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KDDI∞LaboがclusterでVRデモデイを開催、「5Gを接着剤に」大企業とスタートアップの協業を促す新体制を始動——協業4プロジェクトを披露

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KDDI は24日、第13期目となる KDDI ∞ Labo のデモデイを開催した。新型コロナウイルス対策のため、今回のデモデイは VR イベントプラットフォームの「cluster」を通じて実施され、その模様は YouTube Live、Facebook Live、Periscope で中継された。すべてのプラットフォームを通じての視聴者は、数百名程度に達したとみられる。KDDI ∞ LABO が…

KDDI は24日、第13期目となる KDDI ∞ Labo のデモデイを開催した。新型コロナウイルス対策のため、今回のデモデイは VR イベントプラットフォームの「cluster」を通じて実施され、その模様は YouTube Live、Facebook Live、Periscope で中継された。すべてのプラットフォームを通じての視聴者は、数百名程度に達したとみられる。KDDI ∞ LABO が cluster を使ってピッチイベントをオンライン・バーチャル開催するのは今回で2回目。

KDDI はこの日、スタートアップ向けの事業支援プログラム「5G for Startups」と事業共創プログラム「∞ の翼」を発表した。KDDI は今日3月26日から日本国内主要都市で 5G サービスをスタートさせるが、「5G を接着剤に」として、「KDDI ∞ Labo パートナー連合」に参加する大企業46社とスタートアップの協業を促す。

5G for Startups は、予算がついている大企業の商用プロジェクトにスタートアップを参加させることで、スタートアップによる 5G サービス創出を狙う。5G による既存事業のアップデートや、5Gを活用した革新的なビジネスモデル創出を目指すスタートアップを対象に公募を受け付け、選考されたスタートアップには、パートナー連合から事業支援アセットを提供する。

∞ の翼は、大企業各社で進行中の新規事業プロジェクトを公開し、各プロジェクトごとにスタートアップとの事業化を推進する共創プログラム。∞ の翼の第1弾として、「5G × コミュニケーション」「5G × 商業施設」「5G × テレビ番組」「5G×スタジアム」の4つの事業共創プロジェクトと、それに参加する大企業とスタートアップが紹介された。

5G × コミュニケーション

  • テーマ: 新たなイベント観戦、コミュニケーション体験の創出
  • プロジェクトオーナー: ミクシィ、KDDI
  • 提供アセット:マーケットイン(ミクシィ)、5G 通信環境(KDDI)

取り組み内容:

  • リアルなアバターにて、現実世界とバーチャル世界を溶け込ませる新しいエンターテインメント体験
  • 観客と主催者・演者とが、双方向でコミュニケーションし、皆で盛り上がることができる演出
  • 自宅やお店、パブリックビューイングなど、遠隔地からでも会場とインタラクション可能になる仕組み

採択スタートアップ: VRC

SNS に始まり、現在はソーシャルゲームデベロッパとしてのポジションを色濃くするミクシィだが、ポストソーシャルゲーム時代の新たなキラーコンテンツ開発を加速すべく、スタートアップとの共創を狙った「CROSS ACCELERATOR」を先日公開した。同社では、このコンテンツ開発にリアルアバター、アバターを使ったデジタルとリアルを地続きにするデジタルツインが必須と考えているようだ。

VRC は、実在する人物の全身 3D モデリングを行い、わずか20秒でリアルアバターを作る技術を有する。実際に今回のデモデイで使われた登壇者のアバターも VRC の技術を使った作られた。コストパフォーマンスを重視しており、一度取得したアバターデータを複数アプリケーションで活用できる。バーチャルフィッティング、服装コーディネート、エンタメコンテンツなどへのの適用を狙う。

5G × 商業施設

  • テーマ: 商業施設の運営効率化や新たなお客さま体験の創出
  • プロジェクトオーナー: 三井不動産、KDDI
  • 提供アセット:ららぽーと他商業施設(三井不動産)、5G 通信環境(KDDI)

取り組み内容:

  • 自律移動型ロボットを活用した、商業施設の新たな警備システムの開発
  • 5G 通信環境を活用したサービス・ビジネスモデルの開発
  • その他、商業施設の運用効率化や新たなお客さま体験の創出

採択スタートアップ: SEQSENSE

三井不動産は、ららぽーとに代表される商業施設運用部が中心となり、警備・清掃・設備保守点検などの運営コスト低減につながる事業共創案、快適なショッピング体験の創出、5G を生かしたイベントの催事向けエンターテイメントなどの提案を求めた。

2016年に設立されたロボティクススタートアップの SEQSENSE は、スターウォーズの R2-D2 のような機能性を持ったドロイドロボットを開発しており、自律移動型警備ロボット「SQ-2」は、オフィスビルのほか羽田空港にも導入された。周辺環境や自己位置の把握技術で群を抜いており、ソフトウェア、ハードウェア、アルゴリズムを一気通貫で提供できることを強みとする。

3社では、テクノロジーを駆使した安心快適な商業施設の創造を目指す。2020年度は、三井不動産所有商業施設で 5G 環境を使ったロボット警備システムを開発、2021年度以降、異常検知と連動した動作の実現、警備ロボットの屋外展開、清掃や運搬など警備以外の領域への活用を目指す。

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5G × テレビ番組

  • テーマ: テレビ番組と連動した新たなビジネスの創出
  • プロジェクトオーナー: テレビ東京
  • 提供アセット:シナぷしゅ(テレビ東京)

取り組み内容:

  • 放送番組内容と連動し、放送局としての新たな商品やコンテンツの開発に結び付く事業共創

採択スタートアップ: トラーナ、ピースオブケイク

テレビ東京は、乳幼児向け子供番組「シナぷしゅ」を制作している。子供向け番組としては、NHK の E テレ(旧・教育テレビ)が先行するが、赤ちゃん目線を徹底することでオルタナティブな位置づけを目指しており、実際に子供を持つ複数のテレビ東京社員がプロデューサーを手掛けている。テレビ東京系列の全国ネットで昨年末にパイロット版を放送、今年4月からは月〜金に本放送が開始される予定だ(午前7時35分〜午前8時、現在「朝の! さんぽ道」が放送されている時間枠)。

一方、スタートアップであるトラーナは、おもちゃのレンタルサブスクリプションサービス「トイサブ!」を提供している。月額3,340円(税抜)で、2ヶ月毎に古いおもちゃを返却し、新しいおもちゃが送られてくることが特徴。子供にどんなおもちゃを選べばいいかわからない親のために、子供の成長や2ヶ月毎の親からのフィードバックに応じて、最適なおもちゃが提案される。

テレビ東京では、シナぷしゅの視聴者で構成されたオンラインサロンをピースオブケイクの「note」を使って構築し、トラーナの協力の元、シナぷしゅ視聴者の意見を取り入れた「令和の時代の新たな知育玩具」の創出を目指す。

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5G × スタジアム

  • テーマ: スタジアムにおける新たなスポーツ観戦体験の創出
  • プロジェクトオーナー: KDDI、名古屋グランパスエイト
  • 提供アセット: 豊田スタジアム(名古屋グランパスエイト)、5G 通信環境(KDDI)

取り組み内容:

  • 試合のスタッツや観客の盛り上がり具合などをリアルタイムに可視化
  • 会場外のスペースも使い、場内と同様の熱量で観戦できる仕組み
  • 試合前や試合中に、客席からでもスマホで操作できる、双方向型のイベント演出

採択スタートアップ: ENDROLL

プロサッカーグラブを運営する名古屋グランパスエイトは、一度のゲームでに数万人のファンが訪れるスタジアムで、これまでになかった興奮の提供を模索している。新たなスポーツ観戦体験の創出により、ファンエンゲージメントを高め、より多くの顧客により深くゲームを楽しんでもらうことを狙う。

このテーマに採択された AR スタートアップの ENDROLL は、イマーシブな(没入型の)AR エンターテイメントプラットフォームを開発している。世界最大の AR コミュニティ「AWE」の東京イベントのオーガナイザーを務めるほか、先月にはタイトーと協業し、新たな AR エンターテイメントを開発することを明らかにしている。

今回の協業で、ENDROLL は、ファンによる多人数同時参加型のイマーシブエンターテイメントを開発するとした。名古屋グランパスエイトのサッカー選手たちが、サッカー選手という道を選ばなかった時のストーリーをフィクション仕立ての AR 体験コンテンツの形で提供するようだ。観戦前コンテンツを充実さえ、豊田スタジアムをテーマパーク化したいと意気込む。

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東急のアクセラレータが2019年度のデモデイを開催、スタートアップ6チームが東急グループ各社との共創事業を提案ピッチ

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東急(東証:9005)は23日、都内で同社のスタートアップアクセラレータ「東急アクセラレートプログラム(TAP)」2019年度の最終審査会を開催し、東急グループとの事業共創検討に至った6社が登壇した。なお、今回は新型コロナウイルス対策のため無観客開催、審査員は遠隔での参加となった。 東急アクセラレートプログラムは、東急グループのリソースを活用し、スタートアップにテストマーケティングの機会を提供する…

東急(東証:9005)は23日、都内で同社のスタートアップアクセラレータ「東急アクセラレートプログラム(TAP)」2019年度の最終審査会を開催し、東急グループとの事業共創検討に至った6社が登壇した。なお、今回は新型コロナウイルス対策のため無観客開催、審査員は遠隔での参加となった。

東急アクセラレートプログラムは、東急グループのリソースを活用し、スタートアップにテストマーケティングの機会を提供するのが特徴。前回のバッチからは締切を設けない通年募集、適宜共創を検討するという体制が取られている。今回からはさらにいくつかのマイナーチェンジが施され、経営メンタリングよりも東急グループ各社への事業実装を重視する形に移行、また以前は審査が毎月実施だったが、エントリから審査結果連絡までのリードタイムが2週間に短縮された。

2019年度はスタートアップ124社からエントリがあり、うち43社がプレゼン審査を通過、最終的に6社が共創検討対象(今回の登壇者)に残った。第1期からの通算での応募累計634社、うち PoC を実施した件数は30件、事業提携や資本提携を結んだのは6社で、東急グループからスタートアップへの出資総額は10数億円に上る。

対象となる領域は、交通/不動産・百貨店・スーパー/広告/ヘルスケア/ツーリズム/エンタテイメント/スマートホーム/デジタルマーケ/スポーツ/ホテル・ホステル/物流・倉庫/建設/カード・ポイント/教育・カルチャーなど17領域で、東急グループ26事業者がスタートアップとの協業を目指す。なお、次期2020年度からは、東急グループとの事業共創を前提とせず、東急グループにとっての全くの新領域も採択の対象となる。

最終審査会では、新規性、親和性、成長性、実現可能性の4つの観点で審査された。今回の最終審査会で審査員を務めたのは以下の方々だ。

  • グローバル IoT テクノロジーベンチャーズ 代表取締役社長 安達俊久氏(ゲスト審査員)
  • デロイトトーマツベンチャーサポート 代表取締役社長 斎藤祐馬氏(ゲスト審査員)
  • SBI インベストメント CVC 事業部長 加藤由紀子氏(ゲスト審査員)
  • Spiral Capital シニアアソシエイト 立石美帆氏(ゲスト審査員)
  • 東急 代表取締役社長 髙橋和夫氏(審査員長)
  • 東急 執行役員渋谷開発事業部長 東浦亮典氏(内部審査員)
  • 東急 執行役員沿線生活創造事業部長 金井美恵氏(内部審査員)

【最優秀賞】subsclife ✖️ 東急モールズデベロップメント

賞金:109万円

subsclife は、IoT 家具ブランドを展開する KAMARQ HOLDINGS からスピンオフしたスタートアップで、家具のサブスクリプションサービスを提供している。この日は、家具の購入から処分や売却まで、家具のライフサイクルを包括的にサービスとして提供できることをアピールした。

東急グループとは、法人向けには東急モールズデベロップメントが運営する商業施設に入居するテナントに対して、サブスクモデルによるインテリアや家具調達を踏まえた空間づくりの提案を行う。個人向けには、SHIBUYA 109 が監修した若年層ニーズ調査、企画開発に基づき、2種類のインテリアコーディネイトを3月下旬からサブスク家具として販売・提供する。

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【優秀賞(渋谷賞)】Balus ✖️ 東急レクリエーション

賞金:42万8,000円

Balus は、ライブエンターテイメントの分野に XR を持ち込むスタートアップだ。リモートでライブイベントが開催できるプラットフォーム「SPWN」を開発している。ライブ会場は都市圏に偏っており、週末は混雑していて予約が困難で、これは主催者であるアーティストにとっても、ファンにとっても不都合だ。また、アーティストにとって大きな収入源となるマーチャンダイズは、商品を購入した顧客情報を取得していないため、タッチポイントをその後のプロモーションに生かしきれていない。

バルスでは、VTuber の双方向ライブに代表されるアーティストのライブ中継はもとより(アプリ無し、ブラウザのみで使えるのも一つの売り)、チケット販売、マーチャンダイズ販売、DVD 販売、デジタルコンテンツ販売などを一つのプラットフォーム上に集約し、ファンにワンストップで提供できるようにする。顧客情報も集約するため、アーティストにとってもプロモーションを実施しやすく、マネタイゼーション効果を最大化できる。

昨年3月のローンチ以降、2019年には東京・大阪・福岡・札幌・福岡・上海・タイをはじめとして、69回のライブイベントを開催。これまでに45,000人がユーザ登録しており、平均単価15,000円、1イベントで最大3,800万円を売り上げた実績がある。東急レクリエーションとは、大阪や川崎のシネコン「109 シネマズ」で実施してきたライブイベントを全国拡大していくという。ライブイベント開催にあたって専用線敷設が必要なく、機材も PC のみで充足することから、主催者にとってのハードルが大幅に下がるという。

【二子玉川賞】LUUP ✖️ 東急電鉄

賞金:25万円

LUUP は、マイクロモビリティを都市に実装しようとする MaaS スタートアップだ。街のあらゆる場所にモビリティ機器を借りたり返したりできるポートを配置し、高齢者も含め全ての人が安全かつ便利に利用できるモビリティのプラットフォーマーになることを目指している。

現在は、マイクロモビリティを普及させるための素地づくりとして、電動キックボードの規制緩和(多くの先進国と異なり、日本やイギリスでは電動キックボードへの交通法規の適合化が進んでいないため、原付バイクと同じ扱いになる)やシェア事業としての実証実験(不動産オーナーと関係性を作りポートを整備、モビリティが所構わず放置されないための環境づくりなど)に注力、半年間で7つの自治体と連携した。

先頃、LUUP はマイクロモビリティ分野の複数プロバイダを集めた業界団体「マイクロモビリティ推進協議会」を設立し、LUUP の岡井大輝氏が代表に就任。LUUP は現在、警察庁の認可のもと一部公道での実証実験や、国の特定制度下(サンドボックス)での実証実験を行っている。東急電鉄とは、MaaS 実装、不動産連携、スマートシティ分野での協業を目指す。「東急線・東急バス サブスクパス」との連携、ベトナムで東急が開発するスマートシティ「東急ビンズンガーデンシティ」への実験導入などを行う。

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【SOIL 賞】空 ✖️ 東急ライフィア

賞金:10万円

は、ダイナミックプライシングによるホテルの価格設定支援サービスを提供している。同社の「MagicPrice」は、ホテルが周辺の競合ホテルとの比較や過去データに基づいた需要予想にも基づき、機械学習で最適な価格をリアリタイム計算。計算された価格は、自社サイトのほかサイトコントローラを経由して、旅行予約サイトや OTA にも自動反映できるしくみだ。東急グループでは東急ホテルズが運営する一部ホテルで MagicPrice が採用されている。

空では、東急グループとは、ダイナミックプライシングが適用可能な不動産(特に駐車場は在庫が持ち越せない点で、ホテルとビジネスモデルが似ている)、モビリティや観光(レンタカーやツアー旅行なども、ホテルと同様、需要に連動して価格が変動する)などへのダイナミックプライシング適用を検討。なかでも東急グループ傘下でコインパーキングを運営する東急ライフィアと協業し、コインパーキングへのダイナミックプライシング導入の実証実験を図るとした。

空は、先頃、披露された NTT 東日本のアクセラレータ「LIGHTnIC(ライトニック)」第3期においても、NTT グループ傘下のコインパーキング運営会社 NTT ル・パルクと同様の実証実験を行うことを明らかにしている。

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【SOIL 賞】SELF ✖️ 東急百貨店

賞金:10万円

AI スタートアップの SELF は、B 向けのコミュニケーション AI を開発している。小売事業向けの販売自動化システム「SELF LINK」では、リアル店舗でベテラン店員が接客するような体験をオンラインショップで再現することができる。ユーザの好みや特性を徹底的に理解し、他方、商品の特性も解析することで最適なマッチング提案を行う。

東急百貨店との協業では、4月13日からオンラインショップに導入される予定で、母の日商品、ギフト、ワインの商品カテゴリで、販売員に代わって SELF LINK が顧客と対話、売り場を的確に案内し、顧客が関心を示しつつも意外性のある商品の提案を行うことを目指す。オンラインショップにおけるコンバージョンレートの向上を狙う。

顧客の特性みならず、商品の特性も解析した上で双方マッチングするプロセスについては、「Okinawa Startup Program」の直近バッチで輩出された awoo(阿物)の取り組みにも似ているかもしれない。

【SOIL 賞】FUN UP ✖️ 東急百貨店

賞金:10万円

FUN UP は、スマホ上でパーツやデザインを選ぶだけでオリジナルアクセサリーが作成でき、それをプラットフォーム上で売買できる、ものづくりマーケット「monomy(モノミー)」を運営。ユーザは自らデザインした作品が売れると、販売代金の10%を獲得することができ、新たなデザインを生み出すモチベーションにつながる。

企画〜生産〜カスタマーサービスまで通常であれば2ヶ月を要し、発注の最低ロットのため余剰在庫を抱えることを余儀なくされるが、monomy を使えば工程を半分以下に効率化でき最短で1週間にまで短縮が可能。少ロット多品種を扱うことが可能になることから、最近はインフルエンサーによるオリジナル D2C ブランドに注力、ここ半年で70以上のアクセサリブランドを立ち上げた。

東急百貨店との協業により、今年5月に渋谷ヒカリエ ShinQs で OMO(Online Merges with Offline)の実証実験を複数展開する予定。サステイナブル素材(パーツに端材などを活用)を使ったアクセサリの店頭販売、在庫なし・BTO デリバリ方式による人気インフルエンサーの D2C ブランドアクセサリの店頭販売などを開催予定。

百貨店によるオンライン D2C ブランドのリアル進出支援では、丸井グループ(東証:8252)が先月、新会社 D2C&Co.(ディーツーシーアンドカンパニー)を設立したニュースが記憶に新しい。

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SparkLabs Taipeiがアクセラレータ第3期のデモデイを開催、IoTコーヒーメーカーやアプリ無しチャットソリューションなど8チームを披露

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台湾のアクセラレータ SparkLabs Taipei は11日、アクセラレータプログラム第3期のデモデイで、スタートアップ8チームを発表した。これらのスタートアップは、遠隔医療から事業用 AI、IoT まで、さまざまな業界でソリューションに取り組んでいる。 YouTube の共同設立者 Steve Chen(陳士駿)氏、台北市副市長の Huang Shan-shan(黄珊珊)氏、科技部副司長の …

台湾のアクセラレータ SparkLabs Taipei は11日、アクセラレータプログラム第3期のデモデイで、スタートアップ8チームを発表した。これらのスタートアップは、遠隔医療から事業用 AI、IoT まで、さまざまな業界でソリューションに取り組んでいる。

YouTube の共同設立者 Steve Chen(陳士駿)氏、台北市副市長の Huang Shan-shan(黄珊珊)氏、科技部副司長の CY Tu(涂君怡)氏ら著名人がこのイベントで講演した。

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SparkLabs Taipei のベンチャーパートナー兼アドバイザーでもある Chen 氏は、次のように述べている。

「トラクションとリソースを増やしてから、国際市場へ展開しようと思う」と言う台湾の起業家に多く会う。でも、新市場へと国境を越えることは、考えているほどコストもかからなければ、困難でもない。(中略)

SparkLabs Taipei は、起業家が初日から国際市場をターゲットにすることを奨励している。それが台湾の起業家が持っているべきマインドセットだ。

以下は、8つのスタートアップの略歴だ。

iDrip(艾聚普)

iDrip(艾聚普)は、世界チャンピオンのバリスタが持つテクニックを再現する IoT コーヒーメーカーを開発した。2018年創業の iDrip は、既にこのコーヒーメーカーを2,000台販売している。現在、マセラティ、アウディ、蔦屋書店などの高級ブランドと提携している。

Terminal 1

Terminal 1 は、テクノロジー特化の人材採用会社だ。自動化により、企業と採用候補のエンジニアをプラットフォームを通じてマッチング支援する。同社は、パーソナライズ評価により、質の高い候補者をフィルタリングする。2016年に創業した Terminal 1 は、台湾と香港で20人の社員で構成。顧客には、クレディスイスや HSBC などがいる。

Cocomelody(商艾妮亜)

Cocomelody は、オムニチャネルの小売体験を提供し、ウェディングドレスの購入方法の変革を狙うグローバルブライダルブランドだ。パーソナライズ、価格、テイラーメイドなどに優れた D2C モデルを展開する。同社は受注生産型のプラットフォームを備えており、発注から完成までのリードタイムを業界平均の4〜6ヶ月から45〜60日に短縮している。

PenguinSmart(啓児宝)

PenguinSmart(啓児宝)はプラットフォームを通じ、一人一人にカスタマイズされたリハビリ療法の提供を可能にする。専門家の洞察を備えたデータサイエンスを活用し、療法士が提供するリハビリ療法の有効性向上を支援する。同社のプラットフォームを使えば、療法士は通常時の8倍の患者をケアできるようになるという。米オンラインメディア「Disruptor Daily」が選ぶ「ディスプティブな看護企業トップ10社(2017年版)」に採択された。

MoBagel(行動貝果)

MoBagel(行動貝果)は機械学習を使用して、自分自身で正しい意思決定をしたい企業向けに、迅速で実用的な予測を作成する。コア製品の一つ「Decanter AI」を使えば、基本的なデータ分析の知識を持つ人なら誰でも機械学習モデルを構築して展開でき、ビッグデータを活用した意思決定プロセスを数日までに短縮可能。顧客は小売業、製造業、銀行、テレコムなどで、2019年には500万米ドル以上を売り上げた。

FunTek(楽堤科技)

FunTek(楽堤科技)はアプリを使用しないチャットソリューションプロバイダーで、QR コードをスキャンするだけで直接やり取りし、企業は顧客やり取りしたり、関係性を高めたりできる。ダイレクトチャットソリューション「PinChat」を使うと、顧客は新しいアカウントを登録したり、アプリをダウンロードしたりすることなく、企業とやり取りできる。銀行、3C 小売、製薬業界などが利用。プロダクトローンチから1ヶ月で、QR コードが3万回スキャンされた。

JustKitchen(軒饌廚坊)

JustKitchen(軒饌廚坊)は、ハブ&スポーク型のインフラストラクチャモデルにより、インターネット上でのデリバリ専門フードブランドや料理を作成・収集するクラウドキッチン、またはダークキッチン(ゴーストレストランとも言う)を展開。Dan Ryan、Smith & Wollensky、TGI Friday’s のようなトップレストランと協業を始めている。台北市内に約450坪のキッチン設備を持ち、年内にスポークキッチンを5ヶ所、デリバリ専門ブランドを7つ立ち上げる計画。

VAR LIVE(維亜娯楽)

VAR LIVE(維亜娯楽)は、すべてのプレイヤーを夢中にさせるエンターテイメント体験を提供。主要製品である「VAR BOX」は、e スポーツ、コミュニティ、エンターテイメント、ビジネスアプリケーション、トレーニングを一つに統合したオールインワン VR e スポーツソリューションだ。現在、特許技術を14件保有し、e スポーツゲームを9つリリースしている。世界中で実験店舗30軒、VR テーマパーク開発5ヶ所に携わり、この4ヶ月間で VAR BOX を9ヶ国で327台展開した。全世界にアクティブメンバーが3万人いて、累積で17万回以上利用された。


これまでに SparkLabs Taipei のアクセラレータプログラムから輩出されたスタートアップ18チームのうち、70%は後続の資金調達に成功している。後続資金を出資した投資家には、台湾の政府系ファンドである行政院国家発展基金 NDF(National Development Fund)、500 Startups、NEC キャピタルソリューション、Hive Ventures(蜂行資本)などがある。

なお、このデモデイにおいて、SparkLabs Taipei が Taipei Smart City Office(台北智慧城市專案弁公室)の戦略パートナーとなったことが発表された。SparkLabs Taipei のアクセラレータプログラム第1期から輩出された FOX-TECH(福客斯資訊)が既に Taipei Smart City Office と協力し、台北市北部の内雙溪森林自然公園で気温や湿度のモニタリングを行っている。

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沖縄を代表する大企業5社、「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催——日本・韓国・台湾からスタートアップ11チームが参加

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琉球銀行(東証:8399)、沖縄タイムス、沖縄セルラー(東証:9436)、沖縄電力(東証:9511)、日本トランスオーシャン航空(JTA)の5社は29日、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催した。このプログラムは3年前に琉球銀行が単独で運営を開始、2回目からは主催者に沖縄タイムスが加わり、通算4回目となる今回から、沖縄…

Image credit: Okinawa Startup Program

琉球銀行(東証:8399)、沖縄タイムス、沖縄セルラー(東証:9436)、沖縄電力(東証:9511)、日本トランスオーシャン航空(JTA)の5社は29日、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催した。このプログラムは3年前に琉球銀行が単独で運営を開始、2回目からは主催者に沖縄タイムスが加わり、通算4回目となる今回から、沖縄セルラー、沖縄電力、JTA が加わった

Image credit: Okinawa Startup Program

今回の4回目のバッチには合計11チームが参加、国内8チームに加え、台湾政府の工業技術研究院(ITRI)傘下のスタートアップ支援組織 Taiwan Tech Arena(TTA)の推薦で台湾スタートアップ2社、韓国・済州(チェジュ)創造経済イノベーションセンターからの推薦で韓国スタートアップ1社も参加した。なお、今回のデモデイは、コロナウイルスの影響により、海外や沖縄県外のスタートアップはオンライン登壇、無観客での開催となった。

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以下に参加全チームの発表内容を紹介する。

Plazma(日本・沖縄)

Image credit: Okinawa Startup Program

沖縄県糸満市に本拠を置くプラズマは、画像解析やセンサーを使ったIoT ソリューションを開発するスタートアップだ。これまでに、鶏舎やハウス栽培向け向けの環境値計測モニタリングシステム、豚舎向けの画像モニタリングシステムなどを開発している。豚舎向けの画像モニタリングシステムで使われている画像解析技術を応用し、同社では駐車場の不正利用を検知する仕組みを開発した。

Image credit: Okinawa Startup Program

許可されていない者の駐車があると、駐車場に設置されたカメラの画像をもとに検知する。逆に、許可したユーザに柔軟な利用機会を与えることも可能。例えば、営業時間以降の銀行駐車場、営業時間前の居酒屋駐車場の顧客以外への利用機会提供など。現在、沖縄県下2大学の学生組織と実験中。運転代行や宅配最適化サービスと連携し拡大を目指す。5年以内に3万台分の駐車場への提供が目標。

awoo/阿物(台湾)……台湾・工業技術研究院(ITRI)の推薦

Image credit: Okinawa Startup Program

awoo は、東京・台北・嘉義(台湾南部の都市)に拠点を置く、MarTech(Marketing Technology)スタートアップだ。リアルな商品購入シーンで店員が顧客が興味を持ちそうな商品を勧める行動を、e コマースで実現しようとしている。顧客に商品を勧めるには、顧客と商品双方の属性をマッチングする必要があるが、従来の MarTech は顧客理解に終始するものが多かった。

Image credit: Okinawa Startup Program

awoo が開発した AI カリスマ店員「nununi」は、商品説明文から AI がコンテキストを理解し、商品に対してさまざまなタグづけを行う。これを顧客属性とマッチングさせることで最適な商品をレコメンドし、e コマース販売者はアップセルを望める。これまでに台湾では、台湾版 LINE、台湾楽天、Jamshopping など約13,000社が導入。ランディングページや SEO の自動化も提供する。

FunLife(日本・東京)

Image credit: Okinawa Startup Program

FunLife は、AR を使ったエクササイズプラットフォーム「LIFEcise」を開発。リアルなスポーツジムにさまざまな理由で通えない、通わないユーザを対象に、自分の生活動線の中で飽きないエクササイズ環境を提供。映画やゲームなどで用いられるモーションデータ(モーションキャプチャ)技術を応用し、ユーザの動きとインストラクターの動きを重ねて投影する「ARC Mirror」を使う。

Image credit: Okinawa Startup Program

LIFEcise は、ARC Mirror を通じて、バリエーション(エクササイズやインストラクションの種類)の豊富さ、ゲーミフィケーション、パーソナライゼーションにより、ユーザが身体を動かしたくなる思いを誘う。空手、ヨガ、ストレッチ、ミニゲームなどのインストラクションコンテンツは監修元との提携により提供。オフィス、老人ホーム、フィットネスなどへの設置を目論む。

沖縄セルラー電話とは、同社提供の健康アプリ「JOTO ホームドクター」とのデータ連携の可能性を協議中。

DiveBnB/다이브비앤비(韓国)

Image credit: DiveBnB

DiveBnB は、ダイバーのためのオンライン旅行代理店(OTA)。スキューバダイビングを楽しみたい人とっては、現地までの交通や宿は既存の OTA で手配できても、ダイバーショップなどの検索や予約は別手順を踏む必要があり煩雑だ。DiveBnB を使えば、宿泊先のダイビング施設情報を簡単に調べられ、一連の手順をワンストップで提供する。宿泊施設からの広告費と手数料でマネタイズ。

Image credit: DiveBnB

ダイビング好きの人は、国から国へと移動しながら旅行する人が多くのも特徴で、朝早くにチェックインして潜り始め、夜になる前にはチェックアウトして次の目的地へ移動する、という人も少なくない。通常の宿ではアーリーチェックインとなるわけだが、ダイバー向けの宿では割引料金を適用することも多く、DiveBnB はそういったニーズにも対応する。

LUUP(日本・東京)

Image credit: Okinawa Startup Program

LUUP は、マイクロモビリティを都市に実装しようとする MaaS スタートアップだ。街のあらゆる場所にモビリティ機器を借りたり返したりできるポートを配置し、高齢者も含め全ての人が安全かつ便利に利用できるモビリティのプラットフォーマーになることを目指している。インバウンド需要(日本人は人口減少、海外旅行客は増加)、買い物難民の解消、まちの中の回遊性向上を狙う。

Image credit: Masaru Ikeda

同社は Okinawa Startup Program への参加を通じ、名護市のカヌチャベイリゾートで実証実験に着手し、OIST Innovation Square(沖縄科学技術大学院大学のアクセラレーション施設)に入居。琉球銀行からアントレプレナーシップラボ沖縄(ESLO)の紹介を受けたほか、JTA の紹介で先月開催された ResorTech Okinawa(おきなわ国際見本市)に出展を果たした。

また、沖縄タイムスの紹介により、北中城村の大型ショッピングモール「イオン沖縄ライカム」での協業を模索中。

琉球ミライ(日本・沖縄)

Image credit: Okinawa Startup Program

琉球ミライの創業者である野中光氏は、浦添にある JICA 沖縄のカフェテリアで出会ったケニア人に、「滞在3ヶ月目にして、JICA 職員を除けば、あなたが初めて会った沖縄の人だ」と言われて驚いた。沖縄には120カ国ほどの国々の人が暮らしているが、沖縄現地の人と溶け込む機会が無い人もいる。一方、沖縄の人にとってはお金や時間をかけず、留学体験をしてみたいことへの関心がある。

Image credit: Okinawa Startup Program

そこで考えられたのが「まちなか留学 Hello World」だ。沖縄の人が短期的に海外出身のホスト宅を訪れることで、海外の文化・言葉・料理・習慣などを学ぶことができる。ホームステイの逆バージョンと捉えることもできるだろう。現在、20カ国30世帯ほどのホストファミリーがいて、ユーザは120名程度。ユーザは1回16,500円または年間8回参加で11万円を琉球ミライに支払う。

Sassor(日本・東京)

Image credit: Okinawa Startup Program

Sassor は2010年に創業、AI と IoT を活用したエネルギーの最適制御を開発してきた。現在はセンサデータ等の分析やセンサーとクラウドサービスのパッケージなどを提供する。政府が太陽電池をはじめ再生エネルギーの普及を促進すべく導入した固定価格買取制度(FIT)は2019年11月以降、ユーザによって終了を迎え始めた。これにより、再生エネルギーの電力会社への売電価格は、平均1kwh42円前後から8円前後へ5分の1に下落してしまう。

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一方、電力会社の買電価格は平均1kwh24円前後であることから、太陽電池保有者にとっては、FIT 終了後は発電した電力を自家使用することが最も経済的な選択肢となるが、太陽電池の発電量と自家使用の需要量に応じて、蓄電池での充放電、電力会社への売買電の量を最適化することが重要。同社の最適制御ソリューション「ENES」は、翌日の天気予報などをもとに充電量を制御し、蓄電池の経済効果を最大30%向上。今後はハウスメーカー数社の住宅への導入を予定しており、バーチャルパワープラントの開発にも着手。

KuKatsu(日本・沖縄)

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KuKatsu は、人口比飲食店数最多の沖縄県内で出前代行を提供するスタートアップ。UberEats に代表される飲食店と配達員をマッチングする登録制のプラットフォームとは異なり、KuKatsu では配達員を自社社員として雇用し、採用前面接やトレーニングを行うことでサービスの品質を担保する。

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一般的に出前代行サービスに関わるトラブルは、宅配時間が遅い、届けられた商品が崩れていたなど宅配員に起因するものが少なくないが、顧客にとっては飲食店の商品を受け取っていることから、当該の飲食店に対するイメージダウンに繋がりやすい。KuKatsu では、注文を受けてから40分以内の配達を保証し、配達員が内容物に触れていないことを証明する食品保護シールを導入している。

Yajan Tech/雅匠科技(台湾)」……台南市政府の推薦

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Yajan Tech は、企業がさまざまな AR(拡張現実)アプリケーションを開発しやすくプラットフォームを提供している。製品としては、人の顔から表情検出をする SDK「AR Smile」、自動販売機向け表情検出、バーチャルショッピングの「Global AVR」、メイクアップせずに効果を擬似体験できる化粧品メーカーや店舗向けの「AR Cosmetics」など。

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例えば、AR Smile は年齢、性別、特性、感情などを特定でき、店舗でのマーケティングに活用可能、Global AVR ではニューヨークでのショッピングを家にいながら疑似体験できる。ユーザには、NTT、GMO、資生堂、大学眼鏡、新光三越などがいる。

EF POLYMER(日本・沖縄)

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EF POLYMER は、OIST に在籍するインド人研究者が立ち上げたスタートアップで、ポリマー(高分子吸収体)を活用した水不足地域における農業生産性の向上を狙う。同社の EF POLYMER は植物の根の部分の土壌に混ぜることで、根の周辺に10〜20日間にわたり水を保持することが可能となる。砂漠や雨量の少ない地域でも、農作物を安定的に供給できるようになる。

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しかも、EF POLYMER の原料は食品廃棄物であるためフードロス問題の解消に繋がる。土壌の中で使用すると、水を保持する機能を果たした後は植物にとって肥料となり、最終的にオーガニックに分解されるため環境負荷にもならない。同社では事業拡大に向け、協業できる企業を求めている。

RInnovation(日本・東京)

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RInnovation は、さとうきびの搾りカスであるバガスを活用したサーキュラーエコノミーの形成を狙う。沖縄県はさとうきび生産量国内第一位で、同県の基軸産業の一つとなっているが、一方で、砂糖製造時に大量に輩出されるバガスをどう処分するかが悩みの種となっている。これまでにも、バイオエタノール、バイオ発電、パルプ生成、焼却燃料などに使われているが、コストの問題もあり、多くは使いきれず廃棄されているものがほとんどだ。

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RInnovation は、バガスに付加価値を持たせるべく衣料、染料、食品など新たな商品開発に取り組んでいる。環境問題の解決に役立つエシカルなビジネスモデルを生み出し、得られた利益をさとうきび産業(農家や製造会社)に還元、さとうきび産業全体の底上げを狙う。生産された新商品は年間1,000万人訪れる沖縄の観光客への販売を念頭に置いており、JTA などから支援を受ける見込みだ。

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東京都、都政課題解決に向けたピッチイベント「UPGRADE with TOKYO」第2回を開催—-アグリテックスタートアップ5チームが協業アイデアを披露

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東京都は昨年末から概ね隔月の頻度で、都政課題解決に向けたピッチイベント「UPGRADE with TOKYO」を開催している。ヤフーの代表取締役社長や取締役会長を務め、昨年から東京都副知事として Society 5.0 施策の推進や都政改革に関する都政への助言を担当する宮坂学氏を中心に、地方自治体とスタートアップのオープンイノベーションの可能性を模索、VC や企業等との交流の場を創出する活動の一つ…

Image credit: Bureau of Industrial and Labor Affairs, Tokyo Metropolitan Government

東京都は昨年末から概ね隔月の頻度で、都政課題解決に向けたピッチイベント「UPGRADE with TOKYO」を開催している。ヤフーの代表取締役社長や取締役会長を務め、昨年から東京都副知事として Society 5.0 施策の推進や都政改革に関する都政への助言を担当する宮坂学氏を中心に、地方自治体とスタートアップのオープンイノベーションの可能性を模索、VC や企業等との交流の場を創出する活動の一つだ。

昨年12月の第1回「観光」に続き、先週21日に都内で開催された第2回は「農業」をテーマに据え、全国から5つのスタートアップを招いた。各社は、東京農業を持続・発展させるための先端技術を活用したスマート農業の実現、東京産農産物の魅力発信・ブランド化のための効果的なプロモーション、高付加価値化に向けた東京産農産物を活用した加工品の開発・鮮度保持技術などをテーマにしのぎを削った。

<情報開示> 本稿は筆者は、主催者からの依頼により、当該イベントの審査員の一人を務めた。

このピッチイベントで審査員を務めたのは

  • 池田将(小誌 共同創業者 兼 シニアエディタ)
  • 小池聡氏(ベジタリア 代表取締役社長)
  • 菅原晶氏(三井不動産 ベンチャー共創事業部長)
  • 中村陽一氏(立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授、立教大学社会デザイン研究所所長)
  • 前川英麿氏(プロトスター 代表取締役 CEO)
  • 上林山隆氏(東京都産業労働局 農林水産部長)

【優勝】PLANT DATA

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PLANT DATA は、愛媛大学と豊橋技術科学大学が持つ技術シーズをルーツとする大学発アグリテックベンチャー。植物生体情報(光合成や蒸散のリアルタイムデータ、クロロフィル蛍光など)の計測と解析、活用に関するサービスを提供するプラットフォームを開発。農産物をセンシングし、得られたデータを生産者にフィードバックすることで、農業における機会損失の排除を狙う。

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同社は、Society 5.0 対応の植物生産の方法として、家庭用水耕栽培キットと、アプリと連携させたデジタルツインによるサービスの個人向け導入を提案した。プロ農業においては生産量確保などの理由で栽培環境要素を変化させるような挑戦は難しいが、個人であればトライアンドエラーが容易であるため、プロ農家が体験できないのような知見を集められるのでは無いか、とした。

<関連記事>

MD-Farm

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新潟に拠点を置く MD-Farm は、イチゴのアーバンファーミングの仕組みを東京都内で導入することを提案。同社が開発した LED を使った水耕栽培が可能な閉鎖型植物工場は、水と電力が確保できればあらゆる場所で導入可能で環境を選ばない。収穫はロボットによる自動化、栽培棚を5段階することで単位面積あたりの収穫高も圧倒的な改善が可能になる。

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イチゴの本来の旬は春〜夏だが、国内で栽培されるイチゴの多くは、ケーキ需要に合わせ冬に収穫されるため、夏場に流通する国産イチゴは少なく、輸入イチゴしか入手できない。地産地消のイチゴをほぼ完全自動で生産することで、フレッシュで大きなフードマイルを必要としない適正価格で提供することを目指す。先日、日本市場に参入を表明した Infarm のイチゴ版と言える。

セツロテック

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セツロテックは、徳島大学発のゲノム編集ベンチャー。他大学や研究機関らと連携し、畜産物の高付加価値商品、生産性向上、独自ブランド開発を目的としたゲノム編集プラットフォームサービスを提供している。遺伝子組み換えや、従来の育種法(自然交配の繰り返し)とは異なる、ゲノム編集による効率的な畜産物の新種開発を支援する。

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セツロテックでは生産者へのヒアリングから、仔をたくさん産み肉付きが落ちない品種、予定したタイミングで出産する品種の需要を把握しているが、従来方法ではこのようあ品種の開発が難しいため、ゲノム編集技術が応用が期待できいる。東京には TOKYO-X(豚)、東京しゃも、秋川牛といったブランド銘柄が存在し、これらをはじめ東京の畜産業へのゲノム編集技術の適用を進言した。

ファーム・アライアンス・マネジメント

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ファーム・アライアンス・マネジメントは、グローバル GAP(農産物の安全管理基準)の取得を支援する会社。スマートフォンだけで生産情報管理ができる「Farm Records」を開発・提供している。Farm Records を導入することで、消費者にはフードトレーサビリティの機能を提供できる上、生産者と消費者のエンゲージメントを高める効果もある。

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都心部特有の作付け面積が比較的小さい農作地において、データドリブンでスマートな農業を支援することにより、従来型農業との差別化を支援する。消費者が購入した農作物に付されたバーコードから生産者が判明するだけでなく、将来は、どの畑でいつ植え付け・収穫されたかや、その農作物を使った料理が紹介できるようレシピサイトとの連携も計画している。

プランティオ

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プランティオは、AI により野菜栽培を最適化する IoT プランター「PLANTIO HOME」の開発や「シェア型コミュニティファーム」を運営。農業とエンタテイメントを結びつけたアグリテイメントという造語を作り出し、一般消費者がみんなで育てて食べることをテーマに、それを可能にするソリューションを提供している。

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土に挿すことで、日照、気温、空気湿度、土中温度、土中湿度、192°カメラを備えた「grow_connect」は、誰でも野菜栽培を簡単にできるようにする IoT + AI センサー。アプリ経由で「水がありません」「間引きをしましょう」などたゲーミフィケーションによりユーザにアクションんを促す。収穫期が近づくと、近隣の野菜が持ち込める飲食店からリコメンドを受ける機能も備える。

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なお、昨年末に開催された「観光」をテーマにした第1回では、優勝したオンラインマップ作成サービスの「Stroly」が東京都担当者とアイディエーション中、登壇したうちの一社である空き情報サービスの「VACAN」は、都庁展望台の空き状況提供、「TOKYO Data Highway」の中心となる西新宿での協業に向けた話し合いを東京都と始めたという。第3回となる次回は、水産の分野で東京の水産業に提言が行えるスタートアップが集められる予定。デモデイは3月26日、東京・丸の内の Startup Hub Tokyo で開催される。

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世界的ピッチコンテスト「Get in the Ring」の大阪予選が開催——農産物輸出促進の日本農業、不安緩和AIフレンド開発のHoloashが世界決勝へ

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Get in The Ring はオランダで2012年に始まったピッチコンペティションだ。ピッチをボクシングに見立て、スタートアップはバリュエーションによりライト級・ミドル級・ヘビー級に分かれ、リング上でピッチでの対戦に臨む。それぞれの級で選ばれた各都市予選の勝者は、年に一度の世界決勝に出場できる。 これまでの世界優勝者には、 Ant Financial(螞蟻金融)が2016年に1億米ドルで買収し…

Image credit: Osaka Innovation Hub

Get in The Ring はオランダで2012年に始まったピッチコンペティションだ。ピッチをボクシングに見立て、スタートアップはバリュエーションによりライト級・ミドル級・ヘビー級に分かれ、リング上でピッチでの対戦に臨む。それぞれの級で選ばれた各都市予選の勝者は、年に一度の世界決勝に出場できる。

これまでの世界優勝者には、 Ant Financial(螞蟻金融)が2016年に1億米ドルで買収した、眼球の血管パターンによるバイオメトリクス認証のスタートアップ EyeVerify(アメリカ)、アバターによる手話通訳スタートアップ  MindRocket(ヨルダン)、人間の尿から土壌改良のためのバイオ煉瓦を作り出す Liquid Gold(南アフリカ)など有望スタートアップが名を連ねる。

大阪では、Osaka Innovation Hub が2016年から予選イベントを開催するようになり、20日の夜、今回で4回目となる予選が開催された。コロナウイルスの影響で無観客イベントとなったが、日本内外からライト級7チーム、ミドル級6チームが会場に集まった。ライト級とミドル級のそれぞれの予選優勝者には、6月2〜4日、カナダのモントリオールで開催される世界決勝への出場権が提供される。

このイベントで審査員を務めたのは、

  • 潮尚之氏(ITPC=International Technology Partnership Center プリンシパル)
  • 小田嶋アレックス太輔氏(EDGEof co-CEO)
  • Tim Miksche 氏(ドイツスタートアップ協会日本代表)

レフェリーは、Nathan Bryan 氏(ガイジンズ 代表取締役) が務めた。

本稿では、ミドル級とライト級それぞれの優勝チームを紹介したい。

<ミドル級優勝> 日本農業

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日本農業は2016年、マッキンゼー出身の内藤祥平氏と学生時代の友人によって設立された農業スタートアップ。東南アジアに日本のプレミアム果物や野菜を輸出、ライセンス生産などを行う。タイでりんごブランド「Doscoy(ドスコイ)」を発表、また、インドネシア、タイ、フィリピンの3カ国においては、同社のりんごブランド「Essence(エッセンス)」が日本産りんごで市場シェアトップを誇る。2017年にシードラウンドでオイシックス(当時)から4,000万円を調達、昨年11月には、シリーズ A ラウンドでデンソー(東証:6902)やオイシックス・ラ・大地(東証:3182)から約8億円を調達している。

<ライト級決勝> Holoash

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Holoash は、ADHD (注意欠陥・多動性障害)を持つ人を対象として、キャラクタとの会話を通じて自己肯定感が上がることを狙う「モチベーション・インタビューイング」あるいは「セラピューティックコミュニケーション」というアプローチで、問題解決を試みるスタートアップ。ストレスや不安を和らげてくれる AI フレンドの開発している。これまでに、エンジェルラウンドで、INDEE Japan、曽我健氏(SGcapital)、芝山貴史氏(BLANQ)、小笠原治氏(ABBALab)から資金調達している。 <関連記事


ミドル級とライト級それぞれのセミファイナリストは次の通り。

<ミドル級>

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  • Quantum Operation(東京)……光センサーで血糖値を取得するウェアラブル端末「バイタルバンドVer2」の開発 <関連記事
  • QueQ Thailand(タイ)……デジタル支払いが可能な仮想チケットプラットフォーム <関連記事1><関連記事2
  • HACARUS(京都)……解釈性の高いスパースモデリング技術を開発、Deep Learningの大量データ問題を独自の AI システムで解決 <関連記事1><関連記事2
  • MiCAN Technologies(京都)……マラリアやデング熱といった感染症の研究者に製造の難易度が高い血球細胞を提供
  • EAGLYS(東京)……AI × 秘密計算の研究開発を行い、企業のデータ資産の活用を進める

<ライト級>

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  • IPPLUS Technology/叡加科技(台湾)……スタートアップが知的財産を作成、管理、商業化するためにカスタムされたシステム
  • funky jump(宮城)……コワーキングスペースに特化した顧客管理システム <関連記事
  • WTF – Where’s The Food(インド)……レストランやカフェなどで、ウェイターを呼ばずに自分の携帯電話端末から商品を注文できるサービス
  • Toii/踢歐哎哎(台湾)……拡張現実(AR)と LBS(位置情報サービス)を使ったゲームの開発
  • MILE SHARE(北海道)……世界の航空会社の活用できるポイント・マイルの、シェアリングサービス
  • Root(神奈川)……はたけを遊ぶ!スマート体験農園システム開発
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Monozukuri Hardware Cupでファイナリスト8チームがピッチ登壇—独立型交流電池を開発するAC Biodeらが、米本家イベント決勝参加権を獲得

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Kyoto Makers Garage を運営する Monozukuri Ventures は13日、京都市、京都高度技術研究所、京都リサーチパークとの共催で Monozukuri Hardware Cup 2020 を開催した。ファイナリストに選出された8チームがピッチに登壇し、独立型交流電池を開発する AC Biode が優勝した。 このイベントは「世界を舞台に活躍する日本のモノづくりスタート…

Kyoto Makers Garage を運営する Monozukuri Ventures は13日、京都市、京都高度技術研究所、京都リサーチパークとの共催で Monozukuri Hardware Cup 2020 を開催した。ファイナリストに選出された8チームがピッチに登壇し、独立型交流電池を開発する AC Biode が優勝した。

このイベントは「世界を舞台に活躍する日本のモノづくりスタートアップ企業の登竜門」と位置付けられるもので、上位3位入賞チームには、5月にアメリカ・ピッツバーグで開催される「AlphaLab Gear Hardware Cup Final 2020」への出場権または出展権が与えられ、アメリカ6都市と、中国や西アフリカから選出されたチームと共に、優勝賞金5万ドルを賭けてピッチで激戦を交わすことになる。

開会の辞を述べる、Darma Tech Labs 代表取締役 の牧野成将氏。
Image credit: Masaru Ikeda

<関連記事>

京都市長の門川大作氏も応援に駆けつけた。
Image credit: Masaru Ikeda

Monozukuri Hardware Cup 2020 で審査員を務めたのは次の方々だ。

  • Allen Miner 氏(サンブリッジ グループ CEO)
  • Oscar Kneppers 氏(Rockstart Founder)
  • 伊瀬禎宣氏(電通イノベーションイニシアティブ エグゼクティブ・イノベーション・ディレクター)

【1位】AC Biode(京都/ルクセンブルク)

(副賞:「AlphaLab Gear Hardware Cup Final 2020」への旅費として30万円)

AC Biode は、ドローン、モビリティ、再生可能エネルギーの蓄電用に世界初の独立型交流電池を開発。中間電極(Biode)を作ることで、直列接続・並列接続にも対応可能。電池そのものは既存材料・既存製造工程を応用しているため、リチウムイオン電池のみならず、あらゆる電池に適用が可能(空気電池を除く)。粒子加速器に使われている電気回路を応用しており、この点で特許を申請している。産業用ドローンのパイロット試験から着手し、電動バイクなどへと用途を拡大していく計画だ。日欧から40万ポンドを調達中。

【2位】Smart-Com by iXOS(東京)

(副賞:「AlphaLab Gear Hardware Cup Final 2020」への旅費として20万円)

iXOS(イーコス)は、AI スマートディスプレイ「スマコン」を開発。7インチ A4 サイズ、奥行30mm、重さ1.6キロのこのデバイスには、Blutooth、Wi-Fi、USB、ライン出力が備えられ、Android ベースで動作し、音声認識と OpenAPI に対応する。スーパートゥイーター、フラットパネルスピーカー、ウーハーが内蔵され、低周波から高周波の音を 3D で再生できるのが特徴。特に高周波の音は人間の耳には聴こえないが、それを身体で感じることができるのでリラックス効果などが得られるという。

【3位】Rabbit Vision by CrossEdgeLab(滋賀)

(副賞:「AlphaLab Gear Hardware Cup Final 2020」への旅費として10万円)

高齢化社会を迎える中で高齢者を見守るためのテクノロジーが求められている。単純センサーを使った方法では誤認識の可能性があり、また、カメラを使えばプライバシーの問題があり、また、サーモグラフィーでは死角が生まれる。CrossEdgeLab が開発した 全方位サーモグラフィー「Rabbit Vision」は、ベットの上の天井に使えることで部屋全体を見守ることができる。見守り対象者の体温を検知し、AI により座っているか、寝ているか、転倒したかなどを検出する。睡眠の深さを計測できることも特徴。


惜しくも3位以内に入賞しなかったものの、ファイナリストとして選ばれたスタートアップは、次の通り。

Aroma Shooter by Aromajoin(京都)

通信を使ったコミュニケーションの方法は、テキストのみから静止画付き、動画付きへと変化してきた。次のトレンドは、香り付きだとアロマジョインは語る。既存の香り技術は液体を使うため、拡散が遅く残香の問題があるが、同社は固体粉末状の香源を使った「Aroma Shooter」でこの問題を解決する。映画館、VR シネマ、香りを使った商品マーケティングなどに利用可能。ハードウェア+ソフトウェア+香源カートリッジで構成されるシステムは世界100社以上に販売済。シリーズ B で220万米ドルを調達中。

DouZen(アメリカ・サンフランシスコ)

DouZen は、多数の小型照明型スマートプロジェクターを用い、商業施設内での人の案内や誘導を核としたサービスを提供するプラットフォーム「Mooncast」を紹介した。このスマートプロジェクタ「Luna Zero」は壁や床などに経路を示す矢印などを投影するが、クラウドを通じて、投影コンテンツを随時変更できるのが特徴。ターゲットとするユーザは、空港、病院、美術館など。DouZen ハードウェアとアナリティクスを提供しユーザは月額料金を支払う。現在、富士通や FUKUOKA Smart EAST らと PoC を展開中。

Game Karaoke by Dokuen(京都)

カラオケボックスで複数人がカラオケする場合、自分の曲が回ってくるまで長時間待つ必要があったり、歌い手は他の聞き手の評価が気になったりするなど、楽しみに興じられない課題がある。ドクエンの「ゲームカラオケ」は、プロジェクター4台を使って映写することでバーチャルステージを演出するしくみ。ゲームカラオケの導入で、一つのグループにより多くの人が参加することが統計として判明しており、カラオケボックスにとっても利益が増える。日本市場から始め、将来はアジアや高齢者市場を狙う。4,500万円を資金調達中。

スマートウォッチ型血糖値センサー by Quantum Operation(東京)

Quantum Operation は、非侵襲の小型連続血糖値センサーを開発している。糖尿病患者が、身体を傷つけずに血糖値を測定する手段を提供する。近赤外線光を使った指紋認証センサーで培った技術を応用し、近赤外線センサーでの血糖値測定を可能にした。これにより、回路の小型化と消費電力の低減が可能になる。同社ではこのセンサーを内蔵した、スマートウォッチを開発中。完成すれば世界初のウエアラブルグルコースメーターとなる。

D Free by Triple W Japan(東京)

トリプル・ダブリュー・ジャパンは、排泄予知ウエアラブルデバイス「DFree(ディーフリー)」を開発。世界5億人が悩みを抱えるされる排泄の課題に取り組むべく、日本のみならず、アメリカやフランスでもサービスを展開。これまで介護施設など法人向けに排泄予測サービス、自立支援サービスを提供してきた。高齢化に伴う介護の課題先進国である日本の状況を生かし、排泄ケアやリハビリの世界標準を確立したいとしている。

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バルセロナで開催予定だったMWC、新型コロナウイルスの影響で今年は中止に——主催者のGSMAが声明を発表

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出展者や参加者の流出が主催者である GSMA にとって無視できないほど重大であることが最終的に明らかになっていたが、GSMA は今日、拡大するコロナウイルス流行に関連する懸念により、ワイヤレス業界の見本市「MWC 2020」の開催を中止した。このイベントは来週スペインで始まる予定だった。 以前 Mobile World Congress として知られていた MWC は、携帯電話業界のメンバーが集ま…

2019年の MWC 会場入口
Image credit: Masaru Ikeda

出展者や参加者の流出が主催者である GSMA にとって無視できないほど重大であることが最終的に明らかになっていたが、GSMA は今日、拡大するコロナウイルス流行に関連する懸念により、ワイヤレス業界の見本市「MWC 2020」の開催を中止した。このイベントは来週スペインで始まる予定だった。

以前 Mobile World Congress として知られていた MWC は、携帯電話業界のメンバーが集まるトップの場所になり、バルセロナで2月に開催されるの旗艦イベントに約10万人の参加者を集めるようになった。ロサンゼルスと上海でのサテライトイベントでは、各地域のプレーヤーを含む小規模な企業グループが年末に会議を開き、基調講演を行うことができた。

GSMA は声明の中で、次のように述べている。

「バルセロナとホスト国であるスペインは現在安全で健康な環境にある」にもかかわらず、コロナウイルスの発生、渡航の懸念、その他の状況に関する世界的な懸念により、MWC 2020 を開催することは不可能であると述べている。

GSMA は、今年のバルセロナ版を延期またはスケジュール変更することを示唆しておらず、2021年以降にイベントを開催するために市と協力すると述べている。

「不可能」という言葉は、法的な理由から選択された可能性がある。特定の状況下では、一方の当事者が履行できなくなると、法的契約が一方的に終了する可能性があるからだ。世界的な大流行の最中にカンファレンスに10万人を集めることは厳密には不可能ではなかったかもしれないが、「実行不可能」であった可能性がある。参加者が恐れ、渡航制限が多数の参加者に影響を与えていること考えると、かなり非現実的かほぼ不可能だからだ。

出展者は、コロナウイルスの検疫、感染、死亡者数の増加に伴い、MWC への参加計画を縮小し始め、健康への懸念と広範な渡航問題の両方につながった。 ZTE(中興)や Samsung などの企業は、主に旅行制限を理由として MWC への人員派遣を削減すると語っていたが、Ericsson は参加者の健康と安全に関する不確実性から、参加を見送る先駆けとなった。AmazonIntel を含む他の多くの企業がそれに続き、Nokia やヨーロッパのいくつかの主要なワイヤレスキャリアが本日リストに加わった。

GSMA はこれまで、出展者の参加見送りによる混乱の可能性の影響と参加者に対するより厳しいスクリーニング要件を認めつつも、複数の機会に MWC を継続するとの立場をとっていた。GSMA は、中国の特定の省の人々の参加を禁止し、ウイルス感染の可能性を排除するため一連の消毒手順も発表していた。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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沖縄で「リゾート×テック」をテーマに見本市&スタートアップカンファレンスが開催——日本内外から130社・8,800人が集結

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沖縄県宜野湾市にある沖縄コンベンションセンターでは、2月5日と6日の2日間にわたり、ResorTech Okinawa(おきなわ国際見本市)と Okinawa Startup Festa 2020 が開催された。沖縄での IT 企業やスタートアップに特化したイベントとしては過去最大のものだ。国内はもとより海外8カ国から130社が参加。スタートアップも沖縄県下や日本国内のみならず、隣接する台湾からも…

沖縄県宜野湾市にある沖縄コンベンションセンターでは、2月5日と6日の2日間にわたり、ResorTech Okinawa(おきなわ国際見本市)Okinawa Startup Festa 2020 が開催された。沖縄での IT 企業やスタートアップに特化したイベントとしては過去最大のものだ。国内はもとより海外8カ国から130社が参加。スタートアップも沖縄県下や日本国内のみならず、隣接する台湾からも数社が招かれ、約30チームがブース出展やピッチ登壇を行った。イベント全体における2日間の入場者数は、事務局発表の速報値で8,800人。

沖縄県は観光業が盛んであり、県境が周辺諸国と直接隣接していることもあって、リゾートとテクノロジーを掛け合わせた ResorTech を経済振興策の一つに掲げている。労働力低下対策、デジタルマーケティング、キャッシュレスといったテクノロジーを既存産業の柱と掛け合わせることで、社会全体のデジタルトランスフォーメーションを図ろうとする狙いも伺える。沖縄県は ResorTech への取り組みを施策の基盤にすることを明らかにしており、スタートアップに対し通年で実証実験などの機会を提供していく考えだ。

LUUP の展示ブースを訪れた玉城デニー沖縄県知事。同社は、宜野湾市や名護市カヌチャベイリゾートで実証実験を行なっている。
Image credit: Masaru Ikeda

ResorTech Award

ResorTech Okinawa では、参加した企業やスタートアップの中から、有益性・市場性・将来性などからイノベーション度が高い技術、製品、サービスを選び表彰する ResorTech Award が授与された。

【総合グランプリ】newme(ニューミー) by ANA ホールディングス

瞬間移動をテーマに ANA ホールディングスが開発したテレイグジスタンスのためのアバター。BRIDGE でも一昨年の NoMaps で展示された同機を紹介したが、その後、「newme(ニューミー)」と名前が付けられ、全社的な取り組みとなった模様。移動手段の提供という形で離れた場所にいる人同士を繋ぐ企業ながら、従来と違う形で繋ぐ手段を提供するというディスラプティブな姿勢が評価された。ANA はアバタープラットフォーム「avatar-in」を今年4月にローンチ、newme を2020年夏までに1,000体普及することを目指す。

【イノベーション部門グランプリ】AIRCLE by Alpaca.Lab

琉球大学との共同研究により運転代行業界の最適化を図る Alpaca.Lab。運転代行は、車で来訪した飲食店で呼んでもらうことが多い。この際、飲食店は運転代行業者への電話に時間を取られ、ユーザは呼び出してから運転代行が到着するまでに時間を要ることが課題。Alpaca. Lab はこの課題を、飲食店と運転代行をつなぐアプリ「AIRCLE(エアクル)」で解決。GPS データを元に、最寄りの運転代行とマッチングされるので待ち時間も短縮される。「Okinawa Startup Program」第3期から輩出。

【海外部門グランプリ】VM-Fi by Maxon Creative(麦成文創)

VM-Fi は、小型の送信機を持つことで、インターネット接続を持たないスマートフォンに対しても、半径50メートルの範囲で音声を届けることができるアプリケーションだ。屋外で歩きながら使えるため、グループのツアーガイドへの利用が期待されている。静粛を求められる場所においても、ガイドはマイクを使って大音量で説明を伝える必要がない。レシーバーに相当するデバイスを容易しなくていいので、サービス提供コストも下げることができる。インターネット接続を必要としないので、海外からの訪問客であってもローミングは不要だ。Maxon Creative(麦成文創)では、沖縄の各所にこのサービスが普及させたいとしている。

JSSA アワード

5日と6日の2日間にわたり、沖縄や台湾のスタートアップ、沖縄科学技術大学院大学(OIST)からのスピンオフしたスタートアップなど約30チームがピッチ登壇した。翌日7日に那覇市内でのミートアップに合わせ沖縄入りしていた日本スタートアップ支援協会(JSSA)代表理事の岡隆宏氏、ベクトル専務執行役員 CSO の中島謙一郎氏が審査員を務め、優秀チームに、JSSA が次回、東京や大阪で開催するミートアップへのファイナリスト参加と、そのための旅費を提供される賞が授与された。ミートアップでの優勝者は、JSSA が運営するファンドから2,000万円の出資を受ける権利が得られる。

AWA PASS by OKT Communications

OKT Communications は、泡盛のサブスクリプションサービス「AWA PASS」を考案した。ユーザは AWA PASS に月額600円を支払うことで、AWA PASS 参加飲食店で泡盛2杯までを無料提供してもらうことができる。お店は多額の集客コストをかけずに、新規顧客の開拓や常連顧客の活性化が可能になる。AWA PASS 提携店の登録料は無料。将来は、サービスを全国地域や泡盛以外の種類などにも広げ、地産地消プログラム、新商品のマーケティング、インバウンド集客などでマネタイズを図る。

FASTPICK by U&I

スモールビジネスにありがちなドンブリ勘定にあると感じた上間弁当天ぷら店の2代目敏腕経営者としても知られる上間喜壽氏は、日々の経営からデータを集め、どうすればビジネスが改善するかを、本業と並行して U&I を設立。同社が今回紹介したのは、事前に注文・決済、簡単受け取りができるプラットフォーム「FASTPICK」。テイクアウトフードコートとして飲食店へモバイルオーダーのサービスを提供する。

パネルセッション

パネルセッションもいくつ開かれた。

スタートアップの創出にアカデミアがどう関われるかをテーマにしたパネルでは、馬田隆明氏(東京大学 産学協創推進本部 本郷テックガレージ FoundX ディレクター)、Lauren Ha 氏(沖縄科学技術大学院大学=OIST 技術開発イノベーションセンター 准副学長)、大角玉樹 氏(琉球大学国際地域創造学部 教授)が登壇。自身も琉球大学で「ベンチャー起業講座」のメイン講師を務める和波俊久氏(リーンスタートアップジャパン 代表社員)がモデレータを務めた。いずれも、アカデミアで起業家育成の第一線で活躍する人たちだ。

起業は教育で学べるのか、という問いに対し、和波氏は自身が経験した3回の起業体験のうち、唯一失敗した1回の経験が教育にアドバイスを求めたものだったとして疑問を呈した。Ha 氏は起業は学べるが、その起業を成功させるのは何より実際にやってみることだと話した。馬田氏は起業を学ぶことはできるが、起業家に求められるメンタリティなどは非認知性が高いことが判明しており、若いうちの方が習得しやすいため学び始めるタイミングが重要だと主張した。大角氏は、教育機関で学べるのは現時点で明らかになっている知識を元にしており、不確定な将来のことは教育ではカバーできないとした。

日本で活躍するエンジェル投資家が彼らの目線から、沖縄のスタートアップエコシステムの現状と可能性を話し合うセッションには、砂川大氏(スマートラウンド 代表取締役、連続起業家・エンジェル投資家)、田中邦裕氏(さくらインターネット CEO、エンジェル投資家)、小原聖誉氏(StartPoint 代表取締役、エンジェル投資家)、小川真司氏(琉球銀行 法人事業部地方創生グループ調査役)、兼村光氏(沖縄ITイノベーション戦略センター=ISCO ストラテジスト)が登壇。嶋根秀幸氏(ファウストビート 代表取締役)がモデレータを務めた。

沖縄におけるスタートアップはまだ少ないものの、2016年から開始された「Okinawa Startup Program(当初は、琉球銀行のみが主催者であったため「Ryugin Startup Program」)が一つのターニングポイントとなったことが説明された。日本では、東京以外の地方自治体では、福岡市、神戸市、大阪市などが地元のスタートアップエコシステムの創出に一定の成功を見せていることが共有された。東京はリゾートとは言い難く、リゾートという呼称に沖縄は国内で最もふさわしい地域であることから、ResorTech を中心としたスタートアップが多く生まれることに期待が込められた。

日本のスタートアップシーンで活躍する沖縄出身の起業家と、その起業家のスタートアップに出資した投資家を〝相思相愛のカップル〟に見立て、有名テレビ番組「新婚さんいらっしゃい!」仕立ての構成で展開された最後のセッション。古田奎輔氏(Payke 代表取締役 CEO)×林龍平氏(ドーガン・ベータ代表取締役パートナー)、澤岻優紀(OLTA 代表取締役 CEO)×天日郁也氏(ジャフコ シニアアソシエイト)、松本 隆一(Cbcloud 代表取締役 CEO)×長野泰和氏(KVP 代表取締役社長 パートナー)の3組のカップルが登壇。

3人の起業家たちは、それぞれ自身が事業を立ち上げたきっかけを披露。古田氏は、沖縄が東京から離れている分、〝ある種の治外法権〟で東京流のルールや起業スタイルに囚われなくて良い点はメリットは大きいと強調。また、松本氏は沖縄独特の助け合い精神(ゆいまーる)から、切磋琢磨したり競合と戦ったりすることに慣れていない点は、起業においてはネガティブに働く側面があるかもしれないと説明。澤岻氏は、スタートアップは「新機会の追求型」と「生きるために起業する型」に大別されるが、沖縄には圧倒的に後者が多く、むしろ前者に属するスタートアップとなるダイヤの原石をどう見つけるかが課題、と話した。

主催者の声

左から:実行委員長の稲垣純一氏、事務局長の永井義人氏
Image credit: Masaru Ikeda

イベントの終盤、実行委員長を務めた稲垣純一氏(沖縄県情報産業協会会長代行)と、自身もスタートアップ経営者であり、事務局長を務めた永井義人氏(沖縄 ITイノベーション戦略センター(ISCO)専務理事)に、今回のイベントの開催までの経緯と振り返りを聞くことができた。

沖縄返還から48年。日本の他の地方自治体と同様、沖縄県も十年単位で振興開発計画を見直してきた。内地から離れている分、輸送コストがかかる商品やサービスでは競争力を発揮できないと判断、沖縄にはコールセンターをはじめとする情報産業の誘致がここ二十年ほどで進んだ。しかし、世界が前進する中、沖縄にも新たなコアになるコンテンツのあるビジネスの創生が求められるようになった。

昨年、入域観光客の数で、沖縄はハワイを超えた。依然として観光客一人当たりの消費額や滞在日数ではハワイに及ばないものの、観光業やリゾート産業と IT を掛け合わせることで新たな価値を創造できるのではないか、という仮説が ResorTech という言葉に込められた思いだ。そこにはアジアにおける物流ハブになりつつある沖縄が、ビジネスやスタートアップコミュニティのハブにもなりたい、という思惑が見え隠れする。

今まで使われていた同じ技術シーズが観光などで生かせれば、端末もコストダウンできるだろうし、業務効率もよくなる。そういったことに、皆に気づいてもらえるキッカケになれば・・・。

地理的な観点から大量生産などには不向きだが、観光業と情報通信産業は沖縄がもともと持っていたポテンシャルだけに重ね合わせやすい。そこには、次の20〜30年の可能性が見えてくると思う。(稲垣氏)

会場となった沖縄コンベンションセンター
Image credit: Masaru Ikeda

沖縄がスタートアップのハブとして成長するために必要なベンチャーエコシステムには、2つ足りないものがある。一つは地元大企業の支援。沖縄の大企業はスタートアップ支援は役所がやるものと考え、自分たちが直接応援するのを遠慮するきらいがある。そんな地元の有名企業には、スタートアップに対し、少額出資でもファーストユーザになるでもいいから、「信用のお裾分け」をしてほしいとお願いしている。

もう一つはテックブランドだ。エストニアならブロックチェーン、香港ならフィンテックなど、そのスタートアップハブを象徴するブランドイメージが存在する。沖縄にそれはまだ無いが、ResorTech がそんなキッカケの一つになれるのでないか。(永井氏)

沖縄県の ResorTech に関する活動が興味深いのは、年間を通してそのイニシアティブが展開されることだ。イベントとしては年に1〜2回程度の開催となるが、ISCO 主導のもと、沖縄県・企業・スタートアップを巻き込んだ PoC が県下の随所で展開されている。次回の ResorTech Okinawa は10月29日〜11月1日、今回と同じ沖縄コンベンションセンターでツーリズム EXPO ジャパンと同時開催される予定だ。

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NTT東日本のアクセラレータ「LIGHTnIC(ライトニック)」が公募初バッチのデモデイを開催、スタートアップ14社が協業プランを披露

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LIGHTnIC(ライトニック)は NTT 東日本が運営するスタートアップアクセラレータだ。当初、NTT 東日本社内の有志によってサイドプロジェクトとして立ち上がったプログラムだが、第3期となった今バッチからは事務局と専任担当が設置され、初めて一般からスタートアップが公募で集められることとなった。今バッチにはスタートアップ100社がエントリ、うち採択された14社が4ヶ月間(2019年9月〜12月)…

LIGHTnIC(ライトニック)は NTT 東日本が運営するスタートアップアクセラレータだ。当初、NTT 東日本社内の有志によってサイドプロジェクトとして立ち上がったプログラムだが、第3期となった今バッチからは事務局と専任担当が設置され、初めて一般からスタートアップが公募で集められることとなった。今バッチにはスタートアップ100社がエントリ、うち採択された14社が4ヶ月間(2019年9月〜12月)にわたり協業内容の検討(PoC とマーケティング)に臨み、23日に都内で開催されたデモデイで結果を披露した。

東日本各地に展開する NTT 東日本のアセットやリソースを活用した地域課題の解決を念頭に置いた協業アイデアを求めたことから、アイデアの一部は NTT 西日本が以前開催していたスタートアップアクセラレータ「Startup Factory」にデモデイで披露されたこのと似ているものもあった。なお、NTT 西日本は2015年と2017年の2回にわたって開催し Startup Factory を終了、現在は社員をスタートアップにレンタル移籍する形でのアプローチにシフトしているようだ。

今バッチ開催にあたって、NTT 東日本では社内事業部や各支店から課題を500件募集、スマートシティやスマートソサイエティというテーマで、これらの課題を解決できる協業アイデアをスタートアップと醸成していった。デモデイでは、7分間のピッチ内容を課題解決、新規性、NTT グループとのシナジーなどの観点から評価し、最優秀賞1社、優秀賞1社、オーディエンス賞1社が選ばれた。なお、賞に選ばれたかどうかは、今後、NTT 東日本と当該スタートアップが協業するかどうかとは直接関係しない。

審査員を務めたのは、

  • 澁谷直樹氏(NTT 東日本 代表取締役副社長、審査委員長)
  • 麻生要一氏(アルファドライブ 代表取締役社長 兼 CEO、UB Ventures ベンチャー・パートナー、ニューズピックス執行役員)
  • 石井芳明氏(内閣府 科学技術・イノベーション担当 企画官)
  • 斎藤祐馬氏(デロイト トーマツベンチャサポート 代表取締役社長)
  • 中村亜由子氏(eiicon company 代表/founder)

…の皆さん。オーディエンス賞は、会場でピッチを見た一般参加者の投票によって選ばれた。本稿では、入賞を果たしたチームを中心に取り上げる。

【最優秀賞】inaho

農作物は、米やジャガイモのように収穫時期が来た時点で一括収穫するものと、大きさや収穫適期のものだけを選択収穫するものに大別される。特に選択収穫する農作物は自動化が難しく人手によらざるを得ないが、農家にとっては収穫のための人手を通年雇用することは難しく、また、生産プロセス全体において収穫作業の占める割合が非常に多い。「inaho」は、農作物を一つずつ見極め、収穫に適したものだけを収穫するロボットだ。アスパラガスから着手し、現在は、トマトやキュウリでの実験を始めている。

inaho はロボットを売り切りではなく、収穫高に対する割合で手数料をもらう形態でサービスを提供。農家にとっては初期投資を抑えられ、収穫のための人件費よりも安くなるため導入のハードルを下げられる。inaho は現在、佐賀県内に2つの支店を持っているが、サポート体制の都合から、現在サービス提供先の農家をそれぞれの支店から半径30km以内に限定している。inaho では NTT 東日本と協業し、このサービス拠点を全国展開することを期待している。類似した課題を持つオランダにも拠点を作り市場進出の予定。2019年 B Dash Camp in 札幌で準優勝。

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【優秀賞】知能技術

病院に入院する高齢者は、推定で毎年200万人が転落し、うち5万人が骨折など大きな怪我を経験し、場合によっては死亡に至るケースもある。施設では人手不足から巡回・確認するには限界があり、一方で、事実上の虐待となるため、高齢者を身体拘束することも許されない知能技術は、少人数でも効率よく高齢者を見守れるようにした、高齢者の安全性向上と、施設の職員の負担軽減を狙った AI クラウドサービスだ。ベッド近くに設置されたセンサーからデータを収集、個々の患者の行動を理解し、その傾向を把握できる。

システム開発の過程で介護施設へのインタビューした結果、介護職員の負担軽減が強く求められていることが判明。夜間巡回を減らすため、体位の確認、体温計測、呼吸確認ができる機能を追加した。従来センサーは転落したのを確認することしかできなかったが、安全を見守れるところまで機能向上した。NTT 東日本とは、クラウド、ネットワーク環境整備などで連携。将来は、転落を予期できたときに、それをを防止する(例えば、エアバッグのような)機能の実装などで他社との連携も模索したいとしている。

【優秀賞】DG TAKANO

東大阪の町工場に端を発する DG TAKANO は、節水ノズル開発のトップメーカーだ。同社の節水ノズル「Bubble 90」は、ノズルから噴出させる水を水圧だけで水玉化することで、洗浄力を維持したまま最大で95%の節水が可能。地球上に存在する水のうち、人間が利用可能な淡水はわずか2%であり、国連食糧農業機関(FAO)は、2025年に世界の3分の2で水不足の危機に陥る可能性を示唆している。環境面からも、また経済面からも、日本で多くの飲食店、病院、福祉施設、スーパーマーケット、工場などに導入されている。

Bubble 90 の販売会社である DG SALES では150名体制で営業活動を行なっているが、リーチできていない市場があり、その一つが水を多用するホテルや寮の市場だ。DG TAKANO と DG SALES では、ホテルや寮運営大手の共立メンテナンスにリーチ。NTT 東日本やテルウェル東日本の協力を得て、今後、Bubble 90 のホテルや寮向けの全国展開を図る。将来は、東南アジアやアフリカにも進出し、世界の水問題の解決に寄与したいとしている。

【優秀賞】LUUP

LUUP は、マイクロモビリティを都市に実装しようとする MaaS スタートアップだ。街のあらゆる場所にモビリティ機器を借りたり返したりできるポートを配置し、高齢者も含め全ての人が安全かつ便利に利用できるモビリティのプラットフォーマーになることを目指している。2019年6月から12月にかけ、モビリティ機器の機体検証とポート型モビリティシェアサービスの事業検証を、全国25カ所で実施した。ポートの整備、設備実装などで NTT 東日本との協業を提案した。

同社では、ポートとモビリティ機器にカメラや IoT 機器を実装することで新たなビジネス機会を模索。モビリティにドライブレコーダー、ポートに WiFi を設置することで、モビリティが返却される都度、ドラレコの録画内容が WiFi 経由でクラウドに集積できる。また、ポートにもカメラを備え、道路など付近の様子の録画をリアルタイムで集積。移動データと映像データをもとに、同社ではビッグデータ活用の企業のマーケティング支援、自治体の防犯対策支援などを検討している。

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【オーディエンス賞】空

は、ダイナミックプライシングによるホテルの価格設定支援サービスを提供している。同社の「MagicPrice」は、ホテルが周辺の競合ホテルとの比較や過去データに基づいた需要予想にも基づき、機械学習で最適な価格をリアリタイム計算。計算された価格は、自社サイトのほかサイトコントローラを経由して、旅行予約サイトや OTA にも自動反映できるしくみだ。同社では一年ほど前からホテル分野以外への進出を模索し始めており、2ヶ月ほど前には小売業界への進出を発表したばかりだ。

空では、NTT ル・パルクの協力を得て、駐車場へのダイナミックプライシング導入の実証実験を始めている。NTT ル・パルクの料金設定担当者へのヒアリングを経て価格設定モデルのヒントを収集、それらをもとに価格設定モデルを構築し、駐車場向けの価格最適化サービスのプロトタイプを開発した。関東を中心に NTT ル・パルクの約400拠点ある駐車場で料金をいつ変更すべきか、ウェブスクレイピングで同社パーキングから半径400メートル以内の競合駐車場の料金をモニタし、変更があった場合にアラート通知を行う。

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以下は入賞はしなかったものの、第3期に採択されたスタートアップ9社。

  • Wovn Technologiesジェネックス……Wovn Technologiesはウェブの多言語化、ジェネックスは宇都宮を拠点とするシステム会社でスマートフォンを使ったセルフオーダーシステム「」を開発。両社は協力し、訪日観光客が増える一方、人材不足に苦しむ観光業向けに、食事の注文・決済を自動化できる多言語セルフオーダーシステムを開発。鬼怒川パークホテルズ、鬼怒川温泉旅館・七重八重で実証実験へ。
  • インフィック……IoT を使った高齢者支援プラットフォーム「LASHIC」シリーズを介護施設向けと在宅向けに開発。介護施設においては入所者の見守り、不動産物件においては高齢化に伴う孤独死問題が喫緊の課題。埼玉の障害者施設、訪問介護事業者への導入実験のほか、神奈川県の不動産業者らと入居者の見守り実験などを展開。介護保険がスタートして20年が経ち、介護施設においてもシステム更改の時期であるため、LASHIC の導入には好機だという。
  • グローキーアップ……IoT を使った「ふるさと納税」の自動販売機を開発。ふるさと納税を扱うポータルサイトは20以上がひしめきあい、全国1,700の自治体の中から選ばれるため、募る自治体にとっては競争率が高いのが悩みの種。インターネットで申し込むには手続が面倒だが、自動販売機で簡単に申し込めるようにすることで、空港や旅先、イベントなどで誘客が容易になる。長野県塩尻市の市制60周年ワインイベントに設置したところ、1日で29件46.4万円の納税が得られたという。神奈川県下2つの自治体で導入が決定。
  • ピクスー……NTT 西日本の Startup Factory 2017 にも登壇していたが、その時と同じく IoT でよく使われるセンサーをデジタルファブリケーションで安価に提供する「Webiot」という同社サービスを活用。12種類あるセンサーを組み合わせさまざまなソリューションを作ることができるが、今回はゴミ箱にセンサーをつけることで清掃業務のデジタルトランスフォーメーションに取り組んだ。横浜・八景島パラダイスで実証実験し、清掃ルートやシフトの最適化が確認できた。今後、シェアオフィスで実証実験を予定。
  • KNEX……ジョージア州に本拠を置き、MIT リサーチディレクターを務める CEO が、食用鶏の飼育自動化のためのソリューション「Birdoo」を開発。鶏肉は牛肉や豚肉より需要が大きいものの、養鶏農家の減少で将来は一人で30万羽の面倒を見る必要がある。同社では 3D カメラにより鶏の体重計測、2D カメラにより死亡鶏の計測が可能。給餌量の最適化、収穫予定日の精緻化を支援。インドやブラジルの養鶏場では実装済だが、日本の鶏に合わせ AI を学習させるため、岩手・一関の銘柄鶏生産加工販売会社オヤマで実証実験を行う。
  • ルートレック・ネットワークス……AI 潅水施肥システム「ZeRo.agri(ゼロアグリ)」を開発。トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、イチゴなどビニルハウスを使った農業を行う農家がターゲット。作業工程が多く忙しい農家だが、栽培技術を持った人材を追加的に確保することは難しい。ZeRo.agri は、土壌水分量の計測と日射量からの事前予測で、土壌水分量を安定化させ、生産物の収益化を支援する。買い切りが難しい農家のため、サブスクモデルを開発し NTT 東日本と共に桜花や農業生産法人に共同提案する。
  • VAAK……映像を使って高い精度で人の行動を解析するスタートアップ。身の回りの危険、多くの人が集まった際の危険などの解決を目指す。具体的には、カメラで撮影した映像をもとに AI が危険を自動検知、警察に自動通報することで、危険の未然防止や早期解決を促す。警備レベルの強化に加え、人がいない時間帯の警備維持にも効果を発揮する。NTT 東日本とは、カメラや回線の整備、サービスの販売や施工、保守支援などで協業を模索。都内の施設から、通行量の多い道路に向けカメラを設置することから着手を検討。
  • ON FOCUS……ON FOCUS が開発・提供する「MOBILE BASE」は、車両扱いとなるトレーラー式と、登記が行える建築式の二種類からなるコンテナハウスだ。建築の職人不足、空き家問題、宿泊施設不足問題を解決する。ユースケースとしては、店舗、イベントスペース、アパートシェアハウス、グランピング施設など。NTT 東日本とは、契約期間に制約がある遊休地に MOBILE BASE を設置し、期間限定のシェアハウスやレンタルオフィスとしての事業開発を目指す。また、IoT で無人化・省人化した移動型のホテルも開発する。
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