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NvidiaはなぜArmを買った:取引の詳細と「ある保険」(2/2)

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(前回からのつづき)この取引が承認されれば、かつての大手ライバル企業がNvidiaの顧客になる。NvidiaがArmを独立した子会社として扱い、プロセッサ事業のライバルとオープンな顧客関係を継続することは極めて合理的だ。一方のArmには、Armのライセンス料に飽き飽きしていた企業が支持をし始めているロイヤリティフリーのRISC-Vアーキテクチャなどのライバルが存在している。 この買収劇は、Nvid…

Arm TechCon 2019でステージに立つArm CEOのSimon Segars氏/Image Credit: Dean Takahashi

(前回からのつづき)この取引が承認されれば、かつての大手ライバル企業がNvidiaの顧客になる。NvidiaがArmを独立した子会社として扱い、プロセッサ事業のライバルとオープンな顧客関係を継続することは極めて合理的だ。一方のArmには、Armのライセンス料に飽き飽きしていた企業が支持をし始めているロイヤリティフリーのRISC-Vアーキテクチャなどのライバルが存在している。

この買収劇は、Nvidiaの将来的なプロセッサ技術へのアクセスを保証するものだ。

逆にもし、Armがライバルの手に落ちれば、Nvidiaはここから締め出される可能性がある。そして、Nvidiaは、Qualcomm、Intel、AMDなどのライバルたちと激しく競争している。特に、AIやモバイルプロセッサへの取り組みのために重要なキーとなるような知的財産を管理している企業と信頼関係が結べないようなケースにおいて、Armという会社を保有するということは一種、保険のような役割を果たすことになるのだ。

Moor Insights & Strategyでアナリストを務めるPatrick Moorhead氏は今回の買収劇をこう評価する。

「NvidiaとArmの取引は400億ドルという金額ベースで最大の半導体企業の買収という点だけでなく、今後、大きな影響力を持つ取引になると予想しています。Armが活躍していて、かつNvidiaがまだ参入していない、もしくは逆にNvidiaが成功していてArmがそうでない分野を相互活用するという点で、相性はピッタリです。

Nvidiaは、Armに信じられないほどの資本をもたらすことになるでしょう。ソフトバンクの買収以来、Armは市場での存在感と競争力を高めてきました。ソフトバンクの投資により、Armはデータセンター、自動車、IoT、ネットワーク処理の各市場への進出が可能になったのです。そして私はNvidiaはArmが最も得意とすること、つまり世界的に中立性の高い方法でIPを作成し、ライセンシングすることをArmに任せるという約束をNvidia側が堅持する限り、Armをさらに強くすることができると信じています」。

この取引はNvidiaのボトムラインに利益をもたらすと予想されている。Armは利益を上げており、すぐにNvidia自身の純利益に貢献し始めるはずだ。ソフトバンクは引き続きArmの株式を保有するが、その保有比率は10%未満となる見込みとなっている。

Huang氏は声明の中で、AIを実行する数兆台のコンピュータがこれまでの「人」が操作してきたインターネットの数千倍の規模の「モノ」のインターネットを生み出すことになるだろうと述べている。彼はまた、今回の買収劇はその時代に向けてNvidiaの立ち位置を明確にすることになるだろうとも付け加えた。

Arm TechCon 2019でステージに立つArm CEOのSimon Segars氏/Image Credit: Dean Takahashi

「これは、何十億ものチップを出荷している数千人の開発者、そして最終的には何兆ものチップを出荷することになる数千人の開発者にリーチするための素晴らしい方法になるだろう」。

Segars氏によると両社は、エネルギー効率の高いコンピューティングが気候変動からヘルスケアに至るまでの問題にいかに対処するかというビジョンを共有しているという。このビジョンを実現するためには、ハードウェアとソフトウェアの新しいアプローチが必要になるそうだ。Nvidiaは、Armのブランドと名前を維持し、英国には法人として残ることになるとしている。

Nvidia、ソフトバンク、Armの取締役会の承認を得た本取引の条件に基づき、Nvidiaはソフトバンクに対し、Nvidiaの普通株式215億ドルと現金120億ドルの合計額を支払うことになる。決算時に発行されるNvidiaの株式数は4,430万株で、過去30日に渡る取引日のNvidiaの普通株式の終値の平均値を参考して決定される。さらにソフトバンクは、Armの特定の業績目標を満たすことを条件に、最大50億ドルの現金または普通株式を受け取る条件も付けている。

またNvidiaはArmの従業員に15億ドル分の株式を発行する。Nvidiaはこの取引の現金部分をバランスシート上の現金で調達する意向だ。この取引にはArmのIoTサービスグループは含まれない。というのもHuang氏によると、IoT事業は約1億ドルの収益があるもののデータ重視の投資事業であり、Arm事業のコアコンピューティング部分には大きな影響はないとその立ち位置を説明した。加えてSegars氏は、同事業のその部分を分社化する計画を進めていくと述べた。

ソフトバンクの傘下ではArmは何千人ものエンジニアを雇っていたが、Segars氏はそれは継続されると述べている。またSegars氏は、中国はArmのビジネスにとって重要な要素であり、今後もそうなると予想している。かつ、Huang氏はNvidiaによるMellanoxの買収を審査したように、中国の規制当局が今回の取引を審査することになるだろうとも述べている。

Huang氏はこの一連の作業が終わる見通しについて、「諸課題に取り組むため、この取引を完了するまでに数カ月を要するだろう」と語った。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

NvidiaはなぜArmを買った:ソフトバンクが400億ドルで売った「ARM」とは(1/2)

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Nvidiaは、ソフトバンクからプロセッサアーキテクチャ会社のArmを400億ドルで買収することを認めた。この買収は、昨日(編集部注:原文の掲載日は9月13日)のWall Street Journalの報道を含めて数週間にも及ぶ憶測の後にようやく現実のものとなった。 カリフォルニア州サンタクララに本社を置くグラフィックスおよびAIチップ・メーカーであるNvidiaは、今回の買収でArmの膨大なコン…

NvidiaのCEO、Jensen Huang氏。RTX 3080を披露/Image Credit: Nvidia

Nvidiaは、ソフトバンクからプロセッサアーキテクチャ会社のArmを400億ドルで買収することを認めた。この買収は、昨日(編集部注:原文の掲載日は9月13日)のWall Street Journalの報道を含めて数週間にも及ぶ憶測の後にようやく現実のものとなった。

カリフォルニア州サンタクララに本社を置くグラフィックスおよびAIチップ・メーカーであるNvidiaは、今回の買収でArmの膨大なコンピューティングエコシステムにより、人工知能に関する専門知識が集約されると述べている。英国ケンブリッジに拠点を置くArm社は6,000人以上の従業員を抱えているが、Nvidia社はその倍以上、1万3000人以上の従業員を擁する。

ソフトバンク、100億ドルの大打撃

ソフトバンクは2016年にArmを320億ドルで買収し、株式を非公開化した。当時、ソフトバンクの孫正義CEOは、AIが集団的に人間を超える知能を持つと予測される「シンギュラリティ」に向けて準備を進めていると語っていた。しかし、ソフトバンクはパンデミックの影響や、UberやWeWorkへの悪あがきの結果、数十億ドルの損失を被り資金難を招いてしまった。

Nvidiaは、英国に世界レベルのAI研究教育センターを設立してArmの影響力を拡大し、Arm・Nvidiaを搭載した研究用のAIスーパーコンピュータを構築すると公表している。またNvidiaはArmの顧客との間でArmのオープンライセンスポリシーを継続すると述べている。Armはスマートフォンからタブレットコンピュータ、モノのインターネットセンサー(Internet of Things)まで、あらゆるものに対応したチップを昨年220億個以上出荷した一方、対するNvidiaは約1億個の出荷に留まっている。

NvidiaのCEOであるJensen Huang氏は従業員への手紙の中でこのようにメッセージを伝えている。

「Armのビジネスモデルは素晴らしい。我々は、そのオープンなライセンスモデルと顧客の中立性を維持し、世界中のあらゆる業界の顧客にサービスを提供し、NVIDIAの世界をリードするGPUとAI技術でArmのIPライセンスポートフォリオをさらに拡大していく」。

同氏は今回の契約により、Nvidiaのプログラマーへのリーチが現在の200万人から1,500万人以上に拡大すると語っている。

カンファレンス・コールでHuang氏は、オープンライセンシングポリシーを維持するとの約束を繰り返した。NvidiaとArmは補完関係にあるとし、その結果、規制上の制約にぶつかることは想定していないと力説する。また、Nvidiaがスマートフォン市場に参加していないのに対し、Armはスマートフォン市場に非常に力を入れていることも付け加えている。

NvidiaのSeleneはトップ10のスパコン。NvidiaはArmを使った新しいスパコンを作る予定/Image Credit: Nvidia

AppleはMacコンピュータの次期モデルでIntelプロセッサの代わりに、ARMベースのプロセッサを使用する計画だ。Huang氏は、NvidiaがArmの事業計画を加速させることができるとも語っている。カンファレンス・コールの中でArmのCEOであるSimon Segars氏は、Armの価値はチップ・デザインを誰にでも提供するオープンさにこそあり、そうでなければ「大きな破滅」が待ち受けることになると指摘している。

Segars氏はさらに「時間をかけて証明するしかない。今日は私たちの意思を明確にする日だ」とも付け加えている。

改めて説明するが、このArm社はチップ自体を作っているわけではない。

ARMプロセッサアーキテクチャのお世話役であり、企業がこのライセンスを取得して自社のチップに使用する設計を作成し、あらゆる電子機器に使用しているのだ。今年の初めArm社は、そのライセンシーを伴ったARMデザインのチップ出荷が1,800億個以上に拡大したことを伝えている。

一方、買収したNvidiaはライバルとなるIntelやAMDなどと熾烈な競争を繰り広げてきた。AppleはiOSデバイスのグラフィック処理コンポーネントを作るためにImagination Technologiesの技術を使っており、一方のMac側ではNvidiaの大口顧客にはなっていない。NvidiaはPC業界の巨大企業になるため競合との激しい戦いを続け、売上高130億ドル(12カ月ベース)で、市場価値は3,300億ドルと成長してきた、時価総額についてはIntelの1,440億ドルよりも高い評価を受けている。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

※記事初出時、タイトルを4000億ドルとしましたが400億ドルの誤りです。訂正させていただきます

ライバルが一転「顧客」にーーNvidiaがArmを買収、ARMエコシステムの行方(後編)

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(前編からのつづき)もしもArmがライバルの手に落ちればNvidiaは完敗の恐れがある一方、契約が成立すれば将来的なプロセッサテクノロジーへのアクセスが保証される(編集部注:記事初出は現地時間9月12日のもの。14日にNvidiaは正式に買収に契約したと公表している)。 また、Nvidiaは6,000人を超えるArmのエンジニアリングチームへのアクセスも獲得する。Nvidia自身には1万3,000…

ArmのCEO、Simon Segers氏(左)とソフトバンクのCEO、孫正義氏。2016年撮影。
Image Credit: Dean Takahashi

(前編からのつづき)もしもArmがライバルの手に落ちればNvidiaは完敗の恐れがある一方、契約が成立すれば将来的なプロセッサテクノロジーへのアクセスが保証される(編集部注:記事初出は現地時間9月12日のもの。14日にNvidiaは正式に買収に契約したと公表している)。

また、Nvidiaは6,000人を超えるArmのエンジニアリングチームへのアクセスも獲得する。Nvidia自身には1万3,000人を超える従業員がいる。同社のAIおよびモバイルプロセッサに対する主要な知的財産を管理するエンティティを持たないのであれば、Armを所有することはNvidiaにとって一種の保険になるだろう。

Nvidiaは、同社のグラフィックチップとArmのプロセッサテクノロジーを組み合わせることのメリットも享受できる。IntelとAMDには、グラフィックスとプロセッサテクノロジーを組み合わせた統合ソリューションを築いてきた長い歴史がある。

Intelの統合グラフィックスとプロセッサはローエンドPC市場を支配し、AMDとNvidiaのスタンドアロングラフィックスチップは市場のミドルおよびハイエンドを占めている。AMDはx86プロセッサとグラフィックスを組み合わせて、家庭用ゲーム機向けの特別なソリューションを生み出した。ARMプロセッサはサーバとローエンドPCの両方で進歩を遂げているため、Nvidiaも同様の試みを行う可能性がある。

AppleはNvidiaと強固な関係があった。そのNvidiaとArmとの取引を懸念して入札に踏み込み、Armを買収する可能性はあるかもしれない。しかしそのような動きをすれば、Appleの独占禁止法の調査に対して政府からさらに厳しい監視の目を向けられることになるだろう。

最近Nvidiaは市場価値においてIntelを上回っている。つまり、独自のハイエンドグラフィックスを開発するIntelに勝る能力を持っているのだ。前回のインタビューでNvidiaのCEOのJensen Huang氏にArmの買収について尋ねたところ、彼はこう答えていた。

それは単なる噂です!

この記事を執筆している時点では、Nvidiaはコメントを控えている。Armにもコメントを求めているが、まだ回答は届いていない。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

ライバルが一転「顧客」にーーNvidiaがArmを買収、ARMエコシステムの行方(前編)

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ここ数週間、NvidiaがソフトバンクからArmを買収するための交渉中だという噂が出回っている。Wall Street Journalが匿名情報に基づいて報じたところによると、買収額は400億米ドルを超えるという(編集部注:記事初出は現地時間9月12日のもの。14日にNvidiaは正式に買収に契約したと公表している)。 ソフトバンクは2016年に320億米ドルでArmを買収した。当時、ソフトバンク…

Simon Segars氏(Arm TechCon 2019にて)
Image Credit: Dean Takahashi

ここ数週間、NvidiaがソフトバンクからArmを買収するための交渉中だという噂が出回っている。Wall Street Journalが匿名情報に基づいて報じたところによると、買収額は400億米ドルを超えるという(編集部注:記事初出は現地時間9月12日のもの。14日にNvidiaは正式に買収に契約したと公表している)。

ソフトバンクは2016年に320億米ドルでArmを買収した。当時、ソフトバンクCEOの孫正義氏は、AIが人類の知能を超える日である「Singularity」に向けて準備を進めていると語っていた。だがソフトバンクは、パンデミックおよびUberとWeWorkへの投資の失敗によって多額の資金を失い、財政危機に陥っている。

Armの価値の高さには疑う余地がない。なぜならArmがライセンス供与したチップは年間200億個も出荷されており、スマートフォンやタブレットからモノのインターネットに使われるセンサーに至るまで、ありとあらゆるものに組み込まれているからだ。ARMベースのチップは今年すでに1,600億個以上も出荷されているそうだ。Arm自身はチップを製造していないが、同社はプロセッサの開発・設計を行い、それを他社が利用してさまざまな電子機器用に独自のチップを製造するためのライセンスを管理している。AppleはArmベースのプロセッサを利用してIntelプロセッサに代わるものをMacの次期モデルに組み込む計画を立てている。

問題はNvidiaが買収に成功した場合、どのようにしてARMエコシステムを維持するかということだ。NvidiaはIntelやAMDといった競合と激しく争っている。AppleのiOSデバイスはGPUにImagination Technologiesの技術を採用しており、MacもNvidiaの大口顧客ではない。NvidiaはPC業界の最大手になるための競争の中、130億米ドルの売上高(過去12か月ベース)と3,300億米ドルの市場価値を誇っている。後者はIntelの1,440億米ドルという価値よりも高い。

契約が成立すれば、これらの大手ライバルがNvidiaの顧客になる。

NvidiaがArmを独立した子会社として扱い、プロセッサ事業でライバルとのオープンな顧客関係を継続することは理にかなっている。Armの競合としては、ロイヤリティのないRISC-Vアーキテクチャなどがあり、Armのライセンス料にうんざりした企業からの支持をますます得ている。(後編につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Nvidia、AIとクラウドの急成長で39%増加ーー2020年第1四半期の収益が30億8,000万米ドルに

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Nvidiaは第1四半期の最終日である4月26日、収益が予測を上回り前年比39%増加の30億8,000万米ドルとなったことを報告した。人工知能とクラウドによるデータセンター収益の成長から、1株あたり利益(1.80米ドル)も予測を上回った。 カリフォルニア州サンタクララに拠点を置くNvidiaは、ゲーム、AI、データセンターコンピューティングに活用されるGPU(グラフィックスプロセッシングユニット)…

世界最大のグラフィックカードを持つNvidiaのJensen Huang氏
Image Credit: Nvidia

Nvidiaは第1四半期の最終日である4月26日、収益が予測を上回り前年比39%増加の30億8,000万米ドルとなったことを報告した。人工知能とクラウドによるデータセンター収益の成長から、1株あたり利益(1.80米ドル)も予測を上回った。

カリフォルニア州サンタクララに拠点を置くNvidiaは、ゲーム、AI、データセンターコンピューティングに活用されるGPU(グラフィックスプロセッシングユニット)を製造している。多くの企業がパンデミックの打撃を受けている中、Nvidiaはこうした分野で拡大した。

データセンターの収益は11億4,000万米ドルで、前年よりも80%増加した。売上総利益率、すなわち製品の売上利益は65.1%で、前年の58.4%をはるかに超えて新記録を叩き出した。

昨年の第1四半期の収益は22億2,000万米ドル、アナリストの予測では収益30億米ドル、1株あたり利益は非GAAPベースで1.68米ドルだった。EPSは非GAAPベースで1.80米ドルで、前年の88セントから105%上昇した。 Nvidiaの株価は時間外取引で1%減少し、1株あたり347.62米ドルになった。

Nvidiaは第1四半期中、GPUをデータセンターにコネクトする主要技術のメーカー、Mellanox Technologiesの買収を70億米ドルで完了した。また5月第3週に開かれたGPU Technology ConferenceでCEOのJensen Huang氏が行なった基調講演が3日目に380万回再生に到達し、5万5,000人以上の登録者がオンラインイベントに参加したと述べている。

Huang氏は声明でCOVID-19と戦っているファーストレスポンダー、医療従事者、サービス事業者に敬意を表しており、またワクチンの発見に取り組んでいる科学者にも感謝していると述べた。NvidiaのGPUテクノロジーはそうした科学者が研究をより迅速に行えるよう手助けすることを目指し、さらに寄付も行なっている。

Nvidiaは従業員がパンデミックという困難を乗り越えられるよう手助けするために、6カ月間の昇給を行なっている。Huang氏は同社の従業員らがコロナウイルス対策に1,000万米ドルを寄付したと述べている。

5月第3週、AmpereベースのGPU、「A100」を発売した。これは540億個のトランジスタを搭載した巨大なAIチップで、新世代のAIテクノロジーに基づくデザインとなっている。

トランジスタ数540億個のGPU、「Nvidia A100」
Image Credit: Nvidia

7月末に終了する第2四半期のNvidiaの収益は36億5,000万米ドル、売上総利益率はGAAPベースで58.6%、非GAAPベースで66%になると予想している。

ゲーム業界における収益は13億4,000万米ドルで、前年同期から27%増加した。NvidiaのRTXリアルタイム・レイトレーシング技術はコンピュータ画像の光と影の効果を大幅に向上させる技術だが、Minecraftなどの人気タイトルがこれの採用を後押ししている。100以上のノートPCの新機種がRTXテクノロジーを備えたNvidiaのGeForce GPUを搭載している。

データセンターの収益は11億4,000万米ドルで、前年比で80%増加した。プロフェッショナルビジュアライゼーションの収益は3億700万米ドルで、前年より15%増加した。自動車の収益は1億5,500万米ドルで、前年比7%減だった。

Nvidiaの最高財務責任者であるColette Kress氏は声明で、COVID-19の課題により、第1四半期の初めにサプライチェーンの遅れが生じたと発表した。中国での外出禁止令により、小売店やネットカフェが閉鎖され、そこでのゲーム製品の販売に悪影響が出た。しかしリモートワークのために企業が従業員にツール類を用意しなければならなかったため、ゲームおよび商用コンピュータの需要は急増した。

自動車の「インフォテインメント」と自動運転車の支出は今後数四半期に渡り減少する見込み。GPUの収益は11億7,000万米ドルで、前年から25%増加した。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Nvidiaらの研究者がAIを使った写真のノイズ除去に成功、医療現場などでの活用に期待

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Nvidia、MIT、アールト大学の研究者たちは人工知能を用いて、写真のノイズの除去に取り組んでいる。チームはImageNetデータベース上の5万枚の画像を使って写真の再構成のためのAIシステムのトレーニングを実施し、ノイズなしの画像を見たことがなかったにも関わらず、システムは画像からノイズと取り除くことに成功した。 Noise2Noiseと名付けられたAIシステムは、深層学習を用いてつくられ、I…

Nvidia、MIT、アールト大学の研究者たちは人工知能を用いて、写真のノイズの除去に取り組んでいる。チームはImageNetデータベース上の5万枚の画像を使って写真の再構成のためのAIシステムのトレーニングを実施し、ノイズなしの画像を見たことがなかったにも関わらず、システムは画像からノイズと取り除くことに成功した。

Noise2Noiseと名付けられたAIシステムは、深層学習を用いてつくられ、ImageNetデータベースの5万枚の画像から知能を引き出す。画像はどれでもきれいで、高画質、ノイズのないものだったが、ランダムなノイズを追加された。コンピュータが生成した画像やMRIスキャンもNoise2Noiseのトレーニングに使われた。

ノイズ除去、ノイズ修正の手法は長年あったものの、深層学習を活用した手法が注目を集めるようになったのはここ最近のことだ。

ノイズは、光量が低い中で撮られた写真上では灰色の雪のように見えることがあり、医療画像、コンピュータ生成画像、宇宙の画像でも見られる。デジタルカメラの画像も、光量が足りなかったり、ズームを使って撮影されたものにはよくノイズが含まれている。

Noise2Noiseをノイズのみでトレーニングすることで、研究者たちは暗い中で撮影する天体写真やMRI、脳スキャンなどノイズ量の多いことで知られる画像でもこの手法が使えるようになることを期待している。

上:左から右へ:ノイズ画像、ノイズ除去結果、オリジナル画像

IXIデータセットの中の人体の50箇所の5000枚近い画像が、Noise2NoiseのMRIインテリジェンスのトレーニングに使用された。人工ノイズのないオリジナル画像よりもさらに少しぼけた状態に見えたものが使われたが、鮮明さを復活させることができたようだ。

Nvidiaの研究者 Jacob Munkberg氏は、VentureBeatからの電話取材で次のようにコメントしている。

「これは、私たちが公開されているMRIデータベースを使ってトレーニングしてきたコンセプトが実証されたということです。将来のどこかの段階で現場でも適用することができるかもしれません」

この研究結果は、今週スウェーデンのストックホルムで開催される International Conference on Machine Learningで発表される予定だ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

Nvidiaが日本のコマツと提携、AIで建設業を安全に

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日本の建設機械メーカーのコマツが、人工知能を使って建設現場を安全にする取り組みで Nvidia と協業することになった。 米カリフォルニア州サンタクララを拠点とする Nvidiaは、GTC Japan のイベントの場でこの提携についてコメントした。CEO の Jensen Huang 氏によると、同社のグラフィック処理ユニット(AI 処理に使用される GPU)を使い、安全問題に関連した建設現場の視…

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Nvidia はコマツと提携し、AI で建設をより良いものにする.
Image Credit: Nvidia

日本の建設機械メーカーのコマツが、人工知能を使って建設現場を安全にする取り組みで Nvidia と協業することになった。

米カリフォルニア州サンタクララを拠点とする Nvidiaは、GTC Japan のイベントの場でこの提携についてコメントした。CEO の Jensen Huang 氏によると、同社のグラフィック処理ユニット(AI 処理に使用される GPU)を使い、安全問題に関連した建設現場の視覚化と分析で協力していくという。

ロボットやドローンを動作させるよう設計されているクレジットカードほどの大きさの同社 AI プラットフォーム Jetson が重機の中枢として機能する。

Huang 氏は声明の中で次のように述べた。

人工知能の勢いはあらゆる業界でみられますが、次のフロンティアは自律的なインテリジェントマシーンです。未来のマシーンは周囲を感知して常時注意を怠りませんので、操縦者が効率的かつ安全に作業をする手助けとなるでしょう。建設業や鉱業にとってのメリットは相当なものになります。

Nvidia が他社と提携してAIの活動で業務変革をするのは、建設業界が最新の事例だ。医療画像の分野では GE Healthcare や Nuance、ロボティクスではファナックと提携している。自律走行運転では、アウディ、テスラ、トヨタ自動車、ボルボなど225社超の自動車メーカーやスタートアップ、研究所との提携実績がある。

建設現場には重機があるほか地面は平らでなく、作業が常時行われているため、一般的に最も危険な職場だと考えられている。昨年も、日本だけで死者が300人ほど、負傷者は1万5,000人を記録した(建設業労働災害防止協会調べ)。

さらに日本の建設業界は、人口の高齢化により国全体で深刻な労働者不足にも悩まされている。日本建設業連合会によると、2014年時点で約340万人いた技能者のうち、3分の1にあたるおよそ110万人が今後10年間で引退するとみられている。

コマツは2015年、こうした問題に対処するため「スマートコンストラクション」の取り組みを開始した。これは、現場の作業員と物体に関連するデータを結び付けることで建設現場をより安全かつ生産的にするものだ。日本での導入実績はこれまでに4,000件以上、海外進出も含めてさらなる展開が計画されている。

NVIDIAの画像処理や仮想化、そしてAIにおける豊富な技術やノウハウを活用することで、建設分野を「未来の現場」に変革させることができるでしょう。

コマツの常務執行役員兼 CTO の岩本祐一氏は声明の中でこう述べた。

コマツでは、Nvidia の技術を活用して建設現場を3D で可視化し、作業員、機械、物体のやり取りをリアルタイムで表示する予定。現場にある高価な機器については、正常に使用されているかを確認するために念入りにモニターされる。

GPU は建設現場にあるドローンやカメラと通信し、分析および可視化のための AI プラットフォームとしての役割を果たすことになるだろう。SkyCatch がドローンを提供し、 現場の地形を可視化するために3D のイメージを収集しマップ化する。IoT のマネジメントソフトウェア企業である Optim はアプリケーションを提供し、監視カメラから集められた個人や機械の情報を特定する。両社はコマツの提携企業であるが、いずれも Nvidia の AI スタートアップ向け「インセプション・プログラム」のメンバーだ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

AIスタートアップ6社、Nvidia Inceptionイベントで総額150万米ドルの賞金を獲得

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Nvidia が主催する GPU テクノロジーカンファレンスでは、画像処理ユニット(GPU)を使ってさらに強力な人工知能を開発する企業に焦点が当てられた。このエコシステムを活気づけるべく、Nvidia とパートナ企業は今晩、優れた AI の開発によって Nvidia Inception Awards を受賞したスタートアップ各社に合計150万米ドルの賞金を授与した。 この賞を受賞したのは、最も注目…

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Nvidia Inception Award 受賞者
Image Credit: Dean Takahashi

Nvidia が主催する GPU テクノロジーカンファレンスでは、画像処理ユニット(GPU)を使ってさらに強力な人工知能を開発する企業に焦点が当てられた。このエコシステムを活気づけるべく、Nvidia とパートナ企業は今晩、優れた AI の開発によって Nvidia Inception Awards を受賞したスタートアップ各社に合計150万米ドルの賞金を授与した。

この賞を受賞したのは、最も注目を集める新興のスタートアップ Athelas、最もディスラプティブなスタートアップ Deep Instinct、そして最も社会的影響力の強いスタートアップ Genetesisである。3社にはそれぞれ37万5,000米ドルの賞金が授与された。また、次点の Focal SystemsSmartvid.io、そして Bay Labs にもそれぞれ12万5,000米ドルが贈られた。

Nvidia は昨年度69億米ドルの売上高を誇り、同社が主催する Nvidia Inception プログラムには世界中から1,300社以上のAIスタートアップが参加している。CEO の Jen-Hsun Huang 氏は数週間前、最高の AI スタートアップを発掘するために Nvidia Inception を開催した。このイベントではアメリカのテレビ番組『Shark Tank』のように、スタートアップの設立者らが出資者の目の前でプレゼンテーションを行う。Huang 氏とジャッジらは、3つのカテゴリにわたって14組の AI スタートアップからのピッチに耳を傾けた。

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Nvidia 共同設立者 Chris Malachowsky 氏(左)、Jen-Hsun Huang 氏
Image Credit: Dean Takahashi

授賞式の中で Huang 氏は次のように述べた。

これが実現できたのはあなたたちのおかげです。私たちもまたスタートアップの一社で、プラットフォームを構築しました。そのプラットフォームを使ってあなた方がしようとしていることは、私たちのプラットフォームと同じくらい有益で、成果を上げており、貴重なものです。

同氏によると、Nvidia はパソコンでの3D グラフィックスの台頭を機に1993年に創業したが、独立した大手グラフィックスチップ企業として成功を収めるまでに3度ほど廃業の危機があったという。

あなた方がしていることは勇気に満ち溢れています。ビジネスのアイデアには起業家やクリエイターの性格がにじみ出ます。私はその感覚がよくわかりますし、今持っているその気持ちをこれからも失わないでいてもらいたいものです。

共同設立者の Chris Malachowsky 氏はこう述べた。

私たちは巨人の肩の上に乗っていたようなものです。そこから段階的に物事をより良くしてきました。今、君たちが私たちの上で同じことをしていると思うと、本当に感慨深いものがあります。さらに次の世代に向けて、君たちも同じことをしていくことでしょう。

コンテストに参加した600組以上のスタートアップから、最終的に14組のファイナリストが選出された。ジャッジを務めたのは、Nvidia の Huang 氏、Fidelity Investments のポートフォリオマネージャーである Gavin Baker 氏、Goldman Sachs の半導体投資銀行部門のグローバル責任者である Tammy Kiely 氏、ソフトバンクグループの投資担当者である Shu Nyatta 氏、Coatue Management のシニア MD である Thomas Laffont 氏、Microsoft Accelerator のグローバル CTO である Prashant Sharma 氏らである。

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Nvidia 事業開発担当 VP Jeff Herbst 氏
Image Credit: Dean Takahashi

Nvidia の事業開発担当 VP の Jeff Herbst 氏は VentureBeat のインタビューに応じ、AI スタートアップが成し遂げる驚くべき業績の認知度を高めることを目的として賞を設けたと述べた。3つの賞があり、それぞれ「最も注目を集める新興スタートアップ」、「最もディスラプティブなスタートアップ」、そして「社会的影響力が最も強いスタートアップ」に贈られる。

筆者は、スタートアップがジャッジの前で実際にピッチする様子を聞くことができた。事業開発担当 SD である Kimberly Powell 氏は今日(5月10日)の授賞式の席で、非常に多くの応募者から良い企業をフィルタリングすることが大変だったと語った。

社会的影響力を競う部門には、約100組のスタートアップがエントリーした。この部門ではヘルスケアの企業がトップに並んでいる。優勝を勝ち取った Genetesis は、グラフィック処理ユニット(GPU)を活用した安価な血液検査を開発した。これにより、胸の痛みを訴える患者のうち、心臓発作が原因となっているものとそうでないものを区別することができる。

他のファイナリストしては、AI ベースのツールを乳がんやその他の疾病の診断に活用する Lunit、AI をバイオ創薬に役立てる Insilico Medicine、データ駆動の人工知能で疾患のスクリーニングを行う Sigtuple らが選出された。また、超音波と AI で診断画像の精度を高める Bay Labs が次点となった。

Genetesis

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Nvidia の Kimberly Powell 氏と Genetesis の共同設立者ら
Image Credit: Dean Takahashi

Genetesis の CEO である Peeyush Shrivastava 氏は授賞式の場でこう語った。

これは本当に素晴らしいことです。私たちはよくあるスタートアップと同じように、大学の寮で事業を始めました。会社一丸となって、人々の命を救い、病院の質と効率を向上させることを目指しています。

胸部に痛みを感じて救急救命室に運ばれる人の数は、毎年米国で年間延べ1,000万人に上り、年間で66億米ドルが費やされている。症例の75%は心臓関連の痛みとは関係がないが、救急救命室はその区別に大変な労を費やしている。

Shrivastava 氏によると、Genetesis はディープラーニング、センサー、物理学を活用して胸部の痛みを適切に診断するという。通常の場合、患者は心電図(EKG)を使った診断を受けることになる。しかしその結果が決定打とならない場合は、トロポニンと呼ばれる6時間の検査が追加で必要となる。これらの結果でも判断ができない場合、さらにいくつかの検査を重ねる必要がある。

こうした診断工程には時間がかかり、患者はさらに何時間も医師の観察下に置かれることになってしまう。

患者の5%は心臓病が見逃されたまま家に帰され、2%はそのまま自宅で死亡するという。その一方で、不適切なストレステストに約4億9,400万米ドルが費やされていると Shrivastava 氏は述べる。

同社が開発した検査手法は、生体磁気イメージングシステムを使い、胸部から自然に発生する弱い磁場をモニタリングするものだ。心臓の3D マップが生成され、これによって医師は患者が心臓発作を起こしているかどうかを判断することができる。看護師か技師一人で、患者を傷つけることなく90秒で診察を終えることができる。医師は患者のベッドのそばに待機し、血管を拡げるステントが必要かどうかの判断を下す。

救急救命室での胸部の痛みの診断というグローバルな課題に私たちは取り組んでいます。(Shrivastava 氏)

このシステムでは、AI による診断処理が GPU により高速化されている。生体磁気イメージングは他にも、​​脳、肝臓、胎児の発育状況などの検査に適用できる。このシステムは1ミリメートルの分解能を持ち、患者ごとに数千もの3D マップを作成することが可能だ。

Genetesis は Mayo Clinic とデータの提携を行っている。2013年9月にアメリカ・オハイオ州のシンシナティで設立され、現在約15人のスタッフが在籍する。これまでに Mark Cuban氏、CincyTech、Wilson Sonsini、Danmar Capital、43North から計190万米ドルの資金を調達している。

Deep Instinct

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Deep Instinct CTO Eli David 氏
Image Credit: Dean Takahashi

最もディスラプティブな AI スタートアップの賞は、Inception のディレクターである Arjun Dutt 氏の手で授与された。対象となった候補者は次の通りだ。次点となった Smartvid.io は AI とコンピュータビジョンを使用して、写真やビデオの中から工事現場における潜在的なリスクを予知する。優勝を勝ち取ったのは Deep Instinct で、AI を使ってサイバーセキュリティの脅威を予測する。Cape Analytics は AI とコンピュータビジョンを使用し、保険会社が家のオーナーに向けた保険規約を作成するのを支援する。また、Konux は AI を活用し、線路上を列車が安全に運行できるようにしている。DigitalGenius も同じく AI を利用するスタートアップで、企業が顧客サービスの質を高められるようにしている。

Deep Instinct は Nvidia の GPU 上で動作するソフトウェアの開発に1年以上を費やしてきた。CTO の Eli David 氏は授賞式において、この選択が過去最も賢明な判断であったと述べている。

Deep Instinct はイスラエルのテルアビブに本社を置く企業で、マルウェアを検出するタスクに AI を活用している。約100万種類の新しいマルウェアが日々拡散している。マルウェアの新しい変種は、時として従来のマルウェアのコードとわずか30%の差異しかない。多くのウイルス対策ベンダーが採用する技術では、ライブラリ内の既知のマルウェア情報を参照する手法に依存しており、すでに存在が知られたマルウェアへの対処に重点を置いている。

Deep Instinct はこういった手法とは異なり、より優れた解決策としてディープラーニングを使用し、未知のマルウェアをリアルタイムで検出することが可能である。ウイルスシグネチャ(コードの断片)の検索やサンドボックス内での実行、ヒューリスティックスキャンなどは行わない。代わりに、対象ファイルの生のバイナリデータのみをスキャンする。David 氏によると、Deep Instinct には頻繁なアップデートが必要ないという。数億のファイルをスキャンする過程でディープラーニングによってニューラルネットワークが訓練されていく。一言で言えば、これは予防であり、事後的な対応ではないというわけだ。

攻撃が行われるのを待ったりはしません。シンプルな変種から国家レベルの脅威まで、あらゆるマルウェアから保護します。(David 氏)

独自の種類のニューラルネットワークが必要とされたため、同社はディープラーニングのインフラをゼロから構築した。このソフトウェアは中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、および Nvidia の CUDA ソフトウェアの組み合わせの上で稼働する。グラフィックスチップ上でグラフィックス処理ではないソフトウェアを実行することになるが、動作の効率は高い。GPU を使用することで、CPU では3ヶ月かかる処理を1日で済ませることができる。

Deep Instinct は不要な処理スレッドの95%をカットし、分析するデータの量を小さく抑えている。顧客と独自に行ったテストでは約99%の検出率を達成した。なお、競合他社は80%前後の検出率となっている。

David 氏によると Deep Instinct の誤検出率は約0.1%であり、ディープラーニングを採用する他社の2〜3%と比較して非常に低い。また、アップデートは数ヶ月に一度しか必要ない。同社は2016年にソフトウェアの商業化を開始し、今年は1,000万米ドルの収益を上げると見込んでいる。

さらに、2018年にはトラフィック分析のための製品を追加し、将来的にはサイバーセキュリティのすべての分野に拡大したい考えだ。競合に Cylance などの企業がある。現在65人のスタッフが在籍しており、これまで Blumberg Capital、UST Global、CNTP、Cerracap から5,000万米ドルの資金を調達している。最大の問題は、人々が Deep Instinct の「ブラックボックス」の中身を理解しておらず、仕組みを知りたがっている点だ。しかし David 氏は、同じマルウェアへの対処をデモンストレートすれば、競合他社に対する優位を見せつけるのは容易だとしている。潜在的な顧客を納得させるにはそれで十分だそうだ。

Athelas

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Athelas 設立者 Tanay Tandon 氏
Image Credit: Dean Takahashi

最も注目を集めるスタートアップの賞は、Jeff Herbst 氏から授与された。優勝者 Athelas の他にノミネートされたのは、ディープラーニングの AI で話し言葉を認識する Deep Gram と、分析前のデータを AI でクリーンアップする Datalogue。そして次点となった Focal Systems は、AI を使用して店舗での会計を自動化するほか、在庫切れした商品の検出を行う。

Athelas の事業計画は Theranos に非常に似ている、と Herbst 氏は冗談を飛ばした。Theranos は血液分析の企業だが、詐欺のスキャンダルで大失敗を味わった。

彼は Athelas の設立者である Tanay Tandon 氏に賞を渡す際、「決して Theranos の二の舞にならないように」と付け加えた。

Tandon 氏によると、Athelas は一般的な血液検査のうち1種類にのみフォーカスし、安価な機械を作り上げた。

彼らが作ったのはコンピュータビジョンとディープラーニングのアルゴリズムを使用した機械で、一滴の血液を分析し、白血球の数を特定できる。

血液を見ることで健康状態を知ることができます。根底にあるディープラーニングの技術によってそれが可能になります。(Tandon 氏)

このイメージングシステムでは特許取得の試験紙を使っており、一滴の血が一枚のセルレイヤー全体に広がるようになっている。それがスキャンされた後、畳み込みニューラルネットワークによって、サンプル中に含まれる成分が識別される。分析は数分で完了し、既存の方法よりもはるかに迅速に結果を知ることができる。白血球の状態、白血病、感染症、炎症など様々な問題を検出することが可能だ。

Athelas が参入するのは500億米ドルの市場だ。機械の製造コストは約250米ドルで、Athelas はこれを約500米ドルで販売している。加えて、検査1回あたり約5米ドルの収益が発生する。これは1回あたり通常30〜50米ドルかかる標準的なラボでのテストよりもはるかに安価だ。さらに Tandon 氏は、発見が遅れた疾患の治療に毎年約1,000億米ドルが浪費されていると述べた。

同社は350人の患者を対象に臨床試験を行い、1人の患者が未検出の白血病を患っていることを検出した。Tandon 氏によると、週に約100回のテストが完璧な精度で行われているという。年末までに約1万台の機械を出荷したいとしている。

同社には6人の従業員がおり、これまで Sequoia Capital と Y Combinator から350万米ドルの資金を調達している。同製品はすでに臨床的な有効性が確認されており、FDA(米国食品医薬品局)から認可が下りるのを待っているところだ。Athelas は2016年5月に設立され、『ロードオブザリング』に登場する治癒効果のある植物アセラスにちなんで命名された。

将来的に Athelas は、尿など他の種類の液体分析にも検査を広げられる可能性がある。同社は、一定数の検査を提供する月額サブスクリプション制の販売に力を入れたいとしている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

トヨタ、自動運転車にNVIDIAのクルマ用スーパーコンピュータ「Drive PX」を採用へ

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NVIDIA CEO Jen-Hsun Huang(黄仁勳)氏は、トヨタが自動運転車に NVIDIA のスーパーコンピュータ「Drive PX」を採用する見込みであると発表した。 Huang 氏は、これらのクルマは今後数年のうちに市場にお目見えする予定だとも語った。Drive PX は、Xavier の異名を持つ新しいプロセッサを採用しており、30ワットという低消費電力にもかかわらず、ディープラー…

GPU Technology Conference に登壇した NVIDIA CEO Jen-Hsun Huang(黄仁勳)氏
Image Credit: Dean Takahashi

NVIDIA CEO Jen-Hsun Huang(黄仁勳)氏は、トヨタが自動運転車に NVIDIA のスーパーコンピュータ「Drive PX」を採用する見込みであると発表した。

Huang 氏は、これらのクルマは今後数年のうちに市場にお目見えする予定だとも語った。Drive PX は、Xavier の異名を持つ新しいプロセッサを採用しており、30ワットという低消費電力にもかかわらず、ディープラーニングの処理において毎秒30兆回数の計算が可能だ。トヨタが世界の自動車メーカーとして世界最大級であることを考えれば、今回の取引は大きなものとなるはずだ。

NVIDIA は、この発表をサンノゼで開催された GPU Technology Conference で行なった。Huang 氏は、民間飛行機(エアバスが設計している)から配送トラックまであらゆるものが、オートパイロット、運転補助機能、事故防止機能などの技術によって自動化されると自信を見せた。事故防止機能は、搭載された自動運転車で周囲の危険を察知し、進入しようとする交差点に誰かが赤信号で走ってきているなどの緊急状態を警告してくれる。

Xavier には、カスタム ARM64 中央演算装置(CPU)と 512 Core Volta グラフィック演算装置(GPU)が使われている。Xavier はプログラム可能で消費電力を抑えた設計となっており、自動運転車用のソフトウェアを動かすことができると Huang 氏は語った。NVIDIA は Xavier のデープラーニング・アーキテクチャーソフトウェアをオープンソース化する予定で、この活動は9月にスタートする予定だ。

Huang 氏は、自動運転車の市場も利益も、非常に大きなものになると確信している。人々は毎年2,800億マイル(約4,500キロメートル)を運転しており、アメリカでは自動車が2.5億台、駐車場が8億台分あると語った。自動車がより効率的に目的ににつけられるようになれば、将来、これらの駐車場は必要なくなるだろう。利益を得るにおは個人ドライバーだけではない。毎日100万枚のピザを届けるドミノピザもそうだと、Huang 氏は語った。

NVIDIA の自動車ビジネスにおけるパートナーには、メルセデス、アウディ、ボシュ、テスラなどがいる。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】