JR東日本とシンガポールのOriggin、東南アジアで日本の大学発ディープテックの事業化を支援

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JR 東日本シンガポール事務所と、同社がシンガポールの現地スタートアップと日本企業とのオープンイノベーションを念頭に設置したコワーキングスペース「One&Co」、シンガポールのベンチャービルダー Origgin は6日、日本の大学発ディープテックスタートアップの東南アジアにおける事業化支援プラットフォーム「Adapt」をローンチしたと発表した。スタートアップの資金調達や人材確保、東南アジアのエンタープライズとのコラボレーション、最適な場所での実証実験(PoC)などを支援する。

日本のスタートアップにおいては、創業1日目(Day1)から海外進出を展望すべきか、国内で事業を作り上げてから海外展開を考えるべきかの議論が以前からあるが、後者が多いのが現状。一方、海外市場でのニーズを把握しきれず、海外市場から撤退や進出断念に直面するケースも少なくなく、Born Global(創業時から世界展開を見据えた事業モデルを持ったスタートアップ)の必要性が叫ばれるにようになった。ディープテックは Born Global となる可能性が高いことから、Adapt はこの分野に特化する。

Adapt は起業前段階の日本の大学研究者(研究シーズ)を主な対象としており、JR 東日本や One&Co では現在、日本の大学関係者らと対象者の募集や採択に向けた調整に入っているようだ。一方、Origgin はこれまで、NUS(シンガポール国立大学)や NTU(ナンヤン理工大学)の研究シーズから30社以上のスタートアップを輩出しており、Adapt を通じて、この流れに日本の大学の研究シーズも組み込みたいという意図がある。

ディープテックの分野(一部、リアルテックと呼ばれる領域も含まれる)では、サンアスタリスク(東証:4053)がリバネスと東南アジアでスタートアップの事業化支援を展開している。ディープテックに特化したフランス発のスタートアップ支援 NPO である Hello Tomorrow は日本貿易振興機構(JETRO)と提携し、日本のディープテックの海外事業展開を支援している。また、ディープテック領域に投資するリアルテックファンドを持つリアルテックホールディングスは昨年、シンガポール法人を設立した。

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via One&Co

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