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AIがん診断Lunitが69億円調達しIPOへ、女性起業家の活躍が増加傾向など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(11月22日~11月26日)

本稿は、韓国のスタートアップメディア「Startup Recipe(스타트업 레시피)」の発表する週刊ニュースを元に、韓国のスタートアップシーンの動向や資金調達のトレンドを振り返ります。 Copyright 2021 © Media Recipe. All Rights Reserved. 11月22日~11月26日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは11件で、資金総…

本稿は、韓国のスタートアップメディア「Startup Recipe(스타트업 레시피)」の発表する週刊ニュースを元に、韓国のスタートアップシーンの動向や資金調達のトレンドを振り返ります。

Copyright 2021 © Media Recipe. All Rights Reserved.


11月22日~11月26日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは11件で、資金総額は1,635億ウォン(約156億円)に達した。

(クリックして拡大)

主なスタートアップ投資

  • 医療 AI スタートアップ Lunit(루닛)が国内外 VC から720億ウォン(約69億円)のプレ IPO 調達。調達した資金を、AI 製品の研究開発と世界市場開拓運営資金として使用する計画。プレ IPO 仕上げ後、今月中に KOSDAQ 予備審査を請求予定。関連記事
  • ブロックチェーン医療データを扱う Humanscape(휴먼스케이프)が Kakao(카카오)から150億ウォン(約14億円)を調達。希少難病の情報を提供するプラットフォーム運営し、医療データを提供してくれる患者にコイン報酬を提供。Kakao とグローバル市場をターゲットにしたヘルスケアサービスを共同開発する予定。
  • ハイテク素材スタートアップ TFJ Global(티에프제이글로벌)が125億ウォン(約12億円)を調達。フッ素を使わない、環境にやさしい撥水加工ナノ技術を活用し、ハイテク素材を開発。調達した資金で、難燃性の繊維専用工場増設を本格的に進め、世界進出を進める計画。
  • Wayhills Ventures(웨인힐스벤처스)が AI ベースの映像コンテンツ自動制作ソフトウェアで65億ウォン(約6.2億円)を調達。ブロックチェーン、NFT 技術の連携により、デジタルコンテンツの収益化・資産化機能でサービスを高度化し、世界進出を計画。
  • ショート SNS「CELEBe Korea(셀러비코리아)」運営が62億ウォン(約5.9億円)を調達。化粧品開発プラットフォームとデジタルトレンドを連携したビューティーソーシャルコマースで成長を目指す。
  • 健康ソリューションプラットフォーム「Adoc(착한의사=善良な医者)」を提供する Viva Innovation(비바이노베이션)が、シリーズ A ラウンドで60億ウォン(約5.7億円)を調達。病院、薬局、医師探しだけでなく、病院費比較、医療保険請求、総合検診の予約などがすべて可能。ユーザは70万人、中大型病院130カ所と契約。調達した資金で、ヘルスケアソリューションを高度化する計画。
  • BLQ(비엘큐)は、購入前体験で合理的な購入決定を支援する電子製品コマースモール「Test Valley(테스트밸리)」で60億ウォン(約5.7億円)を調達。

トレンド分析

韓国の女性スタートアップが増加傾向

最近、大規模な資金調達に成功する女性スタートアップが増え、市場で女性代表を以前よりは簡単に探すことができるようになった。代表的には「Market Kurly(마켓컬리)」運営会社の Kurly(컬리)がある。今年ユニコーンクラブ入りを果たしたKurly は、10月に上場のための主幹事証券会社を選定、来年に IPO を控えている。上場に成功すれば名実共に、韓国で最も成功した女性スタートアップになる見込みだ。今年、ファッション EC モール「Musinsa(무신사)」に3,000億ウォン(約291億円)で買収された「Styleshare(스타일쉐어)」も女性が設立し、成功裡にエクジットした事例として取り上げられている。

2020年の「Startup Recipe 投資レポート(스타트업레시피 투자 리포트)」によると、韓国の女性創業企業が資金調達した合計金額は、全調達額の8%程度にとどまることがわかった。性別は、スタートアップの資金調達や成功で、決定的な要因とはみられない。しかし、比率で見ると、まだ投資に成功した女性創業者が少なく、投資を執行する VC にも女性比率が低いのは事実だ。幸い、今年は昨年に比べて2倍以上活性化された投資エコシステムに支えられ、女性比率はやや上がると予想される。

今年1月から10月まで資金調達に成功した女性企業の数と金額を見ると、毎月の変動が大きい。ある月には多くの投資金が集まり、ある月には投資金がほとんどない(インフォグラフィック参照)。その理由は、大規模資金を調達した一部のスタートアップが、女性創業の企業の資金調達額に大きな影響を及ぼすからだ。1~10月に資金調達に成功したトップ15社を見れば、特定のいくつかのスタートアップが全体調達額の上昇を牽引している。しかし、全体的な傾向として、女性が調達した資金額が上昇していることがわかる。

良い点は、女性創業者が増えていること、そして女性スタートアップが属する分野もますます多様化しているということだ。過去には、美容、ファッション、児童など女性が強みが持つことができる分野に偏っていたが、現在はほぼすべての分野で女性創業者を探すことができ、技術ベースのスタートアップも大幅に増加した。また最近では、最初の会社を売却して、2番目の会社を設立した連続起業家の女性創業者も続々登場している。子供向けフィンテックプラットフォーム「Lemontree(레몬트리)」、クリエイタープラットフォーム「Bigc(빅크)」などがその例だ。これらは、製品リリース前のシード段階で大型投資を資金調達するなど、成果を出している。

業界では、女性創業者が比率が次第に増加しているということに肯定的な反応を見せながらも、依然としてその割合が低いと言われる。

人々はこう口を揃える。

男性と女性の起業家比率が50:50にならなければならないというわけではないが、男性中心の傾いた運動場が存在するのは事実なので、政府や支援機関、そしてスタートアップメンバーが一緒に性別に関係なく創業に挑戦する機会を作るのに力を入れなければならない。

VC も女性審査役の割合を増やすなど投資審査において女性の参加を増やしている。このような努力が実を結び、来年はより多くの女性創業者が出ると期待している。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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VFR、ブルーイノベーション、藤和那須リゾートが協業、ドローンによるコテージへの空輸サービスの実証開始

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 ドローンメーカーの VFR、遠隔や自動での制御技術のブルーイノベーション、栃木・那須高原で大規模分譲別荘地「藤和那須ハイランド」の開発・販売や「TOWA ピュアコテージ」を運営する藤和那須リゾートは、ドローンを使ったコテージへの空輸サービスの実証実験を開始した。 これは、VFR と藤和那須リゾートが1…

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

ドローンメーカーの VFR、遠隔や自動での制御技術のブルーイノベーション、栃木・那須高原で大規模分譲別荘地「藤和那須ハイランド」の開発・販売や「TOWA ピュアコテージ」を運営する藤和那須リゾートは、ドローンを使ったコテージへの空輸サービスの実証実験を開始した。

これは、VFR と藤和那須リゾートが11月に発足させ、KDDI を含む18社が賛同企業として参加する「Hello DRONE Project」の一部として運用されるもの。Hello DRONE Project の活動としては、今月開始されたトイドローン「VFRee-T01」の発売と那須ハイランドパークでの新アトラクション「ハチャメチャ ドローン探検隊」に続き、第二弾となる。

藤和那須リゾートでは、来春にもドローンを使ったコテージへの空輸サービスの導入を予定しており、今回はその実証と認知向上を目的として実施される。ドローンには、自律制御システム研究所のドローン「ACSL-PF2」と PRODRONE のドローン「PD6B-Type3」の2機が使用され、安全運航管理システムにはブルーイノベーションの「Blue Earth Platform」を使用される。

荷物を空輸するドローン

実証がおこなわれるのは、那須高原の広大な敷地に点在する各コテージに、TOWAピュアコテージ既存飲食メニュー(ピザ、BBQ用食材)やサプライズプレゼント(婚約指輪、ノンアルコールの乾杯用ドリンク)をデリバリするサービス。ドローン空輸により、約894m の距離を空輸時間約3分で届ける。

VFR は、「技術と情熱で、人と社会の可能性を切り拓く」をビジョンに掲げ、2020年3月にソニーのコンピュータブランド VAIO の子会社として設立された。VAIO がパソコン事業で培った高度な設計・製造技術や国内外のサプライチェーンのマネジメント能力などをドローンにおいても有効に活用しているという。

KDDI は今年10月、KDDI Open Innovation Fund 3号から VFR に出資、ドローン事業拡大とドローンの社会実装の推進を目的として、VFR と業務提携契約を締結したことを明らかにしている。両社は、ドローンがあらゆる場面で活躍できる社会の実現に向け、スマートドローン(スマートフォンで遠隔制御できる長距離飛行可能なドローン)対応機体の品質向上や、機体開発における通信モジュールの組み込み支援、国内におけるドローン保守運用体制の構築などを目指すことを明らかにしていた。

KDDI は産業用ドローンを活用した地域課題解決、作業効率化などで多くの取組み実績があります。今回VFR様の「Hello DRONE Project」と連携してエンターテインメントの側面からドローンの活躍の場を広げる取組みをし、実証実験により利用者にワクワクを感じてもらえる仕組み作りが出来たと感じています。今後は配送の分野に限らず様々なドローンの協創モデルを VFR 様と作り上げたいと思います。(KDDI ビジネス開発部 原宜之氏)

従来、ドローンのサービス実証は過疎地域での老人向けサービス実証など、国や自治体の予算に頼ったものが多かったが、VFR ではこれと対照的に「ドローン社会実装後の体験価値を販売する」ことを目指しているという。同社は今後は、藤和那須リゾートだけでなく、ウェディング企画会社との協業で演出としての技術提供や、ドローンを使用した空中アート演出、 動画撮影サービスの展開も構築する予定だ。

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グルメSNS「シンクロライフ」と川崎フロンターレが協業、チームの勝利が地元飲食店の応援につながるプロジェクトを展開

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 トークンエコノミー型グルメ SNS「シンクロライフ」を展開する GINKAN と、川崎を地盤とする J1 プロサッカーチームの川崎フロンターレは、10月から「メシアガーレ川崎プロジェクト」を展開している。フロンターレ加盟店で食事をすると代金に応じてポイントが貯まるほか、川崎フロンターレが試合に勝利した…

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

トークンエコノミー型グルメ SNS「シンクロライフ」を展開する GINKAN と、川崎を地盤とする J1 プロサッカーチームの川崎フロンターレは、10月から「メシアガーレ川崎プロジェクト」を展開している。フロンターレ加盟店で食事をすると代金に応じてポイントが貯まるほか、川崎フロンターレが試合に勝利した場合には加盟店で受け取れるポイント還元率が2倍になるなど、ゲーミフィケーションの要素を多数取り入れつつ、地元サッカーファンの熱狂を地元飲食店の営業活動に還元できるのが特徴だ。

このプロジェクトでは、次のようなサービスを受けることができる。

  • フロンターレ加盟店で食事をすると、食事代金からポイントが貯まる
  • フロンターレ加盟店からの「自信の一品優待」オファーが50%オフで購入可能、ポイントも貯まる(「自信の一品優待」は事前購入型の優待券)
  • 貯まったポイントは、フロンターレグッズや川崎フロンターレ公式カフェ「FRO CAFE」、スタジアムモバイルオーダー、またコンビニやマッサージなど全国18,000店舗で利用可能
  • 試合時のスタジアムグルメをモバイルオーダーで、並ばずキャッシュレスで購入可能に

また、川崎フロンターレが試合に勝利した場合には、次のような追加サービスを受けることができる。

  • 加盟店で受け取れるポイント還元率が2倍に
  • 加盟店からオファーされる「自信の一品優待」購入で受け取れるポイント還元率が50%に(50%オフ後の購入金額に対して50%還元)
サービスの流れ
サポーターへの優待券オファー

弊社は飲食業界で事業展開をさせて頂いてることで、日々飲食店にとって「今」最も何が必要か考えます。コロナ禍で行動制限のある生活になり「地域とのつながり」の重要性を感じました。消費者がより地域で食事をする機会が生まれ、飲食店はいかに地域の消費者に知ってもらえるかの実現を考えた際に「地域」=「スポーツ」というアイデアが生まれました。さらにスポーツチームの応援と消費をデジタルを活用した仕組みで実現したいと考え川崎フロンターレさんへ提案しました。このプロジェクトはシンクロライフの「顧客のロイヤル化」というサービスの強みと、川崎フロンターレさんの強いサポーターとのつながりで飲食店を全面支援し、地域のつながりを強化することを実現します。(GINKAN 代表取締役 神谷知愛氏)

川崎フロンターレは地域との関わりを大事にしており、その中でも飲食店の皆様にはクラブ創設時から応援していただいております。過去も飲食店を巻き込んだ企画を検討しましたが「アナログ作業」の問題で実現に至りませんでした。今回、それを可能にしてくれたのがこのシンクロライフ。店側の負担が少なく、ファン・サポーターは普通に食事をするだけでポイントがもらえ、さらに加盟店売上の一部が強化費になるなど「三方よし」で真の意味で川崎を元気にするプロジェクトだと思っております。(川崎フロンターレ サッカー事業部 タウンコミュニケーション部 部長代理 谷田部然輝氏)

メシアガーレ川崎のプロジェクトには、開始した2021年10月現在、川崎の約100店舗の飲食店が参加しているが、GINKAN と川崎フロンターレでは最終的に500店舗まで増やしたいとしている。今回のプロジェクトは、神奈川県のアクセラレータ「ビジネスアクセラレーターかながわ(BAK)が神奈川県の企業との連携するスタートアップを募集、GINKAN が採択されたのを受けて実現した。

2012年10月にローンチしたシンクロライフは近年、「口コミへの不審感」と「検索の煩雑さ」から解放されるよう、AI飲食店レコメンドとブロックチェーンを活用した暗号通貨ポイントを活用したコミュニティ確立に傾倒してきた。2019年7月からは、シンクロライフ加盟店で食事すること暗号通貨ポイントがもらえるサービスを開始。飲食店はリスクフリーでマーケティングを展開できるようになった。食事することで暗号通貨ポイントが得られる加盟店は全国に1,400店舗以上あり、31万件の食レビューと12万件以上の飲食店が掲載されている。

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「旅ナカで仲間に出会う」体験をオンラインに、クラブツーリズムとKDDIが共創

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 クラブツーリズムは9月にKDDIと業務提携し、新たなサブスクリプションサービス「クラブツーリズムPASS」を発行すると公表している。10月から開始されているもので、クラブツーリズムPASS会員には趣味のオンライン講座やトークライブイベント、趣味のコンテンツが用意される。学べるオンデマンド配信コンテンツ…

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

クラブツーリズムは9月にKDDIと業務提携し、新たなサブスクリプションサービス「クラブツーリズムPASS」を発行すると公表している。10月から開始されているもので、クラブツーリズムPASS会員には趣味のオンライン講座やトークライブイベント、趣味のコンテンツが用意される。学べるオンデマンド配信コンテンツは歴史や鉄道など100本以上が用意されており、毎月のアップデートも予定されている。また、旅行ガイドブックや趣味に特化した月刊雑誌の読み放題サービスも提供される。

クラブツーリズムPASS会員に入会するにはクラブツーリズムインターネット会員に登録する必要があり、月額会費の決済はauかんたん決済が対応している。auかんたん決済には別途au IDの登録が必要。月額費用は550円で、来年3月までは最大2カ月の利用料が無料になっている。

クラブツーリズムPASSでは趣味などのコンテンツやイベントを通じて仲間と繋がるコミュニティづくりを進める。両社の提携の背景にはやはり、感染症拡大で大きな痛手を負った「旅行」をなんとか次の姿に進めたいという思いがあったようだ。プロジェクトを担当したKDDIサービス統括本部の手島氏はサービスの狙いを次のようにコメントしている。

クラブツーリズムPASSはオンライン上に趣味や好きなことを楽しんだり、深めたりするプラットフォームを構築しています。お客さまが好きなことを探究するためのコンテンツや、旅・イベントなどのリアルな体験、そして、共通の趣味を通じた仲間と出会い、繋がることができる様々な機会を提供予定です。クラブツーリズムにしかできない『旅ナカで仲間に出会う』体験をオンラインにアップデートすることでどこでもいつでも提供できることが強みであり特徴になっています。(KDDI 手島 健二氏)

一方、クラブツーリズム側はこの急激な変化に対応するため、思い切った一手としてオープンイノベーション、つまり共創を選択した。クラブツーリズムの新・クラブ1000事業推進部長の勅使河原 大二氏はそのチャレンジをこう明かす。

我々はウィズコロナの市場に柔軟に対応していくことが求められ、デジタルトランスフォーメーションの推進により既存のビジネスモデルを進化させる必要がありました。本事業は当社が今まで取り組んでこなかったデジタルコンテンツの領域であり、当社だけで取り組むのは難しいと考えています。

ポイントとなるのはKDDIとの協業で推進した、という点です。巨大な通信インフラを有し、デジタルソリューションに関し日本有数の知見を持つKDDIのリソースを活用し、今までクラブツーリズム独力では難しかった、デジタルコンテンツの充実化とデジタルトランスフォーメーション(DX戦略)を実現したいと考えています。(クラブツーリズム 勅使河原 大二氏)

協業にあたっては、それぞれの持ち味が活かされた。クラブツーリズム側には旅行を中心とする商品企画やコンテンツ制作、関連媒体からの集客力、顧客窓口などの強みがあり、一方のKDDIにはIT関連技術や豊富な顧客基盤・データがある。

お互いの強みのリソースを掛け合わせてスタートする協業が「クラブツーリズムパス」になった(KDDI 手島 健二氏)

協業の結果、クラブツーリズム側ではデジタルへの取り組みを通じて社員の意識も変わりつつあるという。

発表した結果、社内外から当社の新しい挑戦に対する厳しい意見と好意的な評価の両方をいただきました。分かりやすいところで言えば株価に影響しました。社内で起こった意識の変化は、サイトがオープンしてから新デジタル時代を見据えた新規事業を成功させようと全社員が強い意識で取り組むようになったことです。課題点は、新しいサイトの会員利便性を向上させていくことですね(クラブツーリズム 勅使河原 大二氏)

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住友生命とPREVENTが健康増進・生活習慣病重症化予防の実証事業、医療費増大の抑制に期待感

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 生命保険大手の住友生命は今年8月、 同社CVC である「SUMISEI INNOVATION FUND」からヘルステックスタートアップの PREVENT への出資と業務提携締結を発表した。両社が持つサービスを組み合わせた健康増進・生活習慣病重症化予防に繋がる取組みの開発を進めており、人々の生活の質(Q…

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

生命保険大手の住友生命は今年8月、 同社CVC である「SUMISEI INNOVATION FUND」からヘルステックスタートアップの PREVENT への出資と業務提携締結を発表した。両社が持つサービスを組み合わせた健康増進・生活習慣病重症化予防に繋がる取組みの開発を進めており、人々の生活の質(QOL)の向上や健康寿命の延伸、最終的には医療費抑制への貢献を目指すとしている。

PREVENT は、「一病息災(病気の一つや二つを抱えながら、病気とうまく付き合いながら、より健やかな人生を過ごしていくこと)を支える健康支援モデルを社会に」を掲げ、医療データ解析事業「Myscope(マイスコープ)」やオンライン完結型の生活習慣病の発病・重症化予防プログラム「Mystar(マイスター)」を展開。

住友生命は、これまでの社会保障制度の一翼を担う生命保険の提供に加えて、これからはVitality健康プログラムを中心に、「一人ひとりのよりよく生きる=ウェルビーイング」に貢献することで社会からみて「なくてはならない」生命保険会社を目指しており、それを実現するため、様々な価値を提供していくエコシステム「WaaS(Well-being as a Service)」の構築を目標に掲げている。住友生命は PREVENT を WaaSの中核パートナー企業の1社と位置づけ、共同でサービスの開発に取り組む。

この一環として両社は今年11月、新たな自治体向け取組みの実証事業を開始。まずは個人の健康診断結果やレセプトデータ等をもとに生活習慣病の発症・重症化のリスクを分析し(Myscope)、その結果に応じて生活習慣改善支援プログラム(Mystar)またはVitality健康プログラム(体験版)を提供するというもの。Mystarは6ヶ月間にわたり、ウェアラブル端末や塩分測定器などで日々の生活習慣をモバイルアプリ上てに記録し、その内容をもとに医療専門職からアドバイスを受けることができる。

一方のVitality健康プログラム(体験版)は、歩数や心拍数により所定のポイントを獲得、1週間ごとに設定される目標ポイントを達成すれば特典(ドリンクチケット等)を必ず得られる仕組みとなっており、楽しみながら運動習慣を身につけることで健康増進につなげることが可能となる。ハイリスクアプローチとしてのMystarとポピュレーションアプローチとしてVitalityの2つのプログラムを組み合わせたこの取組みは、健康な方から健康に不安のある方までの幅広い方々が対象となる、“誰一人取り残さない”というSDGsの理念にも共通するものであり、今後、自治体や企業向けに広く提供することを計画しているそうだ。

住友生命と PREVENT の出会いのきっかけは、PREVENT 代表取締役の萩原悠太氏が登壇したイベントで、住友生命の上席執行役員で新規ビジネス企画部部長の藤本宏樹氏が声をかけたところから始まった。住友生命は2019年4月に新規ビジネス企画部を立ち上げ、オープンイノベーションに取り組んできており、両社での取り組みについてそれぞれ次のようにコメントした。

住友生命とPREVENT様が持つサービス、互いの強みを生かせるのではないかとの思いから、まずは自治体向けの事業に取り組むこととなりました。自治体向けのヘルスケア事業は成功事例が少ないと言われており、大きな挑戦でもあります。

人生100年時代、健康寿命の延伸は生命保険会社が取り組むべき課題だと考えており、健康増進そして生活習慣病の重症化予防に資する取組みにより、1人ひとりのよりよく生きる=ウェルビーイングに貢献します。(住友生命 藤本氏)

オープンイノベーション自体は昨今、特段珍しいものではなくなったと思いますが、上手くいかないこともしばしばです。住友生命様との共創はこれらと違い、意思決定がクリアで早く、スタートアップへのリスペクトを随所に感じる場面が多かったと感じます。

住友生命様の配慮により、構想から着手まで比較的スムーズに進めることができました。実証事業はコロナ禍でスケジュール通りに進まなかった部分もありましたが、弊社拠点である名古屋を中心に遠隔地からインターネットを介して支援することができています。(PREVENT 萩原氏)

今回の取り組みは、大手保険会社とヘルステックの親和性が高いことを具体事例をもって証明する形となった。住友生命のもとには、他のヘルスケアスタートアップからも連絡が寄せられる機会が増えているとのこと。自治体での実証事業の成果を基に、高齢化や医療費増大といった多くの問題を抱える全国各地の自治体や企業などに同様のサービスが展開されることが期待される。

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2社の調達に見る、高まるカスタム・パッケージング需要/GB Tech Trend

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事からの転載 GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。 今週の注目テックトレンド 在宅時間が増えるにつれて、Eコマース市場が成長しました。比例して「カスタム・パッケージング」需要も高まっています。 オンラインで購入した商品が届…

4,560万ドルの調達を発表した「Packhelp」(Image Credit:Packhelp)

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

今週の注目テックトレンド

在宅時間が増えるにつれて、Eコマース市場が成長しました。比例して「カスタム・パッケージング」需要も高まっています。

オンラインで購入した商品が届く梱包材のデザイン及び体験のことを「カスタム・パッケージング」と呼びます。たとえばAppleは商品の開封体験に非常に気を使っていることで有名です。こうした体験を中小コマース企業も提供しようという動きが活発なのです。

今回4,560万ドルを調達した「Packhelp」や、1,000万ドルの調達を発表した「noissue」は、まさにカスタム・パッケージング市場でのシェア拡大を目指しているスタートアップです。同市場における先駆的な存在が「Lumi」ですが、彼らが米国の大手D2Cブランド・企業にサービス提供をしている一方、Packhelpは欧州市場狙い、noisseuはカーボン・エミッションに注力していたりと、差別化を図っています。ちなみにグローバル・ブレインもパッケージングをテーマにしたスタートアップ「Shizai」に投資しています

海外の2社は同時期に資金調達を実施しているのですが、カスタム・パッケージ市場が注目され始めた理由は大きく2つ挙げられます。1つはSDGsの流れです。日本でも「SDGs」を聞かない日はないほどありふれた言葉になりました。ブランディングの必須要件として考えなければいけないほど、消費者はエコフレンドリーな商品体験を求めるようになっています。

noissueは昨今の消費者マインドを満足させる、環境に配慮した梱包をEコマース企業に提供しています。環境に悪い素材を使っていると顧客は罪悪感を覚えるようになり、ブランド毀損に繋がりかねません。企業も透明性を持って地球環境に寄与する義務感が発生する時代になりました。nossueが狙った市場需要はこの点です。実際、TechCrunchの記事によれば、北米での顧客数は200%増、8万人以上のカスタマーを抱えているそうです。

もう1つの理由が中小コマース企業の台頭です。北米のShopify、日本ではBASEのように気軽に個人が自分の作品やオンライン商店を立ち上げられるようになり、小ロットでの梱包ニーズが高まっている背景があります。加えてクリエイター・エコノミーも追い風となり、音楽・アート作品の販売をEコマースを通じて届ける需要も高まりました。こうしたクリエイターによる体験においては、雑多ではなくよりデザイン性の高いパッケージングも求められます。

Packhelpの顧客は70%が中小企業であることも踏まえ、需要を汲み取るためにノーコードツールを充実させています。数クリックでオリジナルの梱包デザインを行える手軽さを売りに、最小スロット数30から発注可能な生産体制を提供しています。

各々にサービスの強みが違いますが「パッケージングのSaaS化」に取り組んでいる点は共通しています。各地域に点在する梱包業者の工場と提携して効率的にカスタム・パッケージング体制を確立。オフライン作業にソフトフェアの効率性を取り組んだことで、旧態依然としたパッケージング市場も成長市場へと様変わりしました。

今週(11月23日〜11月29日)の主要ニュース

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10月に日本上陸したマイレージアプリ「Miles」、開始から4週間で100万DLを突破

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本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 21年6月のKDDI ∞ Labo月次全体会に登壇したMiles Japan は、10月20日11時にサービスを開始したマイレージアプリ「Miles(マイルズ)」の日本におけるダウンロード数が100万人を突破したと明らかにした。Miles は、毎日の通勤や通学や散歩など、すべての移動で自動的にマイルが…

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

21年6月のKDDI ∞ Labo月次全体会に登壇したMiles Japan は、10月20日11時にサービスを開始したマイレージアプリ「Miles(マイルズ)」の日本におけるダウンロード数が100万人を突破したと明らかにした。Miles は、毎日の通勤や通学や散歩など、すべての移動で自動的にマイルが貯まるアプリ。飛行機、徒歩や自転車、車や公共交通機関でも、アプリを立ち上げずに貯めることができる。ユーザの移動手段をAIが自動的に判別して、より環境に優しい移動にはボーナスマイルがつき、商品やサービスの特典やギフトカードなどへ交換することができる。

日本では、鉄道会社、航空会社、フィットネスジム、損害保険会社などと提携。ユーザに対して、利用の頻度や距離に応じて、さまざまな特典を提供している。アメリカでは2018年7月にβローンチしており(正式ローンチは2019年)、これまでに120万人以上がアプリをダウンロード・登録している。日本ではサービス開始から1ヶ月を待たずに100万人を達成しており、本国を抜きそうなハイペースの成長を見せている。

「Miles」サービスイメージ

ポイントを貯めることが盛んな日本において、Milesがそれなりに受け入れられるのでは、と仮説は持っていましたが、まさかローンチ一ヶ月以内に100万ダウンロードを突破するとは思っていませんでした。本当に光栄なことです。ユーザーからは、日々の移動が可視化されることと、その移動を通じてマイルを貯めることがゲームみたいで楽しい、というフィードバックをいただいています。今後のMilesの進化をお楽しみに!(Miles Japan 代表取締役 髙橋正巳氏)

Miles Japan は、Scrum Ventures が運営するインキュベーション事業特化子会社スクラムスタジオの海外スタートアップ日本進出支援第一弾として立ち上げられた。Uber Japan 社長として Uber Eats の立ち上げ、WeWork Japan では日本事業の立ち上げ・拡大に従事した髙橋氏が、スクラムスタジオおよび Miles Japan の代表取締役を務めている。

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VCを評価する上で、AUMが適正な指標ではない理由【ゲスト寄稿】

本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens 氏によるものだ。彼は、日本で Shizen Capital(旧 Tachi.ai Ventures)のマネージングディレクターを務める。本稿は Bivens 氏の許諾を得て翻訳転載した。英語によるオリジナル原稿は、BRIDGE 英語版に掲載している。(過去の寄稿) This…

mark-bivens_portrait本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens 氏によるものだ。彼は、日本で Shizen Capital(旧 Tachi.ai Ventures)のマネージングディレクターを務める。本稿は Bivens 氏の許諾を得て翻訳転載した。英語によるオリジナル原稿は、BRIDGE 英語版に掲載している。(過去の寄稿

This guest post is authored by Mark Bivens. Mark is a Paris- / Tokyo-based venture capitalist. He is the Managing Partner of Shizen Capital (formerly known as Tachi.ai Ventures) in Japan. The original English article is available here on Bridge English edition.


Image credit: Pixnio

ベンチャーキャピタルの人たちがプライベートエクイティの人たちに対して言いたがる言葉に、「プライベートエクイティの人たちは AUM で自分のエゴの大きさを自慢するが、ベンチャーキャピタルの人たちは本当に重要なのは IRR であることを知っている」というものがある。

さて、この3文字の言葉を定義してみよう。まず、エゴという言葉は、性別を問わないように、ここでは婉曲的に使っている(実際には、このような自慢をするのは男性が多いが……)。AUM は Assets Under Management(ジェネラルパートナーチームが運用するファンドの総資金量)を意味する。IRR とは、内部収益率は Internal Rate of Return(ファンドの投資家に分配されるキャッシュリターンを年率換算したもの)のこと。

アセットマネージャーが AUM を気にするのは、それが収益の保証に直結するからである。クローズドエンド型の投資ファンドは、一般的に「2:20 モデル」を採用している。これは、年間管理料が2%で、ファンドが生み出したキャピタルゲインのうち20%を分配するというものだ(別名キャリード・インタレスト)。年間管理料は、AUM の直接的な関数であり、毎年 AUM 総額の2%となる。契約上は、ファンドの存続期間(通常は10年間)にわたって設定される。一方、キャリード・インタレストは、ファンドのパフォーマンスに比例して発生するもので、ファンドから発生するキャピタルゲインの20%に相当する。

したがって、AUM が大きいということは、ファンドの存続期間中、多額の収益が保証されることに直結する。AUM が10億米ドルのファンドマネージャーは、おそらく年間約2,000万米ドルの経常収入を得ているだろう。一方、1,000万米ドル規模のマイクロ VC ファンドでは、管理手数料を通じた経常収益は年間20万米ドルに過ぎない。

ズレが生じるリスク

管理手数料はファンドの運営をカバーするためのものであるため、過度に高い管理手数料は、マネージング・パートナーの高額な給料、豪華なオフィス、豪華なパーティーにつながる。たとえファンドの業績が低迷していても、2桁台の年間収益が数年間にわたって保証されていれば、かなり快適な生活を送ることができる。これでは、どこかにズレが生じてしまうのではないだろうか。

一方、小規模な VC ファンドにはそのような余裕は無い。小さな VC ファンドのマネージャーは、管理手数料だけでは豊かになれない。彼らはパフォーマンスを発揮しなければならない。自分が運用しているファンドから大きなキャピタルゲインを得て初めて、彼らはキャリード・インタレストの仕組みを使って自分のために富を得ることができるのだ。IRR は各ファンドの財務パフォーマンスを表している。

財務的リターンを重視するプライベートエクイティや VC ファンドの LP 投資家にとって、IRR は AUM ではなく、財務的リターンを反映する指標だ。だから、ファンドマネージャーが AUM を自慢するときには、IRR を尋ねるのが適切な反論になると思う。

正直に言うと、私も以前は AUM を自慢していた。AUM を10億米ドル近く運用していたファンドの元 GP として、カンファレンスではよくこの数字を引き合いに出して自己紹介をしていた。しかし、時間が経つにつれ、IRR がファンドマネージャーとしての私の真の KPI であることを学んだ。IRR は、自分の仕事の出来不出来を示す指標だ。私が最もパフォーマンスの高いファンドは、ファンドサイズが小さく、つまり、AUM が小さいファンドであることは、数学的には異常なことではない。

実際、IRR よりも AUM を重視する傾向は、エコシステムの段階を示すものでもある。ある地域のベンチャー市場がまだ始まったばかりの頃は、トラックレコードが限られているため、最も近い指標は AUM となる。しかし、ファンドマネージャーが最初の時代を過ぎると、「では、あなたの IRRは?」という質問になってくる。

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Mediumがサブスク強化、Podcastスタートアップ「Knowable」買収のワケ/GB Tech Trend

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事からの転載 GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。 今週の注目テックトレンド Spotifyが大手Podcast企業「Gimlet Medit」とPodcast配信アプリ「Anchor」を買収してから2年ほど経ちました。こ…

Mediumによる買収を発表した「Knowable」(Image Credit:Knowable)

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

今週の注目テックトレンド

Spotifyが大手Podcast企業「Gimlet Medit」とPodcast配信アプリ「Anchor」を買収してから2年ほど経ちました。この買収劇以来、急速にPodcast市場に注目が集まり、多数のスタートアップも参入しています。

今回紹介する「Knowable」も同じくPodcastのトレンドに乗り成長をしてきたスタートアップです。そして同社は11月16日、大手ブログ記事プラットフォーム「Medium」によって買収されたことを発表しました。

Knowableは選りすぐりのPodcastコンテンツを月額課金制で提供するサブスクプラットフォームです。業界で有名な人を連れてきてコンテンツ制作を行っており、コンテンツの質に関しては非常に高いのが特徴です。出資者にはAndreessen HorowitzやFirst Round Capital、Initialized Capitalなどが並びます。

競争激しいPodcast市場で、Knowableがこうした著名VCから調達できた理由の1つに「スーパーアプリ志向」のコンセプトが挙げられます。同社は特定トピックのPodcastコンテンツと合わせ売りの形で、コマース領域にまで進出しようと考えていました。

たとえばスタートアップ講座の購読者は、比較的高い確率で起業を検討していることが多いため、購読者にAWSのクレジットを販売することで、ある種のターゲティング・コマースを実現しようとしていたのです。関連性の高い商品を提示することで、音声コンテンツを基軸に、様々な商品や情報も一元的に提供するプラットフォームへの成長を志望していたのがKnowableです。

さて、そんなKnowableがMediumに買収されるメリットはなんでしょうか。真っ先に考えられるのがMediumのサブスク強化戦略です。Mediumは月額メンバーシップ制を導入しており、月額5ドルから購読できます。今回Knowableの上質なコンテンツが提供されることによって、この購読対象にPodcastも入り込んでくることでしょう。

元々、Mediumはプロフェッショナル志向のライターとの相性が良いプラットフォームです。この点、同じく業界のプロを招いたコンテンツを揃えるKnowableのコンテンツを、そのままMediumのブランドコンテンツとして吸収したとしても遜色ないと予想されます。またKnowableの購読者も、Mediumの顧客層と被ることが予想されるでしょうから、メディア買収の連携性も高そうです。

冒頭で話した通り、サブスク強化のために音楽市場はPodcastコンテンツ企業を買い占めるようになりました。Mediumも同様に、教育系・ビジネス系Podcastコンテンツの領域においてKnowable買収を行い、サブスク戦略を推し進めていくことが伺えます。

今週(11月16日〜11月22日)の主要ニュース

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UNIVASとKDDIが共同開発、スポーツ試合観戦アプリが2万DL突破——コロナ禍の非接触観戦をデジタル支援

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載 大学スポーツ協会(UNIVAS)と KDDI は、UNIVAS が保有する28競技の過去の試合映像と、試合のライブ映像を視聴可能な無料アプリ「UNIVAS Plus(ユニバス プラス)」を提供している。このアプリは、予めお気に入りの大学や競技を登録しておき関連動画のみをピックアップできるMy チャンネ…

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

大学スポーツ協会(UNIVAS)と KDDI は、UNIVAS が保有する28競技の過去の試合映像と、試合のライブ映像を視聴可能な無料アプリ「UNIVAS Plus(ユニバス プラス)」を提供している。このアプリは、予めお気に入りの大学や競技を登録しておき関連動画のみをピックアップできるMy チャンネル機能を搭載。また、ライブ配信のカレンダー機能や見逃し防止通知機能も搭載している。UNIVASは、大学スポーツの振興・支援を目的に2019年3月1日に発足し、全国219の大学と36の競技団体が加盟している。UNIVAS と KDDI は2019年8月のパートナーシップ契約締結以降、大学スポーツの振興に向けて、大学スポーツの映像配信、加盟大学や競技団体向けに開発された会員向けオンラインサービス「My UNIVAS」の構築などの取り組みを実施してきた。

大学スポーツを取り巻く環境は、コロナ禍で大きく変わった。運動部自体の活動が制限された他、競技会の中止や観客数の制限など、運動部の学生の日頃の活動の成果を発揮できる場が減っただけでなく、ファンが応援できる機会も減少している状況だ。そのため、大学スポーツを応援するファンと大学スポーツチーム、またファン同士のコミュニケーションの在り方も課題となっていた。

「UNIVAS は大学スポーツの価値向上と大学スポーツの振興を目指しています。その為には、より多くの人々に大学スポーツを知ってもらい、観てもらい、ファンとして育成していく必要があります。UNIVAS発足初年度の2019年から、加盟している各競技の大学日本一決定大会(いわゆるインカレ)の配信を始めました。

昨年度はコロナ禍の下、加盟2/3のインカレが何とか開催出来ましたが、ほとんどが無観客開催でした。そこで、思い切ってライブ配信に注力してライブ配信を拡大することによって、視聴回数は前年の5倍近い100万回を突破しました。実況や中継スタッフに学生が参加することにより、コスト増の抑制のみならず、認知の拡大にも寄与した結果ともいえます。」(一般社団法人 大学スポーツ協会(UNIVAS)専務理事 池田氏)

UNIVAS と KDDI は、ファンと運動部の学生が離れていても、いつでもどこからでも互いの気持ちを繋げられるアプリを目指し、UNIVAS Plusを提供している。現在提供中の UNIVAS Plus は ver 1.0 の位置付けで、今後、試合映像の追加のほか、 KDDI がプロスポーツで培った技術を活かした複数の画面を同時再生可能なマルチアングル映像やグループ観戦などの機能拡張を進める。

「スポーツの試合を映像化するには、関わる競技者、団体との肖像権、著作権などの権利関係をクリアにしておく必要があります。UNIVAS が取り組み始めた際、未だ映像化されていなかった競技がほとんどでしたので、競技者と競技団体、競技団体とUNIVASの権利関係を正しく整理して契約や、文書化することから開始しました。これは、ひとつひとつの積み上げが必要な作業となります。」(一般社団法人 大学スポーツ協会(UNIVAS)専務理事 池田氏)

KDDI と UNIVAS では、昨年秋の定例会見をきっかけにアプリ化の構想が浮上し、今春からは週3回のペースで開発会議を両者で重ねてきた。アプリは9月10日のリリースから2ヶ月経過した11月中旬時点で2万ダウンロードを超えた。運動部学生、OB、ファンから好評を得ていることはもとより、動画視聴者を解析すると国内のみならず東南アジアからも支持を集めていることがわかり、UNIVAS の担当者はこのアプリの将来性に手応えを感じているようだ。

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