取締役会DXで企業の成長を加速、日本企業の株価を10倍にしたい「ミチビク」/KDDI ∞ Labo4月全体会レポ

中村竜典さん

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

ミチビクは「経営を、あるべき姿に導く。〜日本企業の株価を10倍にする〜」というミッションを掲げ、取締役会DXプラットフォーム「michibiku」を提供しているスタートアップです。「株価10倍」という数字には、直近30年間で生じた日米の株価の差を埋め、誇れる日本を取り戻したい思いが込められているといいます。

ミチビク代表の中村さんは取締役会という場に、役員や監査法人、取締役会事務局として参加してきた経験から、多くの企業の取締役会で、企業成長に寄与する議論がなされていないと感じたそうです。

たとえば新規事業やM&A、資本政策など中長期的に事業を前進させるためのアジェンダを扱うべきところ、月次の生産計画や細かい規程の改定などに大幅な時間が割かれているケースを多く目の当たりにしてきたといいます。

上場企業の取締役会をDXすることは、企業の成長だけではなく、消費者や関連企業などへの良好なインパクトにもつながると、ミチビクは考えます。

取締役会における意思決定が硬直化したせいで、企業で新しいチャレンジが生まれなくなり、結果として失われた30年が生じてしまったと考えています。海外企業がインフレで停滞し、再度日本の企業に注目が集まっている今日のチャンスをどのように生かすのかが、今後数十年の日本の経済成長を左右していくでしょう。その際に企業の最高意思決定機関である取締役会が、トップダウンで、スピード感を持って決断を下すことが何より重要だと思います。(中村さん)

取締役会を変革していくためにはまずは現状を見える化することが非常に重要です。michibikuを使って、まずは会議の音声をAIで書き起こしし、そのテキストデータを使って、どのアジェンダにどれぐらいの時間を使っているのか、誰がどれくらい発言しているのか、説明と議論のどちらが多いのかなどを見える化するところがスタート地点になります。

michibikuは取締役会の事務局の負担も軽減します。事務局は社内から議案を集めて招集通知を作成し、役員にメールで展開する中で膨大なメールのやり取りが発生します。出席者用に大量の紙を印刷したり、音声を人力で文字起こしして議事録を作成したり、最終的には議事録を印刷して印鑑リレーしたりするなど、アナログな作業が詰まっているのが事務局の業務です。

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