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ドイツから日本市場を臨む新進気鋭スタートアップ8社を紹介〜German AcceleratorとJETROのピッチイベントから

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German Accelerator はその名の通り、ドイツのスタートアップアクセラレータ。2012年に設立され、ドイツの連邦経済エネルギー省を支援を受け運営され、これまでに250社以上のスタートアップを輩出している。ドイツのスタートアップをアジアに進出支援したり紹介したりするプログラム「Next Step」を運営、インド、韓国、シンガポールなどでピッチイベントを開催している。 日本では JETR…

CC BY-SA 3.0 by Pedelecs via Wikimedia

German Accelerator はその名の通り、ドイツのスタートアップアクセラレータ。2012年に設立され、ドイツの連邦経済エネルギー省を支援を受け運営され、これまでに250社以上のスタートアップを輩出している。ドイツのスタートアップをアジアに進出支援したり紹介したりするプログラム「Next Step」を運営、インド、韓国、シンガポールなどでピッチイベントを開催している。

日本では JETRO(日本貿易振興機構)の協力により、通算で2回目となるピッチイベント「German Startups Meet Japan」が7月30日に開催された。ドイツから日本市場にターゲットを定める素晴らしいスタートアップ8社が披露された。彼らのピッチを元に、ビジネスプランや日本市場への進出計画をまとめてみた。

aspUraclip

aspUraclip は、気分をよくするための香りの吸引器を開発するスタートアップだ。仕事上、移動を頻繁にする必要がある人、労働時間が不規則で深夜や早朝の起床を余儀なくされる人はストレスを溜めやすい。そんな人々に自然植物由来のエッセンシャルオイルを吸い込んでもらうことで、毎日を快適に過ごしてもらうというのが商品のコンセプトだ。

香りは、鼻腔につけるタイプの小さなクリップから発出される。21日間の利用が可能で、使わない時は密閉できるアロマボックスに収納し携帯できる。ドイツ版「マネーの虎」とされるテレビ番組「Die Höhle der Löwen(ライオンの巣)」で100万ユーロを調達。ドイツやポーランドの薬局で販売され、年間1,300万ユーロを売り上げる。日本の OTC 医薬品市場への進出・協業を模索。

HRForecast

時代の変化と共に、従業員に求められるスキルも変化する。例えば、ドイツの世界的自動車部品メーカー Continental は、100年前には、メカエンジニアリングのスキルがあれば自動車部品を製造できたが、次第に電子エンジニアリングのスキルが求められるようになり、現在ではソフトウェアエンジニアリングのスキルが必要不可欠なものとなった。

HRForecast は、履歴書、訓練データなどから従業員のスキルデータを集め見える化。将来必要となるスキルと現在の状況とのギャップ、どの業務にどの社員をアサインすべきか、現社員にはどのようなスキルをトレーニングすべきか、今後どのようなスキル持った社員を雇用すべきかを分析する。幅広い分野の企業を顧客に抱え、年間140万ユーロを売り上げている。

iVE.ONE

国や地域によって法律や規制が異なり、これが越境での資産取引を難しくしている。Agora Innovation が開発する iVE.ONE は、特定地域の法的枠組みの中で、トークン化されたアセットのグローバル取引を可能にする投資プラットフォームだ。ブロックチェーン技術により、デベロッパはトークンにコンプライアンスのメカニズムを連携できる。

保険、投資、法律遵守という3つの主要なアセットをプラットフォーム上で接続、従来ビジネスのデジタル化支援を目指す。例えば、運送会社においては、売上に対する参加権をブロックチェーンを用いてデジタル資産化したり、国際間取引における手続を簡略化したりするなどだ。今年初め、プレシリーズ A ラウンドで数百万ユーロを資金調達。香港に法人を開設し、アジア進出を模索している。

LexaTexer

LexaTexer は、スマート工場やスマートオペレーション向けの予測分析 AI を開発。非構造化データ、構造化データ、代替データを機械学習で分析することで、企業の意思決定をサポートする予測分析の自動化サービスを提供する。スマート製造、金融、小売における AI ソリューションの構築、展開、統合の複雑さを軽減し、数日で AI ソリューションの構築・連携・運用開始を実現する。

スマート工場では機器の故障を予測し、メンテナンスの事前スケジューリングを容易にし、予期せぬ機器のダウンタイムを防ぐ。ドイツ、オーストリア、スイス、イギリスに進出しており、今後、シンガポールを起点に、日本を含むアジア各国へ進出を図りたい考え。Plug and Play、Startup Autobahn、High Tech XL、WeXelerate といったアクセラレータからマイナー出資を受けている。

RYTLE

RTYLE は、e コマースなどで需要が高まる都市内のラストメートルソリューションを提供する物流インフラサービス。電動3輪バイク「MoVR」、移動型のモバイルデポ(HUB)、運送ボックス(BOX)、ソフトウェアの4つのコンポーネントで構成されている。HUB には最大9つの BOX を収納でき、郊外の倉庫からそのまま運搬が可能。MoVR が HUB から BOX を受け取り、BOX 内の荷物を各戸に届ける。

MoVR、BOX、HUB の全てにはセンサーとテレマティクスが搭載されており、荷主と受取主には透明性の高いリアルタイムの配送状況が共有されるのも特徴。ドイツでは、ブレーメンにあるスマートシティ地区でテストされており、2021年まで貨物運送会社らと連携しブレーメン市内の配送を RTYLE の仕組みを使って運用されることとなっている。

TinkerBots

TinkerBots は、子供たちに遊びを通してエレクトロニクスを学んでもらうことを目的としたモジュール式のロボットキットを開発している。各TinkerBot ロボットを動かすには電源ブロックが必要で、これにはバッテリ、Bluetooth 4.0、Arduino 互の換マイクロコントローラー、加速度センサーなどが入っている。。

他の部分には、さまざまなタイプの動き(ねじれ、回転、ローリングなど)をサポートするさまざまな運動モジュール、ワイヤレスまたはパッシブコネクターブロックで構成される。ブロックはレゴのようにカチッと音がするだけで、配線やプログラミングは必要ないが、Arduino 互換のマイクロコントローラを採用しているため、C言語でのプログラミングも可能だ。

Wingcopter

Wingcopter は、独自の特許取得済チルトローター機構で、垂直離着陸できる VOL 型自律型ドローンを開発。商業用ドローン、ヘリコプター、一般的な飛行機に見られる固定翼機では実現できない、効率の良い飛行を可能にする。医薬品、ワクチン、血液、実験用サンプルなどを長距離輸送するプロジェクトで使用されており、先日開催された、発展途上国の新型コロナウイルス感染防止を主眼としたハッカソン「SmartDevelopmentHack」に入賞し、マラウイで試験キットやワクチンなど医療品の運搬に使われる予定。

2017年設立の Wingcopter は、もともとは離島への救命薬配送の高速化に焦点を当てたスタートアップだ。ドイツ・ダルムシュタットに本拠を置き、現在の社員数は70名ほど。Wingcopter のドローンは、京都に拠点を置く WorldLink & Company(サービスブランド SkyLink Japan)が昨年から輸入販売を開始。また、全日空とは、ドローンを使った荷物の回収・配送サービスを共同開発している。NTT データが今年開催した第10回目のグローバルオープンイノベーションコンテストでは SDGs 賞を受賞した

XVA-Blockchain

XVA (X-Value Adjustment)とは、店頭デリバティブ(取引所を通さない相対取引)の価値を評価する際に行わなければならない多くの「評価調整」の総称である。XVA-Blockchain は、銀行、資産運用会社、カストディアンに対し、効率的な店頭デリバティブ管理のためのデータ強化、規制当局への報告代行、リスク分析機能を提供。スマートデリバティブコントラクト(SDC)を使えば、店頭デリバティブにおける資本要件と価値調整パラメータを最適化などにより、店頭デリバティブの非効率性の多くを取り除ける。

SVA-Blokchain は、このサービスのコンセプトを2017年に発表し、2018年にドイツ・ラインラント=プファルツ州立投資銀行からシードラウンドで500万ユーロを調達。2021年前半の日本の銀行への API 提供、2021年後半の日本市場での事業開始を目指す。日本においては、日本証券クリアリング機構の Web サイトにある清算参加者情報一覧に掲載された金融機関などが潜在顧客になるという。

韓国企画財政部とスタートアップ団体、11日にデジタル経済特化のカンファレンスをオンライン開催——XPrize財団設立者らが登壇

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韓国企画財政部(日本の財務省に相当)と韓国スタートアップ千数百社が加盟するコミュニティ団体「Korea Startup Forum(코리아스타트업포럼)」は、今月11日に3回目となるデジタル経済に特化したカンファレンス「Digital Economy Forum」を開催する。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今回のイベントは全てオンラインで進行され、韓国語と英語の二カ国語で同時放送される予定。 …

2019年の「Digital Economy Forum」の様子
Image credit: Digital Economy Forum

韓国企画財政部(日本の財務省に相当)と韓国スタートアップ千数百社が加盟するコミュニティ団体「Korea Startup Forum(코리아스타트업포럼)」は、今月11日に3回目となるデジタル経済に特化したカンファレンス「Digital Economy Forum」を開催する。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今回のイベントは全てオンラインで進行され、韓国語と英語の二カ国語で同時放送される予定。

イベントには、XPrize 財団設立者の Peter Diamandi 氏や、先週、1億7,300万米ドルの調達を発表したばかりの韓国のフィンテックユニコーン Viva Republica の CEO イ・スンガン(이승건、英語名:SG Lee)氏らが基調講演やパネルディスカッションで登壇する予定。イ氏は、Korea Startup Forum の代表も務めている。

このイベントは、デジタルトランスフォーメーション認知向上に向けた啓蒙と、官民協力における情報共有を目的に2018年からソウル市内で開催されているもの。新型コロナ感染拡大を受け、今年のテーマは「コロナ後のデジタル経済——真のイノベーションに向けた DX 加速」に設定された。

DEF への参加は無料だが、事前に Web サイトでサインアップが必要になる。

SPORTS TECH TOKYOとスポーツ庁、スポーツ団体とオープンイノベーションできるプログラム「INNOVATION LEAGUE」を開催へ

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電通(東証:4324)などが運営するスポーツテック特化アクセラレーションプログラム「SPORTS TECH TOKYO」は6日、スポーツ庁と共同でオンラインイベントを開き、オープンイノベーションプラットフォーム構築の推進を目的としたプログラム「INNOVATION LEAGUE(イノベーションリーグ)」を開催すると発表した。 INNOVATION LEAGUE は、スタートアップや民間企業が持つテ…

Image credit: Sports Tech Tokyo

電通(東証:4324)などが運営するスポーツテック特化アクセラレーションプログラム「SPORTS TECH TOKYO」は6日、スポーツ庁と共同でオンラインイベントを開き、オープンイノベーションプラットフォーム構築の推進を目的としたプログラム「INNOVATION LEAGUE(イノベーションリーグ)」を開催すると発表した。

INNOVATION LEAGUE は、スタートアップや民間企業が持つテクノロジーとスポーツ協会・団体が持つ課題やアセットを掛け合わせることでアイデアを創出し、スポーツビジネスの拡張を目指すプログラム。スポーツ庁は、同庁が2018年12月に立ち上げた「スポーツオープンイノベーションプラットフォーム(SOIP)」の一環として開催する。

SPORTS TECH TOKYO は、電通や Scrum Ventures らが2018年に立ち上げたプログラム。2019年度のプログラムには、19カ国101社がキックオフイベントに参加し、33ヶ国284社から応募があった。サンフランシスコのオラクルパークで開催されたワールドデモデイには25社が招待され、ファイナリストには12社が採択された。

INNOVATION LEAGUE は、従来の SPORTS TECH TOKYO のアクセラレーションプログラムと異なり、参加者はスタートアップから上場企業まで事業ステージは問われない。実証連携を行う団体(コラボレーションパートナー)として、日本バレーボール協会と3人制バスケットボールリーグの 3×3. EXE PREMIER が迎えられ、それぞれ、協業テーマが設定されている。アスリートらを代表する団体と直接の協業機会が提供される例は珍しい。

日本バレーボール協会との協業テーマ

  • オンラインを活用した新しい観戦体験
  • デジタルを活用したライトファン層の取り込み
  • ファンコミュニティー構築によるエンゲージメントの向上

3×3. EXE PREMIERとの協業テーマ

  • テクノロジーを活用した効率的なリーグ・チーム運営
  • オンライン観戦を前提にした観戦体験のエンタメ化
  • プレイヤー個々人のエンパワーメント

プログラムの運用にあたっては、アクセラレーションプログラム「ENTX」でも電通と協業関係にあるソニー・ミュージックエンタテインメントが INNOVATION LEAGUE に協賛、サポーター12社とメンター16人が協力する。

このプログラムは9月11日まで応募が受け付けられ、一次審査通過企業(10〜20社)は10月上旬選ばれる予定。その後約1ヶ月を経てファイナリリスト(5社程度)が選ばれ、共創プログラム運用後、来年2月のデモデイで成果が披露される。

カンボジア・キリロム工科大、学生らによるスタートアップのデモデイをオンライン開催——日本のエンジェル投資家ら約50名が参加

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カンボジアを拠点とする社会起業系スタートアップ vKirirom が運営するキリロム工科大学(KIT)は8日、在学生らによるバーチャルカンパニーのオンラインイベントを開催した。バーチャルカンパニーとは、会社登記はまだだが会計や独立採算を保ちながら事業の実効性を検証し、エンジェル投資家を募る KIT 独自の仕組み。一定以上のエンジェル投資家が集まった時点で法人化される。 この日のピッチイベントには、…

CC BY-SA 4.0 by Makoto Arami via Wikimedia Commons

カンボジアを拠点とする社会起業系スタートアップ vKirirom が運営するキリロム工科大学(KIT)は8日、在学生らによるバーチャルカンパニーのオンラインイベントを開催した。バーチャルカンパニーとは、会社登記はまだだが会計や独立採算を保ちながら事業の実効性を検証し、エンジェル投資家を募る KIT 独自の仕組み。一定以上のエンジェル投資家が集まった時点で法人化される。

この日のピッチイベントには、vKirirom への投資やコミュニティに関わる人々約50名が、日本やその他の国々が参加した。ピッチ終了後には Google Meet で個別面談の機会が設定され、ピッチ登壇した半数以上のスタートアップにはエンジェル投資などの支援が提供される見込みだ。

この日紹介された8つのバーチャルカンパニーを見てみることにしよう(なお、Fixh.me と JOBIFY は法人化済)。なお、スタートアップ名にリンクを貼ってあるのは、本稿執筆時移転で独立した Web サイトが 開設されていることが確認されたもののみ。

Fixh.me

Fixh.me は、カンボジアで家電、水道、電気設備などの修理をしたい人と、修理サービスを提供できるサービスプロバイダーを繋ぐプラットフォームを開発。2018年に100人以上のサービスプロバイダと共にスタートした。成約時にサービスプロバイダから料金の20%を紹介手数料として徴収する仕組みだ。直近の4ヶ月では紹介手数料で2,330米ドルを売り上げた。

今後、この事業を B2C から B2B へも拡大することで、年内に残りの5ヶ月間で3.5万米ドルを売り上げる計画だ。各種ピッチコンテストで賞金を1.3万米ドル獲得しており、こういった賞金を事業拡大のための当座の資金にするつもりだったが、新型コロナウイルスの影響でコンテストが減少し、事業加速に向けエンジェル資金を調達することにした。資金調達額は6万米ドル。

JOBIFY

JOBIFY は、エンジニア求人に特化した企業と求職者とのマッチングサイト。カンボジアにはまだエンジニアに特化した求人サイトは存在しないが、JOBIFY は求職者に IT エンジニアが面接を行い、オンラインでの試験やオンラインでのトレニーングコースを無料で提供し差別化を狙う。毎年5万人輩出されるカンボジアの大学卒業生のうち、IT を専攻する5%(2,500人)がターゲットだ。

マッチイング成約時には、企業から当人の初任給1ヶ月分に1割載せた金額を手数料としてもらう(10%の付加価値税は別途)。求職者が就職後3ヶ月以内に辞めた時には、企業には代わりとなる人材を無料で紹介する。当面はカンボジア国内の市場に集中し、将来は ASEAN 圏への市場展開も視野に入れている。

Zeal

Zeal は、不動産テックとコンストラクションテックを提供するスタートアップ。カンボジアの不動産事業者向けには、オンラインでも見込顧客に不動産に興味を持ってもらえるよう、不動産データのデジタル生成代行や VR を使ったバーチャルツアーの作成などを行う。また、作成されたバーチャルツアーは Zeal の Web サイトで見られるほか、不動産事業者の Web サイトにも埋め込める。

一方、コンストラクションテックでは、ドローンやポイントデータを元にインタラクティブマップ、360度イメージ、ビデオを使ったウォークスルーなどのコンテンツをオフショア開発する。コストの安いカンボジアの労働力を活用した、海外の建設業界からの受託を想定しているようだ。競合には、AroundMe360(タイ)、Tubear.co(シンガポール)、VJ Virtual Tour(アメリカ)など。)

KGF Online

KGF Online は、オンラインでのセミナー事業を提供するスタートアップ。東京ベースの採用広報 web メディア「LISTEN」と共同で、「LISTEN × KGF Online」というブランドで、Zoom、Remo、Google Meet などを使い毎週オンラインセミナー+ネットワーキングイベントを企画・開催している。クロスボーダー及びクロスジェネレーションで知見を共有するのが一つのテーマで、これまでにイギリス、イスラエル、中国などから現地で活躍する日本人スピーカーをセミナーに招聘し、これまでにイベントを9回開催した。

ハイクオリティなスピーカーによるセミナーを提供するのが現在のコアバリューで、会員からは年間10万円の会費を徴収する。多忙でイベントに参加できなかった会員には、セミナーの録画コンテンツを販売するほか、KGF Online 上で生まれたメンバー間のビジネスマッチングや業務アウトソーシングなどでマネタイズする。現在は日本市場向けに特化しているが、将来は英語圏やカンボジア市場にも事業拡大したい考え。

Casstack

Casstack は、カンボジアの飲食業界に特化したチャットボットを開発。新型コロナウイルスの感染拡大によりオンライン対応が迫られる中、飲食業の多くは大掛かりな IT 投資ができず、またハイエンドサービスを提供するニーズが存在しない。Casstack はイニシャルコストを必要とせず、サブスクリプションモデルで導入できるチャットボットを提供することで、飲食業のオンライン注文受付を支援する。

カンボジアは人口が1,600万人に対し、Facebook ユーザが1,017万アカウント、スマートフォンユーザが1,460万人と、モバイルを使ったソーシャルメディアエンゲージメントが効率的に行える点でユニークな市場。Casstack ではこの点を最大限に生かし、オンライン注文を受けられる仕組みから販売促進ができるプラットフォームを目指す。月に80〜90件ペースで契約を増やし、初年度売上40万米ドルを目指す。

Len Of Reality

Len of Reality は、VR を使って語学学習、特に外国語の語彙を増やすためのサービスを開発している。新型コロナウイルスの影響もあり、子供や学生、社会人もが対面講義による語学学習の機会減少を余儀なくされる中、VR の導入により、多くの時間を使わず、より直感的でゲーミフィケーションを取り入れた語彙習得の機会を得られる。さらに、VR の効用により、ユーザは目・耳・口をフルに使って語彙を習得するため、体験と結びつきやすく記憶定着しやすいのも特徴だ。

現在は KIT 内にある200台ほどの VR を活用しテストを繰り返しながらサービス品質をブラッシュアップ。製品の入手のしやすさから現在は Oculus Go に最適化しているが、将来は Oculus Quest にシフトしていく予定。現在は、日本や中国といった英語学習に比較的費用を支払うポテンシャルの高い市場にフォーカスしているが、将来はカンボジアなどで英語に加え、日本語や中国語の語彙学習サービスにも拡大を図る。

Dexpertize

カンボジアでは2023年までに 産業の多くの分野で DX を進めることが期待されているが、企業の中で具体的に DX 戦略を持っているところは22%に過ぎない。その理由はツールが不足していること、データが不足していること、技術サポートが不足していることなどの理由による。Dxpertize では、DX 戦略が十分でない中小企業をターゲットに、デジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するソリューションを提供する。

DX に必要な要素は、データ収集とデジタル化、データの見える化と監視、プロセス最適化、プロセス自動化に分解できるが、Dexpetise では現在、KPI ダッシュボード(データの監視とモニタリング)に注力し開発。市場特性をかんがみ、カンボジアには KPI ダッシュボードと RPA(プロセス自動化)、日本や世界にはプロセスマイニングツール(プロセス最適化)と RPA (プロセス自動化)で総合的な DX ソリューションを提供していきたい考え。プロセスマイニングツールは Celonis を活用する。

Keen

Keen は、ソフトウェアのコーディングテストに特化。日本のソフトウェアの品質保証およびテスト大手 SHIFT(東証:3697)にインスピレーションを得たカンボジア版と言える。カンボジア国内および世界中でコーディングテストの需要が高まるのを受け、カンボジアの社会特性を生かしたテスト専門会社を目指す考えだ。

国際ソフトウェアテスト資格認定委員会(ISTQB)の認証を受け、KIT や前出チームである JOBIFY のネットワークを活用し人的リソースを確保、また、オフショア企業で有名な隣国ベトナムに比べコストが半分で済むこともメリットの一つだという。チームメンバーの過去の経験を合計すると、これまでに8,000件以上のテストケース、2,000件以上のバグを報告した実績があるという。


vKirirom は、シリアルアントレプレナーの猪塚武氏が2014年2月に設立した社会起業系のスタートアップ。猪塚氏は、自身が創業したウェブアクセス解析プラットフォーム「Visionalist」の運営会社デジタルフォレストを2009年に NTT コミュニケーションズに売却後、4年間のシンガポール生活を経て、2014年1月に家族と共にカンボジアに移住。首都プノンペン郊外のキリロム国立公園の一部をカンボジア政府から借り受け、高原リゾートと全寮制大学の KIT を融合した街を開発している。

vKirirom は2016年7月、日本やシンガポールのエンジェル投資家15人から290万米ドルを調達した。同社はデロイト・トウシュ・トーマツが毎年発表する「Deloitte Technology Fast 500 Asia Pacific」に、2017年〜2019年にかけて3年連続で入賞している。

IVS 2020 Onlineのピッチコンペティション「LaunchPad」は、検査・検品AIのアダコテックが優勝 #ivs2020

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本稿は、Infinity Ventures Summit 2020 の取材の一部である。 31日午後、Infinity Ventures Summit(IVS)では恒例となっているスタートアップ・ピッチコンペティション「LaunchPad」が実施され、検査・検品のアダコテックが優勝した。 LaunchPad の審査員を務めたのは、 元榮太一郎氏 弁護士ドットコム 創業者兼代表取締役会長 佐藤光紀氏…

本稿は、Infinity Ventures Summit 2020 の取材の一部である。

31日午後、Infinity Ventures Summit(IVS)では恒例となっているスタートアップ・ピッチコンペティション「LaunchPad」が実施され、検査・検品のアダコテックが優勝した。

LaunchPad の審査員を務めたのは、

  • 元榮太一郎氏 弁護士ドットコム 創業者兼代表取締役会長
  • 佐藤光紀氏 セプテーニホールディングス 代表取締役社長
  • 前田裕二氏 SHOWROOM 代表取締役社長
  • 丸尾浩一氏 大和証券 専務取締役
  • 上野山勝也氏 PKSHA Technology 代表取締役
  • 金子剛士氏 East Ventures パートナー
  • 山田メユミ氏 アイスタイル 共同創業者 取締役
  • 国光宏尚氏 gumi 代表取締役
  • 仲暁子氏 Wantedly 代表取締役
  • 吉田浩一郎氏 クラウドワークス 代表取締役社長 兼 CEO
  • 高宮慎一氏 グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー
  • 三上智子氏 日本マイクロソフト 業務執行役員
  • 堀新一郎氏 YJ キャピタル CEO
  • Joseph Chan/詹德弘氏 AppWorks/之初創投 パートナー
  • Tina Cheng/成之璇氏 Cheruvic Ventures/心元資本 パートナー

なお、副賞としてファイナリスト全チームに Freee 利用権5万円相当(Freee 提供)と AMBI 利用権(エン・ジャパン)、優勝から3位入賞者に Daiwa Innovation Network 優先登壇権(大和証券)、また優勝チームに Freee 利用権10万円相当(Freee 提供)、5万円分のカタログギフトとプロの社外コンサルタントによるメンタリング受講権(NTT ・ドコモベンチャーズ)、楽天ギフトカード10万円分(大和証券)、本当にかなう Amazon Wishlist (Amazone Web Service 提供)、セミナー2名招待(プルータスコンサルティング)、スタートアップ支援する何か・詳細未定(ケップル)が贈られた。

登壇したのは以下の14社。

【優勝】検査・検品 AI by アダコテック

アダコテックは、いわゆる「産総研スピンオフ」のスタートアップで、産業技術総合研究所で開発された特徴抽出法を開発。一般的なディープラーニングでは、異常検知のために正常品と異常品の両方を教師データとするのが一般的であるのに対し、アダコテックのソフトウェアでは正常品のみを教師データとして、正常を逸脱したものを異常として網羅的に検出する。

レーダーを照射して得られた画像を元に非破壊検査する場合などでは、担当者が目を皿のようにして異常個所を探していたのは効率が悪い。アダコテックの AI を使って画像を一次スクリーニングすることで、人が集中して見る必要がある部分だけを明らかにし、生産性が飛躍的に向上するという。

アダコテックは2019年7月、東京大学エッジキャピタル(UTEC)と DNX Ventures から4億円を調達している

【2位】【ROXX 賞】Luup by LUUP

LUUP は、マイクロモビリティを都市に実装しようとする MaaS スタートアップ。街のあらゆる場所にモビリティ機器を借りたり返したりできるポートを配置し、高齢者も含め全ての人が安全かつ便利に利用できるモビリティのプラットフォーマーになることを目指している。これまで全国の地方自治体と連携して実証実験を重ねてきた。

昨年来、札幌の NoMaps での試乗会の開催、「Okinawa Startup Program」への採択、今年に入って NTT 東日本のアクセラレータ「LIGHTnIC(ライトニック)」デモデイで優秀賞、「東急アクセラレートプログラム(TAP)」のデモデイで二子玉川賞を獲得。今年5月からは、一般消費者向けシェアサイクル事業を渋谷区、目黒区、港区、世田谷区、品川区、新宿区の6エリアで展開している。

LUUP は昨日警察庁の特別許可を取得し、今年10月から大手町と新宿で公道実証を展開する予定。同社は昨日、ENEOS グループの CVC である ENEOS イノベーションパートナーズと大林組から約4億5,000万円の調達を発表したばかり。創業来3回にわたる投資ラウンドで、合計8億5,500万円を調達している。

【3位】【プルータス・コンサルティング賞】L by AGRIST

宮崎発の AGRIST は、農業の人手不足を解決する AI と収穫ロボット「L」を開発している。すでに6台が実稼働、ENEOS と協業している。完璧なパフォーマンスが実現できるものの高価なロボットではなく実用的なシステムを目指して、宮崎のピーマン農家と共同開発している。

ビニルハウスの中で平坦でない土壌の上でなく、空中に張ったワイヤを使って移動できる収穫ロボットを開発した。ロボットに備わったカメラからの画像認識により、ピーマンの収穫を完全自動化する。

【4位】PowerArena by PowerArena/百威雷(台湾)

PowerArena は、ディープラーニングを使って製造業の効率化を支援するスタートアップ。ビデオを使って集めた製造工程の映像を AI を使って解析、問題点を見つけ、どの工程のどの部分に改善すべき点があるかをラベルをつけてアドバイスする。

この AI をセットトップボックスのようなデバイスの中に完結しており、実装を非常に簡素化している。スマートシティでの充電ループやパイプ交換時期の予測などにも利用されている。

【5位】AquaMagic by AquaFusion

AquaFusion は、革新的な水中可視化装置「AquaMagic」を開発している。これまでの魚群探知機は超音波を利用しているため、水深750メートルの海中だと超音波を発してから障害物に当たって返ってくるまで1秒かかるので、それ以上早い頻度で信号を打つことができない。

イルカにヒントを得て同社では CDMA コードを単一周波数発信による検出技術を開発。従来の魚群探知機に比べ、垂直方向10倍、水平方向10倍、計100倍の分解能を持つため、魚群ではなく魚単体で検出することもできる。魚の体長や魚群の密度もわかるため、漁業の効率化につながる。

Sportip Meet by Sportip

Sportip は筑波大学はつのスタートアップで、整体師・トレーナー向け AI 解析アプリ「Sportip Pro」を開発している。また、Sportip Pro で培った解析技術を応用し、一般ユーザ向けに個人の身体や姿勢の状態をチェックし、AI が最適なトレーニングメニューを提案してくれるサービス「Sportip Meet」を開発している。

Sportip Meet のメニューとしては、トレーニング、ストレッチ、ヨガなどを予定しており、フィットネスジム大手、パーソナルトレーナー、整体師、理学療法士などを通じた提供を予定。ユーザは Sportip Pro を使う整体師やトレーナーからオフライン体験を、Sportip Meet を通じてオンライン体験を得られる。

Sportip は今年6月、マネックスベンチャーズ、DEEPCORE、Deportare Partners から数千万円を資金調達した

GameTector by RIM

RIM が開発・提供する「GameTector」は、e スポーツ大会の開催・運営・参加を効率化・省力化できるプラットフォーム。大会主催者は「エントリー選手の管理」「対戦表の作成」「独自の結果報告システム」を利用することでスムースに大会の運営を行うことができる。

GameTector が主催するイベント大会では、参加者数2000人以上、オフライン大会では60名以上の参加、2020年の GW に開催した大会ではツイッターでトレンド入りを果たすなどしてきた。今後は、各ゲーム会社と協力し合いながら、e スポーツ市場への進出を考えている企業や自治体への支援、e ポーツの大会文化作り、コミュニティ作りに尽力するとしている。

RIM は今年6月、シードラウンドで W ventures と個人投資家から3,500万円を資金調達した

YOUTRUST by YOUTRUST

YOUTRUST が運営する「YOUTRUST」は、副業と転職のキャリア SNS。「友人の友人」までのつながりがある人物の副業や転職意欲が可視化される。友人からの紹介(リファラル)の仕組みで、友人、もしくは友人の友人から転職や副業のオファーが届く。口コミ中心に利用が拡大し、ユーザ数は8,000人、導入企業は累計で180社を超える。

YOUTRUST は本日、機能およびサイトデザインの大規模リニューアルを実施。企業ごとに情報が集約された新機能「カンパニーページ」をリリースした。ユーザにとっては、気になる企業をボタン1つでフォローでき、友人の動向なども追えるタイムライン上で企業の最新情報を把握することもできるようになる。

YOUTRUST は2019年1月に シードラウンドで数千万円、今年1月にプレシリーズ A ラウンドで1億1,000万円を調達している。

TiNK by tsumug

tsumug は、企業向け自律分散オフィスサービス「TiNK Desk(時間貸しサービス)」や「Tink Office(空間専有サービス)」を提供。遊休空間に TiNK や他社製品を含むロックデバイスを設置することで、サービス利用者の入退室管理と制御を実施。アプリのインストールを必要とせず、LINE だけで利用開始の手続や施・解錠が行えるのが特徴だ。

フリーランサー、複業を持つ人、テレワーカーなどに、オフィスや自宅以外のワークスペースを提供する。ユースケースとしては、マンションにある空室を同棟の居住者が使えるワークスペースにし、マンションオーナーやデベロッパがマネタイズすることができる。TiNK は ABBALab から出資を受けている

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ROADCAST by 東急

ROADCAST は、2018年に立ち上がった東急の社内ベンチャー。外壁の落書きや広告看板の乱立を、ストリートアートや屋外広告のプラットフォームで解決する。ROADCAST を使って、屋外アート展の実施や回遊型のゲーム企画に利用された事例などがある。

アートや広告を掲出したいユーザは、ROADCAST を使いマップで掲出場所を確認、空きスケジュールや価格を確認し原稿を入稿する。エリアに応じて、街の景観を損なわないよう独自のl広告規定や入稿規定も設定。原稿を掲出場所のオーナーが確認後に掲出が実施される。出稿者には、流動人口データを元に効果測定された情報をダッシュボードでフィードバックされる。

2020年度中に、掲出場所を東京都内で250カ所、提携先を含め500カ所にまで拡大する予定。

KengakuCloud by ビズ・クリエイション

岡山を拠点とするビズ・クリエイションは、モデルハウスに代えて入居中の一戸建て住宅を訪問・見学できるようにする KengakuCloud を開発している。モデルハウスを訪問する住宅購入者からは「贅沢すぎて参考にならない」「リアリティがない」といった意見が寄せられ、モデルハウスを運営できる住宅会社は大手に限られ、維持には多額のコストが強いられる。

KengakiCloud は、住宅購入者(潜在顧客)、住宅会社の担当営業、その住宅会社で一戸建て住宅を建てたオーナーをマッチングするプラットフォームだ。公開に興味のあるオーナーは自分の住宅の写真や情報を登録し予約ページを生成、三者間でスケジュールを調整し訪問・見学のアポが成立する。住宅会社からオーナーには、見学1回につき1万円の謝礼を支払う。

2018年に広島ベンチャーキャピタル、いよぎんキャピタルから資金調達している

aiPass by クイッキン

宿泊施設ではオペレーションの効率化が課題だが、その足かせの一つとなっているのが利用されているシステムの多さだ。例えば、あるホテルではベンダー15社・14システムが利用されていたという。このシステムの多さが宿泊業界の非効率、コスト高、レガシーさを招いていると考えた CUICIN は、宿泊施設の一連のオペレーションを単一 SaaS「aiPass」で一気通貫に処理できる仕組みを目指す。

aiPass では、従来は18ステップあったチェックインやチェックアウトのプロセスを、6ステップにまで減らすことに成功。ユニークなのは、aiPass の基礎機能とは別に、ホテル毎に求められる追加機能(決済、スマートキー、館内リクエストなど)を他システムと連携する API としてカスタマイズ開発する点だ。同社では共同開発モデルを導入するホテルには基礎機能を無料提供し API 開発でマネタイズ、後に他ホテルには SaaS モデルで提供する。

Fukuoka Growth Next の「Beyond Coronavirus」、Open Network Lab 第20期に採択。2月には、DG ベンチャーズとインキュベイトファンドからシード資金を調達している

Leaner by リーナーテクノロジーズ

Leaner Technologies が開発する Leaner は、間接費の無駄を見える化し、コスト削減に貢献するクラウド型の支出管理プラットフォーム。既存の財務・購買データを送付することで、解析により自社・他社比較による使いすぎの間接費目を特定してくれる。

独自のKPI管理により費目別のコスト削減余地や、適切なコスト削減手法も提示してくれるほか、継続的な評価・アラートにも対応している。

同社では2019年5月、インキュベイトファンドから約5,000万円を調達している

B2M by B2M Asia(香港)

B2M Asia は、ウォールストリートで外国為替(FX)のリスクマネージメントのプロフェッショナルらが、そのテクノロジーを中小企業も使えるにしようとするスタートアップだ。国際取引においては取引相手と通貨が異なるため外為取引が必要になるが、この外為手数料は銀行や取扱業者によっては不透明で平均7%程度と高い。

ハイグレードなサーバを使うことで、通常の10〜100倍以上の精度で為替リスクを計算し、これを手数料の安さに反映している。また世界の60以上の決済手段、80以上の通貨に対応。結果として、為替手数料は0.5〜2%で外為取引が提供可能となる。

廣澤太紀氏率いるTHE SEED、若手起業家らとこれからの10年のスタートアップシーンを考えるカンファレンスを開催へ

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先週、BRIDGE は誕生の日(当時はイベント運営のオーガナイザーであり、Startup Dating の名前だった)から十年を迎えた。福岡がスタートアップハブとして頭角を現すきっかけとなった明星和楽も、第1回の開始からまもなく十年だ。ドッグイヤーと言われて久しいものの、「新たなムーヴメントを作るには、やっぱり十年を要するかも」というのが最近の筆者の口癖だが、十年経つと十歳年をとるわけで、そこには…

The Seed Capital の廣澤太紀氏と、New Innovations 代表取締役 CEO の中尾渓人氏。
二人は THE FUTURE に登壇予定。

先週、BRIDGE は誕生の日(当時はイベント運営のオーガナイザーであり、Startup Dating の名前だった)から十年を迎えた。福岡がスタートアップハブとして頭角を現すきっかけとなった明星和楽も、第1回の開始からまもなく十年だ。ドッグイヤーと言われて久しいものの、「新たなムーヴメントを作るには、やっぱり十年を要するかも」というのが最近の筆者の口癖だが、十年経つと十歳年をとるわけで、そこには世代間ギャップも生じてくるし、世代交代も必要になるだろう。

2年前弱冠26歳にして、シードスタートアップ向け VC「The Seed Capital(ザ シード キャピタル)」を設立した廣澤太紀氏もまた、スタートアップシーンに、こういった世代間ギャップの是正や世代交代の必要性を感じている。一度イグジットを果たした起業家やシリアルアントレプレナーの世代の厚みが増してきている分、廣澤氏らと世代を同じくする若手起業家にとってはハードルが上がっているという。シニア層に遠慮してか、廣澤氏の世代からはっきりとした言葉で、そのような指摘を受けることは今までになかった。

シリアルアントレプレナーの人たちがチャレンジをする事例が増えている。彼らは経験もあるので、資金調達や事業規模などのサイズ感も大きい。クロステック系のスタートアップは既存ビジネスの DX なので、ビジネス経験のあるシニアの人たちの方が有利。

そうした結果、若手が起業の名乗りを上げるのが難しくなってきているのを感じる。若い起業家が最初の調達で1,000万円や2,000万円集めた程度では目立たなくなってしまった。若手起業家にメンターをしてくれていたシニアの起業家は自分の事業に忙しくなり、メンターを探すのも以前に比べ難しくなってきている。(廣澤氏)

最近ブームのオープンイノベーションも、スタートアップが成長の活路を見出す手法としては有用なものの、伸るか反るかでホッケースティック的な成長に賭ける起業家にとっては、対極にある選択肢かもしれない。オープンイノベーションも典型的なパターンは国内で需要と供給がグルグル回る形であるから、このモデルでは、例えば、日本から世界を目指し、外需に応えるスタートアップを生み出すという大きな夢は描きにくい。

New Innovations 代表取締役 CEO の中尾渓人氏(右)は大阪出身。事前注文型のカフェロボット「root C」を開発しており、先月、THE SEED を含む投資家から1.7億円の調達を発表した。

一方で、東京かそれ以外か、というギャップも存在する。新型コロナによる社会変化が常態化すれば、地方の起業家は一度も上京せずに東京のベンチャーキャピタルから資金調達するのが当たり前になるかもしれない。地方の起業家が高いコストを払って慣れない地へと集まるのは、投資家はもとより、苦楽を共にする他の起業家などスタートアップのコミュニティ機能を求めてのことだ。新型コロナが収束しても、スタートアップシーンの醸成に必要な基本機能は、東京以外の場所にも定着してほしい。

THE SEED ではシニアの若手のギャップ、東京とそれ以外の地域のギャップに焦点を当て、これからのスタートアップシーンの10年を若手起業家らと共に考えるカンファレンス「THE FUTURE」を今月22日に開く。初回はバージョンゼロと位置づけ、三密防止の観点から全てのコンテンツをオンラインで配信する予定。将来起業を志す地方の若い世代にとっても、東京に足を運ばずして同世代から有用な言葉を聞ける良い機会となるだろう。

今から十年ほど前の TechCrunch 40 か TechCrunch 50 のメインステージのピッチで、かなり高齢の起業家がひどいフランス語訛りの英語でプレゼンしているのを見て衝撃を受けたことがある。当時の日本では、起業家と言えば、だいたいスタイルが決まっていて、そこから大きくかけ離れた存在だったからだ。何歳になってもスタートアップできるんだと確信させられた。男であれ女であれ、LGBTQ であれ、何歳であれ、このダイバーシティこそがスタートアップシーンの極みなのだろうと。

おそらく THE FUTURE が目指すのも、決してベテランやイグジットしたシニアの起業家の再挑戦を否定するものではない。そういう人もいていいが、一方で、経験未熟な若手起業家にだって、もっとチャンスがあっていいではないか、という心の叫びである。日本のスタートアップシーンにも、本当のダイバーシティがもたらされることを願ってやまない。

Fukuoka Growth Next、新型コロナがもたらす社会課題の解決を目指す実証実験「Beyond Coronavirus」採択7プロジェクトを発表

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<本稿画像はいずれも Fukuoka Growth Next 配信のライブストリーミングから> 福岡市の官民協働型スタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next(FGN)」は1日、新型コロナウイルスがもたらす社会課題の解決を目指す実証実験「Beyond Coronavirus」の採択プロジェクトを発表した。 これは FGN が5月1日から募集していたもので、感染予防や健康管理、リモ…

左から:Fukuoka Growth Next 事務局長 内田雄一郎氏、福岡市長 高島宗一郎氏、福岡地域戦略推進協議会(FDC)事務局長 石丸修平氏

<本稿画像はいずれも Fukuoka Growth Next 配信のライブストリーミングから>

福岡市の官民協働型スタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next(FGN)」は1日、新型コロナウイルスがもたらす社会課題の解決を目指す実証実験「Beyond Coronavirus」の採択プロジェクトを発表した。

これは FGN が5月1日から募集していたもので、感染予防や健康管理、リモートワークの推進、子どもの教育環境向上、外出自粛中の日常生活を豊かにする With コロナプロジェクトなどの分野で日本内外から35件の応募があり、審査会を通じ7件が採択された。

採択されたプロジェクト(=スタートアップなど)には、税込最大で助成金50万円が進呈されるほか、実証実験期間中は FGN のコワーキングスペースを無償提供される。1日に FGN で開催された採択式には7プロジェクトのオーナー(スタートアップなど7社の代表)がオンラインまたはオフラインで招かれ、アイデアをピッチ形式で披露した。

スマートオペレーションサービス「aiPass」を活用した宿泊施設の新しいオペレーション構築 by クイッキン

予約・チェックイン~チェックアウトまでを最小限の接客で運用可能とするサービス「aiPass」の実証実験。業務効率化のみならず、コロナ禍における非対面・非接触かつ三密回避の実現を目指す。今回は、事前チェックインやフロントチェックイン等の利用率等を検証する。クイッキンは Open Network Lab 第20期採択。今年2月、DG ベンチャーズ、インキュベイトファンドからシード資金を調達

迷惑電話・コロナ詐欺や誤情報の防止情報基盤構築/Whoscall実証実験 by Gogolook(走著瞧)

スマホアプリ「Whoscall」を活用し、迷惑電話やオレオレ詐欺やコロナに関連した詐欺の防止を可能とするサービスの実証実験。今回は、福岡市内において、アプリをモニターに利用してもらい、迷惑電話防止のサポートにおける効果等を測定・検証する。(関連記事

映像制作の業務効率化/ AI多言語文字起こし&自動翻訳 by ユニゾンシステムズ

ファイル共有、大容量の映像データの高速伝送等で映像制作を効率化できる「Join-View」の実証実験。リモートでの映像制作や、AI活用の多言語の自動翻訳で、編集作業や海外とのコミュニケーションの負荷を低減する。今回は、福岡市と連携している海外都市等との相互の情報発信等において、その有用性を検証する。

デジタル身分証プラットフォーム「TRUSTDOCK」 by TRUSTDOCK

「デジタル身分証」やオンラインでの本人確認サービスを行うための実証実験。今回は、行政手続きのデジタル化・効率化に向けた検討を行うとともに、窓口業務等の実行プロセスにおける完遂度と満足度を検証する。TRUSTDOCK は昨年5月に STRIVE などから資金を調達

自律分散オフィス「TiNK Desk / TiNK VPO」 by tsumug


マンション等を無人運用可能な小型オフィスに転換する「TiNK Desk / TiNK VPO」で、遠隔体温検知、自動問診、手洗い判定システムを実証実験。今回は、各デバイスの運用フローを確認するとともに、連動運用し、利用者の健康チェック率、手洗い率向上等を検証する。(関連記事

多目的AIカメラサービス事業 by 九州電力 + オプティム

混雑検知やマスク装着の有無などを、1台のカメラで提供可能な多目的AIカメラサービスの実証実験。フィジカルディスタンス確保やマスク装着の注意喚起ができるようにするもの。さらなる技術向上やサービス向上のため、利用した機能のUI、利用状況、満足度等を検証する。

「タイミーデリバリー」を活用したフードデリバリーの効率化 by タイミー

スマホアプリ「タイミーデリバリー」を利用したフードデリバリーにおいての実証実験を実施。飲食店や購入者への配送料や手数料の負担の軽減を図る。今回は事業化に向けフードデリバリーの「同時配送」の実証を行い、時間当たりの注文件数・配送件数・リピート率等を検証する。タイミーは昨年10月、20億円を調達している。(関連記事


採択プロジェクトの発表に先立ち、福岡市市長の高島宗一郎氏のほか、地元 VC やスタートアップの経営者らを集めたパネルディスカッションも開かれた。新型コロナウイルスの社会の影響は小さくないものの、ことスタートアップに関しては、ピボットや経営努力などで倒産や廃業を余儀なくされた企業は今のところ皆無だと言う。事業を柔軟に変化させやすいスタートアップの強みがうまく作用しているのかもしれない。

高島氏らは東日本大震災の際に社会影響は大きかったものの、そのビフォーとアフターでイノベーションが起きるほどの大きな経済変革が起きなかったことを例に挙げ、欧米に比べると、新型コロナウイルスの犠牲者が比較的抑えられている日本では、ニューノーマル(新常態)への対応を促す風潮も一過性のものに終始する可能性があるとし、今回の機会を活用して、より意識的にイノベーションを起こす必要があることを強調した。

パネルディスカッションに参加した、九大発のバイオテックスタートアップ KAICO 代表取締役の大和建太氏は、他都市に活動拠点を置きつつもテレワークかつ副業形式で研究開発の一部を担う社員を今年8月から採用する予定で、コロナ禍にありながらも、雇用の選択肢を拡大することで事業拡大の可能性を追求していきたいと語った。

コロナ禍でオンライン開催となった北米テックカンファレンスCollision、ポーランド発の非侵襲型血糖値測定デバイス「GlucoActive」がピッチ優勝

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本稿は、Collision 2020 の取材の一部である。 【26日朝8時更新】訂正線部を削除。 Collision は北米を代表するテックカンファレンスで、昨年、開催地をアメリカ・ニューオーリンズからカナダ・トロントへと移し25,000人の来場者を集めた。今年は新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となり、3日間にわたって、パネルディスカッション、プレゼンテーション、記者会見などが繰り広げられ…

優勝したポーランド GlucoActive の CEO Robert Stachurski 氏

本稿は、Collision 2020 の取材の一部である。

【26日朝8時更新】訂正線部を削除。

Collision は北米を代表するテックカンファレンスで、昨年、開催地をアメリカ・ニューオーリンズからカナダ・トロントへと移し25,000人の来場者を集めた。今年は新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となり、3日間にわたって、パネルディスカッション、プレゼンテーション、記者会見などが繰り広げられた。

ピッチコンペティション「PITCH」には世界中の1,000チーム超からエントリがあった。24〜26日(日本時間)にかけ、複数ラウンドに及ぶ審査がなされた結果、ポーランド発の非侵襲型血糖値測定デバイス「GlucoActive」が優勝した。

本稿では優勝チームに準優勝の2チームを加えた3チームを紹介したい。審査員らは、プロダクトの可能性、ディスラプティブかどうか、財務面での評価、チーム構成、ピッチの品質の5点をもとに評価した。

決勝ラウンドの審査員の皆さん。左端は、Co-host の Casey Lau 氏

決勝ラウンドの審査員を務めたのは次の方々だ。

  • Eric Hippeau 氏(Lerer Hippeau Ventures)
  • John Taht 氏(TD Bank)
  • Prashanth Chandrasekar 氏(Stack Overflow)
  • Stefan Heuser 氏(Hyundai Cradle)

GlucoActive(ポーランド)

世界保健機関(WHO)の推計によると、世界の糖尿病患者は4億2,200万人に上り、その数は増加の一途を辿っている。GlucoActive は非侵襲的で血糖値を測定可能なデバイスを開発。皮膚を透過しブドウ糖分子にのみ反応するレーザー光を使用することで、患者は痛みを伴わずに血糖値を調べることができる。

同社はこれまでにエンジェル投資家から少額の投資ラウンドを実施済。現在、ポーランド国内の糖尿病専門クリニックで、据え置き型1種類とウェアラブル可搬型2種類のデバイスを臨床試験中で、来年夏の販売開始を見込んでいる。

Sym(アメリカ)

Sym は、さまざまな業界のエンジニアがセキュリティやプライバシー要件に合わせた情報ワークフローを作成できるプラットフォームだ。GDPR(EU 一般データ保護規則)、CCPA(カリフォルニア州消費者保護法)などのデータコンプライアンス規制に対応。

インテリジェントルーティング、マルチチャンネルサポート、エビデンス収集を特徴とし、ユーザは予めシステム上に用意されたワークフローをカスタマイズ可能、企業はワークフローのレビューや内部メンテナンスのための時間や手間を削減できる。

Orai(アメリカ)

Orai は、人前でも緊張せずにスピーチやプレゼンテーションできるよう支援する AI トレーニングアプリだ。ユーザはインタラクティブなレッスンと単語練習で、いつでもどこでもスピーチを録音して練習することができる。すぐにフィードバックが得られ、ゲーミフィケーションによリ、説得力のあるスピーチを明確に、自信を持って伝えるという最終目標に到達することが容易になる。

Orai は、フィラデルフィアのドレクセル大学の工学部に在籍した、英語を母国語としない複数の外国人学生によって設立されたスタートアップだ。自分たちのプレゼンテーションスキルを改善するために Orai を開発した。これまでにプレシードラウンドとシードラウンドを通じて Techstars などから230万米ドルを調達している。


なお、Collision の主催者であり、例年秋にポルトガル・リスボンでテックカンファレンスを開催している WebSummit は、新型コロナウイルスの影響で今年の開催が危ぶまれる中、今年の WebSummit を通常より約1ヶ月遅い12月2~4日に開催することをと発表した。ポルトガルをはじめヨーロッパでの新型コロナウイルスの収束状況を見て、10月に最終判断が決定される予定。

また、WebSummit の CEO Paddy Cosgrave 氏 による記者会見では、WebSummit が香港で開催してきたテックカンファレンスRISEを、2021年に日本で開催することにも言及があった(香港情勢にかんがみ、今年の RISE は開催されていない)。Cosgrave 氏は昨年、大阪で開催された G20 の前には、EU コミッションのメンバーとして通称「HIRAI Pitch」で知られた IT 担当大臣(当時)の平井卓也氏と面会していた

技術至上主義の覇権争いが続く中、米中がAI分野で先手を狙う本当の理由〜英スローニュース団体主催「Tortoise Global AI Summit」から

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米中間で緊張と技術的な対立が激化する中、AI がその中心的な役割を果たしている。BBC の前ニュースディレクターらが立ち上げたスローニュース(調査報道)系ジャーナリズムネットワーク「Tortoise」は15日、「Tortoise Global AI Summit」をオンライン開催した。世界の超大国アメリカと中国の関係がますます険悪になっていることについて、トランプ大統領が貿易戦争を開始する前から、…

Image credit: Wallpaper Flare

米中間で緊張と技術的な対立が激化する中、AI がその中心的な役割を果たしている。BBC の前ニュースディレクターらが立ち上げたスローニュース(調査報道)系ジャーナリズムネットワーク「Tortoise」は15日、「Tortoise Global AI Summit」をオンライン開催した。世界の超大国アメリカと中国の関係がますます険悪になっていることについて、トランプ大統領が貿易戦争を開始する前から、両国の競合関係に苦言を呈してきたパネリストらが議論した。

二国間の競争は幅広い技術に及んでいるが、多くの人が今後数十年の間に AI が果たすであろう本質的な役割のおかげで、AI がますます注目されるようになってきていることについて、パネリストの3人は同意している。そして、AI の覇権争いが中国とアメリカだけでなく、他のすべての国がこの技術競争の中で自らの立ち位置を見直さざるを得なくなっている。

世界の二大国の関係が悪化している中で、技術競争を目の当たりにしている。この2つの国はほぼ同規模の経済規模を持ち、世界を支配するための影響力を誇示するための手段として、その経済基盤を利用している。技術競争が広範になる中で、AI は中心的な位置付けを占めている。(イギリスの諜報機関 MI6 の元トップ John Sawers 氏)

Sawers 氏と共にパネルディスカッションに参加したのは、イギリスの新興半導体メーカー Graphcore CEO の Nigel Toon 氏と、イギリス政府 AI 庁(Office for AI)長官の Sana Khareghani 氏。

中国とアメリカに関しては、彼らは非常に長い間、対立の中心に AI を置いてきたと思う。それはリーダーになるための経済競争であり、テクノロジーはそこに投げ込まれたようなものだった。(Khareghani 氏)

パネリストらは、アメリカでの AI の取り組みは企業が主導しているのに対し、中国では政府の政策によってイノベーションが推進されているという従来の常識について議論したが、Toon 氏はその見解に反論した。彼は中国政府がアメリカよりも大きな役割を果たしていることを認めながらも、中国での AI 開発の多くは Alibaba(阿里巴巴)や Huawei(華為)のようなテック大手が主導していて、彼らは Google や Facebook と同じモチベーションを持っている、と述べた。

そういった大手は、外から見れば無敵に見えるかもしれない、と同氏は言う。しかし、彼らは優れた AI プロダクトを作り出す競合への恐れに駆られている。

イギリスの新興半導体メーカー Graphcore CEO の Nigel Toon 氏

テック大手の立場から見てみれば、AI は彼ら自身の存亡に関わるテクノロジーだ。もし他の誰かが Google よりも早く最先端の AI を開発したら………Google はそれを心配している。だからこそ、彼らはこの分野に大金を投資している。Facebook が AI に大金を投資しているのもそのためだ。Google が DeepMind を買収した理由もまさにそれ。こうしたテック大手にとって、AI は自らの存亡に関わるものでしかない。Alibaba にとっても、Tencent(騰訊)にとっても。(Toon 氏)

中国が大きく違うのは、政府がテック企業とより緊密で協力的な関係を築いていることだと Toon 氏は付け加えた。さらに、中国のプライバシーやデータに関する政策や文化は、中国に優位性を与えている。

(中国では)データの収集や利用に何の制約も無い。欧米では、自由な社会の一部として個人のプライバシーに誇りを持っている……中国は大都市の内部に監視システムを設置しているが、これは非常に強力で、(秘密警察の支配を背景とした恐怖政治を行った)スターリンが死んでもおかしくないような制御メカニズムだ。これは中国政府にとって、この分野でアドンバンテージをもたらす。なぜなら、AI と機械学習はデータの大量収集に非常に大きく依存し、そのデータを咀嚼・操作することができるからだ。(Sawer 氏)

この二者択一の図式は、必然的にヨーロッパがその図式の中の、どこにどのように収まるのかという問題につながった。欧州連合(EU)は近年、AI の開発を政治的にも、経済的にも優先させている。この地域は研究やスタートアップに多額の投資を行っているが、米中よりも倫理的なアプローチで AI に取り組むことで、独自のアイデンティティを確立しようとしている。

Khareghani 氏は、大きなリードを持つ米中のベンチャーキャピタルが示す数字は、ヨーロッパの強さを過小評価する傾向があると述べた。

AI にどれだけの投資をしているかという点では、米中が特定の方法でリードしていることを考慮する価値があると思う。しかし、集中、貢献、思考のリーダーシップという点では、カナダ、ドイツ、フランスなどの国と並んで、イギリスが上位に位置している。つまり、判断材料には、資金をどれだけ調達しているかだけでなく、それ以上のものを考慮すべきだと思う。(Khareghani 氏)

イギリス政府 AI 庁(Office for AI)長官の Sana Khareghani 氏

しかし、ヨーロッパにはいくつかの深刻な限界がある。例えば、ヨーロッパはディープテック関連の多くの分野で目覚ましい進歩を遂げているが、高度なコンピューティングの開発に必要な基本コンポーネントの多くを他国に大きく依存していると Toon 氏は指摘している。

コアとなる基礎技術の一部については、供給量が非常に限られている。半導体を例に挙げてみよう。半導体の最先端で製造できる企業は地球上に3社しかない。我々は台湾に拠点を置く TSMC(台積電)と協力している。ヨーロッパの我々がこういった最先端の半導体技術を開発できるとは信じがたい、あるいは不可能だと思う。(Toon 氏)

では、ヨーロッパはどのように対応すべきなのだろうか。Toon 氏は、データや AI の利用に関する規制強化は、国民の信頼と信頼を促進することを目的としているものの、地域企業の活動を阻害することで裏目に出てしまうのではないかと懸念している。

こういった最先端技術へのアクセスができないために、ヨーロッパが競争に参加できなくなるような政策を実施しないよう注意する必要がある。(Toon 氏)

これまでヨーロッパは、米中と協力してその地位を利用しようとしてきた。しかし、最近の出来事はそれを難しくしている。米中が貿易障壁を作り、技術の独立性を主張するようになれば、ヨーロッパは両者との関係を見直さなければならなくなるだろう。

イギリスの諜報機関 MI6 の元トップ John Sawers 氏

長い間、ヨーロッパは、どうにかして両方の世界のベストを手に入れることができると感じていたと思う。そうすれば、アメリカとの政治的・防衛的な同盟関係を維持しつつ、中国を対等な経済パートナーとして扱うことができる。多くのヨーロッパ人にとっては、新型コロナウイルスをきっかけに、現在の中国政権の本質について目から鱗が落ちたと思う……中国ははるかに自己主張が強くなった。我々は、中国が香港で、そして、南シナ海で、何をしているかを見ている。サイバーセキュリティの分野で何をしているかを見ている。中国がどれだけ抑圧的であるかを見ている。(Sawers 氏)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

サイバーエージェント・キャピタル、新型コロナ対応で「Monthly Pitch」を初のオンライン開催—8社が登壇、国内外から投資家120名超が集まる

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サイバーエージェント・キャピタル(CAC)は毎月第2水曜日、シード・アーリー期の起業家と投資家が集まるピッチイベント「Monthly Pitch」を開催している。これまで渋谷の「hoops link tokyo」で開催されてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大による影響から、13日に開催された第37回は完全オンラインで開催された。 ピッチセッションには、十年以上事業継続している会社から、最近設立さ…

サイバーエージェント・キャピタル(CAC)は毎月第2水曜日、シード・アーリー期の起業家と投資家が集まるピッチイベント「Monthly Pitch」を開催している。これまで渋谷の「hoops link tokyo」で開催されてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大による影響から、13日に開催された第37回は完全オンラインで開催された。

ピッチセッションには、十年以上事業継続している会社から、最近設立されたスタートアップまで多様な顔ぶれ8社が登壇。従来のオフライン開催時に勝る盛況ぶりで、観覧する投資家は日本内外から120人超(筆者カウント)が参加した。オンラインイベントではネットワーキングの難しさボトルネックになるが、Zoom の Breakout Rooms 機能とスタッフらのコーディネイトにより、起業家と投資家の具体的な出資相談にも花が咲いたようだ。

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今回ピッチ登壇した8社のサービスは以下の通り。

dDrive by DigitalBlast

DigitalBlast の「dDrive」は、運送ドライバの労務環境改善を狙うサービスだ。運送業界では、長時間労働が問題として顕在化しているが、実のところ、トラックを運転している時間よりも、荷待ち・荷役の時間が長いことに起因することが多い。ただ、ドライバが荷主に対して、荷待ち・荷役の時間を是正するよう改善を求めることは立場上難しい。

dDrive ではアプリを通じてドライバの労務を記録、これを解析し日報・労務データ・分析データを自動作成することで、運送会社が実態を把握することを支援する。状況が見える化されることで、運送会社は荷主に対して荷待ち・荷役の改善を求めやすくなる。運送ドライバには中高年者も多いため、操作はワンクリックだけ、ポイントなどインセンティブで持続使用しやすい仕掛けを取り入れた。

PRENO by PRENO

C CHANNEL で海外事業責任者を務めていた肥沼芳明氏が昨年立ち上げた PRENO は、コスメに特化した自動販売機を展開するスタートアップだ。これまでは専門店や百貨店での対面販売か、通信販売などに限定されていた化粧品の販売チャネルを新規開拓する。日本未上陸の海外ブランドや、未発売の商品ラインを扱うことで既存流通と差別化された UX を提供する。

自動販売機は現金を扱わず、QR コード決済とクレジットカード決済のみに対応。デジタルサイネージが搭載されており、商品購入時に QR コードを表示して、ユーザにサンプリングアンケートに答えてもらったり、メイクアップ効果を AR で再現したりする運用も可能だという。初号機はラフォーレ原宿に設置される予定で、年内に空港や百貨店などに60台程度の設置を目指している。

みーつけあ by みーつけあ

みーつけあ」は、介護サービスを希望する利用者と提供者をマッチングするプラットフォームだ。通常、介護保険サービスを利用する場合、依頼をしてから実際にサービスが開始されるまでに2ヶ月程度を要する。利用者家族が何に困っているかを把握し、行政を通じて、それに対応可能なサービスを提供できる事業所(デイケア)がヘルパーの空き状況を確認する必要があるからだ。

みーつけあでは、有資格者が毎日受電し、利用者家族が困っている内容を把握。それに応じて、事業所に利用者を紹介することで最短で即日のマッチングを可能にする。事業所のデータベースを保有し、事業所毎に利用者による口コミを参照することが可能。最終的には、事業所のみならず、ヘルパーにまでリーチできるサービスを目指す。新型コロナに伴い、利用者家族とヘルパーのウェブ面談機能を開発中。

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ベチャクチャ / ドリアン by わたしは

わたしはは、AI をエンターテイメントに活用した「大喜利 AI」という分野を開拓するスタートアップだ。ある人物が話す意識、音声、文章特徴、話者特徴などを取り出し(これらを「パーツ」と呼んでいる)、それらを自由に組み合わせて、新しいエンターテイメントを創出する。外部化されたパーツをユーザが再構成することで、ユーザの創造力に基づいた二次創作体験を支援する。

大喜利 AI をユーザが体験できるよう、わたしはでは現在2つのアプリを公開している。妄想トーク作成アプリ「ペチャクチャ」は、誰かと誰かのおしゃべりを AI と共に作れるアプリ。例えば、織田信長とチェ・ゲバラを対話させたりできる(上の画像)。MAD 動画作成アプリ「ドリアン」は、短編動画や画像をアップロードすると AI が自動合成された動画クリップを作成する。

OOParts by Black

ブラックが開発・提供する「OOparts」は、コンソールゲームを Web ブラウザ上でプレイできるクラウドゲーミングプラットフォームだ。ハードウェアや OS などに依存しないため、ユーザはあるゲームをプレイするために余分な出費をしいられず、デベロッパにとっては機種毎の移植をしなくてもユーザを拡大できるメリットがある。

先頃、Google が Stadia を公開したことに代表されるように、GAFAMBAT(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft、Baidu=百度、Alibaba=阿里巴巴、Tencent=騰訊)は多額の投資をしてハイエンドのゲームを提供としているのと対照的に、OOparts では懐かしのローエンドゲーム、特に往年のファンを多く抱えるアドベンチャー系ゲームに特化するようだ。

NobodySurf by reblue

世界には3,500万人のサーファーがいるが、サーファーのコミュニティの一つ一つは小規模かつ点在・分散している。このため互いにつながることができず、例えば、サーファーショップやサーフィン関連メーカーが新商品を開発しても世界の見込顧客にはリーチできないし、サーファーは世界中から最良のコンテンツを見つけ楽しむことができない。

reblue の「NobodySurf」は、世界100カ国以上370万人へのリーチを誇るプラットフォームだ。世界2,000名のクリエイターが作った1万本のサーフィン動画作品が楽しめるほか、SNS 機能などを提供する。今年2月からはサブスクリプションモデルと広告によるマネタイズをスタート。近日中には EC もスタートさせ、将来はサーフィンに関連した C2C や旅行にまで業態を広げる計画だ。

Discoveriez by G-NEXT

企業のお客様相談室は、商品について消費者からのあらゆる苦情に対応する必要があり、さらに、異物混入の申告があった場合には、それを回収し、調査し、継続的にフォローアップするなど一貫した対応を求められる。既存の CRM や SFA ツールでは対応が難しかった。「Discoveriez」は、お客様相談室向けに特化した SaaS で企業を支援する。

ノウハウの詰まった豊富なテンプレートを備え、リスクマネジメントに特化した包括的な機能を提供。関連対応する部署やロールに合わせて、顧客情報を見せる見せない、品質情報を見せる見せない、などの細かい条件設定が可能だ。これまで大企業への提供にフォーカスしてきたが、今後は、SaaS で中規模企業の需要開拓にも注力する。

SaaSke by Interpark

2000年に創業したインターパークは、これまで業務用統合クラウドの「サスケ」や業務用050アプリ「SUBLINE(サブライン)」などを開発してきた。サスケのプロダクトラインの一つとして、必要なアプリをクラウド上で簡単に作れるサービス「サスケ Works」をリリースする。1,500社以上いるサスケシリーズの既存ユーザに加え、新規ユーザを獲得したい考え。

サスケ Works で実現できる機能は一部 SaaS 型 RPA にも似ているが、RPA が既存のツールやアプリの操作を自動化するのに対し、サスケ Works ではアプリそのものをスクラッチで作成できる点で新しい。また、サンプルアプリが100種類用意され、自分が作ったクラウド上のアプリを他ユーザに販売できるマーケットプレイスも開設。一定期間でフリーミアムで提供される見込みだ。


今回の8社の登壇を受けて、Morning Pitch でピッチしたスタートアップは累積286社。また CAC では、今年1月までに登壇したスタートアップの資金調達成功率が58.3%に達したことを明らかにしている。

Morning Pitch 第37回の終了を受けて、CAC ではすでに第38回へのエントリを開始している。募集の締切は5月19日23時59分まで、開催は6月10日にオンラインで予定されている。