HRテックのROXX、東証グロースに上場へ

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Image credit: ROXX

Z キャリアプラットフォーム(旧 agent bank)」や「back check」を運営するROXX は19日、東京証券取引所への新規上場申請を実施し、承認されたことを発表した。市場区分はグロースで証券コードは241A。325,000株を公募し、2,598,100株を売り出す。なお、オーバーアロットメントは438,400株。主幹事はみずほ証券が務め、上場予定日は9月25日。

価格の仮条件は9月3日に決定し、ブックビルディング期間は9月5日から9月11日を通して実施される。最終的な公開価格決定日は9月12日。

公募を含む上場時の発行済み株式総数が7,273,170株で、想定価格の2,110円から算出した企業評価額はおよそ153.4億円規模。同社公開の有価証券届出書によれば、2023年9月期の通期売上高は20億7,578万円で経常損失は7億4,295万円となっている。

ROXX は2013年11月に創業(当初の社名は RENO)。人材紹介ビジネスに特化したクラウド求人データベース「Z キャリアプラットフォーム」では、人材紹介会社側は月額利用料のみでサービス上に掲載されている62,000件以上の求人にアクセス可能で、求人企業側は完全成功報酬型で募集求人を掲載できる。一方、back check はオンライン完結型のリファレンスチェックサービスだ。書類選考や面接だけでは分からない採用候補者の経歴や実績に関する情報を、候補者の上司や同僚から取得することができる。

主要株主は、創業者で CEO の中嶋汰朗氏が17.92%、One Capital が2つのファンドを通じて10.29%、クルーズ(東証:2138)が7.27%、グローバル・ブレインが6.51%、パーソルキャリアが5.71%、共同創業者で取締役 COO の山田浩輝氏が5.58%、Skyland Ventures が5.16%、fundnote(旧 KxShare)が2つのファンドを通じて4.41%、サイバーエージェント(東証:4751)が2.60%、ウィルグループ(東証:6089)が2.12%と続く。

ROXX のこれまでの軌跡

2013年——RENO としてのスタート

ROXX は2013年、当時、共に青山学院大学の3年生だった CEO の中嶋汰朗氏と取締役 COO の山田浩輝氏により設立された。当初は新卒人材紹介事業を展開していた。

2016年——SCOUTER としてのスタート

人を雇わずに転職支援のアプローチを増やす方法を検討する中で、ソーシャルヘッドハンティングへとピボット。 SCOUTER に社名を変更し、プレシリーズ A ラウンドを実施した。

2017年——シリーズ A ラウンドの資金調達

2017年にシリーズ A ラウンドを実施。この資金調達で、同社はサービスの開発と市場展開をさらに進め、採用業界における存在感を高めていった。

2019年〜2020年——「back check」の立ち上げと採用業界の変革

2019年10月には「back check」を立ち上げた。2020年に入り、ROXX は新型コロナウイルスの影響で採用市場が大きく変わる中、特にリモートワークの普及に伴い分散型採用のニーズが高まった。2020年には、5億円および9億円の調達が発表された。

2021年——VC との協業やサービスの拡充

2021年、ROXX はさらなる成長を目指し、VC との協業を強化した。また、8月には、back check がさらに進化し、採用プロセスの一部として Solomon との連携が発表された。これにより、採用過程の透明性と信頼性が一層向上した。

2022年——シリーズ B ラウンドでの飛躍

ROXX は、2022年にシリーズ B ラウンドで資金調達を実施し、さらなる成長を遂げた。この資金調達により、採用支援サービスの強化と新たな市場開拓が進められ、ROXX は企業としての基盤をさらに強固なものとした。

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