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JR東日本、スタートアップとの協業プログラムの第3期デモデイを開催——一部採択チームのサービスは、12月4日からJR大宮駅西口で実演へ

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JR 東日本スタートアップは28日、インキュベーション/アクセラレーション・プログラム「JR EAST STARTUP PROGRAM」の第3期デモデイを開催した。これは JR 東日本とスタートアップのオープンイノベーションを促進するためのプログラムだ。前回までは「アクセラレーションコース」と「インキュベーションコース」に分かれていたが、今回から一本化され「エリア拡大」「地域連携」「グローバル」と…

JR 東日本スタートアップは28日、インキュベーション/アクセラレーション・プログラム「JR EAST STARTUP PROGRAM」の第3期デモデイを開催した。これは JR 東日本とスタートアップのオープンイノベーションを促進するためのプログラムだ。前回までは「アクセラレーションコース」と「インキュベーションコース」に分かれていたが、今回から一本化され「エリア拡大」「地域連携」「グローバル」という3つの提案テーマが設定された(提案テーマを定めないチームもあり)。

応募のあったスタートアップ262社のうち21社が採択され、約半年間におよぶプログラムに参加、この日のデモデイを迎えた。今後、JR 東日本の駅構内やグループ関連会社のサービス拠点や店頭などを使って実際のサービスが試験提供(PoC)される。一部のサービスは、12月4日〜9日に大宮駅西口イベントスペースで開催される実証披露イベント「STARTUP_STATION」でデモ公開される予定。本稿ではデモデイでのピッチの結果、審査により入賞した5社を紹介する。

デモデイで審査員を務めたのは、以下の5人の皆さん。提案内容の「新規性」「ビジネス性」「JR 東日本のリソースをいかに活用しているか」の3つの指標によって評価された。

  • グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー 仮屋薗聡一氏
  • プロノバ 代表取締役社長 岡島悦子氏
  • 守屋実事務所 代表 守屋実氏
  • JR 東日本 常務取締役 事業創造本部長 新井健一郎氏
  • JR 東日本 常務取締役 総合企画本部長 喜㔟陽一氏

【スタートアップ大賞】CBcloud

副賞:100万円

CBCloud は、荷主とフリーランスの運送ドライバーをマッチングするプラットフォーム「PickGo」を提供。2016年の KDDI ∞ Labo 第10期から輩出され、今年8月に実施したシリーズ B ラウンドまでにデットを含め累計約18億9,000万円を調達している。サービス開始から約3年を経て、PickGo 上にはこれまでに全国で15,000名のフリーランスドライバーが登録している。荷主は荷物を運んでくれるドライバーを探し始めてから平均56秒で見つけられ、99.2%のマッチングが成功しているという、

インバウンド観光客が増える中で、駅などで問題となっているのは観光客が持つ手荷物の取扱だ。急激な需要増に供給が追いつかないため、コインロッカーは常に空きがなく、東京駅の手荷物預かり所では10時の営業開始から1時間後には満床になってしまう。東京駅の案内所への問い合わせ内容の53%は、ロッカーや手荷物に関するものだった。これ以上、駅の中に手荷物を預かる場所を増設するのは難しく、この問題の解決には新しいアプローチが必要となる。

CBCloud では、PickGo の仕組みを使って、東京駅の手荷物預かり所から観光客の宿泊先ホテルに配送するサービスを考案。観光客は街や観光地に駅から手ぶらで出かけられる上、駅に手荷物をピックアップしに戻る必要もない。一部地域で問題になっている公共交通の混雑も緩和できるだろう。JR 東日本物流との協業で11月11日から東京駅で始めた実証試験では、既に100個以上の手荷物を配送。将来は東京駅以外のメガターミナルでのサービス展開、閑散時の新幹線や在来線を使った配送なども視野に入れる。

【優秀賞】Green’s Green

副賞:50万円

Green’s Green は、土を使わずに苔を人工栽培できる独自技術を保有している。苔に湿度を一定に保つ機能、二酸化炭素を固定する機能、空気を清浄化する機能などが備わっており、温暖化対策で緑化を義務付けられている国々や SDGs を目標に掲げる国々で需要が高まっている。そこで、Green’s Green ではスナゴケを栽培したシート上の商品を開発した。灌水が不要、雑草防除に効果があり人力除草が不要、半永久的に利用できるため付加価値が高いものとなる。土を使わないので検疫が簡素化でき、輸出も容易だ。

同社では、鉄道高架下の遊休地を活用した苔の人工栽培を提案。駅から遠い遊休地は、商業地としては高い家賃を取れるものにはならないが、日射量が必ずしも多くないことが苔の栽培にはむしろ好都合となる。高架下2キロメートルで苔の人工栽培を展開した場合、3万平方メートルが栽培地として利用可能で、年間1億円を超える売上が確保できる試算。苔の世話には特別な技能や知識は求められないため、JR 東日本グリーンパートナーズと提携し障害を持った人の労働力を活用できる可能性を狙う。

【優秀賞】日本環境設計(グローバル)

副賞:50万円

日本環境設計は、繊維やリサイクルから化学的処理によりリサイクル技術を開発した企業だ。都市鉱山から得られた貴金属を使った東京オリンピックのメダル製作、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で描かれていた「ごみで車が走る」リサイクル燃料車「デロリアン」の実現、衣料品をリサイクルしてできたバイオ燃料でジェット機を飛ばす企画などで知られる。

自社技術を活用した駅から始まる SDGs を提案。駅で回収した衣料品をエコバッグや T シャツに生まれ変わらせ販売する計画だ。不要な衣料1着からは新しい衣料1着、不要なオモチャ1個からは新しいオモチャ1個が作れるなど、リサイクルを重ねることによる材料の劣化が生じない技術が最大の特徴。新駅「高輪ゲートウェイ駅」に不用品回収・リサイクル品販売の拠点を設置したいとしている。

【オーディエンス賞】ヘラルボニー(グローバル)

副賞:10万円

知的障害者は日本国内に108万人、世界に2億人いると言われる。ヘラルボニーは彼らが持つ能力を生かし、特にアートというアプローチで事業化を支援している。日本各地の福祉施設と連携することで、知的障害者が描いたアート作品をライセンス販売する事業を展開しており、これまでに集めたアート作品の2,000点以上。

ヘラルボニーでは2つの事業を提案。一つは、駅を社会貢献機能を備えたミュージアムと位置づけ、吉祥寺駅周辺のアーティスト50人と組んで、同駅を12月からアートでラッピングする事業を展開。もう一つは、渋谷区と連携、渋谷駅周辺の工事現場の仮囲いに掲出しているアート印刷ターポリンをトートバッグにして加工・販売することで、JR 東日本、福祉施設、ヘラルボニーの三者が利益を得られる。

【審査員特別賞】バイオーム(エリア拡大)

副賞:10万円

生物情報の可視化をビジョンに掲げるバイオームは、スマートフォンのカメラで撮影するだけで国内7万種の生物の名前を判定できるアプリ「Biome(バイオーム)」を展開している。同社では同アプリを使って、生物の多様性を自然の中で体現できるイベント「いきものクエスト」を全国各地で開催しているが、JR 東日本スタートアップ、JR 西日本イノベーションズ、JR 九州と協業し、各社の鉄道を使って巡りながら、地域毎の生物特性を記録・シェアできる「バイオームランド」を来年3月から展開する。

アプリを利用し沿線を回遊することにより、鉄道各社にとっても乗客の利用促進の効果があるほか、自然が豊富な地域で展開することで過疎地域への送客の効果も得られる。バイオームではユーザからのデータを集積し、駅圏内や鉄道沿線毎の生物多様性をマップ化・ランキング化することで、このプロジェクトのゲーム性を高めることで、ユーザ参加のモチベーションを高める計画。合計100万人の参加、参加者の総移動距離地球10周分、300万個体の発見を目指す。これまでにシードラウンドで1億円を資金調達済。

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JR東日本、現地スタートアップと日本企業とのオープンイノベーションを念頭に置いたコワーキングスペース「One&Co」をシンガポールに開設

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シンガポール現地紙 The Straits Times の報道によれば、JR 東日本シンガポールは26日、コワーキングスペース「One&Co」をシンガポール市内に開設した。市内中心部タンジョン・パーガーの高層ビル「Twenty Anson」の11Fに開設されたこのスペースは、広さ1万3,000平方フィート(約1,200平方メートル)で、プライベートオフィス、デスク、会議室などに約275名を…

Image credit: JR East Singapore

シンガポール現地紙 The Straits Times の報道によれば、JR 東日本シンガポールは26日、コワーキングスペース「One&Co」をシンガポール市内に開設した。市内中心部タンジョン・パーガーの高層ビル「Twenty Anson」の11Fに開設されたこのスペースは、広さ1万3,000平方フィート(約1,200平方メートル)で、プライベートオフィス、デスク、会議室などに約275名を収容できる。

One&Co の開設は、JR 東日本の国外進出の一環として1年半前に立案されたものだ。コワーキングスペース運営の CO&CO が運営を受託し、大阪イノベーションハブ、JETRO シンガポール、コンサルファームの ICMG らと連携する。 One&Co では、シンガポール企業が日本市場への洞察を深めたり、日本企業コミュニティとのコネクションを増やしたりすることが期待できるほか、「JR EAST STARTUP PROGRAM」に参加したスタートアップの東南アジア進出拠点としても活用される見込みだ。

JETRO は昨年、シンガポール経済開発庁(EDB)、政府機関 Singapore Enterprise と、日本〜シンガポール間の企業連携強化に向けた覚書を交わしている。また、JR 東日本シンガポールは2016年11月、同じくタンジョン・パーガーの高層ビル「Guoco Tower(旧称:Tanjong Pagar Centre)」の 1F に、インバウンド需要の掘り起こしを念頭とした情報発信の拠点として「JAPAN RAIL CAFE」をオープンさせている。

One&Co は、34室あるプライベートオフィスが月1,600シンガポールドル(約12.2万円)から、約110席あるコワーキングデスクが月700シンガポールドル(約5.3万円)、ドロップインは2時間15シンガポールドル(約1,100円)で利用できる。

<参考文献>

via Vulcan Post

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JR東日本、インキュベーション/アクセラレーションプログラムの第2期デモデイを開催——23チームが採択、6チームが入賞、18チームはPoCへ

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JR 東日本スタートアップは29日、インキュベーション/アクセラレーション・プログラム「JR EAST STARTUP PROGRAM」の第2期デモデイを開催した。これは JR 東日本とスタートアップのオープンイノベーションを促進するためのプログラムで、概ね起業10年以内の企業を対象とする「アクセラレーションコース」と、起業しているか起業後まもない個人を対象とする「インキュベーションコース」の2つ…

JR 東日本スタートアップは29日、インキュベーション/アクセラレーション・プログラム「JR EAST STARTUP PROGRAM」の第2期デモデイを開催した。これは JR 東日本とスタートアップのオープンイノベーションを促進するためのプログラムで、概ね起業10年以内の企業を対象とする「アクセラレーションコース」と、起業しているか起業後まもない個人を対象とする「インキュベーションコース」の2つのコースが用意されている。

応募のあったスタートアップ182社のうち、アクセラレーションコースには18チーム(実証実験中心)、インキュベーションコースには5チーム(事業提案中心)が採択され約半年間におよぶプログラムに参加、この日のデモデイを迎えた。アクセラレーションコース採択チームを中心に、JR 東日本の駅構内などを使って実際のサービスが試験提供(PoC)される。一部のサービスは、12月3日〜9日に大宮駅西口イベントスペースなどでデモが公開される予定。

本稿ではデモデイでのピッチの結果、審査により入賞した6社を中心に紹介する。

デモデイで審査員を務めたのは、以下の6人の皆さん。

  • 東京大学名誉教授/学習院大学国際社会科学部教授 伊藤元重氏
  • グロービス・キャピタル・パートナーズ マネージング・パートナー 仮屋薗聡一氏
  • コラボラボ 代表取締役社長 横田響子氏
  • 守屋実事務所 代表 守屋実氏
  • JR 東日本 常務取締役 事業創造本部長 新井健一郎氏
  • JR 東日本 常務取締役総合企画本部長 喜㔟陽一氏

<関連記事>

【スタートアップ大賞】PicoCELA

副賞:100万円

PicoCELA は、無線 LAN のマルチホップ技術を用いて、足回りに LAN ケーブルを必要としない、無線 LAN 環境の構築を可能にする。スキーリゾート「GALA 湯沢」のゲレンデや八甲田山などで、PicoCELA を使った面におよぶ無線 LAN サービス提供の実証実験を行う。GALA 湯沢では、通常敷設時に比べ LAN ケーブルを85%削減でき、工事費は10分の1にできたという。

新幹線など電車内における無線 LAN 環境の構築においても、車内のケーブル敷設を省略できることから、導入が容易でコストを圧縮することができる。広域 WiFi 空間での AR ゲームの実現、工事現場でのエッジコンピューティングによる業務改善、車内でのエッジコンピューティングによるリッチコンテンツの提供なども可能になる。WiFi を通じて集まるデータから、人流のビッグデータ事業も視野に入れる。

【最優秀賞】Metro Engines(アクセラレーションコース)

副賞:50万円

メトロエンジンは、AI を活用した需要予測を行うことで、ホテルなどに(料金の最適化により最大の利益をもたらすことを意図した)ダイナミックプライシングを提供するスタートアップだ。現在、ホテルチェーン30社などで利用されている。同社はこのしくみを、新幹線や列車の需要予測に使えないかと考えている。東北新幹線「やまびこ」で実験を行ったところ、250席中で15席以内という低誤差で予測する成果を上げた。このしくみの応用により、旅行客には閑散期により安い価格で旅に出かけられる可能性を提供できる。

また、メトロエンジンは JR グループの駅ナカコンビニ「NewDays」とコーヒーショップ「BECK’S COFFEE SHOP」でも売上予測の実験を行った。NewDays では売上150万円に対し誤差6万円以内(97%)、BECK’S COFFE SHOP では売上25万円に対し誤差4.5万円以内(82%)、という良好な結果が得られた。これらの小売業では正確な売上予測が可能になることで、発注量の適正化が行え、食料品や食材の廃棄抑制や損失減少にも貢献できる。メトロエンジンでは、JR 東日本が手がける複数事業分野で協業を図りたい考えだ。

【最優秀賞】ANSeeN(インキュベーションコース)

副賞:50万円

AnSeeN は、静岡大学発の X 線カメラを使った内容物調査技術を開発するスタートアップだ。従来の X 線カメラに比べると、高精細で内容物の形状を把握しやすく、波長情報により色をつけられるため、部位毎の材質の違いも見分けやすい。人工知能と併用し、検査員不要で手荷物検査が実現できるしくみの開発を目指す。

昨今、新幹線の車内などで事故や事件も起きており、安全性確保の観点から乗車前の手荷物検査の必要性は叫ばれる一方、航空機搭乗前の空港での手荷物検査を鉄道改札に導入したのでは、検査による時間の問題から混雑が生じてしまい現実的でない。AnSeeN では、新幹線の自動改札が切符を投入してから2秒で通過可能であることを念頭に、同社の手荷物検査装置により4秒間での改札と手荷物検査通過が可能にしたいと考えている。

【優秀賞】AISing(アクセラレーションコース)

副賞:50万円

AISing(エイシング)は、10年以上にわたり機械制御に AI を活用してきたスタートアップだ。同社では今回、2つの JR 東日本が抱える課題に対して、それぞれのソリューションを提案した。

一つは、降雪地帯の新幹線路線などにおける散水消雪機の最適稼働だ。JR 東日本の設置する散水消雪機では加熱を施して散水、溶けた水の戻り(返送水)の温度を監視している。一度溶けた雪や撒いた水が凍らないために、この返送水が摂氏1℃程度で戻ってくるのがムダ(余剰熱)の無いベストな状態だが、実際には温度制御が難しい。AI を活用することで最適な温度で散水を行い、消費燃料の抑制を行い、上越新幹線で年間7億円かかる燃料の15%程度のコスト削減を目指す。

もう一つは、AI を使ったブレーキの異常検知だ。現在は毎朝、人が目視などにより点検を行っているが、人と並行して、データに基づいて異常検知することで、問題が起きる可能性を抑え、安全性向上を図る。将来的にはホームドア、架線、エスカレータなど、鉄道インフラにまつわるあらゆる部分に、人とデータの二重系での点検/異常検知のしくみを提案していきたいとしている。

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【優秀賞】Origin Wireless Japan(アクセラレーションコース)

副賞:50万円

Origin Wireless Japan は、メリーランド大学発のスタートアップで、WiFi 電波反射波分析により、アルゴリズムと AI で空間認知ができるエンジン「Time Reversal Machine(TRM)」を開発している。WiFi 電波だけで、スマートホームやスマートオフィス、生体情報検知などのセンシングのほか、GPS が届かない屋内で誤差50㎝以内のポジショニングを実現する。

センサーやビーコンをつけにくく、電源も確保しづらい工事現場では、不審者侵入は専ら人による定期的な巡回に頼らざるを得なかった。Origin Wireless では、電池駆動可能な WiFi ルータを置くだけで、人の有無をリアルタイムで監視できるほか作業員の位置把握も可能になる。これまでに JR 東日本の都内の駅で実証実験を行ったほか、今後、品川新駅のホームでも実証実験を予定。JR 東日本の非鉄道事業でも協業を目指す。

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【青森市長賞】Fermenstation(アクセラレーションコース)

副賞:道の駅なみおか「アップルヒル」から、青森のりんご1箱

Fermentstation は岩手県に本拠を置く、発酵技術を中心とした技術開発会社だ。休耕田だった田んぼでコメを作ってもらい、それを発酵・蒸留してコメ由来のエタノールを精製し、化粧品を作って販売している。精製過程で発生した絞りカスは、田んぼに返すことでムダのないサステイナブルな事業を構築した。

Fermenstation の今回の取り組みは、これをリンゴにも応用しようというものだ。青森県の A-FACTORY にあるシードル工房からは、年間リンゴの絞りカスが16トン排出される。これまで絞りカスは廃棄処分するしかなかったが、この絞りカスを発酵することでリンゴのエタノールを作り、商品化と事業化の検証を行っている。

アロマディフューザーなど、日本のものづくりの発信・支援プロジェクト「KOKOLUMINE」のバイヤーの意見を聞きながら、リンゴのエタノールを使った商品を開発しており、地域再発見プロジェクトコンセプトショップ「のもの」の東京店で年内に試験販売を予定。さらに、この「(シードル製造時に生まれる)リンゴの絞りカス」から生まれた、さらなる絞りカス(発酵したものの残り)には消化しやすい繊維質が多く含まれ、嗜好性が高いことが判明しており、ニワトリや牛への餌に利用されている。

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JR東日本、同社初となるインキュベーション/アクセラレーションプログラムのデモデイを開催——18チームが協業プランを披露、7チームが入賞

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JR 東日本は17日、同社初となるインキュベーション/アクセラレーション・プログラム「JR EAST STARTUP PROGRAM」の第1期デモデイを開催した。これは同社が今年4月に発表した JR 東日本とスタートアップのオープンイノベーションを促進するためのプログラムで、概ね起業10年以内の企業を対象とする「アクセラレーションコース」と、起業しているか起業後まもない個人を対象とする「インキュベ…

JR 東日本は17日、同社初となるインキュベーション/アクセラレーション・プログラム「JR EAST STARTUP PROGRAM」の第1期デモデイを開催した。これは同社が今年4月に発表した JR 東日本とスタートアップのオープンイノベーションを促進するためのプログラムで、概ね起業10年以内の企業を対象とする「アクセラレーションコース」と、起業しているか起業後まもない個人を対象とする「インキュベーションコース」の2つのコースが用意されている。

応募のあったスタートアップのうち、アクセラレーションコースには11社、インキュベーションコースには8社が採択され約半年間におよぶプログラムに参加、この日のデモデイを迎えた。特に興味深いのは、アクセラレーションコース採択チームを中心に、JR 東日本の駅構内などを使って実際のサービスが提供される点だ。一部のサービスは、11月20日〜26日まで大宮駅構内でデモが公開されるほか、来年には品川駅構内の駅ナカショッピング施設「ecute」などで実証実験が展開される予定。

本稿ではデモデイでのピッチの結果、審査により入賞した6社を中心に紹介する。

デモデイで審査員を務めたのは、以下の6人の皆さん。

  • JR 東日本 常務取締役 事業創造本部長 新井健一郎氏
  • JR 東日本 執行役員 事業創造本部副本部長 表輝幸氏
  • 東京大学名誉教授/学習院大学国際社会科学部教授 伊藤元重氏
  • Plug and Play Japan 日本代表 フィリップ・誠慈・ヴィンセント氏
  • スターフェスティバル 代表取締役社長 岸田祐介氏
  • ロフトワーク 代表取締役 林千晶氏

【最優秀賞(アクセラレーションコース)】サインポスト

2007年設立のサインポストは、コンサルティング、ソリューション、イノベーションという3つの事業を展開しているが、その中でも今回紹介されたのは、イノベーション事業で同社が開発した「Wonder Register」を応用したものだ。Wonder Register はセルフレジ向けのソリューションで、消費者が店頭で何を購入しようとしているかを、商品の形状や色などから人工知能により判定し精算へとつなげる。バーコードを貼り付ける手間も省け、小売店舗にとっては圧倒的に手間が省ける。

サインポストが JR 東日本に対して協業を提案したのは、Wonder Register をさらに発展させた「Super Wonder Register」というもので、レジで商品をスキャンニングするまでもなく、店頭に設置されたカメラやセンサーにより、消費者が何を手にして購入しようとしているかをリアルタイムで自動認識、店舗の出口ゲートを通過する際に現金・カード・電子マネー・ポイントなどにより自動精算が可能となる。

Amazon Go が実現できることと基本的な機能は同じだが、実際にアイデアをエグゼキューションし一般開放しているという点では、Amazon Go よりも先んじているのではないか、とのことだった。11月20日〜26日には大宮駅コンコース内にデモ店舗が設置され、一般利用者がユーザ体験に参加できる予定。同社は将来、Super Wonder Degister をJR 東日本グループが駅中心に展開するコンビニエンスストア NewDays への導入を希望している。

【最優秀賞(インキュベーションコース)】カタリスト

日本各地では主に処分用地の確保の問題から、ゴミの最終処分量を減らす努力が求められており、ゴミの減容化や資源化を図る必要に迫られつつある。カタリストは、遠赤外線と金属触媒により加熱効果を高め、廃棄物を減容化・資源化する装置「ROXs(Reduction of Oxidations)」を開発。遠赤外線と特殊な金属触媒により廃棄物の加熱効果を高め物資中の分子を振動させることで、従来のゴミの最終処分形態である焼却灰を3分の1に減容し、新しい形のセラミックへと再資源化を実現する。

JR 東日本には沿線自治体とのつながりの広さと強さを期待しており、同社が持つネットワークを通じた地方自治体への ROXs システムの導入。また、JR 東日本が持つ用地への ROXs システム設置や、ROXs を使った JR 東日本グループ全体の廃棄物の自前処理化などが提案された。

【優秀賞(アクセラレーションコース)】Huber.

ガイドされたい訪日外国人観光客と、そんな外国人とつながりたい日本人ガイドをマッチングするプラットフォームを運営する Huber.。2016年9月に東急電鉄のアクセラレータプログラム第2期のデモデイで優勝しているが、表面から見えるサービスコンテンツはそのままにビジネスモデルをピボット、日本人ガイドを通じて得られた訪日観光客の興味やニーズ、消費動向を連携企業にレポートする事業で市場の評価を得ているようだ。

東急電鉄とは今年5月、Huber. と資本業務提携を締結している。自社メディアを通じた世田谷・豪徳寺への訪日外国人観光客への誘引キャンペーンを功を奏し、この模様は先月のテレビ東京の番組でも紹介された。

連携する相手として、特にインフラ事業者との相性がいいそうだ。Huber. では東急電鉄が運営を受託する仙台空港のある仙台を起点に、30程度の観光スポット訪問体験を企画し、訪日外国人観光客を誘引・回遊させてみる考え。この活動を通じて、訪日外国人観光客の潜在ニーズや行動パターンの深耕分析を試みる。

また、地方においては、目的地最寄り駅から先の二次交通手段の確保が課題になるが、同社では日本人ガイドによる「ガイド付きレンタカー」を試験的に導入する計画で、法律面や規制面でも経済産業省、国土交通省、観光省から特に問題無いとの了解が得られているとのこと。JR 東日本との連携により、「東北エリアにおける訪日外国観光客向けゴールデンルート」を構築したいとしている。

【優秀賞(アクセラレーションコース)】WAmazing

WAmazing は、訪日外国人に無料 SIM カードを配布して情報を提供するサービスだ。外国人観光客は WAmazing のウェブサイト上で旅に出発する前に自分の個人情報を登録、新東京国際空港(成田空港)・中部国際空港(セントレア)・関西空港・仙台空港・青森空港・富士山静岡空港に設置された SIM カードを提供するマシンで、日本到着後に無料 SIM カードを受け取ることができる。現在、台湾や香港からの観光客向けにサービスが提供され、近日中に中国からの観光客にもサービスが展開される予定。

B Dash Camp 2017 Spring in Fukuoka で優勝東急電鉄のアクセラレータが第3期プログラムのデモデイでも優勝に相当する東急賞を獲得した。

同社は、宿泊施設やレジャー施設の数から見ても、東北地方は北海道にまさるインフラが整っているにも関わらず、訪日外国人観光客のうち東北に滞在する人々が1%に過ぎないことを指摘。旅の前、旅の途中を通じて、東北地方への観光客誘引を展開する企画を提案した。

統計によれば、東北を訪れる訪日外国人観光客のうち約2割が仙台空港を利用しており、残りの人々は主に成田空港や羽田空港を経由し、東北新幹線へ東北を訪れているそうだ。同社では、空港到着時より前に列車の切符を購入してもらい、バウチャーを使って空港で列車切符を発券することにより、より効果的に東北に訪日外国人観光客に誘引できると仮定。そのテストマーケティングを一部空港で実施する。

また、より効果的な東北地方の観光地としてのマーケティングのため、WAMazing はウインタースポーツに特化した情報ポータル「WAMazing Snow」を立ち上げる予定だ。同社は JR 東日本グループ傘下のガーラ湯沢スキーリゾートらとも協力し、WAmazing の SIM カードを持つ訪日外国人観光客の効果的な東北誘客を狙う。

【優秀賞(インキュベーションコース)】慶應義塾大学経済学部 藤田康範研究室

慶應義塾大学の学生2名からは、同大学の学生を訪日外国人観光客に対するガイドとする計画が発表された。外国人観光客にとっては、電車の乗り換えが難しい、旅行先の選択肢が少ない、言語の壁があるなどのペインポイント、一方、大学生にとっては受験英語には慣れ親しんでいるものの、外国語によるコミュニケーション能力の不足が指摘されており、双方をつなぐことでメリットが生まれるだろうという仮定に基づくものだ。

前出の Huber. との連携で学生がガイドをすることで、大学にはその活動を実践的な英語学習を習得したと見なしてもらい、大学の単位として認めてもらおうというもの。ガイドをする学生にとっては、より高いモチベーションが生まれる。将来的には慶應義塾大学のみならず、日本全国の大学生が訪日外国人観光客におもてなしができるようにしたいと、抱負を語った。

【優秀賞(インキュベーションコース)】チャレナジー

チャレナジーは、台風のような強風状態でも安定して発電ができる風力発電機を開発するスタートアップだ。自然エネルギーを利用したサステイナブルな発電方法として注目を集める風力発電だが、一方で一般的なプロペラ型風力発電機は、強風や乱流に弱く、バードストライク、低周波騒音などの問題があり、また日本における年間故障率は40%〜60%と問題も大きい。これが原因で、日本の風力発電による潜在的年間発電能力は 1,900GW に上る中、実際には 3GW しか発電されていないのが現状だ。

チャレナジーはマグナス効果を活用した特殊形状の風力発電機を独自に開発。この発電機では、強風や乱流、風向きがどの方向に変化したとしても安定的に電力を発生させることができる。発電機としての安全性が担保されるため、人が住む街中に設置することが可能で、同社では、都心駅屋上などへの設置や、電車沿線に風力発電機を並べて設置することで「発電防風林」を構築できる可能性を検証したいとした。

【審査員特別賞(アクセラレーションコース/インキュベーションコース共通)】ecbo

東京・大阪・京都・福岡・北海道・沖縄などで、コインロッカーに代わる手段として、主に訪日外国人観光客を対象に、カフェやレンタサイクルショップの空きスペースを活用した荷物預かりサービス「ecbo cloak」を展開する ecbo

JR 東日本グループ傘下の高級スーパー紀ノ国屋の一部店舗でも、ecbo cloak のサービスをスタート。また、東京駅丸の内口などの手荷物預かり所や空きスペースなどの駅ナカにおいても、ecbo cloak のアプリで予約し QR コードを見せるだけで荷物が預けられる新機能を追加する。今後、年間利用者1万人の達成を目指すそうだ。

ピッチでは、預けた荷物をそのまま宿泊先などへ届けてくれる「ecbo delivery(仮称)」の構想を初披露。京都市内のバスなどでも訪日外国人観光客の大きな荷物の搬入が問題となっているが、ecbo cloak にデリバリ機能を追加することで、空港から到着後そのまま手ぶらで街へ遊びに行けるユーザの利便性が向上する上、交通機関の駅ターミナルや車内混雑防止という観点でも大きなメリットがあるとのことだった。


晴れて入賞とはならなかったものの、本プログラムに採択された全てのチームに関する情報は、JR 東日本のウェブサイトから閲覧することができる。

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JR東日本、同社初となるインキュベーション/アクセラレーション・プログラムの応募受付を開始

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JR 東日本は19日、同社初となるインキュベーション/アクセラレーション・プログラム「JR EAST STARTUP PROGRAM」の説明会を都内で開催した。プログラムには、JR 東日本への提案内容に応じて、概ね起業10年以内の企業を対象とする「アクセラレーションコース」と、起業しているか起業後まもない個人を対象とする「インキュベーションコース」の2つのコースが用意され、20日午前10時からウェ…

JR 東日本 執行役員 事業創造本部副本部長の松﨑哲士郎氏(右)、JR 東日本 事業創造本部 事業推進部門 課長 エキナカ事業グループ グループリーダーの加古恵介氏(左)

JR 東日本は19日、同社初となるインキュベーション/アクセラレーション・プログラム「JR EAST STARTUP PROGRAM」の説明会を都内で開催した。プログラムには、JR 東日本への提案内容に応じて、概ね起業10年以内の企業を対象とする「アクセラレーションコース」と、起業しているか起業後まもない個人を対象とする「インキュベーションコース」の2つのコースが用意され、20日午前10時からウェブ上で応募エントリの受付が開始された。応募締切は「アクセラレーションコース」が5月末日、「インキュベーションコース」が7月末日。

説明会で登壇した、JR 東日本の執行役員で事業創造本部副本部長の松﨑哲士郎氏は、会社発足30周年という記念すべき年にあり、経営陣の意向も確認し、オープンイノベーションの活動を立ち上げるに至ったと説明。「今回が初の試みということもあり、JR 東日本としての思いを具体的に言葉に落とし切れていない部分はあるが、その分、プログラムを柔軟に運用できるのではないか」と抱負を語った。

起業家やスタートアップにとって、JR 東日本と協業する最大のメリットは、消費者とのタッチポイントの多さだ。鉄道事業だけで考えても、JR 東日本管内では毎日1,700万人の乗客を扱いがあり、年間ではのべ62億人に上る。

プログラムの内容を説明する、JR 東日本 事業創造本部 地域活性化部門 事業開発グループ課長の佐野太氏

これまでにも、Suica に代表される電子マネー、最近シンガポールにも進出した駅ナカ事業のほか、駅構内における宅配受け取りロッカー、イノベーション自販機、地産地消のお菓子、71駅4,500店舗で使える「JRE POINT」など、グループ会社内からも数多くの新プロダクトやサービスが生まれている。JR 東日本がグループ会社外の力を頼りにし、オープンイノベーションに取り組むことにした背景として、同プログラムを担当する JR 東日本 事業創造本部 地域活性化部門 事業開発グループ課長の佐野太氏は、「これまでよりも早い変化が必要であり、自前でじっくりやるということでは通用しないと考えたから」と説明した。

応募を受け付けるテーマの参考として、JR 東日本が直面する5つの課題がある。列挙すると次の通りだ。

  1. 人手不足(自動化、ロボット化のニーズ)
  2. 働き方の変化(モバイルワーク、サテライトワーク)
  3. 交通モードの変換(例えば、新幹線で地方駅に到着後、新幹線がいくら速くなっても駅から先の足の便に難が残る。鉄道とのライドシェア、自動運転などとの連携課題)
  4. スマホ化(駅ビル入居8,500テナントへ提供している18,000台の決済レジ端末の応用、情報のパーソナル化など)
  5. インバウンド(多言語化、荷物、ガイドなど、会社としてのみならず、社会として適切に対応できる環境の構築)

今回のプログラムには JR 東日本のグループ各社が参加しており、各社が提供できるリソースについては、応募や事業構築の段階で相談してもらえれば、可能な範囲で対応していきたいとのこと。例えば、乗降客についての匿名化されたオープンデータや、山手線のすべての列車に配備された在線位置や乗車位置が把握できるビーコンの利用はもとより、300万ダウンロードを誇る「JR 東日本アプリ」との連携、駅に何かをつけるなどの相談についても前向きに応じたいとした。

JR 東日本では、アクセラレーションコースについては、応募者(主に企業)がすでに何らかのプロダクトやサービスを有していて、それをもとに事業化検討を行い、今年11月にテストマーケティングを開始できることを想定している。また、インキュベーションコースについては、事業のアイデアがあり、JR 東日本が有するリソースを活用して協業できる構想を11月にまとめられることを想定している。

プログラムに採択された企業や個人に対しては、プログラム期間中(8月〜11月)に JR 神田万世橋ビルのコワーキンスペースを無償で提供される。採択するプロジェクトの数については具体的な言及はされていないが、松﨑氏によれば、JR 東日本側の人的リソースも考慮すると、それぞれのコースについて数プロジェクトずつ程度となるのではないか、とのことだった。

それぞれのコースのデモデイは今年11月に開催される予定で、最優秀提案には100万円、優秀提案には10万円が提供される。

鉄道事業会社のオープンイノベーションとしては、東急電鉄が「東急アクセラレートプログラム」の運用を初め3年目に突入するほか、福岡を拠点とする西日本鉄道が「西鉄 Co+Lab」、横浜を拠点とする相鉄と高島屋がアクセラレーション・プログラムの運用を開始。オープンイノベーション・プラットフォームの Creww は「Tokyo Metro ACCELERATOR」を運用している。

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