BRIDGE

Event

グローバル・ブレイン、2021年の経営戦略を発表——上海・バンガロール・NYにオフィス開設、国際展開をさらに加速へ

SHARE:

本稿は、Global Brain Alliance Forum 2020 の取材の一部。 グローバル・ブレインは4日、都内で年次イベント「Global Brain Alliance Forum 2020(以下、GBAF 2020 と略す)」を開催している(新型コロナウイルス感染対策のため、今回はオンライン開催)。このイベントの中で、代表取締役の百合本安彦氏は、同社の今後の経営戦略について発表した。…

本稿は、Global Brain Alliance Forum 2020 の取材の一部。

グローバル・ブレインは4日、都内で年次イベント「Global Brain Alliance Forum 2020(以下、GBAF 2020 と略す)」を開催している(新型コロナウイルス感染対策のため、今回はオンライン開催)。このイベントの中で、代表取締役の百合本安彦氏は、同社の今後の経営戦略について発表した。

2020年の振り返り——103社に151億円を投資実行、投資先4社がIPO、3社がM&Aでイグジット

グローバル・ブレインは、GBAF 2018 で組成を発表した7号ファンドから、これまでに48社(フォローオン出資を含め63件)109.5億円の投資を実行したことを明らかにした。投資先の4分の1以上をフィンテックが占めている。これらを含め、2020年にグローバル・ブレインが実施した出資は103社151億円に達し、逆に投資先がイグジットを果たした実績は IPO が4社、M&A が3社に達した(累積では20社、M&A は51社)。

IPO でイグジットを果たしたスタートアップには、BRIDGE でも報じた Creema、今月上場予定の WealthNavi、スマホ待受画面でニュースを見せる「CashSlide(캐시슬라이드)」を開発する韓国 NBT Partners、創薬バイオベンチャーのクリングルファーマなどが含まれる。

成長のカギは、三次元戦略と加速度モデル

百合本氏は、2021年のグローバル・ブレインを成長させるカギとして、三次元戦略と加速度モデルを披露した。ここでいう三次元とは、地域 × 領域 × 投資・支援・ステージを意味し、さまざまなスタートアップを網羅的に捉え投資活動を強化していこうとする同社の成長戦略を象徴するものだ。

百合本氏はまた、地政学が国際的な投資トレンドに与える影響についても言及した。これまで世界経済のリーダーだったアメリカがその立場を放棄し、米中間のディカップリングが加速。時代は新たな冷戦の時へと投入し、TikTok の禁止のほか、中国企業のアメリカの証券取引所からの上場撤退などのニュースが増えているのも既報の通りだ。

国際展開の強化

ヨーロッパ、東南アジア、アフリカなどで中国資本に対する警戒感が高まっており、インドでは中国からの投資がストップし、その空いた隙間に GAFA からの資金が流入している。百合本氏は、こういった変化はが結果的に日本の VC にとっての投資機会が増すきっかけになると説明し、投資活動を強化するため、インド・バンガロールと中国・上海に現地オフィスを開設することも明らかにした。

既設のロンドンオフィスについては、DACH 地域(ドイツ、オーストリア、スイス)への投資活動を強化するため、ドイツ語ネイティブの人員を増員する。また、脱炭素やサーキュラーエコノミー分野への投資を強化するため、これらのスタートアップのハブであるアメリカ東海岸をカバーするため、これまでのサンフランシスコに加え、ニューヨークにもオフィスを新設する計画だ。同社の拠点数は世界で9ヶ所(9都市)となる。

WebSummit、2022年9月に「WebSummit Tokyo」を開催と発表

SHARE:

世界的スタートアップカンファレンス「WebSummit」がポルトガルのリスボンで開催中だ(今年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンライン開催)。WebSummit は3日、日本の経済産業省や東京都と提携し、2022年9月に「WebSummit Tokyo」を東京で開催することに合意したと発表した。 WebSummit と、経済産業省や東京都との提携関係は5年間とされており、これまでの前例を加…

2019年にポルトガル・リスボンで開催された WebSummit。
Image credit: Masaru Ikeda

世界的スタートアップカンファレンス「WebSummit」がポルトガルのリスボンで開催中だ(今年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンライン開催)。WebSummit は3日、日本の経済産業省や東京都と提携し、2022年9月に「WebSummit Tokyo」を東京で開催することに合意したと発表した。

WebSummit と、経済産業省や東京都との提携関係は5年間とされており、これまでの前例を加味すれば、2022年から2026年まで WebSummit Tokyo が開催される可能性がある。また、WebSummit は2022年から同イベントを世界展開する計画で、これには南米への進出が含まれる。

WebSummit はこれまでに、姉妹イベントとしてカナダのトロントで Collision、香港では RISE を開催している。2022年には世界展開の一環としてブラジルのリオ・デ・ジャネイロとポルト・アレグレの2つの都市へ進出を検討中で、香港で開催されていた RISE は2022年にマレーシアのクアラルンプールへ移転する計画だ。

WebSummit の関連記事
RISE の関連記事
Collision の関連記事

コロナ禍、GovTechは市民に何ができるか?〜福岡「明星和楽2020」から【ゲスト寄稿】

本稿は、11月7日に福岡市内で開催されオンライン配信された「明星和楽2020」に関する記事の一部。明星和楽のイベントウェブサイトに掲載されたものを、主催者の了解のもと転載した。 11月7日、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、オンラインで配信された明星和楽2020。 明星和楽は福岡市を拠点としたテクノロジーとクリエイティブの祭典だ。年齢やポジションに関係なく「異種」な人々が「交」わる場として毎…

本稿は、11月7日に福岡市内で開催されオンライン配信された「明星和楽2020」に関する記事の一部。明星和楽のイベントウェブサイトに掲載されたものを、主催者の了解のもと転載した。


11月7日、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、オンラインで配信された明星和楽2020。

明星和楽は福岡市を拠点としたテクノロジーとクリエイティブの祭典だ。年齢やポジションに関係なく「異種」な人々が「交」わる場として毎年イベントを開催。

福岡から新しいモノ・コトが創り出されるきっかけを提供してきた。今回は、10年目の節目を迎え、民間と行政の関係性に注目した「共犯関係 -GovTechのゆくえ-」をテーマに2つのトークルームでイベントを配信。「GovTech セッション」では、官民から下記の豪華ゲストが登壇した。

【ゲスト】

  • 髙島宗一郎氏 福岡市長
  • 池田将氏 BRIDGE 共同創業者 兼 シニアエディタ
  • 江口晋太朗氏 TOKYObeta Ltd. 代表

【モデレーター】

  • 石丸修平氏 福岡地域戦略推進協議会 事務局長
左から:石丸修平氏、髙島宗一郎氏、池田将氏、江口晋太朗 氏

行政の役割の充実のために必要なテクノロジー

髙島市長は GovTech の推進には、行政と民間のコラボレーションが必要だと話した。街づくりにも民間のノウハウを取り入れ、「より効率的に、かつ面白く、ワクワクしよう」という時代の変化が背景にある。菅政権下でデジタル庁新設の話も進んでおり、GovTech を加速させるタイミングだと期待。

行政の主な役割は、定型的な情報のやり取りである「インフォメーション」と、高齢者や障がい者支援のような「人のぬくもりが必要なもの」の2つだ。「インフォメーション」は、効率的に人手をかけないこと、一方で「ぬくもりが必要なもの」は、「誰一人取り残さない」ために人が入っていくことが重要だ。その人的リソースを生み出すために、テクノロジーの力は欠かせない。

石丸氏は今年、新型コロナウイルス感染拡大と九州の災害は大きなインパクトを与えた。テクノロジーの浸透に向け、民間企業、クリエイティブ人材、行政が手を取り合っていく必要性があるとした。

欧米では、新型コロナウイルス感染拡大で事業内容を変更するスタートアップが急増

海外の GovTech 事例について池田氏は、欧州でのロックダウン下における失業者との雇用のマッチングや、医療従事者などエッセンシャルワーカーの移動の支援などを挙げた。

また、米国カリフォルニアの事例では、新型コロナウイルス感染軽傷者と宿泊者が急減したホテルのマッチングにスタートアップが介在する事例などを挙げた。欧米ともに新型コロナウイルス感染拡大を受けて、業績が低迷した旅行や宿泊業などのスタートアップがサービス内容を変更し、社会のニーズに合わせた新たなサービスを展開している事例が増えているという。

欧米に比べると新型コロナウイルス感染拡大での重傷者数、死亡者数の割合が低い日本も第3波の感染拡大に備えた対策に危機感をもって対応することが求められている。

行政のオープンデータ化により、民間企業のビジネス創出を促す

国内でのテクノロジー活用のポイントとして江口氏は、「データ収集」「データ提供」「データ基盤」の3つのポイントを説明。行政が保有している気象や汚染状況などさまざまなデータを整え基盤化させ、オープンデータとして公表し、ベンチャーやスタートアップに自由に利用を促すことにより、新しいビジネスの創出を促す動きについて挙げた。

国内のオープンデータの活用事例として、福井県の鯖江市の事例などを説明。 国内外も含め、街のマイナス的な要素をあえて公開し、発信することにより、市民参加型でその街の課題解決に向かう事例もあるとした。

個人情報の取扱いという難題を、テクノロジーで解決する

対談では、現場で感じるGovTechの厳しさについても語られた。個人情報と切り離したデータ活用について、エッジコンピューティングなどの最新事例も挙げられ、個人情報の取扱いの課題解決に向け可能性を感じる内容となった。

EU の GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)を踏まえ、情報取扱のルールを設けることで、市民のリテラシーを高め、結果として市民の不安を払拭するという解決方法も挙げられた。

また、海外で行政の中に CDO(チーフデジタルオフィサー)として外部人材を起用する流れが起きていることについても深い議論がなされた。福岡市の AI バスやオープンデータの公開、熊本地震の際に構築したクラウド上のプラットフォームなど、GovTech の実際の活用事例も共有され、社会課題の解決への可能性を感じさせられた。

本セッションから、GovTechで「誰一人取り残さない」社会の実現のための、未来へのヒントを学んだ。明星和楽では、引き続きGovTechの動向を追っていく。

当日の動画はこちらの明星和楽2020 オンライン開催 ルーム「明星」〜テーマ「共犯関係」〜から。本セッションは1:12頃~2:13の配信。

「TOKYO STARTUP GATEWAY」第7期決勝が開催——森林由来微生物による環境改善、獣医と飼い主を繋ぐSaaS、農業レジャー化アプリなどが入賞

SHARE:

東京都主催のビジネスプランコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY 2020」のファイナルが29日、都内で開催された。新型コロナウイルス感染防止の観点から今回はオンライン開催となった。 TOKYO STARTUP GATEWAY はテクノロジー、ソーシャルビジネス、地域課題解決などさまざまなジャンルにおいて、グローバルを見据えた起業家を「東京」から輩出しようというコンテスト形式のイベ…

東京都主催のビジネスプランコンテスト「TOKYO STARTUP GATEWAY 2020」のファイナルが29日、都内で開催された。新型コロナウイルス感染防止の観点から今回はオンライン開催となった。

TOKYO STARTUP GATEWAY はテクノロジー、ソーシャルビジネス、地域課題解決などさまざまなジャンルにおいて、グローバルを見据えた起業家を「東京」から輩出しようというコンテスト形式のイベント。主催は東京都で、NPO法人 ETIC. が運営事務局を担当している。7回目を迎える今回は、2020年の4月からビジネスプランを公募。1,476件のプランが全国から集まり、それらの中から選抜された10名のファイナリストによるプレゼンテーションが行われた。

TOKYO STARTUP GATEWAY 2020 で、審査員を務めたのは次の方々だ。

  • 東京大学 教授/産学協創推進本部イノベーション推進部長 各務茂夫氏
  • Voyagin 創業者 高橋理志氏
  • アソビシステム 代表取締役 中川悠介氏
  • WORK JAPAN 代表取締役 松崎みさ氏
  • タスカジ 代表取締役 和田幸子氏

(本稿中の写真は、いずれも TOKYO STARTUP GATEWAY のライブ配信からのもの)

【最優秀賞】微生物多様性によって実現する健康な都市デザイン by 伊藤光平氏

副賞:トロフィー、100万円

高校生の頃から人体に38兆個も共生するとされる微生物のゲノム解析を行なっていた伊藤氏。大学に進学後は、人体の外にいる微生物に興味を持ち、学生団体「GoSWAB」を組織して仲間らと共に全国各地に出向き、その地域の微生物を採取し解析してきた。その結果、微生物のゲノム解析をもう一歩進め、人体に良い影響を与える微生物を集め環境改善に役立てるプロバイオティクスに着手した。

人が1日の約9割の時間を室内は室外に比べ室内は約5倍汚れている。特に人が外から持ち帰った微生物ばかりだと多様性にかけるため、例えば、病原菌が繁殖しやすくなってしまう。伊藤氏のチームでは、森林由来の微生物を室内環境に放出できるデバイス「グリーンエア」を開発。微生物に有機物を消費させることで、病原菌の増殖を抑制したり、アレルゲンを提言したりすることが可能になる。

これまでに蓄積したゲノム解析のデータによって、どのような場所にどのような微生物が多くいて、どのような効果をもたらすかを把握できているため、利用シーンに応じて、どのような森林由来微生物をグリーンエアから放出すべきかも検討できる。アレルギーを持つ人、赤ちゃんの健康が気になる人、ペットの匂いが健康になる人などがターゲット。将来は都市全体の環境改善を目指す。

【優秀賞】言葉を発しない動物たちの「苦しみのサイン」を汲み取るアプリ by 富永晃世氏

副賞:トロフィー、50万円

獣医の富永氏によれば、獣医療における課題は、早期に受診していれば救えたはずのペットの命が多く失われることだ。飼い主が早期に動物病院にペットを連れて行かないのは、人のように言葉でコミュニケーションが取れるわけではないため、ペットの身体の状態を細かく認知できない上、病変を知っても緊急度がわからない、また、治療に必要な費用や時間がわからないことなどが背景にある。

そこで富永氏のチームは、獣医療向け SaaS「ANICLE(アニクル)」を開発。Anicle では、AI 自動問診、問診結果に応じた動物病院の紹介、問診内容の動物病院への事前共有によるスムーズな受診を提供する。国際的ガイドラインに沿って作成された問診に答えると、独自アルゴリズムにより、考えられる疾患一覧、症状の緊急性、家庭でできる対処法なども教えてくれる。

ANICLE の利用にあたって、ペットの飼い主は費用は一切かからない。動物病院への送客や事前問診の対価として、動物病院から料金を徴収する。サービス開発にあたり5つの動物病院に協力を得ており、多くの現役の獣医も協力しているという。ANICLE は東京大学の「アントレプレナーシップ・チャレンジ 2020」で最優秀賞を獲得、東京大学 FoundX の「Pre-founders Program」にも採択された。

【優秀賞】農業を体験型レジャーとして創り換え、地域の課題を魅力に再定義 by 原田そら氏

副賞:トロフィー、50万円

現役高専生で弱冠17歳の原田氏が取り組むのは、農業を体験型レジャーとして提供するプラットフォーム「GamifyAgri」だ。少子高齢化に伴い農業人口は減少、新規就農者の不足や耕作放棄地の増加がさらに追い討ちをかける形で、農業の維持には多くの課題がある。GamifyAgri は農業をレジャーにすることで一般市民に楽しみながら参加してもらうのがコンセプトだ。

農産物を収穫する部分のみがゲーム化されたサービスはこれまでにも存在したが、GamifyAgri ではあくまで、農作物を植え付けるところから収穫するまで、また、その途中の農作物を育てるフェーズの部分まで、すべてを課題として楽しめるようにしている。地域活性化に関心の高い農家の協力を得て、当初は参加した市民にマンツーマンで指導を行い楽しんでもらう。

関係人口の増大により、就農者のハードルを下げることが期待される。また、農家は体験を提供することへの対価や、農作物を販売する相手として参加した市民から現金収入を得ることができる。ひいては、耕作放棄地も減らしていきたいと考えるのが GamifyAgri の考えだ。セキュリティ大手のラックが社会貢献事業「すごうで」で、GamifyAgri のアプリやサービスの開発に協力している

【オーディエンス賞】AI×データ時代の数学教育をアップデートする by 近藤啓太氏

近藤氏が構築しようとするのは AI 人材輩出の数学教育プラットフォームだ。来るべき AI 時代に備え、AI を使いこなすための基礎知識として、数学が持つ重要性は以前に増して高まるだろう。OECD 37ヵ国中で16歳を対象とした調査によれば、日本は数学リテラシーが世界2位であるにもかかわらず、「数学は将来役立つ」と答えた人は最下位だった。

数学が将来どのように役立つかをわかりやすく示すことで、人々はよりモチベーション豊かに数学の習得に向かえると考えた近藤氏は今年8月から AI のプロと組んでその方法を模索してきた。そうして行き着いた答えが、数学を数学から教えるのではなく、数学の向こうにあるビジネスから遡る形で数学を教える、というアプローチだった。

この事業では、ゴールから逆算して作成したカリキュラムを配信し、アウトプットを出すための伴走支援ができる、ユーザに合ったコーチのマッチングを行う。AI に関しては数々の教育機関が MOOC で教材を提供しており、その数は1万以上に上るが、選択肢が多くインプットが偏重していることから、どんな職種の人が何に悩んでいるかのデータを元に、最適化したカリキュラムを提供する。

【レジリエンス賞】心の免疫力を上げる!心理学メソッドが学べるオンラインスクール by 松尾華香氏

新型コロナウイルスの感染拡大により、感染症への感染を防ぐことに加え、感染症予防がもたらすスキンシップの減少などから精神不安定や鬱といった健康課題も増加しており、メンタルヘルスへの関心が高まっている。これまでメンタルヘルスは一部の人のものと考えられていたが、コロナ禍においては誰もが自分ごととして捉えられるようになった。

一方、メンタルヘルスのさまざまなソリューションは、多くのものは人が社会に出て、精神上の問題が顕在化して使われるものがほとんどだ。感染症同様に、心の問題にも社会として免疫システムが必要だと考えた臨床心理士の松尾氏は、子供のうちから心理学のメソッドに親しむことで、心の免疫力を上げられる学びの機会が必要と考え、オンラインメンタルスクール「プシケ(ギリシア語の心理学を表す単語に由来)」を提案した。

新型コロナウイルスも相まって、不登校増加や感染予防のための欠席から、今年は昨年の約2倍に相当する58人の中高生が自ら命を絶った。中高生に心のケアとサポートを届ける必要があるが、成人と違って思いを淡々と言葉にするのが難しい、家庭環境も意識する必要がある、などの課題もある。オンラインで親しみやすいコンテンツを提供し、家族丸ごとサポートできるサービスを目指す。


入賞には至らなかったものの、ファイナリストに残った他の参加者は次の通り。

  • ウェアラブルデバイスで、発達障害者が活躍できる社会をつくる by 池田将彰氏
  • わたし想いの女性を増やす、“おかえり”ショーツ by 江連千佳氏
  • 葉器で世界を陽気に by バンダリ・サガル氏
  • 手ぶらで屋外ミール!食と共に自然を楽しみリフレッシュ体験を by 菱山翔平氏
  • 日本産のミュージカルで人類の未来を変える第一歩 by 水島由季菜氏

北の大地から世界を狙う、道産子スタートアップ9社をご紹介〜NoMaps Dream Pitch 2020から

SHARE:

10月第2週〜3週にかけて、札幌を舞台にテクノロジー・音楽・映像のフェスティバル「NoMaps(ノーマップス)」が開催された。今年は新型コロナウイルス拡大の影響で、NoMaps で開催される多くのイベントがオンラインに移行した。 例年、経済産業省らが開催する「NoMaps Dream Pitch」もそんなイベントの一つだ。技術やビジネスモデルが評価され表彰を受けた北海道を中心とするスタートアップ9…

10月第2週〜3週にかけて、札幌を舞台にテクノロジー・音楽・映像のフェスティバル「NoMaps(ノーマップス)」が開催された。今年は新型コロナウイルス拡大の影響で、NoMaps で開催される多くのイベントがオンラインに移行した。

例年、経済産業省らが開催する「NoMaps Dream Pitch」もそんなイベントの一つだ。技術やビジネスモデルが評価され表彰を受けた北海道を中心とするスタートアップ9チームを紹介しておきたい。

審査員を務めたのは次の方々。

  • 伊藤博之氏(クリプトン・フューチャー・メディア 代表取締役、NoMaps実行委員長)
  • 小笠原治氏 (ABBALab 代表取締役、さくらインターネットフェロー、京都造形芸術大学教授)
  • 各務茂夫氏(東京大学大学院工学系研究科 教授、産学協創推進本部 副本部長)
  • 里見英樹氏(メディア・マジック 代表取締役)
  • 田中慎也氏(BIJIN & Co. 代表取締役社長)
  • 廣川克也氏(SFC フォーラム 事務局長、SFC フォーラムファンド ファンドマネージャー)

Haratte by AmbiRise(北海道札幌市)【最優秀賞・北海道経済産業局長賞】

行政機関では、受け付けた請求書の内容をシステムに入力する時間が1団体あたり年間8,000時間、全国合計で年間40万時間費やされているという。請求受付業務の自動化や省力化は以前からの課題だが、会計システムと自動連携するには困難を伴う。会計システムはネットワーク的に閉じられた位置にあり外部との直接連携が難しく、そのシステム改修のコストが捻出しづらいなどの理由からだ。

今年まで18年間にわたり行政に勤務していた創業者が AmbiRise を設立。同社の最初のプロダクトとして立ち上げたのが行政宛請求プラットフォーム「Haratte」だ。Haratte では、請求元で請求情報の入った QR コードを請求書に印刷してもらい、それを行政側で読み取ることで入力業務を簡素化する。行政の作業効率化に寄与する ことから、料金は行政がサブスクモデルで支払う。

Pickles by Horizon Illumination Lab Optics(北海道札幌市)【優秀賞・NoMaps 実行委員長賞】【特別賞:NEDO TCP(Technology Commercialization Program)賞】

国内で1万症例、世界に患者が7万人いるとされる慢性骨髄性白血病(CML)は、異常な遺伝子(BCR-ABL 融合遺伝子)からつくられるタンパク質が白血病細胞を増殖させて生じることがわかっている。一般的に、この種類の白血病の治療には当該のタンパク質の生成を抑える分子標的治療目的でダサチニブ、ニロチニブ、イマチニブなどの5種類の抑制薬が存在するが、どのような患者や症状にどの薬を処方すべきか効能が期待できるか明確な基準が無い。この状況には CML 患者も血液内科医からも不満の声が上がっている。

Horizon Illumination Lab Optics の開発した光診断薬「Pickles」は、BCR-ABL 活性を測定できるバイオセンサーだ。Pickles 遺伝子を導入した検体に候補となる抑制薬で処理を行うと、顕微鏡で見た際に赤く見える検体が青く変化し薬剤応答が確認できる(薬剤の効果がない場合は青く変化しない)。CML 細胞一つひとつの薬剤応答を見える化することができ、薬を処方する前の段階での効果の予測、副作用による薬の変更、休薬やジェネリック薬への変更などを医師が判断しやすくする。癌治療への応用も可。

<参考文献>

エアシェア(北海道帯広市)【優秀賞・NoMaps 実行委員長賞】【特別賞:NICT 賞(起業家万博全国イベント、北海道地区代表)】

エアシェアは、旅行者と航空機オーナーとパイロットを Web 上でマッチングするサービスだ。旅行者は、完全オーダーメードの遊覧飛行や区間を直接結ぶ移動手段、オーナーにとっては遊休時の資産運用や節税対策、パイロットにとっては官公庁や航空会社に勤める以外でのプロとしての収入確保の手段が獲得できる。

パイロットとオーナーはそれぞれ、自由に金額を設定・提示することができる。旅行者からのオファーがマッチングすると、パイロットとの間でチャットボックスが開設され、例えば「自分の家の上を飛んでほしい」といった詳細なオーダーも可能だ。10月現在、飛行機8機、ヘリコプタ15機、パイロット27人が登録している。国土交通省から、適法性と安全対策を認めた承認を受けている。

類似したサービスとしては、アメリカの AeroBlackBird(今年2月、Surf Air により買収)、国内では「Tokyo Startup Gateway」第4期に採択されデモデイで最優秀賞を獲得した「OpenSky」などがある。

<関連記事>

MIJ labo(北海道帯広市)【審査員特別賞】

環太平洋地域においては、牛肉は切開され枝肉の形で格付けされ取引されている。この格付け作業は目視で行うため格付けする人によって個人差があり、格付けデータは紙に記され画像を伴わないため、整理をするには必ず現場に出向く必要がある。また、データが紙であるため、格付け・取引後の流通業への仕分け作業にも時間がかかっているのが現状だ。

帯広畜産大学発のスタートアップ MIJ Labo では、枝肉の撮影画像をクラウドへアップロード、画像解析により 牛肉の質を客観的に評価するシステムを開発した。ホクレンらとリモート競りシステムを試験運用中で、国内の 県畜産研究所や海外の格付認定機関でも利用されている。将来はブロックチェーンを活用した、輸出拡大につながるEC プラットフォームへの応用にも期待される。

<参考文献>

DeVine(北海道札幌市)【審査員特別賞】

犬や猫を飼う世帯が増えるにつれ、その周辺のペット関連市場にも変化が現れ始めている。こうした中で、特に伸びを示しているのが動物医療や保険の分野だ。一方、動物が長生きする中で3歳以上の犬・猫の8割以上が歯周病に罹患しているとのデータがあり、中でも重症の場合は、歯根と鼻腔の間に穴ができてつながってしまう口腔鼻腔瘻になってしまう。

口腔鼻腔瘻になると口臭がひどくなり、犬・猫は呼吸が苦しくなるので治療することになるが、治療の際の抜歯後にで聞いた抜歯窩(歯茎の穴)に、人間の場合と違って、犬・猫の場合は充填剤を入れずに上皮を縫合することが多いという。これは薬事法で認められた充填剤が動物用には存在していないからだが、DeVine では北海道の未利用資源を使って、動物の歯再生医療の開発を目指す。

Fant(北海道帯広市)【審査員特別賞】

近年、日本では20代〜30代の若手ハンターは増加傾向にある。ジビエの人気もその追い風となっている。しかし、ハンターのスキルを習得するには、狩猟会などに所属し狩猟を教えて食える人を身近で見つけ実地で学ぶしかない。若手のハンターが参入する一方で、ベテランハンターが高齢などを理由に引退しており、若手とベテランの間での情報や技術の伝達は不十分な状態だ。

Fant は、ハンターのためのオンライン・オフラインコミュニティだ。いつ、どこで、何を獲ったかを他のハンターとシェアができる。狩場を知られたくないと感じるハンターがいることも事実だが、野生生物の繁殖の方が早いため、情報の共有をためらうハンターは少ないとのこと。4月にオンラインコミュニティを開設し200人以上が参加、11月からはハンターによる狩猟ガイドツアーも計画。

足うらスキャンLab(北海道札幌市)【特別賞:NEDO TCP(Technology Commercialization Program)賞】

高齢者社会において、転倒は大きな社会課題になりつつある。転倒がもたらす弊害により直接的には8,000億円、寝たきりや介護などの間接的な影響も加えると医療費は1.4兆円に達する。従来、転倒の原因は高齢化に伴う筋力の低下と考えられていたが、実際には身体の揺れに大して、足の指、特に、親指をうまく使えない調整機能の低下が大きく関係していることがわかったという。

転倒経験者は非経験者に比べ4倍再転倒しやすい。高齢者施設やジムでは、適切な対応のために、入所者や会員の将来転倒する可能性を知りたいというニーズがあったが、これまで足指の機能を客観的に評価する手段がなかった。同社の足圧測定機器を使えば、定量的定性的に足指の機能を評価できる。点数化しスマートフォンで結果を把握、適切な運動諸法につなげ転倒予防することも可能だ。

<参考文献>

MJOLNIR SPACEWORKS(北海道札幌市)【特別賞:NoMaps 賞】

衛星需要が伸びているが、一方で、これを打ち上げるロケットが少ない。2030年には、衛星の打ち上げ需要は17,000基に達すると見られるが、実際の打上げ能力は2,500基分にしか届かないと見られている。ロケットは同じ工業製品である自動車や飛行機と比べ、現在のものは大量生産に向かず、生産工程の分業化が進んでおらず、また、水素と酸素を爆発させる従来タイプのエンジンは失敗のリスクが高いためスタートアップなどの新規参入も見られにくい。

北海道大学発の MJOLNIR SPACEWORKS は、固体燃料(プラスチック)と液体酸素を使ったハイブリッドエンジンを開発。構造が簡単で原理的に爆発しないため取扱が容易で、同社では年間1万基程度を生産できるだろうと見積もる。冷戦時の軍事技術をベースとした従来型のロケットと対照的に、戦争に参加しなかった日本は、ハイブリッドエンジンの開発に長けているという。同社はハイブリッドエンジン開発に特化し、ロケット業界全体の分業徹底により業務効率化やコモディティ化を狙う。

R-Make by チームデジコン(北海道札幌市)【特別賞:NoMaps 賞】

ボルダリングにおいてはいくつかの課題がある。クライミングコースを作るセッターが不足しており、スペース やコストの問題から子供を含むさまざまな体格の人に合ったコースを用意できないこと、難易度がコース制作者 の感覚で定められるため指標が曖昧であること、配置されたクライミングホールドのうち、どのホールドが非効 率か(コースとして使われていないか)を判定しづらいなどだ。

R-Make は、クライミングコースを自動生成してくれるアプリ。コースの難易度と身長を入力すると、誰でも簡 単にコースを作成することができる。作ったコースはプロジェクターでウォールに投影し事前確認することも可 能だ。使われたホールドを記録できるので、よく使われるホールドをヒートマップ表示し効率的な運用もでき る。クライミング施設から費用を徴収する B2B2C モデルを想定。

韓国Startup Alliance、今週12日に日本向けデモデイをオンライン開催へ——新進気鋭の韓国スタートアップ8社が登壇

SHARE:

Startup Alliance(스타트업 얼라이언스)は、2013年7月にソウルで発足した、韓国のスタートアップの世界進出を支援するための NPO だ。韓国政府のイノベーション支援担当省庁である未来創造科学部(미래창조과학부)と連携し、韓国 NAVER(네이버)が運営を支援している。 同組織では2014年から年に一度の頻度で、日本市場への進出を希望する韓国スタートアップを複数招き、東京各所のスタ…

韓国のスタートアップハブであるカンナムにあるカンナムスタイルの黄金像
Image credit: ソウル特別市カンナム区役所

Startup Alliance(스타트업 얼라이언스)は、2013年7月にソウルで発足した、韓国のスタートアップの世界進出を支援するための NPO だ。韓国政府のイノベーション支援担当省庁である未来創造科学部(미래창조과학부)と連携し、韓国 NAVER(네이버)が運営を支援している。

同組織では2014年から年に一度の頻度で、日本市場への進出を希望する韓国スタートアップを複数招き、東京各所のスタートアップハブでピッチするデモデイイベントを開催している。今年は新型コロナウイルス感染拡大に伴う移動制限から、このデモデイイベントをオンラインで開催すると発表した。

オンラインデモデイは、11月12日の朝10時から正午(日本時間・韓国時間共通)、Zoom ウェビナーで配信される予定。ピッチは日本語か英語で行われ、視聴者との Q&A セッションには、日本語⇄韓国語の逐次通訳が提供される。なお、視聴参加にはこのフォームから事前登録が必要だ。

以下に登壇予定のスタートアップ8社を紹介する。(各社の都合により、登壇予定は予告無く変更される可能性があります。)

  • ボイスル by JAMAKE – AIベースのクラウドソーシング字幕制作プラットフォーム
  • COCONUT SILO by COCOTRUCK – ビッグデータベースの貨物輸送仲介プラットフォーム
  • Social Radio Company by Tin Can – 世界を声とストーリーで繋げようとするオーディオ UCC ソーシャルプラットフォーム
  • Quotabook by Quota Lab – スタートアップ証券の管理および投資家ファンド管理サービス
  • Go!Cre(ゴークリ)by EJN –  e スポーツやクリエイターのためのさまざまなソリューションを開発する ICT 企業
  • CLASSUM by CLASSUM – 大学・企業・オンライン教育などで使用する教育用コミュニケーションプラットフォーム
  • Sendbird by Sendbird – チャット、ボイス、ビデオ、サポート・センターを開発するためのグローバル1位コミュニケーション API
  • Market Designers by Tutoring -24時間いつでもどこでも1:1外国語会話学習のモバイルアプリケーション

2017年9月、Startup Alliance が THE BRIDGE X(当時)で開催したデモデイ
Image credit: Masaru Ikeda

<関連記事>

「リゾテック沖縄2020」がハイブリッド開催、国内外から企業やスタートアップが集結——台湾のスタートアップハブとも連携

SHARE:

沖縄県宜野湾市にある沖縄コンベンションセンターでは、10月29日〜11月1日の4日間にわたり、ResorTech Okinawa(おきなわ国際見本市)2020 と Okinawa Startup Festa 2020 が開催された。今年2月に開催されたプレ開催イベントに続き、今回は初の正式開催となり通算2回目。新型コロナウイルスの影響で、現地会場に参加するオフラインと、ネット越しにさまざまなコンテ…

Image credit: IT Innovation and Strategy Center Okinawa

沖縄県宜野湾市にある沖縄コンベンションセンターでは、10月29日〜11月1日の4日間にわたり、ResorTech Okinawa(おきなわ国際見本市)2020Okinawa Startup Festa 2020 が開催された。今年2月に開催されたプレ開催イベントに続き、今回は初の正式開催となり通算2回目。新型コロナウイルスの影響で、現地会場に参加するオフラインと、ネット越しにさまざまなコンテンツをたのしめるオンラインのハイブリッド開催となった。

Image credit: IT Innovation and Strategy Center Okinawa

ResorTech Okinawa 2020には沖縄県下はもとより本土からも42社が参加した。また、Okinawa Startup Festa 2020 は、台湾の不動産デベロッパが運営する、台北市のスタートアップハブ「Terminal C(兆基国際新創衆落)」にサブ会場を設け、台湾スタートアップも招く形でイベント運営された。ピッチイベントに参加したスタートアップは、日本国内とアジア各国からをあわせて30社。なお、ResorTech Okinawa のオンライン展示会については、11月30日まで開催されている。

Image credit: IT Innovation and Strategy Center Okinawa

ResorTech Okinawa が開催されることになった経緯については、プレ開催の際の拙稿に記してあるので、本稿では今回イベントのハイライトをお伝えする。

ResorTech Award

ResorTech Okinawa では、参加した企業やスタートアップの中から、有益性・市場性・将来性などからイノベーション度が高い技術、製品、サービスを選び表彰する ResorTech Award が授与された。

Image credit: IT Innovation and Strategy Center Okinawa

【総合グランプリ】「MujInn(ムジン)」 by ユナイテッドコーポレーションとゴールドバリュークリエーション

MujInn は、さまざまな宿泊施設でセルフチェックインができるようにするシステム。フロント業務の無人化・省人化を支援する。不動産事業部や宿泊事業部を営むユナイテッドコーポレーションと、システム開発会社であるゴールドバリュークリエーションが共同で開発した。

Image credit: United Corporation / Gold Value Creation

宿泊客には、24時間対応、現地精算、スマートロック連携、多言語チャットのほか、エントランスが無いタイプの宿泊施設にはファミリーマートでカギに相当するキーナンバーを受け渡すサービスを提供。また、運営会社に対しては、宿泊在庫を管理するサイトコントローラとの連携、宿泊施設を遠隔監視する騒音センサーとの連携、部屋割当、宿泊台帳記入、パスポート情報登録自動化を提供。

【イノベーション部門グランプリ】「ミラーコンシェルジュ」 by パシフィックハイウェイジャパンとハナムラ

コンサルファームのパシフィックハイウェイジャパンとインテリアメーカーのハナムラは、鏡にコンシェルジュを配信するクラウド対応人材配信サービス「ミラーコンシェルジュ」を開発。人が近づくと自動で顔を感知し、鏡に等身大のアバターが現れ話しかける。顔認証に加え、音声認識・言語理解・多言語対応、TV 電話機能により、あらゆる場所にコンシェルジュを配信し遠隔会話を実現。

Image credit: Pacific Highway Japan / Hanamura

プラットフォーム開発をパシフィックハイウェイジャパンが、コンテンツ制作をハナムラが担っている。住宅のインテリア空間、オフィス空間、商業建築空間、ホテル、公共施設等に多くのカスタマイズした商品を導入。男性・女性のアバターによる人に近い自然な音声で、日本語・英語・中国語に加え、オプションにより15カ国語での応対が可能。

Okinawa Startup Festa 2020: Startup Pitch Awards【JSSA 賞】

受賞チームに、日本スタートアップ支援協会(JSSA)が次回、東京や大阪で開催するミートアップへのファイナリスト参加できる賞が授与された。ミートアップでの優勝者は、JSSA が運営するファンドから2,000万円の出資を受ける権利が得られる。

Alpaca.Lab(日本・沖縄)

Alpaca.Lab は、琉球大学との共同研究により運転代行業界の最適化を図ろうとするスタートアップだ。運転代行を営む業者は全国に8,850あり、なかでも交通事情から沖縄が国内最多の数を誇る県だ。一方で、運転代行は料金が不明瞭だったり、飲食店などで呼び出してから到着するまでに30分から2時間程度を擁したり、違反行為の前歴のある業者を見つけるのが難しかったりするなど、多くの課題がある。

Image credit: IT Innovation and Strategy Center Okinawa

Alpaca.Lab の「AIRCLE(エアクル)」では、ユーザが自分の車の特徴をアプリに入力しておくことで、その車の運転に適した最適なドライバーを付近からマッチング。運転代行業者に対しては、いつどこでどのように運転代行が実施されているか、どのように売上が立っているかをもとに AI で最適なドライバー配置を提案できる仕組みを提供する。政、警察、運転代行業者などと連携し、社会的摩擦を生まないモデルを目指す。

<関連記事>

Okinawa Startup Festa 2020: Startup Pitch Awards【OIH 賞】

受賞チームに、大阪イノベーションハブ(OIH)のスタートアップ海外展開支援プログラム「OIH グローバルゲートウェイ」や OSAP(OIH Seed Acceleration Program)を通じた大企業とのマッチング機会、ピッチイベント出場の機会を提供する。

QueQ(タイ)

レストランや病院での混雑時や、遊戯施設でのアトラクション開始時刻待ちで行列を作って待つことを余儀なくされる状況の代替ソリューションとして開発された「QueQ」。事前に時間を予約する代わりに、QueQ はある場所に来て順番待ちの列を目にする人を対象に、アプリを使って「場所取りできる」ようにしている。待ち時間の間その場所を離れてアクティビティを楽しんだりできるのだ。

Image credit: IT Innovation and Strategy Center Okinawa

新型コロナウイルスの感染拡大から、さまざまなシーンで密を避けるソリューションとして、観光客への事前予約機能提供、大使館のビザ延長の対応待ちなどにも活用されるようになった。アクアビットスパイラルズのマルチペイメント機能「PayChoiice(ペイチョイス)」とも連携している。

Ubestream/環球睿視(台湾)

Ubestream(環球睿視、台湾証取:7587)は、セマンテックナレッジソリューションに基づいた AI チャットボットサービスを SaaS で提供してる。応用範囲は、バーチャル観光客ガイド、企業が問合せを受ける AI コールセンターなど多数。新型コロナウイルス感染拡大を受け、飲食業向けのインテリジェントソリューション「OMO Smart Store(智慧商店)」を開発。

Image credit: IT Innovation and Strategy Center Okinawa

OMO Smart Store の機能の一つ「非接触料理注文サービス(零接触点餐服務)」では、ユーザはモバイルや PC からオンライン注文でき、店頭でのピックアップやテイクアウトが可能になる。飲食店にとっては、仕込み作業の効率化が図られ、店舗の収益率向上にも繋がる。2019年8月に日台韓で開催された「Asia Open Data Challenge」で最優秀人気賞を受賞。

Okinawa Startup Festa 2020: Startup Pitch Awards【Fukuoka Growth Next 賞】

受賞チームに、FGN(Fukuoka Growth Next)のコワーキングスペース1年間無料権を提供。また、官民共同型スタートアップ支援施設の位置づけを生かし、福岡の行政や財界をからめた社会実装の支援を提供する。

TravelTech Lab(日本・大阪)

外国から訪日した観光客は所定の手続をすることで買い物の消費税10%相当が免税となるが、実に彼らの72.1%は免税措置を受けないまま日本を後にしている。彼らに免税措置を受けない理由を聞いてみたところ、免税手続が面倒、買い物が複数店舗に分散(1店舗で5,000円以上購入しないと免税にならない)、免税対象以外の店舗で商品を購入していることがわかったという。これらの問題を解決すべく、TravelTech Lab は、訪日外国人向けオンライン免税 IoT 宅配ロッカー「JaFun(ジャファン)」を開発した。

Image credit: IT Innovation and Strategy Center Okinawa

観光客が JaFun のモバイルアプリを使って商品を注文すると、空港やホテルに設置されたロッカーに、販売者から直接商品が届く。観光客はユーザ登録時にパスポート情報を登録しており、商品ピックアップ時に顔認証で本人確認する。すでに免税手続済であるため、観光客の追加手続は不要。免税となる消費税10%の半分に相当する5%を TravelTech Lab が受け取るビジネスモデルだ。手ぶら観光が可能になり、コロナ禍での防疫ツーリズムに貢献するとしている。

Okinawa Startup Festa 2020: Startup Pitch Awards【沖縄銀行賞】

受賞チームに、全国の地方銀行8行が毎年開催するビジネスコンテスト「X-Tech Innovation」の2020年の回において、沖縄銀行主催の沖縄地区予選への出場権を提供。

Attic Start(日本・沖縄)

Attic Start は、世界中の人々が共通の関心事や好きなことを軸に繋がることができるサービス「Paike」を開発。3月28日に仮リリースし、まもなくモバイルのネイティブアプリがリリースされる予定。世界中の人を対象にしているため UI は全て英語となっていて、ユーザが好きなことの写真をシェアし世界中から「いいね」がもらえると、どこからもらえたか世界地図上に表示される。

Image credit: IT Innovation and Strategy Center Okinawa

UC Berkeley 出身で弁護士だった創業者が、言語障壁があっても好きなことを共有できればコミュニケーションを図れることか思いたったサービス。ユーザ同士が好きなことを軸にチャットで繋がることができたり、場所や好きなことをキーに別のユーザを検索し繋がることができる。旅を促進する機能も持つが、コロナ禍であるため、現在は「好き」をテーマにオンラインミートアップを開催。

パネルセッション

イベント期間中、いくつかのパネルセッションも行われた。沖縄県知事の玉城デニー氏と台湾のデジタル担当大臣 Audrey Tang(唐鳳)氏とのセッションで、Tang 氏は「市民を信じることで、市民は信頼される行動をとる。トップダウンではなく、行政には徹底的な透明性が求められる」と語った。

Image credit: IT Innovation and Strategy Center Okinawa

星野リゾート代表取締役の星野佳路氏を招いてのセッションでは、コロナ禍において、テクノロジーを活用して観光産業がどのようにニューノーマルに適応していくべきかが論じられた。

Image credit: IT Innovation and Strategy Center Okinawa

アジア各国から30社が結集した #AEA2020 で、食品劣化を防ぐ可食フィルム開発のタイEden Agritechが優勝

SHARE:

10月27〜29日、アジア・アントレプレナーシップ・アワード2020(AEA 2020)が開催され、最終ピッチコンペティションで、タイのスタートアップ Eden Agritech が優勝した。 このイベントは、地元の NPO やインキュベータ、東京大学や三井不動産らを中心に年に一度開催されており、アジア各国から将来有望なアイデアを持った起業家が一堂に会するもので、今回はコロナ禍の移動制限のためオン…

Image credit: Asian Entrepreneurship Award steering committee

10月27〜29日、アジア・アントレプレナーシップ・アワード2020(AEA 2020)が開催され、最終ピッチコンペティションで、タイのスタートアップ Eden Agritech が優勝した。

このイベントは、地元の NPO やインキュベータ、東京大学や三井不動産らを中心に年に一度開催されており、アジア各国から将来有望なアイデアを持った起業家が一堂に会するもので、今回はコロナ禍の移動制限のためオンラインで開催された。27〜29日まで3日間をかけ、参加者はネットワーキングを楽しんだり、メンタリングを受けたりした後、ピッチコンテストで優勝の座を争った。

このコンペティションで、参加したスタートアップのピッチを審査したのは次の方々だ。

  • Michael Alfant 氏 Group Chairman and CEO, Fusions Systems Japan Group
  • 國土晋吾氏 TX アントレプレナーパートナーズ代表理事
  • Jesper Koll 氏 CEO, WisdomTree Japan
  • 山下和則氏 三井不動産 柏の葉街づくり推進部長
  • 百合本安彦氏 グローバル・ブレイン代表取締役
Image credit: Asian Entrepreneurship Award steering committee

セミファイナルにはアジア13の国や地域からスタートアップ30社が参加し、うち6社がファイナリストに選ばれた。

<関連記事>

【1位】Eden Agritech from タイ

Image credit: Asian Entrepreneurship Award steering committee

農作物の鮮度維持には従来、化学的な保存料を混入させたり流布させたりするような方法があったが、人間の健康に必ずしも良くない成分を含んでいたり、期待したほどの結果が得られなかったりすることが多かった。Eden Agritech では、自然由来の化合物で作った可食フィルム「Naturen」を開発、これを野菜や果物の噴霧・コーティングすることで、賞味期限を伸ばせるようにした。

Image credit: Eden Agritech

この技術のポイントの一つは、収穫後も呼吸している野菜や果物の呼吸を阻害しない、ということだ。これにより、従来ならば5日程度しか保存できなかったマンゴーを、Naturen の活用で15日程度にまで伸ばせたという。賞味期限を概ね2〜3倍に伸びせることで、例えば、アジアの野菜や果物の輸出業者が、ヨーロッパなど遠方にリーチできるなど市場拡大やフードロスの削減にも役立つ。

【2位】【オーディエンス賞】Nitium Technology from マレーシア

Image credit: Asian Entrepreneurship Award steering committee

歯を失った人が使うインプラントには、その材料にチタンが使われることが多い。人体に無害で組織適合性が良いためだ。ただ、多くのチタン製インプラントでは、埋め込まれた後にインプラント周囲の骨の再生と治癒に2~3ヶ月を要するため、人工歯を装着し安定して使えるようになるまで患者は苦痛を伴うものになってしまう。また、チタンは加工が難しいこともコスト高の一因となっている。

Image credit: Nitium Technology

Nitium Technology が開発したニッケルチタン化合物はチタンよりも多孔質であるため、気孔に骨が侵入して材料と強固に結合することができ、臨床試験では従来よりも6週間早く骨に定着が完了することが確認された。粉末冶金法(金属を微粉末にして焼結・加熱により形成)により、従来の60%のコストで製造が可能だ。安価なインプラントにより、歯を失ったより多くの人にソリューションを届けることを目指す。

【3位】Onesight Technology(以見科技)from 中国

Image credit: Asian Entrepreneurship Award steering committee

世界中で8割の建設プロジェクトが予算を上回り、2割のプロジェクトが予定より完成が遅れているという。建設途中で施工内容に誤りが見つかり手戻りが発生することも、そういった問題を誘発する一因だ。これらの問題を解決するため、業界では BIM(Building nformatioon Modeling)という技術が採用されるようになっている。建物の 3D モデルにメタデータを追加した建築物のデータベースを連携、建築設計、施工、維持管理までのあらゆる工程で情報活用するためのソリューションだ。

Image credit: Onesight Technology

Onesight Technology(以見科技) は BIM を開発・提供するスタートアップ。屋内では SLAM、屋外では高精度 GPS により正確な計測を実現、AR(拡張現実)モデルや IoT との組み合わせにより、建物の建築・施工・維持管理の見える化を改善し、問題箇所については自動的にプロジェクトオーナーに通知する機能も有する。2019年の SLUSH 上海で優勝。日本・中国・シンガポールで事業展開しており、日本では竹中工務店や住友商事と協業。住友商事の投資部門や Plug and Play China から出資を受けている。

【マイクロソフト賞】Brain Pool Tech from シンガポール(ファイナリスト外から選出)

Image credit: Asian Entrepreneurship Award steering committee

Brain Pool Tech は、ドローンから得られた地図データ、各所に配置されたセンサーから得られたデータ、GPS の人流データなどから、バターン認識や分析により、将来起きうる出来事のリスクや可能性を予測するスタートアップ。得られた知見の用途はさまざまで、物流の最適化、災害リスクのスコアリング、建設作業の効率化など、社会や業務の改善に役立てることができる。2019年に設立され、シンガポール国立大学のインキュベータ「GRIP」に採択された。

Image credit: BrainPool Tech

今月には、朝日放送系の ABC ドリームベンチャーズから約3,000万円をシード調達した。Brain Pool Tech と ABC ドリームベンチャーズは、神戸市多井畑西地区の里山保全・活用を目的として実証実験を行い、AI 分析モデルを用いた生物多様性の現状把握や災害リスクの特定方法などを考案、住民参加型の持続可能な里山の管理・活用を提案する計画だ。同社は現在、モビリティアクセラレータ「Move SG」と、アフターコロナソリューションを促進するアクセラレータ「Expara VirTech Global」に参加している。

【ライフサイエンス賞】Endimension Technology from インド

Image credit: Asian Entrepreneurship Award steering committee

レントゲン画像を使った際の誤診率は、インドでは30%に上るという。これは、レントゲン画像を見ることに特化した放射線科医が少ないことが一因だ。放射線科医が少ないのはインドや発展途上諸国に限った話ではなく、日本でも人口あたり放射線科医は少ないため、日本の医療界にも同様の問題は潜在している。

Image credit: Endimension Technology

Endimension Technology は、レントゲン画像の AI 診断に特化したソリューションを提供。機械学習でレントゲン画像の異常箇所を認知し指摘することができる。インドの4病院、アメリカの1団体、インドの3つの診断センターと提携し、1,400万枚の画像を AI が学習。AI as a Service として、遠隔診断をサブスクリプションモデルで提供する計画。

【日本ベンチャー学会賞】Mantra from 日本

Image credit: Asian Entrepreneurship Award steering committee

日本はマンガの世界最大の産出国だ。しかし、これを言語の壁無しに世界へ届けることは難しい。海外でも日本マンガは人気だが海賊版が大量に流通してしまっており、海賊版を手に取る人々にその理由を尋ねたところ、正式な翻訳版が無かったり、正式な翻訳版がリリースされるまでに時間がかかったりする、などを理由挙げた。マンガの翻訳は、通常の翻訳に比べプロセスが複雑であるため、コストと時間がかかってしまう。

Image credit: Mantra

Mantra は、マンガに含まれるセリフの翻訳者、翻訳されたセリフの版組み、校正者を一気通貫でつなぐ統合プラットフォームだ。セリフの読み取り、文字認識、翻訳などのプロセスには、それぞれ OCR や機械翻訳の仕組みも取り入れられ、翻訳者や版組みも最小限に抑えられている。これにより、マンガが原語である日本語版ともに、多国語版で同時発売できるようになる。従量課金制と出版社とのレベニューシェアの2つのビジネスモデルがあり、ローンチから3ヶ月で3つの出版社と契約を締結済。

<関連記事>

【IP Bridge賞】Chronoptics from ニュージーランド(ファイナリスト外から選出)

Image credit: Asian Entrepreneurship Award steering committee

Chronoptics は、飛行時間(Time of Flight)深度センシング技術(光を対象物に向けて照射し反射して戻ってくるまでの時間の違いを元に画像w生成する技術)を用いた 3D カメラソリューションを開発。ピクセルと点群データの間のギャップを埋め、利用シーンに有ったソリューションを提供する。用途はゲーム、家電、自動車、セキュリティ、産業オートメーションまで多岐にわたる。

Image credit: Chronoptics

例えば、農業分野では、果物や野菜がベルトコンベア上を移動している間に形状や大きさを把握して選別プロセスをスピードアップしたり、農場では動物の大きさや動きを測定し飼育状況を強化したりするのに使うことができる。空港や物流センターでは、以前より高速に荷物や貨物のパッケージをスキャンできるため、物流の強化に貢献できるという。国立ワイカト大学からのスピンオフ。


入賞はしなかったものの、ファイナリストに選ばれた残りの1社は次の通り。

Opsis from シンガポール

Image credit: Asian Entrepreneurship Award steering committee / Opsis

Opsis は、映像を使って、顔の表情から感情分析をリアルタイムで行う「Emotion AI」を開発。コロナ禍でテレエデュケーション(遠隔教育)やテレメディシン・テレヘルス(遠隔医療)の利用が増える中、現場の教師・ソーシャルワーカー・医師などからは、生徒や患者の感情を理解するのが難しいとの声が多い。Emotion AI は、映像越しでも相手の感情を客観的に評価するのに役立つ。

2D のカメラ映像を用いて、心理円環モデル(psychology circumplex model)で感情分析を行なっている企業としては世界で唯一だという。一般的に、感情分析では、驚き・悲しみ・恐れ・中立・不快・怒り・幸せという7つの基本ラベルを使うのに対し、Emotion AI では64,000種類の感情パターンを検知可能。民族や文化が影響する表情の違いをも吸収し、対象がアジア人でもヨーロッパ人でも正確に EQ 分析できるという。NTT や富士通らと協業している。

イタリアから新進気鋭スタートアップが参加する「Italian Innovation Day」、11月5日と6日にオンライン開催

SHARE:

今年で5回目となる「Italian Innovation Day」。筆者は2017年の第2回、一昨年の第3回、そして昨年の第4回に引き続き、このイベントの MC とチーム選抜プロセスの一部を担当させていただく。イタリア大使館の主催、イタリア貿易促進機構(ICE)、イタリア投資誘致・事業開発公社(INVITALIA)、日本貿易振興機構(JETRO)の協力を得て、11月5日と6日の17時からオンライン…

昨年の Italian Innovation Day の様子
Image credit: 日欧技術移転ヘルプデスク(EU-Japan Technology Transfer Helpdesk)

今年で5回目となる「Italian Innovation Day」。筆者は2017年の第2回、一昨年の第3回、そして昨年の第4回に引き続き、このイベントの MC とチーム選抜プロセスの一部を担当させていただく。イタリア大使館の主催、イタリア貿易促進機構(ICE)、イタリア投資誘致・事業開発公社(INVITALIA)、日本貿易振興機構(JETRO)の協力を得て、11月5日と6日の17時からオンラインで開催される。

このイベントには、イタリアのスタートアップ・ニュースメディア「Startup Business」の運営者で著名ジャーナリストの Emil Abirascid 氏が協力しており、イベント当日には、筆者と氏で、イタリアと日本のスタートアップシーンの違いについて、対談をさせていただく予定だ。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、イタリアの起業家の日本への渡航に制限があることから、今回は全てのコンテンツがイベントプラットフォーム「Eventtia」を使ってリアルタイム配信される。日本語話者向けの同時通訳の入ったコンテンツは、Eventtia を経由して Zoom で視聴できる。

前回までとのイベントと異なるのは、今回はスタートアップ16社がライフサイエンス、インダストリー4.0、循環型経済、インパクトテックの4つのカテゴリに分けられ、それぞれのカテゴリに精通したイタリアの投資家が、そのカテゴリの冒頭に概況を解説してくれる点。日本人にとっては、よりイタリアのスタートアップシーンに対する理解が進む機会となることを期待したい。

【11月5日】ライフサイエンス

このカテゴリの解説:Panakes Partners のジェネラルパートナー Diana Saraceni 氏
(Panakes Partners は、ヨーロッパやイスラエルで、医療系のアーリーステージスタートアップ出資に特化。)

  • D-Heart …… 2015年に設立されたバイオメディカルスタートアップ。創業者の一人 Niccolò Maurizi 氏は16歳の時に心筋梗塞を経験。患者が求める操作性と医師が求める心電図の信頼性を兼ね備えた、スマートフォンを使った心電図機能デバイス「D-Heart」を開発した。
  • Existo …… 人間の日常における能力をエンハンスするライトウェアラブル技術を開発するスタートアップ。大学の研究プロジェクトから始まった Sixto は、障害のある手の機能を補ったり、日常生活における手の能力をエンハンスしたりできるウエアラブル掌握テクノロジー。
  • Hypex …… Hypex は、さまざまな技術者で構成されるクリエイティブ集団。モバイルデバイスのセンサーで受信したジェスチャーやセンサーデータを処理・変換し、インタラクティブなビデオコンテンツの制作が可能なソフトウェアを開発した。
  • ICanDo …… 毎日吸うタバコの本数を減らし、最終的には禁煙に至ることを支援するメカトロニクスデバイス「LifeBox」を開発。このデバイスとスマートフォンを連携することで、禁煙を達成するためにリアルおよびバーチャルでの禁煙支援コーチングを提供する。

【11月5日】インダストリー4.0(メカトロニクス、オプトメカトロニクス、ディープテック)

このカテゴリの解説:Pariter Partners 創業者 Jari Ognibeni 氏
(Pariter Partners は、アーリーステージのディープテックや先端ソリューションを提供するスタートアップ出資に特化。)

  • Desamanera ……大型作品を制作できる 3D プリンターを製造、特にセラミック 3D プリンタに特化している。合成素材ではなく天然素材を使った「パウダーベッド」技術により、優れた柔軟性と品質を備えた、大理石でできた大型作品やオブジェクトを作ることが可能。
  • Dynamic Optics …… 顕微鏡、視覚科学、天文学、高出力レーザー、防衛などで使用されるマルチアクチュエーター適応レンズ、変形ミラー、波面センサーを製造。デフォーカス調整、レンズ収差補正、ライトシェーピングなど、最新鋭の光学系デバイスに必要な技術を提供する。
  • Phononic Vibes …… 防音や防振に特化した技術を開発。線路に沿って振動を減衰させ、低周波域の振動を最大45%低減するソリューションを開発。MetaMaterial 技術により、使用する材料や用途に柔軟性を持たせることができる。

【11月6日】循環型経済(アグリテック、グリーンアーキテクチャー、循環型ファッション)

このカテゴリの解説:ミラノ工科大学正教授 Mario Calderini 氏
(社会イノベーションが専門。イタリア大学研究・イノベーション担当大臣のアドバイザーで、2017年にイタリアが G7 サミットの議長国を務めた際には政府アドバイザーを務めた。)

  • Agricolus …… 農家や農業従事者を支援するスマート農業スタートアップ。地理的土壌マップ、植生指標付き衛星画像、表現学・灌漑・病害虫・病気予測モデル、肥料の処方箋マップなどにより、農家は投入資材(水や肥料など)の使用量を減らして収量の質を向上させられる。
  • Hexagro …… 分散型都市農業ネットワークを構想するスタートアップ。都市農業者のコミュニティを通じ、アーバンファーミングと健康的な食品へのアクセスを可能にする。モジュール式の都市農業システムを開発しており、資源供給とIoTサービスでパフォーマンスを保証する。
  • Ricehouse …… Ricehouse は、米の有機残渣を使用し、100%天然素材の建材をパートナーと共同で開発。これらの材料を使用することで、建物での冷暖房の必要を減らすことができる。有機廃棄物を価値源泉に変えることで循環型経済の形成を目指す。
  • Rifò …… 毛織物の産地として知られる、イタリア・プラート市に本拠地を置くスタートアップ。リサイクルされた繊維を使用し、洋服やアクセサリーの新興ブランドを開発。ハギレや古着をオリジナル製品と同じ品質の新しい衣服に変えることができる技術を有する。

【11月6日】インパクトテック(マーテック、スマートシティ、燃費向上、インシュアテック、インパクト金融)

このカテゴリの解説:Oltre Venture 投資マネージャー Gaetano Giuffrè 氏
(Oltre Venture は、ソーシャルエンタープライズへの投資に特化、イタリア初のベンチャーフィランソロピー基金を設立。)

  • Blimp …… デジタルアナリティクスをリアルで実現するスタートアップ。屋内外で人やクルマの流れをリアルタイム収集できるヘッドカウンターデバイスを開発した。サンプリングされた画像から60メートルの範囲で人数と構成(性別、年齢、感情状態)を抽出する。
  • Envision …… スマートシティ、IoT、グリーンエコノミーに特化したスタートアップ。電柱、ベンチ、バスシェルター、ゴミ箱などについて、スマートデザインで革新的なモデルをベースにソリューションを提供。また、都市のデータ収集、照明インフラの改善などを支援する。
  • Insoore …… 数千人からなる専門家コミュニティによるビデオ精査や損害見積により、保険会社や車両管理会社の保険金請求管理プロセスを最適化。保険金請求処理、保険の引受前および引き受け検査、車両管理、不動産管理の最適化を支援する。
  • i-TES …… 熱を保存する媒体として従来使われていた水を PCM(相変化材料)に変えることで、蓄熱システムを革新しようとするスタートアップ。地域暖房などに適用が可能。熱電池をモジュール方式で設置することができ、設計と最終用途の両方で高い柔軟性を保証する。
  • Open Impact …… インパクトマネジメントのデジタル化を目指すスタートアップ。オープンインパクトのデータベースを駆使し、意思決定者がより多くの情報に基づいた選択を支援。ソーシャルエンタープライズの経済的持続可能性を強化、資金と社会的インパクトの出会いを促進する。

スタートアップ40社を集めたオンライン採用イベント、11月にグローバル・ブレインら開催

SHARE:

独立系ベンチャーキャピタルのグローバル・ブレインは10月22日、スタートアップの採用に特化したオンラインイベントを開催すると発表している。支援先スタートアップ約40社と有望な人材のマッチング機会を提供し、採用強化に繋げる狙い。開催日は11月21日で当日は「パラダイムシフトで世界が変わる」をテーマにグローバル・ブレイン代表取締役の百合本安彦氏や、早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄氏らのなどによ…

独立系ベンチャーキャピタルのグローバル・ブレインは10月22日、スタートアップの採用に特化したオンラインイベントを開催すると発表している。支援先スタートアップ約40社と有望な人材のマッチング機会を提供し、採用強化に繋げる狙い。開催日は11月21日で当日は「パラダイムシフトで世界が変わる」をテーマにグローバル・ブレイン代表取締役の百合本安彦氏や、早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄氏らのなどによるウェビナーコンテンツも提供される。なおイベント自体の主催は日経ビジネスで参加は無料。

オンラインマッチングに参加するスタートアップ一覧

また、当日はEventHubを活用したオンラインマッチング面談が実施される。当日出展を予定しているスタートアップ40社の採用担当者とオンラインでの面談ができるもので、各社の情報を参考に事前申込が必要。時間に余裕があれば当日の参加も可能となっている。グローバル・ブレインの百合本氏はイベントの開催にあたり「不確実性の時代といわれる今だからこそ、スタートアップにも転職希望者にもチャンスが到来している」と参加を呼び掛けた。

via PR TIMES