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早産を早期特定する「Pregnolia」、注目集まる“10億ドル”妊娠モニタリング市場

ピックアップ:Pregnolia raises CHF 4.2 million to advance detection of premature births ニュースサマリ:スイスを拠点とし、早産の可能性を早い段階で特定する診断装置を開発するPregnoliaは6月25日、シリーズAラウンドでの420万スイス・フラン(約440万米ドル)の資金調達を発表した。今回得た資金は、主に診断装置の市場投…

画像出典:Pregolia 公式HPスクリーンショット

ピックアップ:Pregnolia raises CHF 4.2 million to advance detection of premature births

ニュースサマリ:スイスを拠点とし、早産の可能性を早い段階で特定する診断装置を開発するPregnoliaは6月25日、シリーズAラウンドでの420万スイス・フラン(約440万米ドル)の資金調達を発表した。今回得た資金は、主に診断装置の市場投入に向けた準備に充てられる予定で、具体的には新たな認証(CEマーク)の取得や欧州における販売網の構築、医療保険会社による保険償還の確立などが挙げられる。

詳細情報:Pregnoliaはチューリッヒ工科大学のスピンオフ企業として、女性博士のSabrina Badir氏の博士論文に端を発し2016年に設立。スイスの新興企業トップ100社の1社として、2016年から4年連続選出されている。

  • 同社は従来早産の診断で測定される子宮頸管の長さではなく、子宮頚部の硬さを瞬時に確認することで早産を特定する診断装置を開発する。同社プレスリリースによると、臨床試験のデータでは、子宮頸管の長さよりも子宮頸部の硬さを測定する方が、早産の可能性をより正確に予測できることが実証されているという。
  • CEOのSabrina Badir氏によると、今回の資金調達はコロナ禍という厳しい状況にも関わらず投資の応募が殺到したという。
  • 今回の資金調達に関する同社プレスリリースにて、Investiere Venture Capitalの投資マネージャー・Susanne Schorsch氏は妊娠モニタリングは10億米ドル規模の市場であり、同社が開発する診断装置は、既存の臨床ワークフローに導入しやすいのが特徴である、とコメントしている。

背景:2012年にWHOが発表した「Born too soon」によると、早産はほとんどの国で増加傾向にある。また2019年のWIREDの記事によると、米国で約10人に1人の赤ちゃんが早産で生まれており、さらに黒人女性は白人女性より50%以上も早産で出産する可能性が高いという。

フィナンシャル・タイムズ紙が運営する「Sifted」によると、2025年にはヨーロッパのフェムテック市場は50億米ドルに達すると予測されており、Pregnoliaは同メディアが選ぶトップフェムテック企業の1つとして選出されている。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

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中国のAI市場は2024年までに127.5億米ドルに、画像と音声認識で世界トップシェア掌握へ【IDC・Canalys報告】

<ピックアップ> China’s AI Software Market Will Be Worth USD12.8 Billion in 2024, IDC Says ニュースサマリー:大手 IT リサーチ会社 IDC は6月、報告書「中国の人工知能ソフトウェア・アプリケーション2019年後期版(中国人工智能市場軟件及応用半年度研究報告、2019下半年)」をリリース。AI ソフトウェア・アプリケー…

Xinhua(新華社)と Sogou(搜狗)が共同開発した 3D・AIのニュースアナウンサー「Xin Xiaowei(新小微)」
Image credit: Sogou(搜狗)

<ピックアップ> China’s AI Software Market Will Be Worth USD12.8 Billion in 2024, IDC Says

ニュースサマリー:大手 IT リサーチ会社 IDC は6月、報告書「中国の人工知能ソフトウェア・アプリケーション2019年後期版(中国人工智能市場軟件及応用半年度研究報告、2019下半年)」をリリース。AI ソフトウェア・アプリケーション市場は2024年までに127億5,000万米ドルに達し、年平均成長率は39.9%になると予想した。

重要視すべきポイント:国家主導で推進する中国人工知能の市場においては、コンピュータビジョン(画像解析)や音声認識市場が大きく成長している。

詳細情報:IDC のデータによると、2019年に中国のコンピュータビジョンアプリケーション市場は14億6,500万米ドルに達し、4つの主要な画像認識ユニコーンが市場を支配した。主にセキュリティ分野やスマートシティ分野で成長している。顔認識技術はオフィスビル等でも多く広がっている。

  • 中国の AI スタートアップの中でも、SenseTime(商湯科技)はコンピュータビジョン領域で市場の約20%を占め、Megvii(昿視)、CloudWalk(雲従科技)、YITU Technology(依図科技)が続いている。
  • 音声分野でも市場規模は昨年12億2,000万米ドルに達した。iFlytek(科大訊飛)が最大の市場シェアを獲得。
  • Baidu(百度)の音声技術を搭載したスマートスピーカー「Xiaodu(小度)」の出荷量は、世界トップ2にランク。Canalys のデータによると、2020年の第1四半期のスマートスピーカーの出荷台数は2,030万台で、上位5社は Amazon、Baidu、Alibaba(阿里巴巴)、Google、Xiaomi(小米)であった。
  • IDC の予測によると、2020年には中国で1億人のユーザが音声対話機能を使用し、将来的には V2E(Voice to Everything)が実装され、家電製品、自動車、オフィス機器に徐々に音声モジュールが組み込まれる。「音声インターネット時代」の波がやってくる可能性がある。
中国の AI 市場におけるコンピュータビジョンアプリケーション主要プロバイダ
Source: IDC 中国人工智能市場軟件及応用半年度研究報告、2019下半年
中国の AI 市場における音声認識・発声アプリケーション主要プロバイダ
Source: IDC 中国人工智能市場軟件及応用半年度研究報告、2019下半年
スマートスピーカー出荷台数の国別推移。中国はアメリカを抜き、世界シェアの51%を掌握。
Source: Canalys

背景:IDC は日本国内での AI システム市場予測を6月に発表。2020年の国内 AI システム市場は、前年比43.2%増の1,172億1,200万円と IDC では予測。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による IT 支出の抑制によって AI プロジェクトが停滞し、サービス市場とソフトウェア市場の成長スピードがいったん減速。2020年の反動や経済の回復から、2021年は前年比45.7%増と勢いが戻ると予測している。

via Yical Global(第一財経 環球版)

執筆:國本知里/編集:岩切絹代

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Tencent(騰訊)の「5Gエコシステム計画」から紐解く、エレベータ広告ビジネスの可能性

<ピックアップ> Tencent Released the Report of 5g Ecological Plan while WIMI Is Focusing on AR + AI Modular Splicing Scene ニュースサマリ―:Tencent(騰訊)は今年4月、5G 関連の新技術やユースケースの創造を推進していくことを目的とした「5Gエコシステム計画(5G 生態計画)」を発表…

中国のエレベータ広告
Image credit: Focus Media(分衆伝媒)

<ピックアップ> Tencent Released the Report of 5g Ecological Plan while WIMI Is Focusing on AR + AI Modular Splicing Scene

ニュースサマリ―:Tencent(騰訊)は今年4月、5G 関連の新技術やユースケースの創造を推進していくことを目的とした「5Gエコシステム計画(5G 生態計画)」を発表した。この計画では、「マルチメディアコンテンツ」「インテリジェントな IoT」「AR・VR」といった12の5G シナリオをベースとした同社の戦略が述べられている。

重要視すべき理由:5G ビジネスは、さまざまな技術やプレイヤーが連携して共創していく形がしばしば取られる。Tencent の 5G エコシステム計画も例には漏れず、45社の5G イノベーションパートナーとの連携を強化する形を取っている。

詳細情報:5G エコシステム計画で触れられている Tikin Media(梯影伝媒)は、エレベータ広告ビジネスを中国で展開している。

  • Tikin Media は最近、シリーズ B ラウンドで Tencent から資金調達を果たすなど両社の関係性は深く、Tencent にとって Tikin Media は鍵を握るプレイヤーの一社である。
  • 5G は現在の 4Gと比べて高速、大容量、低遅延が特徴の通信サービスであり、その特徴を活用したソリューションとしてデジタルサイネージは注目を集めるシナリオの一つである。
  • Tencent 競合の Alibaba(阿里巴巴)も、2018年にエレベータ広告を手がける Focus Media(分衆伝媒)株式の6.62%(14.3億米ドル相当)を取得するなど、オフライン広告に熱視線を向けている。
  • Alibaba がオフライン広告に目を向けるのは、オフラインとオンラインを融合させた消費体験の提供を目指すニューリテール(新小売)戦略が背景にある。
  • 日本国内のデジタルサイネージ広告の市場規模は、2018年の665億円から2023年には1,248億円と、5年で2倍近くの市場の伸びが予測されている
  • デジタルサイネージ広告をセグメント別でみると、交通機関が全体の64.1%を占め、商業施設の13.1%、屋外の11.6%と続く。その他の11.2%の中にエレベータ広告が含まれ、今後この割合が高まることが期待される。

<関連記事>

背景:IoT や 5G の普及に伴い、オフラインとオンラインの融合をした今までにない広告手法が出てくるだろう。

  • 日本国内でも、ジャパンエレベーターサービスホールディングス(東証:6544)が提供する、防犯カメラ付きデジタルサイネージ「LiftSPOT」や、東京が提供する「東京エレビGO」がエレベータ広告の主なサービスとして挙げられる。
  • 特に東京は、2019年11月に三菱地所(東証:8802)との合弁会社 spacemotion設立し、エレベータ内でプロジェクターを活用したコンテンツ配信サービス「エレシネマ」を提供開始。エレベータ広告ビジネスの普及を一気に加速するとみられる。

<関連記事>

via MarketWatch

執筆:國生啓佑/編集:増渕大志

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2割が「医療提供拒否」の経験、トランスジェンダーの人々に医療ケアを提供するPlume

ピックアップ:Plume is building a healthcare service specifically for the transgender community ニュースサマリ:トランスジェンダーの人々に特化した医療相談やホルモン補充療法を提供するPlumeは、米国のベンチャーキャピタルであるGeneral CatalystとSlow Venturesからの290万米ドルの資金調達…

画像出典:Plume

ピックアップ:Plume is building a healthcare service specifically for the transgender community

ニュースサマリ:トランスジェンダーの人々に特化した医療相談やホルモン補充療法を提供するPlumeは、米国のベンチャーキャピタルであるGeneral CatalystとSlow Venturesからの290万米ドルの資金調達を完了した。Springbank Collectiveも同社に出資している。

重要なポイント:同社によると、これまで米国においてトランスジェンダーの患者は差別的な慣行にさらされており、患者の約20%が医療提供を拒否される・嫌がらせを受けるといった経験があるという。

詳細情報:Plumeは2019年にコロラド州・デンバーを拠点に設立。トランスジェンダーの患者が、医師との相談や個別の治療計画の作成、処方箋の受け取りなどをすべてアプリから行える包括的な医療ケアサービスを提供する。

  • 現在はカリフォルニア州、ニューヨーク州、フロリダ州、テキサス州、コロラド州、ノースカロライナ州、バージニア州、オレゴン州、メイン州、マサチューセッツ州の10州でサービスを提供している。
  • 同社は、Matthew Wetschler氏およびJerrica Kirkley氏の2人の医師によって設立された。Kirkley氏自身もトランスジェンダーであり、Plumeのスタッフ計20人のうち大半はトランスジェンダーだという。
  • アメリカでは140万人以上の人々がトランスジェンダーと名乗っているが、Wetschler氏によると「ジェネレーションZは、団塊世代の5倍以上の確率でトランスと名乗るようになっている」という。

背景:2020年6月12日、アメリカ政府は医療従事者などに対し、LGBTQ+の人に対する医療サービス提供の拒否を認める規則を決定した。さらに、米国で広がる人種差別問題の反対運動において、警官に銃殺された1人が黒人のトランスジェンダーであったことから、「Black Trans Lives Matter」の動きも拡大している。こうした背景の下、今回Plumeに資金を提供したGeneral Catalystのパートナー・Olivia Lew氏は「この会社が切実に必要とされている認識が高まった」と述べている。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

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中国で拡大する声の市場、ByteDance(字節跳動)が次に狙う「AIナレーション」の世界

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<ピックアップ> 字节跳动通过新 App 番茄畅听入局长音频市场 ニュースサマリー:北京に拠点を置き、TikTok(抖音)を運営する ByteDance(字節跳動)は6月8日、AI がテキストのナレーション生成を行うオーディオブックアプリ「Fanqie Changting(番茄暢聴)」をリリースした。 重要視すべき理由:オーディオコンテンツ市場は中国で急成長。オンラインオーディオの消費者数は201…

「Fanqie Changting(番茄暢聴)」

<ピックアップ> 字节跳动通过新 App 番茄畅听入局长音频市场

ニュースサマリー:北京に拠点を置き、TikTok(抖音)を運営する ByteDance(字節跳動)は6月8日、AI がテキストのナレーション生成を行うオーディオブックアプリ「Fanqie Changting(番茄暢聴)」をリリースした。

重要視すべき理由:オーディオコンテンツ市場は中国で急成長。オンラインオーディオの消費者数は2018年には4億1,600万人に達し、今年は62億人民元(約940億円)規模に達すると予測。ByteDance はオーディオコンテンツ領域でも AI を活用し、事業を拡大しようとしている。

詳細情報:TikTok 以外にも多くの事業を展開する ByteDance が AI オーディオブックアプリ「Fanqie Changting」をリリース。開発元は Zhending Technology(臻鼎科技)だが、実際のコントロールは ByteDance CEO Zhang Yiming(張一鳴)氏と言われている。コンテンツの多くは人間ではなく AI によってナレーションされている。

  • Fanqie Changting は、月額18人民元(約270円)、3ヶ月で50人民元(約760円)、6ヶ月では99人民元(約1,500円)で販売している。有料メンバーはオーディオブックをダウンロードして広告無しで聴くこと、他のアプリ内購入に使用できるゴールドコインの形で報酬を獲得するオプション等がある。
  • ファンタジー小説など幅広い本を備えており、ユーザーは標準・感情・ブティックの男性または女性の AI ナレーションから選択することが可能。
  • これにより、ByteDance は中国の長編オーディオの領域に足を踏み入れることとなる。現在は Ximalaya(喜馬拉雅)、Lychee FM(またの名を Lizhi=荔枝)、Dragonfly FM(蜻蜓 FM)などのプレイヤーが支配している。
  • Tencent(騰訊)も、今年の4月に独自の統合ポッドキャスト、オーディオブック、一般的なロングオーディオプラットフォームをリリースしたばかり。

背景:ByteDance はオンライン教育市場に対しても AI を活用した幼少期向けオンライン教育アプリケーション「GuaGuaLong English(瓜瓜龍英語)」「GuaGuaLong Mind(瓜瓜龍思維)」を4月にリリース。新規事業として、AI を活用したアプリ・サービスを近年多く展開している。

<関連記事>

via TechNode 中文版(動点科技)

執筆:國本知里/編集:岩切絹代・平野武士

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Baidu(百度)、5年で500万人のAIエキスパート育成へ

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ピックアップ:In the next ten years, it is estimated that by 2030, the number of Baidu intelligent cloud servers will exceed 5 million. ニュースサマリー:中国検索大手のBaidu(百度)は6月19日、今後10年で人工知能、チップ、クラウドコンピューティング、データセンターを拡大…

Image credit : baidu

ピックアップ:In the next ten years, it is estimated that by 2030, the number of Baidu intelligent cloud servers will exceed 5 million.

ニュースサマリー:中国検索大手のBaidu(百度)は6月19日、今後10年で人工知能、チップ、クラウドコンピューティング、データセンターを拡大する大規模な計画を発表。2030年までに500万台のインテリジェントクラウドサーバーを導入すること、今後5年で500万人のAIエキスパートの育成を予定していると伝えている。

重要なポイント:中国大手テック企業のBATでクラウド・AIへの投資が拡大している。Alibaba(阿里巴巴)は4月に今後3年間でクラウド事業に2,000億元(約3兆円)投資すると発表。また、Tencent(騰訊)も5月に今後5年間で5,000億元(約7兆6,000億円)をクラウド・AIに投資すると発表しており、2社に続く形の発表となる。

詳細情報:Baiduは2030年までにインテリジェントクラウドサーバー導入の500万台超えを目指し、AIのグローバルリーダーになる意気込みを発表。500万台の根拠として、2019年のグローバルでのサーバー出荷の約50%であり、Baiduのクラウドサーバーの処理能力は世界上位500のスーパーコンピューティング能力の合計の7倍と伝えている。

  • 現在、Baiduは北京、保定、蘇州、南京、広州、陽泉、西安、武漢、香港を含む10以上の地域をカバーするデータセンターを保有。
  • 今後5年間でAIエキスパートをトレーニングする。Baiduはこれまでに復旦大学、武漢大学等の200以上の大学と連携して、ディープラーニング・AIに関するコースを共同で開発している。
  • Baidu CTOのWang Haifeng氏はフォーカスとして、人工知能・クラウドコンピュータ・5G・IoT、ブロックチェーン等の新興技術が主要な技術になると語っている。
  • 今回の大規模な計画についてBaiduは具体的な投資額を発表していないが、Alibabaが4月、Tencentが5月に発表したように、BATによるインフラ・AI投資は加速している。
  • 北京では「新インフラ構築を加速するための北京行動計画(2020-2022)」を発布し、Baiduはその後新しいインフラマップもリリースしている。
Image credit : baidu

背景:中国政府は、2019年に180の大学のAI関連専攻の設置申請を承認したと発表している。前年は35大学のみであり、2030年までにグローバルAIリーダーになることを計画として持つ中国でのAIエキスパートの育成に大学だけでなく、企業も大型投資を行っている。

執筆:國本知里/編集:岩切絹代・平野武士

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フィリピンで広がる「給与前払い」サービス、全部使い切るそのお国柄とは

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ピックアップ:A digital solution for people living paycheck-to-paycheck in the Philippines ニュースサマリー:5月28日、フィリピン・マニラ発の給与前払いスタートアップAdvance Tech Lendingは、シードラウンドにて4つの投資家から出資を受けたことを公表している。 重要なポイント:フィリピンの賃金労働者の多く…

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Image Credit : Advance

ピックアップA digital solution for people living paycheck-to-paycheck in the Philippines

ニュースサマリー:5月28日、フィリピン・マニラ発の給与前払いスタートアップAdvance Tech Lendingは、シードラウンドにて4つの投資家から出資を受けたことを公表している。

重要なポイント:フィリピンの賃金労働者の多くは、金額に関わらず受け取った給与は貯金せず当月内に全て使い切り、急な出費が必要になった際にはその都度お金を借りる生活を送っている。マニラを拠点とするスタートアップAdvandeでは、こういった人々ができる限りお金を借りずにすむよう、お金が必要になった際には自分の給料から必要な額を前倒しで受け取れるオンデマンドプラットフォームを提供している。

詳細:銀行口座の保有率も低く、銀行ローンの審査も厳しいフィリピンでは、お金に困った際に労働者の多くは親戚や友人知人からお金を借りるか、ファイブシックスと呼ばれる、古くから存在する審査や返済期限のゆるい非合法な高利貸し(借りた額を5で割って6倍にして返すシステム=金利20%のためファイブシックスと呼ばれる)から借りざるを得ない。

  • ターゲット市場は20代前半から30代半ばで月収300〜700ドルの低中所得層の賃金労働者(主にはアウトソーシング、製造、サービス業など)。24時間365日、必要な時にオンラインで迅速に振り込みまで完結。
  • 融資ではなく給料支払いの前倒しのため、金利はかからず手数料(3.5%)だけで利用可能。前倒しで受け取れる給与の上限は50%。
  • 雇用主にとっては福利厚生の一環として従業員に利用してもらうことで、会社のリソースを割くことなく労働者に経済的支援を行えるという点がメリットとなる。
  • 今年5月にはNext Billion Venturesが主導するDymon Asia VenturesとAccion Venture Labの参加するシードラウンドで資金調達を実施(金額未公開)、プロダクトの改善や新規市場の開拓を推進するとしている。
  • 過去12カ月約300万ドルを数千人に提供し、今後5年間で1万社の企業、100万人の労働者にサービスを提供することを目指している。

背景:フィリピン中央銀行の2019年の調査結果によると、成人の47%は現在借金をしている(親族や友人知人から借りているものも含む)状態で、34%は現在は借金をしていないがこれまでに借金をした経験があると回答した。同調査によると、成人の32%が貯金をしたことはあるが、現在は貯金していない、約25%は貯金をしたことがないと回答、成人の半数以上が貯金が全くない状態で生活を送っている。

フィリピンでは給料を全て使い切ってしまい給料日前にお金を借りる人が多いことから、給料日は原則として月2回とすることが法律で定められている。

執筆:椛澤かおり/編集:渡邉草太

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アフリカ・ケニアで進む金融包摂、キーワードは「ブロックチェーン」

ピックアップ:Pioneering Kenya eyes next stage of mobile money 重要なポイント:アフリカの金融でリープフロッグ(一足飛びにインフラが整う)現象が発生している。キーワードは「金融包摂」と「ブロックチェーン」だ。 ナイロビに拠点を置くCellurantはオールインワンの多機能決済プラットフォームTinggを2019年10月に公開し、現在ケニアを始めアフリ…

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ピックアップPioneering Kenya eyes next stage of mobile money

重要なポイント:アフリカの金融でリープフロッグ(一足飛びにインフラが整う)現象が発生している。キーワードは「金融包摂」と「ブロックチェーン」だ。

ナイロビに拠点を置くCellurantはオールインワンの多機能決済プラットフォームTinggを2019年10月に公開し、現在ケニアを始めアフリカ8カ国(ケニア、ナイジェリア、ガーナ、ウガンダ、タンザニア、モザンビーク、ザンビア、ボツワナ)でサービスを提供している。

Tinggは決済機能だけでなく、サードパーティサービスの提供を強化しており、水道・電気などの公共料金の支払いやフードデリバリー、各家庭で利用するガスの配送などもTinggを通じて利用可能だ。また同社の農業プラットフォームでも利用することができ、多方面で金融包摂を推進している。

詳細情報:ケニアの中央銀行の調査によると、2019年にはケニア人の80%以上が銀行だけでなくマイクロファイナンスやモバイル決済サービスなどを含めた何らかしらの金融サービスにアクセスできるようになり(2006年時点では27%)、首都ナイロビに限れば金融包摂率は96%にもなると報告されている。

  • 一方、3分の2以上の人は自身の給与で生活費を常に十分に賄うことができておらず、60%以上のケニア人は友人・家族・非合法な高利貸しなどからお金を借りている。金融サービスにアカウントを持ち利便性がよくなることと、個々人の経済的問題の解決、貧困からの脱却は全く別問題であるということも浮き彫りとなっている。
  • 世界銀行のレポートによるとケニアの貧困率は減少傾向にあるものの、減少の主要な要因は農業によるもので、現在の貧困層のほとんどは北東部の農村地域に集中している。
  • ケニアでは現在国内総生産に占める農業の割合は増加傾向にあり、現在は約3割(35%前後)を農業が占めている。(10年前と比較して約10%増)。またアフリカ全体での農業市場は2030年までに1兆ドルに成長するといわれている。
  • Cellurantではアフリカでの真の金融包摂推進には農業分野をいかに取り込み各国に展開していくかが大事であると捉え、Tinggに続き、ブロックチェーンベースの農業用デジタルマーケットプレイスサービス「Agrikore」という農業用のプラットフォームをローンチしている。現在ケニアとナイジェリアで稼働している。
  • 目的は農業に関係する全ての人(農家・買付業者・物流会社・政府・金融機関など)が信頼できる環境でビジネスができるようにするため、Tinggと連携することで、融資や政府などから農家への助成金の送金をはじめとする必要な資金のやり取りや決済は全てオンライン上で完結する。
  • 例えば、買付業者が品物を注文すると、近接する農家に規模に応じてそれぞれの個数と価格のオファーを送信、農家がそのオファーを受けるとプラットフォーム上に登録されている輸送業者や品質検査員が割り当てられていくといった流れをたどり、その各者間での資金のやり取りはTinggを介して行われる。全てのログは記録され、Agrikore利用者は誰でも全てのログを確認することができる
  • これにより、中間業者やエージェントなどを介すことで不透明となっていた価格設定や資金の流れが明確かつ公正になり、小規模農家が苦慮していた販路確保の問題も解消される。
  • モバイルマネーは「最初のステップ」にすぎないと考えるCellurantでは、第二のステップはデジタル融資、最終的にはこれらを包括した市場全体の経済問題を解決することが重要だと考え、アフリカ全体での金融包摂の推進を視野に入れ今後もサービスを展開していく。

背景:人口5,139万人のケニアではモバイル決済のアクティブユーザーが3,160万人、そのうちの2,557万人がM-PESAを利用している。ケニア中央銀行によると、昨年のモバイル決済によるトランザクションは3.7兆ケニアシリング(385億ドル)に達し、国内総生産のほぼ半分に相当するまでになっている。 その一方でNetflix、Uberをはじめとする海外企業がケニア国内で提供するサービスなどでは決済手段として利用出来ないことも多く、ローカルな決済手段にすぎないという側面も持っている。

執筆:椛澤かおり/編集:渡邉草太

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高まるクラウドネイティブのセキュリティ需要、Acua Securityが狙うサーバレス市場

ピックアップ:Aqua Security Raises $30 Million in Series D Funding to Fuel the Expansion of Its Cloud Native Security Platformcontainer-security-startup-aqua-security-raises-30m ニュースサマリー:セキュリティースタートアップ「Acua …

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Image Credit : Acua Security

ピックアップ:Aqua Security Raises $30 Million in Series D Funding to Fuel the Expansion of Its Cloud Native Security Platformcontainer-security-startup-aqua-security-raises-30m

ニュースサマリー:セキュリティースタートアップ「Acua Security」は20日、シリーズDにて3000万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはGreenspring Associatesが参加し、既存投資家のInsight Partners、Lightspeed Venture Partners、TLV Partnersも同ラウンドに参加している。

重要なポイント:近年モダンなアプリ開発を実現するコンテナ技術の利用が急速に市場へ浸透しつつある。それに伴い、同領域のサイバーセキュリティー・ソリューションのニーズが非常に高まっている。

詳細情報:同社は、コンテナベースかつサーバーレスのアプリケーションを提供している。開発者は、同アプリケーションを活用しすることでコンテナのセキュリティーとコンプライアンスの自動化と改善を行うことが出来る。また、使用状況の監視やユーザーのアクセス制御等にも対応している。

  • 近年では、ソフトウェアベンダー大手のVMwareIntrinsic社のようなクラウドネイティブなセキュリティスタートアップを買収するような動きを見せており、同領域の需要の高さが見て取れる。
  • また、コンテナ市場は、2018年〜2023年でCAGRが約33%と高い成長率で利活用が進むと想定されている。
  • 加えて、サーバーレス市場も、2018年~2025年で約28%(Apacでは31%)と高いCAGRが想定されており、クラウドネイティブなアプリ開発は急速に一般化していくだろう。
  • 同社はこのような市場のトレンドに乗って、金融、エネルギー、航空宇宙、メディア、小売、ヘルスケアの大口顧客へのツールの導入を進めている。過去12カ月で収益が2倍以上に増加した。

背景:クラウドコンピューティングが一般化し、企業がインダストリーを問わずにコンテナツールへの依存度を高める傾向にある。そのため、Acua Securityのようなセキュリティー企業の存在感は増していくだろう。

執筆:國生啓佑/編集:増渕大志

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男女平等を実現するアイデアに3000万ドル、メリンダ・ゲイツ&マッケンジー・ベゾス女史がタッグ

ピックアップ:MacKenzie Bezos And Melinda Gates Team Up On $30 Million Gender Equity Contest 重要なポイント:メリンダ・ゲイツ氏の投資会社であるPivotal Venturesは、ジェフ・ベゾス氏の元妻であるマッケンジー・ベゾス氏と手を組み、2030年までに米国でジェンダーギャップを解決するための最も優れたアイデアに3,…

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Image Credit : Equality Can’t Wait Challenge

ピックアップ:MacKenzie Bezos And Melinda Gates Team Up On $30 Million Gender Equity Contest

重要なポイント:メリンダ・ゲイツ氏の投資会社であるPivotal Venturesは、ジェフ・ベゾス氏の元妻であるマッケンジー・ベゾス氏と手を組み、2030年までに米国でジェンダーギャップを解決するための最も優れたアイデアに3,000万ドルを授与するコンテスト「Equality Can’t Wait Challenge」の開催を発表した。

詳細情報:今回のコンテストでは、女性の活躍を阻む障害を取り除くため、時代遅れのシステムやジェンダーに関する固定概念を打ち破るための施策を募集する。対象は米国を拠点とする組織やNPOで、参加するには今年9月1日までにオンラインで登録する必要がある。

  • コンテスト開催発表のプレスリリースによると、アイデアの評価基準は(1)現状に変化をもたらすことができるか?(2)公平性の観点を持つか?(有色人種の女性、貧困の中で暮らす女性、LGBTQの女性など、あらゆる背景を考慮した観点からアプローチしているか?)(3)革新的か?(4)実現可能か?となっている。
  • Forbesによると、ゲイツ氏は以前から女性の権利問題について声をあげてきたが、ベゾス氏は自身の慈善活動について多くを語ってこなかった。

背景:現在世界中でニュースとなっている出来事は、米国の根深い不平等を露呈し「Equality Can’t Wait」というコンテストタイトルの緊急性を高めている。#BlackLivesMatterは、米国の歴史的な人種差別を世界的に明らかにし、COVID-19は米国女性の雇用における構造的不平等を顕在化した。

ロイターの記事によると、成人女性の失業率は4月に15.5%と急上昇し、男性の失業率13%、労働者全体の14.7%を上回っている。4月の失業者増大の中心となったのは、娯楽・サービス産業770万人、医療・教育産業250万人であるが、どちらも消費者と直接対面する産業であり、非白人女性を含め、女性が多数を占めているという。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:増渕大志

 

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