コールセンター市場に新風、生成AIが客に電話をかける「nocall.ai」/Monthly Pitch! スタートアップの扉

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林正悟さん

本稿はベンチャーキャピタル、サイバーエージェント・キャピタルが運営するサイトに掲載された記事からの転載。毎月第2水曜日に開催される Monthly Pitch へのピッチ登壇をご希望の起業家の方、オーディエンス参加をご希望の起業家の方の応募はこちらから

サービス概要:Passionate Geniusが開発するのは、架電特化の生成AI電話サービス「nocall.ai」。人間のように会話応答ができる架電サービスです。ピッチでは、人間のような口調と人間のような柔軟な応対をした車検電話がデモとして公開されました。

nocall.aiの特徴は、架電に特化している点。受電ではエンドユーザーの方の多種多様な質問に対応する必要がありますが、架電であればトークスクリプトをもとにしてAIが話し、部分的にFAQ情報を参照すればいいため、精度が高くなるそうです。万が一間違えたとしても、人が訂正できるため、導入のハードルも高くありません。また、架電はかければかけるだけ売上が上がるということもあり、nocall.aiは従量課金制を採用しています。

Monthly Pitch編集部はココに注目:2030年、日本は341万人分の人手不足に陥ると言われています。これまで企業は多大な時間を電話に費やしてきたため、人手不足の影響を直撃するでしょう。この課題を解決するのがnocall.aiです。

nocall.aiを導入した車検会社は、車検の案内に月101時間、約13営業日分も「そろそろ車検ですよ」というお電話をしていたそうです。しかも電話は一回で繋がらず、繋がるまでには3.5回のかけ直しが発生するなど、電話に多大な時間がかけられていました。しかしnocall.aiを導入することで、予約した時間に電話でき、繋がらなかった宛先にだけかけ直すということも可能になったそうです。

コールセンター市場は約1兆円のマーケットですが、これは大手企業が大量の電話を一気に外注することで発生しています。しかし生成AIの電話では、例えば病院の定期検診に来ないお年寄りに1件だけ電話をするという使い方でもコスパが合うかもしれません。そのためSMBや個人へ導入を進めることで、TAMの拡大も見込めると、Passionate Genius代表の林さんは意気込みます。

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