AIで高齢者介護支援、台湾発「Jubo」運営が12億円をシリーズB調達——日米市場で好調、2025年までに上場目指す

創業者で CEO の Shih-Chung Kang(康仕仲)氏
Image credit: Smart Ageing Tech(智齢科技)

台湾のスマート介護スタートアップ Smart Ageing Tech(智齢科技)は15日、シリーズ B ラウンドで2億5,000万ニュー台湾ドル(約12億円)を調達したと発表した。この調達を受けて、同社の累積調達額は6億2,000万ニュー台湾ドル(約30億円)に達した。

このラウンドには、プレシリーズ B ラウンドの投資家だった Chia Hsin Cement(嘉新水泥)、Wistron Capital(緯創資通)、Darwin Venture Management(達盈管顧)、United Daily News(聯合報)、Chang Neng Capital(彰能資本)に加え、台湾の ITRI(工業技術研究院)が設立した ITIC(創新工業技術移転)や ITIC と日本の三菱 UFJ キャピタルが共同運営する「台日Ⅲファンド(台日三號基金)」などが参加した。

Smart Ageing Tech は、資金の使い道として、北米や日本を含む海外市場の拡大、戦略的パートナーシップ、社内のソフトウェアやハードウェアの強化の3点を挙げている。

同時に、2025年までに台湾で IPO するという目標に向け、引き続き取り組んでいく。

AI で介護サービスを改善、北米と日本で好調

「AI スマート測定トロリー(AI 智慧量測推車)」と「在宅ケア管理ソリューション(住宿型照護管理解決方案)」のプロバイダとして、Smart Ageing Tech は、バイタルサインの即時送信、投薬記録、創傷認識、スマートスケジューリングなど、AI 技術を使って介護サービスを改善する。

現在までに、チームは370万人以上の高齢者(とその家族)にサービスを提供し、6億件のケアデータを蓄積し、台湾での市場シェアは30%を超えている。

主力製品の一つである、AI スマート測定トローリー「VitalTrolley」
Image credit: Smart Ageing Tech(智齢科技)

台湾市場に加え、Smart Ageing Tech は北米と日本でも成功を収めている。

  • 北米 …… Smart Ageing Tech は2022年末に北米市場に参入し、北米最大の市場シェアを持ち、2万以上の介護組織にサービスを提供する北米No.1の介護システム「Point Click Care(PCC)」とのパートナーシップを確立するなど、3ヶ月で25の介護組織との契約に成功した。現在、北米市場は総売上の10%を占めている。
  • 日本 …… 2023年、日本の歯科医院向けに「JuboLink for Dental」が発売される。この製品は、手術中のバイタルサインをリアルタイムでモニターする革新的なソリューションで、患者ケアの質を向上させ、データ管理を簡素化する。Smart Ageing Tech は、すでに大手上場企業と販売・代理店協力について交渉済で、日本の現地企業の販売チャネルを組み合わせることで、市場への迅速な参入が可能になると話している。

各国の介護ニーズはそれほど違わないので、介護記録、異常状態のアラート、職種間コミュニケーション、家族連絡などの技術に焦点を当て、当社の製品やサービスが国際市場で迅速に導入できるようにします。(Smart Ageing Tech)

今回の資金調達について、創業者で CEO の Shih-Chung Kang(康仕仲)氏 は次のように語った。

今回の資金調達で国際的な資金を得られたことを大変光栄に思います。今回の資金調達の成功は、Smart Ageing Tech の革新的な研究開発能力が認められただけでなく、AI を活用したスマート長期ケアを通じて、北米、日本、その他のシニア国際市場に進出する可能性に対する強い自信にもなります。

【via Meet Global by Business Next(数位時代) 】 @meet_startup

【原文】

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