気候テック特化のインパクト投資取引所「Net Zero-X」がシンガポールに開設

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Image credit: Net Zero-X Exchange

インパクト投資家のための新しいブロックチェーン取引所がシンガポールで開設された。

Net Zero-X Exchange」は、ネットゼロ(正味排出量ゼロ)の未来への世界的な移行を妨げている重大な資金ギャップに取り組むことを目的としている。

機関投資家や認定投資家を対象としたこの取引所では、持続可能性に関心のある投資家が、吟味されたグリーン、クリーン、クライメートテック・プロジェクトを特定し、支援することができる。

Net Zero-X は、その代表的なプロジェクトである世界初の「ドライブイン型廃棄物処理・エネルギー回収ハブ(Drive-In Waste Disposal & Energy Recovery Hub)」を立ち上げた。イギリスを拠点とするこのイニシアチブは、廃棄物を従来の埋立処分場から最新鋭の施設に誘導し、二酸化炭素排出量と環境への影響を削減すると同時に、資源回収を最大化することを目的としている。

また、投資を求めている60の持続可能性プロジェクトも特定した。同プラットフォームは、今後5年以内に500のプロジェクトに参加し、今後10年間で100億米ドルを超えるインパクトキャピタルの展開を促進することを目指している。

Net Zero-X のプラットフォームは、シンガポールのブロックチェーン企業 Chintai の技術に基づいて構築されている。Chintai は、すべての取引について不変かつ検証可能な記録を提供できるため、完全な透明性を提供し、取引所の投資を保護することができる。

気候変動による最悪の影響を最小限に抑えるため、世界の指導者たちは2015年、国連の拘束力のあるパリ協定に署名し、今後数十年間で排出量を大幅に削減し、2050年までにネットゼロを達成することを約束した。

しかし、世界経済の脱炭素化には莫大な資金が必要だ。Allen & Overy と Climate Policy Initiative の調査によると、現在から2030年まで毎年6.2兆米ドルのクライメートファイナンスが必要で、この金額はその後7.3兆米ドルに増加し、ネットゼロ目標を達成するためには合計で200兆米ドル近くになると試算している。

このコストは、公的セクターが融資できる額を超えている。ネットゼロ排出量目標を達成するには、政府と企業の協力が必要だ。現在、世界には年間4兆米ドルという途方もない資金ギャップが残っているが、Net Zero-X の取引プラットフォームは、このギャップを解消する一助となる。

【via e27】 @E27co

【原文】

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