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廣澤太紀氏率いるTHE SEED、若手起業家らとこれからの10年のスタートアップシーンを考えるカンファレンスを開催へ

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先週、BRIDGE は誕生の日(当時はイベント運営のオーガナイザーであり、Startup Dating の名前だった)から十年を迎えた。福岡がスタートアップハブとして頭角を現すきっかけとなった明星和楽も、第1回の開始からまもなく十年だ。ドッグイヤーと言われて久しいものの、「新たなムーヴメントを作るには、やっぱり十年を要するかも」というのが最近の筆者の口癖だが、十年経つと十歳年をとるわけで、そこには…

The Seed Capital の廣澤太紀氏と、New Innovations 代表取締役 CEO の中尾渓人氏。
二人は THE FUTURE に登壇予定。

先週、BRIDGE は誕生の日(当時はイベント運営のオーガナイザーであり、Startup Dating の名前だった)から十年を迎えた。福岡がスタートアップハブとして頭角を現すきっかけとなった明星和楽も、第1回の開始からまもなく十年だ。ドッグイヤーと言われて久しいものの、「新たなムーヴメントを作るには、やっぱり十年を要するかも」というのが最近の筆者の口癖だが、十年経つと十歳年をとるわけで、そこには世代間ギャップも生じてくるし、世代交代も必要になるだろう。

2年前弱冠26歳にして、シードスタートアップ向け VC「The Seed Capital(ザ シード キャピタル)」を設立した廣澤太紀氏もまた、スタートアップシーンに、こういった世代間ギャップの是正や世代交代の必要性を感じている。一度イグジットを果たした起業家やシリアルアントレプレナーの世代の厚みが増してきている分、廣澤氏らと世代を同じくする若手起業家にとってはハードルが上がっているという。シニア層に遠慮してか、廣澤氏の世代からはっきりとした言葉で、そのような指摘を受けることは今までになかった。

シリアルアントレプレナーの人たちがチャレンジをする事例が増えている。彼らは経験もあるので、資金調達や事業規模などのサイズ感も大きい。クロステック系のスタートアップは既存ビジネスの DX なので、ビジネス経験のあるシニアの人たちの方が有利。

そうした結果、若手が起業の名乗りを上げるのが難しくなってきているのを感じる。若い起業家が最初の調達で1,000万円や2,000万円集めた程度では目立たなくなってしまった。若手起業家にメンターをしてくれていたシニアの起業家は自分の事業に忙しくなり、メンターを探すのも以前に比べ難しくなってきている。(廣澤氏)

最近ブームのオープンイノベーションも、スタートアップが成長の活路を見出す手法としては有用なものの、伸るか反るかでホッケースティック的な成長に賭ける起業家にとっては、対極にある選択肢かもしれない。オープンイノベーションも典型的なパターンは国内で需要と供給がグルグル回る形であるから、このモデルでは、例えば、日本から世界を目指し、外需に応えるスタートアップを生み出すという大きな夢は描きにくい。

New Innovations 代表取締役 CEO の中尾渓人氏(右)は大阪出身。事前注文型のカフェロボット「root C」を開発しており、先月、THE SEED を含む投資家から1.7億円の調達を発表した。

一方で、東京かそれ以外か、というギャップも存在する。新型コロナによる社会変化が常態化すれば、地方の起業家は一度も上京せずに東京のベンチャーキャピタルから資金調達するのが当たり前になるかもしれない。地方の起業家が高いコストを払って慣れない地へと集まるのは、投資家はもとより、苦楽を共にする他の起業家などスタートアップのコミュニティ機能を求めてのことだ。新型コロナが収束しても、スタートアップシーンの醸成に必要な基本機能は、東京以外の場所にも定着してほしい。

THE SEED ではシニアの若手のギャップ、東京とそれ以外の地域のギャップに焦点を当て、これからのスタートアップシーンの10年を若手起業家らと共に考えるカンファレンス「THE FUTURE」を今月22日に開く。初回はバージョンゼロと位置づけ、三密防止の観点から全てのコンテンツをオンラインで配信する予定。将来起業を志す地方の若い世代にとっても、東京に足を運ばずして同世代から有用な言葉を聞ける良い機会となるだろう。

今から十年ほど前の TechCrunch 40 か TechCrunch 50 のメインステージのピッチで、かなり高齢の起業家がひどいフランス語訛りの英語でプレゼンしているのを見て衝撃を受けたことがある。当時の日本では、起業家と言えば、だいたいスタイルが決まっていて、そこから大きくかけ離れた存在だったからだ。何歳になってもスタートアップできるんだと確信させられた。男であれ女であれ、LGBTQ であれ、何歳であれ、このダイバーシティこそがスタートアップシーンの極みなのだろうと。

おそらく THE FUTURE が目指すのも、決してベテランやイグジットしたシニアの起業家の再挑戦を否定するものではない。そういう人もいていいが、一方で、経験未熟な若手起業家にだって、もっとチャンスがあっていいではないか、という心の叫びである。日本のスタートアップシーンにも、本当のダイバーシティがもたらされることを願ってやまない。

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Fukuoka Growth Next、新型コロナがもたらす社会課題の解決を目指す実証実験「Beyond Coronavirus」採択7プロジェクトを発表

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<本稿画像はいずれも Fukuoka Growth Next 配信のライブストリーミングから> 福岡市の官民協働型スタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next(FGN)」は1日、新型コロナウイルスがもたらす社会課題の解決を目指す実証実験「Beyond Coronavirus」の採択プロジェクトを発表した。 これは FGN が5月1日から募集していたもので、感染予防や健康管理、リモ…

左から:Fukuoka Growth Next 事務局長 内田雄一郎氏、福岡市長 高島宗一郎氏、福岡地域戦略推進協議会(FDC)事務局長 石丸修平氏

<本稿画像はいずれも Fukuoka Growth Next 配信のライブストリーミングから>

福岡市の官民協働型スタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next(FGN)」は1日、新型コロナウイルスがもたらす社会課題の解決を目指す実証実験「Beyond Coronavirus」の採択プロジェクトを発表した。

これは FGN が5月1日から募集していたもので、感染予防や健康管理、リモートワークの推進、子どもの教育環境向上、外出自粛中の日常生活を豊かにする With コロナプロジェクトなどの分野で日本内外から35件の応募があり、審査会を通じ7件が採択された。

採択されたプロジェクト(=スタートアップなど)には、税込最大で助成金50万円が進呈されるほか、実証実験期間中は FGN のコワーキングスペースを無償提供される。1日に FGN で開催された採択式には7プロジェクトのオーナー(スタートアップなど7社の代表)がオンラインまたはオフラインで招かれ、アイデアをピッチ形式で披露した。

スマートオペレーションサービス「aiPass」を活用した宿泊施設の新しいオペレーション構築 by クイッキン

予約・チェックイン~チェックアウトまでを最小限の接客で運用可能とするサービス「aiPass」の実証実験。業務効率化のみならず、コロナ禍における非対面・非接触かつ三密回避の実現を目指す。今回は、事前チェックインやフロントチェックイン等の利用率等を検証する。クイッキンは Open Network Lab 第20期採択。今年2月、DG ベンチャーズ、インキュベイトファンドからシード資金を調達

迷惑電話・コロナ詐欺や誤情報の防止情報基盤構築/Whoscall実証実験 by Gogolook(走著瞧)

スマホアプリ「Whoscall」を活用し、迷惑電話やオレオレ詐欺やコロナに関連した詐欺の防止を可能とするサービスの実証実験。今回は、福岡市内において、アプリをモニターに利用してもらい、迷惑電話防止のサポートにおける効果等を測定・検証する。(関連記事

映像制作の業務効率化/ AI多言語文字起こし&自動翻訳 by ユニゾンシステムズ

ファイル共有、大容量の映像データの高速伝送等で映像制作を効率化できる「Join-View」の実証実験。リモートでの映像制作や、AI活用の多言語の自動翻訳で、編集作業や海外とのコミュニケーションの負荷を低減する。今回は、福岡市と連携している海外都市等との相互の情報発信等において、その有用性を検証する。

デジタル身分証プラットフォーム「TRUSTDOCK」 by TRUSTDOCK

「デジタル身分証」やオンラインでの本人確認サービスを行うための実証実験。今回は、行政手続きのデジタル化・効率化に向けた検討を行うとともに、窓口業務等の実行プロセスにおける完遂度と満足度を検証する。TRUSTDOCK は昨年5月に STRIVE などから資金を調達

自律分散オフィス「TiNK Desk / TiNK VPO」 by tsumug


マンション等を無人運用可能な小型オフィスに転換する「TiNK Desk / TiNK VPO」で、遠隔体温検知、自動問診、手洗い判定システムを実証実験。今回は、各デバイスの運用フローを確認するとともに、連動運用し、利用者の健康チェック率、手洗い率向上等を検証する。(関連記事

多目的AIカメラサービス事業 by 九州電力 + オプティム

混雑検知やマスク装着の有無などを、1台のカメラで提供可能な多目的AIカメラサービスの実証実験。フィジカルディスタンス確保やマスク装着の注意喚起ができるようにするもの。さらなる技術向上やサービス向上のため、利用した機能のUI、利用状況、満足度等を検証する。

「タイミーデリバリー」を活用したフードデリバリーの効率化 by タイミー

スマホアプリ「タイミーデリバリー」を利用したフードデリバリーにおいての実証実験を実施。飲食店や購入者への配送料や手数料の負担の軽減を図る。今回は事業化に向けフードデリバリーの「同時配送」の実証を行い、時間当たりの注文件数・配送件数・リピート率等を検証する。タイミーは昨年10月、20億円を調達している。(関連記事


採択プロジェクトの発表に先立ち、福岡市市長の高島宗一郎氏のほか、地元 VC やスタートアップの経営者らを集めたパネルディスカッションも開かれた。新型コロナウイルスの社会の影響は小さくないものの、ことスタートアップに関しては、ピボットや経営努力などで倒産や廃業を余儀なくされた企業は今のところ皆無だと言う。事業を柔軟に変化させやすいスタートアップの強みがうまく作用しているのかもしれない。

高島氏らは東日本大震災の際に社会影響は大きかったものの、そのビフォーとアフターでイノベーションが起きるほどの大きな経済変革が起きなかったことを例に挙げ、欧米に比べると、新型コロナウイルスの犠牲者が比較的抑えられている日本では、ニューノーマル(新常態)への対応を促す風潮も一過性のものに終始する可能性があるとし、今回の機会を活用して、より意識的にイノベーションを起こす必要があることを強調した。

パネルディスカッションに参加した、九大発のバイオテックスタートアップ KAICO 代表取締役の大和建太氏は、他都市に活動拠点を置きつつもテレワークかつ副業形式で研究開発の一部を担う社員を今年8月から採用する予定で、コロナ禍にありながらも、雇用の選択肢を拡大することで事業拡大の可能性を追求していきたいと語った。

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コロナ禍でオンライン開催となった北米テックカンファレンスCollision、ポーランド発の非侵襲型血糖値測定デバイス「GlucoActive」がピッチ優勝

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本稿は、Collision 2020 の取材の一部である。 【26日朝8時更新】訂正線部を削除。 Collision は北米を代表するテックカンファレンスで、昨年、開催地をアメリカ・ニューオーリンズからカナダ・トロントへと移し25,000人の来場者を集めた。今年は新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となり、3日間にわたって、パネルディスカッション、プレゼンテーション、記者会見などが繰り広げられ…

優勝したポーランド GlucoActive の CEO Robert Stachurski 氏

本稿は、Collision 2020 の取材の一部である。

【26日朝8時更新】訂正線部を削除。

Collision は北米を代表するテックカンファレンスで、昨年、開催地をアメリカ・ニューオーリンズからカナダ・トロントへと移し25,000人の来場者を集めた。今年は新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となり、3日間にわたって、パネルディスカッション、プレゼンテーション、記者会見などが繰り広げられた。

ピッチコンペティション「PITCH」には世界中の1,000チーム超からエントリがあった。24〜26日(日本時間)にかけ、複数ラウンドに及ぶ審査がなされた結果、ポーランド発の非侵襲型血糖値測定デバイス「GlucoActive」が優勝した。

本稿では優勝チームに準優勝の2チームを加えた3チームを紹介したい。審査員らは、プロダクトの可能性、ディスラプティブかどうか、財務面での評価、チーム構成、ピッチの品質の5点をもとに評価した。

決勝ラウンドの審査員の皆さん。左端は、Co-host の Casey Lau 氏

決勝ラウンドの審査員を務めたのは次の方々だ。

  • Eric Hippeau 氏(Lerer Hippeau Ventures)
  • John Taht 氏(TD Bank)
  • Prashanth Chandrasekar 氏(Stack Overflow)
  • Stefan Heuser 氏(Hyundai Cradle)

GlucoActive(ポーランド)

世界保健機関(WHO)の推計によると、世界の糖尿病患者は4億2,200万人に上り、その数は増加の一途を辿っている。GlucoActive は非侵襲的で血糖値を測定可能なデバイスを開発。皮膚を透過しブドウ糖分子にのみ反応するレーザー光を使用することで、患者は痛みを伴わずに血糖値を調べることができる。

同社はこれまでにエンジェル投資家から少額の投資ラウンドを実施済。現在、ポーランド国内の糖尿病専門クリニックで、据え置き型1種類とウェアラブル可搬型2種類のデバイスを臨床試験中で、来年夏の販売開始を見込んでいる。

Sym(アメリカ)

Sym は、さまざまな業界のエンジニアがセキュリティやプライバシー要件に合わせた情報ワークフローを作成できるプラットフォームだ。GDPR(EU 一般データ保護規則)、CCPA(カリフォルニア州消費者保護法)などのデータコンプライアンス規制に対応。

インテリジェントルーティング、マルチチャンネルサポート、エビデンス収集を特徴とし、ユーザは予めシステム上に用意されたワークフローをカスタマイズ可能、企業はワークフローのレビューや内部メンテナンスのための時間や手間を削減できる。

Orai(アメリカ)

Orai は、人前でも緊張せずにスピーチやプレゼンテーションできるよう支援する AI トレーニングアプリだ。ユーザはインタラクティブなレッスンと単語練習で、いつでもどこでもスピーチを録音して練習することができる。すぐにフィードバックが得られ、ゲーミフィケーションによリ、説得力のあるスピーチを明確に、自信を持って伝えるという最終目標に到達することが容易になる。

Orai は、フィラデルフィアのドレクセル大学の工学部に在籍した、英語を母国語としない複数の外国人学生によって設立されたスタートアップだ。自分たちのプレゼンテーションスキルを改善するために Orai を開発した。これまでにプレシードラウンドとシードラウンドを通じて Techstars などから230万米ドルを調達している。


なお、Collision の主催者であり、例年秋にポルトガル・リスボンでテックカンファレンスを開催している WebSummit は、新型コロナウイルスの影響で今年の開催が危ぶまれる中、今年の WebSummit を通常より約1ヶ月遅い12月2~4日に開催することをと発表した。ポルトガルをはじめヨーロッパでの新型コロナウイルスの収束状況を見て、10月に最終判断が決定される予定。

また、WebSummit の CEO Paddy Cosgrave 氏 による記者会見では、WebSummit が香港で開催してきたテックカンファレンスRISEを、2021年に日本で開催することにも言及があった(香港情勢にかんがみ、今年の RISE は開催されていない)。Cosgrave 氏は昨年、大阪で開催された G20 の前には、EU コミッションのメンバーとして通称「HIRAI Pitch」で知られた IT 担当大臣(当時)の平井卓也氏と面会していた

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技術至上主義の覇権争いが続く中、米中がAI分野で先手を狙う本当の理由〜英スローニュース団体主催「Tortoise Global AI Summit」から

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米中間で緊張と技術的な対立が激化する中、AI がその中心的な役割を果たしている。BBC の前ニュースディレクターらが立ち上げたスローニュース(調査報道)系ジャーナリズムネットワーク「Tortoise」は15日、「Tortoise Global AI Summit」をオンライン開催した。世界の超大国アメリカと中国の関係がますます険悪になっていることについて、トランプ大統領が貿易戦争を開始する前から、…

Image credit: Wallpaper Flare

米中間で緊張と技術的な対立が激化する中、AI がその中心的な役割を果たしている。BBC の前ニュースディレクターらが立ち上げたスローニュース(調査報道)系ジャーナリズムネットワーク「Tortoise」は15日、「Tortoise Global AI Summit」をオンライン開催した。世界の超大国アメリカと中国の関係がますます険悪になっていることについて、トランプ大統領が貿易戦争を開始する前から、両国の競合関係に苦言を呈してきたパネリストらが議論した。

二国間の競争は幅広い技術に及んでいるが、多くの人が今後数十年の間に AI が果たすであろう本質的な役割のおかげで、AI がますます注目されるようになってきていることについて、パネリストの3人は同意している。そして、AI の覇権争いが中国とアメリカだけでなく、他のすべての国がこの技術競争の中で自らの立ち位置を見直さざるを得なくなっている。

世界の二大国の関係が悪化している中で、技術競争を目の当たりにしている。この2つの国はほぼ同規模の経済規模を持ち、世界を支配するための影響力を誇示するための手段として、その経済基盤を利用している。技術競争が広範になる中で、AI は中心的な位置付けを占めている。(イギリスの諜報機関 MI6 の元トップ John Sawers 氏)

Sawers 氏と共にパネルディスカッションに参加したのは、イギリスの新興半導体メーカー Graphcore CEO の Nigel Toon 氏と、イギリス政府 AI 庁(Office for AI)長官の Sana Khareghani 氏。

中国とアメリカに関しては、彼らは非常に長い間、対立の中心に AI を置いてきたと思う。それはリーダーになるための経済競争であり、テクノロジーはそこに投げ込まれたようなものだった。(Khareghani 氏)

パネリストらは、アメリカでの AI の取り組みは企業が主導しているのに対し、中国では政府の政策によってイノベーションが推進されているという従来の常識について議論したが、Toon 氏はその見解に反論した。彼は中国政府がアメリカよりも大きな役割を果たしていることを認めながらも、中国での AI 開発の多くは Alibaba(阿里巴巴)や Huawei(華為)のようなテック大手が主導していて、彼らは Google や Facebook と同じモチベーションを持っている、と述べた。

そういった大手は、外から見れば無敵に見えるかもしれない、と同氏は言う。しかし、彼らは優れた AI プロダクトを作り出す競合への恐れに駆られている。

イギリスの新興半導体メーカー Graphcore CEO の Nigel Toon 氏

テック大手の立場から見てみれば、AI は彼ら自身の存亡に関わるテクノロジーだ。もし他の誰かが Google よりも早く最先端の AI を開発したら………Google はそれを心配している。だからこそ、彼らはこの分野に大金を投資している。Facebook が AI に大金を投資しているのもそのためだ。Google が DeepMind を買収した理由もまさにそれ。こうしたテック大手にとって、AI は自らの存亡に関わるものでしかない。Alibaba にとっても、Tencent(騰訊)にとっても。(Toon 氏)

中国が大きく違うのは、政府がテック企業とより緊密で協力的な関係を築いていることだと Toon 氏は付け加えた。さらに、中国のプライバシーやデータに関する政策や文化は、中国に優位性を与えている。

(中国では)データの収集や利用に何の制約も無い。欧米では、自由な社会の一部として個人のプライバシーに誇りを持っている……中国は大都市の内部に監視システムを設置しているが、これは非常に強力で、(秘密警察の支配を背景とした恐怖政治を行った)スターリンが死んでもおかしくないような制御メカニズムだ。これは中国政府にとって、この分野でアドンバンテージをもたらす。なぜなら、AI と機械学習はデータの大量収集に非常に大きく依存し、そのデータを咀嚼・操作することができるからだ。(Sawer 氏)

この二者択一の図式は、必然的にヨーロッパがその図式の中の、どこにどのように収まるのかという問題につながった。欧州連合(EU)は近年、AI の開発を政治的にも、経済的にも優先させている。この地域は研究やスタートアップに多額の投資を行っているが、米中よりも倫理的なアプローチで AI に取り組むことで、独自のアイデンティティを確立しようとしている。

Khareghani 氏は、大きなリードを持つ米中のベンチャーキャピタルが示す数字は、ヨーロッパの強さを過小評価する傾向があると述べた。

AI にどれだけの投資をしているかという点では、米中が特定の方法でリードしていることを考慮する価値があると思う。しかし、集中、貢献、思考のリーダーシップという点では、カナダ、ドイツ、フランスなどの国と並んで、イギリスが上位に位置している。つまり、判断材料には、資金をどれだけ調達しているかだけでなく、それ以上のものを考慮すべきだと思う。(Khareghani 氏)

イギリス政府 AI 庁(Office for AI)長官の Sana Khareghani 氏

しかし、ヨーロッパにはいくつかの深刻な限界がある。例えば、ヨーロッパはディープテック関連の多くの分野で目覚ましい進歩を遂げているが、高度なコンピューティングの開発に必要な基本コンポーネントの多くを他国に大きく依存していると Toon 氏は指摘している。

コアとなる基礎技術の一部については、供給量が非常に限られている。半導体を例に挙げてみよう。半導体の最先端で製造できる企業は地球上に3社しかない。我々は台湾に拠点を置く TSMC(台積電)と協力している。ヨーロッパの我々がこういった最先端の半導体技術を開発できるとは信じがたい、あるいは不可能だと思う。(Toon 氏)

では、ヨーロッパはどのように対応すべきなのだろうか。Toon 氏は、データや AI の利用に関する規制強化は、国民の信頼と信頼を促進することを目的としているものの、地域企業の活動を阻害することで裏目に出てしまうのではないかと懸念している。

こういった最先端技術へのアクセスができないために、ヨーロッパが競争に参加できなくなるような政策を実施しないよう注意する必要がある。(Toon 氏)

これまでヨーロッパは、米中と協力してその地位を利用しようとしてきた。しかし、最近の出来事はそれを難しくしている。米中が貿易障壁を作り、技術の独立性を主張するようになれば、ヨーロッパは両者との関係を見直さなければならなくなるだろう。

イギリスの諜報機関 MI6 の元トップ John Sawers 氏

長い間、ヨーロッパは、どうにかして両方の世界のベストを手に入れることができると感じていたと思う。そうすれば、アメリカとの政治的・防衛的な同盟関係を維持しつつ、中国を対等な経済パートナーとして扱うことができる。多くのヨーロッパ人にとっては、新型コロナウイルスをきっかけに、現在の中国政権の本質について目から鱗が落ちたと思う……中国ははるかに自己主張が強くなった。我々は、中国が香港で、そして、南シナ海で、何をしているかを見ている。サイバーセキュリティの分野で何をしているかを見ている。中国がどれだけ抑圧的であるかを見ている。(Sawers 氏)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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サイバーエージェント・キャピタル、新型コロナ対応で「Monthly Pitch」を初のオンライン開催—8社が登壇、国内外から投資家120名超が集まる

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サイバーエージェント・キャピタル(CAC)は毎月第2水曜日、シード・アーリー期の起業家と投資家が集まるピッチイベント「Monthly Pitch」を開催している。これまで渋谷の「hoops link tokyo」で開催されてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大による影響から、13日に開催された第37回は完全オンラインで開催された。 ピッチセッションには、十年以上事業継続している会社から、最近設立さ…

サイバーエージェント・キャピタル(CAC)は毎月第2水曜日、シード・アーリー期の起業家と投資家が集まるピッチイベント「Monthly Pitch」を開催している。これまで渋谷の「hoops link tokyo」で開催されてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大による影響から、13日に開催された第37回は完全オンラインで開催された。

ピッチセッションには、十年以上事業継続している会社から、最近設立されたスタートアップまで多様な顔ぶれ8社が登壇。従来のオフライン開催時に勝る盛況ぶりで、観覧する投資家は日本内外から120人超(筆者カウント)が参加した。オンラインイベントではネットワーキングの難しさボトルネックになるが、Zoom の Breakout Rooms 機能とスタッフらのコーディネイトにより、起業家と投資家の具体的な出資相談にも花が咲いたようだ。

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今回ピッチ登壇した8社のサービスは以下の通り。

dDrive by DigitalBlast

DigitalBlast の「dDrive」は、運送ドライバの労務環境改善を狙うサービスだ。運送業界では、長時間労働が問題として顕在化しているが、実のところ、トラックを運転している時間よりも、荷待ち・荷役の時間が長いことに起因することが多い。ただ、ドライバが荷主に対して、荷待ち・荷役の時間を是正するよう改善を求めることは立場上難しい。

dDrive ではアプリを通じてドライバの労務を記録、これを解析し日報・労務データ・分析データを自動作成することで、運送会社が実態を把握することを支援する。状況が見える化されることで、運送会社は荷主に対して荷待ち・荷役の改善を求めやすくなる。運送ドライバには中高年者も多いため、操作はワンクリックだけ、ポイントなどインセンティブで持続使用しやすい仕掛けを取り入れた。

PRENO by PRENO

C CHANNEL で海外事業責任者を務めていた肥沼芳明氏が昨年立ち上げた PRENO は、コスメに特化した自動販売機を展開するスタートアップだ。これまでは専門店や百貨店での対面販売か、通信販売などに限定されていた化粧品の販売チャネルを新規開拓する。日本未上陸の海外ブランドや、未発売の商品ラインを扱うことで既存流通と差別化された UX を提供する。

自動販売機は現金を扱わず、QR コード決済とクレジットカード決済のみに対応。デジタルサイネージが搭載されており、商品購入時に QR コードを表示して、ユーザにサンプリングアンケートに答えてもらったり、メイクアップ効果を AR で再現したりする運用も可能だという。初号機はラフォーレ原宿に設置される予定で、年内に空港や百貨店などに60台程度の設置を目指している。

みーつけあ by みーつけあ

みーつけあ」は、介護サービスを希望する利用者と提供者をマッチングするプラットフォームだ。通常、介護保険サービスを利用する場合、依頼をしてから実際にサービスが開始されるまでに2ヶ月程度を要する。利用者家族が何に困っているかを把握し、行政を通じて、それに対応可能なサービスを提供できる事業所(デイケア)がヘルパーの空き状況を確認する必要があるからだ。

みーつけあでは、有資格者が毎日受電し、利用者家族が困っている内容を把握。それに応じて、事業所に利用者を紹介することで最短で即日のマッチングを可能にする。事業所のデータベースを保有し、事業所毎に利用者による口コミを参照することが可能。最終的には、事業所のみならず、ヘルパーにまでリーチできるサービスを目指す。新型コロナに伴い、利用者家族とヘルパーのウェブ面談機能を開発中。

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ベチャクチャ / ドリアン by わたしは

わたしはは、AI をエンターテイメントに活用した「大喜利 AI」という分野を開拓するスタートアップだ。ある人物が話す意識、音声、文章特徴、話者特徴などを取り出し(これらを「パーツ」と呼んでいる)、それらを自由に組み合わせて、新しいエンターテイメントを創出する。外部化されたパーツをユーザが再構成することで、ユーザの創造力に基づいた二次創作体験を支援する。

大喜利 AI をユーザが体験できるよう、わたしはでは現在2つのアプリを公開している。妄想トーク作成アプリ「ペチャクチャ」は、誰かと誰かのおしゃべりを AI と共に作れるアプリ。例えば、織田信長とチェ・ゲバラを対話させたりできる(上の画像)。MAD 動画作成アプリ「ドリアン」は、短編動画や画像をアップロードすると AI が自動合成された動画クリップを作成する。

OOParts by Black

ブラックが開発・提供する「OOparts」は、コンソールゲームを Web ブラウザ上でプレイできるクラウドゲーミングプラットフォームだ。ハードウェアや OS などに依存しないため、ユーザはあるゲームをプレイするために余分な出費をしいられず、デベロッパにとっては機種毎の移植をしなくてもユーザを拡大できるメリットがある。

先頃、Google が Stadia を公開したことに代表されるように、GAFAMBAT(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft、Baidu=百度、Alibaba=阿里巴巴、Tencent=騰訊)は多額の投資をしてハイエンドのゲームを提供としているのと対照的に、OOparts では懐かしのローエンドゲーム、特に往年のファンを多く抱えるアドベンチャー系ゲームに特化するようだ。

NobodySurf by reblue

世界には3,500万人のサーファーがいるが、サーファーのコミュニティの一つ一つは小規模かつ点在・分散している。このため互いにつながることができず、例えば、サーファーショップやサーフィン関連メーカーが新商品を開発しても世界の見込顧客にはリーチできないし、サーファーは世界中から最良のコンテンツを見つけ楽しむことができない。

reblue の「NobodySurf」は、世界100カ国以上370万人へのリーチを誇るプラットフォームだ。世界2,000名のクリエイターが作った1万本のサーフィン動画作品が楽しめるほか、SNS 機能などを提供する。今年2月からはサブスクリプションモデルと広告によるマネタイズをスタート。近日中には EC もスタートさせ、将来はサーフィンに関連した C2C や旅行にまで業態を広げる計画だ。

Discoveriez by G-NEXT

企業のお客様相談室は、商品について消費者からのあらゆる苦情に対応する必要があり、さらに、異物混入の申告があった場合には、それを回収し、調査し、継続的にフォローアップするなど一貫した対応を求められる。既存の CRM や SFA ツールでは対応が難しかった。「Discoveriez」は、お客様相談室向けに特化した SaaS で企業を支援する。

ノウハウの詰まった豊富なテンプレートを備え、リスクマネジメントに特化した包括的な機能を提供。関連対応する部署やロールに合わせて、顧客情報を見せる見せない、品質情報を見せる見せない、などの細かい条件設定が可能だ。これまで大企業への提供にフォーカスしてきたが、今後は、SaaS で中規模企業の需要開拓にも注力する。

SaaSke by Interpark

2000年に創業したインターパークは、これまで業務用統合クラウドの「サスケ」や業務用050アプリ「SUBLINE(サブライン)」などを開発してきた。サスケのプロダクトラインの一つとして、必要なアプリをクラウド上で簡単に作れるサービス「サスケ Works」をリリースする。1,500社以上いるサスケシリーズの既存ユーザに加え、新規ユーザを獲得したい考え。

サスケ Works で実現できる機能は一部 SaaS 型 RPA にも似ているが、RPA が既存のツールやアプリの操作を自動化するのに対し、サスケ Works ではアプリそのものをスクラッチで作成できる点で新しい。また、サンプルアプリが100種類用意され、自分が作ったクラウド上のアプリを他ユーザに販売できるマーケットプレイスも開設。一定期間でフリーミアムで提供される見込みだ。


今回の8社の登壇を受けて、Morning Pitch でピッチしたスタートアップは累積286社。また CAC では、今年1月までに登壇したスタートアップの資金調達成功率が58.3%に達したことを明らかにしている。

Morning Pitch 第37回の終了を受けて、CAC ではすでに第38回へのエントリを開始している。募集の締切は5月19日23時59分まで、開催は6月10日にオンラインで予定されている。

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Open Network Labが第20期プログラムのデモデイを開催、新型コロナの影響で採択6チームはオンラインでピッチ

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Open Network Lab は21日、Seed Accelerator Program 第20期のスタートアップを披露するデモデイを開催した。このバッチには日本の内外から合計120チームのエントリがあり、うち6チームが採択され3ヶ月間にわたってメンタリングや支援を受けた。なお、Open Network Lab はプログラム開始から10周年を迎えた。 新型コロナウイルスの影響で、今回のデモデイ…

Image credit: Open Network Lab

Open Network Lab は21日、Seed Accelerator Program 第20期のスタートアップを披露するデモデイを開催した。このバッチには日本の内外から合計120チームのエントリがあり、うち6チームが採択され3ヶ月間にわたってメンタリングや支援を受けた。なお、Open Network Lab はプログラム開始から10周年を迎えた。

新型コロナウイルスの影響で、今回のデモデイはオンライン開催となった。いつものような審査員を迎えての表彰も省略されネットワーキング機会も無いため、Open Network Lab ではピッチを視聴した投資家や事業会社からフィードバックをもらい、輩出スタートアップの次ラウンドの資金調達支援などにつなげたいとしている。

第20期に採択され、デモデイに登壇したスタートアップは次の通り。

PalledAd by PalledAd

Image credit: Open Network Lab

オフライン広告は、オンライン広告では狙えないオーディエンスにリーチできるメリットがある。しかし、エレベータサイネージやタクシー内広告などと対照的に、屋外広告は一般事業者にまだ有効に活用されているとは言えない。その理由は、オンライン広告と違い効果測定やデータの可視化が十分行われてこなかったため、投資額に見合った成果が得られるかどうかのシミュレーションが難しいこと、また、広告配信を行う窓口がバラバラであるため、直接広告枠を買うのが難しいこと、などが挙げられる。

Image credit: Open Network Lab

PalledAd」は、前述した屋外広告特有の2つのペインを解決するプラットフォームだ。人流データ × VR アイトラッキングにより、独自アルゴリズムで屋外広告のインプレッションを算出。500媒体以上の広告品質を評価し、出稿ユーザは予算とターゲットオーディエンスを指定するだけで、出稿先を選び依頼することができる。PalleDad が広告出稿者と媒体オーナーを取り次ぐことで、出稿料の15%を手数料として受け取る。現在、国内の広告代理店3社と商談中で、媒体オーナー10社から問い合わせが来ているという。

SignPlace by SignPlace

Image credit: Open Network Lab

Z 世代(1990年代後半以降生まれ)の典型的な社会行動パターンとして、Instagram を使って人気スポットに行ったり、食事に行ったりすることが挙げられる。彼らはグルメアプリや観光アプリに頼らず、ハッシュタグ検索で Instagram などから情報を得ているが、ハッシュタグが乱用されたことにより、ユーザが本来望んだ検索結果にたどり着けない問題が生じている(ハッシュタグ汚染)。そのため、ユーザは自分だけのデータベースを作り、そこから必要に応じて情報を取り出すようになった(ストクる)。

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しかし、「ストクる」行動にも課題があり、Instagram を使うと営業時間や店舗情報は改めて別のツールで調べ直す必要があり、LINE を使うとフロー型の SNS であるため遡って求める情報を探し出すのが大変で、Google Maps だと SNS ではないため友人やインフルエンサーのオススメから欲しい情報を集めることができない。そこで、友人と街の情報を共有できる形で「ストクる」行動を可能にする SNS として 「SignPlace」が開発された。将来は、ジオターゲティング広告や AR の展開などを予定。

aiPass by CUICIN

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宿泊施設ではオペレーションの効率化が課題だが、その足かせの一つとなっているのが利用されているシステムの多さだ。例えば、あるホテルではベンダー15社・14システムが利用されていたという。このシステムの多さが宿泊業界の非効率、コスト高、レガシーさを招いていると考えた CUICIN は、宿泊施設の一連のオペレーションを単一 SaaS「aiPass」で一気通貫に処理できる仕組みを目指す。まずは手始めにチェックインから着手した。

3年間の保管義務、求められる項目が地方自治体によってバラバラであること、また、保健所が紙での記録・保存を推奨しているなどの理由から、レセプションでのチェックインでは宿泊客が紙に記入することが多い。このため、従業員1人あたり5.6時間/日、宿泊客1組あたり15分がチェックインに費やされている。一部ホテルでは自動チェックイン機が採用されているが、導入・運用コストが高いもののユーザビリティは良くない。そこで、CUICIN ではスマートフォンで事前チェックイン→チェックアウトできる仕組みを開発した。

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2月に公開したプレビュー版では、従来は18ステップあったチェックインやチェックアウトのプロセスを、6ステップにまで減らすことに成功。現在はホテル運営会社4社と PoC を行っている。ユニークなのは、aiPass の基礎機能とは別に、ホテル毎に求められる追加機能(決済、スマートキー、館内リクエストなど)を他システムと連携する API としてカスタマイズ開発する点だ。同社では共同開発モデルを導入するホテルには基礎機能を無料提供し API 開発でマネタイズ、後に他ホテルには SaaS モデルで提供する。

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フクスケ by フクスケ

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厚生労働省の旗振りにより2018年に解禁となった副業制度は、2027年には全従業員への展開が目指されている。一方で、副業制度を導入することで、企業にとっては従業員の隠れ過重労働、副業を踏み台にした反社会勢力の侵入、営業秘密の情報漏洩などリスクも高まる。リスクを最小化するために、企業は適正な副業制度を構築・運用する必要があるが、これには最新の労働法に沿った専門知識が必要で、企業の人事部門だけで整備するには困難を伴う。

フクスケ」は、企業の副業制度に向けた制度設計・制度運用・事故対応を一気通貫で提供できるクラウドサービスだ。200件以上の事故事例を元に作成された、弁護士や社労士監修のフレームワークを使って、企業は独自の副業制度を簡単に設計できる。厚生労働省の副業ガイドラインにも準拠しており、クラウドであるため加除式コンテンツへの対応も可能だ。社員からの副業内容の入力に応じて、第三者視点からリスク判定するサービスも提供。三井住友海上と開発した情報漏洩リスク保険も提供する。

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これまでに企業から17件の問い合わせを受け全てが商談化。従業員人数の10%分のアカウントを、1アカウントあたり1ヶ月1,200円で購入してもらうサブスクモデルで、すでに有料ユーザが3社いるという。オプションで Kintone など他 SaaS とも連携予定。当初は大企業向けのパッケージプラン提供から着手し、2022年には必要機能を細分化した廉価版を中小企業向けに提供する計画だ。

ANIPOS by ANIPOS

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日本のペット保険の加入率は7.7%と、13頭に1頭が加入している計算になる。年率20%と成長は著しいものの、年間に100万件(潜在件数)に及ぶ保険金の未申請の多さが業界の大きな課題となっている。保険金を申請しなかった理由について加入者に尋ねたところ、保険に入っていることを忘れていた、あるいは、申請方法が難しく面倒さから保険金を申請しなかった、という回答が多かった。保険会社には加入者に対する利便性向上と業務効率化が求められるが、この2つのテーマはトレードオフの関係で実現が難しい。

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ANIPOS」は、保険加入者向けのモバイルアプリと、保険会社向けの業務効率化ができる Web ダッシュボードで構成されるプラットフォームだ。加入者は動物病院でもらった診療明細書の写真をスマホで撮影するだけで保険金の申請が完了。保険会社はダッシュボードを通じて、申請の受理や AI-OCR によるデータのデジタル読込や保険金査定の自動化が行える。国内のペット保険会社16社中、コンタクトした6社全てと商談が進行中。うち、1社とはデータ学習や経営インパクトを検証する PoC を実施中だ。

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Tippsy Sake by Tippsy

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アメリカでは ミレニアルを中心に Sake Bomb をきっかけに認知度を高めた日本酒だが、近年ではクールな飲み物として認知され、日本食以外のレストランで食事とのペアリングに使われたり、クラフト SAKE ブルワリーなども展開されたりするようになった。醸造酒という括りでワインカテゴリで見れば、日本酒はロゼやスパークリングを抜く成長市場として注目を集めているという。

一方で、Tippsy が800人の消費者にアンケートを実施したところ、レストランで日本酒を飲んだこともあるものの、買う場所が近くに無かったり買い方がわからなかったりという理由から、自らストアで日本酒を購入した人は少なかったという。アメリカでは、禁酒法時代に制定された免許の都合上、州境を越えての酒販が許されていなかった。これがアルコール飲料のサプライチェーンやブランドコミュニケーションに影響し、これまで日本酒の効果的なマーケティング展開を阻んできた。

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ロサンゼルスに拠点を置く「Tippsy Sake」は、全米に日本酒を届ける EC プラットフォーム。酒蔵毎のストーリーテリングなどブランドコミュニケーションに注力し、日本酒に不案内なアメリカ人にも味の違いをわかりやすく紹介している。300種類以上の日本酒ブランドへのアクセスを提供し、日本酒初心者には、毎回異なる銘柄が送られてくるミニボトルによるサブスクリプションサービスも用意した。

規制緩和の影響もあり酒販がオンラインへと移行する追い風を受ける中、Tippsy Sake はローンチから1年間で月商が当初の5倍の9万米ドルににまで成長。これまでにシードラウンドで50万米ドルを調達しており、年内には売上10億円規模を目指し自社ブランドを立ち上げるることが目標だ。将来はアメリカで日本酒の卸も手掛け、市場シェア10%を目指すとしている。


Open Network Lab プログラムディレクターの佐藤直紀氏によれば、今回の第20期の修了を受け、Open Network Lab は通算で120組のスタートアップを輩出したことになる。また、前回第19期までの輩出スタートアップの、次期資金調達達成率は60.4%、イグジット率は13.5%に達しているとのことだ。

第20期デモデイの開催とともに、第21期への応募受付が開始された。第21期への申込締切は、5月29日の正午となっている。

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KDDI∞LaboがclusterでVRデモデイを開催、「5Gを接着剤に」大企業とスタートアップの協業を促す新体制を始動——協業4プロジェクトを披露

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KDDI は24日、第13期目となる KDDI ∞ Labo のデモデイを開催した。新型コロナウイルス対策のため、今回のデモデイは VR イベントプラットフォームの「cluster」を通じて実施され、その模様は YouTube Live、Facebook Live、Periscope で中継された。すべてのプラットフォームを通じての視聴者は、数百名程度に達したとみられる。KDDI ∞ LABO が…

KDDI は24日、第13期目となる KDDI ∞ Labo のデモデイを開催した。新型コロナウイルス対策のため、今回のデモデイは VR イベントプラットフォームの「cluster」を通じて実施され、その模様は YouTube Live、Facebook Live、Periscope で中継された。すべてのプラットフォームを通じての視聴者は、数百名程度に達したとみられる。KDDI ∞ LABO が cluster を使ってピッチイベントをオンライン・バーチャル開催するのは今回で2回目。

KDDI はこの日、スタートアップ向けの事業支援プログラム「5G for Startups」と事業共創プログラム「∞ の翼」を発表した。KDDI は今日3月26日から日本国内主要都市で 5G サービスをスタートさせるが、「5G を接着剤に」として、「KDDI ∞ Labo パートナー連合」に参加する大企業46社とスタートアップの協業を促す。

5G for Startups は、予算がついている大企業の商用プロジェクトにスタートアップを参加させることで、スタートアップによる 5G サービス創出を狙う。5G による既存事業のアップデートや、5Gを活用した革新的なビジネスモデル創出を目指すスタートアップを対象に公募を受け付け、選考されたスタートアップには、パートナー連合から事業支援アセットを提供する。

∞ の翼は、大企業各社で進行中の新規事業プロジェクトを公開し、各プロジェクトごとにスタートアップとの事業化を推進する共創プログラム。∞ の翼の第1弾として、「5G × コミュニケーション」「5G × 商業施設」「5G × テレビ番組」「5G×スタジアム」の4つの事業共創プロジェクトと、それに参加する大企業とスタートアップが紹介された。

5G × コミュニケーション

  • テーマ: 新たなイベント観戦、コミュニケーション体験の創出
  • プロジェクトオーナー: ミクシィ、KDDI
  • 提供アセット:マーケットイン(ミクシィ)、5G 通信環境(KDDI)

取り組み内容:

  • リアルなアバターにて、現実世界とバーチャル世界を溶け込ませる新しいエンターテインメント体験
  • 観客と主催者・演者とが、双方向でコミュニケーションし、皆で盛り上がることができる演出
  • 自宅やお店、パブリックビューイングなど、遠隔地からでも会場とインタラクション可能になる仕組み

採択スタートアップ: VRC

SNS に始まり、現在はソーシャルゲームデベロッパとしてのポジションを色濃くするミクシィだが、ポストソーシャルゲーム時代の新たなキラーコンテンツ開発を加速すべく、スタートアップとの共創を狙った「CROSS ACCELERATOR」を先日公開した。同社では、このコンテンツ開発にリアルアバター、アバターを使ったデジタルとリアルを地続きにするデジタルツインが必須と考えているようだ。

VRC は、実在する人物の全身 3D モデリングを行い、わずか20秒でリアルアバターを作る技術を有する。実際に今回のデモデイで使われた登壇者のアバターも VRC の技術を使った作られた。コストパフォーマンスを重視しており、一度取得したアバターデータを複数アプリケーションで活用できる。バーチャルフィッティング、服装コーディネート、エンタメコンテンツなどへのの適用を狙う。

5G × 商業施設

  • テーマ: 商業施設の運営効率化や新たなお客さま体験の創出
  • プロジェクトオーナー: 三井不動産、KDDI
  • 提供アセット:ららぽーと他商業施設(三井不動産)、5G 通信環境(KDDI)

取り組み内容:

  • 自律移動型ロボットを活用した、商業施設の新たな警備システムの開発
  • 5G 通信環境を活用したサービス・ビジネスモデルの開発
  • その他、商業施設の運用効率化や新たなお客さま体験の創出

採択スタートアップ: SEQSENSE

三井不動産は、ららぽーとに代表される商業施設運用部が中心となり、警備・清掃・設備保守点検などの運営コスト低減につながる事業共創案、快適なショッピング体験の創出、5G を生かしたイベントの催事向けエンターテイメントなどの提案を求めた。

2016年に設立されたロボティクススタートアップの SEQSENSE は、スターウォーズの R2-D2 のような機能性を持ったドロイドロボットを開発しており、自律移動型警備ロボット「SQ-2」は、オフィスビルのほか羽田空港にも導入された。周辺環境や自己位置の把握技術で群を抜いており、ソフトウェア、ハードウェア、アルゴリズムを一気通貫で提供できることを強みとする。

3社では、テクノロジーを駆使した安心快適な商業施設の創造を目指す。2020年度は、三井不動産所有商業施設で 5G 環境を使ったロボット警備システムを開発、2021年度以降、異常検知と連動した動作の実現、警備ロボットの屋外展開、清掃や運搬など警備以外の領域への活用を目指す。

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5G × テレビ番組

  • テーマ: テレビ番組と連動した新たなビジネスの創出
  • プロジェクトオーナー: テレビ東京
  • 提供アセット:シナぷしゅ(テレビ東京)

取り組み内容:

  • 放送番組内容と連動し、放送局としての新たな商品やコンテンツの開発に結び付く事業共創

採択スタートアップ: トラーナ、ピースオブケイク

テレビ東京は、乳幼児向け子供番組「シナぷしゅ」を制作している。子供向け番組としては、NHK の E テレ(旧・教育テレビ)が先行するが、赤ちゃん目線を徹底することでオルタナティブな位置づけを目指しており、実際に子供を持つ複数のテレビ東京社員がプロデューサーを手掛けている。テレビ東京系列の全国ネットで昨年末にパイロット版を放送、今年4月からは月〜金に本放送が開始される予定だ(午前7時35分〜午前8時、現在「朝の! さんぽ道」が放送されている時間枠)。

一方、スタートアップであるトラーナは、おもちゃのレンタルサブスクリプションサービス「トイサブ!」を提供している。月額3,340円(税抜)で、2ヶ月毎に古いおもちゃを返却し、新しいおもちゃが送られてくることが特徴。子供にどんなおもちゃを選べばいいかわからない親のために、子供の成長や2ヶ月毎の親からのフィードバックに応じて、最適なおもちゃが提案される。

テレビ東京では、シナぷしゅの視聴者で構成されたオンラインサロンをピースオブケイクの「note」を使って構築し、トラーナの協力の元、シナぷしゅ視聴者の意見を取り入れた「令和の時代の新たな知育玩具」の創出を目指す。

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5G × スタジアム

  • テーマ: スタジアムにおける新たなスポーツ観戦体験の創出
  • プロジェクトオーナー: KDDI、名古屋グランパスエイト
  • 提供アセット: 豊田スタジアム(名古屋グランパスエイト)、5G 通信環境(KDDI)

取り組み内容:

  • 試合のスタッツや観客の盛り上がり具合などをリアルタイムに可視化
  • 会場外のスペースも使い、場内と同様の熱量で観戦できる仕組み
  • 試合前や試合中に、客席からでもスマホで操作できる、双方向型のイベント演出

採択スタートアップ: ENDROLL

プロサッカーグラブを運営する名古屋グランパスエイトは、一度のゲームでに数万人のファンが訪れるスタジアムで、これまでになかった興奮の提供を模索している。新たなスポーツ観戦体験の創出により、ファンエンゲージメントを高め、より多くの顧客により深くゲームを楽しんでもらうことを狙う。

このテーマに採択された AR スタートアップの ENDROLL は、イマーシブな(没入型の)AR エンターテイメントプラットフォームを開発している。世界最大の AR コミュニティ「AWE」の東京イベントのオーガナイザーを務めるほか、先月にはタイトーと協業し、新たな AR エンターテイメントを開発することを明らかにしている。

今回の協業で、ENDROLL は、ファンによる多人数同時参加型のイマーシブエンターテイメントを開発するとした。名古屋グランパスエイトのサッカー選手たちが、サッカー選手という道を選ばなかった時のストーリーをフィクション仕立ての AR 体験コンテンツの形で提供するようだ。観戦前コンテンツを充実さえ、豊田スタジアムをテーマパーク化したいと意気込む。

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東急のアクセラレータが2019年度のデモデイを開催、スタートアップ6チームが東急グループ各社との共創事業を提案ピッチ

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東急(東証:9005)は23日、都内で同社のスタートアップアクセラレータ「東急アクセラレートプログラム(TAP)」2019年度の最終審査会を開催し、東急グループとの事業共創検討に至った6社が登壇した。なお、今回は新型コロナウイルス対策のため無観客開催、審査員は遠隔での参加となった。 東急アクセラレートプログラムは、東急グループのリソースを活用し、スタートアップにテストマーケティングの機会を提供する…

東急(東証:9005)は23日、都内で同社のスタートアップアクセラレータ「東急アクセラレートプログラム(TAP)」2019年度の最終審査会を開催し、東急グループとの事業共創検討に至った6社が登壇した。なお、今回は新型コロナウイルス対策のため無観客開催、審査員は遠隔での参加となった。

東急アクセラレートプログラムは、東急グループのリソースを活用し、スタートアップにテストマーケティングの機会を提供するのが特徴。前回のバッチからは締切を設けない通年募集、適宜共創を検討するという体制が取られている。今回からはさらにいくつかのマイナーチェンジが施され、経営メンタリングよりも東急グループ各社への事業実装を重視する形に移行、また以前は審査が毎月実施だったが、エントリから審査結果連絡までのリードタイムが2週間に短縮された。

2019年度はスタートアップ124社からエントリがあり、うち43社がプレゼン審査を通過、最終的に6社が共創検討対象(今回の登壇者)に残った。第1期からの通算での応募累計634社、うち PoC を実施した件数は30件、事業提携や資本提携を結んだのは6社で、東急グループからスタートアップへの出資総額は10数億円に上る。

対象となる領域は、交通/不動産・百貨店・スーパー/広告/ヘルスケア/ツーリズム/エンタテイメント/スマートホーム/デジタルマーケ/スポーツ/ホテル・ホステル/物流・倉庫/建設/カード・ポイント/教育・カルチャーなど17領域で、東急グループ26事業者がスタートアップとの協業を目指す。なお、次期2020年度からは、東急グループとの事業共創を前提とせず、東急グループにとっての全くの新領域も採択の対象となる。

最終審査会では、新規性、親和性、成長性、実現可能性の4つの観点で審査された。今回の最終審査会で審査員を務めたのは以下の方々だ。

  • グローバル IoT テクノロジーベンチャーズ 代表取締役社長 安達俊久氏(ゲスト審査員)
  • デロイトトーマツベンチャーサポート 代表取締役社長 斎藤祐馬氏(ゲスト審査員)
  • SBI インベストメント CVC 事業部長 加藤由紀子氏(ゲスト審査員)
  • Spiral Capital シニアアソシエイト 立石美帆氏(ゲスト審査員)
  • 東急 代表取締役社長 髙橋和夫氏(審査員長)
  • 東急 執行役員渋谷開発事業部長 東浦亮典氏(内部審査員)
  • 東急 執行役員沿線生活創造事業部長 金井美恵氏(内部審査員)

【最優秀賞】subsclife ✖️ 東急モールズデベロップメント

賞金:109万円

subsclife は、IoT 家具ブランドを展開する KAMARQ HOLDINGS からスピンオフしたスタートアップで、家具のサブスクリプションサービスを提供している。この日は、家具の購入から処分や売却まで、家具のライフサイクルを包括的にサービスとして提供できることをアピールした。

東急グループとは、法人向けには東急モールズデベロップメントが運営する商業施設に入居するテナントに対して、サブスクモデルによるインテリアや家具調達を踏まえた空間づくりの提案を行う。個人向けには、SHIBUYA 109 が監修した若年層ニーズ調査、企画開発に基づき、2種類のインテリアコーディネイトを3月下旬からサブスク家具として販売・提供する。

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【優秀賞(渋谷賞)】Balus ✖️ 東急レクリエーション

賞金:42万8,000円

Balus は、ライブエンターテイメントの分野に XR を持ち込むスタートアップだ。リモートでライブイベントが開催できるプラットフォーム「SPWN」を開発している。ライブ会場は都市圏に偏っており、週末は混雑していて予約が困難で、これは主催者であるアーティストにとっても、ファンにとっても不都合だ。また、アーティストにとって大きな収入源となるマーチャンダイズは、商品を購入した顧客情報を取得していないため、タッチポイントをその後のプロモーションに生かしきれていない。

バルスでは、VTuber の双方向ライブに代表されるアーティストのライブ中継はもとより(アプリ無し、ブラウザのみで使えるのも一つの売り)、チケット販売、マーチャンダイズ販売、DVD 販売、デジタルコンテンツ販売などを一つのプラットフォーム上に集約し、ファンにワンストップで提供できるようにする。顧客情報も集約するため、アーティストにとってもプロモーションを実施しやすく、マネタイゼーション効果を最大化できる。

昨年3月のローンチ以降、2019年には東京・大阪・福岡・札幌・福岡・上海・タイをはじめとして、69回のライブイベントを開催。これまでに45,000人がユーザ登録しており、平均単価15,000円、1イベントで最大3,800万円を売り上げた実績がある。東急レクリエーションとは、大阪や川崎のシネコン「109 シネマズ」で実施してきたライブイベントを全国拡大していくという。ライブイベント開催にあたって専用線敷設が必要なく、機材も PC のみで充足することから、主催者にとってのハードルが大幅に下がるという。

【二子玉川賞】LUUP ✖️ 東急電鉄

賞金:25万円

LUUP は、マイクロモビリティを都市に実装しようとする MaaS スタートアップだ。街のあらゆる場所にモビリティ機器を借りたり返したりできるポートを配置し、高齢者も含め全ての人が安全かつ便利に利用できるモビリティのプラットフォーマーになることを目指している。

現在は、マイクロモビリティを普及させるための素地づくりとして、電動キックボードの規制緩和(多くの先進国と異なり、日本やイギリスでは電動キックボードへの交通法規の適合化が進んでいないため、原付バイクと同じ扱いになる)やシェア事業としての実証実験(不動産オーナーと関係性を作りポートを整備、モビリティが所構わず放置されないための環境づくりなど)に注力、半年間で7つの自治体と連携した。

先頃、LUUP はマイクロモビリティ分野の複数プロバイダを集めた業界団体「マイクロモビリティ推進協議会」を設立し、LUUP の岡井大輝氏が代表に就任。LUUP は現在、警察庁の認可のもと一部公道での実証実験や、国の特定制度下(サンドボックス)での実証実験を行っている。東急電鉄とは、MaaS 実装、不動産連携、スマートシティ分野での協業を目指す。「東急線・東急バス サブスクパス」との連携、ベトナムで東急が開発するスマートシティ「東急ビンズンガーデンシティ」への実験導入などを行う。

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【SOIL 賞】空 ✖️ 東急ライフィア

賞金:10万円

は、ダイナミックプライシングによるホテルの価格設定支援サービスを提供している。同社の「MagicPrice」は、ホテルが周辺の競合ホテルとの比較や過去データに基づいた需要予想にも基づき、機械学習で最適な価格をリアリタイム計算。計算された価格は、自社サイトのほかサイトコントローラを経由して、旅行予約サイトや OTA にも自動反映できるしくみだ。東急グループでは東急ホテルズが運営する一部ホテルで MagicPrice が採用されている。

空では、東急グループとは、ダイナミックプライシングが適用可能な不動産(特に駐車場は在庫が持ち越せない点で、ホテルとビジネスモデルが似ている)、モビリティや観光(レンタカーやツアー旅行なども、ホテルと同様、需要に連動して価格が変動する)などへのダイナミックプライシング適用を検討。なかでも東急グループ傘下でコインパーキングを運営する東急ライフィアと協業し、コインパーキングへのダイナミックプライシング導入の実証実験を図るとした。

空は、先頃、披露された NTT 東日本のアクセラレータ「LIGHTnIC(ライトニック)」第3期においても、NTT グループ傘下のコインパーキング運営会社 NTT ル・パルクと同様の実証実験を行うことを明らかにしている。

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【SOIL 賞】SELF ✖️ 東急百貨店

賞金:10万円

AI スタートアップの SELF は、B 向けのコミュニケーション AI を開発している。小売事業向けの販売自動化システム「SELF LINK」では、リアル店舗でベテラン店員が接客するような体験をオンラインショップで再現することができる。ユーザの好みや特性を徹底的に理解し、他方、商品の特性も解析することで最適なマッチング提案を行う。

東急百貨店との協業では、4月13日からオンラインショップに導入される予定で、母の日商品、ギフト、ワインの商品カテゴリで、販売員に代わって SELF LINK が顧客と対話、売り場を的確に案内し、顧客が関心を示しつつも意外性のある商品の提案を行うことを目指す。オンラインショップにおけるコンバージョンレートの向上を狙う。

顧客の特性みならず、商品の特性も解析した上で双方マッチングするプロセスについては、「Okinawa Startup Program」の直近バッチで輩出された awoo(阿物)の取り組みにも似ているかもしれない。

【SOIL 賞】FUN UP ✖️ 東急百貨店

賞金:10万円

FUN UP は、スマホ上でパーツやデザインを選ぶだけでオリジナルアクセサリーが作成でき、それをプラットフォーム上で売買できる、ものづくりマーケット「monomy(モノミー)」を運営。ユーザは自らデザインした作品が売れると、販売代金の10%を獲得することができ、新たなデザインを生み出すモチベーションにつながる。

企画〜生産〜カスタマーサービスまで通常であれば2ヶ月を要し、発注の最低ロットのため余剰在庫を抱えることを余儀なくされるが、monomy を使えば工程を半分以下に効率化でき最短で1週間にまで短縮が可能。少ロット多品種を扱うことが可能になることから、最近はインフルエンサーによるオリジナル D2C ブランドに注力、ここ半年で70以上のアクセサリブランドを立ち上げた。

東急百貨店との協業により、今年5月に渋谷ヒカリエ ShinQs で OMO(Online Merges with Offline)の実証実験を複数展開する予定。サステイナブル素材(パーツに端材などを活用)を使ったアクセサリの店頭販売、在庫なし・BTO デリバリ方式による人気インフルエンサーの D2C ブランドアクセサリの店頭販売などを開催予定。

百貨店によるオンライン D2C ブランドのリアル進出支援では、丸井グループ(東証:8252)が先月、新会社 D2C&Co.(ディーツーシーアンドカンパニー)を設立したニュースが記憶に新しい。

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SparkLabs Taipeiがアクセラレータ第3期のデモデイを開催、IoTコーヒーメーカーやアプリ無しチャットソリューションなど8チームを披露

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台湾のアクセラレータ SparkLabs Taipei は11日、アクセラレータプログラム第3期のデモデイで、スタートアップ8チームを発表した。これらのスタートアップは、遠隔医療から事業用 AI、IoT まで、さまざまな業界でソリューションに取り組んでいる。 YouTube の共同設立者 Steve Chen(陳士駿)氏、台北市副市長の Huang Shan-shan(黄珊珊)氏、科技部副司長の …

台湾のアクセラレータ SparkLabs Taipei は11日、アクセラレータプログラム第3期のデモデイで、スタートアップ8チームを発表した。これらのスタートアップは、遠隔医療から事業用 AI、IoT まで、さまざまな業界でソリューションに取り組んでいる。

YouTube の共同設立者 Steve Chen(陳士駿)氏、台北市副市長の Huang Shan-shan(黄珊珊)氏、科技部副司長の CY Tu(涂君怡)氏ら著名人がこのイベントで講演した。

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SparkLabs Taipei のベンチャーパートナー兼アドバイザーでもある Chen 氏は、次のように述べている。

「トラクションとリソースを増やしてから、国際市場へ展開しようと思う」と言う台湾の起業家に多く会う。でも、新市場へと国境を越えることは、考えているほどコストもかからなければ、困難でもない。(中略)

SparkLabs Taipei は、起業家が初日から国際市場をターゲットにすることを奨励している。それが台湾の起業家が持っているべきマインドセットだ。

以下は、8つのスタートアップの略歴だ。

iDrip(艾聚普)

iDrip(艾聚普)は、世界チャンピオンのバリスタが持つテクニックを再現する IoT コーヒーメーカーを開発した。2018年創業の iDrip は、既にこのコーヒーメーカーを2,000台販売している。現在、マセラティ、アウディ、蔦屋書店などの高級ブランドと提携している。

Terminal 1

Terminal 1 は、テクノロジー特化の人材採用会社だ。自動化により、企業と採用候補のエンジニアをプラットフォームを通じてマッチング支援する。同社は、パーソナライズ評価により、質の高い候補者をフィルタリングする。2016年に創業した Terminal 1 は、台湾と香港で20人の社員で構成。顧客には、クレディスイスや HSBC などがいる。

Cocomelody(商艾妮亜)

Cocomelody は、オムニチャネルの小売体験を提供し、ウェディングドレスの購入方法の変革を狙うグローバルブライダルブランドだ。パーソナライズ、価格、テイラーメイドなどに優れた D2C モデルを展開する。同社は受注生産型のプラットフォームを備えており、発注から完成までのリードタイムを業界平均の4〜6ヶ月から45〜60日に短縮している。

PenguinSmart(啓児宝)

PenguinSmart(啓児宝)はプラットフォームを通じ、一人一人にカスタマイズされたリハビリ療法の提供を可能にする。専門家の洞察を備えたデータサイエンスを活用し、療法士が提供するリハビリ療法の有効性向上を支援する。同社のプラットフォームを使えば、療法士は通常時の8倍の患者をケアできるようになるという。米オンラインメディア「Disruptor Daily」が選ぶ「ディスプティブな看護企業トップ10社(2017年版)」に採択された。

MoBagel(行動貝果)

MoBagel(行動貝果)は機械学習を使用して、自分自身で正しい意思決定をしたい企業向けに、迅速で実用的な予測を作成する。コア製品の一つ「Decanter AI」を使えば、基本的なデータ分析の知識を持つ人なら誰でも機械学習モデルを構築して展開でき、ビッグデータを活用した意思決定プロセスを数日までに短縮可能。顧客は小売業、製造業、銀行、テレコムなどで、2019年には500万米ドル以上を売り上げた。

FunTek(楽堤科技)

FunTek(楽堤科技)はアプリを使用しないチャットソリューションプロバイダーで、QR コードをスキャンするだけで直接やり取りし、企業は顧客やり取りしたり、関係性を高めたりできる。ダイレクトチャットソリューション「PinChat」を使うと、顧客は新しいアカウントを登録したり、アプリをダウンロードしたりすることなく、企業とやり取りできる。銀行、3C 小売、製薬業界などが利用。プロダクトローンチから1ヶ月で、QR コードが3万回スキャンされた。

JustKitchen(軒饌廚坊)

JustKitchen(軒饌廚坊)は、ハブ&スポーク型のインフラストラクチャモデルにより、インターネット上でのデリバリ専門フードブランドや料理を作成・収集するクラウドキッチン、またはダークキッチン(ゴーストレストランとも言う)を展開。Dan Ryan、Smith & Wollensky、TGI Friday’s のようなトップレストランと協業を始めている。台北市内に約450坪のキッチン設備を持ち、年内にスポークキッチンを5ヶ所、デリバリ専門ブランドを7つ立ち上げる計画。

VAR LIVE(維亜娯楽)

VAR LIVE(維亜娯楽)は、すべてのプレイヤーを夢中にさせるエンターテイメント体験を提供。主要製品である「VAR BOX」は、e スポーツ、コミュニティ、エンターテイメント、ビジネスアプリケーション、トレーニングを一つに統合したオールインワン VR e スポーツソリューションだ。現在、特許技術を14件保有し、e スポーツゲームを9つリリースしている。世界中で実験店舗30軒、VR テーマパーク開発5ヶ所に携わり、この4ヶ月間で VAR BOX を9ヶ国で327台展開した。全世界にアクティブメンバーが3万人いて、累積で17万回以上利用された。


これまでに SparkLabs Taipei のアクセラレータプログラムから輩出されたスタートアップ18チームのうち、70%は後続の資金調達に成功している。後続資金を出資した投資家には、台湾の政府系ファンドである行政院国家発展基金 NDF(National Development Fund)、500 Startups、NEC キャピタルソリューション、Hive Ventures(蜂行資本)などがある。

なお、このデモデイにおいて、SparkLabs Taipei が Taipei Smart City Office(台北智慧城市專案弁公室)の戦略パートナーとなったことが発表された。SparkLabs Taipei のアクセラレータプログラム第1期から輩出された FOX-TECH(福客斯資訊)が既に Taipei Smart City Office と協力し、台北市北部の内雙溪森林自然公園で気温や湿度のモニタリングを行っている。

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沖縄を代表する大企業5社、「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催——日本・韓国・台湾からスタートアップ11チームが参加

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琉球銀行(東証:8399)、沖縄タイムス、沖縄セルラー(東証:9436)、沖縄電力(東証:9511)、日本トランスオーシャン航空(JTA)の5社は29日、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催した。このプログラムは3年前に琉球銀行が単独で運営を開始、2回目からは主催者に沖縄タイムスが加わり、通算4回目となる今回から、沖縄…

Image credit: Okinawa Startup Program

琉球銀行(東証:8399)、沖縄タイムス、沖縄セルラー(東証:9436)、沖縄電力(東証:9511)、日本トランスオーシャン航空(JTA)の5社は29日、沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「Okinawa Startup Program」のデモデイを開催した。このプログラムは3年前に琉球銀行が単独で運営を開始、2回目からは主催者に沖縄タイムスが加わり、通算4回目となる今回から、沖縄セルラー、沖縄電力、JTA が加わった

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今回の4回目のバッチには合計11チームが参加、国内8チームに加え、台湾政府の工業技術研究院(ITRI)傘下のスタートアップ支援組織 Taiwan Tech Arena(TTA)の推薦で台湾スタートアップ2社、韓国・済州(チェジュ)創造経済イノベーションセンターからの推薦で韓国スタートアップ1社も参加した。なお、今回のデモデイは、コロナウイルスの影響により、海外や沖縄県外のスタートアップはオンライン登壇、無観客での開催となった。

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以下に参加全チームの発表内容を紹介する。

Plazma(日本・沖縄)

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沖縄県糸満市に本拠を置くプラズマは、画像解析やセンサーを使ったIoT ソリューションを開発するスタートアップだ。これまでに、鶏舎やハウス栽培向け向けの環境値計測モニタリングシステム、豚舎向けの画像モニタリングシステムなどを開発している。豚舎向けの画像モニタリングシステムで使われている画像解析技術を応用し、同社では駐車場の不正利用を検知する仕組みを開発した。

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許可されていない者の駐車があると、駐車場に設置されたカメラの画像をもとに検知する。逆に、許可したユーザに柔軟な利用機会を与えることも可能。例えば、営業時間以降の銀行駐車場、営業時間前の居酒屋駐車場の顧客以外への利用機会提供など。現在、沖縄県下2大学の学生組織と実験中。運転代行や宅配最適化サービスと連携し拡大を目指す。5年以内に3万台分の駐車場への提供が目標。

awoo/阿物(台湾)……台湾・工業技術研究院(ITRI)の推薦

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awoo は、東京・台北・嘉義(台湾南部の都市)に拠点を置く、MarTech(Marketing Technology)スタートアップだ。リアルな商品購入シーンで店員が顧客が興味を持ちそうな商品を勧める行動を、e コマースで実現しようとしている。顧客に商品を勧めるには、顧客と商品双方の属性をマッチングする必要があるが、従来の MarTech は顧客理解に終始するものが多かった。

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awoo が開発した AI カリスマ店員「nununi」は、商品説明文から AI がコンテキストを理解し、商品に対してさまざまなタグづけを行う。これを顧客属性とマッチングさせることで最適な商品をレコメンドし、e コマース販売者はアップセルを望める。これまでに台湾では、台湾版 LINE、台湾楽天、Jamshopping など約13,000社が導入。ランディングページや SEO の自動化も提供する。

FunLife(日本・東京)

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FunLife は、AR を使ったエクササイズプラットフォーム「LIFEcise」を開発。リアルなスポーツジムにさまざまな理由で通えない、通わないユーザを対象に、自分の生活動線の中で飽きないエクササイズ環境を提供。映画やゲームなどで用いられるモーションデータ(モーションキャプチャ)技術を応用し、ユーザの動きとインストラクターの動きを重ねて投影する「ARC Mirror」を使う。

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LIFEcise は、ARC Mirror を通じて、バリエーション(エクササイズやインストラクションの種類)の豊富さ、ゲーミフィケーション、パーソナライゼーションにより、ユーザが身体を動かしたくなる思いを誘う。空手、ヨガ、ストレッチ、ミニゲームなどのインストラクションコンテンツは監修元との提携により提供。オフィス、老人ホーム、フィットネスなどへの設置を目論む。

沖縄セルラー電話とは、同社提供の健康アプリ「JOTO ホームドクター」とのデータ連携の可能性を協議中。

DiveBnB/다이브비앤비(韓国)

Image credit: DiveBnB

DiveBnB は、ダイバーのためのオンライン旅行代理店(OTA)。スキューバダイビングを楽しみたい人とっては、現地までの交通や宿は既存の OTA で手配できても、ダイバーショップなどの検索や予約は別手順を踏む必要があり煩雑だ。DiveBnB を使えば、宿泊先のダイビング施設情報を簡単に調べられ、一連の手順をワンストップで提供する。宿泊施設からの広告費と手数料でマネタイズ。

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ダイビング好きの人は、国から国へと移動しながら旅行する人が多くのも特徴で、朝早くにチェックインして潜り始め、夜になる前にはチェックアウトして次の目的地へ移動する、という人も少なくない。通常の宿ではアーリーチェックインとなるわけだが、ダイバー向けの宿では割引料金を適用することも多く、DiveBnB はそういったニーズにも対応する。

LUUP(日本・東京)

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LUUP は、マイクロモビリティを都市に実装しようとする MaaS スタートアップだ。街のあらゆる場所にモビリティ機器を借りたり返したりできるポートを配置し、高齢者も含め全ての人が安全かつ便利に利用できるモビリティのプラットフォーマーになることを目指している。インバウンド需要(日本人は人口減少、海外旅行客は増加)、買い物難民の解消、まちの中の回遊性向上を狙う。

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同社は Okinawa Startup Program への参加を通じ、名護市のカヌチャベイリゾートで実証実験に着手し、OIST Innovation Square(沖縄科学技術大学院大学のアクセラレーション施設)に入居。琉球銀行からアントレプレナーシップラボ沖縄(ESLO)の紹介を受けたほか、JTA の紹介で先月開催された ResorTech Okinawa(おきなわ国際見本市)に出展を果たした。

また、沖縄タイムスの紹介により、北中城村の大型ショッピングモール「イオン沖縄ライカム」での協業を模索中。

琉球ミライ(日本・沖縄)

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琉球ミライの創業者である野中光氏は、浦添にある JICA 沖縄のカフェテリアで出会ったケニア人に、「滞在3ヶ月目にして、JICA 職員を除けば、あなたが初めて会った沖縄の人だ」と言われて驚いた。沖縄には120カ国ほどの国々の人が暮らしているが、沖縄現地の人と溶け込む機会が無い人もいる。一方、沖縄の人にとってはお金や時間をかけず、留学体験をしてみたいことへの関心がある。

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そこで考えられたのが「まちなか留学 Hello World」だ。沖縄の人が短期的に海外出身のホスト宅を訪れることで、海外の文化・言葉・料理・習慣などを学ぶことができる。ホームステイの逆バージョンと捉えることもできるだろう。現在、20カ国30世帯ほどのホストファミリーがいて、ユーザは120名程度。ユーザは1回16,500円または年間8回参加で11万円を琉球ミライに支払う。

Sassor(日本・東京)

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Sassor は2010年に創業、AI と IoT を活用したエネルギーの最適制御を開発してきた。現在はセンサデータ等の分析やセンサーとクラウドサービスのパッケージなどを提供する。政府が太陽電池をはじめ再生エネルギーの普及を促進すべく導入した固定価格買取制度(FIT)は2019年11月以降、ユーザによって終了を迎え始めた。これにより、再生エネルギーの電力会社への売電価格は、平均1kwh42円前後から8円前後へ5分の1に下落してしまう。

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一方、電力会社の買電価格は平均1kwh24円前後であることから、太陽電池保有者にとっては、FIT 終了後は発電した電力を自家使用することが最も経済的な選択肢となるが、太陽電池の発電量と自家使用の需要量に応じて、蓄電池での充放電、電力会社への売買電の量を最適化することが重要。同社の最適制御ソリューション「ENES」は、翌日の天気予報などをもとに充電量を制御し、蓄電池の経済効果を最大30%向上。今後はハウスメーカー数社の住宅への導入を予定しており、バーチャルパワープラントの開発にも着手。

KuKatsu(日本・沖縄)

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KuKatsu は、人口比飲食店数最多の沖縄県内で出前代行を提供するスタートアップ。UberEats に代表される飲食店と配達員をマッチングする登録制のプラットフォームとは異なり、KuKatsu では配達員を自社社員として雇用し、採用前面接やトレーニングを行うことでサービスの品質を担保する。

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一般的に出前代行サービスに関わるトラブルは、宅配時間が遅い、届けられた商品が崩れていたなど宅配員に起因するものが少なくないが、顧客にとっては飲食店の商品を受け取っていることから、当該の飲食店に対するイメージダウンに繋がりやすい。KuKatsu では、注文を受けてから40分以内の配達を保証し、配達員が内容物に触れていないことを証明する食品保護シールを導入している。

Yajan Tech/雅匠科技(台湾)」……台南市政府の推薦

Image credit: Yajan Tech

Yajan Tech は、企業がさまざまな AR(拡張現実)アプリケーションを開発しやすくプラットフォームを提供している。製品としては、人の顔から表情検出をする SDK「AR Smile」、自動販売機向け表情検出、バーチャルショッピングの「Global AVR」、メイクアップせずに効果を擬似体験できる化粧品メーカーや店舗向けの「AR Cosmetics」など。

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例えば、AR Smile は年齢、性別、特性、感情などを特定でき、店舗でのマーケティングに活用可能、Global AVR ではニューヨークでのショッピングを家にいながら疑似体験できる。ユーザには、NTT、GMO、資生堂、大学眼鏡、新光三越などがいる。

EF POLYMER(日本・沖縄)

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EF POLYMER は、OIST に在籍するインド人研究者が立ち上げたスタートアップで、ポリマー(高分子吸収体)を活用した水不足地域における農業生産性の向上を狙う。同社の EF POLYMER は植物の根の部分の土壌に混ぜることで、根の周辺に10〜20日間にわたり水を保持することが可能となる。砂漠や雨量の少ない地域でも、農作物を安定的に供給できるようになる。

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しかも、EF POLYMER の原料は食品廃棄物であるためフードロス問題の解消に繋がる。土壌の中で使用すると、水を保持する機能を果たした後は植物にとって肥料となり、最終的にオーガニックに分解されるため環境負荷にもならない。同社では事業拡大に向け、協業できる企業を求めている。

RInnovation(日本・東京)

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RInnovation は、さとうきびの搾りカスであるバガスを活用したサーキュラーエコノミーの形成を狙う。沖縄県はさとうきび生産量国内第一位で、同県の基軸産業の一つとなっているが、一方で、砂糖製造時に大量に輩出されるバガスをどう処分するかが悩みの種となっている。これまでにも、バイオエタノール、バイオ発電、パルプ生成、焼却燃料などに使われているが、コストの問題もあり、多くは使いきれず廃棄されているものがほとんどだ。

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RInnovation は、バガスに付加価値を持たせるべく衣料、染料、食品など新たな商品開発に取り組んでいる。環境問題の解決に役立つエシカルなビジネスモデルを生み出し、得られた利益をさとうきび産業(農家や製造会社)に還元、さとうきび産業全体の底上げを狙う。生産された新商品は年間1,000万人訪れる沖縄の観光客への販売を念頭に置いており、JTA などから支援を受ける見込みだ。

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