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IVS 2020 Onlineのピッチコンペティション「LaunchPad」は、検査・検品AIのアダコテックが優勝 #ivs2020

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本稿は、Infinity Ventures Summit 2020 の取材の一部である。 31日午後、Infinity Ventures Summit(IVS)では恒例となっているスタートアップ・ピッチコンペティション「LaunchPad」が実施され、検査・検品のアダコテックが優勝した。 LaunchPad の審査員を務めたのは、 元榮太一郎氏 弁護士ドットコム 創業者兼代表取締役会長 佐藤光紀氏…

本稿は、Infinity Ventures Summit 2020 の取材の一部である。

31日午後、Infinity Ventures Summit(IVS)では恒例となっているスタートアップ・ピッチコンペティション「LaunchPad」が実施され、検査・検品のアダコテックが優勝した。

LaunchPad の審査員を務めたのは、

  • 元榮太一郎氏 弁護士ドットコム 創業者兼代表取締役会長
  • 佐藤光紀氏 セプテーニホールディングス 代表取締役社長
  • 前田裕二氏 SHOWROOM 代表取締役社長
  • 丸尾浩一氏 大和証券 専務取締役
  • 上野山勝也氏 PKSHA Technology 代表取締役
  • 金子剛士氏 East Ventures パートナー
  • 山田メユミ氏 アイスタイル 共同創業者 取締役
  • 国光宏尚氏 gumi 代表取締役
  • 仲暁子氏 Wantedly 代表取締役
  • 吉田浩一郎氏 クラウドワークス 代表取締役社長 兼 CEO
  • 高宮慎一氏 グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー
  • 三上智子氏 日本マイクロソフト 業務執行役員
  • 堀新一郎氏 YJ キャピタル CEO
  • Joseph Chan/詹德弘氏 AppWorks/之初創投 パートナー
  • Tina Cheng/成之璇氏 Cheruvic Ventures/心元資本 パートナー

なお、副賞としてファイナリスト全チームに Freee 利用権5万円相当(Freee 提供)と AMBI 利用権(エン・ジャパン)、優勝から3位入賞者に Daiwa Innovation Network 優先登壇権(大和証券)、また優勝チームに Freee 利用権10万円相当(Freee 提供)、5万円分のカタログギフトとプロの社外コンサルタントによるメンタリング受講権(NTT ・ドコモベンチャーズ)、楽天ギフトカード10万円分(大和証券)、本当にかなう Amazon Wishlist (Amazone Web Service 提供)、セミナー2名招待(プルータスコンサルティング)、スタートアップ支援する何か・詳細未定(ケップル)が贈られた。

登壇したのは以下の14社。

【優勝】検査・検品 AI by アダコテック

アダコテックは、いわゆる「産総研スピンオフ」のスタートアップで、産業技術総合研究所で開発された特徴抽出法を開発。一般的なディープラーニングでは、異常検知のために正常品と異常品の両方を教師データとするのが一般的であるのに対し、アダコテックのソフトウェアでは正常品のみを教師データとして、正常を逸脱したものを異常として網羅的に検出する。

レーダーを照射して得られた画像を元に非破壊検査する場合などでは、担当者が目を皿のようにして異常個所を探していたのは効率が悪い。アダコテックの AI を使って画像を一次スクリーニングすることで、人が集中して見る必要がある部分だけを明らかにし、生産性が飛躍的に向上するという。

アダコテックは2019年7月、東京大学エッジキャピタル(UTEC)と DNX Ventures から4億円を調達している

【2位】【ROXX 賞】Luup by LUUP

LUUP は、マイクロモビリティを都市に実装しようとする MaaS スタートアップ。街のあらゆる場所にモビリティ機器を借りたり返したりできるポートを配置し、高齢者も含め全ての人が安全かつ便利に利用できるモビリティのプラットフォーマーになることを目指している。これまで全国の地方自治体と連携して実証実験を重ねてきた。

昨年来、札幌の NoMaps での試乗会の開催、「Okinawa Startup Program」への採択、今年に入って NTT 東日本のアクセラレータ「LIGHTnIC(ライトニック)」デモデイで優秀賞、「東急アクセラレートプログラム(TAP)」のデモデイで二子玉川賞を獲得。今年5月からは、一般消費者向けシェアサイクル事業を渋谷区、目黒区、港区、世田谷区、品川区、新宿区の6エリアで展開している。

LUUP は昨日警察庁の特別許可を取得し、今年10月から大手町と新宿で公道実証を展開する予定。同社は昨日、ENEOS グループの CVC である ENEOS イノベーションパートナーズと大林組から約4億5,000万円の調達を発表したばかり。創業来3回にわたる投資ラウンドで、合計8億5,500万円を調達している。

【3位】【プルータス・コンサルティング賞】L by AGRIST

宮崎発の AGRIST は、農業の人手不足を解決する AI と収穫ロボット「L」を開発している。すでに6台が実稼働、ENEOS と協業している。完璧なパフォーマンスが実現できるものの高価なロボットではなく実用的なシステムを目指して、宮崎のピーマン農家と共同開発している。

ビニルハウスの中で平坦でない土壌の上でなく、空中に張ったワイヤを使って移動できる収穫ロボットを開発した。ロボットに備わったカメラからの画像認識により、ピーマンの収穫を完全自動化する。

【4位】PowerArena by PowerArena/百威雷(台湾)

PowerArena は、ディープラーニングを使って製造業の効率化を支援するスタートアップ。ビデオを使って集めた製造工程の映像を AI を使って解析、問題点を見つけ、どの工程のどの部分に改善すべき点があるかをラベルをつけてアドバイスする。

この AI をセットトップボックスのようなデバイスの中に完結しており、実装を非常に簡素化している。スマートシティでの充電ループやパイプ交換時期の予測などにも利用されている。

【5位】AquaMagic by AquaFusion

AquaFusion は、革新的な水中可視化装置「AquaMagic」を開発している。これまでの魚群探知機は超音波を利用しているため、水深750メートルの海中だと超音波を発してから障害物に当たって返ってくるまで1秒かかるので、それ以上早い頻度で信号を打つことができない。

イルカにヒントを得て同社では CDMA コードを単一周波数発信による検出技術を開発。従来の魚群探知機に比べ、垂直方向10倍、水平方向10倍、計100倍の分解能を持つため、魚群ではなく魚単体で検出することもできる。魚の体長や魚群の密度もわかるため、漁業の効率化につながる。

Sportip Meet by Sportip

Sportip は筑波大学はつのスタートアップで、整体師・トレーナー向け AI 解析アプリ「Sportip Pro」を開発している。また、Sportip Pro で培った解析技術を応用し、一般ユーザ向けに個人の身体や姿勢の状態をチェックし、AI が最適なトレーニングメニューを提案してくれるサービス「Sportip Meet」を開発している。

Sportip Meet のメニューとしては、トレーニング、ストレッチ、ヨガなどを予定しており、フィットネスジム大手、パーソナルトレーナー、整体師、理学療法士などを通じた提供を予定。ユーザは Sportip Pro を使う整体師やトレーナーからオフライン体験を、Sportip Meet を通じてオンライン体験を得られる。

Sportip は今年6月、マネックスベンチャーズ、DEEPCORE、Deportare Partners から数千万円を資金調達した

GameTector by RIM

RIM が開発・提供する「GameTector」は、e スポーツ大会の開催・運営・参加を効率化・省力化できるプラットフォーム。大会主催者は「エントリー選手の管理」「対戦表の作成」「独自の結果報告システム」を利用することでスムースに大会の運営を行うことができる。

GameTector が主催するイベント大会では、参加者数2000人以上、オフライン大会では60名以上の参加、2020年の GW に開催した大会ではツイッターでトレンド入りを果たすなどしてきた。今後は、各ゲーム会社と協力し合いながら、e スポーツ市場への進出を考えている企業や自治体への支援、e ポーツの大会文化作り、コミュニティ作りに尽力するとしている。

RIM は今年6月、シードラウンドで W ventures と個人投資家から3,500万円を資金調達した

YOUTRUST by YOUTRUST

YOUTRUST が運営する「YOUTRUST」は、副業と転職のキャリア SNS。「友人の友人」までのつながりがある人物の副業や転職意欲が可視化される。友人からの紹介(リファラル)の仕組みで、友人、もしくは友人の友人から転職や副業のオファーが届く。口コミ中心に利用が拡大し、ユーザ数は8,000人、導入企業は累計で180社を超える。

YOUTRUST は本日、機能およびサイトデザインの大規模リニューアルを実施。企業ごとに情報が集約された新機能「カンパニーページ」をリリースした。ユーザにとっては、気になる企業をボタン1つでフォローでき、友人の動向なども追えるタイムライン上で企業の最新情報を把握することもできるようになる。

YOUTRUST は2019年1月に シードラウンドで数千万円、今年1月にプレシリーズ A ラウンドで1億1,000万円を調達している。

TiNK by tsumug

tsumug は、企業向け自律分散オフィスサービス「TiNK Desk(時間貸しサービス)」や「Tink Office(空間専有サービス)」を提供。遊休空間に TiNK や他社製品を含むロックデバイスを設置することで、サービス利用者の入退室管理と制御を実施。アプリのインストールを必要とせず、LINE だけで利用開始の手続や施・解錠が行えるのが特徴だ。

フリーランサー、複業を持つ人、テレワーカーなどに、オフィスや自宅以外のワークスペースを提供する。ユースケースとしては、マンションにある空室を同棟の居住者が使えるワークスペースにし、マンションオーナーやデベロッパがマネタイズすることができる。TiNK は ABBALab から出資を受けている

<関連記事>

ROADCAST by 東急

ROADCAST は、2018年に立ち上がった東急の社内ベンチャー。外壁の落書きや広告看板の乱立を、ストリートアートや屋外広告のプラットフォームで解決する。ROADCAST を使って、屋外アート展の実施や回遊型のゲーム企画に利用された事例などがある。

アートや広告を掲出したいユーザは、ROADCAST を使いマップで掲出場所を確認、空きスケジュールや価格を確認し原稿を入稿する。エリアに応じて、街の景観を損なわないよう独自のl広告規定や入稿規定も設定。原稿を掲出場所のオーナーが確認後に掲出が実施される。出稿者には、流動人口データを元に効果測定された情報をダッシュボードでフィードバックされる。

2020年度中に、掲出場所を東京都内で250カ所、提携先を含め500カ所にまで拡大する予定。

KengakuCloud by ビズ・クリエイション

岡山を拠点とするビズ・クリエイションは、モデルハウスに代えて入居中の一戸建て住宅を訪問・見学できるようにする KengakuCloud を開発している。モデルハウスを訪問する住宅購入者からは「贅沢すぎて参考にならない」「リアリティがない」といった意見が寄せられ、モデルハウスを運営できる住宅会社は大手に限られ、維持には多額のコストが強いられる。

KengakiCloud は、住宅購入者(潜在顧客)、住宅会社の担当営業、その住宅会社で一戸建て住宅を建てたオーナーをマッチングするプラットフォームだ。公開に興味のあるオーナーは自分の住宅の写真や情報を登録し予約ページを生成、三者間でスケジュールを調整し訪問・見学のアポが成立する。住宅会社からオーナーには、見学1回につき1万円の謝礼を支払う。

2018年に広島ベンチャーキャピタル、いよぎんキャピタルから資金調達している

aiPass by クイッキン

宿泊施設ではオペレーションの効率化が課題だが、その足かせの一つとなっているのが利用されているシステムの多さだ。例えば、あるホテルではベンダー15社・14システムが利用されていたという。このシステムの多さが宿泊業界の非効率、コスト高、レガシーさを招いていると考えた CUICIN は、宿泊施設の一連のオペレーションを単一 SaaS「aiPass」で一気通貫に処理できる仕組みを目指す。

aiPass では、従来は18ステップあったチェックインやチェックアウトのプロセスを、6ステップにまで減らすことに成功。ユニークなのは、aiPass の基礎機能とは別に、ホテル毎に求められる追加機能(決済、スマートキー、館内リクエストなど)を他システムと連携する API としてカスタマイズ開発する点だ。同社では共同開発モデルを導入するホテルには基礎機能を無料提供し API 開発でマネタイズ、後に他ホテルには SaaS モデルで提供する。

Fukuoka Growth Next の「Beyond Coronavirus」、Open Network Lab 第20期に採択。2月には、DG ベンチャーズとインキュベイトファンドからシード資金を調達している

Leaner by リーナーテクノロジーズ

Leaner Technologies が開発する Leaner は、間接費の無駄を見える化し、コスト削減に貢献するクラウド型の支出管理プラットフォーム。既存の財務・購買データを送付することで、解析により自社・他社比較による使いすぎの間接費目を特定してくれる。

独自のKPI管理により費目別のコスト削減余地や、適切なコスト削減手法も提示してくれるほか、継続的な評価・アラートにも対応している。

同社では2019年5月、インキュベイトファンドから約5,000万円を調達している

B2M by B2M Asia(香港)

B2M Asia は、ウォールストリートで外国為替(FX)のリスクマネージメントのプロフェッショナルらが、そのテクノロジーを中小企業も使えるにしようとするスタートアップだ。国際取引においては取引相手と通貨が異なるため外為取引が必要になるが、この外為手数料は銀行や取扱業者によっては不透明で平均7%程度と高い。

ハイグレードなサーバを使うことで、通常の10〜100倍以上の精度で為替リスクを計算し、これを手数料の安さに反映している。また世界の60以上の決済手段、80以上の通貨に対応。結果として、為替手数料は0.5〜2%で外為取引が提供可能となる。

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IVS、今日から初のオンライン開催——名実ともに運営責任者となった島川氏に聞いた舞台裏と意気込み

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本稿は、Infinity Ventures Summit 2020 の取材の一部である。 Infinity Ventures Summit(IVS)は7月30日と31日、新型コロナウイルス感染対策として、同イベントをオンラインで開催する。2004年に始まった ILS の前身とされる New Industry Leaders Summit(NILS、当時は CNET Japan などの主催)からカウ…

島川敏明氏
Image credit: Infinity Ventures Summit

本稿は、Infinity Ventures Summit 2020 の取材の一部である。

Infinity Ventures Summit(IVS)は7月30日と31日、新型コロナウイルス感染対策として、同イベントをオンラインで開催する。2004年に始まった ILS の前身とされる New Industry Leaders Summit(NILS、当時は CNET Japan などの主催)からカウントすると、同イベント16年に及ぶ歴史上、初のオンライン開催だ。

IVS はその名の通り、長きにわたりベンチャーキャピタルである Infinity Venture Partners(IVP)が主催する年2回のイベントとして運営されてきたが、昨年7月に神戸で開催された Infinity Ventures Summit 2019 Summer から運営が IVP の若手チームにバトンタッチされ、今年2月には新会社インフィニティベンチャーズサミットが設立され運営が引き継がれた。

今回開催される IVS は、運営チームにとって名実共に IVP から独立して初めての回となるが、図らずして新型コロナウイルスの影響からオンライン開催を余儀なくされ、準備を進める上で、以前のリアル開催の頃の体験、または、それ以上の体験を参加者にどのように届けるかは、新チームにとって大きな苦悩と挑戦の連続となった。

新会社の代表取締役であり、イベントの運営責任者を務める島川敏明氏に、今回の IVS の舞台裏と意気込みを聞いた。

テックカンファレンスの変遷と代替わり

2017年冬、金沢県立音楽堂で開催された IVS。冒頭のパイプオルガンの演奏が幻想的だった。
Image credit: Masaru Ikeda

世界中のテックカンファレンスに目をやると、その多くは TechCrunch Disrupt のようなメディアが運営するものや、WebSummit のような独立系のカンファレンス運営会社によるものが多い。IVS や B Dash Camp のように VC がカンファレンスを運営しているケースは稀だと、海外のスタートアップ関係者から言われたのを思い出す。

もっとも海外でも、VC が自社のプレゼンス向上や投資先スタートアップ(ポートフォリオ)の露出を意図してプロモーションイベントやデモデイを開くことはよくあるが、前出の IVS や B Dash Camp などは、それぞれ IVP や B Dash Ventures 以外の VC や投資先以外のスタートアップも登壇したり、ピッチへの参加を招聘されたりする点で、もはや VC イベントという領域を超えたと言える。

そういう点で IVS が新会社による運営に移行したことにも大きな意味がある。もはや VC 一社のイベントではなく、スタートアップエコシステムを構成する一要素として独立した存在となったからだ。それと同時に、イベント運営にも完全なる独立採算が求められる。新体制の IVS は、新型コロナという痛手を伴う船出を余儀なくされた。

昨年の夏の神戸の回では、Infinity Venture Partners のプリンシパルの立場で運営に参加した。登壇者も、若手の起業家に話してもらうことにフォーカスした。「新しい風が吹いて良かった」という反響を多くもらえたのはありがたい。

しかし、運営を任されたのが開催の直前だったこともあり、チームメンバーも足りておらず、正直なところ、やりきれなかったこともいろいろあった。それらを改善し、いろいろ整えて次へ繋げようと準備を進めている矢先だった。(島川氏)

今夏の IVS はもともと京都市内のホテルで開催される予定で、メイン会場やパーティー会場などの準備も着々と進められていた。しかし、今年3月くらいになって、新型コロナ感染拡大で大規模イベントの開催が難しくなり、IVS にも決断が迫られた。会場との延期交渉やキャンセルフィーの発生、イベントの演出スタッフへの補償など、新会社にとっては初回開始前から財務面だけでもマイナスを強いられたわけだ。

しかし、悪いことばかりではない。新しくなった IVS にはメリットも多く期待できると島川氏は言う。

まず、IVS を新会社運営にしたのは、(赤字にならずに)ケツを持って回していけるほど、いいコンテンツを作っていきますよ、という我々の決意の表れ。そして、独立して法人化した組織でやった方が自由度が高いこともわかった。これは会社を登記した時に意図していたことではないが、実際に新体制で動いてみて感じられるようになったことだ。(島川氏)

改めて見直される IVS の価値と意義

昨年7月に神戸で開催された Infinity Ventures Summit 2019 Summer の「LAUNCHPAD」
Image credit: Masaru Ikeda

IVS がオンライン開催となるのは今回だけでなく、新型コロナが収束しなければ、次回以降もリアルでの開催は難しいかもしれない。IVS が完全にオンライン化してしまう可能性も考えられる。島川氏はこの状況に際し、IVS が提供できる価値と意義とは何かを改めて見直す好機となったという。

IVS とは、質の担保された発見、質の担保された出会い、質の担保された学びを提供する場。こういった価値や意義は、オンラインでも届けられるのではないか。オンラインに振り切るとすれば、IVS はイベントというよりもオンラインサロンに近い存在になるだろう。そのコミュニティを作っていくことにも注力していきたい。

大きなカンファレンスでは、ある回が開催されて、次の回が開催されるまでは参加者同士が疎遠になってしまいがち。でも、オンラインサロンを中・小規模で開き続ければ、そこで常に皆が繋がりディスカッションが生まれる状態を作り出せる。そうして学んだ結果を持ち寄って、年に2回大きめのカンファレンスをオンライン開催する、という形も考えられる。(島川氏)

リアルカンファレンスのオンラインサロン化が吉と出るか凶と出るかは、世界の事例を見てもまだ参考になる答えが無い。カンファレンスのコンテンツの一形態であるパネルディスカッションやスピーチ、スタートアップイベント特有のピッチセッションなどはオンラインでの代替は比較的容易だが、他方、筆者も拙稿で頻繁に述べている「偶然の出会い」、いわゆるセレンディピティを創出するのがオンラインでは難しい。

島川氏によれば、IVS ではこの課題を解決するために3つの方法を準備しているという。

  1. 部屋ごとにファシリテータとテーマを設定。「○○の部屋」のような名前で、複数の Zoom 飲み会を複数(しかも数多く)用意する。
  2. ビデオ会議ツール「Remo」を使ったオープンネットワーキングを実施。Remo のファウンダーが IVS に協力してくれているそう。Remo では最大800人まで同時に入室できるが、その場合、参加者の混乱を防ぐために部屋のもう一つ上層に「フロア」という概念が必要になる。フロア毎に意味を持たせることを検討中。例えば、あるフロアは投資家や VC が集まる資金調達の話を聞くフロアとし、テーブル毎に VC に集まってもらい、資金調達中のスタートアップが訪れるイメージ。また、自身のセッションが終わった登壇者が Remo のテーブルに移動し、聴衆とフランクに話ができるような体験も提供する(30日には、Remo の CEO Ho Yin Cheung 氏が登壇するセッションもある)。
  3. Slack を導入し、IVS 専用のワークスペースを設定。Slack の全面サポートのもと、各セッション毎に語り会える部屋を設定する(30日には、Slack Japan 事業開発ディレクター水嶋ディノ氏が登壇するセッションもある)。

スタートアップがピッチ登壇する「LAUNCHPAD」も IVS の見所の一つだが、評価の高かったチームだけが登壇を許されるため狭き門でもある。今回はオンライン開催であるため、より多くのスタートアップを応援するスキームを用意するという観点から、IVS に協力する VC 各社から推薦を受けたスタートアップも多数 IVS に無料招待しているとのこと。例えば、AI スタートアップ5社に、AI のビジネスでイグジットを果たした先輩経営者からメンタリングを受けられるような機会を計画しているそうだ。

オンラインならではの同時多発セッション開催

参加者宅に届けられた「IVS ケアパッケージ」。オンラインでもリアルの体験ができるよう、ネットワーキングの際に使えるビールやおつまみなどもセットされている。快適な体験を届けるため、登壇者にはリングライトも進呈されるらしい。
Image credit: Masaru Ikeda

リアルのカンファレンスであれば、会場のキャパシティの制約から同時に開催できるセッションの数は限られる。IVS がこれまでに開催してきたセッション数は、昨年の神戸で開催された Infinity Ventures Summit 2019 Summer での28セッションが最大だったが、オンラインでは物理的な制約が無くなるため、これを60セッションまで拡大する。登壇者も総勢250人以上に達した。参加者は会場の移動に伴う煩わしさが無いので、気になるセッションをハシゴすることもできるし、端末環境次第で複数セッションに同時参加することも可能だろう。

現在、日本では新型コロナ感染抑止の観点から外国人の入国は制限されているが、オンラインであればそういった制約も受けないため、海外からの参加者も普段より多く集まることが期待できる。リアルの場合、遠方すぎて参加を断念していた人、他のイベントとスケジュールが重なり参加を断念していた人にもハードルが下がることになる。

事実上おそらく初めてに近い、日本での大型カンファレンスのオンライン開催。何かと不便を強いられる「ニューノーマル(新常態)」を味方につけようとする島川氏らの挑戦は、スタートアップコミュニティにとって吉と出るか凶と出るか。今日から始まるスタートアップカンファレンスの新たなスタンダード体験を楽しみにしている。

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IVS 2019 Winter in バンコクのピッチコンペティション「LaunchPad」の優勝は、〝タイ版freee〟の「FlowAccount」が獲得 #ivs2019

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本稿は、12月3〜4日に開催されている、Infinity Ventures Summit 2019 Winter in Bangkok の取材の一部。 4日午後、Infinity Ventures Summit(IVS) では恒例となっているスタートアップ・ピッチコンペティション「LaunchPad」が実施され、タイで中小企業や個人事業者向けにオンライン会計サービス「FlowAccount」を提供…

Image credit: Infinity Ventures Summit

本稿は、12月3〜4日に開催されている、Infinity Ventures Summit 2019 Winter in Bangkok の取材の一部。

4日午後、Infinity Ventures Summit(IVS) では恒例となっているスタートアップ・ピッチコンペティション「LaunchPad」が実施され、タイで中小企業や個人事業者向けにオンライン会計サービス「FlowAccount」を提供する FlowAccount が優勝を獲得した。

LaunchPad の審査員を務めたのは、

  • 倉林陽氏 – DNX Ventures マネージングディレクター
  • 眞下弘和氏 – m&s partners 代表
  • 真田哲弥氏 – KLab 代表取締役社長 CEO
  • 吉田浩一郎氏 – クラウドワークス 代表取締役
  • 本田謙氏 – フリークアウト・ホールディングス代表取締役
  • 西條晋一氏 – XTech Ventures 共同創業者兼ジェネラルパートナー
  • Joseph Chan(詹德弘) 氏 – AppWorks(之初創投)共同パートナー
  • Mameaw Pahrada Sapprasert 氏 – 500 Startups Thailand ディレクター
  • Paul Ark 氏 – Digital Ventures マネージングディレクター

(本稿は速報体制でお伝えしたため、うち入賞スタートアップについては、追って加筆します。)

【優勝】FlowAccount by FlowAccount(タイ)

Image credit: Infinity Ventures Summit

欧米企業で開発された会計ソフトの多くは、タイ国内の企業向けにはローカライズされていない。会計手続は国によって異なるのにだ。一方で、会計専任の人員を雇用するのはコストもかかる。

FlowAccount は、〝タイ版 freee〟とも言うべき中小企業や個人事業者を対象とした会計 SaaS だ。収入や経費支出の比較のほか、ペイロール(給与計算)の仕組みも備えており、現地のカシコン銀行の電子決済サービス「K Cash Connect」と連携し給与振込にも対応。そのほか、税金支払との連携、キャッシュフロー計算との連携などの機能も提供。

Image credit: Infinity Ventures Summit

2015年1月にローンチした FlowAccount はこれまでに3万以上のスモールビジネスの煩雑な会計処理を支援してきた。2017年にはシリーズ A ラウンドで、SBI インベストメント、Beacon Venture Capital、Golden Gate Ventures、500 TukTuks(500 Startups のタイ現地ファンド)から115万米ドルを調達している。

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Infinity Ventures Summit 2019 Winter、日タイの投資家や起業家を集めバンコクで開幕

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本稿は、12月3〜4日に開催されている、Infinity Ventures Summit 2019 Winter in Bangkok の取材の一部。 Infinity Venture Partners(IVP)が主催する年2回のスタートアップカンファレンス「Infinity Ventures Summit(IVS)」がバンコクで開幕した。IVS の海外開催分としては、2018年春に台北で開催した…

左から:Joseph Huang(黄立安)氏(Infinity Venture Partners パートナー)、田中章雄氏(Infinity Venture Partners 共同代表パートナー)
Image credit: Masaru Ikeda

本稿は、12月3〜4日に開催されている、Infinity Ventures Summit 2019 Winter in Bangkok の取材の一部。

Infinity Venture Partners(IVP)が主催する年2回のスタートアップカンファレンス「Infinity Ventures Summit(IVS)」がバンコクで開幕した。IVS の海外開催分としては、2018年春に台北で開催した IVS 2018 Spring in 台北 に続くものとなる。

午前中のセッションは、今最も注目を集めるタイのスタートアップ3社の紹介で幕を開けた。3D プリンタで CT スキャンから1週間で人体に埋め込み可能なチタン製人工骨を作る Meticuly、ジュースから糖分を取り除く技術を開発する JuiceInnov8、メンタルウェルネスを提供する Ooca だ。

左から:モデレータの Nicha Ark 氏(Openspace Ventures)、Sean Trairatkeyoon 氏(JuiceInnov8 共同創業者 兼 CEO)、 Kanpassorn Suriyasangpetch 氏(Ooca 共同創業者 兼 CEO)、Chedtha Puncreobutr 氏(Meticuly CTO)
Image credit: Masaru Ikeda

Meticuly は、タイ随一のチュラロンコン大学の冶金工学科から生まれたスタートアップ。これまでにタイ国内で40病院150人の医師と協力し、200県以上を臨床試験を実施。JuiceInnov8 は、多くの飲料メーカーが無糖清涼飲料を出すなかでジュースには無糖商品が無いことに着目し技術を開発。Ooca は社会人や学生にアプリを通じて心理学者とつながり相談ができるサービスを提供。

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いずれのスタートアップもシード〜シリーズ A ラウンド周辺のアーリーなスタートアップだったが、今後、資金調達を進めシンガポールに拠点を設置するなどして、東南アジア全域への事業進出に関心を示した。

Image credit: Masaru Ikeda
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IVS 2019 Summer in 神戸のピッチコンペティション「LaunchPad」の優勝は、個人向け社債代替サービスの「Funds」が獲得 #ivs2019

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本稿は、7月10〜12日に開催される、Infinity Ventures Summit 2019 Summer in 神戸の取材の一部。 12日午前、IVS では恒例となっているスタートアップ・ピッチコンペティション「LaunchPad」が実施され、個人向け社債の代替を目指す、貸付ファンドのオンラインマーケット「Funds(ファンズ)」運営のクラウドーポートが優勝を獲得した。 LaunchPad …

本稿は、7月10〜12日に開催される、Infinity Ventures Summit 2019 Summer in 神戸の取材の一部。

12日午前、IVS では恒例となっているスタートアップ・ピッチコンペティション「LaunchPad」が実施され、個人向け社債の代替を目指す、貸付ファンドのオンラインマーケット「Funds(ファンズ)」運営のクラウドーポートが優勝を獲得した。

LaunchPad の審査員を務めたのは、

  • 赤坂優氏 エリオット 代表取締役
  • 朝倉祐介氏 シニフィアン 共同代表
  • 川田尚吾氏 DeNA 共同創業者
  • 木下慶彦氏 Skyland Ventures パートナー
  • 近藤裕文氏 サイバーエージェント・キャピタル 代表取締役 CEO
  • 真田哲弥氏 KLab 代表取締役社長 CEO
  • 塩田元規氏 アカツキ 代表取締役 CEO
  • 千葉功太郎氏 Drone Fund 代表パートナー/個人投資家
  • 仲暁子氏 ウォンテッドリー 代表取締役 CEO
  • 丸尾浩一氏 大和証券 専務取締役
  • 溝口勇児氏 FiNC Technology 代表取締役
  • 吉田浩一郎氏 クラウドワークス 創業者 社長 兼 CEO
  • 佐藤裕介氏 hey 代表取締役社長

なお、副賞としてファイナリスト全チームに Freee の1年分利用権(Freee 提供)と aws activate $3,000クーポン(Amazone Web Service 提供)、また優勝チームに 200 万円相当の Freee 利用権(Freee 提供)、TECHPLAY PR サポートプラン半年分(TECHPLAY 提供)、SibaZiba 6ヶ月メンバー会員権 + コワーキングスペース4席利用権(SibaZiba 提供)、本当にかなう Amazon Wishlist (Amazone Web Service 提供)、日本から海外・海外から日本進出した際のキャッシュレス費用相当分の無償提供(Nippon Platform 提供)、FavoSquare から Aiptek MobileCinema i70 プロジェクター + Lifeprint スマホプリンタ(NTT ドコモベンチャーズ提供)、ビラージュ伊豆高原無料宿泊券(住友不動産提供)、東京ディズニーランドでのスペシャルディナー & 1 Day Passport 4名分(大和証券提供)が贈られた。

登壇したのは以下の14社。

【優勝】Funds(ファンズ) by クラウドポート

社債は、企業にとって株式による資金調達よりもコストが安く使途についても柔軟であり、個人投資家にとっては株式相場に左右されず元本割れリスクが少ないなどのメリットがある。しかし、アメリカなどの企業と比べ、日本企業が社債を活用できている事例は著しく低い。これは、日本では上場企業の中でも投資適格の各付けを持つ企業が1割に満たない中、証券会社が投資適格も各付けを持たない企業の社債取扱について限定的であるなどの理由による。

Funds は、個人向け車載を代替するサービスだ。社債ではないが、社債に近い機能を提供でき、資産形成したい個人と資金調達したい企業をマッチングする。 株式市場と債券市場の間に空いているニッチエリアを攻めることで、株式ほどはリスクを取りたくないが、債券よりは高リターンを好む投資家に3%前後の固定利回りを提供する。これまでに約1万名が Funds で投資しており、運用残高は6.7億円までに成長。2026年までに運用残高1兆円の達成を目指す。

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【2位】DeepLiquid by AnyTech

個体や気体に比べ、液体は一部が汚染されると、その部分だけでなく丸ごと廃棄されることが多い。周囲への影響・波及がしやすいためだ。水処理施設などでは、水が汚染されたことを検出するために多くの化学センサーが設置されているが、化学センサーの整備には時間とコストがかかり、また精度も不安定であることから、目視のために監視員が巡回しているのが現状。一方でこの監視員は求人難やコストの問題から常に不足している。

AnyTech が開発した DeepLiquid は、流体力学を応用した Liquid Texture Mining により、液体の揺らぎの変化から異常状態を検出。ユースケースとしては、水処理施設における微生物処理過程の不具合検出、製鉄溶解時のノロとり(不純物除去)課程の効率化、唐揚げの揚げ上がりタイミングの見極めなどさまざま。単一のアルゴリズムでデータを入れ替えるだけで多分野に応用が可能で、資源、生物、化学分野をターゲットに据えている。カメラ台数に応じた月額料金モデルを採用。リリースから4ヶ月で売上1億円を突破した。

【3位】超高精度がん10種類の尿検査 by Icaria

Icaria は、尿検査によって超高精度で10種類のがんを検出する技術を開発。従来の血中バイオマーカー(腫瘍の DNA 検出)による方法では最大でも40%程度の精度でしか検出できなかったが、Icaria ではがん細胞同士が転移する際に情報伝達に使っているとみられる膜小胞「エクソソーム」に着目し、少量の尿から独自開発したデバイスによってエクソソームや miRNA(マイクロ RNA)の網羅的解析に成功。応用範囲は多岐にわたるが、肺がんや腫瘍の検出ではステージ1でも98%の精度で検出できるという。

来年、1〜2種類のがんを対象に着手し、提携病院から患者の尿を提出してもらうと、Icaria のラボで解析し1週間程度で結果を回答できる体制を整える。AI を使ったがん種類を識別する方法も発展させ、将来は、最適な治療方針の選択を提案もできるようにする考え。製薬大手 Johnson & Johnson がサンディエゴで運営するオープンイノベーションのためのウエットラボ「JLABS」への入居が決定している。今後、日米で1万件以上の臨床試験実施を目指す。

【4位】ロジクラ by ニューレボ

ニューレボの「ロジクラ」は、54兆円に上る中小企業の過剰在庫の問題の解決を支援するプラットフォームだ。企業における発注担当者は、勘や経験で発注を行なっていることが多く、これが過剰在庫を生み出している。ロジクラでは、景気動向、天気、競合情報、破損率などをもとに需要予測を行い、データドリブンな発注環境を提供する。

ローンチから8ヶ月でユーザは5,000社を突破、1000億円相当の在庫データを蓄積している。今後、ユーザ同士が過剰在庫/在庫不足を売買できるマーケットプレイス機能「ロジクラ Marketplace」、在庫を担保にした動産担保融資機能、需要予測モデルを活用したビジネスを展開する計画。ロジクラ Marketplace は2020年1月のリリースを目指す。

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【5位】Dr. 経費精算ペーパーレス by BearTail

経費精算 SaaS の「Dr. 経費精算」に、レシートの突合処理とレシートの保管サービスからなる BPO を組み合わせたのが「Dr. 経費精算ペーパーレス」だ。 SaaS としての機能は無料で提供され、BPO サービスは月額7万円で提供される。ユーザは経費のレシートをスマートフォンで撮影した後、オフィスに設置されたボックスに投入するのみ。レシートは各オフィスから回収され、BearTail に2,000人いるリモートワーカーにより投入データとの突合がなされ、法で定められた7年間にわたり倉庫で保存される。

今月には出張手配を依頼できる「Dr. Travel」をβローンチ。このサービスを利用すれば、出張費用についてはデータ登録を必要とせず、自動的に Dr. 経費精算に取り込まれる。ローンチから1週間で8,000件が利用されたという。今後、Dr. Travel → Dr. 経費精算のデータ取込を自動連携にし、外務省が提供している「たびレジ」とも連携して、安全危機管理情報の提供も可能にするとしている。

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入賞しなかったものの、予選を通過し決勝に登壇した残り9社は次の通り。

なお、この日、次回の Infinity Ventures Summit 2019 Winter がバンコクで開催されることも明らかになった。12月2日〜4日の3日間、バンコク市内中心部で開催される予定だ。

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IVS 2018 Winterのピッチコンペティション「LaunchPad」の優勝は、次世代ドローン「Nextシリーズ」を開発するAERONEXTが獲得 #ivs18w

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本稿は、12月17〜19日に開催される、Infinity Ventures Summit 2018 Winter in Kanazawa の取材の一部。 19日午前、IVS では恒例となっているスタートアップ・ピッチコンペティション「LaunchPad」が実施され、次世代ドローン「Nextシリーズ」を開発するAERONEXT が優勝を獲得した。 LaunchPad の審査員を務めたのは、 仲暁子氏…

本稿は、12月17〜19日に開催される、Infinity Ventures Summit 2018 Winter in Kanazawa の取材の一部。

19日午前、IVS では恒例となっているスタートアップ・ピッチコンペティション「LaunchPad」が実施され、次世代ドローン「Nextシリーズ」を開発するAERONEXT が優勝を獲得した。

LaunchPad の審査員を務めたのは、

  • 仲暁子氏 ウォンテッドリー 代表取締役 CEO
  • 千葉功太郎氏 Drone Fund General Partner
  • 木下慶彦氏 Skyland Ventures ジェネラルパートナー & CEO
  • 川田尚吾氏 DeNA 顧問
  • 山岸広太郎氏 慶應イノベーション・イニシアティブ 代表取締役社長
  • 國光宏尚氏 gumi 代表取締役会長
  • 吉田浩一郎氏 クラウドワークス 代表取締役社長 CEO
  • 堀新一郎氏 YJ キャピタル 代表取締役社長
  • 真田哲弥氏 KLab 代表取締役会長 兼 社長
  • 丸尾浩一氏 大和証券 専務取締役
  • 本田謙氏 フリークアウト・ホールディングス 代表取締役社長 Global CEO
  • Brendan Wales  Partner, e.ventures
  • Corina Birta  Executive, ITC
  • Joseph Chan/詹德弘氏 AppWorks/之初創投

なお、副賞としてファイナリスト全チームに  Freee の1年分利用権(Freee 提供)、1〜3位入賞チームに Daiwa Innovation Network 優先登壇権(大和証券提供)、優勝チームにサッポロビール1年分、2〜5位入賞チームにサッポロビール半年分(AGSコンサルティング 提供)、全社に AWS Active 3,000米ドル分(Amazon Web Services 提供)が贈られた。

【1位】Next by Aeronext

<副賞>

  • Freee 200万円相当利用権(Freee 提供)
  • スペシャルディナーご招待 with Daiwa IPO Team(大和証券 提供)
  • SibaZiba スペース利用権300万円分(SibaZiba 提供)
  • Aiptek Mobile Cinema i70、Elecom Omni shot、コワーキングスペース6ヶ月間無料利用権(NTT ドコモ・ベンチャーズ 提供)
  • TECH PLAY 利用権150万円相当(PERSOL 提供)
  • ヴィラージュ伊豆高原1組5名1泊分(住友不動産提供)
  • 「SOICO タイムカプセル ストックオプション」無料コンサルティング(SOICO 提供)
  • Amazon 本当にかなうウィッシュリスト(Amazon Web Services 提供)

AERONEXT は、次世代ドローン技術を開発するスタートアップだ。独自技術「4D Gravity」を使って、これまでに360°VR撮影用の「Next VR」、宅配専用の「Next DELIVERY」、インフラ点検や検査測量、警備、農業等に対応した「Next INDUSTRY」といった、ユースケースに最適化されたドローンを発表している。

ソフトウェアではなくハードウェア的なアプローチ、ドローンの機体を改善することで、飛行時の軸がぶれないなど安定性や高速飛行などの点で圧倒的な技術的優位性を獲得した。ユースケースのそれぞれの業界大手とジョイントベンチャーを作ることでスケールを図る。現在、マルチコプター技術を駆使した固定翼垂直離着陸機「Next VTOL」を開発中だ。B Dash Camp Fall 2018 in 福岡の Pitch Arena でも優勝

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【2位】Virtual Cast by Virtual Cast

Virtual Cast は、VR デバイスを使うことで、誰でも容易に VTuber になることができるサービスだ。現実よりも楽しい仮想現実の世界を作ることが目指している。Twitter と連動して、配信している番組へのツイートを番組内で紹介することもできる。VTuber は視聴者からギフトを送ってもらい、マネタイズすることが可能。

他の VTuber の番組に飛び込み参加ができる「凸機能」という機能が備わっており、VTuber 同士が互いの番組で掛け合いをすることも可能。HTC VIVE、Oculus Rift + Oculus Touch、Windows Mixed Reality に対応している。

【3位】MiiTEL by REvComm

RevComm の「MiiTel(ミーテル)」は、電話営業を人工知能で可視化するサービスだ。電話営業では、担当者と取引先の閉じたコミュニケーションにしてしまいがちだ。成約と失注の理由が共有できず、結果として営業活動が属人化してしまう。MiiTel を導入すると、取引先にかけた営業電話を内容を録音し解析。そのフィードバックを営業活動に反映し改善することができる。

話すスピードを取引先の担当者と合わせることを促すなど、営業トークを改善する機能も備えている。今後は、AI によるアポどりとクロージングの自動化、また、営業のみならずミーティングの最適化や経営判断の最適化なども提供したいとしている。同社は今年10月、「ビズリーチ創業者ファンド」から1号案件として資金調達している

【4位】P3 Finder by RF Locus

RF Locus の「P3 Finder(P3ファインダー)」は、RFID タグを使った高精度位置測定システムだ。一般的な RFID のユースケースでは、バーコードを使った方法に比べ、商品の入った段ボールを開梱する必要がなく、棚卸しなどが楽になる。しかし、RFID は位置精度がよくないため、どの位置にその商品が存在するのかは把握しづらい。

P3 Finder ではスマートフォンとソフトウェアを使い、スマートフォンの加速度センサーを併用した「電波位相情報時系列解析」により、開梱しない状態でも正確な商品の位置と内容を把握することができる。ピッチでは、物流ロボットやドローンと併用したシステムを披露。トヨタ自動車、大手航空会社の整備、大手アパレルなどで導入されている。

【5位】GOKURI by PLIMES

PLIMES は、筑波大学からスピンオフしたスタートアップで、加齢による飲み込み能力の低下、すなわち、嚥下機能計測を行う。首の部分に接触させたマイクを使って拾う音から嚥下が正常であるかどうかを日常的に計測でき、ユーザのリハビリの効率化を目指すウエアラブルデバイス「GOKURI」を開発している。

2,700回の嚥下を AI 学習し、その情報をもとに 97.3%の精度で嚥下を検出する技術を開発。特許を取得している。今年4月のローンチ以降、16施設1,089ユーザに利用されている。1台あたり10万円、サブスクリプション500円/月でマネタイズする。

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AILL by gemfuture

厚生労働省の調査によれば、20〜30代の正社員独身者の半数以上が恋人がいないと回答しており、その理由として、建前では「忙しい」や「恋愛のノウハウが無い」という回答が多いという。しかし実際の理由は、「恋愛で傷つきたくないから」というのが深層心理にある、と GemFuture は見立てる。成果主義が浸透し、結果が明確に見えないことに努力しづらい世相も影響しているのだろう。

GemFuture が開発した「AILL(エイル)」は、カップル間のチャットを支援する AI サービスで、好感度や告白成功確率を上げ、両者の関係性を進展させるべく AI キャラクターがナビゲートしてくれる。恋愛における心理的ハードルを下げることに特化しているのが最大の特徴。これまでに1,000人を超える会員を獲得しており、その86%が「(AI による)ナビゲートが必要」と回答した。企業への福利厚生サービスとして導入支援が決定している。

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Hubble by Hubble

Hubble は、法務ドキュメントのバージョン管理システムだ。二者間で契約書などの内容を推敲するとき、複数回にわたってやりとりが発生する。このような契約書のドラフトのやりとりが複数同時に発生したとき、どの契約書が最新版がわからなくなる。これを解決するのが、ビジネス版の GitHub だ。

Hubble は Microsoft Word を SaaS 上から呼び出し、契約書の作成過程、弁護士からの専門アドバイス、Slack や Chatwork をはじめとするサードパーティーツールとも連携する。10月にローンチし、これまでに300社から問い合わせが得られている。

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AI-CON by GVA TECH

GVA TECH の「AI-CON」は、AI を使った契約書のレビューサービス。ユーザが作成した契約書データをクラウドにアップすると独自の AI がリスク判定し、専門の法律家がレビューして改善点などを指摘してくれる。現在14種類の契約書に対応しており、弁護士に依頼する場合に比べて10分の1のコストで契約書のレビューを依頼できる。これまでの利用登録社数は約1,000社。

最近、スクラッチの契約書をレビュー依頼するのではなく、あらかじめ用意されたドラフトに基づいて契約書を作成できる「AI-CON ドラフト」をリリースした。AI-CON と AI-CON ドラフトを合わせて、利用者は2,000社。年明けのローンチを目指して、大企業向けのサービスも開発中。

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Zenport by Zenport

Zenport(ゼンポート)は、貿易業務のコラボレーションツールだ。競合各社は、物流プレーヤーをつなぐプラットフォームを開発しているのと対照的に、Zenport では輸入者と輸出者の間に入って運用することにより、双方のニーズも把握する。

アパレル、雑貨、食品など多品種小ロット業種にフォーカス。課金版を開始して半年が経過するが、すでに17社が利用している。オリコと提携し、ユーザ企業向けの短期融資サービスも提供する。

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VOX by Mashroom

VOX」は戸建や集合住宅、公共スペースへ設置し、不在時の荷物受取の課題を解決するスマートフォン制御型の宅配ボックスだ。屋内外で使用でき、盗難検出機能やマスターキー機能、荷物センサー機能を搭載。ソーラーセルによる環境電源で動作するため、電源コードがなくても利用ができる。公共スペースなどへの普及を目指し、宅配だけでなく自分専用ロッカーとしての利用なども促進する。

フードデリバリ、ネットスーパー、ボタン一つだけで商品交換可能なサービスなど、サードパーティーとのサービス連携を計画している。生活者の時間消費、束縛からの解放を狙っており、中でも特に、洗濯サービスとの連携により、汚れものを VOX に入れるだけで洗濯された衣類が返却されるサービスを展望している。

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monooQ by monooQ

monooQ は荷物預かりのシェアリングサービスで、荷物を預けたいユーザーは現在地から荷物を預ける場所を指定し、その場所を管理するホストに預ける日時を通知して予約する。具体的な受け渡しの方法はサービス内のメッセージで直接やりとりをし、その確定した内容で荷物を預ける。

決済は事前に済ませておけるほか、事前のやりとりの中で預ける荷物の写真や情報を共有しておき、預ける当日のトラブルを避けることができる。荷物の返却も事前に予約した内容でおこなう。三井住友海上と包括契約を結んでおり、保管時のトラブルの補償も得られる。イナバクリエイトと提携し、空いた土地にコンテナボックスを置き、その場所での荷物預かりサービスも提供。

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macci by Review

macci は、街の情報をもとにビジネスに活用できるサービスだ。空き地や新築建物などの不動産、求人、駐車場の状況をもとにビジネスを展開する企業は多くある。Google StreetView や Google Earth などでオンラインでも街の情報は得られるが、これらは頻繁に情報更新されるサービスではないため、その情報をもとに出店計画や営業計画を立てるのには不十分だ。

macci では主婦やシニアを活用し、街の情報を道路に沿って人海戦術による実地調査で網羅。得られた情報を集約・精査し、ユーザ企業に底k評する。情報は3ヶ月おきに更新される。

Velodash by Velodash

Velodash は、自転車競技やツーリングにおいて、自分や仲間の時間記録を管理できるアプリ。これまでの方法では、サイクリングイベントを見つけるには複数のプラットフォームを使う必要があり、グループでツーリングを企画するには6〜7つのツールを使う必要があり、また、グループ内参加者全員の走行状況を追尾・記録するには外部デバイスが必要になる。

Velodash では、これらの情報管理をモバイルアプリ一つで完結することができ、天気予報やコースの難易度レベル、リアルタイムでの走行状況、グループ間でのインタラクションなどが行える。今年4月のローンチ以来、2万ルートが登録され、イベントが5,000件主催された。

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Porker by Eco-Pork

養豚においては、種付、肥育、出荷など多くの過程が存在するが、それらは紙ベースで管理されていることが多い。Porker は、モバイルアプリを使ってそれらの情報を養豚の現場で即座にデジタルに貯めることができ、生産性成績の比較、改善点の可視化ができる養豚管理システムだ。オンラインで、担当獣医師や農場指導者に連絡し、アドバイスをもらうこともできる。

豚肉の需給予測によれば、2021年に需給バランスが崩れ需要が供給を上回り、豚肉の販売価格が高騰することが懸念されている。Prker はそれに先んじて豚肉の生産性を向上させようという試みだ。今年度中には、AI と IoT を組み合わせたサービス「Porker EVO」を開発予定。そこから得られるデータをもとに、養豚産業全般に関わるエコシステムを形成したいとしている。

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変態決済国家日本は「PayPayの10日間」をどう見たーー #IVS で語られた日本キャッシュレス化、推進のカギはどこに

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セッションサマリ:金沢で開催中の招待制カンファレンス「Infinity Ventures Summit 2018 Winter」で提供されたペイメントセッションでは、中国の先進事例との比較や日本で進まないキャッシュレスの理由などが語られた。登壇したのはLINE Pay取締役の長福久弘氏、Origamiの伏見慎剛氏、pring代表取締役の荻原充彦氏の3名。モデレートはlnfinity Venture…

セッションサマリ:金沢で開催中の招待制カンファレンス「Infinity Ventures Summit 2018 Winter」で提供されたペイメントセッションでは、中国の先進事例との比較や日本で進まないキャッシュレスの理由などが語られた。登壇したのはLINE Pay取締役の長福久弘氏、Origamiの伏見慎剛氏、pring代表取締役の荻原充彦氏の3名。モデレートはlnfinity Venturesの田中章雄氏が務めた。

セッションのポイント:2018年のフィンテックを象徴する「事件」と言えばやはりPayPay100億円還元キャンペーンですね。その影響もあってか、結果的に続いた形となったLINE Payの割引キャンペーン「Payトク」はすこぶる好調という話もありました。社会的な雰囲気というのがキャッシュレスに与える影響やこの件の是非についても後ほど。

lnfinity Venturesの田中章雄氏

さておき、日本でキャッシュレスが浸透しない理由については各所で語られている通り、現金が非常に便利だから、逆に進めるためには「お得感」が効くという調査結果も出ています。まずこの件について、日本が今置かれている状況を田中さんが綺麗に整理してくれていました。

  • クレジットカード保有はトップ3に入るのに個人消費では最下位。プレカ大好きで日本が1人5枚持っていて世界トップ。なのにキャッシュレス率は15%前後とインド以下
  • 成田エクスプレスのチケット券売機は日本発行のカードでなければ使えない。外国人が持っているApple Payは独自規格でガラパゴス化している日本では使えない
  • 中国では事業者向けの手数料が0.8%程度。対して日本の決済では3〜4%持っていかれる。マージンが10%無いようなビジネスでは半分近く持っていかれることになる。また現金化される時間も長い場合、トランザクションが発生してから45日なんていうのもある

論点としては、1:現金大国日本でユーザーにどう使ってもらうか、2:独自規格などコスト高になりがちなインフラを事業者にどう導入してもらうか、の辺りでしょうか。

日本ユーザーのキャッシュレス化はやっぱりお得が牽引

LINE Pay取締役の長福久弘氏

まず、ユーザーの利用促進についてはPayPay同様「お得感」で真正面から攻めているのがLINE PayとOrigamiです。

Origamiが17日から開始した吉野家の半額キャンペーンは会場となった金沢駅にある吉野家でも利用があったそうで、PayPay効果も手伝って「マーケット全体で資本投下が始まった。各社持ち合いながら刺激を与えることで活性化する」(伏見氏)と今後の伸びに期待を滲ませていました。

LINE Payも冒頭に書いた通り、かなりの手応えがあったそうです。

「(PayPay以前にも)キャンペーンはずっとやってきたんです。でもPayPayの10日間が終わったあとの伸びはびっくりするぐらい。一度ハードルを越えることに問題があるだけでリピートや満足度はそもそも高いんです。ユーザーがどうやったら使ってくれるかだった」(長福氏)。

ユーザー囲い込みがお得感である限り、私たち消費者にとっては嬉しい還元キャンペーンはまだまだ続きそうな予感がします。

事業者側の導入コストをどう下げるか

Origamiの伏見慎剛氏

もう一つの論点、事業者側の導入コスト問題については、分かりやすい課題として手数料があります。これは中国事例の場合、そもそも国家として上限を設けるなどコントロールが効きますが、日本は事業者間での競争が基本です。

更にQR決済の根拠となるクレジットカードブランドが海外のものであれば、その手数料率は明確な「壁」となります。Origamiはやはりそこに引っ張られる形で現在、3.25%の料率が設定されています。そこでOrigamiでは銀行と直接繋いだりチャージ方式にすることで、クレジットカード会社の「原価」に引っ張られる構造そのものを変えようと動いているという話でした。

一方でLINE PayやPringはそもそもクレジットカード紐付けをしていない「銀行口座直結型」です。こうなると事業者側に求める手数料は提携している金融機関との話し合いになりますから、融通が効きます。Pringは紐付けになっているみずほ銀行が株主でもある、ということから事業者側の手数料0.95%を実現しています。

pring代表取締役の荻原充彦氏

またLINE Payはそれ以外にアカウント課金や広告などの「LINEユーザー向けビジネス」を複合的に展開していることから、店舗手数料についても柔軟に対応できるメリットがあります。WeChat Payがまさにそのモデルですね。

PayPayキャンペーンで恩恵を受けたのは「ビックカメラ」?

日本におけるキャッシュレス推進の具体的な取り組みについて、重要な役割を果たすことになったPayPay100億円還元キャンペーンですが、これについて田中さんから興味深い比較が披露されていました。

「中国も最初はDiDi(滴滴)とかのタクシーアプリがでたときにテンセントやアリババが100億ぐらい突っ込んだんです。それと日本は何が違うか、それは恩恵を受けたのがビックカメラだったってことです。だってビックカメラって既にモバイル決済対応しているし、コンバートしてる人をさらにコンバートしたワケです。

中国は末端を変えました。タクシーに普段乗る普通の人やオフィスワーカーにまず、タクシーでWeChatを使ったら100円ぐらい還元した。

それだけじゃないんですね。乗ってる人だけじゃなく運転手にも100円還元したんです。彼らは主にブルーカラーです。キャッシュオンリーだった人がキャッシュレスに変わった。そういう意味で社会的インパクトは大きかった」。

これは納得のいく話題です。

一方でこういったインセンティブを事業者側、特に個人事業者に還元するのは日本ではなかなか難しいようです。例えばOrigamiではアパレルと組んでユーザー獲得に成功した場合、その担当者に2000円ほどの還元を試したことがあったそうです。

しかしこれは上手くいきません。個人で獲得してくれたのに、還元する先は法人になるからです。更に言えばそのインセンティブが本当に個人に渡ったかをトラッキングすることも困難になります。

逆に考えると、だからこそのビックカメラだった、とも言えます。こういったユーザー、事業者が共にメリットがあり、かつ、ネットワーク効果が生まれるようなスキームが見つかればまた大きく視界が変わる可能性が出てきます。

ということでIVSのセッションでおさらいしたキャッシュレス戦争。消費税増税とその還元というイベントも控える中で各社がどう動くのか、面白くなってきたのではないでしょうか。

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人工知能がムダな広告費85%カットに成功ーーReproがAI研究結果を公表

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ニュースサマリ:モバイルアプリ/ウェブのマーケティングツール「Repro」のAI活用が成果を出している。11月末に公表された集英社での事例では、マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」でアプリを利用しなくなる傾向のあるユーザー(以下、離脱ユーザー)を人工知能が予測。離脱前に防止策を打った実証実験について、その成果が公表された。結果として予測の誤差は10%以内に収まり、離脱防止にかかったコストは従来の手法(…

Repro代表取締役の平田祐介氏

ニュースサマリ:モバイルアプリ/ウェブのマーケティングツール「Repro」のAI活用が成果を出している。11月末に公表された集英社での事例では、マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」でアプリを利用しなくなる傾向のあるユーザー(以下、離脱ユーザー)を人工知能が予測。離脱前に防止策を打った実証実験について、その成果が公表された。結果として予測の誤差は10%以内に収まり、離脱防止にかかったコストは従来の手法(マニュアル)に比較して85%の削減に成功した。

話題のポイント:アドテクや顧客マネジメントのマーケティングオートメーション(MA)関連の話題は本誌でも度々扱ってますが、実際、どういう効率化があるのかイマイチ分からないものも多く「人工知能だ!」と声高に叫んでも、実は人手が思いっきりかかってた、なんてこともよくある話です。

その点、今回ご紹介するReproの結果は具体的でした。Repro代表取締役の平田祐介さんのお話交え、少し詳しく検証結果について紐解いてみたいと思います。

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今回実施された実験は平たく言えば、アプリを使わなくなる人を人工知能で予想して離脱を防ぐ、というものです。平田さんのお話では、従来こういった作業はマニュアルによるものが多く、「だいたい朝のこの時間にみんなアプリ使うだろうからよしプッシュだ」みたいな十把一絡げな運用が多いそうです。

「少年ジャンプ+」で実施されたのはもうちょっと細かく、アプリの再訪確率が低いユーザーを人工知能で抽出し、そのユーザーに対して特典などをプッシュ通知したそうです。面白かったのは、元々再訪率が高い(よく使っている)ユーザーは特典プッシュされてもウザいだけらしく、逆にプッシュで離脱してしまうのだとか。

repro_manga_001

そもそも離脱するはずのなかったユーザーを戻すための広告費と、無駄撃ちしていた広告をカットすることで、実に85%の広告費削減に成功した、というのはわかりやすい結果ですね。人工知能の精度について平田さんはこのように説明してくれていました。

「MAの基本は誰に対して、何を、いつ、どうやって届けるのか、です。この内、人工知能で解決できるのは「What」以外全部できそうってことが分かってきたんです。特に「Who」については9割方予測可能」(平田氏)。

なお、このプッシュ通知を打つタイミングですが、ここにも人工知能が活躍する可能性があるそうです。これは別の匿名案件の事例として教えてもらったのですが、なんと1to1でプッシュをテストしてみたそうです。

つまり、とあるユーザーは再訪時間が午前2時あたりだろう、ということを人工知能で予測して、そのタイミングでプッシュを打つ、というものです。間違ってたら深夜にビービーアプリ鳴るわけですから極めて迷惑ですよね。具体的な数値は秘密ということでしたが、こちらもすこぶるよい結果が出たそうです。実験協力してくれた企業も知名度高い大手ですのでよくこれにOKを出したなと。

一方、まだまだ難しい面も当然あります。まず、アプリとの相性があります。人工知能には予測に必要な教師データが必要になりますから、類型が他にあれば予測精度も高まります。平田さんのお話では、マンガアプリのようにReproが得意とする類型がある場合だと導入してから数週間ぐらいで予測が可能になるそうですが、全くみたこともない、奇抜なソーシャルネットワークのようなものだとやはり月単位で「慣れる」必要があるという説明でした。

Reproではこれら結果を踏まえ、人工知能による離脱予測を「SmartAudience」としてサービス化も発表しています。現在はベータ版の提供で、ユーザーの行動履歴からアプリへの再訪率を予測し、自動でオーディエンスの分類をしてくれる、というものになるのだそうです。

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エキサイトの代表取締役社長にXTech西條晋一氏が就任——社外取締役にユナイテッド会長の早川与規氏、overflow代表の鈴木裕斗氏を招聘

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本稿は、12月17〜19日に開催される、Infinity Ventures Summit 2018 Winter in Kanazawa  の取材の一部。 今年9月、スタートアップスタジオ運営の XTech(クロステック)が、ポータルサイト大手のエキサイトを TOB(株式公開買い付けによる買収)することを明らかにした。報道によれば、買収に要した資金は約55億円。もともと伊藤忠の子会社だったエキサイ…

左から:早川与規氏、西條晋一氏、鈴木裕斗氏

本稿は、12月17〜19日に開催される、Infinity Ventures Summit 2018 Winter in Kanazawa  の取材の一部。

今年9月、スタートアップスタジオ運営の XTech(クロステック)が、ポータルサイト大手のエキサイトを TOB(株式公開買い付けによる買収)することを明らかにした。報道によれば、買収に要した資金は約55億円。もともと伊藤忠の子会社だったエキサイトを XTech が引き継ぐことで組織の若返りが期待されていたわけだが、それがようやく本格始動した模様だ。

エキサイトは18日、XTech 代表取締役 CEO の西條晋一氏がエキサイトの代表取締役社長に、また、ユナイテッド代表取締役会長の早川与規氏、overflow 代表取締役 CEO の鈴木裕斗氏が社外取締役に就任すると発表した。XTech による TOB は11月末に完了しており、18日に開催される役員総会において、3名の代表取締役および社外取締役就任が決議される予定。

エキサイトが、アメリカ Excite(当時)の子会社として設立されたのが1997年8月、その3ヶ月後には伊藤忠グループ入りが発表された。その後20年以上にわたって大手商社の傘下にあったエキサイトだが、インターネットやモバイルビジネスの進展が日々そのスピードを加速する中で、「外から新しい情報を取り入れるの忘れ、ガラパゴス化してしまっている」と西條氏は語る。西條氏が早川氏や鈴木氏が社外取締役に招いたのには、そんな淀みに刺激を与える意図があるようだ。

西條氏は今回の代表取締役に先立ち、約250人いるエキサイト社員のうちの7割程度に面接を完了しているようだ。ガバナンス重視の経営が続いた影響からか、エンジニア、事業開発、営業といった直接部門より間接部門の方が人数が多くなっているとのことだが、今後、社内で人材配置を適正化するなどして、より足腰の強い組織に変えていくという。

例えば、過去の結果に注力する決算のための経理業務よりも、将来の事業見通しを展望する管理会計に重点を置く。XTech 傘下には、XTech Ventures、イークラウド、クロスマート、エキサイト、地球の歩き方 T&E などが存在するが、これら他の事業会社との協業や人材交流なども考えられるだろう。

THE BRIDGE では、西條氏が代表取締役就任にあたって社員向けに発出したメッセージを入手したので、その全文を掲示しておく。このメッセージからは西條氏がエキサイトで何をしようとしているのか、これからのエキサイトがどのように変貌を届けるのかを伺い知ることができるだろう。

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「Paktor」や「17 Media(17直播)」運営のM17 Entertainment、モバイルゲームの雄Terry Tsang(曽建中)氏らから2,500万米ドルを調達

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本稿は、12月17〜19日に開催される、Infinity Ventures Summit 2018 Winter in Kanazawa  の取材の一部。 シンガポール拠点のデーティングプラットフォーム「Paktor」や台湾のビデオストリーミングプラットフォーム「17 Media(17直播、日本でのサービス名は「イチナナライブ」)」を運営する、ソーシャルエンターテイメントプラットフォーム M17 …

Image credit: M17 Entertainment

本稿は、12月17〜19日に開催される、Infinity Ventures Summit 2018 Winter in Kanazawa  の取材の一部。

シンガポール拠点のデーティングプラットフォーム「Paktor」や台湾のビデオストリーミングプラットフォーム「17 Media(17直播、日本でのサービス名は「イチナナライブ」)」を運営する、ソーシャルエンターテイメントプラットフォーム M17 Entertainment は、香港拠点のモバイルゲームデベロッパ Madhead の CEO Terry Tsang(曽建中)氏がリードしたラウンドで2,500万米ドルを調達したことを明らかにした。このラウンドには、Pavilion Capital や Stonebridge Ventures などの投資家のほか、既存投資家数社も参加した。同社は今後2ヶ月の間に、さらなる追加調達を行う見込みだ。

M17 Entertainment は、新たに調達した資金を使って、ライブストリーマーとユーザ間の対話を改善するための、プラットフォーム拡張に向けた研究開発を行う予定。資金の一部は、アドバイザー専門家、トレーニングカリキュラムなどの提供によりライブストリーマーの成長とリーチの多様化を支援したり、ライブストリーマーの他のショービジネス分野への露出を支援したりするのに使われる。同社は、「ライブストリーマーを発掘し、トレーニングし、プロモーションするシステム手順」を構築するとしている。

M17 Entertainment の共同創業者で CEO の Joseph Phua (潘杰賢)氏は、次のように語っている。

我々は、世界中の視聴者に自分の技能を見せられるステージを提供することで、スターダムへの夢を実現したい個人に力づけたいと考えている。

コンテンツを開発・シームレスに連携することで、ライブエンターテイメントの世界を完全なものにしたい。リソースや特技の強力な礎を築き上げることで、我々はコンテンツクリエイターとユーザ間のさらなる関係性を作り出せるだろう。

同社はプレスリリースで、今年の年間売上が1億8,000万米ドルに届きそうな勢いであると説明しており、日本のライブエンターテイメント市場での好調な業績など肯定的な基調を多く見せている。

M17 Entertainment は現在、台湾、シンガポール、香港、日本、韓国、アメリカ、マレーシアにオフィスを持ち、全世界での従業員数は600人に迫ろうとしている。昨年、Infinity Ventures Partners(IVP)、Vertex、ヤフー、Golden Summit Capital、韓国 VC の KTB Ventures からシリーズ A ラウンドで4,000万米ドルを調達した。

今年6月、同社は資金調達目標を達成することができず、ニューヨーク証券取引所での IPO の試みを保留にした

【via e27】 @E27co

【原文】

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