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CES 2022: Nvidia、自動運転プラットフォーム「DRIVE Hyperion 8」を各社のEVやトラックに試験導入へ

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Nvidia は、自動運転車向けの最新世代プラットフォーム「Drive Hyperion 8」を発表した。 同社は今週ラスベガスで開催される技術見本市「CES 2022」で、自動運転車やトラック向けの最新技術を発表する。Nvidia は、オンラインイベントでこの技術を公開した。 最新世代の DRIVE Hyperion は、システムオンチップ「Nvidia DRIVE Orin」、サラウンドカメラ…

Nvidia は、トラック分野で TuSimple(図森未来)と提携している。
Image credit: Nvidia

Nvidia は、自動運転車向けの最新世代プラットフォーム「Drive Hyperion 8」を発表した。

同社は今週ラスベガスで開催される技術見本市「CES 2022」で、自動運転車やトラック向けの最新技術を発表する。Nvidia は、オンラインイベントでこの技術を公開した。

最新世代の DRIVE Hyperion は、システムオンチップ「Nvidia DRIVE Orin」、サラウンドカメラ12個、レーダー9個、超音波センサー12個、前面 LiDARセンサー1個、室内感知カメラ3個を使っている。

Nvidia の自動車事業担当バイスプレジデント Ali Kani 氏は記者会見で次のように述べた。

機能的に安全であるように設計されており、コンピュータやセンサーが1つ故障しても、バックアップが用意されているので、自動運転車は乗客を安全な場所まで運転することができる。

Nvidia の最新自動運転プラットフォーム「Drive Hyperion 8」
Image Credit: Nvidia

ボルボが支援する Polestar などの電気自動車メーカーや、 Nio(蔚来)、Xpeng(小鵬)、Leading Ideal(理想汽車)、R Auto(飛凡)、IM Motors(智己)といった中国の電気自動車(EV)メーカーが DRIVE Hyperion を採用している。

これらの新しい電気自動車は、無線でアップデートされるたびに、時間とともにどんどん良くなっていく。こういった電気自動車を開発する企業は、ソフトウェアドリブンの新しいビジネスモデルから利益を得ることができる。(Ali Kani 氏)

Cruise、Zoox、DiDi(滴滴出行)などのロボットタクシーサービスや、Volvo、Navistar、Plus などのトラック輸送サービスも DRIVE Hyperion を使用している。そして、自動運転トラック運送会社 TuSimple(図森未来)は、CES 2022 で、Nvidia DRIVE Orin で新しいプラットフォームを構築すると発表している。

Nvidia のチップ「Drive Orin」
Image credit: Nvidia

TuSimple は UPS、Navistar、Penske などの配送会社と提携しており、その技術はすでに米国郵政公社(UPS)の長距離ルートの到着時間を改善している。

このような車両は、アメリカだけでも2027年までに推定14万人以上が不足するドライバーを補うとされている。現在不足しているドライバーは約6万人。

また、Desay、Flex、Quanta、Valeo、ZF の5つの自動車部品メーカーが、DRIVE Hyperion をサポートすることになった。

Kani 氏は記者会見の最後、Nvidia DRIVE Concierge のデモを行った。これは、同社の音声合成 AI、コンピュータビジョン、自然言語解析、レコメンデーションエンジン、シミュレーション技術で構成される Nvidia Omniverse Avatar を使用して作成された、ドライバー向けの常時接続型デジタルアシスタントの一例だ。

Nvidia の「Drive Concierge」
Image credit: Nvidia

Nvidia は、Drive Concierge がドライバーとの音声会話を通じて、ラスベガスの Nobu で夕食の予約をするかわいいデモを行った。レストランでのシェフや名物料理についての質問に、コンシェルジュがその場で答えていた。

Kani 氏によると、Nvidia はリアル世界でのテストよりもむしろ、シミュレーション環境での自動運転車のテストと検証にオムニバースを活用しているという。Kani 氏は、今年中には自動車に搭載されることを期待していると語ったが、具体的な利用開始時期は不明だった。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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Nvidia CEOが語った、地球まるごとデジタルツインと「Omniverse Avatar」の可能性(2/2)

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(前編からの続き) デュアルユース技術 私は常々、野心的な企業がどのようにしてメタバースのようなものを構築するのか疑問に思っていたが、今になって、シミュレートすることがより重要なこともあることがわかった。それらを達成すれば、地球のレプリカという形で非常に特別なボーナスを得ることができる。このレプリカは、私たちの想像力を働かせて、独自のバージョンのメタバースを構築するためのジャンプポイントとして使う…

前編からの続き)

Jensen Huang 氏と GamesBeat の Dean Takahashi 氏
Image Credit: Dean Takahashi

デュアルユース技術

私は常々、野心的な企業がどのようにしてメタバースのようなものを構築するのか疑問に思っていたが、今になって、シミュレートすることがより重要なこともあることがわかった。それらを達成すれば、地球のレプリカという形で非常に特別なボーナスを得ることができる。このレプリカは、私たちの想像力を働かせて、独自のバージョンのメタバースを構築するためのジャンプポイントとして使うことができる。

これは、かつて軍用に開発された「デュアルユース技術」を想起させる。例えば、戦車の運転やジェット機の操縦を兵士に教えるための 3D シミュレータがある。これらのシミュレータは、バーチャルリアリティ・シミュレーションから戦闘機ゲームまで、現代の 3D ビデオゲームの基礎となっている。ここでは、非常に多くの専門家が参加する、史上最も重要な科学プロジェクトの一つが行われる。

世界各国の政府が Nvidia に必要な資金を提供してくれるかもしれないし、市場価値7,890億米ドルの Nvidia は自分でこれを構築する余裕があるかもしれない。そしてそれが構築されれば、現代のメタバースの基盤となることができる。

私が言いたいのはこういうことだ。我々、無料で何かを手に入れられることはあまりない。しかし、もし私たちが、気候を解読し、地球を滅ぼしかねないものを皆が理解できるようにするための問題解決に投資するのであれば、地球を滅ぼすことなく仮想世界を楽しむことができるメタバースのようなものを副産物として手に入れることができることに感謝すべきだ。

企業やゲームにおける Omniverse のアバター

The Earth-2 によるシミュレーションは、まもなく利用できるようになる。
Image Credit: Nvidia

別のレベルでは、Nvidia は、歩行者や自動運転車の行動をモデル化するために、AI のようなキャラクターも作っている。人間のような行動を再現するための投資を行っており、先ごろ AI を使ってゲームのノンプレイヤーキャラクターのような役割を果たすことができる 3D キャラクター「Omniverse Avatars」も発表した。

Huang 氏は、Omniverse Avatars には、音声認識、音声合成、テキストからの自然音声合成、多言語翻訳、フェイスアニメーション、アイトラッキングなど、質の高いゲームキャラクタを作るためのクールな技術が満載されていると述べている。

このようなゲームをプレイする際には、中にいるキャラクターに話しかけることになる。アバターは理解する。文字通り理解してくれる。あなたは「あそこに行って、右に行って」と言えばいい自分のチームやパートナーと話ができるようになる。それはとても面白いことになるだろうアバターは話し返してくる。アバターはコンピュータビジョンを持っている。前方に進むと、角を曲がったところに戦車が来ているのがわかるんだ。アバターにはそれが見えるのだ。プログラマーがソフトウェアにすべてを書き込むよりも、キャラクタが知覚を使うほうがずっと簡単だ。

Huang 氏は、Omniverse Avatars を作成した重要な理由の1つとして、より良い顧客サービスを提供することを挙げている。

ドライブスルー、ファーストフードの不足が深刻だ。我々は今、アバターととても良い会話ができるようにした。アバターとの会話は、どんな方法でも良いのだ。アバターにお勧めを聞くこともできる。ハンバーガーを表現する方法はたくさんあるが、アバターはその意味を認識してくれる。顧客サービス、インテリジェントな小売店のチェックアウトなど、あらゆることが可能だ。2,500万ものレストランや店舗があり、誰もが人手不足に悩んでいる。これは最も重要な分野の1つになるるだろう。

Omniverse Avatarsは、デュアルユース技術のもう一つの例だ。このアバターは、顧客サービスのために作られたもので、これは魅力的なビジネスモデルだと思いる。(しかし、ゲームの世界やメタバースの世界のリアルなキャラクターとして、何百万人もの人々が必要とする人間のようなアバターを提供することもできる。

これらのOmniverse Avatars は、我々が望めば Omniverse から切り離すこともできるとHuang 氏は言う。しかし、より現実的な新しい行動を学んだら、それを Omniverse  にフィードバックして、キャラクタのモデルを改善すべきだ。ここでも私は、Omniverse がメタバースになるのではないか、少なくともゲーム開発者が作るようなメタバースになるのではないか、という考えを持ち出した。

John Markoff 氏に対し、Jensen Huang 氏は表彰式に向け90分におよぶスピーチを準備したと語った。
Image Credit: Dean Takahashi

Huang 氏は次のように語ってくれた。

メタバースにはさまざまな用途がある。一般消費者、ビデオゲーム、そしてすでにお話しした一般消費者にとっては、我々がエンジンとなるだろう。我々こそ、その基礎となる技術だ。我々がそのエンジンとなるのだ。企業向け、特に産業向けでは我々がデジタルツインのための全体的なエンジン、全体的なシミュレーションエンジンとなるだろう。(中略)

エッジの場合、先ほどお話した小売店向けのアプリケーションは、企業でいうところのエッジ・コンピューティングだ。あまりにもかわいいものなので、もはやエッジ・コンピューティング・アプリケーションとは考えられない。しかし、これは究極のエッジ・コンピューティング・アプリケーションと言えるだろう。トラクターの車両群や AMR(自律移動ロボット)のロボット群ではなく、小さなアニメーションのキャラクターたちだ。これは、そのピクセルを動かすものだ。これはまさにロボット工学のアプリケーションだ。とてもかわいい。(中略)

エンタープライズ・エッジは、メタバースや Omniverse の大きな可能性の一つであり続ける。その反対側には、もちろんコンシューマ向けのものがある。コンシューマ向けの場合、我々が業界と協力する方法は、今日のビデオゲーム業界と協力する方法と非常によく似ている。我々は、基礎となるエンジンやインフラを提供する。それはクラウドかもしれないし、GFN(GameForce NOW、Nvidia によるクラウドベースのゲームサービス)かもしれない。彼らのクラウドかもしれない。我々は、エンジンレベルのインフラを提供する。(Huang 氏)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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テキストから実物そっくりの風景画像を作成、Nvidiaの最新AI「GauGAN2」の威力

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Nvidiaは11月22日、GauGAN モデルの後継となる GauGAN2 という AI システムの詳細を発表した。これにより、ユーザーは実在しない実物そっくりの風景画像を作成することができる。GauGAN2 は、セグメンテーションマッピング、インペインティング、テキストから画像への生成などの技術を1つのツールにまとめ、言葉と絵が混在するフォトリアリスティックなアートを作成できるように設計されて…

Image credit: Nvidia

Nvidiaは11月22日、GauGAN モデルの後継となる GauGAN2 という AI システムの詳細を発表した。これにより、ユーザーは実在しない実物そっくりの風景画像を作成することができる。GauGAN2 は、セグメンテーションマッピング、インペインティング、テキストから画像への生成などの技術を1つのツールにまとめ、言葉と絵が混在するフォトリアリスティックなアートを作成できるように設計されている。

Nvidia のコーポレート・コミュニケーション・チームのメンバー Isha Salian 氏は、次のようにブログに書いている。

GauGAN2 のニューラルネットワークは、テキストから画像へ、あるいはセグメンテーションマップから画像へのアプリケーションに特化した最先端のモデルと比較して、より多様で高品質な画像を生成する。

ユーザは、想像したシーンのすべての要素を描き出す必要はなく、簡単なフレーズを入力するだけで、雪をかぶった山脈のような画像の主な特徴やテーマを素早く生成することができる。この出発点から、特定の山を高くしたり、前景に数本の木を加えたり、空に雲を加えたりと、スケッチでカスタマイズすることができる。

テキストから画像を生成

後期印象派の画家ポール・ゴーギャンの名になぞらえた GauGAN2 は、100万枚以上の Flickr の公開画像でトレーニングされた Nvidia の2019年の GauGAN システムを改良したものである。GauGAN2 は、GauGAN  と同様に、季節によって降水の種類が変わることなど、雪、木、水、花、茂み、丘、山といった対象物の関係性を理解している。

GauGANとGauGAN2は、生成器と識別器で構成されるGAN(Generative Adversarial Network)と呼ばれるシステムの一種だ。生成器は、画像とテキストの組み合わせなどのサンプルを受け取り、どのデータ(単語)が他のデータ(風景写真の要素)に対応するかを予測する。生成器は、識別器を欺くことで学習され、識別器は予測が現実的かどうかを評価する。GANの遷移は、最初は質が悪いが、識別器のフィードバックによって改善される。

GauGAN とは異なり、1,000万枚の画像で学習したGauGAN2は、自然言語による説明を風景画像に変換することができる。sunset at a beach」のようなフレーズを入力するとシーンが生成され、「sunset at a rocky beach」のような形容詞を加えたり、「sunset」を「afternoon」や「rainy day」に入れ替えたりすると、瞬時に画像が修正される。

GauGAN2 では、シーンの中のオブジェクトの位置を示す高レベルのアウトラインであるセグメンテーションマップを生成することができる。そこから描画に切り替え、「空」「木」「岩」「川」などのラベルを使ったラフスケッチでシーンを調整し、ツールのペイントブラシで画像に落とし込むことができる。

AIによるブレインストーミング

GauGAN2は、OpenAI の DALL-E  と同じように、テキストプロンプトに合わせて画像を生成することができる。GauGAN2 や DALL-E のようなシステムは、基本的には視覚的なアイデアを生み出すもので、映画、ソフトウェア、ビデオゲーム、製品、ファッション、インテリアデザインなどに応用できる可能性がある。

Nvidia は、GauGAN の最初のバージョンがすでに映画やビデオゲームのコンセプトアートの作成に使用されていると主張している。Nvidia は、GauGAN2のコードをGitHubで公開するとともに、Nvidia の AI およびディープラーニング研究のウェブハブである Playground  でインタラクティブなデモを公開する予定だ。

GauGAN2 のような生成モデルの欠点は、バイアスがかかる可能性があることだ。DALL-E の場合、OpenAI は CLIP という特殊なモデルを使用して、DALL-E が生成した1プロンプトあたり数百個のサンプルの中から上位のサンプルを浮上させて画像品質を向上させた。しかし、ある研究によると、CLIP は黒人の写真を高い確率で誤分類し、女性を「乳母」や「家政婦」などのステレオタイプな職業に関連付けていたという。

テキストから作成された風景画像
Image credit: Nvidia

Nvidia はプレス資料の中で、GauGAN2に偏りがないかどうかをどのように監査したのか、あるいは監査したかどうかについては言及を避けている。Nvidia の広報担当者はメールで説明した。

このモデルは1億個以上のパラメータを持ち、風景画像の独自のデータセットからトレーニング画像を取得して、1ヶ月以内にトレーニングを完了した。このモデルは風景にのみ焦点を当てており、トレーニング画像に人が写っていないかどうかを監査した…GauGAN2は単なる研究用のデモだ。

GauGAN は、実在しない人物の生き生きとした画像を生成できる「StyleGAN」などのディープフェイク技術を開発した Nvidia が提供する、現実を変える最新の AI ツールの1つだ。2018年9月、同社の研究者たちは、脳腫瘍の合成スキャンを工作できるシステムを学術論文に記載した。同年、Nvidia は、現実世界の映像を使って仮想環境を作ることができる生成モデルを詳述した。

GauGAN の登場に先立ち、GAN Paint Studio が公開された。これは、ユーザーが任意の写真をアップロードして、描かれた建物や植物、備品の外観を編集できる AI ツールだ。他にも、生成機械学習モデルを用いて、YouTube の動画を見て、自然言語のキャプションから画像や絵コンテを作成したり、人間の会話を含む音声クリップに顔の動きをアニメーションで同期させたりして、リアルな動画を作成している

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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Nvidia CEOが語った、地球まるごとデジタルツインと「Omniverse Avatar」の可能性(1/2)

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Nvidia 共同設立者兼 CEO Jensen Huang 氏は11月20日、チップ業界の最高栄誉である Robert N. Noyce 賞を受賞し、仲間たちとのイベントに臨んだ。この夜は半導体と AI に関する話題で持ちきりだったが、Huang 氏が語ったある言葉が私の目を引いた。 ニューヨーク・タイムズ紙の元ジャーナリストJohn Markoff 氏と共に壇上に立った Huang 氏は、Nv…

業界最高位の賞を受賞した Jensen Huang 氏
Image Credit: Dean Takahashi

Nvidia 共同設立者兼 CEO Jensen Huang 氏は11月20日、チップ業界の最高栄誉である Robert N. Noyce 賞を受賞し、仲間たちとのイベントに臨んだ。この夜は半導体と AI に関する話題で持ちきりだったが、Huang 氏が語ったある言葉が私の目を引いた。

ニューヨーク・タイムズ紙の元ジャーナリストJohn Markoff 氏と共に壇上に立った Huang 氏は、Nvidia がグラフィックス・チップとディープラーニング・ニューラルネットワーク・アルゴリズムによって可能になった人工知能とシミュレーション技術を利用する目的を見つけたと述べた。

彼の会社は、気候科学のシミュレーションに必要な専門家をすべて集めているので、世界最大のスーパーコンピュータで気候変動のモデルを作成し、数十年にわたって地球がどのように変化するかを予測することができるようになる。そして、Huang 氏はこれを使って、地球の運命について私たちに警告を発する。その上、彼は我々にメタバースを無料で構築してくれる。

そのためには、Nvidia は、デジタルツインをシミュレートするためのプラットフォームとなっているエンジニアのためのメタバース「Omniverse」の基礎の上に、何かを構築しなければならない。例えば、BMWは自動車工場のデジタルツインを構築しているが、シミュレーションがうまくいけば、物理的な世界でまったく同じものを作ることができる。

Omniverse で作られた Jensen Huang 氏のアバター「Toy Jensen」
Image credit: Nvidia

11月18日の夜、Huang 氏は、カンファレンス「Nvidia GTC」で発表した内容を繰り返し述べた。彼は、Nvidia が気候変動の予測に特化した世界最強の AI スーパーコンピュータを構築する計画があると述べた。「Earth-2(E-2)」と名付けられたこのシステムは、Omniverse の中に地球のデジタルツインを作り出すことになる。

Earth-2 を実現するためには、これまで私たちが発明してきた技術のすべてが必要だ。これ以上に重要な使い方はない。(Huang 氏)

また、シミュレーションにはメートル単位の精度が必要であり、必要であれば、Nvidia はシミュレーションを実行するためのコンピューティングパワーを相殺するために資金を費やすと述べている。Huang 氏によると、数十年分の気候データを衛星で記録し、それをシミュレーション用のスーパーコンピュータに取り込むことが課題になるという。

そして19日の夜、Huang 氏は次のように付け加えた。

我々は地球のデジタルツインを作る。それは巨大なものになるだろう。これは地球上で最大の AI スーパーコンピュータになるだろう。地球上で最も優秀なコンピュータ科学者、最も優秀な物理学者、気候科学者を集めて、そのコンピュータを使って、地球が何十年にもわたってどのように変化するかを予測するのだ。

Nvidia がこの物理的に正確な世界を Omniverse に構築すれば、それは現実世界のメタバースに相当するのではないかと思った。それで、終了後に Huang 氏のところに行って、彼と一緒に自撮りをした。そして、「地球のデジタルツインを作れば、メタバースを無料で手に入れることができるか」と尋ねたのだ。

すると彼は「地球のデジタルツインを作れば、メタバースを無料で手に入れることができる」と言ってくれた。

これは巨大なミッションになるだろう。Nvidiaは、Omniverse を構築することで、気候変動を問題として取り上げるために必要な資金源と専門知識を見つけることを正当化できる。Omniverse は、ゲーム開発者や他のメタバース開発者が独自の仮想世界を作るために必要な地球の詳細の多くを複製することができる。例えば、ゲームで使用できるニューヨークのレプリカなどだ。

確かに、細部は異なるかもしれない。Omniverse  の開発責任者 Richard Kerris 氏がインタビューで語ったように、ゲーム開発者は、人々が毎秒60フレームという軽快な動きができるように、世界の多くの部分を高速で動作させたいと考えるだろう。そして、その目的のためには、世界の細部が細かすぎるだろうと指摘した。

しかし、これが問題なのだ。Nvidia は、とにかくこのバージョンの世界を構築するつもりだ。ゲーム開発者はそれを利用して、Omniverse を自由な基盤として、娯楽目的で作りたいものを作ることができるのだ。

後編に続く)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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工場ラインの改善はデジタルツインで:BMWがNvidiaのOmniverseを採用(2)

BMWの未来の工場の青写真 (前回からのつづき)BMWがNvidiaのGTC November 2021 Conferenceで行った4つのセッションは、BMWがどのように生産拠点を未来の工場に変えていくかという青写真を示している。その青写真の中核となるのは、バックエンドの統合サービスを適切に行うことだ。これにはProjectWise、BMWの社内システムであるPrismaおよびMAPP、Tecn…

Above: McKinsey and WEF’s ongoing collaboration provides new insights into how manufacturers can continue to adopt new technologies to improve operations, add greater visibility and control across shop floors, and keep costs in check. Source: McKinsey and Company, ‘Lighthouse’ manufacturers lead the way—can the rest of the world keep up?

BMWの未来の工場の青写真

(前回からのつづき)BMWがNvidiaのGTC November 2021 Conferenceで行った4つのセッションは、BMWがどのように生産拠点を未来の工場に変えていくかという青写真を示している。その青写真の中核となるのは、バックエンドの統合サービスを適切に行うことだ。これにはProjectWise、BMWの社内システムであるPrismaおよびMAPP、Tecnomatix eMSとのリアルタイム統合が含まれる。

BMWは技術スタックのフロントエンドの各アプリケーションとのライブシンクをサポートするOmniverse Connectorsを利用している。フロントエンド・アプリケーションには、多くの主要な2Dおよび3Dコンピュータ支援設計(CAD)、リアルタイム・ビジュアライゼーション、製品ライフサイクル管理(PLM)、および高度なイメージング・ツールが含まれる。BMWは、Nvidia Omniverseを集中型プラットフォームとして採用し、さまざまなバックエンドおよびフロントエンド・システムを大規模に統合することで、技術スタックを拡張し、31の製造工場におけるアナリティクス、AI、デジタル・ツイン・シミュレーションをサポートした。

リアルタイムでのモデルのカスタマイズを実現

他の企業が失敗する中、BMWがNvidia Omniverseをどのように導入したかは、未来の工場への取り組みの成功例を知る上で重要だ。BMWは、CAD、PLM、ERP、MES、品質管理、CRMなど、生産に不可欠な各システムの異なるクロック・スピードやケイデンスを、誰もが理解できる単一のデータ・ソースに基づいて同期させる必要があることを早くから認識していた。

Nvidia Omniverseは、データ・オーケストレーターとしての役割を果たし、各部門が解釈して行動できる情報を提供する。BMW AGの取締役会メンバーであるMilan Nedeljković氏は次のように述べている。

「グローバル・チームは異なるソフトウェア・パッケージを使用して共同作業を行い、完全なシミュレーションで動作する機能を使用して、リアルタイムで工場を設計・計画することができます。これは、BMWの計画プロセスに革命をもたらしました」。

製品のカスタマイズは、BMWの製品販売と生産の大半を占めている。現在、年間250万台の自動車を生産しているが、その99%がカスタムなのだそうだ。BMWによると、各生産ラインは10種類の車のいずれかを迅速に構成して生産することができ、それぞれの車には10種類のモデルにわたって最大100個以上のオプションが用意されており、顧客は最大2,100通りのBMWを構成することができる。さらに、Nvidia Omniverseを使用することで、BMWは新しい大型モデルの発売に合わせて工場を迅速に再構成できる柔軟性を備えることができるようになった。

ラインの改善をシミュレートして時間を短縮

BMWが製品カスタマイズ戦略に成功したのは、生産に不可欠な各システムがNvidia Omniverseプラットフォーム上で同期化されているからだ。その結果、あるモデルをカスタマイズする際のすべてのステップで顧客の要求が反映され、各生産チームにもリアルタイムで共有される。

さらにBMWは、リアルタイムの生産モニタリングデータをデジタルツインのパフォーマンスのベンチマークに利用しているという。BMWのエンジニアは、工場全体のデジタル・ツインを使って、各モデルの生産工程のどこをどのように改善すればよいかを迅速に把握することができる。

例えば、BMWはデジタルヒューマンとシミュレーションを使って、作業者の人間工学と効率性のための新しいワークフローをテストし、実際の従業員のデータを使ってデジタルヒューマンを訓練している。また、工場内に設置されているロボットについても同様のことが行われている。リアルタイムの生産・プロセスモニタリングデータとシミュレーション結果を組み合わせることで、BMWのエンジニアは改善すべき点を迅速に特定することができ、品質、コスト、生産効率の目標を達成し続けることができる。

Above: BMW simulates robotics improvements using Nvidia’s Omniverse first before introducing them into production runs to ensure greater accuracy, product quality, and cost goals are going to be met.

BMWのような複雑な製品カスタマイズ戦略を成功させるためには、製造業が依存するすべてのシステムがリアルタイムで互いに同期していなければならない。各システムが共通して動作し、各チームがそれぞれの仕事をするために必要なデータや情報をリアルタイムに提供する必要があるのだ。今日、BMWはこれを実現しており、モデルごとの構成レベルまで大規模な計画を立てることができる。

また、各モデルの構成をNvidiaのOmniverseで完全に機能するデジタル・ツイン環境でテストし、新しいモデルを生産するために生産ラインを再構成することができる。既存の生産ラインとデジタル・ツインから得られるリアルタイムの生産およびプロセス・モニタリング・データは、BMWのエンジニアリングおよび生産計画チームが、どこで、どのように、なぜデジタル・ツインを修正して、新しい改良点を生産に移す前に完全にテストするかを知るのに役っているそうだ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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未来の工場はメタバースにある:BMWがNvidiaのOmniverseを採用(1)

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BMWは、Nvidiaが発表した新技術「Omniverse(オムニバース)」を標準化し、製造業務のあらゆる側面をシミュレートすることで、スマートマニュファクチャリングの限界に挑戦している。BMWは、生産ネットワーク内の31の工場から工場労働者への作業指示に至るまでこれを実施し、生産計画の時間を30%短縮したという。 NvidiaのGTC November 2021 Conferenceでは、BMW…

Image Credit: Aviva

BMWは、Nvidiaが発表した新技術「Omniverse(オムニバース)」を標準化し、製造業務のあらゆる側面をシミュレートすることで、スマートマニュファクチャリングの限界に挑戦している。BMWは、生産ネットワーク内の31の工場から工場労働者への作業指示に至るまでこれを実施し、生産計画の時間を30%短縮したという。

NvidiaのGTC November 2021 Conferenceでは、BMWのDigital Solutions for Production Planning and Data Management for Virtual Factoriesのメンバーが、BMWとNvidiaがデジタルツインに対応した製造オペレーションのシミュレーションについての最新情報を提供した。彼らのプレゼンテーション「BMW and Omniverse in Production」では、Regensburg(レーゲンスブルグ)の工場が、現場での作業指示やロボットのプログラミングに至るまで、制約条件に基づいた大規模な生産と限られたスケジューリングをシミュレーションできる、完全に機能しているリアルタイムのデジタル・ツインの様子を詳細に紹介している。

製品の品質向上、生産量の増加に伴う製造コストや計画外のダウンタイムの削減、作業者の安全性の確保は、すべてのメーカーが目指す目標だが、一貫して達成することはほとんどないそうだ。これらの目標を達成するためには、生産やプロセスのモニタリング、製品定義、製造現場のスケジューリングなどから得られるデータを、いかに流動的かつリアルタイムに、各チームが理解しやすい形式で製造現場で共有するかが重要になる。

これらの目標を達成するための課題を克服することが、アナリティクス、AI、デジタルツイン技術を採用する理由となる。これらの課題の核心は、製造業が日々生成する膨大なデータを正確に読み解くことにある。製造業が日々生成するデータから最大限の価値を引き出すことが、スマートマニュファクチャリングの本質だ。

未来の工場とは何か

McKinseyと世界経済フォーラム(WEF)は、他の工場とは異なる優れた工場の特徴を研究している。彼らは「先進的な製造業と生産の未来を形作るプラットフォーム」の構築など、最初の共同研究やその後の多くの調査研究を行っており、この共同作業がいかに生産的であるかを物語っている。さらに未来の工場とは何かという定義に高い基準を設け、選ばれたメーカーの経営を継続的に分析して顧客に提供している。

McKinseyとWEFによると、ライトハウス・メーカー(訳注:グローバル・ライトハウス・ネットワーク参照)たちはパイロット版を大規模な統合生産へと発展させるそうだ。また彼らは製造プロセス全体の可視性とコスト管理を維持しながら、拡張性のある技術プラットフォーム、変更管理の優れたパフォーマンス、変化するサプライチェーン、市場、顧客の制約への適応性を備えていることでも知られている。BMWオートモーティブは、McKinseyとWEFが1,000社以上の企業を評価して特定したライトハウス・マニュファクチャリング・カンパニーの初代メンバーになる。McKinseyとWEFの調査によると、以下の図は、ライトハウス・メーカーの世界各地の工場の所在地を地理的に示している。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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現実世界の改善点をモデル化する:Nvidiaと気候変動問題(2)

  (前回からのつづき)詳細が明らかにされなかったことで、E2が実際に存在するのかどうか疑問視する声もあったぐらいだ。技術アナリストのAddison Snell氏は「今回の発表は示唆に富んだものだ。ただ、これが本当にあるのだとしたら私は質問があるのだが、これは一晩ゆっくり寝てから尋ねることにしよう」とツイートしている。 スーパーコンピューターの定義は通常の業務用コンピューターの何倍もの性…

 

(前回からのつづき)詳細が明らかにされなかったことで、E2が実際に存在するのかどうか疑問視する声もあったぐらいだ。技術アナリストのAddison Snell氏は「今回の発表は示唆に富んだものだ。ただ、これが本当にあるのだとしたら私は質問があるのだが、これは一晩ゆっくり寝てから尋ねることにしよう」とツイートしている。

スーパーコンピューターの定義は通常の業務用コンピューターの何倍もの性能を持つものだ。1997年にチェスの名人Gary Kasporov氏を打ち負かしたIBMのスーパーコンピューターよりも、1970年代のアポロ計画を指揮したスーパーコンピューターよりも、今のiPhoneの方が性能が高いと言われるほどだ。

地球のデジタルツインで気候変動と闘う

Nvidiaが発表した技術の多くは、超高性能コンピューティングをより広く利用できるようにすることを目的としていた。例えば、企業がクラウドサービスとして利用したり、ゼロトラスト・コンピューティングなどの目的に応用したりすることができる。

現在のスーパーコンピューターは、Linuxを搭載したサーバーを大規模に配置し、高速なインターコネクトで接続して構築されている。スーパーコンピューティングセンターがより多くの研究者に開放され、クラウドコンピューティングプロバイダーがスーパーコンピューティングサービスを提供するようになった今、NvidiaのQuantum-2プラットフォームは、スーパーコンピュータのアーキテクチャに重要な変化をもたらすものだとHuang氏は述べている。

Quantum-2は、スーパーコンピュータの性能とクラウドコンピューティングの共有性を提供する初のネットワークプラットフォームです。これはこれまで不可能でした。Quantum-2までは、ベアメタルのハイパフォーマンスか、セキュアなマルチテナンシーのどちらかしか得られず、両方を得ることができなかったからです。Quantum-2があれば、あなたの貴重なスーパーコンピュータはクラウドネイティブになり、はるかに有効に活用できるようになります」(Huang氏)。

Quantum-2は、Nvidia Quantum-2スイッチ、ConnectX-7ネットワークアダプター、BlueField-3データ処理ユニット(DPU)、およびサポートソフトウェアで構成される400Gbps InfiniBandネットワークプラットフォームで構成されている。

NvidiaはE2のアーキテクチャについて詳しく説明していないが、Huang氏は、10年後、20年後、30年後の未来を正確に予測するために、地球の気候を十分に詳細にモデル化することは、悪魔のように難しい問題だと述べている。

気候シミュレーションは、大気物理学を主にモデル化する気象シミュレーションよりもはるかに難しく、モデルの精度は数日ごとに検証する必要があります。長期的な気候予測では、地球の大気、海洋、水、氷、陸地、人間活動などの物理をモデル化し、それらが相互に影響し合うことが必要です。さらに太陽の放射を宇宙に反射する低層大気の雲などの効果を取り入れるためには、1〜10メートルのシミュレーション解像度が必要になるのです」(Huang氏)。

Nvidiaは、物理学の機械学習モデルを開発するための新しいフレームワークModulusを使って、この問題に取り組んでいる。例えば、蒸発による干ばつや、飲料水の貯水池が150フィートも低下するなど、地球の気候が急速に変化していることを考えると、この問題の解決は切実に求められている。

「緩和と適応のための戦略を開発することは、今日の社会が直面している最大の課題の一つであることは間違いありません。加速コンピューティング、物理学のML、巨大なコンピュータシステムの組み合わせは、100万倍の飛躍をもたらし、我々はこれらの問題に一石を投じることができるようになるでしょう」(Huang氏)。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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「もうひとつの地球」デジタルツインで挑む温暖化:Nvidiaと気候変動問題(1)

NvidiaのCEO、Jensen Huang氏は火曜日(訳註:原文掲載日は11月9日)に開催されたGPU Technology Conference(GTC)の基調講演で、世界を変える多くの技術を披露したが、最後に、世界を救うための約束もしている。 同氏は「私たちは気候変動をシミュレートし、予測するためのデジタルツインを構築する」と発言し、これを気候変動の影響を軽減する方法を解明するためのツール…

Nvidia’s Earth 2 digital twin goals unveiled at its 2021 GTC conference.
Image Credit: Nvidia

NvidiaのCEO、Jensen Huang氏は火曜日(訳註:原文掲載日は11月9日)に開催されたGPU Technology Conference(GTC)の基調講演で、世界を変える多くの技術を披露したが、最後に、世界を救うための約束もしている。

同氏は「私たちは気候変動をシミュレートし、予測するためのデジタルツインを構築する」と発言し、これを気候変動の影響を軽減する方法を解明するためのツールとして位置づけた上でその重要性をこう語った。

「この新しいスーパーコンピュータは、地球のデジタルツインであるE2(Earth 2)となり、Modulusが開発したAI物理学をOmniverseにて100万倍のスピードで実行します。E2を実現するためには、これまで私たちが発明してきた技術のすべてが必要になります。これ以上の重要なニュースは考えられませんね」。

デジタルツインで現実世界の改善モデルを作る

これはNvidiaが掲げる2021年の目標からさらにその向こうへの挑戦であり、最終的には科学的コンピューティングだけでなく、フルスタックコンピューティング企業への変革を目指すNvidiaの野望につながるものだと考えている。Huang氏は、Nvidiaが提唱するコネクテッド3DワールドのコンセプトであるOmniverseの説明に多くの時間を費やしたが、それが単なるデジタルな遊び場ではなく、現実世界の改善点をモデル化する場であることを明確にしたいと考えていた。彼は「Omniverseはゲームエンジンとは異なる。Omniverseはデータセンター規模、そして最終的には惑星規模になることを目指して作られている」と述べている。

Earth 2は、Nvidiaが6月に発表した1億ドル規模のスーパーコンピュータ「Cambridge-1」の次のステップを意味している。このスーパーコンピュータは、GSKとAstraZenecaが参加し、医薬品開発者や学術研究者とのパートナーシップのもとに開発されている。Huang氏は記者会見で、この新しいスーパーコンピュータはNvidiaが100%出資し、Omniverse環境でのシミュレーションに特化して設計されると語っている。他の企業や研究機関との協力関係については一切明らかにしていない。システムの設置場所やアーキテクチャなどの詳細は、後日明らかにされる予定だ。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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国境を越えた知を集結させる:20万人が集うNvidiaの年次カンファレンスGTC、11月8日から開幕(3)

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新興国市場 (前回からのつづき)GTCではアフリカ、中東、ラテンアメリカにおけるビジネスや技術的なトピックに焦点を当てたセッションも開催する。 ケニアAIセンター・オブ・エクセレンス、エチオピア・モーション・デザイン&ビジュアル・エフェクト・コミュニティ、Pythonガーナ、ナイロビ・ウィメン・イン・マシーン・ラーニング&データ・サイエンス、チリ・インリア・リサーチ・センターなどの組織や大学のスピ…

Above: Nvidia’s Inception AI startups are from the green countries.
Image Credit: Nvidia

新興国市場

(前回からのつづき)GTCではアフリカ、中東、ラテンアメリカにおけるビジネスや技術的なトピックに焦点を当てたセッションも開催する。

ケニアAIセンター・オブ・エクセレンス、エチオピア・モーション・デザイン&ビジュアル・エフェクト・コミュニティ、Pythonガーナ、ナイロビ・ウィメン・イン・マシーン・ラーニング&データ・サイエンス、チリ・インリア・リサーチ・センターなどの組織や大学のスピーカーが、新興市場の開発者がAIを使ってどのように課題に取り組んでいるかを説明する。これらの傾向についてEstes氏はこう語る。

「海外からスピーカーが増え、中東のヨーロッパにシフトした内容が多くなりました。AIが中心ではありますが、それだけではありません。人々が話題にしていることのひとつに会話型AIがあります。これはコールセンターのチャットボットから、英語を母国語としない患者を抱えた医師がいるヘルスケアまで、さまざまな業界に関係していますからね」。

また、「Bridging the Last Mile Gap with AI Education」と題されたパネルでは、アフリカの専門家やコミュニティリーダーが、AIの民主化や現実の課題の解決方法について説明する。ラテンアメリカの政府、産業界、学術界はラテンアメリカにおけるAIエコシステムの状況や、GPUとAIを使って研究者や教育者を強化する方法について議論する。

専門家はアフリカ、アラビア、インドなどの中・低リソース言語用の会話型AIを構築するための自然言語処理リソースについても議論する予定だ。

インセプション・ベンチャーキャピタル・アライアンス

Above: Nvidia’s Inception program has 8,500 AI startups.
Image Credit: Nvidia

NvidiaのInception AIプログラムは、破壊的革新の可能性を秘めた8,500社以上の企業を支援している。そして、Nvidiaの幹部は開発者、スタートアップ、コンピューティングプラットフォーム、企業顧客、企業開発に焦点を当てた同社のAI戦略と方向性について語る。また、70社以上のスタートアップ企業が、会話型AI、創薬、自律型システム、新興市場などに関わるビジネスモデルを紹介する。

パネルディスカッションにはNvidiaからGreg Estes氏をはじめ、エンタープライズコンピューティング担当のManuvir Das氏、ワールドワイドエンタープライズビジネス担当SVPのShanker Trivedi氏、コーポレートディベロップメント担当のVishal Bhagwati氏、ベンチャーキャピタルビジネスディベロップメント担当のMat Torgow氏、AI/HPC向けソフトウェアプロダクトマネジメント担当副社長のKari Briski氏が参加する。

Nvidiaのソリューション・アーキテクチャー担当ディレクターであるOzzy Johnson氏は、スタートアップの成長を加速させるための技術や主要なフレームワークについて説明する。

パンデミックは、ヘルスケア・ライフサイエンス(HCLS)業界への投資とイノベーションを促進した。経済の不確実性にもかかわらず、HCLSのAIスタートアップは記録的な資金を調達している。このパネルでは、バイオテックのCyclica、病理学のIBEX、超音波のRayshapeといったスタートアップのCEOが参加し、NvidiaのグローバルヘルスケアAIスタートアップ責任者であるRenee Yao氏がモデレーターを務め、ヘルスケアにおけるAIのトレンド、課題、技術的なブレークスルーについて説明する。

ダイバーシティ&インクルージョン

Above: Nvidia’s Omniverse is a way to collaborate in simulated worlds.
Image Credit: Nvidia

GTCは、世界中のほぼすべてのコミュニティが参加できるオープンなイベントとして構成されている。セッションは開発者、研究者、科学者、教育者、専門家、そして歴史的に恵まれていないグループの学生に情報を提供し、刺激を与えるように企画されている。

テーマはより良いデータセットの構築や、AIのインクルーシブ化などだ。NvidiaはLatinX in AI、Tech Career and W.AI in Israel、Ewha Womans University of Koreaなどの組織と提携し、多様なコミュニティを対象にNvidia Deep Learning Instituteワークショップへの無料アクセスを提供している。

「当社はDeep Learning Instituteで多くの教育プログラムやトレーニングを行っており、歴史的に黒人の多い大学の教育者との取り組みや、アフリカでの活動も推進しています。特にテクノロジー分野の女性を対象とした活動では、歴史的に十分な影響を受けてこなかったコミュニティに、より良いトレーニングを提供し、教育者と協力して最先端の考え方を身につけてもらおうとしています」(Estes氏)。

Nvidiaは、子供たちがAIやエンジニアリングに興味を持てるよう、教育者向けに無料の教育キットを提供している。「若い世代だけでなく、新しい技術を学びたいと考えている中堅社員も支援することで、次世代を担う人々と対話することが重要」とEstes氏は語る。

ダイバーシティ・セッションの一つである「W.AI」では、学識経験者、業界の専門家、W.AIの創設者が一堂に会し、メンタリングの機会や上級学位取得の支援を通じて、データサイエンスやAIの分野に多くの女性が参加できるようにするにはどうしたらよいかを話し合うそうだ。

NvidiaのDeveloper Ecosystemの戦略的イニシアチブの責任者であるLouis Stewart氏は、Africana Digital Ethnography Projectの教員や学生の研究者とともに、世界各地の自然言語理解を向上させるための新しくユニークなデータセットを構築するための取り組みについて語る。

スマートシティのためのAI」では、都市の課題を解決するためにAIがどのように導入されているか、都市環境でAIを使用する際の倫理的な課題、都市化に起因する課題、インフラの故障、交通管理、人口の健康問題、エネルギー危機などにAIがどのように対処できるかについて説明する。

本イベントでは、ヨーロッパ、中東、アフリカ、イスラエル、インド、中国、日本、韓国、台湾、南アジア太平洋地域から地域別のスピーカーが参加する。

「優れた方々は世界中のどこにでもいます。これは本当に重要なテーマです。AIの仕事をする人の頭脳に関して、特定の国が他の国よりも優位に立つ理由はどこにもありません。私たちは、そういった地域へのアプローチにエネルギーを注いでいます。先ほどアフリカを例に挙げましたが、ラテンアメリカやアジア太平洋地域でも、優れた考え方や素晴らしい仕事があるのです。シンガポールやベトナムなど、こういった地域を1つの場所に集めることができるのは、本当に素晴らしいことだと思います」(Estes氏)。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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世界トップクラスのセッション:20万人が集うNvidiaの年次カンファレンスGTC、11月8日から開幕(2)

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(前回からのつづき)GTCは今年で2回目になる大きなイベントだ。これまでNvidiaは春に大きなイベントを開催し、その後は小さな地域イベントを数多く開催していた。しかしパンデミックの影響で、それが2つの大きなオンラインイベントに発展したのだとEstes氏はVentureBeatのインタビューで語っている。特にCOVID-19のデルタ株問題のため、Nvidiaは秋のGTCでもオンラインのみとすること…

Above: Nvidia’s Cambridge-1 will be available to external U.K. scientists.
Image Credit: Nvidia

(前回からのつづき)GTCは今年で2回目になる大きなイベントだ。これまでNvidiaは春に大きなイベントを開催し、その後は小さな地域イベントを数多く開催していた。しかしパンデミックの影響で、それが2つの大きなオンラインイベントに発展したのだとEstes氏はVentureBeatのインタビューで語っている。特にCOVID-19のデルタ株問題のため、Nvidiaは秋のGTCでもオンラインのみとすることを決断したらしい。

「物理的なイベントに戻るタイミングは春を希望していますが、もちろん何とも言えません。その一方で、フィジカルなイベントだけを行うことはもう考えられませんね。この先も、本当にしっかりとしたデジタル開催は存在するはずです。というのもあまりにも成功しているからです。人々はこの方法を気に入ってるし、私たちにとっても多くの人を見込むことができるようになりました。以前だったらこんなに多くのスピーカーを招くなんてことできませんでしたからね」。

Nvidiaはイベント終了後にセッションを視聴できるようにするそうだ。Estes氏は来場見込みを20万人と明かしてくれた。

「春と同じ20万人以上の登録を見込んでいます。このように多くの関心とつながりを得られることは素晴らしいことです。開発者コミュニティのために、私たちはGTCのすべてのセッションを永続的に無料で提供しています。Nvidia on demandでこれらの講演をアーカイブしています」。

ちなみにミートアップとしてNvidiaはBrainDateと呼ばれるサードパーティのアプリを使ってミーティングをアレンジしている。しかしEstes氏はCOVID-19が盛り返したことで、多くの人が集まることに抵抗を感じていたそうだ。そして時間が経てば、多くの人にとって移動するよりも便利なバーチャルリアリティによるミーティングやイベント、コラボレーションが流行するだろうと予想している。彼は「AI技術は急速に進化しているので、年に1回以上のイベントを開催するのは理にかなっている」とも語っていた。

その他のセッション

Above: GPUs in the Nvidia Cambrigde-1.
Image Credit: Nvidia

OpenAIのチーフサイエンティストであるIlya Sutskever氏は、深層学習の歴史と将来の可能性について語る。スタンフォード大学のコンピュータサイエンス教授であるFei-Fei Li氏は、ヘルスケアの暗い空間を照らすアンビエント・インテリジェンス(スマートなセンサーベースのソリューション)について議論し、Nvidiaのヘルスケア担当副社長であるKimberly Powell氏とのQ&Aに参加する。

Disney Imagineeringの副社長兼テクノロジー・スタジオ・エグゼクティブであるBei Yang氏は、同社がどのように高度な技術を用いてメタバースを「創造」しているかを語る。

Lockheed Martinの主席AIソフトウェア・システムアーキテクトであるShashi Bhushan氏は、「エンジニアのためのメタバース」であるNvidia Omniverseを使って、山火事の予測や消火活動をどのように行っているかを説明する。

BMWの生産計画用デジタルソリューション担当のRoss Krambergar氏は、BMWが製造の柔軟性を高めるための「未来のデジタルツイン工場」のビジョンを実現するため、Nvidia Omniverseをどのように活用しているかを説明する。

St. Jude Children’s Research Hospital(セント・ジュード小児研究病院)の最高情報責任者であるKeith Perry氏は、小児の生命を脅かす病気の治療を進めるためにデータサイエンスをどのように活用したかを説明する。Palo Alto Networksの最高技術責任者であるNir Zuk氏は、サイバーセキュリティのためのAIについて語る。

Nvidiaの機械学習研究ディレクターでカリフォルニア工科大学の教授でもあるAnima Anandkumar氏は、AIモデルにおけるバイアスの測定と軽減に関するパネルに登壇し、AIと科学的コンピューティングの融合における進歩に関するセッションを担当する。

同じくNvidiaのワールドワイドAIイニシアチブ担当副社長であるKeith Strier氏と、スロベニアのデジタルトランスフォーメーション担当大臣であるMark Andrijanič氏は、インフラやデータサイエンティストを含むAIへの投資を各国がどのように行う必要があるかを議論するファイヤーサイドチャットに参加する。

MIT、Amazon Web ServicesのSustainable Data Initiative、Nvidiaの科学者たちは官民のグループがどのようにして気候データを科学者に提供しているかを説明する。

専門家によるパネルディスカッションでは、あらゆる業界の3DクリエーターにとってのUniversal Scene Description(USD)の可能性について語る。このパネルには、PixarでUSDのプロジェクトリーダーを務めるSebastian Grassia氏、Siemensでチーフソリューションアーキテクトを務めるMohsen Rezayat氏、Epic Gamesでシニアプロダクトマネージャーを務めるShawn Dunn氏、Esri R&D Center Zurichでシニアソフトウェア開発者を務めるSimon Haegler氏、CannonDesignで最高技術責任者を務めるHilda Espinal氏、Nvidiaでシニアディスティニーエンジニアを務めるMichael Kass氏が参加する。

Daimler TrucksのCTOであるAxel Gern氏は、自律的な未来に向けたソフトウェア定義のトラックを開発するための戦略、課題、機会について説明する。また、昨春のGTC基調講演でバーチャル空間におけるJensen氏を作成した際に使用した技術を、Nvidiaのグラフィック・ウィザードが公開する予定だ。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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