VentureBeat ゲストライター

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執筆記事

Metaの「史上最高」スパコン開発:プライバシーへの取り組み(2)

規模が大きくなりつつある (前回からの続き)Metaは本日公開したブログで、AIスーパーコンピューティングがスケールアップして必要とされていると主張している。というのも、教師付き学習とトランスフォーマーベースのモデルの利点を実現するには、ビジョン、スピーチ、言語、あるいは有害コンテンツの識別のような重要な用途など、さまざまなドメインが必要になるからだ。 MetaのスケールでAIを実現するには、増え…

Image Credit:Introducing Meta’s Next-Gen AI Supercomputer

規模が大きくなりつつある

(前回からの続き)Metaは本日公開したブログで、AIスーパーコンピューティングがスケールアップして必要とされていると主張している。というのも、教師付き学習とトランスフォーマーベースのモデルの利点を実現するには、ビジョン、スピーチ、言語、あるいは有害コンテンツの識別のような重要な用途など、さまざまなドメインが必要になるからだ。

MetaのスケールでAIを実現するには、増え続けるデータを瞬時に分析できる、非常に強力なコンピューティングソリューションが必要になる。MetaのRSCは、AIによって実現される新しい技術や顧客体験につながるスーパーコンピューティングのブレークスルーであるとLee氏は述べている。

「ここでは複数の意味でスケールが重要です。まず、Metaは膨大な量の情報を継続的に処理するため、データ処理の性能と容量に一定のスケールが必要になります。次に、AIプロジェクトは大量のデータに依存しており、より多様で完全なデータセットがより良い結果をもたらします。第三に、これらのインフラはすべて最終的に管理されなければならないため、スペースと電力の効率、および規模に応じた管理の簡素化も重要になってきます。これらの要素は、従来のエンタープライズプロジェクトでも、Metaのスケールで運用する場合でも、それぞれ等しく重要なのです」(Lee氏)。

セキュリティとプライバシーの問題

ここ数年、Metaはプライバシーやデータポリシーに関して何度か反発を受け、2018年には連邦取引委員会(FTC)がFacebookのプライバシー慣行に関する実質的な懸念を調査していると発表している。Metaは、セキュリティとプライバシーの問題に最初から取り組みたいと考えており、プライバシーとセキュリティを念頭に置いてRSCを一から設計することで、RSCのデータを保護するとしている。

Metaはこれにより、同社の研究者がトレーニングの直前まで復号化されない「暗号化されたユーザー生成データ」を使って、安全にモデルをトレーニングできるようになると主張している。

「例えば、RSCは大規模なインターネットから隔離されており、直接のインバウンド・アウトバウンド接続はなく、トラフィックはMetaのプロダクションデータセンターからのみとなります。また、当社のプライバシーとセキュリティの要件を満たすために、当社のストレージシステムからGPUまでのデータパス全体はエンドツーエンドで暗号化されており、これらの要件が常に満たされていることを確認するために必要なツールとプロセスを備えています」(同社ブログより)。

Metaは、データがRSCにインポートされる前に、正しく匿名化されていることを確認するために、プライバシー審査プロセスを経る必要があると説明している。また、AIモデルの学習に使用する前にデータも暗号化し、定期的に復号化キーを削除して古いデータにアクセスできないようにしているとしている。

このスパコンを構築するために、Nvidiaはコンピュート層(そのコンピュートノードとしてのNvidia DGX A100システム)などを提供した。GPUは、Nvidia Quantum 200 Gbps InfiniBand 2-level Closファブリックを介して通信する。Lee氏は、Penguin Computingのハードウェアとソフトウェアの貢献が、Penguin、Nvidia、Pure Storageを結びつける「接着剤」であると述べている。Metaに大規模なスーパーコンピューティング・ソリューションを提供するためには、この3社のパートナーの協力が不可欠だった。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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Metaの「史上最高」スパコン開発:メタバース構築に必要な演算パワー(1)

Meta(旧:Facebook)が10月に発表したメタバースへの取り組みに続き、同社は本日、現在稼働中のAIスーパーコンピューターの中で最速クラスであると主張するAI Research SuperCluster(RSC)を開発したことを発表した。Metaは、これが完全に構築されれば、最速の稼働中のスーパーコンピュータになるとしており、同社は今年半ばまでの完成を目指している。 CEOのマーク・ザッカ…

Image Credit: Los Alamos National Laboratory via photopin cc

Meta(旧:Facebook)が10月に発表したメタバースへの取り組みに続き、同社は本日、現在稼働中のAIスーパーコンピューターの中で最速クラスであると主張するAI Research SuperCluster(RSC)を開発したことを発表した。Metaは、これが完全に構築されれば、最速の稼働中のスーパーコンピュータになるとしており、同社は今年半ばまでの完成を目指している。

CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、同社がメタバースのために構築している体験には、1秒間に数十億回の演算に達する膨大な計算能力が必要だと指摘する。RSCによって、新しいAIモデルは何兆もの例から学習し、何百もの言語を理解することなどが可能になる。

データストレージ企業のPure StorageとチップメーカーのNvidiaは、Facebookが構築したスーパークラスターの一部を担っている。特にNvidiaは「エンジニアのためのメタバース」と銘打ったOmniverse(オムニバース)という製品で、メタバースを支える重要な存在となっている。

完全な展開後、MetaのRSCはNvidia DGX A100システムの最大の顧客になると、Nvidiaは今日のプレスリリースで述べている。

Pure StorageのCTOであるRob Lee氏は、メタバースを動かす技術(AIやAR/VRなど)がより広く適用でき、あらゆる業界で需要があるため、RSCはMeta以外の企業にとっても重要だとメールで回答した。

Lee氏によると、技術的な意思決定者は常に最先端の現場から学びたいと考えており、RSCは世界最大のAIスーパーコンピューターを動かしているコアコンポーネントの素晴らしい検証を提供してくれることになるだろうと語っていた。

「Metaの世界クラスのチームは、Pure Storage製品のパフォーマンス、密度、シンプルさを組み合わせて、パフォーマンスとスケールの限界を押し広げるこの画期的な作業のために作成されたNvidia GPUを動かすことの価値を見いだしました。また、あらゆる規模の企業が、データ、分析、AI戦略の追求方法を前進させる上で、Metaの実践や専門知識、学習から恩恵を受けることができるでしょう」(Lee氏)。

(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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CES 2022: John Deere、自動運転トラクターを年内実用化へ——乗用車技術が通用しない業務特化車分野に強み

John Deere は、今年の CES で4万ポンド(約630万円)の自動運転トラクターを発表、2022年末までに実用化するとしている。 このシステムは、6対のステレオカメラと GPS ガイダンスを使って、チゼルプラウ(土壌を爪でひっかくように耕起する構造)と他の機器を牽引する機能を備えたトラクター「Deere 8R」を動作させる。農家は、スマートフォンのアプリをスワイプするだけでトラクターに作…

Image credit: John Deere

John Deere は、今年の CES で4万ポンド(約630万円)の自動運転トラクターを発表、2022年末までに実用化するとしている。

このシステムは、6対のステレオカメラと GPS ガイダンスを使って、チゼルプラウ(土壌を爪でひっかくように耕起する構造)と他の機器を牽引する機能を備えたトラクター「Deere 8R」を動作させる。農家は、スマートフォンのアプリをスワイプするだけでトラクターに作業させ、その後は、家族と過ごしたり、他の仕事をしたりするために、現場を立ち去ることができる。アプリを使ってトラクターが畑を耕したり他の作業をしたりしている様子をモニターし、ソフトウェアが処理できないような異常があればアラートを受信することができる。トラクターは、作業中に畑の作物の状態、土壌の状態、水分量などのデータを収集することもできる。

Deere & Company の CTO Jahmy J. Hindman 氏は、この発表を農場の生産性向上のための画期的な出来事として祝った。

最近まで農業は、馬力、投入物、農地の広さ、作業、全ての面でより多くすることを常に目指してきた。この10年間は、より少ない手間でより多くのことを行い、より多くの情報に基づいた意思決定を行うための追加のツールを農家に提供することだった。

上の写真。CES で紹介された自動運転トラクターと、John Deere 傘下 Blue River Technology のWilly Pell氏。
Image credit: David Carr

ここ数年、CES では自動運転車が定番となっており、今年も自動運転や運転支援システム用の LiDAR(光検出・測距)センサーなどの部品を提供する出展社がいた。しかし、Deere のトラクターは LiDAR を使用していない。同社の技術者は、自動運転車の世界からハードウェアやソフトウェアをアプリケーションに移植することはできなかった。トラクターは、振動や温度、埃など、自動車とは根本的に異なるコンピューティング環境である。そのため、例えばステレオカメラは Deere 独自の設計になっているという。

Hindman 氏によると、Deere は既製のコンポーネントから始めることができるが、必ず用途に合わせてカスタマイズしなければならないそうだ。例えば、Deere 8R には Nvidia Jetson Xavier GPU が使われているが、従来のコンピュータファンが実用的でない埃っぽい環境でのパッシブ冷却のため、カスタムアセンブリされている。

ソフトウエアの面では、すべて我々が開発したもので、まったく新しいものだ。(Hindman 氏)

農業への AI の応用を模索する立場に立つため、Deere は2017年に3億500万ドルを投じて Blue River Technology を買収した。

Blue River は、Deere の除草剤散布技術「See and Spray」の元になる技術を提供。畑に散布する化学物質の量を約80%削減し、農家のコスト削減とより持続可能な農業の推進に貢献するとしている。また、See and Spray は、ステレオカメラによるコンピュータビジョンをベースに、噴霧器が植物と雑草の上を通過する際に、雑草にのみ薬剤を散布するよう識別している。

Deere のアプリケーションはカスタムメイドだが、ディープニューラルネットワークの一般的なアーキテクチャなど、AI に関するより一般的な技術の進歩を活用していることは確かだ。(Blue River 自動運転および新規事業担当バイスプレジデント Willy Pell 氏)

Deere の子会社となった Blue River の人員は現在約30人だそうだ。

Deere の技術者は、自動運転トラクターのプロジェクトで、試作したトラクターにさまざまなセンサーを搭載し、畑を走らせてデータを記録し、どのセンサーが最も有用な情報を提供するかを調べた。我々は、LiDAR を使うと思っていたので、直感的に分かりにくかったのだが、ステレオカメラにたどり着いた。(Pell 氏)

LiDAR は、前方を走る他の車両との距離や方向、速度などを検出するのに適しているが、広大な農地を進むトラクターにはあまり適していない。

Deere のソフトウエアは、画像を複数のビューに分割することができる。つまり、ライブ画像、深度マップ、画像の各部分を画素ごとに分類し、地面と空、作物と畑に落ちている異物を区別することができるのだ。

トラクターは、圃場を横切る動物を回避するような一般的な事象に対処するようにプログラムされているが、予期せぬ事態に対処するための異常検知システムも搭載している。例えば、学習データにはない物体を検出した場合、停止して農家の判断を仰ぐ。

Deere は、この機械が自律的に、かつ安全に動作するように配慮していることを強調した。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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CES 2022: 仕事に使えるエンタープライズ・メタバースの未来——HMD不要、リアルさ追求には5Gがカギに

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目を凝らせば、CES 2022 の会場のいたるところにメタバースを見ることができるかもしれない。もっとオープンに、もっと批判的な目で見れば、どこにも見えないかもしれないし、少なくともまだ焦点が合っていないかもしれない。 メタバースとは、過去の展示会では 3D ソーシャルワールド、バーチャルリアリティ(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)、あるいは XR(VR、AR、MRのスーパーセット)と表…

Image credit: Mytona

目を凝らせば、CES 2022 の会場のいたるところにメタバースを見ることができるかもしれない。もっとオープンに、もっと批判的な目で見れば、どこにも見えないかもしれないし、少なくともまだ焦点が合っていないかもしれない。

メタバースとは、過去の展示会では 3D ソーシャルワールド、バーチャルリアリティ(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)、あるいは XR(VR、AR、MRのスーパーセット)と表現されていたかもしれない技術に適用する、現在のラベルだ。Facebook が社名を Meta に変更し、Oculus ヘッドセットと連動した 3D ソーシャル環境の構築を会社の大きな方向性として打ち出して以来、メタバースの話題は盛り上がりを見せている。しかし、「Ready Player One」や「Snow Crash」で描かれたような、Web ユーザが Web サイト間を移動するように、ユーザのアバターが 3D 世界を簡単に移動できるネットワークの出現には、まだまだ時間がかかりそうだ。

とはいえ、Web の後継となる 3D は、Facebook/Meta のようなメガベンダーのネットワークに含まれるのではなく、Web3 ブロックチェーン上に構築されるかもしれないという構想など、いくつかのイノベーションが存在するのも事実だ。また、メタバースが VR ヘッドセットのような没入型テクノロジーの進化と関連している限り、CES では、Qualcomm が Microsoft と提携し、ビジネスメタバース「Microsoft Mesh」と連携した軽量 VR/AR ヘッドセットを駆動するプロセッサを発表していることが注目された。

<関連記事>

エンタープライズ・メタバースの統一

ゲーム用のサイロ化した 3D ワールドではなく、統一されたメタバースを作る試みは、まずエンタープライズ・メタバースを作ることから始まるかもしれない。研修や会議などのビジネス用途では、標準化によって企業間の会議がより可能になる。これは、標準的な Zoom 形式のビデオ会議よりも、まるでその場にいるかのようなクオリティをバーチャル会議に付加する方法だと提案者は述べている。

Touchcast は「MCity」を「初のエンタープライズ・メタバース」と呼んでいる(CES では他にもエンタープライズ・メタバース製品がいくつか出展されていた)。Touchcast は今日まで、CES と連動した「Metaverse Summit」をバーチャルと CES 中央広場のテントで両方で開催しており、Accenture、Microsoft、Nvidia、その他のメタバースのパイオニアから20人以上のスピーカーが登壇している。

Touchbase は、Accenture のような企業が、Second Life のような 3D ワールドに熱狂した2000年代から、会社会議のための 3D バーチャルイベントの開催を支援してきた企業の一つだ。MCity の「メタバース・アズ・ア・サービス(Metaverse as a Service)」のコンセプトは、企業が DNS のような .metaverse ドメインを登録して 3D 構造のキャンパスを作り、そこで定期的にイベントを開催できるようにすることだ。3D レンダリング環境は、Microsoft Azure クラウド上で動作する Nvidia GPU を搭載した Epic の Unreal Engine がベースとなっている。また、MCity は、3D レンダリングのポータビリティのために、Nvidia の規格「Omnivese」を採用している。

このメタバース空間のディレクトリはブロックチェーン上でホストされているため、Touchbase のアプリケーションに限定されず、オープンで分散したメタバースのドメインネームシステムに相当する始まりが形成される可能性があると、Touchcast の創設者兼CEO Edo Segal 氏は述べている。

「今、誰もがメタバースについて話しているが、ドメインシステムもマップも永続性もなく、誰もが自分の小さな壁に囲まれた庭のようなメタバースを作ろうとしているのだ。これは、Web3 や分散化によってもたらされる革命に反していると思う。」

VR ヘッドセットは不要?

エンタープライズ・メタバースに必要ないものの1つは、VR ヘッドセットだと Segal 氏は言う。ビジネスへの応用はあるかもしれないが、「それは限定的なユースケースだ」と彼は言う。

VR ヘッドセットを着けて、仕事に行く」という人はいないと思う。馬鹿げた考えだ。

エンタープライズ・メタバースのイベント主催者である Mytaverse の代表者も、同じことを言った。

彼らの顧客が一番やりたくないことは、会議の参加者全員にヘッドセットを注文しなければならないということだ。

どちらの場合も、3D ワールドは、背景を取り除いた話者の顔の Web カメラ映像を表示する代替手段として扱われる。Touchcast の CES Metaverse Summit では、講演者はバーチャル講堂の中でバーチャル演壇の後ろに立っているように描かれていた。標準的な Mytaverse のアバターは、宇宙服を着た人のように見え、ヘルメットの面板の中に人の顔の Web カメラ映像が表示される。

アバターをリアルにしなくても(超リアルでも)、3D 空間では、他のアバターとの近さによってスピーカーの音量を上下させたり、バーチャル会議室や会議スペースを歩き回ることで会話に参加したり離脱したりできるなどの可能性がある。

もちろん、ハードウェアベンダーにとっては、3D ヘッドセットの役割は少し違って見える。HTC Vive のジェネラルマネージャー Dan O’Brien 氏は、実際、その投資と引き換えに、研修や会社の会議のために従業員を出張させずに済むなら、数万台のヘッドセットを注文したいという企業の関心を集めているという。

漫画のようなアバターキャラクターではなく、本当にそこにいるように感じさせるためには、まだ課題がある。よりリアルで人間的なアバターレンダリングを実現するためには、顔の動きや目の動きを追跡する技術に取り組み続けることが本当に重要だ。(O’Brien 氏)

HTC が最近開発した技術として、手首の動きを検出するハンドジェスチャーがある。

5G ネットワークでは、3D シーンのレンダリングというプロセッサ負荷の高い作業を、デバイス自体に組み込むのではなく、ネットワークエッジのサーバーに移すことも可能になりつつあると、O’Brien 氏は述べている。その結果、より軽量で装着感が自然なヘッドセットや AR グラスの開発が可能になるという。

これらの進化は、Web3 のブロックチェーン構想とともに、すべてパイプライン上にある。そして、すべて時間がかかるだろう。(O’Brien 氏)

CES での記者会見の一環として、Qualcomm の Cristiano Amon 氏も、メタバースをより面白く、便利な場所にする要因の1つとして、5G(特にミリ波 5G)を挙げている。つまり、自動車や機械、会議室などの詳細な視覚的・論理的シミュレーションを行い、機械の修理方法をトレーニングしたり、会議室にいる他の人と自然に交流したりすることができるようになるのだ。

物理的な世界とデジタルの世界をつなげば、メタバースの形而上学を形にするための素晴らしいユースケースを実現することができるのだ。(Amon 氏)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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CES 2022: AIが推進するスマートテックのイノベーション(後編)

(前編からの続き) スケールダウン CES では、自動車やロボットが注目を集める一方で、小型のガジェットが展示されることでも知られている。 デバイスメーカーが AI の組み込みについて語るとき、それは通常、そのデバイス上で大きな AI モデルが動作することを期待しているわけではない。しかし、一般的にモデルの学習はクラウド上で行われ、デバイスにインストールされるのは、センサーデータを解釈して動作させ…

前編からの続き)

Image credit: Pixabay

スケールダウン

CES では、自動車やロボットが注目を集める一方で、小型のガジェットが展示されることでも知られている。

デバイスメーカーが AI の組み込みについて語るとき、それは通常、そのデバイス上で大きな AI モデルが動作することを期待しているわけではない。しかし、一般的にモデルの学習はクラウド上で行われ、デバイスにインストールされるのは、センサーデータを解釈して動作させるための、よりコンパクトな推論モデルだ。このように単純化しても、デバイスのサイズ、消費電力、処理の制約の中でソフトウェアを最適化することは、非常に困難なことだ。

例えば、OrCam の視覚障害者支援技術は、マジック、あるいは眼鏡につけるクリップオンカメラ程度の規格になっている。そのため、研究開発担当バイスプレジデントの Oren Tadmor 氏は、Nvidia などの AI プロセッサを尊重しながらも、「彼らのものは、我々のデバイスに搭載することを夢見るようなコンピュータではない」と述べている。その代わり、同社は映像処理に特化したチップセットとの連携に注力する。

同時に、OrCam はコンピュータビジョンに適用されるディープラーニングの最先端技術の大きな進歩を利用することができ、顔認識などの問題をより簡単に解決できるようになった(Tamdor氏)

OrCam はイスラエルの企業で、共同創業者の Amnon Shashua 氏と Ziv Aviram 氏は、衝突回避と自動運転車技術のためのコンピュータビジョンでリーダー的存在である Mobileye の創業者でもある。

コンピュータビジョンでは、人間ができることは何でも、あるいはほとんど何でもできる。そして、ユーザが使える機能は何か、それを見つけることが重要なのだ。(Tamdor氏)

ソフトウェア最適化 vs. ハードウェア最適化

ハードウェア固有の最適化が必要な場合もあるが、ソフトウェアツールメーカーが、デバイスのプログラマビリティをより標準化したアプローチを推進することを止めることはない。Deeplite の共同創業者兼最高製品責任者の Davis Sawyer 氏は、次のように述べている。

私は、この2種類の最適化の相互作用が、エキサイティングなことの1つだと考えている。この2つが出会うことで、どちらか一方だけよりも400~500%向上することができるのだ。

CES で Deeplite は、Pytorch をベースとした効率的な深層学習モデルを作成するためのソフトウェア開発キット「Deeplite Runtime」を、特にコンピュータビジョン向けに発表した。同社の従来製品「Deeplite Neutrino」は GPU や他の種類のプロセッサに対応していたが、新しい Deeplite Runtime は、特にスマートデバイスで最も普及している ARM プロセッサ上で動作するアプリケーションをコンパイルするためのものだ。

ARM CPU のようなものが普及していること、開発者が慣れ親しんでいること、さらにバッテリ駆動のデバイスのための低消費電力プロファイルを考えると、そこに多くの機会が生まれると思う。(Sawyer 氏)

音声コマンドシステムに特化したデバイスソフトウェア企業である Fluent.ai は、「可能な限りハードウェアに依存しない」ことを目指していると、CEO の Probal Lala 氏は述べている。しかし、一部のハードウェアパートナーは、他のパートナーよりも協力しやすいことが分かっている。CES では、Fluent.ai がオーディオ技術の専門家 Knowles との提携を発表し、音声制御イヤホンの共同デモを行う予定だ。

Knowles のオーディオ・センシング・ソリューション戦略マーケティング・ディレクタ Raj Senguttuvan 氏は、次のように述べている。

Knowles にとって、Fluent.ai のソフトウェアは、クラウドサービスやそれにアクセスするために必要な電力やネットワーク容量に依存することなく、効率的に動作することが魅力だ。これにより、エンターテイメントやビジネスアプリケーションの可能性が大きく広がる。

Fluent の主な最適化は、音声をテキストに翻訳し、そのテキストに対してさらなる処理を行うという、一般的な音声アプリケーションのパターンをショートカットしていることだ。その代わりに、音声データを直接操作してパターンマッチングを行う。

スマートな技術革新には、想像力を加えるだけでいい

AI をはじめとするベーステクノロジーの多様化は、ビジネスチャンスにつながるはずだ。

車載用ダッシュボードカメラのメーカー NextBase のチーフセールス&マーケティングオフィサー Richard Browning 氏は次のように述べている。

エンドユーザにとって、技術がどのように生活を向上させるのか、そんな少しの想像力を働かさなかったら、技術に意味は無い、と私は信じている。

NextBase にとってそれは、ダッシュボードカメラが単に事故映像を保険会社と共有するためのモバイルセキュリティカメラにとどまらないことを再認識することを意味する。まぶしい日差しから雨の日差しまで、さまざまな条件下で良好な映像を生成するという課題だけでも、十分に困難であり、AI による画像処理能力が必要だと Browning 氏は述べている。今回の CES で発表され、9月の出荷に向けて準備中の製品「NextBase IQ」は、その能力をさらに高め、運転支援(他のドライバーが悪さをしたときに認識)や空間認識(事故を予期してより完全に記録できる)も提供する。

車内側カメラの追加により、居眠りや注意散漫のドライバーを検知して警告するだけでなく、あおり運転や道路上での停車強要など、正面カメラでは撮影できない証拠映像も撮影できるようになった。音声コマンドでデバイスを「目撃者」モードに切り替えると、警官が車に近づいてきて免許証と保険を要求されたときのあなたの行動を正確に記録することができる。

目撃者モードでは、音声コマンドや事故が発生したことをセンサーが検知した場合に、映像がクラウドアカウントに転送され、後で確認することができる。以前のバージョンの NextBase の製品では、ドライバーが手動で携帯電話にビデオデータをダウンロードする必要があった。

これらの機能をはじめとして、NextBASE IQ は従来のダッシュボードカメラというカテゴリーをほぼ脱却しているのだ。

しかし、「スマート・ダッシュボードカメラ」以外の呼び方が見つからないのだと、Browning 氏は言う。

人々は今日、「スマート」という言葉の持つ意味を理解していいる。スマートホーム、スマートセキュリティ、スマートヘルスなど。どれもネットワークに接続され、インテリジェントな製品だ。

これらは、CES 2022 が取り扱う大きな話題となるだろう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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CES 2022: AIが推進するスマートテックのイノベーション(前編)

新型コロナウイルスの感染者急増に伴い、大企業が CES 2022 から撤退するという話はよく聞くが、この家電見本市は、ロボット、自動運転車、スマートガジェット、そしてそれらの発明家にとって、依然として重要な場所であり、実用的な機械知能を消費財に組み込むために何が必要かを見極める機会となっている。 VentureBeat が事前説明会で聞いたイノベーションの一部を紹介する。 自動車内のデータ統合を改…

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新型コロナウイルスの感染者急増に伴い、大企業が CES 2022 から撤退するという話はよく聞くが、この家電見本市は、ロボット、自動運転車、スマートガジェット、そしてそれらの発明家にとって、依然として重要な場所であり、実用的な機械知能を消費財に組み込むために何が必要かを見極める機会となっている。

VentureBeat が事前説明会で聞いたイノベーションの一部を紹介する。

  • 自動車内のデータ統合を改善し、コンピューティング能力を統合する取り組み(Sonatus)、自動車コンピューティングのための共通のオペレーティングシステムまたはフレームワークを確立する取り組み(Apex.ai)。
  • 最先端の AI を排除し、決定論的なプログラムと車両が動作する場所の現実的な制約を採用したソフトウェアを搭載した、既存の車両用の自動運転レトロフィットキット(Perrone Robotics)。
  • 空港内や路上で使用する食品・小売店向け配送ロボット(Ottonomy)。
  • 運転手が居眠りをしていたり、道路を見ていなかったりすると警告を発する、自動車やトラック用のスマートな運転席カメラ。産業車両向け(SmartWitness)、消費者向け安全装置(Xperi)、あるいは強化ダッシュカム(NextBase)のいずれかとして、ロードレイジ事件や警察の強引な路上停車を記録できることが付加価値となる。
  • 電力に制限のある小型デバイスでディープニューラルネットワーク AI モデルを実行するためのソフトウェアフレームワーク(Deeplite)。
  • 音声 AI の専門家であるFluent.aiKnowles Corp. のオーディオ技術の専門家とのパートナーシップによる、小型で低消費電力のデバイス向けの音声コマンドアプリケーション。
  • 視覚障害者のためのコンパクトなデバイスに組み込まれたコンピュータビジョンは、一目で全ページのテキストを読み、そこから意味を抽出することができる。また、パーティーでリスナーが話している相手の唇を読むなどして、どの音を増幅すべきかを視覚的に判断する補聴器(OrCam)などもある。

OrCam と Sonatus は、ラスベガスへの出張や CES での製品発表を予定していない企業のひとつであり、VentureBeat が事前に取材した他のベンダーも、このイベントに参加しない可能性があるという。Microsoft、Google、Intel、Amazon、T-Mobile などの大企業がここ数週間で撤退している。拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、そしてメタバースは、Meta(旧 Facebook)抜きで進めなければならない話題だろう。自動車技術はこのイベントの大きなテーマだが、General Motors、BMW、Mercedes-Benz はドライブしないことを決めた(GM のオールデジタルプレゼンスでは、5日に CEO のMary Barra 氏によるビデオ基調講演が行われることになっている)。一方、Perrone Robotics のように、すでに車両を出荷し、テストコースを設置した企業もあり、彼らのコミットメントがうかがえる。

それでも、このイベントを主催する Consumer Technology Association(CTA、全米家電協会)は、ショーは続けなければならないと判断したのだ。大企業のドラマにもかかわらず、CES での展示とネットワーキングは、「展示の構築に投資を行い、ビジネス、インスピレーション、そして未来を CES に託している何千もの中小企業、起業家、革新者」にとっての機会であり続ける、と CTA の CEO Gary Shapiro 氏は Las Vegas Review-Journal の論説に寄稿している。

AI の進歩を促進する

CES の出展者たちは、VentureBeat にセクシャルウェルネス製品などあらゆるものを売りんだが、VentureBeat は読者が学べるデータと AI の用途に関連する説明を求めた。特に、コンシューマ機器メーカーは、ソフトウェアやデータの更新をクラウドに依存することなく、スマートデバイスの賢さを機器自体に常駐させて活用したいと考える傾向にある。そのため、エッジコンピューティングのパイオニアとして研究する価値がある。

エンタープライズテクノロジーはコンシューマーテクノロジーの世界から学ばなければならないかもしれないが、その逆もまた真なりである。例えば、Sonatus の CEO 兼創業者の Jeffrey Chou 氏は、自動車のコンピュータシステムを改善する方法の1つは、企業のデータセンターのモデルから学ぶことであると述べている。つまり、多くの小さなコンピュータ(自動車用語では ECU)上で動作するサイロ化したソフトウェアを単純化し、Sonatus が提供するミドルウェアで結びつける必要があるのだ。この連携は、自動車の安全システムのリアルタイム性能を維持し、自動車のサイバーセキュリティなどの新しい懸念に対処しながら行う必要がある。

短期的な解決策はない。長期的な解決策は、ソフトウェアを正しく運用することだ。(Chou 氏)

Apex.ai は、自動運転やその他のスマートビークル技術のためのソフトウェア基盤の改善について、やや似たような話をしている。同社の場合、オープンソースの Robotics Operating System(ROS、プログラミングフレームワークと考えられている)の一連の拡張と最適化が行われた。

自動車業界で ROS をプロトタイピングに使わない会社はない。当社の製品は、成功したプロトタイプを製品化するのに役立っている。(CEO の Jan Becker 氏)

Becker 氏によれば、自動車用プロセッサの統合は、より洗練されたソフトウェアへの道を開くものであるとのことだ。

現在見られる傾向として、Tesla が2年前に導入し、他のすべての企業が今後3年のうちに導入することが予想される、より強力な中央コンピュータが、ドライバーシステム用のインフォテインメントやゲートウェイ、さらには ESP やアンチロックブレーキなどの車両安全機能用にも搭載されるかもしれない。(Becker 氏)

一方、Becker 氏は、自動運転車の愛好家たちが、ロボットタクシーが街を走り回る日が近いと予言し始めてから、もう何年も経っていると指摘する。

実は、この問題は本当に難しいんだ。この2、3年で、我々の業界は、どのアプリケーションが商業的に合理的であるかをよりよく理解するようになった。(Becker 氏)

例えば、どこにでも行けることが必要な乗用車において、完全な自動運転が利用可能になり、価格も手頃になるずっと前に、よく知られた有益なルートをナビゲートする商用車では実用化される可能性があるのだ。

Perrone Robotics は、そのアプローチを貨物ヤードをナビゲートしたり、都市部やキャンパスのバス路線を循環する自動運転の商用車に適用している。Perrone は、GreenPower Motor などの電気自動車メーカーと提携しているが、従来の自動車のペダル、トランスミッション、ハンドルに取り付けて、既知のルートを低速で自動運転させるための後付けキットも販売している。

自動運転への道のりは非常に長い。私の関心は、今何ができるかを考えることだ。(Perrone Robotics の CEO Paul Perrone 氏)

実際、彼は逆張りで、最先端の AI アプリケーションを追いかけるよりも、「決定論的ソフトウェア」に傾倒しているのだそうで、そのロジックは自動車の運転に安全であると証明することが容易なのだそうだ。

目的地に着くまで、確率的な学習システムで訓練することはできない。(Perrone 氏)

一方、 Ottobot は、LiDAR 距離計などの自動車のイノベーションを生かして、配送ロボットに採用しており、2020年12月からクリーブランド国際空港のコンコースをナビゲートしている。また、Ottobot は最近、レストランテック企業 Presto と提携し、より少ない労働力で注文した料理のカウンターや駐車場へのデリバリを行うことを発表している。

Ottobot は、自動運転車の技術を活用する一方で、自動車と同様に GPS ナビゲーションに依存しているため、他の多くの配達ボットができない場所に行くことができるように、他の方向でもイノベーションを起こした。例えば、空港で働くために、Ottobot は間取り図のソフトウェア・シミュレーションを作成する。

デジタルツインを作成し、その中でナビゲートするんだ。(Ottobot CEO の Ritukar Vijay 氏)

人ごみの中を進んだり、ガラスの障壁を見たりするためには、センサーの配置も変える必要がある。

後編に続く)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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企業向けAI翻訳のUnbabel、言語サービスプロバイダのLingo24を買収

カリフォルニア州サンフランシスコを拠点とし、企業が多言語カスタマーサービスを提供できるよう AI を活用した翻訳を提供するスタートアップ Unbabel は16日、スコットランド・エジンバラに本社を置くランゲージサービスプロバイダ(LSP)Lingo24 を買収したと発表した。買収の条件は未公表のままだ。 2013年に設立された Unbabel は、主要な CX/CRM プラットフォームと連携する…

Image Credit: mohamed Hassan from Pixabay

カリフォルニア州サンフランシスコを拠点とし、企業が多言語カスタマーサービスを提供できるよう AI を活用した翻訳を提供するスタートアップ Unbabel は16日、スコットランド・エジンバラに本社を置くランゲージサービスプロバイダ(LSP)Lingo24 を買収したと発表した。買収の条件は未公表のままだ。

2013年に設立された Unbabel は、主要な CX/CRM プラットフォームと連携する言語運用プラットフォームを提供し、機械翻訳と人力翻訳のレイヤーを組み合わせて、メールなどのデジタルサポートチャネルで多言語カスタマーサービスを提供する。

同社の説明によると、同社のソリューションを利用したエージェントがチケットのリクエストに返信すると、その返信は自動的に Unbabel に中継され、同社のシステムがデータを匿名化し、返信文をAIを使って元のメッセージの言語に翻訳する。その後、翻訳された文章は、ネイティブスピーカーの編集者コミュニティに転送され、編集者は文章をチェックし、共感、文脈、意味、文化的ニュアンスなどを考慮して翻訳を修正し、クライアントとその顧客に返送する。

このプロセスは数分しかかからず、グローバルに展開する企業にとって、顧客対応を比較的簡単にすることができる。Unbabel は、すでに Booking.com、Soundcloud、EasyJet、Logitech、Panasonic などの大手企業を同社のソリューションで取り込んでいると主張している。

Lingo24 が Unbabel のAI 翻訳サービスを拡張

Unbabel は、コンテンツの公開を最大65%高速化し、Patagonia、Schneider Electric、Eventbrite、UPS、Virgin Pulseなど、120以上の言語で顧客にサービスを提供する500社以上と連携しているという。

VentureBeat の取材に対し、Unbabel の共同創業者兼 CEO Vasco Pedro 氏は次のように語っている。

Lingo24 は Unbabel の成長を加速させる理想的なパートナーだ。Lingo24 の強力な企業顧客関係、素晴らしい才能、ローカリゼーション、翻訳、マーケティングにおける深い専門知識を持っている。我々のソリューションは、マーケティングや顧客サービスチャネルにおいて、一貫した高品質の多言語体験を提供し、企業の国際的な成長を加速させることだろう。

Unbabel は、カスタマーサポートだけでなく、マーケティング部門やチャネルにまたがる多言語コンテンツの自動化を可能にする。

Lingo24 のソリューションは、短期的には Unbabel のプラットフォームから独立した存在となる。しかし、長期的には統一されたサービスを提供する。この買収は、世界の翻訳レイヤーを構築するというUnbabel のビジョンを達成するための次のステップであり、Language Operations プラットフォームを通じて統一言語戦略を可能にする新しいクラスのテクノロジーとプロセスで企業を支援する。(Pedro 氏)

急増するローカライゼーションの需要

今回の買収は、世界中でますます多くのビジネスが拡大し、コンテンツのローカライズに対する需要が高まっていることを背景にしている。実際、Unbabel のグローバル多言語 CX 調査によると、世界の消費者の71%が、「ブランドが自分の母国語で製品・サービスを宣伝・サポートすることが非常に重要である」と考えているとのことだ。同様に、Gartner Digital Market の「ビジネス戦略に対する、新型コロナウイルスの影響調査(2021年)」でも、62%のバイヤーがソフトウェアベンダーのコミュニケーション、Web サイト、ランディングページを母国語で提供することは「中程度ないし非常に重要」であると考えていることが明らかにされている。

その結果、Unbabel の別のレポートでは、グローバルな意思決定者の62%が、昨年に翻訳への取り組みが増加したことに同意し、59%が、組織が来年に翻訳やローカライズの予算を増やす予定であると回答している。

AI 翻訳の分野では、他に Google、Microsoft、Amazon、IBM、Yandex などが活躍している。しかし、G2スコアによると、Unbabel の提供するサービスは、IBM と AWS を上回るハイパフォーマーカテゴリに位置しているが、Microsoft Translator、Google Translate、Yandex Translate の後塵を拝している。Crunchbase のデータによると、Unbabel は7回の資金調達ラウンドで9,100万米ドル以上を調達している

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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ブロックチェーン分析のNansen、7,500万米ドルをシリーズB調達——投資家や金融機関に実用的な洞察を提供

シンガポールに拠点を置き、オンチェーンデータ、ウォレットラベル、ブロックチェーンエンティティを分析するブロックチェーンプラットフォーム「Nansen」は、7,500万米ドルを調達したと発表した。Nansen は、オンチェーンデータと1億以上のブロックチェーンウォレットの活動に関する独自のデータベースを組み合わせ、拡大するブロックチェーンエコシステムについて、投資家や金融機関にリアルタイムで実用的な…

Image credit: Nansen

シンガポールに拠点を置き、オンチェーンデータ、ウォレットラベル、ブロックチェーンエンティティを分析するブロックチェーンプラットフォーム「Nansen」は、7,500万米ドルを調達したと発表した。Nansen は、オンチェーンデータと1億以上のブロックチェーンウォレットの活動に関する独自のデータベースを組み合わせ、拡大するブロックチェーンエコシステムについて、投資家や金融機関にリアルタイムで実用的な洞察を提供するという。

この発表は、16日のプレスリリースで行われた。今回の資金調達ラウンドは Nansen がシリーズ A ラウンドで1,200万米ドルを調達してからわずか6カ月後に行われた。今回の資金調達は Accel がリードし、GIC、 Andreessen Horowitz(a16z)、Tiger Global、SCB 10X、その他の有力投資家が参加した。

オンチェーンデータの「実用的な分析」

Nansen では、投資家や金融機関がプロジェクトの発掘、デューデリジェンス、取引において、より多くの情報に基づいた意思決定を行えるよう、質の高いマーケットインテリジェンスとアクショナブルな分析を用いているという。同社は、その分析技術により、投資家のお金の流れや為替活動に関する複雑なオンチェーンデータを容易に探索でき、ユーザフレンドリーで合理的なビジュアルダッシュボードを通じて DeFi(分散型金融)、NFT(非代替トークン)、DAO(分散自律型組織)の新しいトレンドを分析できると主張している。

Ethereum、Polygon、Binance Smart Chain(BSC)、Fantom、Avalanche、Celo などの主要ブロックチェーン上の数十億のオンチェーンデータポイント、数百万のウォレットラベル、数千のエンティティを分析するとしている。

新しいプロダクトラインの導入

Nansen の共同創業者兼 CEO Alex Svanevik 氏は、VentureBeat のメールインタビューに対し、「Nansen API」や「Nansen Query」といった新しいプロダクトラインを導入し、機関投資家の顧客が Nansen のオンチェーンデータにプログラム的にアクセスできるようにする予定だと語った。Svanevik 氏は、対応するブロックチェーンを追加し、革新的な新しい製品機能を導入することで、プラットフォームの拡張を続けていくと付け加えた。Svanevik 氏によると、プロトコルチームは、Nansen エコシステムの提供を通じて、オンチェーン製品の分析を公開し、アクセスすることができるようになるとのことだ。

我々は、国際的な拡大を加速し、より広いブロックチェーンエコシステムをサポートするためにデータ機能を拡張し、最新の仮想通貨の傾向を探り、より多くの情報に基づいた意思決定を行うための世界クラスの製品を世界の投資家に提供し、成長の新しい段階に入る準備ができている。(Svanevik 氏)

Svanevik 氏は、Nansen が今回の追加資金を利用して、製品、エンジニアリング、オペレーション、ファイナンス、セールス、マーケティングなどの分野で人材を採用し、同社は現在、戦略的かつ補完的な買収を行える状態にあると付け加えた。Svanevik 氏によると、今回の資金調達は、プラットフォームの機能とマルチチェーン統合をグローバル規模で拡大することにも役立つという。

同社は、データサイエンスの専門家 Svanevik 氏、ブロックチェーンデータ処理の専門家 Lars Krogvig 氏、大規模データ処理の専門家 Evgeny Medvedev 氏によって2020年に設立された。同社は創業以来、ユーザ数を400%以上伸ばし、28カ国で55人以上の新チームメンバーを雇用してチームを拡大したとしている。

Accel のパートナーであるA ndrei Brasoveanu 氏は、NFT や DeFi といった新しい分野への関心が高まるなど、仮想通貨業界はこの1年で爆発的な成長を遂げたと述べている。

この分野の取引情報は、さまざまなプロジェクト、取引所、チェーンにまたがって極めて断片的であるため、 Nansen が投資家にとって仮想通貨に関する洞察とデータのための主要プラットフォームとなり、信頼できる単一の真実の源を提供する大きな機会がある。Alex、Evgeny、Lars のデータと仮想通貨の両方における深い経験、世界クラスの製品、設立以来の素晴らしい牽引力は、今後のエキサイティングな旅に向けて Nansen を準備可能な状態にする。(Svanevik 氏)

Nansen は現在70人以上の従業員を擁し、今後6ヶ月でその数を倍増させる予定だ。同社はこれまでに総額8,820万米ドルを調達している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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WhatsAppとSalesforceを連携、イスラエル発のチャットセールス「Whatslly」が1,100万米ドルをシード調達

イスラエルのテルアビブを拠点とし、顧客との対話に対応したエンタープライズレベルの会話型販売ソリューションを提供するWhatslly は23日、1,100万米ドルを調達したと発表した。 Whatsllyは、企業が顧客とのインタラクションを追跡し、適切なタイミングでインサイトを表面化させることを目的とした、ノーコードのプラグアンドプレイ・ソリューションを提供している。このソリューションは、企業が Wh…

Whatslly 共同創業者の Deborah Palacios Wanzo 氏と Yanir Calisar 氏
Photo credit: Cristiano Pinheiro Soares

イスラエルのテルアビブを拠点とし、顧客との対話に対応したエンタープライズレベルの会話型販売ソリューションを提供するWhatslly は23日、1,100万米ドルを調達したと発表した。

Whatsllyは、企業が顧客とのインタラクションを追跡し、適切なタイミングでインサイトを表面化させることを目的とした、ノーコードのプラグアンドプレイ・ソリューションを提供している。このソリューションは、企業が WhatsApp のようなインスタントメッセージング製品や D2C チャネルなどと接続できるように設計されている。

インスタントメッセージングが急速に普及し、WhatsApp を介した顧客とのやりとりが増えている中、企業は顧客とのやりとりの大部分が CRM システムの届かないところで発生するのを防ぎたいと考えている。CRM システム外でのやりとりが増えると、営業担当者は取引を成立させることに集中できず、CRM システムに手動で情報を入力しなければならない。

Whatslly は、AI に支えられたデータ処理機能によってこの問題を解決し、より効果的でエンタープライズに準拠したパーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスを実現するとしている。

AI による DX の実現

Whatslly の共同創業者兼 CEO Yanir Calisar 氏によると、Whatslly には直接の競合他社はなく、エンタープライズグレードの会話型営業ソリューションを市場に投入した最初の企業だという。

YaloChat、TakeBlip、Twilio、LivePerson などのオムニチャネルチャットボットソリューションは、カスタマーサービスに使われているが、毎日何千人もの消費者が会社に問い合わせ、同じ質問に対応する場合がほとんどだ。その点では、Whatslly の競合にはならない。(Calisar 氏)

業界における同社の差別化について、Calisar 氏がVentureBeatにメールで語ったところによると、チャットボットソリューションは WhatsApp を介して消費者にサービスを提供し、コールセンターの負荷軽減に貢献しているが、Whatsly は営業担当者が顧客とチャットをする際にすでに使用している個人用またはビジネス用の WhatsApp をカバーしている点が異なるという。

Whatslly は、Gong.ioOutreachSalesLoft といった AI を使った会話型営業プラットフォームと競合する。これらのプラットフォームは営業プロセスのオペレーション部分のみをカバーしているため、Whatslly を使えば、企業はチームの生産性を高め、ビデオ、Web チャット、電子メール、電話などの従来の顧客チャネルを可視化することができるとしている。

今日、お客様は自分の好きなインスタントメッセージングチャネルでベンダーの担当者とやりとりできることを期待しており、ベンダーが追跡・分析しやすいものを使わなければならないわけではない。WhatsApp は最も人気のあるインスタントメッセージングチャネルなので、Whatslly はこの分野で重要な役割を果たしている。将来的には、AI を活用して、データから導き出された洞察や推奨事項をお客様に提供する予定だ。(Calisar 氏)

XP Investments、Toro、Telefonica、Volkswagen、スバル、エクアドル大学、Wabi、Skideal などの企業の代表者は、顧客との直接のコミュニケーションや、販売サイクルのほとんどを管理するために WhatsApp をよく利用している。Whatslly は、WhatsApp で行われているすべてのカスタマーチャットを可視化することで、これらの企業のカスタマーエクスペリエンスの向上に貢献しているという。

企業と顧客の間のギャップを埋める

Calisar 氏はプレスリリースの中で、同社が WhatsApp で顧客とつながる機会を早期に見出し、世界中の企業の重要な問題を解決するためにプラットフォームを開発したと述べている。

Zeev Ventures 創業パートナーの Oren Zeev 氏は、次のように述べている。

WhatsApp の普遍的な人気と、企業による顧客チャネルとしての活用との間にある断絶は、実に驚くべきものだ。Whatsll yは、企業と顧客の間のギャップを埋める初の包括的なプラットフォームであり、企業は、ソーシャルプラットフォーム上で日常的に利用している強力な会話型の販売機能を利用することができる。これは、顧客との関係において次の大きな発展をもたらすものであり、顧客と企業の双方に利益をもたらすものだ。

Calisar 氏は、ラテンアメリカの営業担当者と顧客の間で、毎日700〜1400件のメッセージがやり取りされていると語る。ラテンアメリカは Whatslly のターゲット市場のひとつだ。企業は Whatslly 無しでは、このような顧客との直接のやりとりをまったく把握できず、データに基づいた意思決定や販売プロセスの最適化ができないそうだ。

2022年に期待すること

今回の追加資金により、同社は急速な拡大を続け、先発者としての優位性を確立し、これまでで最も包括的な会話型営業プラットフォームを構築し続けることができる。また、今回の資金調達により、顧客との関係をポピュラーなものから変えていくというミッションを加速させることができるとしている。

具体的には、今回の資金調達により、Whatsly は以下のことを行う。

  • ラテンアメリカとイスラエルで従業員数を5〜8倍に増やし、収益を5倍にする。
  • さらなるインスタントメッセージングチャネルとの連携と、AI ベースの機能の拡大。
  • ラテンアメリカの複数の国にオフィスを開設する。
  • Salesforce や現地のコンサルティング会社とのパートナーシップを強化する。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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注目されるインダストリアル・メタバースとは:Unityが「Unity Simulation Pro」発表

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ゲームをはじめとする3Dコンテンツの制作・運用プラットフォームを提供する米国サンフランシスコのUnityは、11月10日、AIによる複雑なシステムのモデリング、テスト、トレーニングを改善する「Unity Simulation Pro」と「Unity SystemGraph」を発表した。 サプライチェーンや製造業におけるロボットの利用が増加している中、効率的で安全なオペレーションを実現するためには、…

ゲームをはじめとする3Dコンテンツの制作・運用プラットフォームを提供する米国サンフランシスコのUnityは、11月10日、AIによる複雑なシステムのモデリング、テスト、トレーニングを改善する「Unity Simulation Pro」と「Unity SystemGraph」を発表した。

サプライチェーンや製造業におけるロボットの利用が増加している中、効率的で安全なオペレーションを実現するためには、このようなソフトウェアが不可欠だ。

Unityの人工知能担当上級副社長であるDanny Lange氏は本誌VentureBeatの取材に対し「Unity SystemGraph」はノードベースのアプローチを用いて、電気・機械システムに典型的に見られる複雑なロジックをモデル化したものと回答した。

「これによりロボット工学者やエンジニアは、小さなシステムを簡単にモデル化することができ、それらをより大きく複雑なシステムにグループ化することができます。実際のハードウェアにアクセスすることなくシステムのプロトタイプを作成し、その動作をテスト・分析し、最適な設計決定が可能になります」(Lange氏)。

Unityの実行エンジンであるUnity Simulation Proはヘッドレスレンダリングを実現しており、各画像をスクリーンに投影する必要がないため、シミュレーションの効率を最大50%向上させ、コストを削減することができるという。

ロボティクスへの使用例

Unity Simulation Proは、分散レンダリングを実現するためにゼロから構築された製品だ。複数のGPU(Graphics Processing Unit)が同じUnityプロジェクトやシミュレーション環境を、ローカルまたはプライベートクラウド上で同時にレンダリングすることを可能にしていると同社は述べている。これにより数十、数百、数千のセンサーを搭載した複数のロボットを、現在のUnity上でリアルタイムよりも高速にシミュレーションすることができる。

Lange氏によるとロボット工学や自律走行、ドローン、農業技術などの市場のユーザーは、100万平方フィートの倉庫、数十台のロボット、数百台のセンサーを備えた環境、センサー、モデルを含むシミュレーションを構築しているという。これらのシミュレーションでは現実的な仮想世界でソフトウェアをテストしたり、ロボットのオペレーターを指導・訓練したり、実際に導入する前に物理的な統合を試したりすることができる。これらはすべて、より速く、よりコスト効率よく、より安全に、メタバースの中で行われる。Lange氏は具体的な使用例として「Unity Simulation Proを使用して屋内外の環境におけるロボットシステムの共同マッピングやミッションプランニングを検討することが挙げられる」と語った。

例えばユーザーの中には、より広大な森林地帯の中に4,000平方フィートの建物をシミュレートし、ドローン、オフロードの移動ロボット、歩行ロボットを組み合わせて環境をマッピングする方法を模索している人もいるそうだ。同社はメカトロニクスシステムのセンサーやシステムを、クリエイターが構築してモデル化し、シミュレーションで実行できるようにしてきたと伝えている。

Unity SystemGraphの主な用途は、物理的に正確なカメラ、LiDARモデル、SensorSDKを使ったシミュレーションの構築を検討している人が、SystemGraphが用意したインスタントなモデルのライブラリを利用して、特定のケースに合わせ、簡単にそれらを設定できるようにすることだ。

Unityは現在のシミュレーションコストの数分の一で、大規模なシミュレーション、迅速な反復、より多くのテストを実施し、インサイトを得ることができるようになったと述べている。UnityはこれをVolvo CarsAllen Institute of AICarnegie Mellon Universityなどの顧客が採用し、すでに成果を上げているとしている。

ロボット工学や合成データ生成などのAIアプリケーションに特化したシミュレータを構築している企業はいくつかある。Unityは、オーサリングツールの使いやすさにより、RobloxやAarki、Chartboost、MathWorks、Mobvistaなどのライバル企業の中でも際立っていると主張している。Lange氏によると、このことはUnityのエディタツールを使用している150万人以上のクリエーターという既存のユーザーベースの大きさにも表れているという。

Unityの技術は、企業が最先端のシミュレーションに挑戦し続けるインダストリアル・メタバースに影響を与えることを目的としている。

「環境の大きさや環境で使用されるセンサーの数、環境で動作するアバターの数など、これらのシミュレーションが複雑になるにつれ、当社の製品に対するニーズが高まると考えています。Unity Simulation Pro独自の分散レンダリング機能により、クラウドやオンプレミスのネットワーク上でお客様が利用できるGPUリソースが増加していることを利用し、このシミュレーションをリアルタイムよりも高速にレンダリングすることができるのです。これは、多くのオープンソースのレンダリング技術や、基本的なUnity製品では不可能でした。このようなシナリオ配下では、こういった製品のリアルタイム性は50%以下になってしまいます」(Lange氏)。

AIを搭載したテクノロジーの未来

2022年に向けてUnityは2つの重要な要素により、AI搭載技術の採用が急拡大すると予想している。Lange氏は次のように語っていた。

「ひとつはUnityのような企業が、参入障壁を下げるのに役立つ製品を提供し続け、より広い範囲の顧客がこれらを採用することになるでしょう。これはコンピュート、センサー、その他のハードウェアコンポーネントのコストが低下していることと合わせて考えられます。そしてもう一つ、労働力不足の拡大と業務効率化の要求があります。こういった課題が導入を促進する重要なトレンドとなっており、これらすべてが一体となってAI搭載技術の導入を加速させることにつながると考えています」。

Unityはシミュレーションユーザーのための専用製品の開発に力を入れており、各種センサーや複数のアバター、エージェントを使って環境をシミュレートすることで実世界を模倣し、低コストで大幅なパフォーマンスの向上を実現しようとしている。これによって顧客が産業用メタバースへの第一歩を踏み出すことができるようになるとしている。

Unityは11月18日に開催される「Unity AI Summit」において「Unity Simulation Pro」と「Unity SystemGraph」を詳細なセッションを通じて紹介するそうだ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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