1年で売上5倍!急成長中「レジリア」に注目が集まるワケーー1週間のスタートアップ動向まとめ【Weekly HOT100/9月2日週】

SHARE:

みなさんこんにちは!スタートアップの活動状況チャート「BRIDGE HOT100」に掲載されているスタートアップの話題を毎週、まとめてお送りする連載を開始しています。9月に入りましたのでチャートを新たに更新し、672社から選ばれた107社の情報を更新いたしました。チャートの確認方法については文末に記載していますのでそちらもチェックしてみてください!

1年で売上5倍!急成長中「レジリア」に注目が集まるワケ

近年、自然災害の増加や地政学的リスク、パンデミックなど、サプライチェーンを取り巻くリスクは多様化・複雑化している。また、ESG(環境・社会・ガバナンス)への関心の高まりから、サプライチェーン全体での持続可能性の確保も重要な課題だ。

この課題を解決しようという急成長スタートアップ、それが「Resilire(レジリア)」だ。

Resilire 代表取締役の津田裕大氏

サプライチェーンリスク管理サービス Resilire を提供する同社が先週の2日、デロイトトーマツコンサルティングとのアライアンス契約締結を発表した。国内企業のサプライチェーンにおける潜在リスクの予防と、リスク顕在化時の影響最小化を目指す。

Resilireのサービスは、主に3つの機能で構成されている。「サプライチェーンの可視化」機能では、企業間の取引関係をツリー状に表示し、複雑なサプライチェーンの全体像を把握できる。「国内外のリスク検知」機能では、自然災害、政治的混乱、疫病の流行などのリスクを常時モニタリングし、警告を発する。「有事の際の影響調査」機能では、リスク顕在化時に影響を受ける可能性のあるサプライヤーや部品、製品などを即座に特定する。

要は、何らかのトラブルで企業のサプライチェーンが停止した場合、その全容をいち早く把握し課題解決に向かえるというサービスなのだ。導入した企業の中には、リスク発生時の影響把握期間が3分の1に短縮できたケースもあるという。

大手への導入も続く。これまでにも小林製薬や富士製薬工業、アリナミン製薬などが同社サービスを採用していたが、7月には、大日本印刷(DNP)もResilireを採用したと公表した。

もちろんこうしたサービスを投資家が放置しておくはずがない。今年4月、同社は総額約6億2,000万円の資金調達を実施。出資したのはDNX Ventures、Archetype Ventures、DEEPCOREで、第三者割当増資によるものだ。機能拡充や組織体制強化を加速させるとしている。

Resilire

大手への導入でインパクトが大きいのが「関係企業」への展開だ。例えばDNPは、Resilireのデータベース機能を使って社内のサプライチェーンデータを整備し、順次サプライヤーへも展開してデータ連携を強化する計画を明らかにしている。これは以前取材したアスエネなどにも共通しているが、サプライチェーンに関わるデータを取り扱うプラットフォームの場合、導入が1社だけに止まらないケースがある。

4月に同社代表取締役の津田裕大氏に話を聞いたが、こうした戦略の結果、1年で5倍の売上成長を記録しているという。

「この1年ぐらいで(売り上げ、アカウント数共に)5倍ぐらいに成長してるんです。理由としてはやはり、Resilireは1社で完結するプラットフォームではない、という点があると思います。サプライヤーなどいろんな企業を巻き込んでいく構造なので、他の企業にも使ってもらってデータを集めた方がお互いインセンティブがあるんです。先行して利用いただいた企業からネットワーク効果で広がりやすい」(津田氏)。

デロイト トーマツとのアライアンスでは、Resilireがソリューションの提供や機能開発を行い、デロイト トーマツはサプライチェーン可視化やサプライヤーリスク管理ニーズのある企業にResilireを紹介する。また、ソリューション導入時のPMOやサプライヤーエンゲージメントの支援、リスクの優先順位付けや対応施策立案・実行支援も行う。

Resilireの存在は平時には目立たない性質のものだ。しかし緊急時には「なくてはならない」サービスとして今度も導入が続くと予想される。

ではここから先週、HOT100にチャートインしたスタートアップの動向を主要な話題と共におさらいしていく。

新製品発表:シェア型フードホール「re:Dine 大阪」関西初出店

favy は、大阪・梅田駅前のグラングリーン大阪内に「re:Dine 大阪」を9月6日にオープンした。うめきた2期地区開発事業「JAM BASE」(北館)1階に位置するこの施設は、ハンバーガー、麻婆豆腐、クラフトビールなど、バラエティ豊かな飲食店が集まる「フードホール」だ。5店舗、85席を擁し、関西エリアでの初出店となる。

施設の特徴として、モバイルオーダーやキャッシュレス決済などの飲食 DX 技術を活用している。顧客はテーブルから全ての店舗の商品を注文でき、支払いもテーブル単位でまとめることができる。これにより、フードコートのように注文時や料理の受け取り、食器返却などで席を立つ必要がない。

飲食店のDXを進めるシェア型のフードホールが関西初出店

オープンを記念し、9月6日から13日までの期間限定で、生ビール・ハイボールが100円になるキャンペーンを実施する。また、9月10日から29日までの期間、店内でロボットアバター「Sota100」とCGアバター「Gene」や「Nirva」が接客を行う。

出店店舗には、「麻婆麺専門店~麺と痺れ」「BRISK STAND」「クラフトビール100 Otomoni×サケリスト」「coffee mafia うめきた」「サケリストうめきた」がある。クラフトビール100種類以上の飲み放題サブスクや、コーヒーサブスクの割引キャンペーンなども実施する。

favy は2019年よりシェア型フードホールの開発運営を開始し、現在、東京(日本橋・汐留)・鹿児島県・宮城県・大分県・宮崎県で展開している。「re:Dine 大阪」は関西エリア初出店となり、今後も全国展開を進めていく方針だ。

今週の新製品情報

TENTIAL は、リカバリーウェア「BAKUNE」シリーズから新素材3種を10月上旬より販売開始する。ベロア、サテン、ソフトニット素材を採用し、血行促進効果のある一般医療機器として届出済みだ。また、長距離移動時向けの「MIGARU」シリーズ11アイテムと冬用リカバリーサンダルも9月中旬より順次発売

スナックミーは、「窓辺でのんびり 色づく秋のクッキー缶」を9月5日よりオンラインストアで販売開始した。秋をテーマにしたオリジナル缶に9種類のクッキーを詰め合わせている。価格は4,280円(税込)で、会員は300円引きとなる。

今週のアップデート:アートコミュニティアプリ「ArtSticker」大規模アップデート

The Chain Museum は9月4日、アート・コミュニケーションプラットフォーム「ArtSticker」の大規模アップデートを発表した。

ArtSticker は、世界的なアーティストから注目の若手まで、幅広いジャンルの作品を探索・購入できるプラットフォーム。ユーザーは好きなアーティストをフォローし、新作情報を受け取ることができる。また、アートコンシェルジュ機能を利用して、チャットで作品探しの相談ができる。イベントや展示会のチケット購入、音声ガイドの利用も可能だ。さらに、「スティッカー」機能を使ってアーティストを直接支援し、感想を伝えることもできる。The Chain Museum が運営するリアルギャラリーとの連携も強化され、デジタルとリアルの両面でアート体験を提供している。

ArtSticker

主な変更点として、新しいホーム画面の導入が挙げられる。これにより、注目のコンテンツやパーソナライズされたおすすめ作品、フォロー中のアーティスト作品などが一目で確認できるようになった。また、これまで複数存在していたリアクション機能を「お気に入り」に一本化し、気になる作品を簡単に保存・管理できるようになった。

作品探索機能も大幅に強化された。「見つける」メニューでは、作品やアーティスト、イベント、読み物、スペースなど、ArtSticker 上のあらゆるコンテンツを効率的に探すことができる。さらに、ユーザーの好みに基づいたパーソナライズ機能により、利用頻度が増すほどより適切な作品が推薦されるようになった。

新機能として、フォロー中のアーティストが新作を発表した際にメールで通知を受け取る機能や、希望する作品のウェイティングリストに登録できる機能も追加された。また、アプリの UI 言語を日本語、英語、中国語(繁体字・簡体字)に切り替えられる多言語対応も実現し、国際的なユーザーにも対応できるようになった。

今週のアップデート

Conoris Technologiesは9月5日、セキュリティチェックシート回答支援サービス「Conoris Answer」を全企業向けに拡大した。情報セキュリティアンケート、個人情報取扱調査、RFI、RFPなど、幅広い調査票への回答に対応し、業務効率化を支援する。

IVRyは9月5日、対話型音声AI SaaS「IVRy」のISO/IEC 27001認証取得を発表した。情報セキュリティマネジメントシステムを国際規格に基づいて構築・運用し、より安全なサービス提供を実現。AI自動応答やCRM機能など、フロントオフィス業務支援を強化している。

OPTEMOは9月6日、Web接客ツール「OPTEMO」のBtoBツール評価プラットフォーム「ミナオシ」掲載を発表した。実名レビューの公開により、サービスの信頼性と透明性が向上。Webサイト訪問者との即時コミュニケーションを可能にし、潜在顧客との接点創出を支援する。

業務提携:LayerXとJCBが提携、経費精算効率化へ

LayerXとJCBが業務提携を発表した。この提携により、JBCが今年8月から提供する「JCB法人カード利用明細データ連携サービス」がLayerXの経費精算システム「バクラク経費精算」に対応したもの。経費精算における主な課題は、カード利用明細と証憑の突合、事前稟議との突合、仕訳作成などの業務を目視・手作業で行う必要があることだった。これらの作業は時間がかかり、ミスのリスクも高く、経理担当者の大きな負担となっていた。新サービスはこの課題解決を図る。

【法人カード利用明細データ自動連携イメージ】

JCB法人カードの利用明細データが「バクラク経費精算」に自動連携され、利用者がカード情報を登録すると、利用日、金額、加盟店名などが最短翌日に自動表示される。これにより、カード利用明細と証憑・事前稟議の紐付けが容易になり、経費申請作業が大幅に削減される。また、仕訳作成の簡素化、ペーパーレス化の促進、不正利用の防止、ガバナンス強化にも寄与する。

「バクラク経費精算」は手入力ゼロを目指す次世代システムで、AI-OCR機能や稟議との紐付け機能を備える。この提携により、JCB法人カードユーザーはより効率的な経費管理が可能となり、特に中小企業や個人事業主にとって経費清算の効率化が期待される。大企業においても、全社的な経費管理の透明性向上とコスト削減に寄与する可能性が高まるとしている。

今週の業務提携

アスエネ APACがマレーシア・サラワク州でESG推進の協業を締結(9月2日)

9月2日、アスエネ APAC は、脱炭素の連携枠組み「 AZEC 」の会合に参加し、 Dasar Consulting とマレーシア・サラワク州における ESG 推進の協業に関する MOU を締結した。両社の協業により、マレーシアの現地企業を中心に、 CO2 排出量見える化・削減・報告クラウドサービス「 ASUENE 」と ESG 評価クラウド「 ASUENE ESG 」の導入促進を行い、サラワク州の脱炭素・ ESG 経営の推進に貢献していく。

KivaがフューチャーショップのECプラットフォームとシステム連携開始(9月5日)

9月5日、 Kiva はフューチャーショップが提供する SaaS 型 EC サイト構築プラットフォーム「futureshop」とシステム連携を開始した。この連携により、「 futureshop 」または「 futureshop omni-channel 」を利用中の EC 事業者はユニウェブのアクセシビリティ機能をスムーズに提供できるようになる。

TENTIALとサイバーエージェントがSELFLAMEを用いた睡眠改善検証を実施(9月3日)

9月3日、 TENTIAL はサイバーエージェントと共同で「SELFLAME を用いたウェアによる従業員の睡眠改善の検証」を実施した。検証の結果、 SELFLAMEを用いたウェアの使用により、主観的評価において「睡眠の質」「日中の眠気」がそれぞれ 3.1p 、 2.6pt 有意に改善され全国平均を上回る結果となった。これはサイバーエージェント全体で年間 8.2 億円の経済損失額が改善される可能性も試算されている。

Paynが「なっぷ」と業務提携、キャンプ場のキャンセル料請求を自動化(9月4日)

9月4日、 Payn は、 R.project が運営するキャンプ場検索・予約サイト「なっぷ」と業務提携を開始した。この提携により、「なっぷ」を導入しているキャンプ場は、初期・月額費用不要でキャンセル料の請求業務を自動化することが可能となる。キャンプ業界特有の天候による直前キャンセルやキャンセル料の回収課題に対し、予約を最大化しつつノーショー等のキャンセル対策を行う新しい選択肢を提供する。

ACROVEと愛知銀行がビジネスマッチング契約を締結、EC支援ソリューションを提供(9月4日)

9月4日、 ACROVE は、愛知銀行とビジネスマッチング契約を締結した。これにより、愛知銀行の取引先企業に対し、 ACROVE の EC 支援ソリューションを特別プランで提供する。また、取引先企業の成長支援に向けたセミナーの共催も検討している。

食べチョク生産者登録1万軒突破

ビビッドガーデンは9月4日、運営する産直通販サイト「食べチョク」の登録生産者数が1万軒を突破したと発表した。2019年から5年で生産者数が21倍に急成長し、1軒の農家で月間2,471万円を売り上げる事例も出ている。自治体との連携も100件を超え、最高齢94歳の生産者も活用するサービスに成長した。

生産者との連携についても、現在の米不足に関連した生産者アンケートを実施。「注文は増えているが在庫はある」などの声を受けて「すぐに届くお米特集」などのコーナーを開設し、生産者を応援しながら米の在庫不足対策を強化するなど、生産者との連携も進んでいる。

食べチョクは、消費者が生産者に直接感想を伝えられる特徴があり、2024年9月時点でユーザー数100万人、約5万点の商品が出品されている。野菜・果物をはじめ、米・肉・魚・飲料といった食材全般と、花き類を取り扱っており、日本の産直通販サイトの中でも高い認知度や利用率を獲得している。

好みに合う生産者を選んでくれる野菜定期便「食べチョクコンシェルジュ」や旬の果物が届く定期便「食べチョクフルーツセレクト」、企業の福利厚生や販促キャンペーンに活用できる法人向けサービス「食べチョク for Business」も展開している。

また、生産者向けには食材の魅力が伝わる商品写真の撮影や梱包・商品ページ作成のアドバイス、生産者のロゴ入りオリジナル段ボールの製作販売や、スキマバイトサービス「タイミー」を通じた人手不足対策などの外部事業者連携も進めている。

経営と増資:newmo、軽井沢に自動運転タクシーの研究拠点も

newmo は9月3日、長野県内に新会社「newmo 軽井沢御代田」を設立し、2025年夏より軽井沢・御代田エリアでタクシー事業を開始すると発表した。この新拠点は、大阪に続く第二の事業拠点として位置付けられ、将来的には自動運転タクシーの研究開発拠点としても活用される予定だ。

軽井沢エリアは避暑地として人気が高く、国内外からの観光客増加により、観光シーズンにおける観光客と地元住民双方の移動手段不足が課題となっている。この課題に対応するため、新会社では利用者ニーズの高い車両の導入や、独自の運行管理システムを活用し、便利で快適なタクシーサービスの提供を目指す。

さらに、newmo は深刻化する人手不足社会を見据え、自動運転タクシーの活用に向けた検討も開始する。政府の「骨太の方針」では、2025年度に全都道府県での自動運転の通年運行計画・実施を目指すとしており、newmo はこの動きに先駆けて、特に担い手不足が深刻な地方部における活用事例の創出を目指す。

newmo が提供するサービスは、タクシーとライドシェアを組み合わせた新しい移動手段として注目を集めている。利用者は専用アプリを通じて配車を依頼でき、リアルタイムで車両の位置や到着時間を確認することができる。また、AI を活用した需要予測システムにより、効率的な配車と待ち時間の短縮を実現している。さらに、キャッシュレス決済にも対応し、利便性の高いサービスを提供している。

今週の経営アップデート

ACROVEは9月5日、匠ワランティアンドプロテクションから「つながる端末保証」事業を譲受した。この譲受により、EC延長保証事業展開の一助とし、保証事業の知見をEC事業者へ還元してサービスの拡充と質の向上を目指す。ACROVEは2020年からEC販売支援を手掛けており、今回の事業譲受で長期的な購入率向上施策を強化する。

TENTIAL9月3日、は第二種医療機器製造業許可を取得した。これにより、一般医療機器の届出だけでなく、管理医療機器の認証登録も自社で行うことが可能となった。TENTIALはリカバリーウェア「BAKUNE」シリーズを展開しており、今回の許可取得で医療機器メーカーとしてさらなる成長を目指す。

パートナーサクセスは9月2日、シリーズ A ラウンドとして約4億円の資金調達を実施した。累計調達額は約8億円となった。同社は代理店連携管理クラウド「PartnerSuccess」PRMを提供しており、今回の調達資金を金融領域へのサービス拡張、マルチプロダクトのリリース、組織拡張に活用する予定。

9月6日、Brave groupはサンリオと資本業務提携契約を締結した。両社は日本発 IP のグローバル化とバーチャル領域における海外市場の可能性を追求する。Brave groupは VTuber 事業を展開し、サンリオはグローバルにエンターテイメント事業を推進しており、両社の強みを活かした事業展開を目指す。

人事組織:元JAXA宇宙飛行士の山崎直子氏、スペースデータのアドバイザーに

スペースデータは9月2日、元JAXA宇宙飛行士の山崎直子氏をアドバイザーに迎えた。山崎氏は2010年にスペースシャトル・ディスカバリー号に搭乗し、国際宇宙ステーションでのミッションに従事した経歴を持つ。JAXA退職後も宇宙政策委員会委員や宙ツーリズム推進協議会理事などを歴任し、宇宙産業の発展に寄与している。

スペースデータは「新しい宇宙を作る」をビジョンに掲げ、宇宙とデジタルの融合を目指す研究開発を行うスタートアップ。同社が推進するオープン・スペースコロニー構想は、宇宙ステーションや宇宙ロボットを開発するための基盤システムをオープン化し、世界中のあらゆるプレイヤーがスペースコロニー開発に参加できるようにすることを目指している。

この構想の実現に向け、山崎氏の知見を活かし、国際機関を含む様々な関係者との連携を強化する。同社は宇宙OSプラットフォームの開発に取り組んでおり、これをオープンアーキテクチャとして全世界に公開することで、非中央集権的なプロジェクトとしてスペースコロニーの開発を推進する計画だ。

山崎氏は就任にあたり、「宇宙と地球をオープンに繋ぎ、皆がアクセスできるようにするというスペースデータの取り組みに共感した」とコメントしている。同社は宇宙開発をインターネットのようにオープンかつ身近にすることで、単独ではなし得ないスケールとスピードでの進化を実現させ、人類の宇宙展開を通した産業変革「SX(スペース・トランスフォーメーション)」を推進することを目指している。

今週の人事・組織の話題

9月2日:hokanは李暢氏をExecutive Advisorに迎えた。李氏は明治安田生命での経験後、InsurTechスタートアップSureifyの日本進出支援やPlug and Play Japanでの活動を経て、Fintech協会理事を務めるなど、InsurTech分野で豊富な経験を持つ。

9月4日:アスエネは間瀬裕介氏を取締役CFOに、西村亮氏を執行役員マーケティング責任者に任命した。間瀬氏は投資銀行業務やプライベートエクイティの経験を持ち、西村氏はグーグルでのマーケティング統括経験がある。両氏の起用により、事業成長の推進とコーポレートガバナンス体制の構築、グローバルでの経営体制の強化を図る。

今週の導入事例:Thinkingsの「sonar ATS」が導入実績2,000社突破

Thinkingsが提供する「採用管理システム sonar ATS」の導入実績が2,000社を突破し、年間経常収益(ARR)が20億円を超えたことを公表した

sonar ATSは、新卒・中途を問わず、各応募経路からの候補者データを一元管理できる採用管理システム(ATS)である。応募書類の管理や選考案内の連絡といった煩雑な作業を自動化し、採用業務の効率化を実現する。ドラッグ&ドロップで採用プロセスを設計でき、候補者に寄り添った採用活動が可能となる。

主な導入企業としては、NTTデータ、JCB、トヨタ自動車などの大手企業に加え、法務省や文部科学省といった官公庁にも採用されている。その内訳を見ると、業種は「メーカー」が15%と最も多く、次いで「建設・不動産」「法人サービス」が13%、「消費者サービス」が12%と、幅広い業界で利用されている。従業員規模では、1,000名以上の企業が39%、500~999名の企業が22%、100~299名の企業が16%と、大企業から中小企業まで幅広く導入されている様子がわかる。

sonar ATSの特徴として昨年4月にはAIを活用して書類選考等の判定精度向上を支援する機能「sonar AI」を公開。さらに今年の4月には新機能として、求人作成のプロセスに伴走する「AI求人作成アシスタント(β)」の提供を開始するなど、継続的な機能拡張を行っている。

今週の導入事例

Creww近畿経済産業局と事業開始(9月2日)「KANSAIアトツギ支援ネットワーク拡大事業」を9月2日から実施開始する。若手後継者の支援強化を目的とし、セミナーや勉強会、ピッチイベント、事例集作成などを通じて、近畿地域からのイノベーション創出を目指す。

400Fの「オカネコDX」がデロイト トーマツ コンサルティングに採用(9月3日)金融DXソリューション「オカネコDX」をデロイト トーマツ コンサルティングが採用した。顧客データに基づくセグメント配信や1対1トークなど、横断的な顧客コミュニケーションの実現を目指す。Embedded Financeと対話型金融の新たなトレンド創出を目指す。

AGRISTがJA全農いわてと実証実験開始(9月5日) 岩手県内のハウスでピーマン収穫ロボットの実証実験を開始する。人手不足に悩む岩手県の園芸生産、特に中山間地域での生産性向上と人手不足解消を目指す。東北エリアでの初の導入となる。

hacomonoが愛媛県プロジェクトに採択(9月4日) 愛媛県デジタル実装加速化プロジェクト「トライアングルエヒメ」に採択された。無人民泊システムを導入し、空き家活用やインバウンド誘客、遍路向け宿不足の課題解決を目指す。DX化により運営コストを抑えた無人民泊施設の増加を促進する。

トレック・ジャパンがMicoworksの「MicoCloud」を導入(9月3日) 「MicoCloud」を導入し、LINEを活用したデジタルコミュニケーションを強化する。LINE経由の購買率がメルマガの5.4倍となり、配信費用に対する売上が1600%を達成。顧客との継続的なコミュニケーション基盤を構築した。

WOVNがナブテスコのサイトを多言語対応(9月5日) ナブテスコのグローバルコミュニティサイトをWOVN.ioで多言語対応した。日本語・英語・中国語(簡体字)の3言語で公開し、インターナルコミュニケーションの活性化を通じた従業員エンゲージメント向上を図る。リアルタイムな情報共有を実現。

岡三証券グループがハッカズークのサービス導入(9月2日) 「Official-Alumni.com」を用いてアルムナイ(退職者)との関係構築を開始する。再入社支援制度「Okasan Seagull Club」をアップデートし、長期的かつ良好な関係性構築を目指す。双方向的なコミュニケーションを促進する。

AUTHENTIC JAPANの「ココヘリ」が白馬国際クラシックで必携装備に(9月6日) 「白馬国際クラシック」の必携装備品に「ココヘリ」が指定された。トレイルランニングレースでの携行義務化が進み、今年度は10を超えるレースで指定された。山岳遭難時の迅速な捜索を可能にする。

武蔵野銀行がカラクリのシステムを導入(9月3日) チャットボット・FAQ統合システムを導入し、運用工数を約50%削減した。非対面チャネルの拡充により、さらなる顧客満足度向上を推進する。AIチャットボット「KARAKURI chatbot」とAI搭載FAQツール「KARAKURI smartFAQ」を活用している。

クラスター「バーチャルあべのハルカス」でeスポーツ大会開催

「バーチャルあべのハルカス」にてメタバース×eスポーツの実証実験が実施された。9月6日に実施されたもので、あべのハルカス入居テナント向けeスポーツ大会「パワフルプロ野球『ハルカスカップ2024』」の決勝戦と3位決定戦をメタバース内の展望台エリアにある大型スクリーンでパブリックビューイングし、人気芸人の NON STYLE 井上裕介氏や eスポーツアナウンサーの篠原光氏による実況中継が行われ、メタバースならではの演出や出演者との交流イベントも開催された。

e スポーツ大会、「パワフルプロ野球『ハルカスカップ2024』」

また、8月23日から9月4日まで「ハルカス バーチャルサーキット」にてゴーカートレースの走行タイム1位を決める「ハルカスカップ2024 version サーキット」が開催された。期間中に記録された最速タイムを競うこの大会では、参加者全員にバーチャルサーキット限定アイテムが配布され、優勝者にはバーチャルオリジナルトロフィーが贈呈される。

これらのイベントは、メタバースを活用した eスポーツの新たな観戦スタイルと体験の可能性を探る実証実験として位置付けられている。

今週のイベント・キャンペーン

(Anique/9月2日)TVアニメ「天穂のサクナヒメ」のオリジナルグッズが9月19日より予約販売開始される。缶バッジ、アクリルスタンド、ステッカーなど、キャラクターの魅力を詰め込んだアイテムが登場する。予約期間は10月14日までで、Aniqueショップにて受け付ける。

(TENTIAL/9月3日)パラアルペンスキー/パラ陸上競技の村岡桃佳選手とのコンディショニングサポート契約が締結された。リカバリーウェア「BAKUNE」シリーズの提供を通じて、村岡選手のさらなる挑戦と活躍をバックアップする。村岡選手は冬季パラリンピックで金メダル4個を含む計9個のメダルを獲得している。

(OIKOS MUSIC/9月4日)YouTube音楽番組「cross-dominanceチャンネル」にフォーピースバンド”ケプラ”が出演することが発表された。9月4日にメジャーデビューシングル「キセキ」をリリースしたケプラの楽曲制作ストーリーを深掘りする。番組はYouTubeとInterfmラジオで公開予定だ。

(SUPER STUDIO/9月5日)通販アプリ「BRAND VOX」が9月5日から11日まで「THE [ ] STORE」に出店する。日本未上陸ブランドを含む選りすばりの商品を販売し、アプリダウンロードで5%オフキャンペーンも実施する。9月8日と9日にはインフルエンサーイベントも開催予定だ。

(PoliPoli/9月6日、9月2日)山形県山形市岐阜県岐阜市で、寄付基金『Policy Fund』の参加団体募集が開始された。各市の課題解決のための実証実験に取り組みたい団体や企業を9月6日と9月2日からそれぞれ募集する。

(indent/9月3日)「タテカラー漫画原作コンテスト」の受賞作『英雄の娘は死亡フラグを回避する』が9月3日よりcomicoにて新連載される。特別賞を受賞した作品をフルカラーで縦読み漫画化し、購入コインの20%プレゼントキャンペーンも実施する。

(フィナンシェ/9月2日)川原卓巳氏による新プロジェクト「川原プロデュース」のコミュニティが公開された。日本の良いモノを世界に届けるためのプロジェクトで、FiNANCiEにてコミュニティトークン「川原トークン」の運用も開始する。

(ウタイテ/9月3日)歌い手ユニット『すぱどり』の新グッズが9月6日より販売開始される。『わちゃりっく☆パーリィ!』グッズとすぱどりウェルカムグッズ第二弾が登場し、UTAITEオフィシャルストアにて受注販売される。

(クラスター/9月3日)『Cluster Conference 2024』が8月29日に開催された。個人の営利利用解禁やワールド内課金機能など、クリエイターの活動を支援する新機能が多数発表された。バーチャル経済圏の確立に向けた今後の展開も示された。

HOT100更新のお知らせと有料購読のご案内

9月のチャートを更新いたしましたのでお知らせいたします。今月から朝日メディアラボベンチャーズのポートフォリオ企業が新たに参加し、チャート全体の登録社数は672社になりました。過去にBRIDGEで取材・掲載し、6月から8月の3カ月でリリースを4本以上配信(※)した企業は107社となっています。

有料購読のご案内:BRIDGEでは毎週、国内・海外のスタートアップ調達をまとめた記事や、毎週のトレンドをまとめたWeekly HOT100、テックトレンド、スタートアップ各社の資金調達ニュースなど、毎月160本以上の記事を配信しています。無料の会員登録でも毎月10記事まではお読みいただけますので、この機会にぜひ会員登録をしてみてください。

また、マイページから有料のMembers Plusにアップグレードしていただくと、すべての記事が読めるようになるほか、672社が掲載されたHOT100のチャートすべてをご覧いただくことができます。初月は無料になっていますので、ご購読の方よろしくお願いいたします。

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する