IVS 2021 Springのピッチコンペティション「LaunchPad」の優勝は、物流ラストワンマイルの非効率を解消する207が獲得 #IVS2021

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本稿は、3月17〜19日に開催される、IVS 2021 Spring  の取材の一部。

19日夕、IVS では恒例となっているスタートアップ・ピッチコンペティション「LaunchPad」が実施され、物流ラストワンマイルの非効率を解消する「TODOCU サポーター」と「スキマ便」を開発する 207 が優勝を獲得した。なお、IVS の終盤には、IVS の主催者である Infinity Ventures が4月第4週に名称が変更されることを示唆する VTR が放映された。

LaunchPad の審査員を務めたのは、

  • 仲暁子氏 ウォンテッドリー 代表取締役 CEO
  • 千葉功太郎氏 千葉道場 ジェネラルパートナー
  • 木村新司氏  Gunosy 代表取締役会長 グループ最高経営責任者
  • 丸尾浩一氏 大和証券 専務取締役
  • 本田謙氏 フリークアウトホールディングス 代表取締役社長
  • 吉田浩一郎氏 クラウドワークス 代表取締役社長CEO
  • 堀新一郎氏  YJ キャピタル 代表取締役社長
  • 高宮慎一氏  Globis Capital Partners 代表パートナー
  • 根岸奈津美氏 STRIVE パートナー
  • 金子剛士氏 East Ventures パートナー
  • Joseph Chan/詹德弘氏 AppWorks/之初創投 パートナー
  • Tina Cheng/成之璇氏 Cheruvic Ventures/心元資本 パートナー

副賞としてファイナリスト全チームに Freee 利用権5万円相当(Freee 提供)、クオリティスモールオフィス「H1O」6ヶ月無料利用権とサテライトオフィス「H1T」オープンスペース無料利用権(野村不動産提供)、AMBI 12ヶ月無料利用権(エン・ジャパン提供)、優勝から3位入賞者に Daiwa Innovation Network 優先登壇権(大和証券提供)が贈られた。

優勝チームに本当にかなう Amazon Wishlist (Amazon Web Service 提供)、5万円分のカタログギフトとプロの社外コンサルタントによるメンタリング受講権(NTT ・ドコモベンチャーズ提供)、採用サービス120万円分(ウォンテッドリー提供)、富士通ゼネラル空気清浄機(富士通提供)、Freee 利用権10万円分(Freee 提供)、楽天ギフトカード10万円分(大和証券提供)、CM 放映料100万円とテレシーアナリティクス50万円分(TELECY 提供)が贈られた。

登壇したのは以下の15社。

【1位】TODOCU サポーター/スキマ便 by 207

物流におけるラストワンマイルの課題を2つのサービスで解決する207。「TODOCU サポーター」は、全国に20万人いる個人事業主の荷物配送員の作業効率化を支援する。あらゆる会社の異なるフォーマットの配送伝票をスキャンするだけで、AI-OCR とオペレータにより自動デジタル化。最適な配送ルート、受取人への事前問合せで在宅時間を確認し、再配達を減らして配達効率を9割改善する。

受取人⇄配達員はチャットでやりとりされるため、配達員が運転中に電話に出られない問題を解決、不在ボックスの有無など配達効率化情報は、配達人を問わず横断して共有するため、サービスが使われれば使われるほど効率向上につながる。こうして得られた知見により、ギグワーカーでも荷物配送ができる「スキマ便」を提供。配送拠点を増やすことで、更なる配送効率の底上げにつなげる。

【2位】QUOREA by efit

efit の「QUOREA」は、さまざまな投資商品の投資を自動化するロボット(自動運用アルゴリズム)を提供するサービスだ。個人投資家は、現在3,000超の選択肢から、自分の投資ポリシーにあった、または成績の良いロボットを選べる。投資商品サービスプロバイダ各社と API 連携で接続し、投資初心者は自分の口座の中で投資活動を自動化できる。

公開されているロボットもまた、ユーザが作成し公開している。過去チャートからパーツを選択し、どの条件で買うか売るかを指示するだけでロボットが出来上がる。ロボットの作成者に対しては、そのロボットを利用したユーザへの助言料の一部が収入となる仕組み。競争原理が働くため、ロボット作成者は互いに成績を競うことになる。ビットコインだけでなく、株式や ETF にも対応する。

【3位】WorldShopping BIZ by ジグザグ

国内 EC サイトには、推定で平均5%海外からのユーザが訪れている。一方、海外からのユーザは、訪問した EC サイトで購入したい商品があっても、名前や住所欄のかな入力ができない、サイトが海外発送に対応していない(または対応していてもオペレーションが複雑)、不正決済防止の観点からサイトが海外発行クレジットカードに対応しておらず購入できない、といった課題に直面する。

ジグザグの「WorldShopping BIZ」 は、既存の国内 EC サイトが JavaScript を1行挿入するだけで、海外からのユーザに対応できるようにするサービスだ。海外からのユーザには画面中にナビゲーションバーが表示され、購入時にはモーダルが立ち上がり買い物ができる。サイトは月額5,000円+初期3万円、ユーザは(商品代金+国内送料)の10%手数料を同社に支払う。物流や貿易事務は同社が代行する。

【4位】Turing Drive by Turing Drive(智慧駕駛)

Turing Drive(智慧駕駛) は、低速特定目的車向けの自動運転システムを開発している。自動運転の開発競争が激しい一般的な乗用車やトラックやバスといった商業車に比べ、低速特定目的車——ゴルフカート、宅配用バイクなど——は、それほどでもない。Turing Drive は、低速特定目的車メーカー向けに、SDK、ソフトウェア、ハードウェア(センサー、レーダー LiDAR など)を提供する。

ワンタイムと月額で料金を徴収するため、メーカーやユーザは自動運転を手軽に導入することができる。これまでに4つの車種の10台に、台湾内の10箇所でシステムを導入。昨年5月から、台北市内では深夜時間帯、専用バスレーンを Turing Drive を搭載した無人バスが走行・人を乗せる試験運転を実施。最大で34人が乗車可能なこのバスには、これまでに累計3,000人が乗車した。

【5位タイ】NEXT Stage ER by TXP Medical

TXP Medical は救急集中治療医が設立したスタートアップで、急性期医療現場の業務フローをデジタル化する病院システム「NEXT Stage ER」を開発している。外来問診、救急車、ドクターカー向けの各種アプリ(音声入力を使用)から情報を取り込み、そこから電子カルテ、救急台帳、紹介状作成などあらゆる医療管理上必要となる作業へ連携が可能となる。

従来、医療現場では電子カルテからレセプト(請求処理)や研究用レジストリを作成していたが、NEXT Stage ER から電子カルテ作成や必要業務への情報連携でき作業が簡素化される。これまでに大学病院11病院を含む全国36病院に導入されている。

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【5位タイ】イヌパシー by ラングレス

ラングレスは、自律神経解析から愛犬のこころを読み解くデバイス「イヌパシー」を開発。犬に装着したハーネス型ウエアラブルデバイスにより心拍を計測し解析、犬の精神状態によって「リラックス(緑)」「興奮(オレンジ)」「ストレス(紫)」「興味津々(白)」「ハッピー(虹)」の5種類の色に、ハーネスのライトを変化させる。

これまでに獣医やトレーナーと協力し200頭以上の犬の心拍を解析、国内で1,500人の飼い主(およびそのペット)がイヌパシーを使っている。精神状態を読み取り人間と犬のコミュニケーションに役立てる以外にも、スマートフォンと連携し犬の健康管理や未病の早期発見にも役立てられる。海外の国立大学や日本の研究機関にも心拍データを提供。小型化で猫にも適用可能にする計画だ。

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入賞しなかったものの、予選を通過し決勝に登壇した残り9社は次の通り。