クレジットカードに紐づいたクーポン「セゾンCard Linked Offer」開始ーー運営のカンムは第三者割当増資も発表

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カード決済連動型の送客サービス「Card Linked Offer」を国内で提供するカンムは6月24日、国内第一弾となる「セゾンCard Linked Offer」をクレティセゾンと共同で開始すると発表した。またこれと同時にカンムはEastVenturesおよびANRI、個人投資家の三者を引受先とする第三者割当増資も実施している。金額は約4300万円。

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Card Linked Offerとは米国で始まった新たな送客手法で、クレジットカードを利用したユーザーの情報を解析し、最適なクーポンなどの特典を配信する仕組み。特徴的なのは、オンライン上のバナークリックなどを通じてクーポン利用の意思を示せば、その後店舗でクレジットカードを利用するだけで特典を受けられる点にある。

Card Linked Offerの仕組みとは

もう少し詳しく説明しよう。利用ユーザーにはクレジットカードの利用明細画面にオンラインクーポンが配信されている。これは過去のクレジットカード利用履歴などから分析して、適切にターゲティングされた情報が配信される。興味があってそのクーポンを利用したいユーザーは、そこでこのバナーをクリックする。

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この後、利用店舗側でユーザーはクレジットカードを利用すると、自動的にクーポンの利用が実施され、特典が受けられる、という仕組みだ。特典は主にキャッシュバックで、今回開始されるセゾンCLOでは「永久不滅ポイント」がポイントバックされるようになっている。

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一方店舗側はこのクーポンを出したい場合、このクレジットカード履歴などの情報からきめ細やかなターゲティングが可能で、さらにクレジットカードだけで利用できることから不要なポイント端末やオペレーションといった教育が不要になる。またマーケティング費用も完全な成果報酬型で、導入のハードルは極めて低い。

気になるのはセキュリティだ。この点についてカンム代表取締役の八巻渉氏に話を聞いたところ、個人情報などのデータは全てクレジットカード会社側にあるため、従来通りのセキュリティが担保されていると回答した。また同社は現在セキュリティに関する認証取得も並行して進めているそうだ。

「クリックした匿名のクーポン情報をカンム側で管理するだけで、カード会社から個人情報は出ていかない。これまでも購買履歴の分析はすべてカード会社で実施してDMなどに活用していた。それがウェブですぐにリアクションがわかるようになる」(八巻氏)。

代表の八巻氏は20代の若き起業家。以前には分散サービスや自然言語処理の研究開発に携わっており、このCLOというモデルを見つけるまで、MarketGeekという金融系のサイトを立上げる等、金融情報に関連したサービスを探っていたそうだ。今回の資金調達を受けて、新たに営業人員や解析などに携われる人材を確保していくという。

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