評価額250億円、逆転の資本政策と「カンム流」スウィングバイ IPO を学ぶ会【4月26日参加者募集】

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イベントサマリー:本誌 BRIDGE は4月26日、三菱 UFJ イノベーション・パートナーズの協力を得て「スウィングバイ IPO(※)」をテーマにした起業家・投資家、金融機関向けの勉強会を開催する。セッションには22年12月、MUFG が250億円の評価額で子会社化したカンム創業者、代表取締役 執行役員 CEO の八巻渉氏が登壇する。また、本件に詳しい三菱 UFJ イノベーション・パートナーズの Chief Investment Officer、佐野尚志氏にもご参加いただく。イベントの参加募集は4月19日まで。応募多数の場合は抽選となる。イベントの参加は無料でこちらから応募が可能。

イベント概要

※セッション前に受付を兼ねてネットワーキングを実施します。ドリンクと軽食もご用意いたします。

  • イベント名:逆転の資本政策と「カンム流」スウィングバイIPOを学ぶ会
  • 主催:株式会社 THE BRIDGE
  • 協力:三菱 UFJ イノベーション・パートナーズ
  • 参加費:無料(応募多数の場合は抽選となります)
  • 開催日:4月26日(開場は18時)19時から20時30分まで
  • 会場:都内 ※参加確定メールにて詳細をご連絡します。
  • 参加方法:こちらからお申し込みください(締め切り:4月19日)

話題のポイント:今、スタートアップの成長戦略で筆者も注目しているのが株式公開を前提とした M&A です。元々は KDDI が2017年に創業わずか3年のスタートアップを200億円規模で買収(当時の発表では過半数取得)し、その後の2021年、事業成長を経て新規株式公開を目指すと宣言したことに始まります。

親会社との喧嘩別れのようなミスリーディングを避けるべく「スウィングバイ IPO」というネーミングで前向きなメッセージを市場に出しつつ、しっかりと事業成長の数字と「KDDI」という安心材料を揃えた結果、ソラコムの評価額は想定価格の365億円を大きく超えて(※4月8日時点の状況)市場に受け入れられることになりました。

カンムでPool事業に取り組んだチームのみなさん(写真提供:カンム)【追記あり】250億円評価でMUFGが買収、カンムとは何者か【報道】

今回、勉強会で登壇してくれるカンムの八巻さんも実は、子会社化当時のインタビューで同様の成長ステップを考えていると筆者の質問に対して次のようにコメントしていました。

ーーMUFGの子会社化を発表した。100%ではなく、八巻さん含めて一部の株主は残ったが今後、どのような経営体制でどういったマイルストーンを目指すのか

八巻:代表は変わらずです。弊社としては IPO を引き続き有力な選択肢だと考えています。事業自体は普通に伸びています。やはり(事業の性質上)親会社がいた方がよいという判断もありました。MUFG グループとしては消費者ローン専業のアコムが子会社として上場しています(筆者註:2023年1月時点で三菱 UFJ フィナンシャル・グループが37.57%の株式を保有)。(MUFG が250億円評価で買収したカンム、その理由【八巻氏インタビュー】2023年1月

今年の年始にも書きましたが、ここ2年、スタートアップの成長についてはかなり厳しい目が向けられるようになっています。特に株式公開時の価格については未公開時のVC評価に乖離が生まれており、グローバル・ブレインの百合本安彦さんが「ユニコーンファクトリー」と呼ぶような、形式的な評価形成に赤信号が点っていたのも事実です。

八巻さんがこうした状況を考えた上でこのディールをまとめたかどうかは定かではありませんが、コマを大きく先に進めたことは間違いありません。今回の勉強会では、スウィングバイ IPO への流れを作った八巻さんと事情に詳しい佐野さんに登壇いただき、子会社化までの流れと次の成長戦略について話せる範囲で語っていただく予定です。

また、カンムが子会社化されたことで明らかになった、やや特殊な資本政策についても直接お聞きします。大部分を資本業務提携したフリークアウト・ホールディングスから段階的に出資を受けた、その背景などはどのようなものだったのか。ぜひ、今後の成長戦略に選択肢を求める起業家のみなさんとその内容を共有できれば幸いです。

参考記事

※スウィングバイ IPO:ソラコムが提唱した新たなIPOの枠組み。スタートアップが大手傘下となったのちに事業成長させた上で再度上場を目指すことを指す。

OGP Image Credit:Pixabay

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