THE BRIDGE

Takeshi Hirano

Takeshi Hirano

ブロガー。TechCrunch Japan、CNET JAPANなどでテクノロジー系スタートアップの取材を続け、2010年にスタートアップ・デイティング(現THE BRIDGE)を共同創業。1977年生。(株)THE BRIDGE代表取締役

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執筆記事

2年で16万件発行済、クラウドファクタリングのOLTAが“全部タダ”の請求書「INVOY」を投入するワケ

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ニュースサマリ:クラウドファクタリングを提供するOLTAの完全子会社FINUX(フィナックス)は2月18日、クラウド請求書サービス「INVOY(インボイ)」の正式公開を伝えている。INVOYはオンラインで利用できるSaaS型の請求書発行サービス。 商取引に必要な見積や発注書、納品書、請求書などを発行、管理ができる。メール送信のほかに郵送サービスにも対応しており、1通あたり税別147円で利用もできる…

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INVOYの公式キャラクター、ヤギさく

ニュースサマリ:クラウドファクタリングを提供するOLTAの完全子会社FINUX(フィナックス)は2月18日、クラウド請求書サービス「INVOY(インボイ)」の正式公開を伝えている。INVOYはオンラインで利用できるSaaS型の請求書発行サービス。

商取引に必要な見積や発注書、納品書、請求書などを発行、管理ができる。メール送信のほかに郵送サービスにも対応しており、1通あたり税別147円で利用もできる。取引先の管理も可能で、CSVによる一括のアップロードにも対応している。利用は無料。発行額が10億円を超えるようなケースや、月間の発行枚数が5000枚を超える場合の利用料は要相談となっている。

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FINUXはクラウドファクタリングのOLTAが2018年1月に設立した、資本金100万円の戦略的子会社。代表はOLTAと同じく澤岻優紀氏が務める。主なターゲットユーザーはOLTAと同じく中小やフリーランスといった小規模事業者で、2018年2月のβ版公開以降、2年間で4万ユーザーを獲得。累計の請求書発行枚数は16万枚を超えた。

話題のポイント:サービス公開時に100億円の申し込み実績を引っさげて鮮烈なデビューを果たしたOLTAですが、先日の新生銀行との合弁に続いて今度は戦略的子会社の公開です。しかも今日設立ではなく2年もステルスで運営していました。OLTAの創業が2017年4月なのでほぼ同時期です。色々すごい。

<参考記事>

さて、何がどうなってこうなったのか。

取締役の武田修一さんにお話をお聞きしたところ、ことの発端は2017年11月頃。クラウドファクタリングのOLTAについては早々にPMFを感じる結果となり、数字も伸びていることから次の成長戦略を考えよう、ということになったそうです。

そこで候補に上がったのが請求書サービスを自分たちで提供し、そこを利用する方々の資金課題を解決するというシンプルな戦略。ただ、当時はファクタリング自体の認知も古臭く、なによりOLTA自体もステルスです。そこで社名を分けてサービスを作ったのがこのINVOYだった、というわけです。OLTAとは全く別物として運営していたにも関わらず、4万ユーザーが利用するまでに成長させたのはやはりすごい。

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注目したいのはこのサービスの事業モデルです。競合の請求書発行サービスは通常、SaaSモデルで数百円から数千円の月額課金+オプションが多いと思います。一方、INVOYは無料です。武田さんに念のため確認しましたが、ここで少額の課金をする考えはあまりないそうです(一部機能追加のオプションは検討するかも、というお話でしたが)。

そうです、彼らにはクラウドファクタリングの力強い事業があるからです。ここで少額のモデルを積み上げなくとも、請求書を数多くの方に利用してもらい、そこで発生する資金ニーズに応えた方がビジネスになるのです。

これまで両社はステルスで関係性も明示してこなかったため、そういった連携はありませんが、今後、徐々につながっていくというお話でした。

特に嬉しいのはフリーランスの方々ではないでしょうか。月にそこまで発行枚数が多くないパターンであれば、おそらく利用するのはエクセル等でしょう。しかし2023年に施行予定のインボイス制度(適格請求書等保存方式)では、発行する請求書の税率などの要件を満たした上で発行、保存が義務付けられます。当然ですがこの手の管理にはクラウドサービスが有利です。その際、無料で利用できるというのは非常に魅力的ではないでしょうか。

 

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拡大する「AI先生」ーー能力開発センター全77教室が採用、効率化で新講座も

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AI 先生「atama+」を開発するatama plusは2月13日、学習塾を展開するティエラコムが運営する「能力開発センター」への導入を公表している。対象となるのは全77教室で、ティエラコムでは基礎学力習得が効率化されることを見込み、増えた時間で新たに中学生・高校生向けのディスカッション形式の講座も新設する。 ティエラコムが「atama+」の導入を開始したのは2017年冬講座から。試験的な体験受…

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基礎学習の効率化で新たに開設された講座も(同社リリースより)

AI 先生「atama+」を開発するatama plusは2月13日、学習塾を展開するティエラコムが運営する「能力開発センター」への導入を公表している。対象となるのは全77教室で、ティエラコムでは基礎学力習得が効率化されることを見込み、増えた時間で新たに中学生・高校生向けのディスカッション形式の講座も新設する。

ティエラコムが「atama+」の導入を開始したのは2017年冬講座から。試験的な体験受講をスタートさせ、受講生の成績向上や満足度の成果が得られたことから2019年には同社が展開する個別指導「能開個別ホロン」の全教室に導入。ブランドも「能開個別AIホロン」に変更している。今回の全教室導入で、ティエラコムにおける「atama+」の利用者数は(中学・高校生)前年比約4倍に増加する見込み。

ティエラコムでは2018年のセンター試験直前トライアルでatama+を活用した結果、数学1Aを学習した高校3年生(83名)の平均点数が37.3点から51.7点にアップするなどの結果を得ている。また、基礎学力の習得をAI先生に任せることにより、これまでの教師は生徒個々の学習時間や習熟度、進捗を確認しながら学習指導するコーチングにより集中できるようになっている。

効率化によって新たに開設されるディスカッション講座「新国語」では、SDGsなど社会の課題を中学生・高校生のグループで議論し、小論文として発表・添削指導する取り組みも始まる。

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OLTAが新生銀と共同でクラウドファクタリング新会社「anew」設立、地銀の“新ビジネス”創出OEM拡大へ

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ニュースサマリ:一部報道があったとおり、クラウドファクタリングのOLTAと新生銀行は今日、共同事業の開始を公表する。 10時追記:正式に公表されました。 両社が約10億円を出資して合同会社「anew(アニュー)」を設立し、オンライン完結のファクタリング事業を開始するというもの。設立は1月15日でサービス開始は2月10日から。両社の出資比率や代表社員などの詳細は開示していない。 anewが提供するの…

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ニュースサマリ:一部報道があったとおり、クラウドファクタリングのOLTAと新生銀行は今日、共同事業の開始を公表する。

10時追記:正式に公表されました。

両社が約10億円を出資して合同会社「anew(アニュー)」を設立し、オンライン完結のファクタリング事業を開始するというもの。設立は1月15日でサービス開始は2月10日から。両社の出資比率や代表社員などの詳細は開示していない。

anewが提供するのは発生した請求書などの債権を買い取る「ファクタリング」事業。中小事業者の運転資金問題を解決するもので、OLTA自身が提供するサービスよりもより高い価格レンジの数百万円から1000万円ほどの債権買い取りに応じる。

OLTAは独自のAIスコアリングモデルにより、従来、信用担保が難しかった2社間ファクタリングのリスク発生率を激減させ、手数料を2%〜9%程度に抑えたことで一気に拡大した。OLTA単体での累計買い取り実績はサービス開始から1年半で150億円にのぼる。

また、外部事業者との連携も積極化させる予定で、その第一弾としてanewではオービックビジネスコンサルタントが提供する「奉行クラウド」との連携を開始する。

話題のポイント:凄まじい勢いで成長中のクラウドファクタリングOLTA、早くもOEM開始です。実はサービスインの時にこの構想はお聞きしていました。

武田:クラウドファクタリングを金融機関等のパートナー企業にホワイトラベルで提供し、弊社がAIモデルを含む審査やオペレーションを担うことで、パートナー企業の顧客基盤に対して、彼らのブランドで運転資金供給サービスを行うという「新たな金融商品の共同開発」構想です(創業2年で申込100億円超「クラウドファクタリング」の衝撃ーー請求買取のOLTAが25億円調達【創業者インタビュー】

新生銀行は株主なので当初からの計画だったのだと思いますが、まさかその最初の一発目を新会社設立でブチ込んでくるとは思ってませんでした。勢いある。なお、同社に確認しましたが、運営スタイルとしては共同設立したanewに対してOLTAが審査等のオペレーションを業務委託する形式で運営するということでした。

また、経緯からも当然ですがエクスクルーシブではなく、これをきっかけに地銀や他の金融機関とも連携してOEM拡大を目指すそうです。現在協議中の案件もあるということなので、この勢いが全国の地銀に広がるのか、また、新生銀行は以前からスタートアップ支援に積極的でしたが、今回はOLTAの株主としてだけでなく、金融機関としてどういったポジション取りをしてくるのか大変興味深いところです。

あとオービックとの提携も興味深い動きです。彼らは提携戦略を推進しており、これまでにもfreeeやChatworkなど、ターゲットとなる企業が利用するプラットフォームと連携してきました。オービックもその一環で、様々な切り口でチャネルを増やし、そのコアにOLTAの「ファクタリングAIエンジン」を据えることで大きなプラットフォームにしようという構想が見えてきます。

<参考記事>

少しイメージは先走りますが、もしOLTAが今後、APIを公開して各金融機関や関連事業者がこれを叩くだけで審査を完了させるようなことができれば、さらに事業はスケールしそうです。

一方、ファクタリングそのものについては従来から続くトラブルも増えているようでこういった風評被害に彼らがどう対処するのか、という点も注目です。

<参考記事>

また今後の動向についてもお知らせしたいと思います。

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30億調達のRepro、囲い込み時代のLTVを最大化させる「CE戦略」とは

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ニュースサマリ:マーケティングプラットフォーム「Repro」は2月13日、第三者割当増資による資金調達を公表した。調達したのは融資含めて30億円。増資を引き受けたのはYJキャピタルをリードにSBIインベストメント、NTTドコモ・ベンチャーズ、KDDI(KDDI Open Innovation Fund 3号)、DGベンチャーズ、DG Daiwa Ventures、ジャフコの7社。 融資に応じたのは…

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Repro代表取締役の平田祐介氏

ニュースサマリ:マーケティングプラットフォーム「Repro」は2月13日、第三者割当増資による資金調達を公表した。調達したのは融資含めて30億円。増資を引き受けたのはYJキャピタルをリードにSBIインベストメント、NTTドコモ・ベンチャーズ、KDDI(KDDI Open Innovation Fund 3号)、DGベンチャーズ、DG Daiwa Ventures、ジャフコの7社。

融資に応じたのはみずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、商工組合中央金庫。調達ラウンドはシリーズCで、ここまでの累計調達額は約35億円となる。今回評価額や出資比率、払込日程などの詳細は非公開。

2015年にアプリマーケティングのツールとしてデビューしたReproは、その後、2018年にウェブ対応し、現在7300以上のウェブサービス・月次で5000万件のデバイスを分析する総合的なマーケティングツールに成長した。提供する国の数も66カ国に拡大し、2019年からはシンガポール拠点を開設して本格的な海外進出も開始している。

今回調達した資金はグローバルでのマーケティングおよび組織体制に投じ、今後2年で開発を200名体制に強化するほか、シンガポール以外に展開を進める海外拠点(タイ、インドネシア、ベトナム、インド)の人員も増強する。

話題のポイント:国内SaaSの成長株、Reproが大きく踏み込んできました。Repro代表取締役の平田祐介氏は界隈でもストイックな経営スタイルで知られている人物ですが、ここ2期ほどは200名体制ながら堅実経営をしすぎて黒字化してしまったそうです。

一方、早期の黒字化は小さくまとまることに繋がりかねないので「もっと踏み込むために現在は月次で数千万円ほど赤字」(平田氏)の状態で再度走り始めたとのこと。平田さん曰く、一度黒字化を経験しておけば成長の踏み込み具合が分かるのでよい、とのお話でした。

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Reproの利用効果(ウェブサイトから)

さて、Reproと言えばAIとアプリマーケティングです。

<参考記事>

グローバルで5000万件のデバイスから得られたデータは、ある特定分野(上述記事の例ではマンガアプリ)の勝ちパターンを提示し、どのタイミングでどういったユーザーとコミュニケーションすれば効果が最大化するか教えてくれます。Reproはこの効果を月額ツールだけでなく、伴走してくれるコンサルタントとセットで提供するモデルで急成長してきました。

一方、こういった「モバイルマーケティング」の世界観はやはり限定的です。国内を取り尽くしてしまうとあとは海外に広げるだけになります。もちろん東南アジア中心にそこにも戦略を張りますが、もうひとつReproは自分たちの体を大きくする仕掛けを用意してきました。

それがエンゲージメント・マーケティング領域への拡大、です。

Reproが目指す「CE(カスタマー・エンゲージメント)戦略」

今、あらゆる市場でデジタル化が進み、例えばAmazon GOのような動きに代表される通り、顧客の動きはオンラインだけでなく、オフラインについても抱合、可視化されつつあります。

ビジネスモデルも転換があります。一度買って終わりという使い捨てモデルから、サブスクリプションのように家電製品であっても「サービス」として継続的に課金する戦略に移行しつつあるのが今です。また社会全体としても、2030年に掲げられるSDGsのように持続可能な社会を目指す流れはもう不可避となっています。

企業にとって既存顧客への対応はより一層重要なものになる、ここを最大化させる戦略が「エンゲージメント・マーケティング」です。

「これまでの既存顧客対応って何かが故障してコールセンターに掛けるような『プル型』が多いと思います。CEは逆です。予め故障するかもしれないことを膨大なデータから予想し、壊れる前に『交換しますよ』っていうプッシュ型のコミュニケーションを実現する」(平田氏)。

ポイントは取得するデータ領域の拡大とAI活用です。

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ReproのCEプラットフォーム全体像(ウェブサイトから)

具体的には現在、Reproで取り扱ってきたウェブ・モバイルアプリの行動データに加え、新たなチャネルとしてオフライン(店舗POSやIoT機器)を追加することで、顧客の来店やサイト訪問、会員登録などから購入、そして再訪に至るまでのカスタマージャーニーを把握できるプラットフォームに拡大する、というわけです。

「例えば私たちの売上って座布団になっていて、新しい期が始まると7割ほどの売上が確定します。これが既存顧客に対するマネジメント(CRM)のメリットです。一方、これまでの既存顧客マーケティングは、例えばECで買い物すると不要なメールが大量に届くような“お金を払って不快な思いをさせる”非効率がありました。ここを機械学習の力で改善できるのが今です。

まだ実証実験中ですが、とある店舗ではPOSデータと連携し、お得意の顧客が購入したファッションにおすすめのアイテムを紹介するような取り組みも始まっています。新規から既存へのパラダイムシフトを起こしたい」(平田氏)。

囲い込み時代にReproがどのような体験を提供してくれるのか、また具体的な事例が出てきたら共有したいと思います。

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“空気を変えるPR”がスタートアップを躍進させるーー戦略PRの本田氏、ベクトルと新プロジェクト

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ニュースサマリ:戦略PRを手掛ける本田事務所と総合PR会社ベクトルグループ(東証:6058)は2月12日、共同でPR人材データベース事業を開始すると発表した。 名称は「SCALE Powered by PR(以下、SCALE)」。多面的にPR(パブリックリレーションズ)戦略を手掛けることのできる、主にフリーランスや副業の人材を育成し、必要な企業とマッチングするサービスを展開する。3月2日より企業向…

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ニュースサマリ:戦略PRを手掛ける本田事務所と総合PR会社ベクトルグループ(東証:6058)は2月12日、共同でPR人材データベース事業を開始すると発表した。

名称は「SCALE Powered by PR(以下、SCALE)」。多面的にPR(パブリックリレーションズ)戦略を手掛けることのできる、主にフリーランスや副業の人材を育成し、必要な企業とマッチングするサービスを展開する。3月2日より企業向けに登録人材の紹介を開始するほか、登録者向けに育成を手掛けるスクール「SCALE アカデミー」の4月開講も計画している。開始時点でのPRパーソン登録者数は100名程度を予定。

なお、企業側の人材マッチングは成果報酬型になる予定だが、フリーランスや副業などに対応するため、詳しい契約形態(業務委託等)については今後詳細が公開される見通し。現時点での登録には人材、企業共にサイトの専用フォームから問い合わせが必要。スクールについては無償提供する。

話題のポイント:個人的にかなりアツい話題です。

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写真:取材に応じてくれた本田事務所、代表取締役/PRストラテジストの本田哲也氏

戦略PRの本田哲也さんがスタートアップ(と中小企業)向けのPRパーソン育成・マッチング事業を開始されます。役割的には「本田事務所がソフト、ハードはベクトルという分担」(本田氏)ということで、合弁設立とかではなく現状ではあくまでプロジェクトの模様。本田さんについては書籍を読んでいただくのが手っ取り早いですが、“空気の変化”を生み出す、魔法使いみたいなPRパーソンです。

※ちなみに情報開示ですが、ベクトルグループはBRIDGEの運営会社、PR TIMESの主要株主でもあります。が、まあ、私の記事読んでる人であれば分かると思いますが、頼まれて書いてるわけではありません。本当にお伝えしたくて書いています。

さておき、大切なポイントはとにかくこれ、「PRパーソンのモノサシができた」ことです。

スタートアップにPRが必要な理由と課題

スタートアップになぜPRが重要なのか。この点についてはこれまでにも考察を重ねてきました。一言で言うなら「知らない会社には入りたくない」。スタートアップの勝負は「組織・人」に集約されるといって過言でない中、ここの説明コストを効率化すれば相当の利益になる、というシンプルな考え方です。

そこで出てくるのが「広報・PR」という手法です。しかし残念ながらここについては、開発やマーケなどと異なり、あまり言語化・フレームワーク化が進んでいません。私もここ1年近く、勉強会等を通じて数百人規模で経営者やPRパーソンたちと意見交換しましたが、認識のズレは相当あると感じています。

なぜか。広報・PRパーソンのレギュレーションが曖昧だからです。変な話ですが、私が名刺に「PR専門家」と書いてそれっぽい話をすれば、そういう仕事ができてしまうのです。そこで本田さんたちが取り組んだのが「SCALE PR CONPETENCY」、つまりPRパーソンに必要なモノサシを作った、というわけです。

PRパーソンに必要な技術ってなに?

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PRパーソンに求められるコンピテンシー(提供:SCALE)

PR先進国である欧米では、優れたPRパーソンの要件(コンピテンシー:行動特性)が決まっているそうです。日本でも広報人材のスクールや講座はありますが、多くはパブリシティなどの広報技術が中心で、こういったPRパーソンに必要な行動指針のようなものは存在していませんでした。具体的には図にあるマトリックスがそれです。

それぞれの詳細は割愛しますが、特にスタートアップPRに重要なのが「ナラティブ力」です。この件についてはこちらの記事に前後編で書きました。

<参考記事>

スタートアップ経営者における広報PRでよくある勘違いに、メディア露出と話題づくりが役割(テクニック)であって、それ以上でもそれ以下でもない、というものがあります。

違います。PRは明確に経営戦略です。例えばここ2年で成長しているスタートアップのひとつに「AI先生」で躍進したatama plusさんがあります。彼らのカルチャー戦略で重要な技術がまさに「PR」なのです。

<参考記事>

経営戦略上重要なPRパーソンをスコアリング(得意・不得意など)することができれば、企業とのミスマッチも減ります。このあたりについてはもっと書きたいのですが長くなるので、実際にスコアが動き出したときに考察してみたいと思います。

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写真:メルカリPRグループマネージャーの矢嶋聡氏(筆者撮影)

ちなみに「本田塾」とも言える育成スクールの講師陣にもスタートアップ、テクノロジー系ベンチャーにゆかりある顔ぶれが入っています。サイバーエージェントの上村嗣美さんは30名ほどだった同社の企業広報を経営陣といっしょに立ち上げてきた、CA広報の顔的存在です。本誌でも度々話題にするメルカリの矢嶋聡さんは、参加こそ上場前後ですが、同社のPRを組織的な仕組みに変えた立役者のひとりです。

<参考記事>

無償提供ですが、さすがにこれは企業広報やPR会社などで一定の経験を積んだ人たち向けのプロ養成スクールになりそうです(まだ内容がはっきりわかっていないのであくまで印象です)。

チラチラとみえる死角

と、ここまで期待値の高さを書きましたが、もちろん死角がないわけではありません。一番の懸念点は企業側がこの重要性に気がつくかどうか、です。

正直言います。本件自体の説明コストはめちゃ高いです。

くり返しになりますが、スタートアップ(や小さな企業)の広報・PRに対する期待の多くは「露出」です。しかし冒頭に書いたとおり、本来、スタートアップの経営者が目指すべきは「説明コストの削減」であって露出はその手段のひとつでしかありません。

この点について本田さんにお聞きしたところ、地味ではありますが、やはり啓蒙活動の積み重ねが必要との認識でした。ここの空気感を変えられるのか、日本を代表するPRパーソンとPRエージェンシーの力量に期待しています。

また、ビジネスモデルも気になる点があります。

広報PRの仕事は経営企画に近い場所で、特にスタートアップのような成長過程の企業でそこまでチームが大きくなるケースはあまりありません。つまり経験者数の不足は避けられないため、流動性についてはやや気になります。

また、コンサルティングに近い領域ですから、先日上場承認を受けたビザスクのような時間単位での提供モデルがあってもよさそうです。プロジェクト単位での依頼も可能ということですが、この点はスコアによるマッチング精度が鍵になるかな、と。

ということで本件については引き続き、サービスインなどのタイミングで情報(特にPRに関するノウハウ)をお伝えしたいと思います。

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スタートアップの「認知変化」を生むストーリーづくり、その方法(後半)

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続きです。前回はスタートアップにとって認知変化(パーセプションチェンジ)がPR戦略において重要ということをお伝えしました。世の中の雰囲気が自分たちの思い描くビジョンの方に流れてくれれば、あとは用意した新しい体験の勝負に持っていけるからです。 手法としてプロダクトの磨き込み(体験向上)やイベント(ファン育成)、ストーリー(話題づくり)を挙げました。本稿ではちょっと理解しにくい話題づくりについて整理し…

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Photo by Pixabay on Pexels.com

続きです。前回はスタートアップにとって認知変化(パーセプションチェンジ)がPR戦略において重要ということをお伝えしました。世の中の雰囲気が自分たちの思い描くビジョンの方に流れてくれれば、あとは用意した新しい体験の勝負に持っていけるからです。

手法としてプロダクトの磨き込み(体験向上)やイベント(ファン育成)、ストーリー(話題づくり)を挙げました。本稿ではちょっと理解しにくい話題づくりについて整理してみます。

宣伝はもうお腹いっぱい

スタートアップにおけるストーリーとは「社会の認知と目指すべきビジョンのギャップを埋める物語」という定義です。前回の例で言及した「電話でタクシーからスマホでUber」の物語は、決済と行き先を事前に済ませておけば移動という体験がすごく気持ちよくなる、というものでした。

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では、こういった体験を人々にどうやって伝えるのがよいでしょうか。

創業期のメルカリは取材時、サービス自体の説明をしたことはほとんどありませんでした(後発で「フリマアプリ」というキラーワードの開発が終わっていたことも要因です)。それよりも「すぐ売れる」という体験や、「これから世の中、もったいないことはしたくない」という社会の変化を伝えていました。また、ダウンロード数などを積極的に開示することで「みんなが使ってる」という雰囲気を作り出したのも彼らが上手だった点だと思います。

<参考記事>

今、私は取材する側としていろいろなサービスの売り込みをお聞きしますが、多くの場合、自分たちのソリューションを語って、社会とのギャップについて言及されることはあまりありません。あったとしてもすごく長くて難しかったり、世の中のトレンドとズレていたりすることが多いです。

ソリューションが溢れ出した今の時代、ここの言語化が非常に重要になっているのです。

ストーリーをどう作るか

本題です。これまでPOSTで実際に起業家のみなさんと一緒にストーリーを作ってみて気がついたポイントはいくつかあります。

コンテンツとして(1)社会の変化を伝える(2)構造を紐解く(3)違った一面を見せる、あたりが重要です。次に書き方としては(1)140文字に意味を入れる(2)自分で語る(ナラティブ)(3)Why・What・Howを語る。逆に良くないパターンとしては(1)定性的(2)宣伝(3)長い、という特徴が挙げられます。

(1)社会の変化を伝える

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「中国ソーシャルコマースの衝撃ーー「インスタ+Amazon」“RED”(小紅書)攻略法」

特に日本はそうですが、東京都内で一歩外に出ればコンビニがある、異常なまでに便利な社会になっています。ソリューションが溢れ、広告宣伝に晒される中、人々はそれを使う理由を求めていると感じます。

例えば「新宿のたこ焼き屋がFAX発注をデジタル化できたワケ、344兆円市場の“商機”とは」という記事では、もう誰も使ってないと思われてるFAXが未だ現役の業界でその独特の「理由」を実例踏まえて伝えています。変わりたいけど変われない、だから自分たちの存在意義がある、というメッセージです。

「なぜ人はスニーカーに熱狂するのかーートレードする若者、スーツを着なくなった40代」も同様に、話題になっているスニーカーの個人間売買がなぜ成立しているのか、そこにある世代間ギャップをうまく事例として紹介してくれました。

こういったストーリーは引き出しのひとつです。彼らはイベントやメディア露出の機会にソリューションではなく、こういった空気の変化を伝えることができるのでより多くの視点を観衆に与えることができるようになります。

(2)構造を伝える

典型的なHow to記事ですが、ここをしっかりと押さえることでそれぞれの業界のリーダーシップ認知を取ることができます(興味ある方は「ソートリーダーシップ」で検索してみてください)。最近の起業家YouTuberやTwitterランドでオピニオン出してる方の中にもいらっしゃるかもしれません。

「EXITというドラマ、起業家と投資家はどこで衝突するのか」「起業アイデアの見つけ方「3つのパターン」」「創業期に「従業員」は採用しなくていい」などは普段、裏方である投資家の認知を広げるストーリーづくりとして王道の手段です。メジャー媒体での寄稿連載や書籍出版をされる方も多い分野です。

あまりない情報テーマを見つけるのも重要です。例えば「中国ソーシャルコマースの衝撃ーー「インスタ+Amazon」“RED”(小紅書)攻略法」では、日本語どころか英語にもあまり出ていない、ローカル情報を紐解いています。言語に閉じている情報(もちろん日本から英語もありません)は実は狙い目だったりします。

(3)違った一面を見せる

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「atama plusは最初の100人を熱狂させるプロダクトをどうつくった」

ストーリー関連で私がよくお伝えしているアドバイスに「3つぐらいの顔を作る」というものがあります。王道のソリューション、業界のオピニオン、これに加えてもう一つの顔、です。

例えば「VCを卒業して「介護」という課題に挑戦した理由」では、介護サービスにチャレンジする起業家の挑戦過程を伝えていますが、彼は元々、ベンチャーキャピタルで働いていた経歴を持っていたのですね。このストーリーを作るにあたり、当初はその件について触れていなかったのですが、私にとっても意外な一面だったので、ぜひということでエピソードを追加してもらいました。

また教育関連やAIといった文脈で語られることの多いatama plusさんが投稿したPOST「atama plusは最初の100人を熱狂させるプロダクトをどうつくった」では、開発手法を公開することで組織カルチャーの作り方を表現されています。これも違った一面です。

こういった「社内にある無数の情報資産」を社内広聴し、時々のトレンドに合わせて自由自在に出し入れできる広報・PRチームはやはり強いと思わされます。

効率的なコンテンツ制作の手法を整理する

最後にアウトプット方法について少し整理しておきます。アウトプットは私たち日々、コンテンツを作る側の人でも得手不得手があります。特にスタートアップ・ストーリーとして作る場合のポイントとして(1)140文字に意味を入れる(2)自分で語る(ナラティブ)(3)Why・What・Howを語るを記しておきます。

140文字はご存知の通り、Twitterで投稿できる最大の文字数です。特に日本語は情報量が多いので、この文字数でしっかりとした意味を伝える訓練をすれば文章が筋肉質になります。意識したいのが一文一意で、この小さい塊にしっかりとした意味を加え、140文字に整理し、それを積み上げることで2000文字〜3000文字(スマホで読む時の適量)のコンテンツが作りやすくなります。

あとナラティブも最近の傾向として重要です。ソーシャルが発達した結果、嘘のつきづらい世の中になりました。創業者や経営陣が説明責任を負って真摯に語る方が、第三者視点よりも信用される時代に入っていると感じます。最後の(3)Why・What・Howは(1)の一文一意とあわせて大切で、文章に構成を作る時の羅針盤にするとよいです。

これらは各社スタイルがあると思うのでそれぞれの方法を整理しておくと便利です。

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人材紹介「フォースタートアップス」マザーズ上場へ、評価額は約47億円規模

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人材紹介を手掛けるフォースタートアップスは2月6日、東京証券取引所への新規上場申請を実施し承認されたことを発表した。市場区分はマザーズで証券コードは7089。20万株を公募し、60万株を売り出す。なお、オーバーアロットメントは12万株。主幹事は野村証券が務め、上場予定日は2020年3月13日。公募分を含めた総株数は313万4000株。想定公募価格の1520円から算出した評価額は約47億円。 価格の…

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人材紹介を手掛けるフォースタートアップスは2月6日、東京証券取引所への新規上場申請を実施し承認されたことを発表した。市場区分はマザーズで証券コードは7089。20万株を公募し、60万株を売り出す。なお、オーバーアロットメントは12万株。主幹事は野村証券が務め、上場予定日は2020年3月13日。公募分を含めた総株数は313万4000株。想定公募価格の1520円から算出した評価額は約47億円。

価格の仮条件は2020年2月21日に決定し、ブックビルディング期間は2月26日から3月3日を通して実施される。最終的な公開価格決定日は3月4日。同社公開の有価証券届出書によれば、2019年3月期(第3期)の通期売上高は10億4500万円で経常利益は2億7400万円、純利益が1億9200万円。足下の第4期第3四半期の売上高は累計で9億300万円、経常利益が2億4400万円、純利益が1億5900万円となっている。

フォースタートアップスの創業は2016年9月。総合人材事業を手掛けるウィルグループの子会社、セントメディア(現在のウィルオブ・ワーク)で2013年4月に立ち上がった新興企業向けの人材事業部(ネットジンザイバンク)が前身。2016年9月に事業部を会社分割し、株式会社化している。スタートアップ向けの人材紹介、採用支援が主たる事業で第3期の売上の内、人材紹介が9億8800万円、採用支援が5500万円となっている。主要な株主はウィルグループが92%、同社代表取締役の志水雄一郎氏が8%となっている。

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#スタートアップPR で大切な戦略「認知変化」とは何か(前半)

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スタートアップにPRが大切、だけど何から考えればよいか分からない、という方(特に経営者層)が一定数いらっしゃいます。 昨年、BRIDGEではリニューアル時にPOSTというスタートアップのためのストーリー配信のプロジェクトを立ち上げ、パートナー(ジェネシア・ベンチャーズさん、サイバーエージェント・キャピタルさん)の支援先各社と一緒に取り組みを実施してきました。 <参考記事> スタートアップ・ストーリ…

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Photo by Artem Beliaikin on Pexels.com

スタートアップにPRが大切、だけど何から考えればよいか分からない、という方(特に経営者層)が一定数いらっしゃいます。

昨年、BRIDGEではリニューアル時にPOSTというスタートアップのためのストーリー配信のプロジェクトを立ち上げ、パートナー(ジェネシア・ベンチャーズさん、サイバーエージェント・キャピタルさん)の支援先各社と一緒に取り組みを実施してきました。

<参考記事>

本稿ではそこで得られた知見を元に、スタートアップPRで大切な「認知変化」について、その手法のひとつであるストーリーづくりとあわせてみなさんに共有してみたいと思います(前後編)。

世界を変える、とは何か

PR(パブリック・リレーションズ)の基本的な戦略として認知変化を起こし、行動変化につなげる、というものがあります。いわゆる「世界を変える」と表現されるものです。

例えばここ10年で起こった行動変化に「電話でタクシーからスマホでUber」があります。10年前は電話で配車していたのが、今はスマホで来てもらって、行き先も決済も全て完了している、という体験の変化です。特にアジア圏で英語すら通じづらい場所では、行き先まで指定できてさらに現金がいらない、という体験は一度経験すると元に戻れなくなります。

スタートアップというのはこの行動変化を目指している企業、と言い換えることができるかもしれません。一方で、この行動変化にまでつなげることができた企業というのは、スタートアップした企業の数に比較すればそこまで多くありません。なぜか。

ここで大切な考え方に認知変化、というものがあります。

認知変化(パーセプションチェンジ)とは

戦略PRで有名な本田哲也さんの著書にもある図を参考に、スタートアップにおける認知変化の位置付けを示したのが次の図です。

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三角形の一番上、ゴールの行動変化は「スマホでUber」です。こうなれば勝手にユーザーは使ってくれるし、事業会社は向こうから提携の連絡をしてきてくれます。投資家のみなさんは席についた瞬間「あなたのこと知ってますよ」と言ってくれるハズです。

ここに至るにはその手前にある「認知変化」という段階が必要になります。人々(ステージによってコミュニティの大きさは変化します)が認識を変えてくれる、という「空気感」のことです。

前述の戦略PRの本で有名なエピソードとして洗剤のお話が出てきます。従来白く洗い上げるのが価値だったのに、ある日、白くても雑菌があるという調査リリースが話題になった結果、洗剤の価値が「白」から「除菌」に移ったというものです。わかりやすい空気の変化です。

除菌以前の洗剤が「白ければいい」と思われていたのと同じように、電話でタクシー呼んで別に不便じゃないと思っている方は、いつまでたってもスマホでUberを使ってはくれません。この空気を変える話題づくり、これこそが非常に重要なPR戦略になってくるのです。

もちろん広告や営業で認知ギャップをゴリゴリと解消していくのも一つの手かもしれませんが、少ないリソースで戦わなければならないスタートアップにとって、この空気を変える一手が重要かどうかは明白です。

そしてこれこそがPRパーソンやチームの手腕の見せ所になるのです。

スタートアップが社会の認知を変える方法

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ナラティブなストーリーづくりは認知変化に役立つ(起業家によるPOST)

ではどうしたらいいか。

予算が限られている、時間がない、人手が少ない、失敗があまり許されない、、等々の諸条件を抱えるスタートアップが取れる戦略は限られています。

  • 積み上げが効く(小さく刻める)
  • みんなでできる(プロの手を最小限に)
  • 一石二鳥(売上や獲得に貢献する)

これらのポイントを元に手法を整理すると次のようなやり方が出てきます。そんなに多くありません。

  • プロダクト:製品の体験が最高のPRツール
  • イベント:営業から勉強会まであらゆるF2Fのファンづくり
  • ストーリー:自分たちの見え方を変える話題づくり

プロダクトがどうしようもないのにパブリシティ(宣伝)を最大化させても穴の空いたバケツです。一方で、完成されたプロダクトが最初からある例なんてありません。実際、メルカリは最初、出品できてもお金が下ろせないシロモノでした。しかしとにかくすぐに売れる、という体験が気持ちよく、またたく間に広がっていきました。

ファンを取り込む活動が認知を変える上で非常に重要です。私たちのような専業媒体もそうですが、世の中にはマイクロインフルエンサーと呼ばれる人たちが増えてきました。こういった人たちをファンに取り込み、同心円状に認知を変える活動を仕掛けていくと積み上げが効きます。

最後のストーリーづくりですが、これについてはPOSTで実際に投稿してもらった話題を参考に、後半で具体的なコツなどをまとめてみたいと思います。

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スポットコンサル「ビザスク」マザーズ上場へ、評価額は170億円規模

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スポットコンサル「ビザスク」を運営するビザスクは2月3日、東京証券取引所への新規上場申請を実施し承認されたことを発表した。市場区分はマザーズで証券コードは4490。50万株を公募し、234万3200株を売り出す。なお、オーバーアロットメントは42万6400株。主幹事はみずほ証券が務め、上場予定日は2020年3月10日。公募分を含めた総株数は818万5000株。想定公募価格の2100円から算出した評…

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Image Credit : Visasq

スポットコンサル「ビザスク」を運営するビザスクは2月3日、東京証券取引所への新規上場申請を実施し承認されたことを発表した。市場区分はマザーズで証券コードは4490。50万株を公募し、234万3200株を売り出す。なお、オーバーアロットメントは42万6400株。主幹事はみずほ証券が務め、上場予定日は2020年3月10日。公募分を含めた総株数は818万5000株。想定公募価格の2100円から算出した評価額は約170億円。

価格の仮条件は2020年2月19日に決定し、ブックビルディング期間は2月20日から2月27日を通して実施される。最終的な公開価格決定日は2月28日。同社公開の有価証券届出書によれば、2019年2月期(第7期)の通期売上高は6億1400万円で経常利益は2400万円。足下の第8期第3四半期の営業収益は累計で6億9700万円、経常利益が5700万円となっている。

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Image Credit : Visasq

ビザスクの創業は2012年3月(創業時の社名はWalkntalk)。1時間単位で企業がプロフェッショナルな個人に相談できるコンサルティングサービス「ビザスク」シリーズを展開している。依頼を受けた個人は電話やオンラインでコンサルティングを提供し、支払いなどの業務処理をビザスクが仲介する仕組み。業界調査や情報収集などが主な目的として利用されている。

特にビザスク社が積極的に間に入って企業の依頼を分析し、適切なプロフェッショナル(同社ではアドバイザーと表記)を紹介し、コンサルティングの提供を実施する「ビザスクinterview」が全体の8割を占めており、2019年12月時点で4万4000件の依頼実績がある。登録されているアドバイザーの数は500業種、8万6000人。利用クライアント数は2020年第3四半期時点で423社。依頼金額を示す取扱高は同時期累計で11億2100万円となった。なお、主力商品である「ビザスクinterview」の1口座あたりスポットコンサル取扱高(1案件あたりの平均単価)は250万円。

主要な株主は端羽英子氏が筆頭で59.33%、DCMが関連するファンド合計で14.19%、ベンチャーユナイテッドが11.13%、サイバーエージェント・キャピタルが関連するファンド合計で7.22%、DBJキャピタルとみずほキャピタルが2.83%、個人として青柳直樹氏が0.91%、同社取締役CTOを務める花村創史氏が0.78と続く。

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ペットフードD2C「PETOKOTO FOODS」運営が2億円調達、ジェネシアV・GO三浦氏らが出資

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ペット関連事業を展開するシロップは1月29日、ジェネシアベンチャーズ、セレス、コロプラネクスト、個人投資家らを引受先とする第三者割当増資の実施を公表した。新株予約権の発行を含んだ増資で、調達した資金は2億円。個人投資家として氏名を公開しているのはGO代表取締役の三浦崇宏氏。それ以外の出資企業や個人名、出資比率などの詳細は非公開。 シロップの設立は2015年3月。ペット写真の管理アプリからサービスを…

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シロップが提供するPETOKOTO FOODS

ペット関連事業を展開するシロップは1月29日、ジェネシアベンチャーズ、セレス、コロプラネクスト、個人投資家らを引受先とする第三者割当増資の実施を公表した。新株予約権の発行を含んだ増資で、調達した資金は2億円。個人投資家として氏名を公開しているのはGO代表取締役の三浦崇宏氏。それ以外の出資企業や個人名、出資比率などの詳細は非公開。

シロップの設立は2015年3月。ペット写真の管理アプリからサービスを開始し、同年12月にはペットの情報メディア「ペトこと」を公開。翌年には保護犬猫と里親のマッチングサービス「OMUSUBI(お結び)」を開始している。今回の出資で調達した資金は、昨年から開始したドッグフード事業「PETOKOTO FOODS」のサービス拡充に投資される。

ペトことはペットの専門家150名以上が執筆・監修するペットライフメディア。これまでに月間最大で160万人が訪問しており、今後、このサイトから得られるデータを活用したペットフードの定期配送サービスを推進する計画。

同社にはこれまでにサイバーエージェントベンチャーズ、iSGSインベストメントワークス、FFGベンチャービジネスパートナーズ、個人投資家としてエウレカ創業者の西川順氏や獣医師の佐藤貴紀氏らが出資している。今回の増資は前回2017年12月に続くもの。

また、同社の情報発信を協力するパートナーとしてCAT(Chief adoption, TOKUI)に就任していたタレントのチュートリアル徳井義実氏は、昨年に東京国税局から申告漏れを指摘され活動を自粛している。それに伴い、シロップでも同氏との協力コンテンツを削除するなどの対応をしているが、徳井氏との資本関係については「問題となった納税後に出資していることから特に変更はしていない」という説明だった。

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