シリコンバレーの著名人が創業・参加、人気の音声SNS「Airchat」はClubhouseの二の舞を回避できるか

Image credit: Airchat

サウンドエコノミーに特化した、新たなソーシャルメディアアプリが人気を集めている。オーディオ SNS アプリ「Clubhouse」に続き、「Airchat」というソーシャルメディアアプリが欧米を席巻している。2023年にローンチ予定のAirchatは13日、アプリの新バージョンをローンチした。現在このアプリには、OpenAI の Sam Altman(サム・アルトマン)氏、Uber や Facebook のエンジェル投資家 Gary Vaynerchuk 氏、ソーシャルメディア報道を専門とするベテラン Taylor Lorenz 氏といった著名人が参加している。

Airchat も Clubhouse 同様に招待制で、招待リンクを受け取った人だけが参加できる。新バージョンのアプリがローンチされてから2日も経たないにもかかわらず、Airchat は15日深夜、ソーシャルメディアプラットフォーム「X」で、新規ユーザの流入過剰を防ぐため、1ユーザあたりの招待数を一時的に最大2件に制限すると発表した(編注:21日、アメリカとヨーロッパには完全解放された。それ以外の国はまだ招待が必要)。Airchat はなぜこれほど急速に普及したのか、その特徴は何だろう。

非リアルタイム音声対話で緊張感を軽減

一見したところ、Airchat のインターフェースは X に似ている。ユーザは自分のページにメッセージを投稿でき、フォローしたい人を選ぶことができる。しかし、最も重要な特徴は、Airchat が音声ファーストのソーシャルメディアであるということだ。ユーザはキーボードを叩いたり、テキストをコピー&ペーストしてメッセージを入力することはできず、プラットフォーム上のすべての投稿やメッセージは音声によってのみやりとりできる。

すべての表現は音声ではあるが、Airchat は AI により、投稿内容やメッセージの音声をテキストに書き起こして表示するので、ユーザはそれを読むことで情報を吸収できる。また、ユーザは投稿に画像やリンクを追加したり、メッセージに「いいね!」やシェアをしたりすることもできる。

Airchat のもう一つの特徴は、特定の話題や特定の人とのチャットルームを開始できることだ。チャットルームに参加したユーザは、音声メッセージで好きなだけチャットすることができ、チャットルームは開始したメンバーによって管理される。しかし、リアルタイムでしか交流できない Clubhouse とは異なり、Airchat のチャットルームは、音声メッセージをドロップする LINE グループのようなものだ。

非リアルタイムの音声対話の利点は、投稿したいユーザが録音によって、投稿前に自分の考えを整理できることだ。話が得意でなければ、何度も録音し直してから投稿することもできるし、他の人の邪魔にならないよう投稿する時間を設定することもできる。こうすることで、多くの人の前で話すことで生まれる緊張感も和らぐ。

人を魅了するには音声を使うべし

AngelList の創業者でベンチャーキャピタルの著名人 Naval Ravikant 氏と、Tinder の元製品責任者 Brian Norgard 氏によって設立された Airchat は、現在10人以下のコアエンジニアリングチームを擁している。Airchat がターゲットとしている需要はシンプルだ。考えてみてほしい、ソーシャルメディアに心から活力を感じたのは、もう何年前のことだろう。

Ravikant 氏が X で指摘したように、Airchat の中核的な目的は、人と人との真のつながりを回復し、純粋な会話を始める場所を見つけられるようにすることだ。人々がソーシャルメディアに費やす時間が長くなるにつれ、プラットフォームはさまざまな意見の戦場となり、人々は議論し、互いを比較し、ソーシャルメディアを使うことがストレスになっている。

Ravikant 氏は、音声メッセージングがこれらすべてを改善できると考えている。音声はテキストよりも温かみがあり、誤解されにくい。人は通常、タイピングするよりも話をするときにこそ感情を込めるからだ。この比較的、理性的なコミュニケーションアプローチこそ、Airchat のチームがこのプラットフォームがユーザ間の効果的な対話を促進できると信じている理由である。

これまでのところ、メディアは Airchat に対して複雑な感想を抱いている。Forbes のインタビューに応じた企業コンサルタントの Adam Soccolich 氏は、Clubhouse のリアルタイム対話のような時間的制約を避け、ユーザがコンテンツディスカッションに参加するタイミングを柔軟に選択できる Airchat のデザインに楽観的だ

TechCrunch のシニアレポーター Anthony Ha 氏は、Airchat はまだ音声メッセージの欠点に対処できていないと考えている。Ha 氏は、Airchat の音声メッセージは現在デフォルトで2倍速で再生されるため、あまり自然には聞こえず、「人間的な温かさ」を提供するというプラットフォームの考えに反していると指摘する。

しかし、ユーザが元のスピードに戻して聞いたとすると、長い音声メッセージはスキップされやすくなり、要点を聞き漏らしてしまう。音声コミュニケーション特有の制約をどう改善するかは、Airchat が今後取り組むべき大きな課題となりそうだ。

【via Meet Global by Business Next(数位時代) 】@meet_startup

【原文】

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