トランプ陣営の副大統領候補バンス氏、オープンソースAI支持と見られる発言でテックコミュニティから賞賛が続々

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J.D.Vance(J.D.バンス)氏
Gage Skidmore / Generic CC BY-SA 2.0

Donald Trump(ドナルド・トランプ)前大統領は、銃撃犯による暗殺未遂事件から間一髪で生還した数日後、自身のソーシャルネットワーク「Truth Social」で、2024年米大統領選の副大統領候補の人選を発表した。それは J.D.Vance(J.D.バンス)氏である。

オハイオ州選出の共和党上院議員1期目の Vance 氏は、2016年に出版されたノンフィクション回顧録『Hilbilly Elegy(書籍としての邦題は「ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち(光文社刊、関根光宏・山田文 訳)」、映画としての邦題は「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌(Imagine Entertainment 制作、Netflix 配給、Ron Howard 監督作品)」)』の著者として知られている。同書はアメリカのアパラチア山脈地域の社会文化的プロフィールであり、同地域を指す半ば蔑称的な俗語にちなんで命名された。

彼はまた、シリコンバレーのメガベンチャーキャピタリストであり、Gawker を破綻に追いやった影響力のある逆張り投資家 Peter Thiel(ピーター・ティール)氏から投資を受けた元ベンチャーキャピタリストでもある。

しかし、(民主党に投票するライターである筆者を含む)多くの人々が物議を醸し、反民主的であり、脅迫的でさえあると考える見解(たとえば、上院議員選挙キャンペーンサイトで「中絶を終わらせる」という立場を表明したことなど)の中で、Vance 氏は、オープンソース AI を支持するかのような最近のコメントで、テックコミュニティの多くのメンバーから賞賛されている。

少なくとも、新興セクターの規制には反対しているようだ。

具体的には、Vance 氏は先週、アメリカ上院の商業・科学・運輸委員会の公聴会で、「The Need to Protect Americans’ Privacy and the AI Accelerant(アメリカ人のプライバシー保護と AI 加速の必要性)」について証言したばかりだ。

TechPolicy.Press の報道によると、Vance 氏は次のように述べた。

AI ですでに有利な立場にあると思われる、特に大きなテクノロジー企業の CEO が来て、この新しいテクノロジーの恐ろしい安全上の危険性や、議会がいかに早く飛びついて規制する必要があるかについて話すことが非常に多いです。そして、もし私たちが現職の強要のもとで何かをするならば、それは現職に有利なものになり、アメリカの消費者に有利なものにはならないだろうと心配せずにはいられません。

X の何人かの技術者は、これを、オープンソース AI が煩わしい規制なしに発展できるようにするという Vance 氏のコミットメントの表れだと受け取った。

例えば、D.C.を拠点とするオープンソースを推進する非営利団体 Alliance for the Future のエグゼクティブディレクター  Brian Chau 氏は、Vance 氏の証言の引用のひとつを X に掲載した。

自称効果的加速論者である Tetsuo 氏は、Vance 氏の発言とされるが、原稿からは確認できず、彼の発言の要約である可能性もある「解決策はオープンソースである」という言葉を投稿した。

オープンソースベースの AI モデルを提供する Abacus AI の CEO Bindu Reddy 氏は、「Vance 氏は完璧だ!」と思ったと興奮気味に投稿し、また、「解決策は、もちろん、オープンソースだ!」と付け加えた。

コミュニティキュレーションのスタートアップ Smashing の創業者 Dan Barrett 氏も、Vance 氏が AI 規制緩和を支持していることをめぐり、Trump 氏と Vance 氏に投票するかもしれないと X で述べるまでになった。

有権者全体から見ればまだ少数派ではあるが、X に投稿している多くの技術者たちの影響力のある立場は、他の人たちに Vance 氏を新しい、より好意的な目で見るよう促すかもしれない。そして、Meta Platforms のようなオープンソース AI を専門とする他の企業の支持を彼と彼のチケットから得ることも考えられる。しかし、こうした見解が彼の上司である Trump 氏や彼のチームの他のメンバーにも共有されているかどうかは疑問が残る。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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