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メルカリShopsが変える「ECの世界」〜ソウゾウ石川佑樹氏【BRIDGE Tokyo 2022から】

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本稿は、1月19日から28日までオンライン開催されている「BRIDGE Tokyo 2022」の一部だ。 2021年7月、メルカリの新事業創出子会社ソウゾウが「メルカリ Shops」を発表した。従来 e コマースとは一線を画して説明されることが多い、簡単にオンラインショップ開設できる「インスタント EC」のプレーヤーは、世界的には Shopify、国内勢では STORES や BASE などで出尽…

左から:ソウゾウ代表取締役 石川佑樹氏、BRIDGE 平野武士

本稿は、1月19日から28日までオンライン開催されている「BRIDGE Tokyo 2022」の一部だ。

2021年7月、メルカリの新事業創出子会社ソウゾウ「メルカリ Shops」を発表した。従来 e コマースとは一線を画して説明されることが多い、簡単にオンラインショップ開設できる「インスタント EC」のプレーヤーは、世界的には Shopify、国内勢では STORES や BASE などで出尽くしていた感のあった中、この期に及んでのメルカリの参入はやや驚きを持って受け止められた。

日本の個人オークション市場、言い換えるなら、C2C の世界では、メルカリが出てくるまでヤフーオークションの天下だったわけだが、そこに後発ながら突如としてメルカリが現れ市場を奪取したドラマは、ガリバーとリリパットの関係を彷彿させる。メルカリ成功の背景には、徹底的にスマートフォンからの操作に最適化した UX(ユーザ体験)の発明があったとされている。

ソウゾウ〝三代目〟代表取締役を務める石川佑樹氏の話によれば、メルカリ Shops が成功するかどうかのカギもまた、スマートフォンからの操作に最適化したショップオーナーの UX にあると考えているようだ。今まで EC でモノを売ることなど考えたこともなかった人々にとって、使い慣れたスマートフォンの操作で、スキマ時間にオンラインショップを切り盛りできるのは理想形と言える。

「メルカリ Shops」
Image credit: Mercari / Souzoh

インスタント EC の魅力の一つは「モールの中に埋もれない自店舗を作れること」にあるわけだが、メルカリ Shops では、ショップを開設すると自店舗が作れる上に、会員2,000万人とされるメルカリのアプリ上にもショップが現れるという、〝一粒で二度美味しい〟体験が提供される。Shops 出店者の約3分の1以上には「売れる体験を届けられている(石川氏)」そうだ。

モールと自前 EC サイトの隙間、B2C と C2C の融合を狙うアプローチは、先発するインスタント EC プレーヤーにはなかなかマネのできない離れ技と言えるだろう。メルカリ Shops では、電化製品やハイブランド製品などを個人よりも事業者から買いたいと考えるユーザの需要をうまく捉えているそうだ。C2C の次は、B2C でモノを売る側の UX をどう変えていくのかが楽しみだ。

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1500店舗が利用する「冷凍ケーキ」ECの可能性〜Cake.jp高橋優貴氏【BRIDGE Tokyo 2022から】

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本稿は、1月19日から28日までオンライン開催されている「BRIDGE Tokyo 2022」の一部だ。 あらゆる物販(物販のみならずサービスも…)が EC 化されたかに見えたが、日本のそれはまだ1割に満たない。新型コロナウイルスが世の中に与えたプラスの側面があるとすれば、数年かかるとされる人々のマインドセットの変化を数ヶ月にまで短縮し、あらゆるデジタル化を加速していることにあるだろう。コロナ禍の…

左から:Cake.jp 代表取締役 高橋優貴氏、BRIDGE 平野武士

本稿は、1月19日から28日までオンライン開催されている「BRIDGE Tokyo 2022」の一部だ。

あらゆる物販(物販のみならずサービスも…)が EC 化されたかに見えたが、日本のそれはまだ1割に満たない。新型コロナウイルスが世の中に与えたプラスの側面があるとすれば、数年かかるとされる人々のマインドセットの変化を数ヶ月にまで短縮し、あらゆるデジタル化を加速していることにあるだろう。コロナ禍の追い風で、日本の EC 化率はいよいよ大台の10%に乗るかもしれない

冷凍でケーキを届ける e コマース「Cake.jp」もまた、そんな恩恵に預かったプレーヤーの一つと言えるだろう。日本中の製菓店などがケーキを販売できるこのサイトでは、サービスローンチから3年経った2020年時点での参加店舗数は100店舗程度だったのに対し、この1年ほどで1500店舗にまで爆増した。会員数も100万人の大台に乗り、製菓小売業界での存在感は確かなものになっている。

ケーキ EC で最も難しいのは、配送と顧客体験と言えるだろう。柔らかく崩れやすいケーキは、普通に宅配便で配送しようものならユーザ宅に届く頃には原型をとどめていない。代表の高橋優貴氏によれば、創業間もない頃には、パッケージを改良して破損が起こりにくいものを開発したり、破損が起こったときには即座に代替品を届けたり、苦労が絶えなかったという。

Cake.jp が「世界初のメロンケーキ職人」加藤シェフ監修のもと開発したメロンケーキは空前の大ヒットとなった。
Image credit: Cake.jp

祝い事に出されるのがケーキ。期待が大きい分、万一事故があって届かなかったら、その時のユーザの落胆は計り知れない。子供の誕生パーティーのケーキが届かなかったら子供は泣いてしまうかもしれないし、オーダーした両親にとっても悲しいユーザ体験になってしまう。瞬間冷凍の技術や温度指定できる宅配便サービスが充実したこともあって、技術的な課題は時と共に改善されているようだ。

こういったケーキの EC ならではの課題とそれを克服してきたノウハウは、潜在的な競合の参入障壁としても機能している。Cake.jp はこの分野ではトップシェアを誇り、現在では2つの自社工場でオリジナルケーキの製造・販売も手がけるほか、インフルエンサーがプロデュースしたケーキの D2C、エンタメ業界とコラボレーションしたケーキなど、事業形態も多様化させている。

ケーキを含むスイーツ市場は1.5兆円規模の GMV がありながら、長きにわたって EC 化が進展してこなかったため、デジタル化によって業界を革新した際の伸び代は大きい。高橋氏は、「もしケーキ業界を手がけていなかったら…」という質問に、バリューチェーンの改善の余地が大きい業界としてピザを挙げた。EC 界の新たな旗手は、あらゆる世の中の隙間に事業機会を見出しているようだった。

 

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スマホARでコマース市場の開発需要を取り込む「Avataar」/GB Tech Trend

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事からの転載 今週の注目テックトレンド GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。 気軽に店頭へ出掛けて行き、家具や家電商品を確かめられなくなった昨今、スマホARを使って自宅にいながら商品の大まかなサイズや使い勝手を知るニーズが…

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

今週の注目テックトレンド

GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

気軽に店頭へ出掛けて行き、家具や家電商品を確かめられなくなった昨今、スマホARを使って自宅にいながら商品の大まかなサイズや使い勝手を知るニーズが高まっています。

今回4,500万ドルの調達を発表したのはコマース市場においてスマホAR技術を提供する「Avataar」です。Avataarのシステムを導入したEコマース・マーケットプレイス事業者らは、自社で扱う商品の3D表示機能を追加できるので、ユーザーは手軽にリビングルームや自室で商品を仮想的に試し、購入後のミスマッチを減らすことに貢献してくれます。

スマホAR領域で有名な事例には「IKEA」や「Shopify」があります。なかでもIKEA ARアプリは先駆的な印象で、コマース領域におけるAR利用とエンゲージメントの高さを誇っています。Shopifyもプラットフォーム利用者向けにAR機能を提供しています。また、利用導線のわかりづらさが目立ちますが、実はAmazonもARショッピング機能を長く提供しています。

ARショッピング領域の前身になっているのが、ウェブでコンテンツをリッチ展開するデザイン・トレンドです。たとえばGUCCIなどはキャンペーン・ページ展開時に積極的に開発リソースを投入して、商品体験を拡充させています。動的に動くウェブページでは、商品のストーリー性がよく伝わるようにデザインされています。

また、トランクケース・ブランド「RIMO」のように2DWebサイト上に3D商品を表示しているサイトもしばしば見かけるようになりました。ユーザーが商品を自由に扱いながらも、ブランド側で注目してもらいたい箇所には注釈を入れて説明を読んでもらう上手い導線がなされています。説明を読みながら商品が実際に動くようなウェブ上での商品リッチ体験は長く評価されており、過去のウェブデザインのアワードに表彰されているのはRIMOのような企業でした。

さて、こうしたウェブサイト上は必然的に高いデザイン力が求められます。サイト開発にも一苦労するでしょうし、商品の体験ストーリーを紡ぐための労力も高いでしょう。

そこで登場するのがスマホARの領域です。これまでサイト上だけで完結していた商品体験を現実上に拡張できるようになり、かつ、上記で紹介してきた企業のように商品のストーリー性や使い勝手を細かく、直感的に伝えられます。

Shopifyも同社利用の事業者が簡単にショッピングAR機能を使えるようにノーコード開発機能を提供しています。ただ、Avataarの場合はShopifyのようなプラットフォーマーに、その基盤となる開発ソースを提供する「プラットフォーム・オン・プラットフォーム」の市場ポジションを確立しようとしており、市場の切り分けが変わってきます。ユーザー需要が高まるトレンドの中、B2B事業として拡大する非常に上手いグロース戦略を採用していると言えます。

12月28日〜1月10日の主要ニュース

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視聴者の選択でストーリーが変わる「インタラクティブ技術」の可能性/GB Tech Trend

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事からの転載 今週の注目テックトレンド GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。 「動画元年」と言われて久しく、SNSを中心に様々なフォーマットの動画が広く普及しました。今回紹介する「Adventr」はそんな動画の形式をさらに…

500万ドルの調達を発表した「Adventr」(Image Credit:Adventr)

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今週の注目テックトレンド

GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

「動画元年」と言われて久しく、SNSを中心に様々なフォーマットの動画が広く普及しました。今回紹介する「Adventr」はそんな動画の形式をさらに一段先に進める技術を持っていそうです。

12月21日に同社は500万ドルの資金調達を発表しています。動画ストリーミング企業向けのSaaSを提供しているスタートアップで、視聴者が動画シナリオを選択できる「インタラクティブ性」を楽しむための機能を開発しており、スクリーンをタップもしくは音声によってシナリオ選択できる仕組みを持っています。

とりわけ、音声コマンドを通じてコンテンツ選択機能「SmartListen」は特許を取得しており、広いユースケースを獲得できそうです。例えば映画を観た際、観客の掛け声によって主人公たちの行動が変わったり、アクションが変化したりするインタラクティブ性を導入することができます。映画館での楽しみ方を大きく変える可能性を持つアイデアで、Adventrのサービスが単にストリーミング動画だけを見据えているわけでないことが伺い知れます。

さて、こうしたインタラクティブ動画は、昨今のトレンドになりつつあるグループSNS系アプリと相性が良いと考えます。たとえばはiOS 用の映像コンテンツ視聴アプリ「Whatifi」が挙げられます。同アプリはインタラクティブなストーリーコンテンツを提供。最大9名の友人と一緒に映画を観て、リアルタイムにチャットをしながら、映画の分岐や終わり方を投票で決めたりできます。こちらは6月にAndreessen Horowitzをリードとする1,000万ドルの調達に成功しています。

同アプリは元から友人同士で話し合いながら映像コンテンツを楽しむ体験に重きを置いていますが、Adventrの技術を用いればさらにその体験が強化されそうです。また、Twitterが昨年買収したスクリーンシェア型のグループSNS「Squad」などのようなアプリとの親和性も高そうです。

視聴者が直接ストーリーに介入するための、体験志向の動画技術を開発する動きは以前からありました。ロンドン拠点のゲーム/映像スタジオ企業「Flavourworks」は2019年に300万ポンドの資金調達を達成。同社は『Erica』という映像作品を発表しています。プレイヤーの決定が、主人公の物語を形作る、実写のインタラクティブ・スリラーという位置付けで発表されました。

この作品には、Flavourworksが独自に開発したクロスプラットフォーム向けTouch Video技術が導入されています。視聴者はスマートフォンのタッチパッド・画面を使って映像に触れることで主人公たちと直接対話することができます。たとえばキャラクターの涙を拭いたり、バレないようにゆっくりとドアを覗いたりする動きをスマホをなぞることで映像作品中に忠実に再現する、といった具合です。

市場では久々に2Cアプリの勢いが見られると感じられた2021年でした。動画アプリではここまで紹介した音声やタッチ技術の進歩によって、さらに広い楽しみ方が確立される予感がしており、来年以降はこうした技術がAR・VR、はたまたメタバースと言った用語と一緒に急速に注目されるかもしれません。より没入感高い、体験性がメディア・コンテンツに求められそうです。

今週(12月21日〜12月27日)の主要ニュース

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美容業界をShopify化する「Fresha」にみる、業界特化SaaSトレンド/GB Tech Trend

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事からの転載 今週の注目テックトレンド GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。 美容業界にSaaSのトレンドがきています。コロナ禍の世界的な不安は取り除かれたことから徐々に需要は戻りつつある一方、予約システムなどオンラインで…

5,250万ドルの調達を発表した「Fresha」(Image Credit:Fresha)

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

今週の注目テックトレンド

GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

美容業界にSaaSのトレンドがきています。コロナ禍の世界的な不安は取り除かれたことから徐々に需要は戻りつつある一方、予約システムなどオンラインで代替できる箇所にはSaaSの採用が進んでいるようです。

今回、美容業界版Shopifyを謳う「Fresha」が新たに5,250万ドルの調達を発表しました。同社は6月に1億ドルの調達を発表したばかりで、急速に投資家の注目を集めています。現在6万人の顧客を抱えているサブスクリプション・モデルのサービスです。

美容室などを営む個人事業主が、Freshaのサイト上に予約及び決済システムを構築して集客できる一連の機能を提供しています。今後はShopifyのような自社サイト独立式のSaaS構築を目指していくそうです。詳細は明かされていませんが、ウェブサイト・ビルダー機能を強化し、各々の事業者がFreshaが提供する美容事業向け機能を組み合わせることで手軽に予約サービスを展開できる「ビジネス・イン・ザ・ボックス」を実現させると予想されています。

Freshaの競合には11月に1,640万ドルの調達を行っている「GlossGenius」が挙げられます。同社のエンジェル投資家には、Shopify共同創業者兼CEOであるTobias Lütke氏、ToastのCEOであるChris Comparato氏、共同創業者であるAman Narang氏らが名を連ねています。

GlossGeniusもB2B向けのサロン予約・決済・分析プラットフォームです。サロン特化のカードリーダーも販売しており、美容室運営に必要な機能を一式用意している印象です。

ここまで紹介してきたサービスはいずれも2B向けの予約システムです。元々、美容市場の中でも2C領域では美容師と顧客のマッチングサービス、2B領域ではバックエンドを支援する予約管理系サービスが多く登場していました。ただ、C向けではネットワークを構築する必要があり、サービス確立するまで時間がかかります。そのため、急成長を目指すスタートアップにとって2B向け予約管理領域は相性がよいのです。

また、今年上場を果たしたレストラン店舗向けの決済プラットフォーム「Toast」の上場ニュースも後押しをしています。レストラン業界特化サービスが上場にまで漕ぎ付けられたことから、世界中の投資家が美容業界に同じような流れが起きるのでは、と見ているようです。

Freshaはサイトビルダーの方向性に、GlossGeniusはToastのような決済システムを提供する方向に成長戦略を取り始めています。市場感としてはどちらにも商機はありそうな印象ですが、調達額で一歩進んでいるのは今のところFreshaと言ったところでしょう。

今週(12月14日〜12月20日)の主要ニュース

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Amazonが本格的に介護市場へやってきた/GB Tech Trend

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Amazonが新たに発表した「Alexa Together」(Image Credit:Amazon)

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

今週の注目テックトレンド

GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

Amazonが処方箋配達に参入を果たしてから、ヘルスケア市場への事業拡大に意欲的な動きを示しています。その一環として見られるのが高齢者介護事業への参入です。

12月8日、Amazonは高齢者向けサブスクリプション・サービス「Alexa Together」を発表しました。本サービスはすでにローンチ済だった高齢者向けサービス 「Alexa Care Hub」の拡張版としてサービス化されたものだそうです。

各種Alexaデバイスを活用して顧客宅にいる高齢者のケアを家族がスムーズに行えるもので、関連サービスをパッケージ化したのがAlexa Togetherとなります。具体的には緊急時救急ライン・転倒検知などが含まれるようになったとのこと。

中でも注目すべきなのが、「アクティビティ・フィード」です。高齢者ユーザーがAlexaを利用しているかどうかをチェックすることで、問題なく安全に暮らしているのかを把握します。仮にAlexaの利用がない場合はアラートが親族に伝えられます。

Amazonが最も得意とするのが「個客」管理です。一人一人の消費行動を理解し、Amazonアカウントに紐づけて最適な商品を提案することに世界で最も長けている企業です。たとえば私たちがAmazon Marketplaceで書籍を購入する際、関連書籍の提案も表示される「レコメンド機能」ですが、Amazonは私たちの消費スタイル・生活習慣を通じてこの機能の強化を長年行ってきました。

今回のアクティビティ・フィードは、まさに高齢者向けサービスの切り口から、これまで獲得が難しかった高齢者ユーザーの生活情報を収集し、個客管理、そしてレコメンド機能へと繋げる施策であることが伺えます。

Alexa Togetherは高齢者ユーザーとAlexaが日常的に対話することを前提にプログラムが組まれているため、Alexaとのタッチポイントを軸にしたサービス価値をいかに実現するかが鍵です。この点、Amazonはすでに商品だけでなく、外部サービスの提供も始めているため盤石です。

例えばここからはあくまでも推測になりますが、今後は屋内配達を謳ったAmazon Keyとの連携によって、生活必需品が足りなくなった場合にすかさず定期購入リストに入れておいた商品を届けてくれるようなサービスも実現されるかもしれません。

Amazonが力を入れている処方箋配達サービスも、Alexa Togetherのコア・サービスとなり得るでしょう。こうした必要な時に、必要なサービスをAlexaがユーザーの生活習慣をもとにある程度予測して提案する「個客体験」が、Alexa Togetherによって提供されようとしています。

一般的にGAFA勢のこうしたビックデータ解析を主体として個人情報の取得は敬遠されますが、高齢者向けサービスの切り口を採用することで、比較的に参入しやすい雰囲気を作り出していると考えられます。

この領域にスタートアップが参入して市場を獲得することは至難かもしれません。ただ、たとえばAppleのデバイス管理スタートアップが成長を遂げているように、B2B向けにAlexaデバイスを卸し、その管理を一括で手軽に行う、Add-on SaaSとしてのアプローチは考えられるかもしれません。

いずれにしても、米国でのAmazonの動きは無視できないでしょう。日本の高齢者介護市場も、IoTを活用したデジタル化の波が押し寄せてくることは必至です。その中でいかに既存事業者が市場で生き残るのかを示唆してくれるニュースでした。

今週(12月7日〜12月13日)の主要ニュース

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ティーン向け金融教育で切り開く、新フィンテック市場/GB Tech Trend

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事からの転載 GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。 今週の注目テックトレンド FaaS – Fintech as a Service – の流行と共に、金融系スタートアップが勢いよく成長しています。…

1,500万ドルの調達を発表した「Goalsetter」(Image Credit:Goalsetter)

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

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今週の注目テックトレンド

FaaS – Fintech as a Service – の流行と共に、金融系スタートアップが勢いよく成長しています。なかでも子供向けデビットカードサービスは大手が出揃い始めました。例えば「Greenlight」は23億ドルの企業価値がついたユニコーンのひとつになっています。

そんな中、金融教育の付加価値をつけて差別化を図ろうというスタートアップが登場しました。先日、1,500万ドルの資金調達を発表した「Goalsetter」は、同社発行のデビットカードを使って親からの仕送りを便利にする、ティーン向け金融サービスです。

エンドユーザーであるティーンは、金融教育向けクイズを答えていくことでインセンティブとして親からボーナス金が届くというユニークなアプローチを採用しています。Goalsetterは金融教育のアプローチから市場ポジションを築こうとしており、こうした親子ユーザーの取り込みに躍起になっています。

今回の調達に当たり、金融機関向けの情報処理サービスを提供する「Fiserv」を出資者に迎えることで、銀行などの従来のフィンテック・プレイヤーとの提携を目指す動きを見せています。Greenlightや、そのほかネオバンク系サービスに市場を押され始めている既存金融機関にGoalsetterの仕組みを提供し、親子で口座を作るモチベーションを高めているのです。

Goalsetterが取り組む金融教育、特に「Financial Wellness」の需要は徐々に市場で大きくなっています。というのも米国ではお金のやりくりを上手くできない人が多く、社会問題となっているからです。一例を挙げます。

「FRB(Federal Reserve Board)」によると、予想外の400ドル出費が発生した場合、社会人の44%がすぐに支払いができないか、その費用を賄うためにお金を借りる・何かを売却する必要があると調査結果を公表しています。多くの米国人にとってお金の健全化は急務なのです。

そこで登場したのが「Brightside」です。同社はモバイルアプリおよび専属の金融アシスタントを用いて、企業の従業員向けに財政管理のサービスを提供しています。独自のファイナンスナレッジ・最新の行動経済学・お金を節約するためのキュレート金融商品オプションを揃え、従業員のどんなお金の要望にも応えられるようにしています。著名VCである、Andreessen Horowitzのリードで3,510万ドルを調達しています。

Brightsideが特徴的なのは「お金の元栓」からいじってしまうことで、経済をよりよくできる可能性を追究している点です。たとえば従業員と一緒に借金の利息支払いを給与から直接貸金業者に送金し、返済の「リスク」を取り除くことができれば、市場全般における支払い不履行のリスクが減り、比例して利息額が低くなっていく流れが起きるかもしれません。

このように従業員のお金の管理の教育(節税などのTips含む)から、金融商品へのアクセスまでを幅広く提供できれば、多くの人のお金の流れを最適化できます。

GoalsetterもBrightside同様のB2B2Cの戦略が伺えます。子供の扱うお金を、親が仕送る段階から介入することで、正しいお金の流れを作り出そうとしています。将来的に借金やそれに伴う利息払いに苦しまないようにするリテラシー向上を切り口に、様々な金融商品への拡大を目指すことが予想されます。

ティーン市場から新たなお金の流れを生み出そうとしているのがGoalssetterなのです。

今週(11月30日〜12月6日)の主要ニュース

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2社の調達に見る、高まるカスタム・パッケージング需要/GB Tech Trend

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事からの転載 GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。 今週の注目テックトレンド 在宅時間が増えるにつれて、Eコマース市場が成長しました。比例して「カスタム・パッケージング」需要も高まっています。 オンラインで購入した商品が届…

4,560万ドルの調達を発表した「Packhelp」(Image Credit:Packhelp)

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

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今週の注目テックトレンド

在宅時間が増えるにつれて、Eコマース市場が成長しました。比例して「カスタム・パッケージング」需要も高まっています。

オンラインで購入した商品が届く梱包材のデザイン及び体験のことを「カスタム・パッケージング」と呼びます。たとえばAppleは商品の開封体験に非常に気を使っていることで有名です。こうした体験を中小コマース企業も提供しようという動きが活発なのです。

今回4,560万ドルを調達した「Packhelp」や、1,000万ドルの調達を発表した「noissue」は、まさにカスタム・パッケージング市場でのシェア拡大を目指しているスタートアップです。同市場における先駆的な存在が「Lumi」ですが、彼らが米国の大手D2Cブランド・企業にサービス提供をしている一方、Packhelpは欧州市場狙い、noisseuはカーボン・エミッションに注力していたりと、差別化を図っています。ちなみにグローバル・ブレインもパッケージングをテーマにしたスタートアップ「Shizai」に投資しています

海外の2社は同時期に資金調達を実施しているのですが、カスタム・パッケージ市場が注目され始めた理由は大きく2つ挙げられます。1つはSDGsの流れです。日本でも「SDGs」を聞かない日はないほどありふれた言葉になりました。ブランディングの必須要件として考えなければいけないほど、消費者はエコフレンドリーな商品体験を求めるようになっています。

noissueは昨今の消費者マインドを満足させる、環境に配慮した梱包をEコマース企業に提供しています。環境に悪い素材を使っていると顧客は罪悪感を覚えるようになり、ブランド毀損に繋がりかねません。企業も透明性を持って地球環境に寄与する義務感が発生する時代になりました。nossueが狙った市場需要はこの点です。実際、TechCrunchの記事によれば、北米での顧客数は200%増、8万人以上のカスタマーを抱えているそうです。

もう1つの理由が中小コマース企業の台頭です。北米のShopify、日本ではBASEのように気軽に個人が自分の作品やオンライン商店を立ち上げられるようになり、小ロットでの梱包ニーズが高まっている背景があります。加えてクリエイター・エコノミーも追い風となり、音楽・アート作品の販売をEコマースを通じて届ける需要も高まりました。こうしたクリエイターによる体験においては、雑多ではなくよりデザイン性の高いパッケージングも求められます。

Packhelpの顧客は70%が中小企業であることも踏まえ、需要を汲み取るためにノーコードツールを充実させています。数クリックでオリジナルの梱包デザインを行える手軽さを売りに、最小スロット数30から発注可能な生産体制を提供しています。

各々にサービスの強みが違いますが「パッケージングのSaaS化」に取り組んでいる点は共通しています。各地域に点在する梱包業者の工場と提携して効率的にカスタム・パッケージング体制を確立。オフライン作業にソフトフェアの効率性を取り組んだことで、旧態依然としたパッケージング市場も成長市場へと様変わりしました。

今週(11月23日〜11月29日)の主要ニュース

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VCを評価する上で、AUMが適正な指標ではない理由【ゲスト寄稿】

本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens 氏によるものだ。彼は、日本で Shizen Capital(旧 Tachi.ai Ventures)のマネージングディレクターを務める。本稿は Bivens 氏の許諾を得て翻訳転載した。英語によるオリジナル原稿は、BRIDGE 英語版に掲載している。(過去の寄稿) This…

mark-bivens_portrait本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens 氏によるものだ。彼は、日本で Shizen Capital(旧 Tachi.ai Ventures)のマネージングディレクターを務める。本稿は Bivens 氏の許諾を得て翻訳転載した。英語によるオリジナル原稿は、BRIDGE 英語版に掲載している。(過去の寄稿

This guest post is authored by Mark Bivens. Mark is a Paris- / Tokyo-based venture capitalist. He is the Managing Partner of Shizen Capital (formerly known as Tachi.ai Ventures) in Japan. The original English article is available here on Bridge English edition.


Image credit: Pixnio

ベンチャーキャピタルの人たちがプライベートエクイティの人たちに対して言いたがる言葉に、「プライベートエクイティの人たちは AUM で自分のエゴの大きさを自慢するが、ベンチャーキャピタルの人たちは本当に重要なのは IRR であることを知っている」というものがある。

さて、この3文字の言葉を定義してみよう。まず、エゴという言葉は、性別を問わないように、ここでは婉曲的に使っている(実際には、このような自慢をするのは男性が多いが……)。AUM は Assets Under Management(ジェネラルパートナーチームが運用するファンドの総資金量)を意味する。IRR とは、内部収益率は Internal Rate of Return(ファンドの投資家に分配されるキャッシュリターンを年率換算したもの)のこと。

アセットマネージャーが AUM を気にするのは、それが収益の保証に直結するからである。クローズドエンド型の投資ファンドは、一般的に「2:20 モデル」を採用している。これは、年間管理料が2%で、ファンドが生み出したキャピタルゲインのうち20%を分配するというものだ(別名キャリード・インタレスト)。年間管理料は、AUM の直接的な関数であり、毎年 AUM 総額の2%となる。契約上は、ファンドの存続期間(通常は10年間)にわたって設定される。一方、キャリード・インタレストは、ファンドのパフォーマンスに比例して発生するもので、ファンドから発生するキャピタルゲインの20%に相当する。

したがって、AUM が大きいということは、ファンドの存続期間中、多額の収益が保証されることに直結する。AUM が10億米ドルのファンドマネージャーは、おそらく年間約2,000万米ドルの経常収入を得ているだろう。一方、1,000万米ドル規模のマイクロ VC ファンドでは、管理手数料を通じた経常収益は年間20万米ドルに過ぎない。

ズレが生じるリスク

管理手数料はファンドの運営をカバーするためのものであるため、過度に高い管理手数料は、マネージング・パートナーの高額な給料、豪華なオフィス、豪華なパーティーにつながる。たとえファンドの業績が低迷していても、2桁台の年間収益が数年間にわたって保証されていれば、かなり快適な生活を送ることができる。これでは、どこかにズレが生じてしまうのではないだろうか。

一方、小規模な VC ファンドにはそのような余裕は無い。小さな VC ファンドのマネージャーは、管理手数料だけでは豊かになれない。彼らはパフォーマンスを発揮しなければならない。自分が運用しているファンドから大きなキャピタルゲインを得て初めて、彼らはキャリード・インタレストの仕組みを使って自分のために富を得ることができるのだ。IRR は各ファンドの財務パフォーマンスを表している。

財務的リターンを重視するプライベートエクイティや VC ファンドの LP 投資家にとって、IRR は AUM ではなく、財務的リターンを反映する指標だ。だから、ファンドマネージャーが AUM を自慢するときには、IRR を尋ねるのが適切な反論になると思う。

正直に言うと、私も以前は AUM を自慢していた。AUM を10億米ドル近く運用していたファンドの元 GP として、カンファレンスではよくこの数字を引き合いに出して自己紹介をしていた。しかし、時間が経つにつれ、IRR がファンドマネージャーとしての私の真の KPI であることを学んだ。IRR は、自分の仕事の出来不出来を示す指標だ。私が最もパフォーマンスの高いファンドは、ファンドサイズが小さく、つまり、AUM が小さいファンドであることは、数学的には異常なことではない。

実際、IRR よりも AUM を重視する傾向は、エコシステムの段階を示すものでもある。ある地域のベンチャー市場がまだ始まったばかりの頃は、トラックレコードが限られているため、最も近い指標は AUM となる。しかし、ファンドマネージャーが最初の時代を過ぎると、「では、あなたの IRRは?」という質問になってくる。

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Mediumがサブスク強化、Podcastスタートアップ「Knowable」買収のワケ/GB Tech Trend

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事からの転載 GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。 今週の注目テックトレンド Spotifyが大手Podcast企業「Gimlet Medit」とPodcast配信アプリ「Anchor」を買収してから2年ほど経ちました。こ…

Mediumによる買収を発表した「Knowable」(Image Credit:Knowable)

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

今週の注目テックトレンド

Spotifyが大手Podcast企業「Gimlet Medit」とPodcast配信アプリ「Anchor」を買収してから2年ほど経ちました。この買収劇以来、急速にPodcast市場に注目が集まり、多数のスタートアップも参入しています。

今回紹介する「Knowable」も同じくPodcastのトレンドに乗り成長をしてきたスタートアップです。そして同社は11月16日、大手ブログ記事プラットフォーム「Medium」によって買収されたことを発表しました。

Knowableは選りすぐりのPodcastコンテンツを月額課金制で提供するサブスクプラットフォームです。業界で有名な人を連れてきてコンテンツ制作を行っており、コンテンツの質に関しては非常に高いのが特徴です。出資者にはAndreessen HorowitzやFirst Round Capital、Initialized Capitalなどが並びます。

競争激しいPodcast市場で、Knowableがこうした著名VCから調達できた理由の1つに「スーパーアプリ志向」のコンセプトが挙げられます。同社は特定トピックのPodcastコンテンツと合わせ売りの形で、コマース領域にまで進出しようと考えていました。

たとえばスタートアップ講座の購読者は、比較的高い確率で起業を検討していることが多いため、購読者にAWSのクレジットを販売することで、ある種のターゲティング・コマースを実現しようとしていたのです。関連性の高い商品を提示することで、音声コンテンツを基軸に、様々な商品や情報も一元的に提供するプラットフォームへの成長を志望していたのがKnowableです。

さて、そんなKnowableがMediumに買収されるメリットはなんでしょうか。真っ先に考えられるのがMediumのサブスク強化戦略です。Mediumは月額メンバーシップ制を導入しており、月額5ドルから購読できます。今回Knowableの上質なコンテンツが提供されることによって、この購読対象にPodcastも入り込んでくることでしょう。

元々、Mediumはプロフェッショナル志向のライターとの相性が良いプラットフォームです。この点、同じく業界のプロを招いたコンテンツを揃えるKnowableのコンテンツを、そのままMediumのブランドコンテンツとして吸収したとしても遜色ないと予想されます。またKnowableの購読者も、Mediumの顧客層と被ることが予想されるでしょうから、メディア買収の連携性も高そうです。

冒頭で話した通り、サブスク強化のために音楽市場はPodcastコンテンツ企業を買い占めるようになりました。Mediumも同様に、教育系・ビジネス系Podcastコンテンツの領域においてKnowable買収を行い、サブスク戦略を推し進めていくことが伺えます。

今週(11月16日〜11月22日)の主要ニュース

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