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家も個人間売買の時代へ

ひと昔前とは時代が変化し、C2Cのサービスが多岐に渡ってきています。フリマアプリの「メルカリ」「ラクマ」、知識や経験を売買する「ココナラ」、個人間で車をシェアする「エニカ」等、個人間でやり取りができる時代がきています。 では不動産業界においてはどうでしょうか。 部屋のシェアをする「スペースマーケット」のような、短時間における個人間でのサービスはありますが、長期、いわゆる売買における個人間サービスは…

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Photo by Curtis Adams on Pexels.com

ひと昔前とは時代が変化し、C2Cのサービスが多岐に渡ってきています。フリマアプリの「メルカリ」「ラクマ」、知識や経験を売買する「ココナラ」、個人間で車をシェアする「エニカ」等、個人間でやり取りができる時代がきています。

では不動産業界においてはどうでしょうか。

部屋のシェアをする「スペースマーケット」のような、短時間における個人間でのサービスはありますが、長期、いわゆる売買における個人間サービスはまだありません。

現在の不動産業界においては、例えば家を売りたい場合は次の方法が主流となっています。

  • (1)仲介会社に仲介をしてもらい家を売買する
  • (2)買取会社に買取ってもらう

日本の人口は減少していくことが想定されていますが、空き家を含め家は増えていく、そんな世の中に不動産売買のC2Cサービスが展開されるとしたら、どうでしょうか。

日本の不動産で仲介が主流の理由

現在の不動産売買において、なぜ仲介が主流になっているのか、まずはその理由を考えてみましょう。

不動産売買には、たくさんの法律が絡んできます。宅建業法、建築基準法、民法等。区役所で条例等の調査、現地に赴き目視で調査、道路幅員の調査等、それら全てをクリアし、重要事項説明書の作成と、売主・買主双方の条件調整を行い契約書の作成をするのが仲介会社の役割です。

理想上では、上記全てを仲介会社に依頼せずに個人でできてしまえばC2Cのサービスが成り立ちます。

しかしながら上記のように全ての業務を仲介会社なしで進めていくことは非常に困難かつ、リスクが大きすぎるのが現状です。例えば個人間売買にて、再建築できると思って売った不動産が調査ミスにより蓋を開けたら再建築できない物件だったとします。

仲介会社が間に入っていればその責任は仲介会社にあるわけですが、個人間売買でそれが発覚した際に売主が負担する損害賠償は、どれほどのものでしょうか。不動産においては、売主が引き渡し完了後においてもリスクを背負い続けます。

売主のリスクが増える民法改正

更に、2020年4月1日に民法改正があり、売主が背負うそのリスクは更に増大されます。

不動産売買契約において、今までは「瑕疵担保責任」と呼ばれていたものが「契約不適合責任」という言葉に変わります。不動産売買において問題となるのは「隠れた瑕疵」、つまり雨漏りやシロアリなど、「目に見えないキズ」が発見された場合、売主がその責任を負うというものでしたが、法改正により、隠れた瑕疵かどうかではなく、契約書に書かれていたかどうかがポイントになります。

例えば雨漏り。

契約書上で「雨漏りが無いこと」を条件としていた場合に、買主が実際に居住を開始した後、実際に雨漏りが発生したとなれば、契約不適合となるので売主が責任を追及されることになります(補修費用 例:300,000円)。もうひとつ極端な例ですが、契約書上では、「フローリングに傷がないこと」を条件としたが、実際に傷があった場合は契約不適合となり、売主が責任を追及されます(補修費用 例:10畳のフローリング交換 129,600円)。

そこで、上記のような売主が背負うリスクを少しでも緩和するために必要になるのが「住宅診断(インスペクション)」です。

雨漏りやシロアリのチェックなどを通じて不動産の状態をさらけ出すことが、今後の売買をスムーズに進めていく最善の策になるというわけです。「人生で一番に高い買い物」をする不動産購入者にとっても必要性が高まってくることでしょうし、仲介会社が担う役割と、住宅診断の実施が認知されれば、個人間売買の実現がぐっと近づくことでしょう。

ただ、こういったリスクを負うことなく売却をすることも可能で、それが「買取」という選択肢です。これは買取会社に売却をする際は、目に見えないキズが出てきた際もその責任を免除しますという「瑕疵担保免責」の条文が盛り込まれるケースが多くあるからです。買取については入札競争の原理が働くため、高い買取額の提示をいただくこともあります。

<参考記事>

こういった中古住宅の流通をスムーズにすることで、新しいビジネスチャンスも生まれてきます。社会的問題解決の一任を背負う立場として、中古住宅市場の活性化となれば幸いです。

本稿は「インスペ買取」を開発・提供するNonBrokers株式会社のカスタマーサクセス、佐々木大輔氏によるもの。彼らの事業や採用に興味がある方は、こちらからコンタクトされたい。

テーブルの上に残された資金——休眠資産の驚くべき規模を検証する【ゲスト寄稿】

本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens 氏によるものだ。Mark Bivens 氏の許諾を得て翻訳転載した。(過去の寄稿) The guest post is first appeared on Mark Bivens’ Blog. Mark is a Paris- / Tokyo-based venture c…

mark-bivens_portrait本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens 氏によるものだ。Mark Bivens 氏の許諾を得て翻訳転載した。(過去の寄稿

The guest post is first appeared on Mark Bivens’ Blog. Mark is a Paris- / Tokyo-based venture capitalist.


先日「強みを生かした投資」というタイトルの記事を投稿した。記事にある様に、VC とヘッジファンドのスタンスは根本的に違うものであり、数ヶ月前に S&P500 に投資した時も、投資判断において VC 投資経験が生きた訳ではない。結果的にこの投資判断は正しかったものの、マクロトレーダーではない私は、結果的に少々タイミングを逸して、テーブルの上に投資資金を残すこととなった。

投資資金を残してしまうことのペナルティは、ここ2年で急速に大きくなっている。前 ECB(ヨーロッパ中央銀行)総裁の Mario Draghi 氏の「金融危機を脱するためには〝何でもやる〟」という宣言は、経済をゼロ金利・マイナス金利時代へと導いた。

Image credit: Pixabay

高名なヘッジファンドトレーダーであり、「The Anti-bubbles」の著者である、Diego Parrilla 氏の示唆に富む表現を借りれば、我々は「リスクフリー金利」から「金利フリーリスク」へのパラダイムシフトの渦中にある。先日からのマーケットの下落を受け、中央銀行は今後もさらなる量的緩和が必要となる旨を宣言しており、マイナス金利時代がすぐに終わることはないと私は予想している。

リターンを得る手段が限られている環境では、小さな判断ミスが高くつく。例えば、フランス政府の後ろ盾がある「Livret(リブレ)」という預金は利率が0.75%である。これは現在の環境では高金利であり、特にリスクフリー(フランス政府を信用していればの話だが)というメリットがある。

一方、中小企業向けのクラウドレンディングプラットフォームの利率は4〜5%、実際はすぐに返済が始まるので2%程度は口座にデポジットとして残しておく必要がある。さらにクラウドレンディングサービスは看過出来ないレベルのデフォルトリスクもあるため、実際のところリスクを考慮したリターンがこの金利レベルで得られているのかは判断が難しい。

対して、0.75%の金利であっても、流動性が保証された Livret に資金を置いておく方が、タンス預金よりはベターである。これはほとんどの人が直感的に分かることだと思う。

この直感的なメリットの不明瞭さは、仮想通貨に関しても同様である

取引量の大きいデイトレーダー以外にも、さまざまな理由で仮想通貨を保有している人がいる。例えばイノベーションの先端を把握したい技術者、デイトレーダーではないが長期的なバリューアップを信じる人、若しくはポートフォリオの一部として少額を保有する人などである。

こうした人々にとっては、仮想通貨は単に眠っている資産であり、事実上タンス預金とほとんど変わりがない。現在は様々な仮想通貨関連のソリューションが登場しているため、短期保有者であっても積極的なトレーディングなくして価値を獲得することが出来る。リターンはリスクの取り方にもよるが、休眠資産として眠らせたり貸し出すよりも、保有資産をリスク・リターンのフロンティアに押し上げる方がよほど有益である。

私は、この仮想タンス預金が実際にどの程度あるのか試算するのは難しいであろうと考えていたが、最も優秀なブロックチェーン起業家の一人と会話する中でデータが存在することを知った。

Curvegrid のマルチ BaaS(Blockchain-as-a-Service)プラットフォームは、このような休眠している仮想通貨の額を調べることが可能である。彼らの計算の仕組みを理解するにはさらなるディスカッションが必要であるが、同社の優秀なチームが好意で私の質問に対する解答を用意してくれた。この驚きのデータにご興味お有りだろうか?

Image credit: Curvegrid

200億ドル

これは休眠資産となっている ETH(イーサリアム)の価値であり、実に ETH 総マーケットキャップの80%にも上るのである!

多くの人々がテーブルの上に資産を残したままにしている。私はまだこの数字を個人投資家、仮想通貨交換、レギュレーターに細分化し、更なるデータの意義を見出すことを試みている。近々またこのトピックについてお話させていただこうと思う。

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スティーブ・ブランク氏が語る、起業家のための生存戦略——新型コロナウイルスから事業を守るために今すぐやるべきこと【ゲスト寄稿】

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Steve Blank 氏はシリコンバレーで複数のテックスタートアップに従事。スタンフォード大学やコロンビア大学でアントレプレナーシップのシニアフェローを務める。著書に「The Four Steps to the Epiphany」(邦訳「アントレプレナーの教科書」)や「The Startup Owner’s Manual」(邦訳「スタートアップ・マニュアル」)など。 本稿は著者のブロ…

Steve Blank 氏はシリコンバレーで複数のテックスタートアップに従事。スタンフォード大学やコロンビア大学でアントレプレナーシップのシニアフェローを務める。著書に「The Four Steps to the Epiphany」(邦訳「アントレプレナーの教科書」)や「The Startup Owner’s Manual」(邦訳「スタートアップ・マニュアル」)など。

本稿は著者のブログで最初に掲載されたもので、転載にあたり、BRIDGE は SteveBlank.com から独自に許可を得た。

This story originally appeared on Steveblank.com. Copyright 2020


冬がやって来る。

このブログ投稿は、私の予想が全くもって間違っていてほしいと願う内容だ。

新型コロナウイルスが世界的大流行となる中、あなたがスタートアップやスモールビジネスを率いているのであれば、「プランBは何か?」と自問するべきだ。あなたの救命艇には何が入っている?

ここでは、大流行による不確実な状態を乗り切る方法について、いくつか考えを共有したい。

2015年10月、Startup Istanbul で講演する Steve Blank 氏。
Image credit: Masaru Ikeda

影響

社会的隔離や国家緊急事態の宣言は、人々を集める産業——会議、見本市、航空会社やクルーズ船、あらゆる種類の旅行、ホスピタリティ業界、スポーツイベント、劇場、映画、レストラン、学校——に即座に影響を与えた。大企業は従業員を自宅で働かせ、大規模な小売チェーンが店舗を閉鎖している。ギグエコノミーにおけるスモールビジネスやワーカーへの影響はニュースになっていないが、彼らにとっては状況がさらに悪い。彼らは現金の準備が少なく、突然の不況に対処できる許容が小さい。こういった閉鎖のすべての波及効果とフィードバックは、経済に大きな影響を与える。影響を受ける各産業は人々を失業させ、解雇された人々はプロダクトやサービスを購入しなくなるからだ。

他の産業においても、通常のビジネス状態ではなくなった。事実、パンデミックのために経済封鎖を行ったことは、これまでに一度もなかった。これからの数ヶ月、経済全体が荒廃する中で何百万人もの人々が仕事を失うかもしれない。1929年〜1939年の世界大恐慌以来、初めて目にする光景かもしれない。私はこの予想が間違いとなることを願っているが、今回のウイルスの社会的影響および経済効果は深刻なものになる可能性が高く、我々の買い物、旅、仕事の進め方を数年にわたり変化させるだろう。

スタートアップやスモールビジネスを経営しているなら、(家族の次に)従業員と顧客を安全に保つことが最優先だ。しかし、次に尋ねたくなる質問はこうだろう。「私の事業はどうなるのか?」

全てのスタートアップやスモールビジネスの CEO は、次のような疑問を持つ。

  • バーンレートとランウェイは?
  • 新しいビジネスモデルはどのようなものか?
  • これは3ヶ月の問題か、1年の問題か、それとも3年の問題か?
  • 投資家は何をするか?

バーンレートとランウェイ

最初の質問に答えるには、現在のバーンレート、つまり毎月どのくらいのキャッシュを使っているかを調べる。固定費(変えられないコスト、賃料など)はいくらか、変動費(給与、コンサルタント料、手数料、旅費、AWS / Azure 料金、消耗品など)はいくらか?

次に、毎月の実際の収益を見る。予測ではなく、毎月の実際の収益だ。アーリーステージの会社の場合、その数値はゼロである可能性がある。

毎月のグロスバーンレート(総バーンレート)を毎月の収益から引き算すれば、ネットバーンレート(実質バーンレート)を得られる。支出より多くのお金を稼いでいる場合、プラスのキャッシュフローがある。あなたがスタートアップであり、費用よりも収入が少ない場合、ネットバーンレートはマイナスとなり、それはあなたの会社が毎月失う(燃やす)金額を表す。今、会社の銀行口座をチェックしよう。あなたの会社が毎月その量のキャッシュを燃やして何ヶ月生き延びられるかを確認してほしい。これがあなたのランウェイ、つまり会社がキャッシュを使い果たすまでの時間だ。この数学は、通常時の市場で機能する話であるが…。

世界はさかさまになった

残念ながら、現在はもはや通常時の市場ではない。

  • 顧客、販売サイクル、そして最も重要なこととして、収益、バーンレート、ランウェイに関するすべての仮定はもはや正しくない。
  • あなたがスタートアップの場合、次のラウンドの資金を調達するまで、ランウェイの計算がおそらく続くだろう。次のラウンドがあると仮定する。それはもはや正しくないかもしれない。

現在のビジネスモデルはどのようなものか?

今日の世界は1ヶ月前と同じではなく、今から1ヶ月後にも悪化する可能性が高いため、今日のビジネスモデルが今月の初めと同じようなら、あなたは現実から目を逸らしていて、おそらく廃業することになる。

スタートアップの CEO の性格は楽観的であるべきだが、顧客と収益についての仮定をすばやくテストする必要がある。

  • B2B ビジネス……顧客の売上は落ちているか? 顧客は今後数週間、事業を閉鎖するか? 人を解雇するか? その場合、収益予測や販売サイクルの見積は無効になる。
  • B2C ビジネス……サービスを提供していた市場は、多面的市場(編注:民放にとっての視聴者と広告主の関係性のように、直接的にサービスを享受する側とお金を支払う側が異なる業態)ではなかったか? お金を払ってくれる人に対する仮定は、今でも正しいか? どうしてそう思うか?

新しい財務指標は何か? 売掛金、そして、資金が残っている日数は?

この新しい環境下で実際のバーンレートとランウェイを把握する必要がある。これは3ヶ月の問題か、1年の問題か、それとも3年の問題か?

次に深呼吸して、これは3ヶ月の問題か、1年の問題か、それとも3年の問題かを考えよう。企業の閉鎖は経済の一時的な停止になるのか、それともアメリカとヨーロッパを長期不況に追い込むのか?

わずか3ヶ月の問題である場合、(日ごとに発生する可能性は低い、給与・マーケティング費・出張費などの)変動費の即時凍結が有効だ。ただし、経済の影響が長く続く場合は、事業のリストラを開始する必要がある。救命艇戦略が必要だ。これは、会社存続のために何が最小限必要で、何を捨て去るべきかを把握するフェーズだ。

1年の問題なら、バーンレートにメスを入れること(すなわち、変動費を下げるため、レイオフと福利厚生を廃止する)。以前は固定費と思われていたもの(家賃、機器のリース支払など)を再交渉し、救命艇で生き残るのに必要なものだけに絞り込むことを意味する。

(CFO がとるべき行動のアドバイスはこちらから)

オンライン対面で販売している場合、(顧客がまだそこにいると仮定して)有利になる可能性がある。そうでなければ、販売戦略を変更しよう。

先月の時点でのプロダクトマーケットフィット(PMF)がどうであれ、それは今となってはもはや通用せず、新しい基準を満たすために変更する必要がある。これにより、新しいバリュープロポジション(提供価値)が見出せるか、競合を負かせられるか、あるいは、プロダクトを変更するか?

そして、それが3年の問題なら、生存に不可欠ではないものをすべて捨てる必要があるだけでなく、おそらく新しいビジネスモデルが必要になる。短期的には、ビジネスモデルの一部を新しい社会的隔離のルールに向けることができるかどうかを検討してほしい。プロダクトをオンラインで販売、配送、生産できるか? そのような形でプロダクトを供給した場合、メリットはあるか(Sequoia Capital のアドバイスを参照するとよいだろう)。そうでない場合、あなたのプロダクトやサービスを、他の人が不況を乗り切るための救命艇として位置づけることはできるか?

リーダーシップ——思いやりを持って計画し、伝え、行動する

販売収益の目標とプロダクトのスケジュールを修正し、新しいビジネスモデルと運用計画を作成し、投資家と従業員に明確に伝えよう。明確に理解できる達成可能な計画に人々を集中させよう。過去3回の不況を経験した立場から言わせてもらうなら、CEO 達が犯した最大の過ちは、経費を短期間で大幅に削減できなかったことだ。彼らは、そのままやり過ごせるのではないかとも取れる魔法のような考えで、レイオフを怠り費用削減を放置しプロジェクトを進めた。今すぐ行動する必要がある

レイオフを検討している大企業の場合、最初の選択肢は、(他の従業員より)賃金の高い幹部や従業員の給与を削減し、一方で余裕のない人々を雇用し続けることだ(救命艇に飛び込む前に、まず船上の全員を救おうとする CEO にはいいことがあるだろう)。人をレイオフする必要がある場合、思いやりをもって実行すること。辞めてもらう人には、追加で補償を出すべきだ。最悪、キャッシュが不足していると思われる場合でも、残金がゼロという状況はないだろう。適切な対応を行い、最低でも2週間以上の給与を全員に提供するのに十分な現金を用意すべきだ。

あなたの投資家

生存の重要な要素の1つは、資本へのアクセスだ。スタートアップやスモールビジネスの立場から、投資家が今回のパンデミックがビジネスモデルにどのように影響するかを自問していると考えるべきだ。そして、冷たくも厳しい真実は、不況下においては、VC が「救命艇で何を救うか」を考える準備運動を始めるということ。

彼らは、自らが持つ投資にトリアージ(優先順位付け)をする。まずは、バリュエーションの高いレイトステージの投資の流動性を心配する。こういったスタートアップは通常バーンレートが高く、投資した資金が崩れ落ちる可能性があるからだ。あなたやあなたのスタートアップは投資家にとってもはや優先事項ではなく、あなた方の関心はもはや同じ方向を向いていない(そうでないという VC は未熟で白々しい嘘をついているか、彼らの投資家(LP)の利益に役立とうとしていないか、のいずれかだ)。大規模な景気後退のたびに膨らんだバリュエーションが消え、それでも新しい小切手を書き続けている少数の VC だけが買い手市場であることに気付く(彼らは「ハゲタカキャピタリスト」という言葉で呼ばれる)。

投資家の中には、バリュエーションが上がり投資資金が豊富な活況のある市場しか経験したことがない人もいる。しかし白髪の投資家は、2000年と2008年の景気後退後に訪れた核の冬を思い出すことができ、アーリーステージのスタートアップを経営する CEO 達に、不況と景気回復の歴史循環について教訓を伝えることができる。1987年の不況の時にはまだ生まれていなかった人も、2000年の不況の時には10歳、この前の2008年の不況の時には18歳だ。そして、現在の状況とは異なることに留意してほしい。今起きていることは株式市場が弱気なわけではない。我々の経済の大部分は意図的なシャットダウンにより、数十万人もの命を救うために彼らの職を引き換えにしているため、それが弱気相場と不況っぽい状況を作り出しているのだ。

この前の2008年の大不況のデータでは、シードラウンドが早期に回復しているが、その後のステージの資金調達が空白となり、回復に何年もの時間を要した。(2008年不況前後の四半期毎 VC 投資を示す、以下の図を参照されたい。Tomasz Tunguz 氏の投稿から抜粋。)

(クリックして拡大)

今回、ベンチャービジネスの健全性は、ヘッジファンド、投資銀行、プライベートエクイティ、ソブリンウェルスファンド(政府系ファンド)、大規模なセカンダリマーケットグループ(既発行有価証券の取引市場)が何をするかに依存する可能性がある。彼らが後退すると、レイターステージのスタートアップ(シリーズ B や C ラウンドなど)にとって流動性危機(信用不安による取引の収縮)が起こるだろう。短期的にはすべてのスタートアップにとって、取引条件とバリュエーションが悪化し、出資を検討する投資家が減ることになる。

スタートアップ の CEO であるあなたは、バーンレートを根本的に削減せず、新しいビジネスモデルを思い付かないと、取締役らがあなたを責め立てるかどうか、あるいは、いろいろ考えずに現状維持すべきだと責め立てるかどうか、を知る必要がある。

後者の場合、取締役たちが間違いなら、彼らが会社の経営にどれほど責任を果たしているかを知りたい。VC にとっては、「次の調達ラウンドが必要になった時には、あなたの味方ですよ」と言うのは実に簡単だ。投資家達が「全速前進」の号令とあなたの銀行口座に入金する行動を一致させない限り、今は回復不可能なバーンレートに踏み込む時ではない。

長く寒い冬に備えよう。

しかし、冬が永遠に続くことはないということを忘れてはいけない。冬の時代においても、スマートな起業家と VC は、スタートアップの次の世代のために種を撒き続けるだろう。

学んだことのまとめ

  • 今起きていることは経済の意図的なシャットダウンである。数十万人もの命を救うために彼らの職を引き換えにしている。
  • 不況を引き起こす可能性が高い。
  • 新型コロナウイルスは、少なくとも1年間、高い可能性で3年間は、我々の買い物、旅、仕事の進め方を変化させるだろう。
  • 30日前と同じビジネスモデルを今日も使えるとは考えられない。
  • 3ヶ月、1年、3年にわたり景気後退が続く場合の計画を救命艇に入れよう。
  • 投資家は投資家の関心に沿って行動すると認識すべき。もはや、起業家であるあなたの関心と同じではない。
  • 今すぐ行動を。
  • でも思いやりを持って行動を。
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「スポーツ選手が持続可能な生き方を選べる社会に」ーーU25「起業・新基準」/スポーツテック企業「TENTIAL」代表、中西さん

20代起業家を対象に、彼らが考える新しいスタートアップのあり方を聞き出すインタビューシリーズ、前回登場の「b-monster」代表取締役社長の塚田眞琴さんに続いては、インソールD2Cが好評のTENTIAL代表取締役、中西裕太郎さんに登場いただきます。 今回もUpstart Ventures、上杉修平さんにインタビュワーとして参加してもらい、お話をうかがってきました(太字の質問は全て上杉氏。執筆・編…

TENTIAL代表取締役の中西裕太郎さん

20代起業家を対象に、彼らが考える新しいスタートアップのあり方を聞き出すインタビューシリーズ、前回登場の「b-monster」代表取締役社長の塚田眞琴さんに続いては、インソールD2Cが好評のTENTIAL代表取締役、中西裕太郎さんに登場いただきます。

今回もUpstart Ventures、上杉修平さんにインタビュワーとして参加してもらい、お話をうかがってきました(太字の質問は全て上杉氏。執筆・編集:平野武士)。

中西裕太郎さん:1994年生まれ。高校時代はサッカーでインターハイに出場。心疾患のためにプロを断念し、プログラミング学習サービス「WEBCAMP」を手掛けるインフラトップの創業メンバーとして参加。その後、リクルートキャリアを経て2018年2月にTENTIAL(旧社名:Aspole)を創業。代表取締役に就任。

シューズインソールの生産・直販(D2C)モデルはなかなかニッチなテーマですが、どのような経緯でここから手掛けることになったんですか

中西:最初はアスリートの人材サービスをやろうとしていたんです。けど、リクルート在籍時にこのあたりの事業の解像度が高くなり、これはマーケットもないし結構難しいぞと。かといって、スポーツはずらしたくないと思っていたので、スポーツの中で大きいナイキやアディダスをベンチマークにした事業を考えるようになったんです。

ウェルネスアイテムの方に動いたんですね

中西:ただ、いきなり物を作るのは難しいと思ったのでメディアコマースをやろうと思い、スポーツメディアから始めました。それで当時、ヘルスケアの中でも腰痛とか肩こり、足の悩みに関するクエリがとても伸びていたんですね。

なるほどそれでインソールに

中西:いえ、本当は靴づくりをしようとしていたのですが、シューズってロット数も大きく、サイズの変数も多いので作りにくいんです。それでインソールから始めました。

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販売中のインソール・ウェブサイトから

メディアからD2Cへと展開、オペレーションは結構異なると思うのですが、例えば協業先のBMZ社などとはどうやってつながっていったんですか

中西:ビザスクを使ってひたすらにアポを取っていました(笑。

ビザスクのサイトにも取り上げられてましたね(笑。

中西:商社とかでものを作っていた人たちや、工場のネットワークを持っている人たちに会いに行くことしか頭になかったですね。

元々はサッカー選手だったんですよね

中西:インターハイ出場までいきました。ただ、17歳で心臓疾患を患って断念したんです。遺書まで書きました。サッカーで評価されてきた自分が何者でもなくなる経験が原点ですね。

その後、プログラミングを学ばれた

中西:サッカー以外に熱量を向けられる先を探していたところ、YouTubeで当時のオバマ大統領が国民に対してプログラミングをした方がいいと言っている動画を見つけたんです。これから米国の未来を背負っていく若者には、ゲームをやるのではなく作る側に回って欲しいと。この動画がプログラミングにのめり込むきっかけでした。

そこからインフラトップ(プログラミング学習の「DMM WEB CAMP」運営企業)に入社されるんですよね

中西:19歳の時です。大島(礼頌氏)さんが創業するというので参加しました。ビジョンに共感したのが大きいですね。プログラミングによって人生を変えることができるし、それを世の中に還元することができるのって素晴らしいじゃないですか。

サッカー選手から一転、ネット関連企業の社員。最初はどのようなことをされていたんですか

中西:当時はまだWEB CAMPがなかった時代で、大島さんが人集めやファイナンス周りに注力して、僕がカリキュラムを任せられていました。自分がそこまでコーディングができたわけではなかったので、調べたり、ヒアリングしたり、リクルーティングしたり。営業もするし、コースも増やすし、ということを2年程度ずっとやってましたね。

そしてそこからのリクルートへと転職をされるわけですが、これはどういう経緯があったのですか

中西:やはりスポーツ領域の事業で起業したかった、というのが大きいです。先程もお話したように、元々は人材事業を考えていました。なのでリクルートだったんです。

ただ、人材の起業は難しいよという意見が多く、またインフラトップに初期から入っていたとはいえ自分が代表ではなかったですし、また、当時は学生も多かったのでこれは流石に一旦修行した方がいいな、と。大きい会社で事業開発を学んだ方が絶対いいと思って選んだのがリクルートでした。

ただ、リクルートの中途入社ってそんなに簡単じゃないですよね

中西:そうですね(笑。大学新卒でも厳しいのに、当時21歳で学歴自体は高卒ですから。でも中途の事業開発部が一番成長できると思っていたので、役員に片っ端からメッセしたんです。

メッセ(笑

中西:そしたら一人返信を下さった方がいて。当時リクルートはリクナビで取りきれない層向けのサービスを作ろうとしていた時期で、若手でベンチャーにずっといたのを評価してもらえた感じでした。ただ、最初の3カ月とかは本当に仕事についていくのが精一杯で結構辛かったです(笑。

具体的にどういうお仕事をされていたんですか

中西:事業企画でメディアプロデューサーという役職でした。キャリグルというサービスの立ち上げとグロースを担当していました。

リクルート出身の起業家の方って多いですよね

中西:リクルートでは起案というプロセスがあって、役員に企画をプレゼンして通さないといけないのですが、こういう経験で仕事の基礎は徹底的に鍛えられたと思います。本当に当時の私は働き詰めで、同期や周りの人たちとの差も感じなくなりましたし、どんどん信頼も獲得できたのは本当によかったですね。ただ、やっぱり自分の思ったことができるようになったタイミングで事業やりたいと思うようになって。

独立してから現在のD2Cモデルに至るまでしばらく時間があり、コストもある程度かかるとは思うのですが、創業の資金などはどのように調達したんですか

中西:デット(※借入)ですね。創業してすぐには調達はせず、リクルートが仕事をくれたのもあったので、その売上をもとに政策金融公庫から借入しました。

すごく堅実ですね。すぐに貸してくれたんですか

中西:当時23歳だし、リクルートに入ったけど1年しかいなかったので、公庫の担当者からは頑張っても500万円しか無理って言われてました。けど、その仕事のおかげで1500万円を引っ張ってくることができたので、初期はそれで事業を回しました。

さらにいい話ですね。そこからいわゆるエクイティを調達するという流れに。どういうふうに調達されたのですか

中西:インキュベイトキャンプに参加したことです。その後、元々の知り合いだった白川さん(※)とインキュベイトファンドから8月に調達をしました。

※アプリコット・ベンチャーズの代表取締役、白川智樹氏

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元プロサッカー選手の播戸竜二さんが昨年10月に同社CSOに就任(プレスリリースより)

さらにアカツキからも出資を受けてます

中西:私たちの強みはやはりアスリートのネットワークです。ここに興味がある事業会社にアプローチしていく中で、アカツキさんと繋がりました。

スポーツ経験者や元アスリートの方などをかなり積極的に採用している印象があります

中西:そうですね。スポーツではある程度結果を残したのに、何かしらの挫折を経験してエネルギーが有り余っている若手で勝ちたいっていうのが実体験からあります。自分の中でこういった、若くてギラギラしてる人たちでチームを作って、IPOまで行きたいなと。

あと、スポーツで上まで行った人もビジネスの世界とは無縁なのではなく、ちゃんと資本主義の中でも勝てるっていうストーリーを作りたいという思いもあります。

自分が病気になってプログラミングを始めて、本当に辛かった経験もめげずに頑張ったら、ちゃんと活躍できる。結果を残せるって伝えたいし、逆に途中で腐ってしまう人たちはもったいないという感覚がとても強いです。

ただ、異なる業界の人たちを「スタートアップ」という枠の中で組織するのは難しい点もあるんじゃないでしょうか

中西:AspoleからTENTIALに社名を変更したタイミングで、ミッション・ビジョン・バリューの制定をしたんです。例えばミーティングの前に再確認したり、各個人がそれを実践するために今月することを紙に書いて、オフィスに貼るような活動をしたり。こういった地味な活動で意識はやはり変わりますよ。

事業運営や組織に関してロールモデルあったりしますか

中西:組織作りについてはラクスルさんを参考にしていて、河合聡一郎さんにはよく相談させてもらっています。また、事業作りに関しては、リクルートやサイバーエージェントや北の達人など、組織を拡大させながらもちゃんと利益を出し続け、なおかつ入った人がちゃんと挑戦して活躍できる組織がイメージにありますね。

共通しているのはビジネスの再現性をきちんと理解している人たちが上にいて、それをしっかり組織に落とし込めていることだと思っているので、そこを目指したいと思っています。

TENTIALのビジョンに「共同体」というキーワードが入っているのが個人的には好きです

中西:世の中をちゃんと動かすためには組織を作らなければいけないし、共同体を作らないとと思っています。大きい事業を作っていくためには、ロジカルな人たちだけで再現性だけを追求していっても難しく、やっぱり昔からいるステークホルダーをきちんと大切にしたり、共同体的な価値観がとても重要になってくると思ってます。

メンターのような方っていらっしゃるんですか

中西:ドワンゴの専務の横澤大輔さんとLIDDELL代表の福田晃一さんが運営する「JIGAMUGA」という経営者コミュニティがあるんです。Graciaの斎藤(拓泰)さん、ZEALS清水(正大)さん、ラブグラフ駒下(純兵)さんなどが在籍しているのですが、ここのコミュニティからはかなり学ぶことが大きいと思っています。

事業の話は一切せず、社会学のような再現性や人類の構造、世の中の仕組みや原理原則に関して議論する場はとても良かったです。

最後に、事業として、また個人としてどのような成長を目指しているか教えて下さい

中西:グローバルでは「ルルレモン」のようなモデル、日本だと予防医療のところを結構見ています。高齢化とブルーカラーが多い構造が医療費高騰に繋がっており、そこを改善するためにスポーツ庁ができたり、スポーツを持続可能なものにしようという政策になっていると思います。ここで、スポーツの技術を使ったり、インソールなどの製品を通して課題を解決していきたいと思っています。

個人としては、自分が死んだ後に何を残せるのだろうっていうのを本気で考えたときに、自分が持っているフィロソフィーを組織に落とし込んで、それがずっと続く会社を作りたいというのがありますね。

スポーツ選手が消費されずに持続可能な生き方をできるように、それを実現させるための事業ないし会社をずっと残せるようにしたいなと考えています。

ありがとうございました!

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日本にもソーシャルコマースの時代がやってくる、その2つの理由

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「個」の影響力は年々拡大しています。 YouTuber、 Instagramer、Tiktokerと呼ばれる人々が現れ、芸能人もテレビを超えて各SNSチャンネルに「個」として進出してきています。そして「個」の影響力の拡大に伴い、人々の消費行動は大きく変化しつつあります。 以下はFacebookが発表したデータです。商品を見つけ、商品を調べ、商品を買うと決める際に、Instagramは多くのユーザー…

「個」の影響力は年々拡大しています。

YouTuber、 Instagramer、Tiktokerと呼ばれる人々が現れ、芸能人もテレビを超えて各SNSチャンネルに「個」として進出してきています。そして「個」の影響力の拡大に伴い、人々の消費行動は大きく変化しつつあります。

以下はFacebookが発表したデータです。商品を見つけ、商品を調べ、商品を買うと決める際に、Instagramは多くのユーザーに役立っていることが伺えます。

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引用:How Instagram Boosts Brands and Drives Sales・2019/2

SNSに購入機能がついたソーシャルコマースの分野でみると、中国では “Instagram + Amazon” と例えられるサービス「RED(小紅書)」が急速に成長していますし、ヨーロッパでも同様に、アパレルに特化した欧州版REDのようなサービス「21Buttons」がユーザー数を勢いよく伸ばしていると聞いています。

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引用:中国ソーシャルコマースの衝撃ーー「インスタ+Amazon」“RED”(小紅書)攻略法

このように各国で拡大するソーシャルコマースは日本はもちろん、世界中に広がり浸透していくと考えています。そこで本稿では、ソーシャルコマース「PARTE」を開発・運営する私たちREGALIが、インフルエンサーやアパレルブランドの方々と接する中で得た気づきやデータを元に、これからのソーシャルコマースについてお話できればと思います。

日本におけるソーシャルコマースの拡大

なぜソーシャルコマースはこれから加速度的に拡大すると考えているのか?今回は「PARTE」と関連性が高いアパレル業界に絞って紐解いていきます。まず、拡大要因は、大きく2つあります。

1点目が「消費者と生産者のECへの意識変化」です。

下記は、大手アパレル会社のEC売上と全体売上におけるEC比率をまとめたグラフです。アパレル各社の方々とお話させていただくと、現在、SNSへの投稿を始めとするオンラインマーケティングからのオンライン販売の強化に力を入れて取り組まれていることがわかります。

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※各社決算資料、リリースより・資料作成:REGALI

そもそも数年前は現在よりネットで服を買うことに抵抗があるユーザーが多数で、また、アパレル各社も「オンライン販売拡大 = モールへの出店」という認識が一般的でした。その状況下において、ソーシャルコマースを展開することは市場環境的に難しい一面があったことが容易に推測されます。

一方、現在においてはネットで服を買うユーザーは増加し、アパレル各社はオンライン販売へ注力しており、ソーシャルコマースの土壌が醸成されたように感じます。

2点目が「個」のマネタイズ方法の多様化です。

YouTube上で投稿者が広告収益を得られるようになる「パートナープログラム」が開始されたのが2012年4月のことです。結果、YouTubeに動画投稿を行うユーザーは増え、その1年後にはYouTuber事務所であるUUUMが誕生します。

実は前述したRED、21Buttonsも投稿者が金銭的なインセンティブを受け取る仕組みが用意されています。

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PARTEで一部ユーザーに公開している報酬還元の確認画面 via コーデで貢献したユーザーには還元も、ソーシャルコマース「PARTE」にGBやジェネシアVなどが1.7億円出資

これらの例からも分かる通り、金銭的なインセンティブは投稿ユーザーをよりアクティブにし、プラットフォームの盛り上がりを加速させることが伺えます。さらに現在はYouTubeの広告収入、ライブアプリなどの投げ銭機能など、「個」に直接的に金銭的インセンティブが入る仕組みが一般に受け入れられてきていると感じます。

SNSのあり方が「コミュニケーション主体」であった数年前からすれば、これまでの日本のソーシャルコマースサービスに金銭的なインセンティブが導入されなかったことは至極当然です。

逆説的に言えば「個」が対価を得て情報を発信し、消費活動が生まれることが証明された現在、インセンティブの存在はこれからのソーシャルには必要不可欠なものと考えられるのです。

さらなる拡大に必要な鍵

もちろん課題もあります。

特に「個」が自由に情報を発信し、そこから消費活動が生まれる場所において、大切になってくることが「正しさ」だと考えています。発信された情報に虚偽、偽りがない。ステマではない。安心して情報を取得し、買い物ができるプラットフォームでなければユーザーに選ばれません。

また、金銭的インセンティブを導入する場合、適切な設計、不正検知も「正しさ」を保つ上で非常に重要です。故に、システム的な監視とその機能を含めた適切なコミュニティ設計が必要不可欠です。ちなみにPARTEでも誰が、誰の、どのコーデから、どのアイテムを購入したかのデータを蓄積しています。このデータをスコア化し、投稿の健全性、インセンティブの正当性を担保しています。

ということで、ざっとですが現在の日本(特にアパレル関連)におけるソーシャルコマースの現状をデータと私たちの体験から整理してみました。世界でソーシャルコマースの波が押し寄せる中、私たちも日本発の世界中で愛されるソーシャルコマースプラットフォームを作っていきたいと思います。

<参考記事>

本稿はショッピングSNS「PARTE」を開発・運営するREGALI代表取締役、 稲田光一郎氏によるもの。Twitterアカウントは@kou1na。彼らの事業や採用に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい

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総合商社とDXの事業創造

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総合商社。東アジアの辺境にあるこの島国の産業の成り立ちは、総合商社の機能なしには語りえません。 資源が乏しく食料自給率の低い日本に、世界各地の資源・エネルギーや食料の供給網を構築し、また、日本企業が製造する自動車等の工業製品を世界各地に輸出展開する機能を担い、加工貿易を支えてきました。総合商社はあらゆる産業のサプライチェーンに介在し、次なる事業機会を見出す存在となったのです。 一方、DX(デジタル…

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Photo by Martin Damboldt on Pexels.com

総合商社。東アジアの辺境にあるこの島国の産業の成り立ちは、総合商社の機能なしには語りえません。

資源が乏しく食料自給率の低い日本に、世界各地の資源・エネルギーや食料の供給網を構築し、また、日本企業が製造する自動車等の工業製品を世界各地に輸出展開する機能を担い、加工貿易を支えてきました。総合商社はあらゆる産業のサプライチェーンに介在し、次なる事業機会を見出す存在となったのです。

一方、DX(デジタルトランスフォーメーション)が声高に叫ばれる時代において、デジタル技術を活用することでこのサプライチェーンを最適化し、業界全体に新たな付加価値を提供しようとするスタートアップが、国内外で数多く登場しています。

そこで本稿では総合商社のビジネスモデルの変遷を振り、「産業のDX」を推進する上での総合商社の期待役割についてまとめてみたいと思います(本稿は総合商社とDX Part 1.0 ~総合商社の軌跡と課題~の要約版です)。

総合商社のこれまで(その1):トレード

商社の祖業は、トレードです。あらゆる業界の商材を扱うトレーディングカンパニーとして、日々の人々の暮らしや企業活動を支える多様な商品のサプライチェーンに総合商社は介在しています。

_トレード

筆者の水谷も、2013年に総合商社に新卒で入社し、複数のトレード案件に携わらせて頂きました。自動車部品向けの鉄鋼製品から電力小売事業者向けのバイオマス電力まで、ダイナミックなトレード案件の申請に係る稟議書が世界各地の拠点から引っ切りなしに上申されては、ハンコが押されていきました。

トレード案件における商社の介在価値は多岐に渡ります。

現地におけるマーケティングや取引先との販売交渉、在庫管理やJIT(ジャストインタイム)納入、煩雑な貿易実務といった販売や物流に係るオペレーション事由に加え、商社を商流に挟むことによる信用補完や運転資金の手当てといったファイナンス事由などです。

しかし、商社機能自体は他社との差別化も難しく、また、取引先企業も海外事業の経験値を蓄積していくことでトレードマージンの確保は困難になって久しく、1990年代には「商社冬の時代」に突入していきます。

総合商社のこれまで(その2):事業投資

総合商社の祖業であるトレードに代わり、現在の総合商社の大きな収益源となったのは事業投資です。トレードを通じて培った商材に関する知見やネットワークを駆使して、資源・エネルギー権益やメーカー、卸や小売といった様々な事業者に出資参画することで事業収益を享受するようになりました。

_事業投資

例えば、総合商社が東南アジアや中東、アフリカ等の新興国を中心に取り組む発電所の開発・運営事業は、元々、日系メーカー製の発電所設備を各国の電力会社に納入するトレードが起点となって開始されたものです。現在、総合商社は発電所の開発や運営についてのノウハウを蓄積する、世界的にも競争力のある事業者になっています。

しかしながらここで問題が発生します。それが「分断化」です

トレードを起点に事業投資を進めてきた結果として、業界内の特定の商流に紐づく緩やかな垂直統合型のビジネスモデルが発生しました。この垂直統合型のビジネスモデルによって、各商流ごとの情報はタコ壺化し、分断化が発生したのです。

残念ながら、総合商社単独では介在するサプライチェーン全体の改善余地を効率的、且つ、リアルタイムに関知し、取引先に最適解を提案するための術を持っていませんし、サプライチェーンとして全体最適を図るケイパビリティは持ち合わせていません。

ここにテクノロジーを活用したサービス事業者にとって次代の産業を支えるための巨大な商機があると考えています。

_垂直統合

産業のDXを推進するビジネスモデル

1990年代のインターネットの商用化以降、今までにITによるデジタル化が進んできた産業領域は、広告と小売、ゲーム等が挙げられます。

また、他の産業領域においてもデジタル技術を活用することでアナログなオペレーションを自動化・半自動化し、蓄積されるデータを活用して新たな付加価値を提供するプレイヤーが続々と登場しています。産業のDXを推進する流れは不可逆なトレンドなのです。

これらプレイヤーのビジネスモデルは、主に以下の5種類の内の一つ、若しくは、複数の組合せによって推進されます。

  1. B to B のSaaS(若しくはBPO)
  2. 事業者のマッチングサービス
  3. 商品のマーケットプレイス
  4. SPA(製造小売事業)の延長線としてサプライチェーンを強固に垂直統合するD2Cモデル
  5. オンラインを起点にマーケや製販仕のオペレーションを構築し、業界内の一事業者として戦うOMOモデル

例えば、飲食店や小売店の卸事業者への発注をスマホで簡単にできるようにするCONNECTというサービスを手掛けるCO-NECT社や、通販事業者を中心に対象とした在庫管理サービス「ロジクラ」を手掛けるニューレボ社は、B to B SaaS型のモデルです。

彼らは(1)を初期的なビジネスモデルとしながら、今後、蓄積される取引データを活用してより奥行きのある流通を最適化するビジネスを展開していく素地を整えています。

また昨今、話題になることも多いD2Cは、製品の企画開発段階から調達、製造、マーケ、販売、決済、サポートまでをオンラインベースで最適化する垂直統合型の一貫体制を敷くもので、ユニクロやZARA等のSPA(製造小売業)の延長線にあるビジネスモデルと解釈することが可能です。

業界のサプライチェーンを俯瞰して事業機会を見出す

それでは、産業のDXを推進していく上で、新たな事業機会となる空白地帯をどのように見出していけばよいでしょうか。各業界のサプライチェーンにおけるそれぞれの工程を横軸に配置し、各工程に介在するファクターを「ヒト」と「モノ・コト」に分解した切り口で事業領域を検討するものが、以下の表です。

_サプライチェーンと事業領域

この表は、製造業を念頭に横軸のサプライチェーンの各工程を並べていますが、業界や製品ごとに変更しながら活用していくことができると思います。「ヒト」は、エンドユーザーは勿論、各工程において従事する専門職や個人事業者、エージェントにフォーカスするもので、「モノ・コト」は、対象となる商材のみならず、各工程におけるオペレーションや業務対象となる事項、事業者間のコミュニケーションチャネルにフォーカスを当てるものです。

サプライチェーンを俯瞰し、各領域で事業を手掛けるプレイヤーをこの表上にプロットしたときに有力プレイヤーが手を付けていない空白地帯は、デジタル技術を活用して新たな付加価値を提供する可能性がある領域と考えています。

では建築・建設業界を例にサンプルをみてみましょう。

_サプライチェーンと事業領域(建設・不動産)

「建設・不動産」の上流工程に当たる建設や、下流工程にあたる不動産流通においては、既に複数の支援先スタートアップが事業開発を進めておりますが、最上流の原材料や資機材選定、或いは、中流にあたる不動産販売の領域は、ジェネシアにとって「空白地帯」となっています。

例えばこの空白地帯において、オペレーションの効率化を促す機能提供(B to B SaaSやBPO)が求められているのか、または、情報の非対称に起因するマーケットプレイスやマッチングプラットフォームが求められているのか、或いはOMO型の優位性を確立して一事業者としての勝機を見出すのか、いくつかの選択肢からドミノの倒し方について解像度を高めていくことができると考えています。

新規事業や起業を検討中の方は、製造業や建設・不動産、電力・エネルギー、住宅設備や医薬品等、様々な巨大産業のサプライチェーンを俯瞰しながら、事業アイディアを検討する際に参考にしてもらえればと思います。

産業DXにおける総合商社の役割

それでは最後にこのデジタル化時代に、巨大産業のサプライチェーンに潜む事業機会を掴み、推進していく主体は果たして誰になるのかについて記しておきます。産業革命以降、産業の黒子としてサプライチェーンを支えてきた総合商社が自社で事業を内製化して立ち上げて行くことは、主に以下の理由から難しいと考えています。

  1. 自社プロダクトの開発経験が乏しいこと
  2. 時間の掛かる新規事業の立ち上げ、及び、継続に必要な社内の収益基準を満たしづらいこと

これらも踏まえると、産業のDXを推進する上で、総合商社はゼロイチフェーズではなく、拡大フェーズのスタートアップとの協業を加速することで、自社の持つ優位性を最も発揮することができると考えています。

今後、DXに積極的な総合商社にとって、スタートアップへの規模感のある出資は勿論、人材獲得を目的の一つとするM&Aの実施は、生き残りに向けて必須となるでしょう。今まさに、事業機会のあるDXの空白地帯が、各商社にとってそのまま不毛地帯になるかの分水嶺を迎えています。

また、産業のDXを推進する上で、総合商社にとってもう一つ重要な機能役割が、起業家輩出です。視座の高いビジョンを掲げてゼロイチでの事業立ち上げにチャレンジしたいという気概を持つ総合商社出身者が、今後も会社の枠を飛び出して起業したり、重要ポジションでスタートアップに転職する事例は、ますます増加していくものと予想しています。

ジェネシア・ベンチャーズでも、総合商社出身の起業家が経営するスタートアップを複数支援させて頂いておりますが、様々な産業領域における豊富な事業経験とグローバルな視座を持って巨大な産業創造にチャレンジする商社パーソンは、巨大産業のDXを推進していく事業に対して、Founder Market Fitする方が多いと考えています。

ということで総合商社を鏡にして産業のDXを推進する事業機会についてまとめてみました。社会全体でDXのトレンドが上向きとなっている中で、産業競争力を強化するビジネスモデルについて、日々、検討していますが、アイディアのお持ちの方がいれば、是非、ディスカッションさせてください!

<参考情報>

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、ジェネシア・ベンチャーズのインベストメントマネージャー水谷航己氏によるもの。Twitterアカウントは@KokiMizutani。毎週、事業プラン相談「DX Cafe by Genesia.」を開催中。くわしくはこちらから。

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Visional(ビジョナル)が物流業界に新規参入する理由

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ビジョナル株式会社、代表の南です。 本日、報道発表させていただきました通り、ビズリーチなどをグループ会社に持つVisional(ビジョナル)は物流業界に新規参入いたします。仲間として共に歩むことになったトラボックス代表取締役社長の吉岡泰一郎さんは20年間もの間、愚直にコツコツと事業を創り上げてきた実行力の方です。今日を皮切りに、私たちは新たな課題解決の道を共に歩むことといたしました。 そしてその第…

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写真左:M&Aを公表したトラボックス代表取締役社長の吉岡泰一郎さん

ビジョナル株式会社、代表の南です。

本日、報道発表させていただきました通り、ビズリーチなどをグループ会社に持つVisional(ビジョナル)は物流業界に新規参入いたします。仲間として共に歩むことになったトラボックス代表取締役社長の吉岡泰一郎さんは20年間もの間、愚直にコツコツと事業を創り上げてきた実行力の方です。今日を皮切りに、私たちは新たな課題解決の道を共に歩むことといたしました。

そしてその第一歩として、なぜ私たちが物流領域に新規参入することになったのか、その想いについて記します。

  • 事業こそが世の中を変革する
  • 課題発見とタイミング
  • 事業づくりは、仲間づくり

事業こそが世の中を変革する

さて、多くの方が「Visionalが物流?」と驚かれたかもしれません。もちろんこれは私たちにとって新たな挑戦です。しかし私たちにとってこの流れは必然でした。

なぜか。今、社会の抱える課題は日増しに大きくなっています。少子高齢化、低い労働生産性、人口減少。内閣府が公表している次世代の社会像を示す指針「Society 5.0」でも描かれている通り、こういった社会の課題は経済の発展と両輪で解決を目指す必要があります。

僕自身、5年程前からビズリーチ事業の運営を新経営チームに任せ、求人検索エンジンの「スタンバイ」や人材活用クラウド「HRMOS(ハーモス)」などのHR Tech領域の新規事業のみならず、事業承継M&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」やオープンソース脆弱性管理ツール「yamory(ヤモリー)」という、HR Tech領域以外で、社会の課題を解決するための事業をゼロから立ち上げてきました。

僕は新規事業を立ち上げるのが大好きです。事業こそが世の中を変革するキードライバーであると思っています。事業を通じて起こしたムーブメントにより、社会の変革に貢献できることこそが、自分の仕事の本分なのです。

そして社会の大きな流れを観察しながら次の新たな課題解決の領域を探し、事業計画に落とし込む。また、ゼロからその計画を実行していくことが、当グループにおける自分の一番の役割だと思っています。

では、なぜ物流だったのか。

課題発見とタイミング

僕は、新規事業を立ち上げるうえで最も重要で、かつ難しいことは、課題を発見することだと思っています。ありとあらゆる手段を駆使し、世界中の情報を収集しながら、解決すべく課題の選定を行います。社会構造の変化、また技術の進化などの組み合わせで多くの課題は生まれると感じているので、社会の流れや背景まで徹底的に調査します。そして、もう一つ見極めるのが、事業を始めるタイミングです。

10年前、私たちがビズリーチ事業を始めたのは、日本の働き方が大きく変わろうとしていた適切なタイミングだったからです。また、4年前に開始した人材活用クラウドHRMOS(ハーモス)も、日本経済の生産性の低さが叫ばれはじめようとしていたタイミングでした。僕にとっての新規事業づくりは、常に「課題発見とタイミング」がセットで大切です。

個人的に物流業界に着目しはじめたのは一昨年ぐらいでした。

物流業界は、様々な産業を支える、国の経済インフラのような存在であるにも関わらず、業界全体の生産性がなかなか上げられていない。国や業界のレポートをいくつか読んでみたところ、多くの問題に直面していて、苦戦する姿が率直にもったいないと感じました。

またその頃から、デジタル・トランスフォーメーションという言葉をよく耳にするようにもなりました。たとえば、経済産業省の「デジタル・トランスフォーメーション・レポート」では、物流領域はIT化が遅れており、「企業の生産性を落としている可能性がある分野」と記載されています。社会を支えるインフラのような産業の生産性が上がらないということは、結果的に国全体の生産性が向上せず、国力が弱まっていくと僕は考えています。

そのような課題意識を持ちながら、物流業界の様々な方とお話をするなかで、たまたまトラボックス代表の吉岡さんとつながりました。

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子会社化を公表したトラボックス

事業づくりは、仲間づくり

最後に、この課題に私たちはどう立ち向かうのか。

僕がB2B領域のITを活用したビジネスモデルを考える場合、まずは、かなりシンプルなところから始めます。この事業は、お客様の業務オペレーションを効率化するのか、もしくは、お客様の売上を効率的に増やすのか、について考えます。その後は、課題解決のフローを要素分解し、シンプルな仕組みに落とし込みます。また、初期段階はやれることより、やらないことを定めることを大切にしています。そして、お客様が「絶対使いたい・絶対解決できる部分」に絞り、サービスづくりのフェーズに入ります。

初期のビジネスプラン構築に並行して、経営チームを担う仲間づくりも始めます。

新生トラボックスの経営チームには、物流業界で誰もがその名を知るサービスを20年展開してきた吉岡さんを、テクノロジー面で支える経営のパートナーが必要でした。よって、新チームの立ち上げ期からGA technologiesで執行役員CTOを務めた石田雄一さんにチームへ加わってもらいました。ただ新生トラボックスを支える経営人材のリクルーティングは始まったばかりで、これからも一番力を入れていくところです。

Visionalが大切にするバリューに「事業づくりは、仲間づくり」を掲げているのですが、これまで多数の新規事業を立ち上げてきて分かったことは、採用にかける情熱や時間的投資こそが事業づくりを推し進めるエンジンであるということです。そして、採用ノウハウが蓄積されているのは、当グループの最大の強みのひとつです。

社会には解くべき課題がまだまだたくさんあります。時の流れと共に、世の中は便利になっていくことも多い一方で、その便利さの裏側には、今までなかった陰やくぼみができたりするものです。我々は、時代の変化によって発生している社会の課題をビジネスの種として捉え、そこで何かを生み出すことができるのではないかと、常々考え続けています。

Visionalでは、グループの創業の柱であるHR Techに続く、第二、第三の課題解決領域を見つけられるよう、HR Tech以外の事業領域において、ビジネスの生産性向上を支えられる新しい事業づくりを続けていきます。そして新たにその一環として、ゼロからの事業立ち上げ以外にも、M&Aも積極的に検討していきます。

新規事業を立ち上げている背景として、同時並行で別の新規事業を創りはじめていたり、M&Aを通じた新規事業領域を開拓もしています。Visionalという組織自体が、連続起業家のようなものにしていきたいです。

10年後には「えっ、創業事業ってHR Techだったんですね」と言われるくらい、多様な事業を展開していることが、我々が目指す経営ですね。

「新しい可能性を、次々と。」

10年後、想像もできない姿になっていく進化過程をどうか楽しみにしていてください。

<参考情報>

本稿はビジョナル株式会社代表取締役社長、南壮一郎氏によるもの。彼らの採用に興味がある方はこちらからコンタクトされたい

 

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スタートアップの評価額を上げる「プレミアム」とは何か

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YJキャピタル(ヤフーのベンチャーキャピタル)の堀です。今日のテーマは、スタートアップとバリュエーションについてです。起業家の皆さんが自社のバリュエーションをどうやって高め、その高さをどう投資家にプレゼンしたら良いか、について共有いたします。 事の発端は、2019年9月に連続投稿したTweetです。今、B2B SaaS業界でトキメイているSmart HR宮田(昇始)さんにブログ化のリクエストをいた…

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YJキャピタル(ヤフーのベンチャーキャピタル)の堀です。今日のテーマは、スタートアップとバリュエーションについてです。起業家の皆さんが自社のバリュエーションをどうやって高め、その高さをどう投資家にプレゼンしたら良いか、について共有いたします。

事の発端は、2019年9月に連続投稿したTweetです。今、B2B SaaS業界でトキメイているSmart HR宮田(昇始)さんにブログ化のリクエストをいただいたんですね。筆遅の私、ようやく腰を上げました。

突然ですが、バリュエーションが高いことって、悪なんでしょうか?

<参考記事>

昨年、ベンチャーキャピタルのCoral Capitalさんがコーポレートブログで、高すぎるバリュエーションでの資金調達に警鐘を鳴らしました。ブログによると

【メリット】
 ・希薄化を抑えた調達が可能
【デメリット】
 ・次のラウンドの資金調達の難易度が上がる
 ・M&A Exitの難易度が上がる

ということです。仰る通りでございますです。バリュエーション上げすぎると色々と問題も出ますね〜。でもでもですよ、メリットもありますよね。同じ10%の希薄化でも、バリュエーションが30億円の会社と300億円の会社では、調達額が3億円と30億円と変わってきちゃうんですから。

私のお仕事はベンチャーキャピタルといって、スタートアップに投資し、将来出資した株式を売却することで、株価の上昇分のリターン(キャピタルゲイン)で儲けるのを生業にしています。

投資家が数人集まってお茶したり、鍋つついたりすれば、二言目には「最近どう?バリュエーション高くない?」って話になります。投資家は先に書いたようにキャピタルゲインで生計を立てる商売です。キャピタルゲインは「出口の値段(売却時の株価)ー入り口(投資時の株価)の値段」で算出されます。入り口の値段を避けたいバイアスが常にかかっているので、先の発言が出てくるわけです。

極めて投資家っぽい書き方をすると、入り口の値段を可能な限り抑えて、出口の値段を可能な限り高くして売り抜けたいと考えます。そういう生き物なんです。起業家の皆さんが死ぬ思いしてプロダクト作って、必死の思いでユーザー獲得していても、投資家の頭の中は常に「入り口」「出口」です。残念なことに。どんなに綺麗なことをブログに書いていても、「入り口」と「出口」です。もう一回書きますよ。あ、もういいですね。はい、ごめんなさい。

そんな僕ら投資家でも、今から書く内容を押さえていれば、「ん?待てよ。高くないかも。投資した方が絶対良いよ」って思うポイントがあります。今日はそのポイントを書いちゃいます。みんなには内緒ですよ。

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1.プレミアムを説明しよう

バリュエーションを高くするためには、平均より高い理由、すなわちどういったプレミアムが乗っているかを説明しましょう。投資家は常に、証券市場の平均値と比較します。平均より何が優れているのか説明出来ないと「平均ですね」で片付けられてしまいます。腹落ち出来る説明がなければ、流動性の高い上場株を買った方がキャピタルゲインが望めるからです。

2.プレミアムは3種類ある

プレミアムとはなんぞや、と。平均より何が優れているとプレミアムと呼んで良いのでしょうか。未上場のスタートアップが上場企業と売上を比較しても簡単に勝てませんね。

投資家に対してスタートアップが使えるプレミアムはいくつかあると思うのですが、私のお気に入りを紹介します。

a) マーケットシェア1位

マーケットシェア1位です。業界ナンバー1なんです。これは圧倒的に強いですね。1位の会社にはプレミアム感が付いてきます。投資家殺しです。シェア1位の会社に投資する機会ってあまり巡ってきません。シェア1位を説明する上で、マーケットの定義、すなわちセグメンテーションについて学んでおくと良いでしょう。

弊社の戦っているマーケットは国内小売市場134兆円!って説明する起業家の方がたまーにいらっしゃいますが、こういう解像度が粗いプレゼンをすると投資家はシラーっとなって、プレゼンの最中でもFacebookやTwitterを開いて別のこと始めてしまいます。

いったいぜんたい、そのどデカイ市場でどのセグメントを狙っているんだい?ってプレゼンを聞いてる投資家は思いを巡らせます。ビューティー市場を見ても、女性/男性、年齢、基礎化粧品/メイクアップ、売り場(オンライン、オフラインチャネル)とセグメンテーション(細分化)が可能です。

市場が大きい時こそ、セグメンテーションをしっかりと行い、ターゲット顧客が誰なのかを明確にして、顕在市場規模を説明出来るようにしましょう。

どこかのセグメントで1位だと投資家は興奮します。

さらに、そのセグメントが業界全体で成長中だと投資家はもっと興奮しちゃいます。衰退市場で戦っている人は、市場が縮小していても気にしないこと。自社のシェアが市場縮小率を気にしないぐらい成長していることを説明できれば問題ないです。逆に、衰退市場で自社のシェアが横ばいだと、そのうちなくなっちゃうからマズいですね。

3年後、隣の顧客セグメントに参入します!(例:アパレルから消費財)というような起業家の話、投資家は眉唾で聞いています。実績が全て。実績や裏付けのない「将来、こうなります!」っていう話は投資家は「そうね。素晴らしいね」と言いながら聞き流しているのが本音です。

シェア1位の話長くなりすぎました(笑)ただ、私もソフトバンクグループの端くれとして仕事していて感じることですが、孫総帥はシェア1位が大好きだと思います。シェア1位と聞くと、身を乗り出して話を聞き入っているようなイメージがあります。

マーケットの捉え方、セグメンテーション、シェアをとにかく抑えに行く。

これ、テスト出ます。

b) 凄まじい成長率

この成長、やばくないっすか?って感じで右肩上がりのグラフを見せられると投資家は目がクラクラします。Y CombinatorのDemo Dayやピッチコンテストで必ず入れろ、って言われるスライドですね。

今、僕たちを捕まえておかないと乗り遅れるよ!っていうメッセージ力があります。やばくない?っていう成長率が良いですね。1カ月で10倍成長しました、とか最高です。

成長率を作るために広告燃やしまくるという手法があります。これはよろしくないですね。投資家はすぐ見抜きます。資金調達するために強引に右肩上がりの成長率を作ってきたな、と。

ユニットエコノミクスが証明出来ている(別の言い方だと、どんなに燃やしても回収可能、すごく儲かっちゃう)ならオッケーです。広告燃やさずに、顧客獲得ハックしている企業だと、投資家はヨダレをたらしながら飛びつきます。

ハック、で思い出しましたが、YJキャピタル支援先のKaizen Platformの須藤(憲司)社長が近々ハック思考について出版されるので、皆さんぜひハック思考を読んでマスターして下さい。

成長率も、市場平均より高い水準で成長していることが証明出来ると高く評価されます。EC市場が毎年約9%成長しているなら、少なくとも10%以上の成長はしたいですよね。業界の雄のEC事業者が毎年30%成長しているなら、60〜100%成長したいですよね。そうすると、「すげえ」ってなりますよね。

c) KPIの異常値を作る

最後のプレミアムは「異常値」です。競合他社と比べてCVRやCPAが10倍パフォーマンスが高いんです、という異常値です。

この状態を実現できていると、本日時点ではGMV(流通総額)やPV(PageView)で負けてるけど、数年後には競合を追い越せるやん!ってなります。「ふむふむ。ということは、数年後には将来の勝ち馬になるから、短期的に今バリュエーションが高くても、今乗っておいた方が良いわな」ってなります。

異常値を作ればいいんだ!ってのは分かりやすく伝えているだけであり、本質的には利益率、収益性のお話です。別の言い方をすると、平均的なビジネスモデルよりも、僕のビジネスモデルの方が明らかに儲かる、利益率が高いんです、ってことが言えれば投資家はめちゃんこ高く評価してくれます。

利益率を高くするには、いくつかコツがあって、競合サービスの平均値よりも

1.顧客単価を上げる
2.粗利を上げる(売上原価を下げる)
3.顧客獲得コストを下げる
4.リピート率を上げる
5.オペレーションコストを下げる

ことが出来れば実現可能ですね。この中のどれかで異常値を作ることをお勧めします。10倍近く平均との乖離があると完璧です。言うは易し、行うは難しです。

番外編)チーム

3つのプレミアムについてツラツラ書いてきました。番外編として、2度と使えない、1回しか使えないマジックプレミアムを紹介します(笑)

それは、「チーム」です。この面子でこの事業に挑戦するのすごくない?やばくない?超絶凄いっしょ、ってやつです。

これ、次の資金調達の時に使うと「いや、それ、君、前回も言ってたから」って冷静に投資家からツッコミをくらっちゃいます。しかも、前回よりも今回のタイミングで、業績やKPIで成長していないと「結局チームは凄いけど結果が出せない連中だよね。経歴は凄いんだけどね」って片付けられてしまいます。なので、個人的には、チームは”Nice to Have”ぐらいにしておくのが良いと思っています。実績で勝負するのが王道です。これ、気をつけてな!

結局、高いものには理由がないと、ヒトは買わない(投資しない)んですね。メルセデスやエルメスを買っている人いるじゃないですか。別にスズキやユニクロでもいいわけです。お金があるから買ってるわけじゃなく、買いたい理由があって、購入者が納得して買っているわけですよね。格好いいから、可愛いから、とか。

投資家も一緒なんです。

なので、プレミアムがある、と言う必要があります。在庫に限りがある限定品なんです、という見せ方をしないといけないんです。昭和の時代のドラクエであり、平成の時代のポケモンであり、令和の時代のスニーカーのように。

このジーンズ、岡山のXX工房とイタリアの巨匠のYYとNYのSupremeが3年構想してデザインした世界限定100本しかなくて、テルマさんも愛用している超限定品なんですよ、というプレゼンテーションしないといけないんです。

実績が伴わないのにバリュエーションが高い状況はよろしくないです。ただ、投資家を相手に株の取引をするのであれば、売り手としてのセールストークというか、買いたいと思わせるポイントは抑えたほうが良いですよね。

だいぶ長いブログになってしまいました(笑)一緒に事業づくり、バリュエーションをより高いところに持っていきたいという起業家の皆さん、ご連絡お待ちしています。どうやったら企業価値を高めていけるのか、色々アドバイスします。

見せかけだけじゃん、って言われないように、しっかりと事業を作り込んでいきましょう。そして、相談に乗ったYJキャピタルには特別にバリュエーシションを低く提示してください(爆)!

共に、未来を創ろう!

<参考記事>

本稿はベンチャーキャピタル「YJキャピタル」パートナーで代表取締役社長の堀新一郎氏によるもの。同氏に許諾をもらってnoteに掲載された記事を転載させていただいた。Twitterアカウントは@horrrrry。創業期からシリーズA達成を支援するプログラムCode Republic(コードリパブリック)では第7期を募集中

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外交官でも「賃貸契約拒否」の意外な理由ーー不動産テックにやってきた新たなチャンス

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2030年に向けて日本が抱える大きな社会課題のひとつに労働人口の問題があります。こちらの推計調査でも出ている通り、このまま何もしなければ650万人近くの「働き手」が足りなくなり、そのしわ寄せはそのまま経営を直撃することになります。 注目されているのがこれまで顕在化していなかった働き手の存在とテクノロジーによる効率化です。特に働き手として注目が集まるのが海外からやってくる方々の存在で、高度な技術を持…

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Photo by Huseyn Kamaladdin on Pexels.com

2030年に向けて日本が抱える大きな社会課題のひとつに労働人口の問題があります。こちらの推計調査でも出ている通り、このまま何もしなければ650万人近くの「働き手」が足りなくなり、そのしわ寄せはそのまま経営を直撃することになります。

注目されているのがこれまで顕在化していなかった働き手の存在とテクノロジーによる効率化です。特に働き手として注目が集まるのが海外からやってくる方々の存在で、高度な技術を持った人材から、ホスピタリティあふれる働き手までバラエティに富んでいます。

テクノロジーカンパニーであれば、優秀なエンジニアの採用を海外に求める企業も増えているので、この傾向は向こう10年でさらに強まることが予想されます。

もちろん課題もあります。特に生活の根幹をなす「住」については、例えば年収で1000万円クラスの高度な人材であっても、賃貸契約を結べないケースがあるのです。しかもその理由は非常にアナログで「海外の人たちを信頼できない」という曖昧なものだったりします。

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参考資料:アットハースウェブサイト

アットハースは、外国人向けの賃貸物件契約手続きをオンラインで完結できる多言語対応プラットフォームを運営しているスタートアップです。これまで2000件以上の海外人材の移住相談を受け、サポートしてきました。

本稿ではその経験から見えた、海外人材獲得時に発生する「住」に関する落とし穴を共有したいと思います。

外国人材の受け入れ準備が進む日本

日本政府としても労働人口の減少については当然課題に考えており、2019年10月からは法改正によって賃貸契約の骨幹となる重要説明事項のPDF送付が可能となり、訪日する前の段階でもオンラインで契約できる状況を作り出しています。こういった具体的な法改正やビザの緩和、オリンピック開催の期待感から在留外国人は過去最多の282万人と増える一方です。

国家として受け入れの間口が広がる中、外国人材の賃貸契約には困難な壁が待ち構えています。それが保証会社との契約、つまり与信審査のクリアです。

審査に落ちる意外な理由

理由は何だと思いますか?

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参考資料:アットハース

過去にあった2000件ほどのケースであれば、年収がどれだけ高く、また、通訳などのサポートがあったとしても、契約者本人が日本語でコミュニケーションが取れないと多くの保証会社が審査落ちするんです。もっと具体的に言うと、国内で働く年収1000万以上のマネージャーや外交官の入居が断られています。

実際、エジプトやマダガスカルの外交官が入居拒否されたということで相談をいただいたケースもあります。残念ながらこういう方々はホテルなどに滞在することで急場をしのがれています。

日本賃貸住宅管理協会の短観によると、賃貸借契約全体で97%が保証を求められる中、100%の外国人材は保証会社を利用しているそうです。つまり彼らにNGを出された場合、住む場所が確保できない、ということになります。

ちなみに同じく短観で、日本人の家賃滞納率は前年比1.2%増の8.2%です。当たり前ですが、与信とコミュニケーション能力は別物です。これだけの問題で、払える能力を持った顧客を排除するのは大きなビジネスチャンスの喪失です。

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参考資料:アットハース

2030年に向けた獲得競争

もちろん、ここに気がついている事業者も増えています。エポスカード社は、エポスグローバルという外国人に特化した保証商品を持ち、大きくシェアを伸ばしていると聞いています。それに追随するかの様に、大手の保証会社数社はハイエンドの外国人を中心に獲得を急いでいるようです。

しかも保証会社に支払う料金は通常、日本人が支払う賃料の50%ではなく、100%でも払うケースが多いそうです。特に前述した外交官のようなハイエンドの外国人はお金の問題よりも、そもそも住めるかどうかという深刻な問題に直面している、というのがよく分かります。

ちなみに私たちに依頼をしてくる方々の多くは年収1000万円から2000万円のエンジニアやマネージャー層が中心になっているので滞納されるケースはこれまでありません。支払い賃料額もそれなりで、6割は10万円以上、20万円以上という方も2割います。

課題が明確なだけに私たち含め、業界全体がテクノロジーで解決を目指し、大きな社会課題の解決につながればと思っています。

<参考情報>

本稿は外国人向け賃貸物件契約手続きプラットフォーム「AtHearth」を運営するアットハース代表取締役、紀野知成氏によるもの。Facebookアカウントはこちら。彼らの事業や採用に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい

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VCを卒業して「介護」という課題に挑戦した理由

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少子高齢化社会において「介護」という機会を避けて通ることのできる人はわずかです。 厚生労働省が公表している平成29年度の調査(参考資料:PDF)によれば、高齢者(65歳以上)の数は約3500万人(平成30年3月末時点)。人口動態からも分かる通り増加の一途を辿っています。一方、要介護と認定されている方の数も同じく増加を続けており、641万人が支援を必要としています。 今、世の中には便利な情報が溢れて…

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Photo by Patrick De Boeck on Pexels.com

少子高齢化社会において「介護」という機会を避けて通ることのできる人はわずかです。

厚生労働省が公表している平成29年度の調査(参考資料:PDF)によれば、高齢者(65歳以上)の数は約3500万人(平成30年3月末時点)。人口動態からも分かる通り増加の一途を辿っています。一方、要介護と認定されている方の数も同じく増加を続けており、641万人が支援を必要としています。

今、世の中には便利な情報が溢れています。

もし、自分の家族がこういった支援を必要とする立場になったら、「介護 方法」といったキーワードで検索するだけで、沢山の情報が手に入ります。まずは公的な機関の窓口で要介護認定を受け、実態調査を受けます。そこからケアマネージャーという介護の専門家と一緒にケアプラン(計画書)を作成して介護サービスを受ける、というのがざっとした流れです。

しかし実際は、ここにある情報ほどスムーズにいかないケースもあります。

ベンチャーキャピタルで出会った大きな課題

私は今、みーつけあという介護のマッチングサイトをスタートアップしています。以前は、EastVenturesというベンチャーキャピタルでアソシエイト・インターンとして働いていました。

スタートアップ投資というのは情報戦です。日々、国内外のあらゆる情報を集め、分析し、どこにギャップがあるのか、どこにチャンスが潜んでいるのかを探り当てるのが勝ち筋のひとつでもあります。私もその一員として日々、社会にある問題点を探る旅を続けていたわけです。

もちろん少子高齢化は大きな課題です。特に介護は国家レベルで解決すべき問いであり、簡単でないのは確かです。でも、だからこそスタートアップする価値があるのかもしれません。調べていく中でいつしかこの大きな課題に挑戦してみたいという思いが溢れるようになったのです。

まず、この課題にシェアの考え方で何か突破口が開けるのではと1つ目のアイデアを試しました。それが「介護版のUber」というものです。特に介護の現場では、介護する側・される側のミスマッチであまりよくない体験が生まれる、という課題があります。もし、双方がオンデマンドにマッチングする環境があれば理想的です。しかし、このアイデアはうまくいきませんでした。

次のアイデア:逆算で理想のケアマネージャーを探す

詳細は割愛しますが、介護というのは厳しいルール(規制)に基づいて実施される社会保障の仕組みです。当たり前ですが、民間が勝手にサービスを展開できない分野で、もちろんそのことを理解した上でうまくマッチングできるアイデアを考えたのですが、予想以上に超えるべきハードルが高かった、とだけ書いておきます。

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逆算で理想のケアマネージャーを探すアイデアに変更した

次です。アイデア実現方法はまだあります。

冒頭に書いたとおり、介護保険サービスを利用するためには、まず介護保険申請後に介護事業所を決めなければなりません。しかし事業所を選ぶ方法は、今のところ、行政の冊子から決めていくしかありません。

さらに言うと、行政の冊子には詳しい情報が載っておらず、ケアマネジャーが働く居宅介護支援事業所の電話番号と住所しか記載されていません。この行政の冊子から、数ある中から最初にケアマネジャー(主にどの介護を必要か判断してもらうため)を決めます。

その中の1人に今後の介護生活(ケアプラン等)を担ってもらうことになるわけです。

実は介護サービスを受ける事業所はこのケアマネージャーの方が決めることがほとんどです。自分で探すこともできますが住んでいる地域によっては、100以上の選択肢があり、介護事業所で働いているヘルパーは平均10名程度です。この中から最適なマッチングを探し当てるのは、情報量の少ない被介護側ではほぼ不可能でしょう。

理想的な事業所と出会えれば結果オーライですが、実際はそうならないケースもあります。であれば、方法はひとつです。事業所から探して、そことつながりのあるケアマネージャーに担当してもらう、というやり方です。

ということで現在、私たちはオペレーションチームを組んで、専門知識があるオペレーターがアドバイスしながら事業所やケアマネージャーを紹介する、という提案をして介護する方々の判断を助けるお手伝いをしています。

さて、いかがだったでしょうか。

こういった社会課題をテーマとした規制事業でスタートアップする場合、課題があまりにも大きすぎて一度に全てを変えることはよほどでない限り難しいでしょう。本当に山登りと同じで、一歩ずつ、もし道が違っていたら別のルートを探る。ただ、登るべき山頂だけは見失わない、こういった基本が大切なんだと実感しています。今後、同じような大きなテーマに挑戦する方の参考になれば幸いです。

<参考情報>

本稿は介護相談・マッチング「みーつけあ」を開発・提供する株式会社みーつけあ代表取締役、洞汐音氏によるもの。Facebookアカウントはこちら。彼らの事業や採用に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい

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