企業が想定しているユースケース以外にも、消費ベースのモデルは、Microsoftがメタバースで展開する可能性を秘めている。Teams の月間アクティブ ユーザー数は約2億5,000万人だが、そのうちの一部のユーザーが Mesh for Teams のプレミアム サービス(Azure 開発ツールなど)を利用すれば、それはMicrosoftにとって大いに価値のあることだ。
Facebook(訳注:旧社名・新社名はMeta)がメタバースの未来を明確にした1週間後、Microsoftは11月の開発者イベント「Ignite」で、Microsoft Mesh for TeamsにおけるAR/VR(拡張現実と仮想現実)ミーティングのビジョンを提示した。このサービスは、物理的に異なる場所にいる人々がARやVRを介してコラボレーション体験に参加できるMicrosoft Meshの…
Mesh for Team’s, Microsoft’s vision of the metaverse for online meetings. Image Credit: Microsoft
Facebook(訳注:旧社名・新社名はMeta)がメタバースの未来を明確にした1週間後、Microsoftは11月の開発者イベント「Ignite」で、Microsoft Mesh for TeamsにおけるAR/VR(拡張現実と仮想現実)ミーティングのビジョンを提示した。このサービスは、物理的に異なる場所にいる人々がARやVRを介してコラボレーション体験に参加できるMicrosoft MeshのAR/VR機能と、Teamsの生産性ツールを組み合わせたものだという。
Microsoftによると、2022年前半にプレビュー版がリリースされ、スマートフォンやPC、AR/VRヘッドセットから誰でもアクセスできるようになるという「Mesh for Teams」は、表向きは会議をより「パーソナル」で「エンゲージメント」なものにするために設計されている。ユーザーは、カスタマイズされた自分自身のアバターとしてTeamsの標準的な会議に参加し、組織はTeams内に「メタバース」と呼ばれるスペースを構築することができる。Mesh for Teamsのユーザーは、自分のアバター(またはビデオや静止画、イニシャル入りのバブル)をこれらのスペースに持ち込んで交流することができる。
Mesh for Teamsでは、あらかじめ構築された没入型スペースが用意されているが、時間の経過とともに組織が独自の没入型スペースを構築し、Teamsに展開できるようになる。アバターはTeamsのミーティングから、Teams内の没入型スペースを含むMesh対応の他の体験へとユーザーを導いてくれる。
MicrosoftでMesh for Teamsに取り組んでいるプリンシパルプロジェクトマネージャーのKatie Kelly氏は、次のように述べている。
Windows 365はMicrosoftが「インスタントオン」と呼ぶ起動体験を提供し、アプリやツール、データ、設定をクラウドからMacOS、iOS、Linux、Androidにストリーミングする。各インスタンスの状態は暗号化されており、デバイスを切り替えても同じ状態を維持する。またWindows 365は、標準のWindowsインストールと同様にMicrosoft 365、Dynamics 365、Power Platformなどのビジネスアプリケーションをサポートしている。
さらに「App Assurance」と呼ばれる新しいサービスでは、150人以上のユーザーを持つ顧客に対しては、発生したアプリの問題を追加費用なしで解決することができる。ITに関しては、Windows 365がMicrosoft Endpoint Managerで物理デバイスと一緒に表示されることになる。管理者は、管理ポリシーとセキュリティポリシーを適用し、Windows 10、Microsoft Defender for Endpoint、Microsoft Edge、またはクラウドPC固有のセキュリティベースラインを使用することができる。
Windows 365 の多要素認証(MFA)は、Microsoft Azure Active Directory との統合によりクラウド PCへのログインやアクセスを検証する。Microsoft Endpoint Managerでは、MFAをWindows 365の条件付きアクセスポリシーと組み合わせ、ライセンスやデバイス管理、クラウド PC 管理などの権限を特定のロールに対して委譲することができる。Microsoft Defender for Endpointは、クラウドPCにも対応しており、管理者はインスタンスをオンボードし、セキュリティ推奨事項を活用して課題発見や優先順位付けを行うことが可能だ。
マイクロソフトが今週開催したカンファレンス「Build」では、同社 CEO Satya Nadella 氏は「スピード」に焦点を当てた。彼は、「開発者がより早くアイデアをソフトウェアに変化させることが出来るツールやサービスを増やし、開発者の速度に貢献する」と表明した。 毎年恒例のこのイベントは、従来の開発者だけでなく、表計算ソフトやその他の「ローコード」ツールを使用する新しい開発者にも楽しんでいた…
マイクロソフトが今週開催したカンファレンス「Build」では、同社 CEO Satya Nadella 氏は「スピード」に焦点を当てた。彼は、「開発者がより早くアイデアをソフトウェアに変化させることが出来るツールやサービスを増やし、開発者の速度に貢献する」と表明した。
毎年恒例のこのイベントは、従来の開発者だけでなく、表計算ソフトやその他の「ローコード」ツールを使用する新しい開発者にも楽しんでいただける内容となっている。今週発表された主な内容は、ローコードプログラミング言語「Microsoft Power FX」と AI 技術の連携、「Cosmos DB」の機能強化などだ。
データをダッシュボードに
Microsoft Power Platform は、技術者ではないユーザが自らデータを作成、自動化、分析することを可能にし、開発者がアプリケーションやプロセスを構築してくれるのを待つ必要がない。Power BI は、複雑なデータをレポートやインタラクティブなダッシュボードに変換するローコードやノーコードのツールの集合体だ。アナリストは、Power Apps を使用してデータ・アプリケーションやプロセスを構築することができる。
Power FX に AI を連携することで、PowerApps で開発する際に、自然言語入力や「Programming by example」の技術を利用しやすくなる。Power FX が Microsoft Excel 上に構築された数式ベースのツールであることは、人々が従来のプログラミング言語を学ぶことなく、カスタムコードを書くことができることを意味している。
Power FX は「誰もが使えるローコードのプログラミング言語」であると、マイクロソフト社のプログラムマネージャー Greg Lindhorst 氏は述べている。
Power Apps は、Microsoft Teams(Office 365)、ビジネスアプリ(Dynamics 365)、開発者クラウド(Azure)など、Microsoft のすべてのクラウド製品にネイティブに連携されている。アプリスタジオが組み込まれた Teams は、メールやビデオチャットをするだけの場所ではない。Microsoft Build では、このリモートコラボレーションツールを、アプリを配信するための完全にカスタマイズ可能なプラットフォームとして位置づけようとしている。
この連携により、組織内のカスタムコードの量が増加する可能性がある。一般的なユーザにとってはあまり意味のない機能だが、チームメイトがチャットだけでなくコードを作成できるようになることは素晴らしいことだ。パワーユーザーは、自分のコードを Teams で共有し、他のユーザがそれを拡張することができるようになる。
いくつかの巧妙なハックによって、何百万時間もの作業を削減することができる。
Cosmos DB の強化
Cosmos DB は、Azure におけるマイクロソフトの主要なツールの1つであり、開発者がデータを保存するための最もシンプルで柔軟な方法の1つであり続けている。マイクロソフトは、Cosmos DB のコスト抑制とサーバーレスのオプションを強調した。
最大のオプションは、カスタマイズされたキャッシュかもしれない。これまで Azure ユーザは、Redis のバージョンを挿入することで、同様のトラフィックのバーストに対応していた。新しいキャッシュは、Cosmos DB に最適化されている。
キャッシュの価格は、そのコンピュートパワーと RAM のサイズ(キャッシュするデータ量を決める最も重要なパラメータ)に基づいて、通常のインスタンスとして計算される。キャッシュがヒットした場合、Cosmos DB にはコストが発生しない。これは、無限にあるかのように見えるデータベースのクエリと、キャッシュマシンの毎月の固定コストを効果的に交換するものだ。
キャッシングは、集中した大きなアクティビティによる高負荷時に役立つ。また、Cosmos DB チームは、断続的なアプリケーションやテスト中のアプリケーションにサーバーレスロードを導入する機会を重視している。サーバーレス版は、Microsoft Build で一般公開された。
Cosmos DB のユーザは、Power BI プラットフォームで作業するパワースプレッドシートユーザーよりも、より本格的な課題を持つ開発者が多い傾向にある。今回の新機能は、開発者が Cosmos DB へのデータ保存をより簡単かつ迅速に開始できるようにするとともに、コストの抑制(あるいは削減)にも貢献することを目的としている。
すべての人にソフトウェア開発を
基調演説するマイクロソフト CEO Satya Nadella 氏 Image credit: Microsoft
これらの新しいミーティング用アプリは、すでに700以上のTeamsアプリがリストされている「Teams App Store」で提供される。Microsoftのパートナーおよびサードパーティ開発者は「Microsoft Teams Toolkit for Visual Studio」や「Microsoft Teams Toolkit for Visual Studio Code」を使ってカスタムアプリを構築している(IT部門が「SharePoint Framework」で構築したエンタープライズTeamsアプリもあるが、Microsoftはその数を公表していない)。