を本格化

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<ピックアップ> 6,700억 들여 왓패드 인수한 네이버, 웹툰 스튜디오와 왓패드 통합… 글로벌 IP사업 본격화 韓国 Naver(네이버)は今年始めに6,530億ウォン(約615億円)で買収したカナダの小説創作プラットフォーム「Wattpad」について、Naver WEBTOON(네이버 웹툰)と統合し、「Wattpad WEBTOON Studios」を設立することを明らかにした。N…

<ピックアップ> 6,700억 들여 왓패드 인수한 네이버, 웹툰 스튜디오와 왓패드 통합… 글로벌 IP사업 본격화

韓国 Naver(네이버)は今年始めに6,530億ウォン(約615億円)で買収したカナダの小説創作プラットフォーム「Wattpad」について、Naver WEBTOON(네이버 웹툰)と統合し、「Wattpad WEBTOON Studios」を設立することを明らかにした。Naver は、1,000億ウォン(約98億円)を新事業に投じNaver WEBTOON とWattpad で検証された小説やマンガを、映像作品で見られるようにする計画だ。

Wattpad WEBTOON Studios は、世界中570万人が創作した10億以上のオリジナルコンテンツを元に、ドラマ、映画、アニメなどを制作する予定。Naver WEBTOON と Wattpad にいる、世界からアクセスのある月間アクティブユーザ1億6,600万人の評価を元に、ヒットしそうな作品を映像化する。

Naver WEBTOON から生まれた「Sweet Home -俺と世界の絶望-」、Wattpad から生まれた「キスから始まるものがたり」は、NetFlix オリジナルで製作・放映され全世界で人気を集めた。全世界で累積再生回数45億回を突破したウェブトゥーン「神の塔」は、アメリカや日本の企業がアニメ製作し、日本では TOKYO MX や BS11 などで放映されている。

先週、韓国の短編ドラマスタートアップ WhyNot Media(와이낫미디어)が KDDIから資金調達し、日本進出を明らかにしたのは記憶に新しい。ピッコマを運営するカカオの日本法人は580億円を調達、時価総額は8,500億円に達しデカコーンクラブ入りが目前だ。日本では、今年1月にアニメイトにグループ入りしたロケットスタッフが日本でウェブトゥーンビジネスの開拓を狙っている

via Platum(플래텀)

韓国のP2P送金アプリ「Toss(토스)」運営、4億米ドルを調達——時価総額は74億米ドル、デカコーン目前

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<ピックアップ> 토스, 기업가치 8.2조원 돌파 “데카콘 눈 앞” P2P 決済サービス「Toss(토스)」を運営する Viva Republica は24日、シリーズ H ラウンドで4億米ドルを調達したことを明らかにした。このラウンドは、韓国の KDB 産業銀行(9,000万米ドル出資)とアメリカの Alkeon Capital Management(7,400万米ドル出資)がリードインベ…

「Toss(토스)」
Viva Republica

<ピックアップ> 토스, 기업가치 8.2조원 돌파 “데카콘 눈 앞”

P2P 決済サービス「Toss(토스)」を運営する Viva Republica は24日、シリーズ H ラウンドで4億米ドルを調達したことを明らかにした。このラウンドは、韓国の KDB 産業銀行(9,000万米ドル出資)とアメリカの Alkeon Capital Management(7,400万米ドル出資)がリードインベスターを務め、既存投資家の Altos Ventures、Greyhound Capital なども参加した。

Alkeon は Google Alphabet、Facebook はもとより、アメリカの代表的なフィンテック企業 Square の主要株主でもある。同社は企業のグロースステージに投資したのち、長期保有するファンドだ。

Viva Republica は2018年、韓国のフィンテックスタートアップで初めてユニコーンクラブ入りしたが、その後、2019年8月にシリーズ F ラウンド、2020年8月にシリーズ G ラウンドを実施。直前のシリーズ G ラウンドから10ヶ月で、時価総額は約3倍に達したことになる。また、ユニコーンとなってから2018年から3年で、時価総額100億米ドルを意味するデカコーンクラブ入り目前にある。

Toss のユーザは現在2,000万人。銀行、証券などの個人金融サービスに加え、Toss Payments を通じた事業者向けの B2B 事業も提供するモバイル金融サービスとして高く評価された。海外事業も加速していて、2019年に設立したベトナム法人はすでに300万人のアクティブユーザを確保、毎月50万人ずつ増加している。同社は今年、グループ全体で売上高1兆ウォン(約980億円)の達成を目指すとしている。

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via Venture Square(벤처스퀘어)

〝Data Collect as a Service〟開発のHogetic Lab、mintらから5,000万円をシード調達

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企業データやオープンデータの収集と統合に特化した Data Collect as a Service(DCaas)プラットフォーム「Collectro」を開発・提供する Hogetic Lab は23日、シードラウンドは5,000万円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは先月誕生した VC の mint。mint としての初めての出資となる。なお、調達金額には、日本政策金融公庫か…

左から:mint 白川智樹氏、Hogetic Lab 代表取締役 CEO 大竹諒氏、Hogetic Lab 取締役 COO 白石裕人氏
Image credit: Hogetic Lab

企業データやオープンデータの収集と統合に特化した Data Collect as a Service(DCaas)プラットフォーム「Collectro」を開発・提供する Hogetic Lab は23日、シードラウンドは5,000万円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは先月誕生した VC の mint。mint としての初めての出資となる。なお、調達金額には、日本政策金融公庫からのデットファイナンスが含まれる。

Hogetic Lab は、2020年4月に設立されたデータサイエンススタートアップ。メンバーは、ディー・エヌ・エーやメルカリ出身者らを中心に、データサイエンティスト、データエンジニア、ビジネスデベロッパなど外部委託も含め35名ほどで構成されている。データサイエンティストのみならず、データエンジニアやビジネスデベロッパも多数在籍することが強みだ。

企業においては、これまでにもマーケティング、採用、営業などさまざまな活動がなされてきた。これをデータとして集め結合・分析することができれば、より有機的でデータドリブンな企業経営が可能になるだろう。

しかし、データを抽出・収集するには、そのためのエンジニアリング工数が発生する。ビジネスサイドが「このデータが欲しい」と思うニーズと、それを抽出するエンジニアリング工数が合わなかったり、場合によっては、そのスキルセットを持ったエンジニアが社内にいなかったりする場合もあるだろう。

Image credit: Hogetic Lab

この問題を柔軟な仕組みで解決しようとするのが Hogetic Lab が開発する Collectro だ。Collectro は、AWS(Amazon Web Services)や GCP(Google Cloud Platform)といったパブリッククラウド上に構築されるデータ収集環境で、顧客毎に一つずつインスタンスが構築されるため、厳密な意味では SaaS ではない(したがって、Hogetic Lab では DCaaS と呼んでいる)。

しかし、インターネット経由で収集してきたデータをそのまま載せられることや、高品質な分析基盤を高速で構築できること、さらには、全データを収集をするのではなく、分析に必要なデータのみを収集するためコストが割安になる。

現在α版を運用・提供中だが、コンテンツマッチングや IP マーケティング支援をしている上場企業と協業していて、これまでに5営業日かかっていたデータの収集・抽出作業が半日ほどで終わるようになった事例もあるという。近日中にはβ版が公開される見込みだ。

Hogetic Lab では Collectro から着手し、今後、収集データを価値に変えられるフルカスタマイズ AI サービス「Factolithm」、データリテラシーを伴った人材育成サービス「Bizschola」なども提供予定。データを収集するだけでなく、その利活用の自動化、利活用できる人材の育成などを一気通貫で提供し、企業のデータドリブン経営を支援する計画だ。

ドリームインキュベータの起業家向け投資銀行事業がMBO、新会社「ファイナンス・プロデュース」がローンチ

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ファイナンス・プロデュースは、ドリームインキュベータ(東証:4310)のプライベートキャピタル:グループが2019年12月に立ち上げた新事業だ。同グループのメンバー4名を中心に、次なるユニコーン(NEXT ユニコーン)の創出に向けて、資金調達や M&A に関するアドバイザリー業務を行なってきた。ファイナンス・プロデュースの業務に従事してきた松井克成氏、ジェソン義人氏は、この事業を MBO …

左から:松井克成氏、ジェソン義人氏
Image credit: Finance Produce

ファイナンス・プロデュースは、ドリームインキュベータ(東証:4310)のプライベートキャピタル:グループが2019年12月に立ち上げた新事業だ。同グループのメンバー4名を中心に、次なるユニコーン(NEXT ユニコーン)の創出に向けて、資金調達や M&A に関するアドバイザリー業務を行なってきた。ファイナンス・プロデュースの業務に従事してきた松井克成氏、ジェソン義人氏は、この事業を MBO して独立、新会社ファイナンス・プロデュースとして事業継続することが明らかになった。

事業の譲渡額は不明で、ドリームインキュベータは新会社ファイナンス・プロデュースの株式の一定割合を保有し続けると見られる。スタートアップに特化したファイナンシャルアドバイザリー業務、いわば調達元を問わないブティック型の投資銀行業務は、投資家などが個人的に行っている事例を除いて珍しい存在だ。国内でのスタートアップ分野における同業は、GCA テクノベーション、マネーフォワードシンカなどに限られる。

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松井氏はアフラック、SBI インベストメントを経てドリームインキュベータに参画、ドリームインキュベータで起業家向け投資銀行業務を行うプライベートキャピタル・グループを立ち上げた人物だ。ジェソン氏もまた、SBI インベストメントやディー・エヌ・エーを経て、プライベートキャピタル・グループの立ち上げに参画している。

ファイナンス・プロデュースは、ドリームインキュベータ時代から NEXT ユニコーン経営者のコミュニティ、具体的にはシリーズ B ラウンド以降の創業者や CFO の集まりを形成しており、これをは新会社においても存続させる方針。このコミュニティには、元ゴールドマン・サックス証券のパートナーで弁護士の小高功嗣氏、現ミラティブ CFO・元 Gunosy CFO の伊藤光茂氏、frree CEO の佐々木大輔氏、Smartround CEO の砂川大氏、ブイキューブ CEO の間下直晃氏、StartPoint 代表取締役の小原聖誉氏、コネクティ代表取締役の服部恭之氏らが名を連ねる。

ファイナンス・プロデュースでは、スタートアップの M&A、スタートアップの CFO に特化した SaaS、メディア、データベースサービスなどの運用も検討しており、スタートアップ M&A の業務の一部を自然言語 AI を使ってデジタル化するプロダクトの公開に向けても準備している。同社ではドリームインキュベータ時代から数えて、すでに600億円超に相当する事業価値創出に貢献してきたとしており、今後当面の目標として、ユニコーン10社分に相当する合計1兆円を超える案件に関与することを目指すとしている。

<参考文献>

イチゴ完全自動栽培のHarvestX、東大・本郷キャンパス内にラボ開設——今夏、新ロボット発表へ

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イチゴをはじめ果菜類の受粉や収穫を自動化する完全自動栽培ロボットを開発する HarvestX は21日、東京大学本郷キャンパス内のアントレプレナーラボに研究開発施設「HarvestX Lab」を開設したと発表した。同社はこれまで簡易的な栽培施設やイチゴ農園の協力のもと、受粉や収穫の検証を行ってきた。今回の研究開発施設の開設で通年での試験が可能になり、開発環境と運用環境の差分を減らすことができるとい…

「HarvestX Lab」
Image credit: HarvestX

イチゴをはじめ果菜類の受粉や収穫を自動化する完全自動栽培ロボットを開発する HarvestX は21日、東京大学本郷キャンパス内のアントレプレナーラボに研究開発施設「HarvestX Lab」を開設したと発表した。同社はこれまで簡易的な栽培施設やイチゴ農園の協力のもと、受粉や収穫の検証を行ってきた。今回の研究開発施設の開設で通年での試験が可能になり、開発環境と運用環境の差分を減らすことができるという。同社では今夏にも、植物工場に特化した機能拡充に向けて新ロボットを発表する予定。

HarvestX は2020年8月、高校在学時からロボットの研究を始め、大手電機メーカーやハードウェアスタートアップで組み込みエンジニアとして製品開発に従事してきた市川友貴氏(現代表取締役)らにより創業。東大から学生チームを SXSW に派遣する「​Today to Texas(TTT)」の2020年のデモデイで「DemoDay Award」 を獲得。同年、東京大学協創プラットフォーム開発(東大 IPC)が運営する起業支援プログラム「1st Round」第3期に採択され、今年1月には東大 IPC、ANRI、個人投資家複数から5,000万円をシード調達した

「​Today to Texas(TTT)」の2020年のデモデイで受賞した HarvestX のチーム。左から2人目が、代表取締役の市川友貴氏。
Image credit: Masaru Ikeda

少し毛色は異なるが、イチゴのアーバンファーミング(都市農業)の分野では、フランスの Agricool がこれまでに累計約3,900万米ドルを調達している。カリフォルニアを拠点とするイチゴ栽培自動化の Advanced Farm Technologies が2019年に750万米ドルを調達したシリーズ A ラウンドには、クボタやヤマハの現地 CVC が出資参加した。 新潟に拠点を置く MD-Farm は昨年2月の東京都主催のピッチイベントの中で、アーバンファーミングに特化したイチゴの自動栽培の仕組みを提案したことがある。

Shopify特化グロースプラットフォーム「StoreHero」運営、インキュベイトFから5,000万円をシード調達

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Shopify を使った e コマースを運営する事業者に対しグロースプラットフォーム「StoreHero」を提供する StoreHero は21日、シードラウンドでインキュベイトファンドから5,000万円を調達したと発表した。インキュベイトファンドは去る3月に5人目の代表パートナーとなる Paul McInerney 氏のチーム入りを発表していたが、StoreHero への出資は McInerne…

左から:取締役に就任したインキュベイトファンド GP の Paul McInerney 氏、COO 笹谷拓氏、CEO 黒瀬淳一氏、取締役 増山秀信氏
Image credit: StoreHero

Shopify を使った e コマースを運営する事業者に対しグロースプラットフォーム「StoreHero」を提供する StoreHero は21日、シードラウンドでインキュベイトファンドから5,000万円を調達したと発表した。インキュベイトファンドは去る3月に5人目の代表パートナーとなる Paul McInerney 氏のチーム入りを発表していたが、StoreHero への出資は McInerney 氏が担当する最初の出資案件となる。なお、今回の調達とあわせ、McInerney 氏が StoreHero の取締役に就任したことも明らかになった。

StoreHero は、複数のスタートアップを経て、SEO 支援ツール「GinzaMetrcs」で知られる Ginzamarkets のカントリーマネージャーを務めていた黒瀬淳一氏(現 CEO) と、越境 EC 支援の BeeCruise で C2C 事業の立ち上げ責任者だった笹谷拓氏(現 COO)により2019年末に共同創業。Shopify を使う事業者向けにグロースのコンサルティングや、Shopify 向けのアプリ開発などを展開してきた。クライアントには、ANNA SUI、PAUL & JOE、LADUREE、益子オンライン陶器市などがいて、立ち上げから関わり月商1億円を超えるストアもいる。

モールに縛られない自前の e コマースストアを立ち上げたい事業者の救世主として、Shopify は脚光を浴びている。充実した API を武器に、Shopify 連携可能なサードパーティーのアプリは4,000を超え、それらが集積されたアプリストアはエコシステムを形成する一大勢力になりつつある。以前であれば送り状発行 SaaS の「Ship&co」、最近であれば在庫管理 SaaS の「ロジクラ」などの事例がある。ただ、これら Shopify のサードパーティーのアプリ群にも課題がある。

例えば、Shopify 連携するさまざまなアプリでデータの集積が可能だが、それらはアプリ毎に分散して蓄積され、一元的に管理・分析するのに難を伴うことがある。また、あるアプリで集積したデータを元に施策を打とうとしたとき、例えば、アンケートアプリで集めたデータを元にメルマガでマーケティングしようとするときなど、ワンストップで操作…というわけには行かない。ノーコードを売りにする Shopify ユーザ(事業者)はデータの扱いや操作に明るいわけではないので、ここに課題が残る。

Shopify アプリには、在庫管理や業務効率化アプリなどは、すでに良いものがたくさん公開されている。中には、時価総額1兆円を超えたメールマーケティングの Klaviyo のようなものもある。最近では、ライブコマースからデータが取れるもの、診断販売型(ユーザ回答に基づいて商品カスタマイズできるもの。例えば、パーソナライズサプリなど。)のコマースでデータが取れるもの、など充実してきた。

しかし、それらのデータを連携してマーケティングや広告を打つことを考えると、なかなかいいアプリが無い。StoreHero ではこれまで Shopify 店舗へのコンサルティングを通じて得てきた知見を元に、グロース部分に特化したプラットフォームを開発することにした。McInerney 氏に参画してもらえたことで、彼の小売や消費財分野における長年の経験や知見が助けになると考えている。(黒瀬氏)

McInerney 氏は、アメリカと比べ、日本では総労働生産人口に対するデジタル人材の割合が少なく、実際にコーディングや実務に携わっている人の数はさらに少ないと指摘。「日本にはセンスある素晴らしいブランドがたくさんあるが、デジタル人材が足りない(McInerney 氏)」ことから、ノーコードでブランドがグロースすることを支援できる StoreHero への出資や経営参加を決めたという。世界中で使われる Shopify 事業者がターゲットになるので、StoreHero が世界展開を視野に入れられることも大きい。

StoreHero では今回調達した資金を、グロースデータアーキテクト、サーバサイドエンジニア、フロントエンドエンジニア、グロースコンサルタント、データアナリストなど、グロースプラットフォーム開発を担う人材の採用に活用するとしている。

UTEC、最大500万円の支援金を提供する事業化支援プログラムを開始

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東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)は15日、自由応募型事業化支援プログラム「UTEC Founders Program (UFP)」において、事業化支援金を無償で提供する「Grant Track」の応募受付を開始した。UFP はサイエンス・テクノロジー系スタートアップを対象としていて、investment-ready な条件が整ったチームに最大1億円を出資する「Equity Trac…

「UTEC Founders Program」
Image credit: UTEC

東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)は15日、自由応募型事業化支援プログラム「UTEC Founders Program (UFP)」において、事業化支援金を無償で提供する「Grant Track」の応募受付を開始した。UFP はサイエンス・テクノロジー系スタートアップを対象としていて、investment-ready な条件が整ったチームに最大1億円を出資する「Equity Track」と、最大500万円の資金を無償で供出する「Grant Track」で構成されている。

Equity Track については期限を定めず通年で応募が受け付けているが、Grand Track の第一期については6月15日から7月31日まで受付される。UFP を担当する UTEC プリンシパルの小林宏彰氏によると、Equity Track は投資行為にあたるため、これまでの UTEC の業務と同様通年での受付となるが、Grant Track は言わば寄付行為にあたるため、どの程度の応募件数があるか、ひいては審査にどの程度の時間を要するかが現時点では読めず、応募期間を限定して運用することにしたという。

先日、300億円超規模の5号ファンドの組成を発表させていただいた。以前に比べると、チケットサイズ(一社あたりの投資金額)も大きくなっている。

UTEC は大きいファンドになったので、小さなところはフォローしないのではとみられるかもしれない。でも実際にはそうではなく、アーリーステージから小さいところも手厚くフォローすることを明確に前面に出したのが、今回発表した「UFP」だ。

Equity Track の方は通年受付だが、アーリーの起業家の期待に応えられるよう迅速に動くことをモットーにしていて、ご相談の初回面談を終えてから1ヶ月以内に投資判断をし回答する。(小林氏)

UTEC では、これまでに Grant Track にのようなアーリー起業家への支援を実施してこなかったわけではない。「研究者・開発者はいるけど経営者がいない」というチームには、EIR(Entrepreneur in Residence)制度を活用して最初の経営者となる人物を探したり、事業化にあたって最初に必要になる特許申請の費用捻出や手続を代行したりしてきた。今回、UFP というプログラムの形として切り出した背景には、「ひょっとしたら、UTEC は敷居が高いと見られていたかもしれない」との誤解を払拭したい思いがあるようだ。

UTEC では現在、UFP に採択されたチームには出資や支援金供出、人材の支援以外にも、UTEC 投資先のクラウドサービスの無償利用、コワーキングスペースの無償利用などが提供できるよう、提供元と交渉しているそうだ。また、UFP 応募にあたって他のアクセラレータと並行して応募したり資金調達を模索することに制限はないが、Grant Track のチームが採択後に新たに VC から調達する際には「UTEC にも声をかけてほしい(小林氏)」とのことだった。その際には、出資の可能性についても検討したい、ということだろう。

UTEC では今後、半年間で Equity Track 5チーム、Grant Track 5チーム程度の採択を目指しており、その結果、今後2年間で Equity Track 20チーム、Grant Track 20チーム程度のスタートアップや起業チームの輩出を目標に据えている。

建設職人マッチングプラットフォーム「CraftBank」運営、MBOから2ヶ月で3.5億円を調達——デライトV、MUCAPらから

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工事施工会社向けに建設工事受発注プラットフォーム「CraftBank」を開発・提供するクラフトバンクは15日、3.5億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、デライト・ベンチャーズ、三菱 UFJ キャピタル、高野秀敏氏(キープレイヤーズ代表取締役)、城下純一氏(前ロスチャイルドジャパン会⻑)。また、構造物の検査・調査・診断のジャストとは資本業務提携を締結した。 クラフトバンクは…

「CraftBank」

工事施工会社向けに建設工事受発注プラットフォーム「CraftBank」を開発・提供するクラフトバンクは15日、3.5億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、デライト・ベンチャーズ、三菱 UFJ キャピタル、高野秀敏氏(キープレイヤーズ代表取締役)、城下純一氏(前ロスチャイルドジャパン会⻑)。また、構造物の検査・調査・診断のジャストとは資本業務提携を締結した。

クラフトバンクは、創業20年を迎える設計・内装工事会社ユニオンテックの R&D 事業として2018年にスタート。京都大学や東京大学大学院で建築学を学び、リクルートの SUUMO 事業に参画、その後、Recruit Strategic Partners の立ち上げに関わった韓英志氏が、ユニオンテックに副社長として加わり、この事業に着手したのが始まりだ。

建設・工事業界の IT ソリューションは参入障壁が高くないため、商流でみた際に、発注側から受注側に入力や報告を求めるツール、つまり、発注者のためのツールには多様な選択肢が増えた。一方、受注側の工事会社(一人親方や10人規模の工務店など)は、現場への人員手配やスケジューリングをスプレッドシートを使った手動での対応に依存していることが多い。

クラフトバンクは、受注側に当たる工事会社のための職人マッチングプラットフォームを開発。職人単位での稼働状況の見える化、空いているスケジュールに応じた手配の自動化などが行える。データが蓄積されることで、職人の評価や指名料の設定、それに基づいて職人が独立する際の信用状況の引き継ぎ、ひいては、金融機関が工事会社に融資する際の審査のための材料などに活用が期待される。

我々が作りたいと思っているのは、Shopify のような、工事会社のためのノーコードツールだ。(韓氏)

クラフトバンクは、ユニオンバンクの事業部門だった当時にシリーズ A ラウンドで10億円を DCM Ventures、みずほキャピタルから調達。今年4月、設計・内装工事事業をユニオンテックに残し建設職人マッチングプラットフォーム事業をクラフトバンクとしてスピンオフ、新会社代表に韓氏、取締役にリクルートホールディングス投資マネジメント部⻑だった前島俊樹氏が就任した。

ユニオンテックのシリーズ A ラウンドで株主となった DCM Ventures とみずほキャピタルは株式移動によりクラフトバンクの株主となっており、ユニオンテックは DX に業務対応した設計・内装工事会社の道へと、また、クラフトバンクは急成長を目指す建設工事業界の DX を標榜するスタートアップへと整理ができた格好だ。

クラフトバンクの設立に際し、本多央輔氏(DCM Ventures GP)が社外取締役に、佐々木正将氏(スペースマーケットの元取締役執行役員 CFO / CHRO )が社外監査役に就任したことも明らかになった。クラフトバンクの登録工事業者数は23,000社。現在35人規模のクラフトバンクは。今回の調達を受けて人材の採用強化を行い、今夏か今秋に新プロダクトのローンチを目指すとしている。

名古屋発・秘密計算エンジン開発のAcompany(アカンパニー)、プレシリーズAで2億円を調達

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名古屋を拠点とする Acompany(アカンパニー)は14日、プレシリーズ A ラウンドで2億円を調達したと発表した。このラウンドのリードインベスターは ANRI と Beyond Next Ventures が務め、DG Daiwa Ventures と epiST Ventures が参加した。Acompany は昨年のシードラウンドで epiST Ventures の初案件として出資を受けて…

Image credit: Acompany

名古屋を拠点とする Acompany(アカンパニー)は14日、プレシリーズ A ラウンドで2億円を調達したと発表した。このラウンドのリードインベスターは ANRI と Beyond Next Ventures が務め、DG Daiwa Ventures と epiST Ventures が参加した。Acompany は昨年のシードラウンドで epiST Ventures の初案件として出資を受けており、同ファンドは今回フォローオンでの出資参加となる。Acompany では調達資金により、プロダクト開発、秘密計算アルゴリズムの研究開発、採用・組織体制を強化する。

Acompany は創業からまもなく3年目を迎える、名古屋大学や名古屋工業大学出身のエンジニアらによるスタートアップ。次世代暗号技術である秘密計算のエンジン開発やその社会実装を支援している。DX(デジタルトランスフォーメーション)が求められる中、異なる企業同士がデータの連携を行い解析することで新たな洞察を得られることが期待されるが、実際にこの連携はあまり進んでいない。代表の高橋亮祐氏によれば、パーソナルデータが多いこと、こういったデータが企業ノウハウや競争源泉が含まれるためだという。

いくら NDA を交わしたとしても、データの突合や解析をするために、異なる企業同士が生データを開示しあってプロジェクトに臨むことは難しい。お互いに裸になって、完全に無防備な状態でタグを組むことに他ならないからだ。そこで、生データではなく秘匿化されたデータを双方(あるいはそれ以上の複数のパーティー)が提供することで、それをそのまま演算処理・解析できるようにする技術が秘密計算だ。高橋氏によれば、国内で秘密計算のためのエンジンを開発・公開しているのは、NTT と Acompany だけだそうだ。

Image credit: Acompany

秘密計算は処理が複雑化するため、高速に処理するためには演算のためのハードウェアの増強だけでなく、専用アルゴリズムを一から設計する必要があるためハードルが高い。Acompany では昨年10月に、秘密計算エンジン「QuickMPC」をローンチし、サーバにインストールするだけでデータを暗号化したまま活用できる仕組みを実現した。これにより、デジタルマーケティングの現場やルート最適化 AI など、さまざまな分野で活用され始めているという。

A 社と B 社のデータを掛け合わせることで、それまでは知り得なかった傾向や属性が知れたりする。例えば、「なぜか、この商品の客層には、ゴルフをやっている人が多いね」とか。その結果、ゴルフをやっている人に商品をプロモートすれば、買ってもらえる確度が高くなる、といったアプローチが可能になる。(高橋氏)

Acompany では今後、秘密計算を中心とした、プライバシーテックに関連した情報発信およびイベント開催を行うコミュニティ「秘密計算コンソーシアム」を立ち上げる。このコミュニティでは、個人情報保護法の改正を始めとしたデータ活用とプライバシー保護が相反している現状に対応すべく、法令遵守したデータ活用やプライバシー保護テクノロジーの勉強会や情報発信を行うとしている。

<参考文献>